JP4018272B2 - インクジェットプリントヘッド及び該ヘッドを搭載するインクジェットプリンティングデバイス - Google Patents

インクジェットプリントヘッド及び該ヘッドを搭載するインクジェットプリンティングデバイス Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク小滴を飛翔させ、被記録媒体に記録を行なうインクジェット記録方式に用いられるインクジェットプリントヘッド及び該ヘッドを用いたインクジェットプリンティングデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日広く一般的に用いられているインクジェット記録方式のインク吐出方法にはインク滴を吐出するために用いられる吐出エネルギー発生素子として電気熱変換素子(ヒーター)を利用する方法と圧電素子(ピエゾ)を利用する方法があり、いずれも電気的な信号によってインク滴の吐出を制御することが可能である.例えば、電気熱変換素子を用いるインク滴吐出方法の原理は,電気熱変換素子に電気信号を与えることにより,電気熱変換素子近傍のインクを瞬時にして沸騰させ,そのときのインクの相変化により生じる急激な気泡の成長によってインク滴を高速に吐出させるものである.一方、圧電素子を用いるインク滴の吐出方法の原理は、圧電素子に電気信号を与えることにより、圧電素子が変位しこの変位時の圧力によってインク滴を吐出させるものである。ここで、前者の方法は吐出エネルギー発生素子のスペースをそれほど設けなくとも済み、インクジェットプリントヘッドの構造が単純で,インク流路の集積化が容易であること等の利点がある。しかしながら、上記方法は、一方で,電気熱変換素子の発生する熱によりインク内に溶けこんだ空気が溶出しインクジェットプリントヘッド内の残留気泡が生じ、この残留気泡を放置していた場合にはインク滴吐出特性及び画像に悪影響を与える。
【0003】
以下にこのインク内に溶け込んだ空気によるインクジェットプリントヘッド内に残留気泡によるインク滴吐出特性および画像に与える影響について詳しく説明する。インクジェットプリントヘッド内のインク中には、通常、空気が飽和状態で溶け込んでいる。この状態で電気熱変換素子を駆動すると、インクの相変化による発泡と急激な気泡の断熱収縮の繰り返しの際に、インク中に溶け込んでいた空気が1μm程度からそれ以下の径の未溶気泡としてインク中に突然出現することがある。また、このような気泡は、気泡の径、インクの表面張力、空気の飽和蒸気圧などから決まる時間でインク中に再溶解することが知られている。例えば、気泡の径が1μm以下であれば、溶解にかかる時間は1μs以下のオーダーとなる。しかしながら、高周波数で複数の電気熱変換素子を連続駆動する場合、このような気泡はインク中に複数出現し、再溶解する前に互いに合体成長してしまう。気泡の径が大きくなると、再溶解にかかる時間も断然大きくなることが知られているが、結果としてインクジェットプリントヘッド内に数10μmから数100μmの複数の残留気泡を貯えてしまうことになる。このようになると、これらの残留気泡はほとんどインク中に再溶解することはなく、インク滴の吐出特性に悪影響を与えることになる。すなわち、残留気泡がインク流路を塞いでしまえば、インク流路に十分なインクが充填されず吐出不良を生じさせることになる。また、インクジェットプリントヘッド内部に巨大な残留気泡(数100μm程度)が生じ、この残留気泡がたまたま外気と連通してしまうようなことが起こると、インク流路内に外気が入り込んでメニスカスが破壊されてしまうためインクタンクのインクを吸いあげる負圧力によって、インクジェットプリントヘッドの内部のインクはインクタンクに吸い上げられてしまい、インク流路が不吐出になってしまうということまで生じることがある。このような残留気泡のもたらす悪影響を回避するもっとも有効な解決手段としては、残留気泡が悪影響を与えるほど成長する前にインク吐出口から吸引、加圧等によってインクとともに残留気泡を外部に排出すること、いわゆる吸引(加圧)回復処理を行う方法がある。しかしながら、この場合にはインクの消費量が格段に増え、印字中にこれを行えば当然スループットは下がってしまう。他の方法としては、インク中に溶け込んでいた空気を何らかの方法によってインクから排出させ(脱気)、そのようなインクをインクジェットプリントヘッドに使用する方法がある。最もこの解決方法が有効に作用している時間は、インクを脱気してから数10分程度であり、またインクを脱気する装置は比較的大掛かりなため、この手法は大規模なプリンティングシステム等に限って用いることができるものである。
【0004】
そこでこのような残留気泡の問題に鑑み、特開平10-146976号公報に記載されたインクジェットプリントヘッドでは、図7 に示すように、吐出口プレート5の内面のインク供給口8真上に複数の突起7をある間隔で設けることで吐出口プレート5の内面に付着した泡が成長するのを抑えているとともに、隣接する吐出エネルギー発生素子である電気熱変換素子1が共有する共有インク流路部を設け、安定したインクの供給が行なえるようにすることで、突起7の先端に付着した約φ150μmに成長した泡11がインク流路中へ入り込むことによるインクの供給遮断を抑制している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例に於いては、気泡自体はインク供給口付近に依然存在するため、バナー印刷や捺染等の長尺記録媒体にプリントをする場合には、途中で回復処理をしなければならない場合があった。ところが、一枚の印字途中に回復操作が入るとそこで色見が変わり印字品位に悪影響を与えるため、印字途中で回復操作を行うことは望ましくない。このような事態を防止するためには、被記録媒体が代わるごとに常に回復操作を行うことで回避することはできるものの、頻繁に回復操作が入ると印字物のスループットが落ち、さらに無駄となるインク量が増えるという問題もあった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、インクジェットプリントヘッド内部に残った気泡のインク液吐出に与える悪影響を緩和させ、安定なインク滴の吐出と信頼性の高いインクジェットプリントヘッドを提供することを目的とするものである。
【0007】
本発明の別の目的は残留気泡を制御し、回復回数をさらに少なくすることによりスループットにすぐれ、インク消費量の少ないインクジェットプリンティングデバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、インクの流体力学的作用によりヘッドの基板の貫通口付近に流れを作り、共通液室壁面に付着した泡を剥がしやすいように、または泡が付着しにくいようにしたものであり、その構成は、インク滴を吐出するために用いられるエネルギーを発生する複数の電気熱変換素子が配列され、該複数の電気熱変換素子の配列方向に沿って延在する貫通口からなるインク供給口を有する基板と、インクを吐出する複数のインク吐出口を備えた吐出口プレートと、を備え、前記吐出口プレートが前記基板上に接合されることで、前記基板と前記吐出口プレートとの間に前記複数の吐出口と前記インク供給口とに連通するインク流路が形成されているインクジェットプリントヘッドにおいて、前記電気熱変換素子の配列方向と交差する方向における前記インク供給口の、前記吐出口プレート側開口が、前記吐出口プレート側とは反対方向の開口よりも小さく、前記吐出口プレートは、前記インク供給口の前記吐出口プレート側開口の投影領域に、前記インク流路に面し、前記電気熱変換素子の配列方向に延在する前記インク流路の高さと等しい高さの一つまたは複数のリブ状の突起を備え、記突起各々の前記電気熱変換素子の配列方向の長さが、前記インク流路の幅より大きく、前記突起の前記インク流路側の壁面と前記インク流路と連通する前記インク供給口の前記吐出プレート側開口の淵との距離(L)と、前記インク流路の高さ(H)との関係が1≦L/H≦2.9であることを特徴とするものである。
【0009】
上記のような本発明に係る構成を有するインクジェットプリントヘッドによれば、インク吐出時の前記吐出口プレートに平行なインク流れに前記インク供給口近くで前記共通液室方向の速度成分を与えることができ、インクジェットプリントヘッド内部に残った気泡のインク液吐出に与える悪影響を緩和させ、安定なインク滴の吐出と信頼性の高いインクジェットプリントヘッドを提供することができ、また、回復回数をさらに少なくすることによりスループットにすぐれ、インク消費量の少ないインクジェットプリンティングデバイスを提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しつつ本発明に係る実施形態を説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の内容を詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の第1の実施形態を示すインクジェットプリントヘッドの模式図であり、A-A断面図において吐出口は下を向いている。
【0013】
図中において基板4には長溝状の貫通口からなるインク供給口端3があり、そのインク供給口端3の長手方向の両側に吐出エネルギー発生素子である電気熱変換素子1がそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列されている。この基板4上にはインク流路を形成するためのインク流路壁となる被覆樹脂層6が設けられており、この被覆樹脂層6上に吐出口2を備える吐出口プレート5が設けられている。更に吐出口プレート5内面のインク供給口端3真上には電気熱変換素子の配列方向に長い突起7が設けられている。ここで、インク供給口端3の淵は図中では直線で示しているが、実際は製法上の問題で多少(数μm程)のうねりを伴っている場合もある。また、突起7は先細り傾向になるため、突起7の壁は厳密には吐出口プレート5に垂直ではなく、高さhは被覆樹脂層6の高さと同じで、より長いほうが好ましい。さらに、被覆樹脂層6、突起7は別部材として示されているが、この被覆樹脂層6をスピンコート等の手法によって基板4上に形成することによりこれらを同一部材として同時に形成することも可能である。基板4は支持部材9により固定されており、基板4のインク供給口端3と支持部材9の間がインク供給口8である。支持部材9には、インク供給口8に向けてインクを供給するための図示されていない丸穴流路が設けられている。
【0014】
次に従来及び本発明のインクジェットヘッドにおける残留気泡の動きについて説明する。
【0015】
まず、従来の構成(図7)では、電気信号が印可されることにより電気熱変換素子1が加熱され発泡すると、吐出口2からインク滴10が吐出されると同時に、インク流路からインク供給口端3に向かっての高速インク流が発生する。微細な残留気泡はこのインク流中に含まれ、インク供給口に移送される。このインク流はインク供給口端3部に達するとインク供給口部の角部で渦を生じ、この渦部分が淀みやすくなる。そして、この淀み部分に気泡が滞留するとインク供給口壁面12にこの気泡が付着し、気泡が除去されにくくなってしまう。そして、微細な残留気泡がこの気泡に付着するたびに気泡が成長し、ひいてはφ数100μmに至る気泡となってしまう。このようなφ数100μmに至る気泡がインク供給口8内に複数存在すると、気泡が広範囲に渡ってインク供給路をふさぎ、その結果、共有インク流路部の効果が著しく低減し、インク供給不足を生じることとなる。
【0016】
一方、本発明の構成では、インク流路からインク供給口端3に向かう高速インク流は突起7の壁面に当たることで、方向が図中向きにかえられ(図中矢印)、共通液室方向の速度成分が与えられる。このインク流には、高速インク流によるキャビテーションにより発生した残留気泡や、インク吐出時の吐出口から取り込んだ泡などの微小な泡を含んでおり、この微少な泡がインク供給口8内で合体し成長することで泡11が出来る。インク供給口近くは高速インク流によって、供給口近くの泡は図中上向きの力を受ける。その結果、高速インク流に押し流された泡11は供給口から離れたところで付着し成長する。従って大きな泡が多数存在してもインク供給に与える影響は小さいので、従来より泡が大きくなった場合でもインク供給不良は発生しない。なお、突起7の長手方向の壁とインク供給口端3の淵との距離Lがあまり大きすぎるとインク流が遅くなり、泡への流体力学的力が小さくなるため効果が弱くなる。また、LがHより極端に小さくなると、この部分が抵抗となり、リフィル特性に悪影響を与えるのであまり好ましくない。
【0017】
なお、本図およびこれ以下において、電気熱変換素子1を駆動するための電気的な配線等は図示していない。また、本実施例では、基板4の材質としてSi基板(ウエハー)を用いた場合で説明したが特に限定されるものではなく、インク吐出発生素子である電気熱変換素子1を構成し、かつインク吐出口2を形成する材料層である吐出口プレート5の支持体となりインク流路構成部材の一部として機能し得るのであれば、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等を用いてもよい。
【0018】
図6(図1のA−A’断面図)には本発明に係るインクジェットプリントヘッドの製造方法が示されている。初めに本態様においては、図1に示される基板4上には電気熱変換素子1が所望の個数配置される。次いで図6(図1のA−A’断面図)の(b)に示すように、電気熱変換素子1を含む基板4上に、溶解可能な樹脂層13を形成する。そして該樹脂層13に図6(c)に示すようにインク流路パターンを形成する。この時、インク供給口8(図6の(e)参照)が形成される部分に対応する該樹脂層13の上面に、リブ構造となるパターンを形成する。更に前記溶解可能な樹脂層13上に図6(d)に示す様に被覆樹脂層6を形成する。そして該被覆樹脂層6にインク吐出口2を形成する(図6(e))。該インク吐出口2の形成は従来から行なわれている手法で充分で、O2プラズマによるエッチング、エキシマレーザー穴明け、あるいは紫外線、Deep−UV光などによる露光など、あらゆる手法で形成可能である。
【0019】
次に基板4にインク供給口8を設ける。該インク供給口8は、基板を化学的にエッチングすることにより形成する。より具体的には基板4としてSi(シリコン)基板を用い、KOH、NaOH、TMAHなどの強アルカリ溶液による異方性エッチングにより形成する(図6(g))。一方この時、インク流路パターン、リブ構造となる様なパターンの形成(図6(b)〜(c))、およびインク吐出口の形成(図6(d)〜(e))を行う前に、インク供給口の形成を行うことも可能であるが、本発明に示す様なリブ構造は上記に示す通り、平坦な面上に溶解可能な樹脂層を形成、パターニングし、更にその上に被覆樹脂層を形成することにより達成可能である。そしてインク流路パターン、リブ構造となる様なパターンやインク吐出口を形成後にインク供給口を形成するための手段としては、ドリル等の機械的手段、レーザー等の光エネルギーの使用も考えられるが、これらの手法では先に形成したインク流路パターンなどにダメージを与えてしまう可能性があり、採用し難い。そこでインク供給口の形成としては、化学的なエッチング、中でもSi基板の異方性エッチングにより行うことが最適である。続いて図6(g)に示すように、溶解可能な樹脂層13を溶出することにより、インク流路およびインク流路ができる。この時インク供給口端3上にはリブ構造が形成される。そして最後に電気熱変換素子1を駆動するための電気的接合(図示せず)を行って、インクジェットプリントヘッドが完成する。
【0020】
本発明はインクジェットプリントヘッドの中でもバブルジェット方式の記録ヘッドにおいて優れた効果をもたらし、特に特開平4−10940号公報、特開平4−10941号公報、特開平4−10942号公報に記載の方法の記録ヘッドに最適である。これら各公報は、電気熱変換素子に記録情報に対応した駆動信号を印加し、電気熱変換素子にインクの核沸騰を越える急激な温度上昇を与える熱エネルギーを発生させ、インク内に気泡を形成させ、この気泡を外気と連通させてインク液滴を吐出させるものである。前記方法では、小インク液滴(50pl以下)の吐出が可能であり、且つヒータ前方のインク液を吐出させるため、インク液滴の体積や速度が温度の影響を受けず安定化し、高品位な画像を得ることができる。また本発明は、記録紙の全幅に渡り同時に記録ができるフルラインタイプの記録ヘッドとして、更には記録ヘッドを一体的に、あるいは複数個組み合わせたカラー記録ヘッドにも有効である。
【0021】
次に、上述した第1の実施形態に対応するインクジェットプリントヘッドとして以下の構成のインクジェットプリントヘッドを作成した。すなわち、155μm×11mmの長溝状の貫通口からなるインク供給口8を有し、そのインク供給口8の長手方向の両側に吐出エネルギー発生素子である電気熱変換素子1がそれぞれ1列ずつ128個が千鳥状に300DPIのピッチで配列されている基板4に、高さH=12μmの被覆樹脂層6および厚さ9μmの吐出口プレート5を設けることにより本実施形態のインクジェットプリントヘッドを作成した。なお、前述の突起7の長手方向の壁とインク供給口端3との距離Lを12、16.5、27.5μmと変えて3種類のインクジェットプリントヘッドを作成した。
【0022】
まずは、これら3種類のインクジェットプリントヘッドを用いて黒べた印字を行った後、黒ベタ印字後の気泡のたまり具合を吐出口プレート正面から観察したところ、従来例ではインク供給口近くにしか泡が存在していなかったのが、第1の実施形態における3種類のインクジェットプリントヘッドにおいてはどれも泡が共通液室奥に存在しており、突起による泡剥しの効果が確認できた。
【0023】
また、吐出周波数10kHz駆動で黒ベタの持続時間を計測し、本実施例のインクジェットプリントヘッドと従来のインクジェットプリントヘッドを比較評価した。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0004018272
本実施例のインクジェットプリントヘッドでは、どれも従来に比較して2倍以上の持続時間であった。また、Lが小さいほうがよい傾向にあった。
【0025】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態を示すインクジェットプリントヘッドの模式図であり、A-A断面図において吐出口は下を向いている。
【0026】
本実施形態のインクジェットプリントヘッドは図中突起7の形状のみが第一の実施形態と異なっている。突起7はながて方向Bが70μm厚みTが15μmであり、各インク流路に対して一個ずつある。吐出時のインク流が当たる壁とインク供給口端3との距離Lは27.5μmである。吐出時発生したのインク流の方向を有効に変換出来るように、長手方向の長さはインク流路の幅以上になっている。
【0027】
このように、突起7の形状が異なっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0028】
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態を示すインクジェットプリントヘッドの模式図であり、A-A断面図において吐出口は下を向いている。
【0029】
本実施形態のインクジェットプリントヘッドは図中突起7の形状のみが第一の実施形態と異なっている。突起7は、インク供給口端3の稜線に対し全体としては平行ではあるが、各インク流路単位で見れば平行からずれており、近いところで20μm遠いところで35μmである。これにより、インク供給口端3の稜線が直線でなく場所により振れた場合でもインク供給に必要な隙間を確保することができるようにしたものである。ここで斜線で示した部分の面積Sはインク流路の断面積より大きい方が好ましい。
【0030】
このように、突起7の形状が異なっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図4は本発明の第4の実施形態を示すインクジェットプリントヘッドの模式図であり、A−A断面図において吐出口は下を向いている。
【0032】
本実施形態のインクジェットプリントヘッドは、インク流路の形状が第一の実施形態と異なりインク流路が一つの吐出口に対し2つあり、また、インク流路のインク供給口側への出口はインク供給口に対して角度を持っている。さらに、図中突起7の形状が第一の実施形態と異なっている。突起7は、図4に示すように、インク流路の中心軸に対して垂直である。このように垂直にすることにより、吐出時に発生する電気熱変換素子からインク供給口側へのインク流を正面から受け止めることにより、インク流の方向を効率良くインク供給口の壁面側に導くものである。
【0033】
このように、突起7の形状が異なっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
(その他の実施形態)
図5は、本発明のインクジェットプリントヘッドを搭載可能なインクジェットプリンティングデバイスの概略斜視図である。
【0035】
図5において、本体フレーム51には、螺旋溝53が刻まれたリードスクリュー52が回転自在に軸支されている。リードスクリュー52は、駆動モータ59の正逆回転に連動し、駆動力伝達ギア60,61を介して回転駆動される。さらに、本体フレーム51には、キャリッジ55を摺動自在に案内する案内レール54が固定されている。キャリッジ55には、螺旋溝53に係合するピン(不図示)が設けられており、駆動モータ59の回転によりリードスクリュー52を回転させることで、キャリッジ55が図示矢印a,b方向に往復移動できるようになっている。紙押え板72は、キャリッジ55の移動方向にわたって、被記録媒体90をプラテンローラ73に対して押圧する。
【0036】
キャリッジ55には、インクジェットプリントヘッドカートリッジ80が搭載される。インクジェットプリントヘッドカートリッジ80は、上述した第1〜第4の実施形態で述べたインクジェットプリントヘッドのいずれかをインクタンクと一体化したものである。また、このインクジェットプリントヘッドカートリッジ80は、キャリッジ55に設けられている位置決め手段および電気的接点によってキャリッジに55固定支持されるとともに、キャリッジ55に対して着脱可能に設けられている。
【0037】
フォトカプラ57,58は、キャリッジ55のレバー56のこの域での存在を確認して駆動モータ59の回転方向の逆転等を行うためのホームポジション検知手段を構成する。インクジェットプリントヘッドの前面(吐出口が開口した面)をキャップするキャップ部材67は、支持部材62によって支持され、さらに吸引手段66を備え、キャップ内開口68を介してインクジェットプリントヘッドの吸引回復を行う。本体支持板64には支持板65が取り付けられており、この支持板65に摺動自在に支持されたクリーニングブレード63は、図示しない駆動手段によって前後方向に移動される。クリーニングブレード63の形態は図示するものに限られず、公知のものが適用できることはいうまでもない。レバー70は、インクジェットプリントヘッドの吸引回復動作を開始するためのもので、キャリッジ55と当接するカム71の移動に伴って移動し、駆動モータ59から駆動力がギアやラッチ切換え等の公知の伝達手段によって移動制御される。
【0038】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復の各処理は、キャリッジ55がホームポジション側領域に移動したときにリードスクリュー52の作用によって、それぞれの対応位置で行われるようになっている。周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0039】
以上説明したインクジェットプリンティングデバイスにおいては、搭載したインクジェットプリントヘッドの電気熱変換体を駆動するための記録信号をインクジェットプリントヘッドに与える記録信号供給手段を有し、インクジェットプリンティングデバイスの動作を司る制御部を備えている。
【0040】
本実施形態のインクジェットプリンティングデバイスは、上述した第1〜第4の実施形態で述べたいずれかのインクジェットプリントヘッドを搭載しているので、インクの吐出方向が安定する。その結果、被記録媒体へのインク滴の着弾位置のずれも小さくなり、品位の高い画像等の記録を達成することができる。なお、本実施形態ではキャリッジ55にインクジェットプリントヘッドカートリッジ80が着脱可能に搭載される例を示したが、これに限らず、インクジェットプリントヘッドをキャリッジ55に一体化しヽインクタンクのみを着脱可能に搭載する構成としてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インクジェットプリントヘッド内部に残った気泡のインク滴吐出に与える悪影響を緩和させ、安定したインク滴の吐出と信頼性の高いインクジェットプリントヘッドを提供することが出来る。また回復処理を頻繁に行なう必要もなくなるため、スループットの向上やインク消費量の低減といった効果も奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの断面図と平面透視図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの断面図と平面透視図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの断面図と平面透視図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るインクジェットプリントヘッドの断面図と平面透視図である。
【図5】本発明を適用したインクジェットプリントヘッドをインクジェットカートリッジとして装着したインクジェットプリンティングデバイスの一例を示す外観斜視図である。
【図6】本発明のインクジェットプリントヘッドの製造方法の一例を示す工程説明図である。
【図7】従来のインクジェットプリントヘッドの構成を示す断面図と平面透視図である。
【符号の説明】
1 電気熱変換素子
2 インク吐出口
4 基板
5 吐出口プレート
7 突起
8 インク供給口

Claims (3)

  1. インク滴を吐出するために用いられるエネルギーを発生する複数の電気熱変換素子が配列され、該複数の電気熱変換素子の配列方向に沿って延在する貫通口からなるインク供給口を有する基板と、
    インクを吐出する複数のインク吐出口を備えた吐出口プレートと、
    を備え、前記吐出口プレートが前記基板上に接合されることで、前記基板と前記吐出口プレートとの間に前記複数の吐出口と前記インク供給口とに連通するインク流路が形成されているインクジェットプリントヘッドにおいて、
    前記電気熱変換素子の配列方向と交差する方向における前記インク供給口の、前記吐出口プレート側開口が、前記吐出口プレート側とは反対方向の開口よりも小さく、
    前記吐出口プレートは、前記インク供給口の前記吐出口プレート側開口の投影領域に、前記インク流路に面し、前記電気熱変換素子の配列方向に延在する前記インク流路の高さと等しい高さの一つまたは複数のリブ状の突起を備え、
    記突起各々の前記電気熱変換素子の配列方向の長さが、前記インク流路の幅より大きく、
    前記突起の前記インク流路側の壁面と前記インク流路と連通する前記インク供給口の前記吐出プレート側開口の淵との距離(L)と、前記インク流路の高さ(H)との関係が1≦L/H≦2.9であることを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
  2. 前記基板はシリコンからなり、前記インク供給口はシリコンの異方性エッチングにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
  3. 請求項1もしくは2に記載のインクジェットプリントヘッドと、該インクジェットプリントヘッドの前記電気熱変換体を駆動するための記録信号をインクジェットプリントヘッドに与える記録信号供給手段と、を有することを特徴とするインクジェットプリンティングデバイス。
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