JP2006103034A - 液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出装置及びプリンタ - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出装置及びプリンタ Download PDF

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    • B41J2002/14475Structure thereof only for on-demand ink jet heads characterised by nozzle shapes or number of orifices per chamber

Abstract

【課題】 具体的には吐出口が配置された電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備え、高階調、高解像度及び高速記録と共に安価な液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】 液体に圧力を加えるための吐出エネルギを発生する複数の電気熱変換素子12、15を備えた素子基板1と電気熱変換素子12、15に対面する複数の吐出口13、16が配置されたプレート部材2とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、吐出口13、16が配置された前記電気熱変換素子12、15に対面して形成されたプレート部材2の最下面から電気熱変換素子12、15までの垂直距離H1、H2が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室11を備えている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、とくに複写機、ファクシミリ、ワープロ等の出力用端末としてのプリンタ、ビデオプリンタ等に用いられるインクジェットプリントヘッド及びインクジェットプリント装置において、インクを吐出するためのエネルギとして利用される熱エネルギを発生する電気熱変換素子を形成した基体を有するインクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置に関し、とくに液滴を吐出するための液滴吐出ヘッド、及びこの液滴吐出ヘッドを使用した液滴吐出装置とプリンタに関するものである。
従来から、液滴吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、インクを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド等が知られている(例えば、特許文献1乃至7参照)。
特許文献1には、インクジェット記録ヘッドは複数のエネルギ発生素子が設けられた基板とこの基板に接合され、各エネルギ発生素子に対面する位置に吐出口1、吐出口2が形成されたプレート部材とを有する構成が開示されている。
吐出口1、吐出口2は互いに直径が異なっており、吐出口1の開口面積に比べて吐出口2の開口面積の方が小さい。プレート部材は基板との接合面に対してオリフィス面が傾斜しており、吐出口1が形成された部分に比べて吐出口2が形成された部分の厚みが薄くなっている。
特許文献2には、複数の電気熱変換素子が配置された基板と電気熱変換素子に対面する複数の吐出口が配置されたプレート部材とを有している構成が開示されている。
前記電気熱変換素子に対面する複数の吐出口が配置されたプレート部材は、電気熱変換素子が配置された基板に対して連続的にプレート厚が変化しており、小さいインクから大きいインクまでを吐出させるのにそれぞれ最適なインク吐出面から基板までの距離条件となるインク吐出列を2列以上備えていることが特徴である。
特許文献3には、熱エネルギ作用部を設けた流路、この流路に記録液体を導入するための加圧液室、及び該加圧液室に記録液体を導入する手段を備えることが開示されている。
この液体噴射記録ヘッドは導入される記録液体を前記熱エネルギ作用部により加熱して気泡を発生させ、この気泡の体積増加に伴う作用力により前記記録液体を吐出口から吐出するようにしている。
前記熱エネルギ作用部を独立に駆動可能でかつ前記吐出口からほぼ等距離のところに配置した2つの発熱体で構成し、かつ一方の発熱体の発熱能力を他方のそれの1倍より大きく2倍より小さくしている。
特許文献3では、さらに、上記構成にすることで熱エネルギにより液体を噴射させるインクジェット記録ヘッドにおいて多値記録を可能にし、その階調幅を広くすることが可能となることが開示されている。
前述したように、液滴吐出ヘッドとしては、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、インクを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド等がある。
この中でプリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出する吐出口と、この吐出口が連通する加圧液室(インク流路、吐出室、加圧液室、流路とも称される)と、この加圧液室内のインクを加圧するための駆動手段(圧力発生手段)とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。
以下では上記インクジェットヘッドを中心に説明をする。かかるインクジェットヘッドとしては駆動手段が圧電素子であるもの(特許文献4)やインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを吐出させる方法(特許文献5)、駆動手段に静電気力を利用したもの(特許文献6)などがある。
上記駆動手段の中でインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを吐出させる方法ではインクを加熱する手段として電気熱変換素子を備えている。すなわちこのインクジェットヘッドは電気信号が印加されることにより、発熱してインクを加熱することができる発熱抵抗体(以下「電気熱変換素子」と示す)とこの電気熱変換素子に電気信号を印加するための電極とを有する。
インクは電気熱変換素子の発熱により発泡し、その発泡エネルギによって吐出口からインク滴が吐出される。またここで使用されるインクは一般に顔料や染料などの記録成分とこれを溶解または分散させるための水、あるいは水と水溶性有機溶剤とからなる溶媒成分とによって形成されている。
なお、電気熱変換素子及び電極などは半導体プロセスによって形成されるものであり、例えば基板上(例えば、Si(シリコン)、ガラス、セラミックス)に設けられた発熱抵抗体上に中間層を介して電気良導体である金属からなる配線部が形成される。
その配線部は上記中間層を露出するように積層して形成され、その露出した部分が電気熱変換素子となる。また電気熱変換素子及び電極上には必要に応じてインクからの電食、酸化を防ぐための耐熱性、インク液遮断性に優れた保護膜等が形成される。
上記のような電気熱変換素子を駆動手段とするインクジェット記録装置においては、その気泡の発生メカニズムは伝熱理論の分野で知られているいわゆる膜沸騰現象を利用しているものであり、この膜沸騰現象によって発生する気泡は気泡の発生〜消滅の再現性が非常に良く、インクジェットのインク噴射の駆動手段としては最適のものである。
しかしながら、その気泡の発生〜消滅の挙動は気泡の発生と消滅(1か0か)というように2値的な挙動であって気泡の大きさを変化させることは困難である。従って、このような電気熱変換素子を駆動手段とするインクジェット記録装置は2値記録に適した記録方法である。
また、近年市場ではより高画質が要求されるようになり、単なる2値記録画像ではなく、いわゆる高階調記録が必要になってきている。被記録媒体上でのドット面積の異なるインク滴を必要に応じて吐出させることは高い画像品質を維持したまま高速で記録を行うことを可能とする。
そしてこのような高階調記録を実現するための方法として、例えば特許文献7に開示されている方法がある。それによれば少なくとも2つの独立に信号を入力し得る電気熱変換素子の各々に入力される信号の入力タイミングを適宜ずらすことによって階調記録を行うというものである。
つまり、2つの電気熱変換素子で2つの気泡を発生させ、その発生タイミングをずらして吐出口より吐出させるインク滴の量を微妙に変化させようとするものである。
ところが、上記方法では気泡の発生から消滅のタイミングを制御良く管理する必要があり、必ずしも再現性良く実現することができなかった。また、高階調記録を行う別の方法としてインク滴を吐出する吐出口の開口面積が異なる吐出口を設けることにより高階調記録を行うものがある。
これらはインク吐出口面から電気熱変換素子を備えた基板までの距離によってインクの吐出量が決定されるので定量液滴記録を安定的に行うことができるが、インク吐出口面から電気熱変換素子を備えた基板までの距離がただ1つに限定されるために大きいインク滴と小さいインク滴を同じヘッドから安定的に吐出させることは非常に困難であった。
そこで、インク吐出口面から電気熱変換素子を備えた基板までの距離を吐出するインク滴の体積に応じて最適化することにより、大きいインク滴と小さいインク滴を同じヘッドから安定的に吐出させることが可能となる。
上記のような複数の体積を持つインク滴を吐出するインクジェットヘッドとしては特許文献1及び特許文献2に開示されているものがある。特許文献1にて開示されている技術は、前述のごとく、インクジェット記録ヘッドは複数の電気熱変換素子が設けられた基板とこの基板に接合され、各エネルギ発生素子に対面する位置に第1吐出口、第2吐出口が形成されたプレート部材とを有しているものである。
第1吐出口、第2吐出口は互いに開口面積が異なっており、第1吐出口の開口面積に比べて第2吐出口の開口面積の方が小さい。プレート部材は基板との接合面に対してオリフィス面が傾斜しており、第1吐出口が形成された部分に比べて第2吐出口が形成された部分の厚みが薄くなっていることが特徴である。
また、特許文献2に開示されている技術では、複数の電気熱変換素子が配置された基板と電気熱変換素子に対面する複数の吐出口が配置されたプレート部材とを有している。
この技術では、前記電気熱変換素子に対面する複数の吐出口が配置されたプレート部材は、電気熱変換素子が配置された基板に対して連続的にプレート厚が変化しており、小さいインクから大きいインクまでを吐出させるのにそれぞれ最適なインク吐出面から基板までの距離条件となるインク吐出列を2列以上備えていることが特徴である。
特開2002−321354公報 特開2002−210975公報 特開2000−43269公報 特公平2−51734号公報 特公昭61−59911号公報 特開平5−50601号公報 特開昭55−132259号公報
しかしながら、上記の従来例ではいずれも吐出口の開口面積が異なる吐出口を備え、インク吐出口面から電気熱変換素子を備えた基板までの距離をプレート部材の厚さを変化させることにより最適化させることで高階調記録を可能にしているものである。
しかし、依然、高階調、高解像度及び高速記録をともに満足できるものではない。また、吐出するインク滴の大きさによって開口面積が異なる吐出口を配置し、容量の異なる電気熱変換素子を配置しているためヘッドコスト増となる。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、具体的には吐出口が配置された電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備え、高階調、高解像度及び高速記録と共に安価な液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、液体に圧力を加えるための吐出エネルギを発生する複数の電気熱変換素子を備えた素子基板と前記電気熱変換素子に対面する複数の吐出口が配置されたプレート部材とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、前記吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成された前記プレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えている液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記素子基板側に段差を設けることにより前記吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成された前記プレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えている請求項1記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記複数の電気熱変換素子が同一熱容量である請求項1または2記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記電気熱変換素子に対面する複数の吐出口の開口面積が全て同一面積である請求項1乃至3のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、各チャンネルの共通液室から各加圧液室へ液体を供給する供給口の1つに対して前記吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成された前記プレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えている請求項1乃至4のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、この液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃至5のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドである液体カートリッジを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6記載の液体カートリッジが設けられている液滴吐出装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドが設けられているプリンタを特徴とする。
本発明によれば、液滴吐出ヘッドは、吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えているので、異なる液滴を吐出することが可能なため高階調かつ高画質の画像を記録することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明によるインクジェット記録ヘッドの第1の実施の形態を示す平面図である。図2は図1のA−A断面図である。図3はプレート部材がインク接液面側に傾斜を有する場合を示す図2と同様な断面図である。図4は図1及び図2のインクジェット記録ヘッドの斜視図である。
このインクジェット記録ヘッドは各チャンネルの共通液室10と加圧液室11、14とインクを加熱発泡させるための電気熱変換素子12、15とインクを吐出する吐出口13、16が形成されて構成されている。
吐出口は小インク滴を吐出させるための吐出口13と大インク滴を吐出させるための吐出口16とを備えている。インクタンク(図示略)から供給されたインクは各チャンネルの共通液室10に一時的に保持され、さらに毛細管現象により加圧液室11に侵入し、吐出口13、16にてメニスカスを形成する。
これにより、加圧液室11はインクで満たされた状態に保たれる。この状態で電気熱変換素子12、15に駆動パルスを印加して、それを発熱させてインクに熱エネルギを与えることによりインクに急激な体積変化(気泡の発生)を伴う状態変化が生じ、生成した気泡を外気と連通させることにより、吐出口13、16からインク液滴が吐出される。
図5は記録ヘッドを用いて被記録媒体としての用紙上に形成したインクドットの配置を説明する図である。以下で、図1乃至図4及び図5を参照しながら本発明の第1の実施形態を説明する。
図1乃至図4では各チャンネルの共通液室10の両側にチャンネル列が形成されており、図中左側のチャンネル列L1では吐出口13が配置された前記電気熱変換素子12に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子12までの垂直距離H1となる加圧液室11を有している。
図中右側のチャンネル列L2では吐出口16が配置された前記電気熱変換素子15に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子15までの垂直距離H2となる加圧液室11を有し、前記各チャンネル列の吐出口開口面積は同一面積であり、電気熱変換素子12、15は同一熱容量である。
素子基板1に段差を設けることによりH1<H2の関係とすることで、チャンネル列L2はチャンネル列L1と比較して相対的に略H2/H1倍体積の大きな液滴を吐出することとなる。
図3に示すようなインク接液面側に傾斜をもっているようなプレート部材2であっても、同様にプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子12までの垂直距離H3となる加圧液室11と垂直距離H4となる加圧液室11とを持つことでより体積比の異なる液滴を吐出することが可能となる。
図5には上記記録ヘッドを用いて被記録媒体としての用紙上に形成したインクドットの配置を説明する図を示している。用紙上に吐出口16が配置された前記電気熱変換素子15に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子15までの垂直距離H2となる加圧液室14を持った吐出口16から吐出されたインク滴によって大ドットD2が形成される。
また吐出口13が配置された前記電気熱変換素子12に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子12までの垂直距離H1となる加圧液室11を持った吐出口13から吐出されたインク滴によって小ドットD1が形成される。
吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離の異なる加圧液室を有することで、図5(a)(b)(c)に示すように高階調の印字が可能となる。
図5(a)は記録ヘッドを一度走査したときに大インク滴と小インク滴をともに吐出した場合のドット配置である。図5(b)は記録ヘッドを一度走査したときに大インク滴のみを吐出した場合のドット配置である。
図5(c)は記録ヘッドを一度走査したときに小インク滴のみを吐出した場合のドット配置である。その他、大インク滴と小インク滴の組み合わせにより記録ヘッドの一度の走査で高階調記録が可能である。
図6乃至図14は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態を説明しており、図6は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第1工程を説明する図である。
図7は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態の第2工程を説明する図である。図8は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態の第3工程を説明する図である。
図9は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態の第4工程を説明する図である。図10は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態の第5工程を説明する図である。図11は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態の第6工程を説明する図である。
図12は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態の第7工程を説明する図である。図13は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態の第8工程を説明する図である。図14は本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施の形態の第9工程を説明する図である。
図6に示すように、<100>面の結晶方位を持つSi基板1に後述する異方性エッチング工程で必要とするエッチングマスク材50を形成した。エッチングマスク材50としては、半導体製造工程における酸化工程で形成される熱酸化膜やプラズマCVD等によるSiN膜が望ましい。本実施の形態では、熱酸化膜を用いたが、異方性エッチング液に耐える材料であれば、とくに限定するものではない。製造方法もとくに限定するものではない。
図7に示すように、パターン51をエッチングにより形成した。パターン51の形成は、エッチングマスク材50をフォトレジストによるフォトリソグラフィ技術により行った。
次に図8に示すようにSi異方性エッチングにより段差パターン52を形成した。Si異方性エッチング液としては、アルカリ系のエッチング液として、例えば、KOH、NaOH、TMAHといった溶液を用いるのが一般的である。
各エッチング液とも、濃度、処理温度の条件によりエッチング速度、エッチング面の平滑性が異なることから、実験により選択する。本実施の形態では、KOH40wt%溶液を用いて、エッチング液温度70℃にて所定の時間、異方性エッチングを行った。
次に図9に示すように半導体製造技術により、電気熱変換素子12、15と、これを駆動するための駆動素子(図示略)を形成した。ついで、電気熱変換素子12、15と外部制御機器(図示略)との電気的取り出し電極(図示略)を形成した。なお上記形成面のエッチングマスク材50はフォトリソグラフィ技術とウエットエッチング技術により除去を行った。
図10に示すように、インク流路となる除去可能な型材53を、Si基板1の電気熱変換素子15側の面に、フォトリソグラフィ技術により形成した。本実施の形態では、ポジ型フォトレジストPMER−AR900(東京応化工業(株))を用い、所望の膜厚でパターンで形成した。このパターンによってインク流路が形成される。
図11に示すように、除去可能な型材53の上に、これを被覆するようにプレート材54をフォトリソグラフィ技術により形成し、これにインク吐出口13、16を形成した。
プレート材54としては、感光性エポキシ樹脂、感光性アクリル樹脂等が挙げられ、常にインクと接触するため、以下の点を考慮して選択する必要がある。
すなわち、プレート材54がインクと接触したとき、プレート材54より不純物がインクに溶出しないこと、プレート材54とSi基板との密着性がよく、経時変化により剥がれが起こらないことである。
これらの点を考慮すると、プレート材54としては、光反応によるカオチン重合化合物が適している。また、プレート材54の選択は、使用するインクによっても、大きく左右されることから、必ずしも本発明者の推奨する材料に限らなくてもよい。それ以外の材料でも、目的にあった材料であれば、その種類を問わない。
図12に示すように、Si基板1の裏面(インクジェット記録ヘッドとしての機能素子が形成された面の反対側)に形成されたエッチングマスク材50にパターン55をエッチングにより形成した。
パターン55の形成は、エッチングマスク材50をフォトレジストによるフォトリソグラフィ技術により行った。次に図13に示すように、異方性エッチングによりインク供給口10を形成した。
Si異方性エッチング液としては、アルカリ系のエッチング液として、例えば、KOH、NaOH、TMAHといった溶液を用いるのが一般的である。各エッチング液とも、濃度、処理温度の条件によりエッチング速度、エッチング面の平滑性が異なることから、実験により選択する。
本実施の形態では、KOH25wt%溶液を用いて、エッチング液温度85℃にて所定の時間、異方性エッチングを行った。このとき、インクジェット記録ヘッドの機能素子が形成された面は、エッチング液が触れないような治具、あるいは保護手段を用いて保護した。
次に図14に示すように、上記図10の工程で形成したインク流路用の型材53を溶解除去し、加圧液室11を形成した。以上の工程が、インクジェット記録ヘッドの主たる製造工程である。
図15は本発明によるインクジェット記録ヘッドの第2の実施の形態を示す平面図である。図16は図15のB−B断面図である。図17は図15及び図16のインクジェット記録ヘッドの斜視図である。
このインクジェット記録ヘッドは各チャンネルの共通液室10の両側に複数のチャンネル列を備えており、加圧液室32、35、38、41とインクを加熱発泡させるための電気熱変換素子31、34、37、40とインクを吐出する吐出口33、36、39、42が形成されて構成されている。
吐出口は小インク滴を吐出させるための吐出口33、39と大インク滴を吐出させるための吐出口36、42とを備えている。インクタンク(図示せず)から供給されたインクは各チャンネルの共通液室10に一時的に保持され、さらに毛細管現象により加圧液室32、35、38、41に侵入し、吐出口33、36、39、42にてメニスカスを形成する。
これにより、加圧液室32、35、38、41はインクで満たされた状態に保たれる。この状態で電気熱変換素子31、34、37、40に駆動パルスを印加して、それを発熱させてインクに熱エネルギを与える。
これによってインクに急激な体積変化(気泡の発生)を伴う状態の変化が生じ、生成した気泡を外気と連通させることによって、吐出口33、36、39、42からインク液滴が吐出される。
各チャンネルの共通液室10の両側に複数のチャンネル列が形成されており、図中左側のチャンネル列では、L3及びL4の2列の吐出口が配置され、電気熱変換素子31、34に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子31までの垂直距離H5となる加圧液室32と垂直距離H6となる加圧液室35とを有している。
図中右側のチャンネル列ではL5及びL6の2列の吐出口が配置され、電気熱変換素子37、40に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子40までの垂直距離H7となる加圧液室41と垂直距離H8となる加圧液室38とを有し、前記各チャンネル列の吐出口開口面積は同一面積であり、電気熱変換素子は同一熱容量である。
素子基板1に段差を設けることによりH5<H6及びH7<H8の関係とすることでチャンネル列のL4及びL5はチャンネル列のL3及びL6と比較して相対的にそれぞれ略H6/H5倍及び略H7/H8倍の体積の大きな液滴を吐出することとなる。
チャンネル列L3とL4及びチャンネル列L5とL6はそれぞれの加圧液室が連通され、かつ各チャンネルの共通液室10へ連通できる隔壁にて仕切られ、吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離H5とH6及びH7とH8となる加圧液室を有する。
各チャンネルの共通液室10に対して両側のチャンネル列L3とL4、チャンネル列L5とL6は各チャンネルの吐出口が互いに1/2ピッチずれた位置で配置されている。
図18はインクジェット記録ヘッドを用いて被記録媒体としての用紙上に形成したインクドットの配置を説明する図である。以下で、図15乃至図17及び図18を参照しながら本発明の第2の実施形態を説明する。
図18には上記インクジェット記録ヘッドを用いて被記録媒体としての用紙上に形成したインクドットの配置を説明する図を示している。用紙上に吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離H6及びH7となる加圧液室35、41を有する吐出口36、42から吐出されたインク滴によって大ドットD2が形成される。
また吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離H5及びH8となる加圧液室32、38を有する吐出口33、39から吐出されたインク滴によって小ドットD1が形成される。
吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離の異なる加圧液室を有することによって、図18(a)(b)(c)に示すように高階調の印字が可能となる。
図18(a)はインクジェット記録ヘッドを一度走査したときに大インク滴D2と小インク滴D1を共に吐出した場合のドット配置である。図18(b)はインクジェット記録ヘッドを一度走査したときに大インク滴D2のみを吐出した場合のドット配置である。図18(c)はインクジェット記録ヘッドを一度走査したときに小インク滴D1のみを吐出した場合のドット配置である。
その他、大インク滴と小インク滴の組み合わせによりインクジェット記録ヘッドの一度の走査で高階調記録が可能である。また、各チャンネルの共通液室10の両側に吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材2の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる加圧液室を有する複数のチャンネル列を有することで小滴インクと大滴インクをさらに高階調、高解像度かつ高速に印字することが可能となる。
図19乃至図27は本発明によるインクジェット(液滴吐出)記録ヘッドを製造する第2の実施の形態を説明しており、図19は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第1工程を説明する図である。
図20は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施の形態の第2工程を説明する図である。図21は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第3工程を説明する図である。
図22は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施の形態の第4工程を説明する図である。図23は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第5工程を説明する図である。図24は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施の形態の第6工程を説明する図である。
図25は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施の形態の第7工程を説明する図である。図26は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第8工程を説明する図である。図27は本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施の形態の第9工程を説明する図である。
図19に示すように、<100>面の結晶方位を持つSi基板1に後述する異方性エッチング工程で必要とするエッチングマスク材50を形成した。エッチングマスク材50としては、半導体製造工程における酸化工程で形成される熱酸化膜やプラズマCVD等によるSiN膜が望ましい。
本実施の形態では、熱酸化膜を用いたが、異方性エッチング液に耐える材料であれば、とくに限定するものではない。製造方法もとくに限定するものではない。
図20に示すように複数のパターン51をエッチングにより形成した。複数のパターン51の形成は、エッチングマスク材50をフォトレジストによるフォトリソグラフィ技術により行った。次に図21に示すようにSi異方性エッチングにより段差パターン52を形成した。
Si異方性エッチング液としては、アルカリ系のエッチング液として、例えば、KOH、NaOH、TMAHといった溶液を用いるのが一般的である。各エッチング液とも、濃度、処理温度の条件によりエッチング速度、エッチング面の平滑性が異なることから、実験により選択する。
本実施の形態では、KOH40wt%溶液を用いて、エッチング液温度70℃にて所定の時間、異方性エッチングを行った。次に図22に示すように半導体製造技術により、電気熱変換素子31、34、37、40と、これを駆動するための駆動素子(図示略)を形成した。
次いで、電気熱変換素子31、34、37、40と外部制御機器(図示略)との電気的取り出し電極(図示略)を形成した。なお上記形成面のエッチングマスク材50はフォトリソグラフィ技術とウエットエッチング技術により除去を行った。
図23に示すように、インク流路となる除去可能な型材53を、Si基板1の電気熱変換素子31、34、37、40側の面に、フォトリソグラフィ技術により形成した。本実施の形態では、ポジ型フォトレジストPMER−AR900(東京応化工業(株))を用い、所望の膜厚のパターンにより形成した。このパターンによってインク流路が形成される。
図24に示すように、除去可能な型材53の上に、これを被覆するようにプレート材54をフォトリソグラフィ技術により形成し、これにインク吐出口33、36、39、42を形成した。
プレート材54としては、感光性エポキシ樹脂、感光性アクリル樹脂等が挙げられ、常にインクと接触するため、以下の点を考慮して選択する必要がある。
すなわち、プレート材54がインクと接触したとき、プレート材54より不純物がインクに溶出しないこと、プレート材54とSi基板との密着性がよく、経時変化により剥がれが起こらないことである。
これらの点を考慮すると、プレート材54としては、光反応によるカオチン重合化合物が適している。また、プレート材54の選択は、使用するインクによっても、大きく左右されることから、必ずしも本発明者の推奨する材料に限らなくてもよい。それ以外の材料でも、目的にあった材料であれば、その種類を問わない。
図25に示すように、Si基板1の裏面(インクジェット記録ヘッドとしての機能素子が形成された面の反対側)に形成されたエッチングマスク材50にパターン55をエッチングにより形成した。
パターン55の形成は、エッチングマスク材50をフォトレジストによるフォトリソグラフィ技術により行った。次に図26に示すように、異方性エッチングによりインク供給口10を形成した。
Si異方性エッチング液としては、アルカリ系のエッチング液として、例えば、KOH、NaOH、TMAHといった溶液を用いるのが一般的である。各エッチング液とも、濃度、処理温度の条件によりエッチング速度、エッチング面の平滑性が異なることから、実験により選択する。
本実施の形態では、KOH25wt%溶液を用いて、エッチング液温度85℃にて所定の時間、異方性エッチングを行った。このとき、インクジェット記録ヘッドの機能素子が形成された面は、エッチング液が触れないような治具、あるいは保護手段を用いて保護した。
次に、図27に示すように、上記図23の工程で形成したインク流路用の型材53を溶解除去し、加圧液室33、35、38、41を形成した。以上の工程が、本実施の形態におけるインクジェット記録ヘッドの主たる製造工程である。
図28は本発明に係るインクカートリッジを示す斜視図である。図28を参照して本発明に係るインクカートリッジについて説明する。このインクカートリッジは、インク吐出口56等を有する上記各実施の形態のいずれかのインクジェット記録ヘッド57と、このインクジェット記録ヘッド57に対してインクを供給するインクタンク58とを一体化したものである。このため、高解像度で高階調の画像を高速で形成することが可能である。
このようにインクジェット記録ヘッド−インクタンク一体型のインクジェット記録ヘッドの場合、インクジェット記録ヘッドの歩留まり不良は直ちにインクカートリッジ全体の不良に繋がる。
そのため、上述したようにインクジェット記録ヘッドの高熱による吐出不良を低減することで、インクカートリッジの歩留まりが向上し、インクジェット記録ヘッド一体型インクカートリッジの低コスト化を図れる。
図29は本発明に係るインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の実施の形態を示す概略斜視図である。図30は図29のインクジェット記録装置を搭載した画像形成装置においてインクジェット記録装置の機構部分を説明する側面図である。
図29及び図30に示すように、インクジェット記録装置は、その記録装置本体59の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、このキャリッジに搭載した本発明を実施したインクジェット記録ヘッドからなる複数の記録ヘッド、この記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部60等を収納している。
このインクジェット記録装置は、記録装置本体59の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明を実施したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部60等を収納している。
装置本体59の下方部には前方側から多数枚の用紙61を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)62を抜き差し自在に装着することができる。
また、用紙61を手差しで給紙するための手差しトレイ63を開倒することができ、給紙カセット62或いは手差しトレイ63から給送される用紙61を取り込み、印字機構部60によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ64に排紙する。
印字機構部60は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド65と従ガイドロッド66とでキャリッジ67を主走査方向(図30で紙面垂直方向)に摺動自在に保持している。
このキャリッジ67にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなる記録ヘッド68を複数のインク吐出口(吐出口)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ67には記録ヘッド68に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ69を交換可能に装着している。
インクカートリッジ69は、上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有している。
インクカートリッジ69は、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクを僅かな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出する吐出口を有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ67は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド65に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド66に摺動自在に載置している。
そして、このキャリッジ67を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ84で回転駆動される駆動プーリ85と従動プーリ86との間にタイミングベルト87を張装し、このタイミングベルト87をキャリッジ67に固定しており、主走査モータ84の正逆回転によりキャリッジ67が往復駆動される。
一方、給紙カセット62にセットした用紙61をヘッド68の下方側に搬送するために、給紙カセット62から用紙61を分離給装する給紙ローラ70及びフリクションパッド71と、用紙61を案内するガイド部材72と、給紙された用紙61を反転させて搬送する搬送ローラ73と、この搬送ローラ73の周面に押し付けられる搬送コロ74及び搬送ローラ73からの用紙61の送り出し角度を規定する先端コロ75とを設けている。搬送ローラ73は副走査モータによってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ67の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ73から送り出された用紙61を記録ヘッド68の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材76を設けている。
この印写受け部材76の用紙搬送方向下流側には、用紙61を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ77、拍車78を設け、さらに用紙61を排紙トレイ64に送り出す排紙ローラ79及び拍車80と、排紙経路を形成するガイド部材81、82とを配設している。
記録時には、キャリッジ67を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド68を駆動することにより、停止している用紙61にインクを吐出して1行分を記録し、用紙61を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号、または用紙61の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙61を排紙する。
また、キャリッジ67の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド68の吐出不良を回復するための回復装置83を配置している。この回復装置83はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。
キャリッジ67は印字待機中にはこの回復装置83側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド68がキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド68の吐出口を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。
吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは本体下部に設置された廃インク溜(図示せず)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭載しているので、高階調、高解像度の画像を高速に形成することが可能となる。
本発明によれば、液滴吐出ヘッドは素子基板側に段差を設けることにより吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えている。
従って、かかる液滴吐出ヘッドは異なる液滴を吐出することが可能なため高階調かつ高画質の画像を記録することができ、素子基板を精度良く段差を設けることが可能であるため安定した液滴を吐出することが可能となる。
本発明によれば、液滴吐出ヘッドは液体に圧力を加える為の吐出エネルギを発生する複数の電気熱変換素子は同一熱容量である。かかる液滴吐出ヘッドは異なる液滴を吐出することが可能なため高階調かつ高画質の画像を記録することができ、電気熱変換素子をヘッド内で同一熱容量とするため、新たな設計やプロセスを必要とせず、コストを抑えて安価にヘッド製造することが可能となる。
本発明によれば、液滴吐出ヘッドにおいて、前記電気熱変換素子に対面する複数の吐出口の開口面積は全て同一面積である。従って、異なる液滴を吐出することが可能なため製造コストを上げることなく高階調かつ高画質の画像記録が可能となる。
本発明によれば、液滴吐出ヘッドは各チャンネルの共通液室から各加圧液室へ液体を供給する供給口の1つに対して吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成されたプレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えている。従って、高階調かつ高画質の画像を高速に記載することが可能となる。
本発明によれば、液体カートリッジは上述した液滴を吐出する液滴吐出ヘッドとこの液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化している。従って、かかる液体カートリッジは本発明に関わるいずれかの液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するインクタンクを一体化したので、高解像度で高階調の画像を高速で形成することが可能となる。
本発明によれば、上述した液滴吐出ヘッド及び液体カートリッジを使用した液滴吐出装置を提供する。かかる液滴吐出装置は、上述したそれぞれの利点を有するので、高解像度、高階調の記録を高速で行うことが可能である。
本発明によるインクジェット記録ヘッドの第1の実施の形態を示す平面図。 図1のA−A断面図。 プレート部材がインク接液面側に傾斜を有する場合を示す図2と同様な断面図。 図1及び図2のインクジェット記録ヘッドの斜視図。 記録ヘッドを用いて被記録媒体としての用紙上に形成したインクドットの配置を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第1工程を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第2工程を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第3工程を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第4工程を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第5工程を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第6工程を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第7工程を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第8工程を説明する図。 本発明による液滴吐出記録ヘッドを製造する第1の実施形態の第9工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドの第2の実施形態を示す平面図。 図15のB−B断面図。 図15及び図16のインクジェット記録ヘッドの斜視図。 インクジェット記録ヘッドを用いて被記録媒体としての用紙上に形成したインクドットの配置を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第1工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第2工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第3工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第4工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第5工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第6工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第7工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第8工程を説明する図。 本発明によるインクジェット記録ヘッドを製造する第2の実施形態の第9工程を説明する図。 本発明に係るインクカートリッジを示す斜視図。 本発明に係るインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の実施の形態を示す概略斜視図。 図29のインクジェット記録装置を搭載した画像形成装置においてインクジェット記録装置の機構部分を説明する側面図。
符号の説明
1 素子基板、2 プレート部材、10 共通液室、11 加圧液室、12 電気熱変換素子、13 吐出口、14 加圧液室、15 電気熱変換素子、16 吐出口、31 電気熱変換素子、32 加圧液室、33 吐出口、34 電気熱変換素子、35 加圧液室、36 吐出口、37 電気熱変換素子、38 加圧液室、39 吐出口、40 電気熱変換素子、41 加圧液室、42 吐出口、L1 チャンネル列、L2 チャンネル列、H1、H2、H5、H6、H7、H8 垂直距離

Claims (8)

  1. 液体に圧力を加えるための吐出エネルギを発生する複数の電気熱変換素子を備えた素子基板と前記電気熱変換素子に対面する複数の吐出口が配置されたプレート部材とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、前記吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成された前記プレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記素子基板側に段差を設けることにより前記吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成された前記プレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記複数の電気熱変換素子が同一熱容量であることを特徴とする請求項1または2記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記電気熱変換素子に対面する複数の吐出口の開口面積が全て同一面積であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 各チャンネルの共通液室から各加圧液室へ液体を供給する供給口の1つに対して前記吐出口が配置された前記電気熱変換素子に対面して形成された前記プレート部材の最下面から前記電気熱変換素子までの垂直距離が異なる少なくとも2種類以上の加圧液室を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、この液滴吐出ヘッドに液体を供給するタンクを一体化した液体カートリッジにおいて、前記液滴吐出ヘッドが請求項1乃至5のいずれか1項記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液体カートリッジ。
  7. 請求項6記載の液体カートリッジが設けられていることを特徴とする液滴吐出装置。
  8. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の液滴吐出ヘッドが設けられていることを特徴とするプリンタ。
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