JP4018426B2 - 画像処理システムおよびその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷要求に伴う印刷情報に基づき描画処理を行う画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホストコンピュータにおいては、ワードプロセッサや表計算のようなアプリケーションプログラムが、Windows(米国Microsoft社の登録商標)のような基本ソフト上で動作する。これらアプリケーションプログラムは、印刷装置を使用して印刷を行う場合、基本ソフトが提供するサブシステム中のグラフィックサブシステムの機能をコールする。
【0003】
グラフィックサブシステムは、例えばWindowsではGDI (Graphic Device Interface)と呼ばれ、ディスプレイやプリンタに対する画像情報の処理を司る。GDIは、ディスプレイやプリンタといった各デバイスに依存する機能や特性の違いを吸収するために、デバイスドライバと呼ばれるモジュールを動的にリンクして、各デバイスに対する出力処理を行う。
【0004】
プリンタドライバと呼ばれるプリンタ用のモジュールには、プリンタの能力や機能などに応じて予めデバイスドライバに実装することが決められているDDI (Device Driver Interface)と呼ばれる関数群が用意されている。アプリケーションプログラムによるAPI (Application Programming Interface)コールを、GDIがデバイスドライバ用のデータに変換することで、DDI関数群が適宜GDIからコールされ、所定の印刷処理が実行される仕組みになっている。このように、アプリケーションプログラムからの印刷要求は、GDIにより、プリンタドライバを介してシーケンシャルに処理される。
【0005】
このようなホストコンピュータのアプリケーションが印刷装置に対し画像を出力する際、その画像は、カラーモニタで加法混色の三原色を用いて色を表現する場合のレッドR、グリーンGおよびブルーBのRGB表記、または、多色画像を印刷する印刷装置の色表現である、減法混色の原理に基づいて画像形成における色を表現するイエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKのYMCK表記の何れかの形式でプリンタドライバから出力される。
【0006】
図1はRGB表記によるホストコンピュータ内の処理を簡単に説明するための図である。
【0007】
図1において、矩形D1は赤色の格子パターンで塗り潰され、楕円形D2は黄色単色で塗り潰され、矩形D3は緑色のハッチングパターンで塗り潰され、円形D4は青色のタイルパターンで塗り潰されている。これら四つの描画オブジェクトを処理する場合、プリンタドライバは、一般に、システムから渡されるデータの順、例えばD1、D2、D3およびD4の順に処理を行う。その際、システムから渡される描画オブジェクトの描画情報としてWindowsのGDIに特有のROP (Raster OPeration)が存在する。
【0008】
画像間の論理演算を行う描画処理であるROPは、描画オブジェクトの論理描画を指定するためのもので、その対象とするオブジェクトの数に応じて、ROP2、ROP3およびROP4が存在する。ROPは、描画オブジェクトの形状、その塗り潰しパターン、および、描画先(Destination)の相互間の論理的な演算を指定する。
【0009】
ROPの指定により、直前の描画結果である描画先を参照するケースがあるため、D1、D2およびD3の描画はシーケンシャルに処理する必要性がある。つまり、D1、D2およびD3の描画結果である描画先の状態がわからないと、D4をROPに基づき描画した結果は正しくないことになる。
【0010】
これらの描画処理は、通常、白黒画像またはRGB色空間における処理を前提としている。
【0011】
ところで、ホストコンピュータからデータを入力して印刷を行うプリンタ等の印刷装置は、YMCK色空間で画像処理を行う。そのため、例えば図2に示すように、ホストコンピュータからRGB表記およびYMCK表記が混在するデータが入力された場合、印刷装置は、入力されたRGB表記のデータと、それを前提とするROPコードをYMCK表記のデータに変換し、YMCKレンダラ(描画発生装置)によってビットイメージを生成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
印刷装置へRGB表記のデータが入力され、YMCK表記のデータへ変換される場合、図1に示す描画オブジェクトD4のように、他の描画オブジェクトと領域が重複しない場合の色の再現性はPDL (Page Description Language)の性能によってほぼ保たれる。しかし、描画オブジェクトD1、D2およびD3のように、領域S1、S2が重複(重なり合う、透過)する場合は、前述したROPコードを印刷装置が処理しようとしても画像の正当性が保てない場合がある。この問題は重複数が多いほど顕著に現れる。
【0013】
そのため、印刷装置内の画像発生装置は、RGB表記からYMCK表記に変換された描画オブジェクトを描画する際に、領域が重複している描画オブジェクトをRGB表記へ戻してRGB描画を行い、そのビットイメージを圧縮して保持し、印刷に必要なタイミングでプリンタエンジンへ送出する。このような処理は、システムの負荷を増大させ、印刷装置のスループットを低下させる原因になる。
【0014】
本発明は、RGB色空間で処理すべきRGB 表記の印刷データと、その必要がないCMYK 表記の印刷データが混在する印刷情報を、画像の正当性および再現性を保ち、スループットの低下を防いで描画処理することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0017】
本発明にかかる画像処理システムは、データ処理装置およびプリンタを有する画像処理システムであって、前記データ処理装置は、アプリケーションプログラムにより印刷要求が発生すると、印刷データをバンド単位に分割して、各バンドに、 CMYK 表記の印刷データだけが存在するか、 RGB 表記の印刷データが存在するかを判別する判別手段、および、前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドの情報に、当該バンドに RGB 表記の印刷データが存在する旨のコマンドを付加して前記プリンタのコントローラに送信する送信手段を有し、前記プリンタのコントローラは、前記コマンドによる通知に基づき、前記CMYK 表記の印刷データだけが存在するバンドと、前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドを分離する分離手段、および、前記分離した前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドの前記 RGB 表記の印刷データを RGB 色空間で描画し、前記 CMYK 表記の印刷データを CMYK 色空間で描画する描画手段を有することを特徴とする。
【0019】
本発明にかかる画像処理システムの制御方法は、データ処理装置およびプリンタを有する画像処理システムの制御方法であって、前記データ処理装置を制御してアプリケーションプログラムにより印刷要求が発生すると、印刷データをバンド単位に分割して、各バンドに、 CMYK 表記の印刷データだけが存在するか、 RGB 表記の印刷データが存在するかを判別させ、前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドの情報に、当該バンドに RGB 表記の印刷データが存在する旨のコマンドを付加して前記プリンタのコントローラに送信させ、前記プリンタのコントローラを制御して、前記コマンドによる通知に基づき、前記CMYK 表記の印刷データだけが存在するバンドと、前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドを分離させ、前記分離した前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドの前記 RGB 表記の印刷データを RGB 色空間で描画させ、前記 CMYK 表記の印刷データを CMYK 色空間で描画させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態の画像処理装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
まず、本発明が適用可能な印刷装置として、カラーレーザビームプリンタを説明する。なお、本発明を適用可能なプリンタは、光ビームを走査して画像を形成する装置であればよく、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置でもよい。さらに、カラーレーザビームプリンタに限らず、モノクロレーザビームプリンタでもよいし、インクジェットプリンタやサーマルプリンタなどの他の方式のプリンタでもよい。
【0022】
[印刷装置]
図3はカラーレーザビームプリンタ(以下「カラープリンタ」と省略する)の構成例を示す図である。
【0023】
図1に示すカラープリンタは、600dpiの解像度を有し、各色成分を8ビットで表現するデータに基づき、記録紙にカラー画像を記録する。カラープリンタは、その外部に接続されたホストコンピュータなどから供給されるプリントデータ(文字コードや画像データなど)および制御コードからなる印刷情報を入力して記憶するとともに、それらの情報に従い、対応する文字パターンやイメージなどを作成して、記憶媒体である記録紙上にカラー画像を形成する。
【0024】
コントローラ110は、ホストコンピュータから供給される印刷情報を解析し、印刷イメージを生成するとともに、カラープリンタ本体の制御を行う。オペレーションパネル120は、コントローラ部110と接続され、ユーザの指示を入力するスイッチや、ユーザに装置や動作の状態を通知するための表示器などが配されている。なお、オペレーションパネル120は、カラープリンタの外装の一部として配置されている。
【0025】
コントローラ110が生成する印刷イメージは、ビデオ信号VDOとして出力制御部130へ出力される。出力制御部130は、図示しない各種センサから入力されるカラープリンタ各部の状態情報に基づき、光学ユニット140および各種の駆動系機構部に対し制御信号を出力し、カラープリンタとしての印刷動作を制御する。
【0026】
コントローラ110がイメージに展開した印刷情報は、ビデオ信号VDOに変換されて出力制御部130内のレーザドライバに送られる。レーザドライバは、ビデオ信号VDOに応じて半導体レーザ素子141を駆動する。半導体レーザ素子141は、ビデオ信号VDOに応じて、その発光がオンオフ制御されたレーザ光Lを出力する。レーザ光Lは、スキャナモータ143によって高速回転するポリゴンミラー142で左右方向に振られ、f-θレンズ144および反射鏡145を介して感光ドラム151上を走査する。
【0027】
レーザ光Lによる走査に先立ち、感光ドラム151の外周面は、帯電器156によって所定の極性および電位に略均一に帯電されている。従って、レーザ光Lの走査により、感光ドラム151上に静電潜像が形成される。
【0028】
各色の現像器は、その両端に回転支軸を有し、それぞれ軸を中心に回転可能に現像器選択機構部152に保持されている。この構造により、各色の現像器は、現像器を選択するために現像器選択機構部152が回転軸152aを中心にして回転しても、その姿勢を一定に維持することができる。選択された現像器が現像位置へ移動した後、ソレノイド153aにより、支点153bを中心に、選択機構保持フレーム153が感光ドラム151の方向へ引っ張られ、現像器選択機構部152は現像器と一体に感光ドラム151の方向へ移動して現像処理が行われる。
【0029】
一方、給紙カセット161から供給される記録紙Pは、所定のタイミングで転写ドラム154に供給され、記録紙Pの先端がグリッパ154fにより挟持される。さらに、感光ドラム151上のトナー像を記録紙Pに転写するために、トナーと逆極性(例えばプラス極性)の転写バイアス電圧が転写ドラム154に加さられ、記録紙Pは転写ドラム154の外周面に静電吸着される。
【0030】
光学ユニット140により感光ドラム151上に形成された潜像は、まず、マゼンタMの現像器Dmによって現像される。現像により生成されたMトナー像は、転写ドラム154の外周に保持された記録紙Pに転写される。次に、シアンC色に対応する静電潜像が形成され、シアンCの現像器Dcにより現像される。生成されたCトナー像は記録紙PのMトナー像上に多重転写される。以下、同様の手順で、イエローY、ブラックKの順に、トナー像が形成され記録紙P上のトナー像に多重転写される。なお、トナー像の転写が終了した感光ドラム151は、次の潜像形成および現像に備えて、クリーナ157により残留トナーが除去される。
【0031】
このようにして、記録紙Pには四色のトナー像が重畳される。なお、トナー像の転写に先立ち、転写ドラム154には前回よりも高い転写バイアス電圧が印加される。記録紙Pに四色のトナー像が重畳されると、分離爪158が転写ドラム154に接近し、分離爪158の先端が転写ドラム154の表面に接触し、記録紙Pが転写ドラム154から分離される。分離された記録紙Pは定着ユニット155に搬送され、ここでトナー像が定着された後、排紙ローラ159によって排紙トレイ160に排出される。
【0032】
本実施形態のカラープリンタは、以上の画像形成過程を経て、600dpiの解像度で画像を形成する。
【0033】
[コントローラ]
図4はコントローラ110およびホストコンピュータ200の構成例を示すブロック図である。本実施形態における画像処理装置であるコントローラ110は、通常、PDLコントローラなどと呼ばれる。
【0034】
CPU 1120は、コントローラ110を統括的に制御する。ROM 1121は、CPU 1120によって実行されるプログラム等を保持するメモリである。RAM 1122は、CPU 1120の作業領域であり、描画に必要な描画オブジェクトや受信データを一時的に保持する。
【0035】
描画処理実行部1123は、RAM 1122から描画オブジェクトを読み出して画像を生成し画像メモリ1124に格納する。
【0036】
画像圧縮部1126は、CPU 1120の制御に従い、RAM 1122などに格納された画像を圧縮し、圧縮した画像をRAM 1122などに格納する。
【0037】
出力制御部1125は、画像メモリ1124に展開されたイメージデータ、または、画像圧縮部1126によって圧縮されRAM 1122などに格納された画像を伸長して、ビデオ信号に変換し、プリンタエンジン140へ転送する。
【0038】
また、ホストインタフェイス111は、ホストコンピュータ200とのデータ転送を制御する。
【0039】
ホストコンピュータ200からホストインタフェイス111を介して受信された所定形式の印刷データは、一時的にRAM 1122に逐次蓄積され、必要に応じてCPU 201によって読み出され、処理される。CPU 201は、PDL(Page Description Language)コマンド体系や印刷ジョブ制御言語に準じた制御プログラムを実行し、文字や記号の印刷、図形やイメージなどの描画に関する印刷データの解析結果に基づき、印刷データを描画オブジェクトに変換してRAM 1122に格納する。そして、描画に必要なすべてのデータをRAM 1122に格納すると、描画処理実行部1123に描画処理の実行を指示する。
【0040】
描画処理実行部1123は、文字やイメージなどの各描画オブジェクトを画像メモリ1124に逐次展開するYMCKレンダラである。カラーレーザビームプリンタのようなページプリンタに対しては、YMCKの面順次に頁単位のデータを送出する必要がある。しかし、本実施形態では、印刷に必要となる画像メモリ1124の記憶容量を削減するために、CPU 1120の制御に基づき、所謂バンディング処理を行う。
【0041】
バンディング処理は、YMCK各プレーン(一頁分)の印刷内容を複数のバンドに分割することで、一頁分よりも少ない記憶容量の画像メモリ1124を利用する方法である。そして、プリンタエンジン140の処理速度に同期して、画像メモリ1124にバンドイメージを展開するように構成されている。例えば、画像メモリ1124をバンド単位でビットマップデータを保持する二つのバンドメモリとして割り当て、一方で描画データを作成中は、他方に、既に完成した1バンド分のビットマップデータを出力させる、という動作を交互に繰り返させる。つまり、一方のバンドメモリで描画データを作成している時、他方のバンドメモリからは、既に完成したビットマップデータが出力される。
【0042】
以上の処理を繰り返すことで、連続した描画データの出力が可能になる。ただし、バンド描画の予想時間がバンド印刷時間よりも長い場合、CPU 1120は、1バンドを印刷しながら、次のバンドを並行して描画するバンディング処理は不可能であると判断する。その場合、印刷データの描画解像度を低解像度へ変換して全面(一頁分の)描画を行ってプリンタエンジン140にビットマップデータを転送するか、1バンドの描画時間が間に合わないバンドのみを予め描画し、画像圧縮部1126に圧縮させ保持させる。画像圧縮部1126に保持された圧縮された画像は、印刷の際に、出力制御部1125によってプリンタエンジン140に転送される(プレレンダリング)など、印刷が正しく行われるための処理が行われる。
【0043】
[ホストコンピュータ]
ホストコンピュータ200は、印刷データおよび制御コードなどからなる印刷情報をコントローラ110に出力する。ホストコンピュータ200は、Windowsなどの基本ソフト(OS)によって動作しているものとする。
【0044】
ホストコンピュータ200上で稼働するソフトウェアについて、本実施形態に関する機能的な部分にのみ注目し、OS上で動作する機能を大きく分類すると、アプリケーションプログラム201、グラフィックサブシステム202、コントローラ110とのインタフェイスであるプリンタインタフェイス203に大別される。
【0045】
アプリケーションプログラム201は、例えば、ワードプロセッサや表計算など、OS上で動作する応用ソフトウェアである。グラフィックサブシステム202は、OSの機能の一部であるGDI 2020と、GDIから動的にリンクされるデバイスドライバであるプリンタドライバ2021によって構成される。OSによっては、これらの名称や機能的な枠組みが若干異なる場合があるが、各機能を実現するソフトウェアモジュールであれば、それらの名称や枠組みは本実施形態にとってあまり大きな問題ではない。なお、一般に、これらの各機能モジュールを実行するホストコンピュータ200は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ(HDD)および各種入出力制御部(I/O)などのハードウェアの下でOSがそれらの制御を司り、そのOSの下でアプリケーションプログラムやサブシステムプロセスが機能モジュールとして動作するように構成されている。
【0046】
[画像処理]
図5はホストコンピュータ200が一頁分の印刷データをバンド分割した例を示す図、図6は本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
ホストコンピュータ200のアプリケーションプログラム201によって印刷装置に対する印刷要求が発生すると、前述したように、グラフィックサブシステム202内のGDI 2020は、プリンタドライバ2021を介して、描画オブジェクトを、オブジェクトごとにシーケンシャルに処理する。そして、GDI 2020は、プリンタドライバ2021内のDDIに基づき描画オブジェクトの外形や色情報等をセットし、また、描画すべきバンドメモリを指示する情報や、描画位置などを表す印刷データをプリンタインタフェイス203へ渡す。
【0048】
つまり、GDI 2020は、図5に示すようなバンド分割を行い(S1)、各バンドの情報を解析し(S2)、あるバンドにRGB表記のデータが存在するか否かを判別する(S3)。例えば、図5においては、一頁分の印刷データが六つのバンドに分割されていて、バンド2およびバンド5にRGB表記のデータが存在する。RGB表記のデータが存在すると、GDI 2020は、そのバンドの出力情報にRGB表記のデータがある旨を示すコマンドを付加する(S4)。このようにして、RGB表記のデータがあるバンド、および、YMCK表記のデータだけのバンドが区別されたすべてのバンド情報は、印刷要求と同様に、プリンタインタフェイス203を介して、コントローラ110のホストインタフェイス111へ送られる。
【0049】
コントローラ110は、描画バンド情報を受信すると、RGB表記のデータが存在するバンドと、そうではないバンドとを分離する。そして、RGB表記のデータが存在するバンドは、CPU201が、RGB表記データの描画オブジェクトを作成してRAM 1122へ格納する。CPU201は、RGB表記のデータが存在するバンドの描画処理をRGBデータのまま行い(RGB色空間で行い)、描画したイメージデータを画像圧縮部1126に圧縮させてRAM 1122へ格納させる(S6)。この描画(プレレンダリング)は、前述したように、あるバンドのみバンディング処理を行わず、出力制御部1125がそのバンドを直接扱い、そのバンドのデータが必要なタイミングでプリンタエンジン140へ転送する処理である。
【0050】
RGB表記のデータが存在するバンドのプレレンダリングが終了すると、CPU1120は、他のバンドの描画を実行させるため、YMCK描画オブジェクトを作成して、描画処理実行部1123に描画を指示する(S7)。RGB表記のデータが存在しないバンドは通常どおり描画処理実行部1123によりYMCK色空間でレンダリングされ、画像メモリ1124へ展開され(S8)、バンディング処理される。
【0051】
そして、RAM 1122に格納されたRGBでレンダリングされた各バンドのデータは、バンディング処理で出力されるバンドとの出力順が調整され、出力制御部1125によってプリンタエンジン140へ送られる(S9)。
【0052】
上述した実施形態ではホストコンピュータ200から入力されるデータが、バンド情報などを含む文字コードや、プリンタ制御言語などの形式で記述された記録コマンド、記録データとして説明したが、ホストコンピュータ200上で、RGB描画オブジェクトもしくはYMCK描画オブジェクトを作成し、プリンタへ出力するような構成でもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、YMCKレンダラとして印刷装置内の描画処理実行部1123を想定したが、例えば別のコンピュータ上で動作するRIP (Raster Image Processor)と呼ばれるモジュールをネットワーク経由でYMCKレンダラとして利用することもできる。また、ホストコンピュータ200の処理能力が充分に高い場合や、レンダラ(描画処理部)を持たないプリンタで印刷する場合は、ホストコンピュータ上にYMCKレンダラをもつ構成でもよい。
【0054】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0055】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0056】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0057】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、RGB色空間で処理すべきRGB 表記の印刷データと、その必要がないCMYK 表記の印刷データが混在する印刷情報を、画像の正当性および再現性を保ち、スループットの低下を防いで描画処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 RGB表記によるホストコンピュータ内の処理を簡単に説明するための図、
【図2】 RGB表記およびYMCK表記が混在するデータを説明する図、
【図3】カラーレーザビームプリンタの構成例を示す図、
【図4】コントローラおよびホストコンピュータの構成例を示すブロック図、
【図5】ホストコンピュータが一頁分の印刷データをバンド分割した例を示す図、
【図6】本実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。

Claims (6)

  1. データ処理装置およびプリンタを有する画像処理システムであって、
    前記データ処理装置は、アプリケーションプログラムにより印刷要求が発生すると、印刷データをバンド単位に分割して、各バンドに、 CMYK 表記の印刷データだけが存在するか、 RGB 表記の印刷データが存在するかを判別する判別手段、および、前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドの情報に、当該バンドに RGB 表記の印刷データが存在する旨のコマンドを付加して前記プリンタのコントローラに送信する送信手段を有し、
    前記プリンタのコントローラは、前記コマンドによる通知に基づき、前記CMYK 表記の印刷データだけが存在するバンドと、前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドを分離する分離手段、および、前記分離した前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドの前記 RGB 表記の印刷データを RGB 色空間で描画し、前記 CMYK 表記の印刷データを CMYK 色空間で描画する描画手段を有することを特徴とする画像処理システム。
  2. 前記判別は GDI (Graphic Device Interface) で行われることを特徴とする請求項1に記載された画像処理システム
  3. 前記コントローラは、さらに、前記 RGB 色空間で描画したイメージデータを圧縮する圧縮手段を有することを特徴とする請求項 1 または請求項 2 に記載された画像処理システム。
  4. 前記コントローラは、さらに、前記 RGB 色空間で描画したイメージデータと、前記 CMYK 色空間で描画したイメージデータを、それらの出力順を調整して、前記プリンタのエンジンに出力する出力手段を有することを特徴とする請求項 1 から請求項 3 の何れかに記載された画像処理システム
  5. データ処理装置およびプリンタを有する画像処理システムの制御方法であって、
    前記データ処理装置を制御してアプリケーションプログラムにより印刷要求が発生すると、印刷データをバンド単位に分割して、各バンドに、 CMYK 表記の印刷データだけが存在するか、 RGB 表記の印刷データが存在するかを判別させ、前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドの情報に、当該バンドに RGB 表記の印刷データが存在する旨のコマンドを付加して前記プリンタのコントローラに送信させ、
    前記プリンタのコントローラを制御して、前記コマンドによる通知に基づき、前記CMYK 表記の印刷データだけが存在するバンドと、前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドを分離させ、前記分離した前記 RGB 表記の印刷データが存在するバンドの前記 RGB 表記の印刷データを RGB 色空間で描画させ、前記 CMYK 表記の印刷データを CMYK 色空間で描画させることを特徴とする制御方法。
  6. さらに、前記コントローラを制御して、前記 RGB 色空間で描画したイメージデータを圧縮させることを特徴とする請求項 5 に記載された制御方法
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