JPH05116315A - インク滴噴射記録ヘツド及びそれを用いる記録方法 - Google Patents
インク滴噴射記録ヘツド及びそれを用いる記録方法Info
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- JPH05116315A JPH05116315A JP3283227A JP28322791A JPH05116315A JP H05116315 A JPH05116315 A JP H05116315A JP 3283227 A JP3283227 A JP 3283227A JP 28322791 A JP28322791 A JP 28322791A JP H05116315 A JPH05116315 A JP H05116315A
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- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Abstract
の形成を安定させ、安定したインク滴の形成によるより
高画質な画像形成を達成できるインク滴噴射記録方法及
び記録ヘッドの提供にある。 【構成】 熱エネルギー供給手段に対向して設けられ、
液体の一部を吐出させるための吐出口とを備え、供給源
の連通部から前記熱エネルギー発生手段の重心までのノ
ズル長さをln 、前記熱エネルギー発生手段のインク供
給方向長さをlとしたとき、ln /l≧0.55を満たす。 【効果】 インク滴を吐出させる際に、複雑な構成を必
要とすることなく、均一な気泡形成により、その気泡に
よる外気との連通状態を安定化する。従って、画質を安
定化させた記録画像を達成する。
Description
液滴を紙、樹脂シート、布等の記録材に対して飛翔させ
て記録を行なうためのインク滴噴射記録ヘッド及びその
記録方法に関する。
記録媒体(インク)を熱エネルギーを利用して被記録材
に付着させて画像形成を行なうインクジェット記録方法
は、高速記録が可能であり、また比較的記録品位も高
く、低騒音であるという利点を有している。さらに、こ
の方法はカラー画像記録が比較的容易であって、普通紙
等にも記録でき、さらに装置を小型化し易いといった多
くの優れた利点を有している。
る記録装置には、一般にインクを飛翔インク滴として吐
出させるための吐出口と、この吐出口に連通するインク
路とこのインク路の一部に設けられインク路内のインク
に吐出のための吐出エネルギーを与えるエネルギー発生
手段とを有する記録ヘッドが備えられる。例えば、特公
昭61−59911号、特公昭61−59912号、特
公昭61−59913号、特公昭61−59914号の
各公報には、エネルギー発生手段として電気熱変換体を
用い、電気パルス印加によってこれが発生する熱エネル
ギーをインクに作用させてインクを吐出させる方法が開
示されている。
録方法は、熱エネルギーの作用を受けたインクが急峻な
体積の増大を伴なう状態変化を起こし、この状態変化に
基づく膜沸騰領域の気泡の主として成長と収縮により、
記録ヘッド部先端の吐出口よりインクを吐出し、この吐
出インク滴が被記録媒体に付着して画像形成を行なうも
のである。この方法によれば記録ヘッドにおける吐出口
を高密度に配設することができるので、高解像度、高品
質の画像を高速で記録することができ、この方法を用い
た記録装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどに
おける情報出力手段として用いることができる。
件は不明なインクジェット記録方法としては、特開昭5
4−161935号公報に記載される方法がある。この
公報では円筒状発熱体によって液室内のインクをガス化
(核沸騰によると思われる)させ、このガスをインク滴
と共にインク吐出口より吐出させる。この方法によれ
ば、ガスを微小滴状に噴出させてしまい、画質は不良と
なる。また、このガスの噴出によってガス化したインク
がスプラッシュやミストなどを生じ、その結果記録紙の
地汚れとなったり、装置内の汚れとなることがあった。
公報には、従来の熱エネルギーを用いたインクジェット
記録方法を変形させた方法を用いる熱転写的記録装置に
関する記載がある。すなわち、この装置では、単発的な
インク吐出であり、加えて記録媒体と発熱素子とを完全
に密着させることが困難であるため、従来の吐出口を有
する記録ヘッドを用いたインクジェト記録方法に比べ、
熱効率が低下しやすく高速記録に適さないといった問題
がある。
ェット記録方式の問題点を解決するため、本出願人は吐
出のためにインクを加熱することにより生成される膜沸
騰による気泡を吐出口近傍で外気に連通させて吐出を行
うインクジェット記録方式(以下、この方式を連通吐出
方式とも言う)について提案した(特願平2−1128
32号,特願平2−112833号,特願平2−112
834号,特願平2−114472号,特願平3−16
9962号)。
ているガスが吐出されるインク滴と共に噴出することは
ないので、スプラッシュやミストなどの発生を低減し、
被記録媒体上の地汚れや装置内の汚れを防ぐことができ
る。
して、気泡が生成される部位より吐出口側にあるインク
は原理的に全てインク滴となって吐出されるということ
がある。このため、吐出インク量は、吐出口から上記気
泡生成部位までの距離等、記録ヘッドの構造によって定
めることができる。この結果、上記連通吐出方式によれ
ば、インク温度の変化等の影響をそれ程受けずに吐出量
の安定した吐出を行うことが可能となる。
出口が対向する構成を前提とした場合、記録ヘッドの構
造によっては、形成した気泡が効率よく外気と連通せず
に吐出特性を変化させてしまう場合があった。
おいて、これを解決できインク滴の形成をより一層安定
化でき、より高画質な画像形成を達成できるインク滴噴
射記録方法及び記録ヘッドを提供せんとするものであ
る。
らインクの供給をうけるために該供給源に連通している
ノズルと、ノズル内のインクに熱エネルギーを与えて核
沸騰を急激に超える温度上昇により気泡を生成させるた
めの熱エネルギー発生手段と、前記熱エネルギー供給手
段に対向して設けられ、前記インクの一部を吐出させる
ためのオリフィスとを備え、前記供給源の連通部から前
記熱エネルギー発生手段の重心までのノズル長さをln
、前記熱エネルギー発生手段のインク供給方向長さを
lとしたとき、ln /l≧0.55を満たすことを特徴とす
るインク滴噴射記録ヘッドを提供するもので有る本発明
は、インク供給源からインクの供給をうけるために該供
給源に連通しているノズルと、ノズル内のインクに熱エ
ネルギーを与えて核沸騰を急激に超える温度上昇により
気泡を生成させるための熱エネルギー発生手段と、前記
熱エネルギー供給手段に対向して設けられ、前記インク
の一部を吐出させるためのオリフィスとを備え、前記供
給源の連通部から熱エネルギー発生手段の重心までのノ
ズル長さをln 、前記熱エネルギー発生手段のインク供
給方向長さlとしたとき、ln /l≧0.55を満たすこと
を特徴とするインク滴噴射記録ヘッドを用い、前記熱エ
ネルギー発生手段により前記インクに熱エネルギーを与
えて核沸騰を急激に超える温度上昇により気泡を生成
し、前記オリフィスより該気泡を外気と連通させるとと
もに、前記オリフィス近傍のインクの少なくとも一部を
吐出させることを特徴とするインク滴噴射記録方法を提
供するもので有る。
泡の連通方向への適正な成長を確実にし、気泡を外気と
連通する状態を安定せしめ、画質を保証できる。
構成、条件としては、第1に上記連通時にインク路は上
記気泡で遮断されていないことを特徴とすること、第2
に上記連通時は、上記気泡の内圧が外気圧以下の条件で
前記気泡を外気と連通させること、第3に上記連通時
は、上記気泡の吐出方向先端部の移動速度の加速度が正
でない条件で上記気泡を外気と連通させること、或は第
4に上記平面発熱部の吐出部側端部とのバブルの吐出部
側端部との距離laが吐出エネルギー発生手段の吐出部
とは反対側の端部とバブルの吐出部とは反対側の端部と
の距離lbに対して、la/lb≧1なる条件下で該吐
出エネルギー発生手段により液体中に生起されたバブル
を吐出部より外気と連通させることの少なくとも1つを
挙げることができる。
好ましい構成の気泡を外気と安定して連通せしめる内容
は後述することにする。以下の本発明の特徴は、この構
成を含むものがより好ましいもので有るが、本発明にお
いては、上記従来の水準を超えた外気と気泡の連通方式
により、スプラッシュを生じないものすべてに適用可能
なものである。
り外気と連通させてインクを吐出させるためには、ヒー
ターの大きさ、オリフィスとヒーター間距離、ノズル
幅、ノズル長さ、オリフィスの大きさ等の条件を考慮し
て適当に設定すればよい。
良く勝つ安定にオリフィスより外気と連通させ、かつ本
発明の記録方法の特徴の一つである吐出する液滴の体積
を一定にするためには、前記した諸条件のなかでも、ノ
ズルがオリフィスと反対側の端で連結するインク供給源
いわゆる共通液室とノズルの接続部分から前記熱エネル
ギー発生手段の重心までのノズル長さln 、前記ヒータ
ーのインク供給方向長さlの関係が、ln /l≧0.55を
満たすように構成すればよい。このとき、ノズル内のヒ
ーター配置箇所に複数のノズルによってインクが供給さ
れる場合は、それぞれのノズルの共通液室からのインク
供給経路長さの最小値をln に選べばよい。上記関係式
を満たさない場合は、ヒーターで生起したバブルを効率
よく安定にオリフィスより外気に連通させてインクを吐
出させることが困難である。すなわち、この場合、ヒー
ターと共通液室間の流路抵抗に対し、ヒーターとオリフ
ィス間の流路抵抗が相対的に大きくなるために、バブル
がオリフィスの方向へ成長しにくい。したがってバブル
がオリフィスより外気と連通したとしても、オリフィス
とヒーターとの間にインクが残りやすく空気を抱き込ん
で固定泡となり不吐出となったり、吐出はしても液滴の
体積がばらつくなどの不具合がある。
1.0 ≦ln /lであって、この範囲であれば効率よくか
つ安定にバブルをオリフィスより外気と連通させて液滴
を吐出することができる。上記関係式においてさらに好
ましい範囲は、1.5 ≦ln /l≦50であって、この範囲
であれば効率よくかつ安定にバブルをオリフィスより外
気と連通させて液滴を連続的に吐出することができ、か
つオリフィス近傍には実質的にインク残りもなく液滴の
体積を常に安定させることができる。
ットヘッドを用いてインクを吐出した。ノズル形成に
は、基板1上に2種類の感光性樹脂をかされてラミネー
トし、それぞれ所定のパターンを別々に露光しノズル壁
7とオリフィスプレート6を形成する方法を用いた。本
実施例では、オリフィス径φ2 =40μm、ヒーターのイ
ンク供給方向長さlx =40μm、ヒーターのインク供給
方向の直交方向長さly =40μm、ヒーター重心すなわ
ち中心点から共通液室9までのノズル長さln =60μm
とし、ヒーターに幅3.0μsec、電圧7.0 vのパル
ス電圧を印加し吐出を試みた。すなわち本実施例ではl
n /lx =1.5 である。この結果、バブルがオリフィス
より外気と連通するモードで液滴の吐出ができた。この
状態で駆動周波数2.0KHzにて被記録材に対して連続吐出
を行ったところ、ほぼ同じ大きさのドットが安定に得ら
れ、液滴の体積がほぼ一定であることが確認できた。(
表1 NO.5 )
1(単位は長さがμm、面積がμm2 )のように設定
し、バブルがオリフィスより外気と連通する状態、およ
び液滴の吐出状態を調べた。この結果、ヒーターのイン
ク供給方向長さlx 、ノズル長さln の間の値ln /l
x についての規則性を確認した。すなわち、ln /lx
≦0.5 のときヒーター上に発生したバブルは共通液室方
向に成長してしまい、インクの安定な吐出はできなかっ
た。またln /lx =0.55ではインクが吐出できその吐
出量(重量変化により換算)もほぼ一定にすることがで
きたが、連続吐出時による被記録材上のドット形成を行
ったところ、画像品位を大きく損なうほどではないが、
ときどき各ドットの大きさが変化することが確認され
た。
ルがオリフィスより外気と連通して吐出し、インクの吐
出量もほぼ一定でありかつ連続吐出時にも安定なインク
の吐出ができた。したがって、バブルがオリフィスより
外気と連通し良好な画像を得ることのできるln /lの
下限値は0.55程度であり、より好ましい範囲は1.3 以上
と考えられる。また、本実験上は上限として仮定したl
n /l≦75.0の範囲まで本発明の方法による吐出を試
み、ln /lの上限値については75.0までは上記の効果
が再現されることを確認した。
通しインクを吐出し良好な画像が得られかつより安定な
吐出が得られる範囲はln /l≧0.55であり、実用的な
好ましい範囲は1.3 ≦ln /l≦75.0であることがわか
った。
ち好ましい形態を示すもので、代表的な液路Bの構成の
2例を示すが、本発明はこれに限定されない。図2
(a)は、基板(不図示)上に発熱抵抗層2を具備し、
その面の側方吐出口5(複数)を備える記録ヘッドを示
している。E1、E2は選択電極、共通電極を示す従来
の構成である。Dは保護層で、Cは共通液室である。電
極E1、E2からの記録信号に応じた電極信号(パルス
信号)に応じて電極E1、E2間の発熱部が膜沸騰を生
じる急激な温度上昇を短時間のうちに発生せしめ(30
0℃以上)、気泡6を生成せしめる。この結果、本例で
は、吐出口5の発熱抵抗層2側の端部Aで気泡6は大気
と連通して安定した液滴(破線7)を形成する。このよ
うに、吐出口5の周縁近傍で大気(外気)と連通するこ
とで、スプラッシュすることなく又、霧(ミスト)状の
インク滴を発生することなく液体を記録信号に応じて吐
出することができる。
Bを完全に遮断しないので、後続のインク記録のための
リフィル特性が優れており、300℃以上の高温部の高
熱も外気側へ液出されるので応答周波数も優れている。
いるが、液路Bを屈曲した経路の液路としているもの
で、屈曲部の基板面に発熱抵抗部2を備えている。吐出
口は、吐出方向に面積を減少する形状で、発熱抵抗部2
に対向している。吐出口(複数)はオリフィスプレート
OPに形成されている。
同様に膜沸騰(300℃以上)を生じせしめると、気泡
6は成長して、オリフィスプレートOPの厚み部分のイ
ンクを押しやり、その部分のインクを希薄にする。この
後気泡6は、吐出口5の外気側周縁A1から内部側の吐
出口近傍領域A2で大気と連通する。このような連通状
態によれば、スプラッシュすることなくミストも発生せ
ずに安定液滴(破線7)を吐出口中心部から吐出するこ
とができる。この時、気泡の成長は液路を遮断するもの
ではないので、吐出方向へ向かう必要のない液体を液路
内液体と連続した集合体として残すことができること
に、安定液滴7の吐出量の安定化及び吐出速度の安定化
へ貢献できる。
上の安定化域を利用して急速且つ気泡成長を吐出口近傍
へ急激にしかも確実にすることができるので非遮断状態
の液路のリフィル性も手伝って高安定高速記録を達成で
きる。
液室C側から発熱抵抗層2へ向う方向に関して一側面側
の該方向に関しての断面図である。図2(c)でわかる
ように、液路B中の液体(斜線部)は、液滴7に対して
連通しており、その時の中央側の吐出口近傍の気泡6が
吐出口近傍で大気と連通する際に、液滴7と液路内液体
とが連通状態を保っていることが理解されよう。6W
は、気泡のこの断面における気泡端部の形状を示してい
る。
が大気と連通する際に、液路内液体が吐出口から突出し
た液滴と連通しながら、液滴を徐々に分離していくので
従来のようなスプラッシュを防止できる。
れて好ましい条件であって、より一層格別に好ましい液
滴形成を達成するものを以下に挙げる。
い条件でバブルを外気と連通させることである。
条件でバブルを外気と連通させることはバブルの内圧が
外気圧より高い条件で連通させる場合に生じていた吐出
口近傍の不安定な液体を飛散させる事がなく、また更に
は、該圧力が等しい場合よりもその不安定な液体に液路
内に引き込む力がわずかではあるが働くため、より一層
安定した液体の吐出と不要液体の飛散防止を図ることが
できる。
端の移動速度の1次微分値が負となる条件でバブルと外
気とを連通させる第2条件、或は、吐出エネルギー発生
手段の吐出口側端部からバブルの吐出口側端部の距離l
aと吐出エネルギー発生手段の吐出口とは反対側の端部
からバブルの吐出口とは反対側の端部との距離lbとが
la/lb≧1を満足する第3条件、もしくはその両方
の条件をもちバブルと外気を連通させることはより好ま
しいものである。
ドの1つの構成について説明する。
録ヘッドの模式的組立斜視図と模式的上面図を示す。な
お、(b)は、(a)に示される天板を設けていない状
態である。(a)および(b)に示される記録ヘッドの
構成を簡単に説明する。
は、基体1上に壁8が設けられ、該壁8上を天板4が覆
うように接合され、共通液室10および液路12が形成
される。天板4にはインクを供給するための供給口11
が設けられ、液路12が連通する共通液室10を通じて
インクが液路12内に供給され得る構成となっている。
これら各ヒーター2に対応して各液路が設けられてい
る。ヒーター2は、発熱抵抗層と該発熱抵抗体層に電気
的に接続される電極(いずれも不図示)とを有し、この
電極によって記録信号に従って通電される。この通電に
より、ヒーター2は熱エネルギーを発生し、液路中に供
給されたインクに熱エネルギーを付与することができ
る。この熱エネルギーにより、記録信号に従ってインク
中にバブルを発生することができる。
ドの別の構成について説明する。
記録ヘッドの模式的断面図と模式的平面図が示されてい
る。この記録ヘッドと図4に示される記録ヘッドの違い
は、図4に示されるものが、液路内に供給されたインク
が液路に沿って真直にあるいは実質的に真直に吐出口か
ら吐出されるのに対して、図4に示されるものは供給さ
れたインクが液路に沿って曲折されている点である(図
ではヒーターの直上に吐出口が形成されている)。尚図
4(a)および図4(b)において、(a)および
(b)に示した番号と同じものは同じものを指してい
る。図4(a)および図4(b)において、16は吐出
口5が形成されたオリフィスプレートであり、ここで
は、各吐出口5間に設けられる壁9をも一体的に形成さ
れている。
液体噴射方法、装置の新規な第1具体例の説明図であ
り、バブルの内圧と体積の時間変化に着目した発明であ
る。この発明をまとめると、1)インクを加熱すること
によって気泡を生じせしめ、該気泡により前記インクの
少なくとも一部を吐出して記録を行う液体噴射方法にお
いて、前記気泡の内圧が外気圧以下の条件で前記気泡を
外気と連通させることを特徴とする液体噴射方法。2)
吐出エネルギー発生手段によりインクを加熱して気泡を
生じせしめ該気泡により前記インクの少なくとも一部を
吐出するための吐出口を有する記録ヘッドと、前記気泡
の内圧が外気圧以下の条件で前記気泡を外気と連通する
ように前記吐出エネルギー発生手段を駆動するための駆
動回路と、前記吐出口と被記録媒体とが対向する位置に
設けられたプラテンとを有することを特徴とする記録装
置である。
積や速度を安定化し、高速記録に十分対応できない原因
としてのスプラッシュやミストなどの発生を抑え、画像
上の地汚れや装置化した場合の装置内の汚れを防ぐとと
もに、吐出の効率を向上させ、目詰まりなどを防ぎ、さ
らには記録ヘッドの寿命を向上させ、高品位な画像を印
字可能にするものである。
用いて説明する。なお、液路は、基体1と天板4および
不図示の壁によって形成される。
ンク3で満たされた状態である。インク3まずヒーター
(例えば電気熱変換体)2に瞬間的に電流を流しパルス
的にヒーター近傍のインク3を急激に加熱するとインク
は所謂膜沸騰による気泡(バブル)6がヒーター2上に
発生し、急激に膨張を始める(図6(b))。さらにバ
ブル6は膨張を続け、主として慣性抵抗の小さい吐出口
5側へ成長し、ついには吐出口5を越え、外気とバブル
6が連通する(図6(c))。このとき外気はバブル6
内と平衡状態であるか、バブル6内に流入する。
瞬間までにバブル6の膨張によって与えられた運動量の
ためにさらに前方へ飛翔を続け、ついには独立な液滴と
なって紙などの被記録媒体101へ向って飛翔する。
(図6(d))。さらに吐出口5側先端部に生じた空隙
は後方のインク3の表面張力と液路を形成する部材との
濡れによってインク3が図面右方向に供給され(図6
(e))初期状態に戻る。前記記録媒体101は、プラ
テンに沿って、プラテン、ローラー、ベルト、あるいは
それらの任意の組み合わせによって吐出口5に対向する
位置に搬送される。或は、被記録媒体101を固定し、
吐出口5を移動させる(記録ヘッドを移動させる)よう
にしても良く、また、それらを組み合わせても良いもの
である。要は、吐出口5と被記録媒体とが相対的に移動
可能とされ、被記録媒体の所望の位置に所望の吐出口が
対向され得るようにすればよい。
通したときに外気とバブル内との気体の移動がないか、
外気がバブル内に流入するためには、バブルの内圧が該
気圧と等しいかより低い条件でバブルのを外気と連通さ
せることが好ましい。
図5(a)ではt≧t1の時刻においてバブルと外気と
を連通させれば良い。実際には、バブルの成長にともな
ってインクが吐出されてしまうため、バブル内圧又は体
積と時間との関係のグラフは図5(b)に示されるよう
になる。すなわち、図5(b)においてt=tb(t1
≦tb)の時刻でバブルを外気と連通させればよい。
が外気圧より高い条件でバブルを外気と連通させて液滴
を吐出させる(ガスが大気中に噴出する)場合に比べ、
前述したようにインクのミストやスプラッシュによる記
録紙や装置内の汚れを防止できる。また、バブルの体積
が増大してからバブルを外気と連通させるのでインクに
対して十分な運動エネルギーを伝達することができ、吐
出速度が大きくなるという効果が得られる。また、バブ
ルの内圧が外気圧より低い条件でバブルを外気と連通さ
せることは上記効果をより顕著なものにすることができ
るという点においてより望ましい。
条件でバブルを外気と連通させることはバブルの内圧が
外気圧より高い条件で連通させる場合に生じていた吐出
口近傍の不安定な液体を飛散させる事がなく、また更に
は、該圧力が等しい場合よりもその不安定な液体に液路
内に引き込む力がわずかではあるが働くため、より一層
安定した液体の吐出と不要液体の飛散防止を図ることが
できる。
ター2の位置を吐出口5の方向に近づけた位置に設けて
ある。これはバブルを外気と連通させるために最も簡便
にとれる手法である。しかしながら、単にヒーターを吐
出口に近付けるだけでは本発明の上記した条件を満たす
ことができない。従って、本発明の上記条件を満たすた
めには、ヒーターの発生する熱エネルギー量(ヒーター
の構成、形成材料、駆動条件、面積、ヒーターの設けら
れる基体の熱容量等)、インク物性、記録ヘッドの各部
の大きさ(吐出口とヒーター間の距離、吐出口や液路の
幅および高さ)などを所望に応じて選択することにより
バブルを所望の状態で外気と連通させることができる。
件として前記したように液路形状を挙げることができ
る。液路形状は、使用する熱エネルギー発生素子の形状
によって幅がほぼ決定されてくるものの、具体的関係に
ついては経験則でしかない。本発明においては液路形状
が気泡の成長に大きく影響を与え、その液路における上
記条件にとっては有効であることが判明した。
通状態を変えられることが判明した。環境等の他の影響
を受けにくく、又より一層の安定化を図るためには液路
の幅Wよりも液路の高さHを低く(H<W)とすること
が好ましい。
達するであろうバブルの最大体積もしくはバブルの最大
体積の70%以上、より好ましくは80%以上の体積の
ときにバブルが外気と連通する様にすることは好ましい
ものである。
定する方法について説明する。
接バブル内の圧力を測定することは難しいので以下に示
す方法によって、あるいは、それら方法を適宜組み合わ
せることによって知ることができる。先ず、バブルの体
積、または吐出口より外側にあるインクの体積の時間変
化を測定することによって、バブルの内圧と外気圧との
大小関係を知る方法について説明する。
と連通するまでの時間におけるバブルの体積Vを測定
し、Vの二次微分d2V/dt2を求めることによって
バブルの内圧と外圧との大小関係を知ることができる。
すなわち、d2V/dt2>0であればバブルの内圧は
外圧よりも高く、d2V/dt2≦0であればバブルの
内圧は外圧以下である。図5(c)で説明すると、発泡
開始t=t0よりt=t1まではバブルの内圧は外気圧
よりも高くd2V/dt2>0となり、t=t1よりバ
ブルが外気と連通するまでの時間t=tbまではバブル
の内圧は外気圧以下であり、d2V/dt2≦0とな
る。以上のようにVの二次微分d2V/dt2を求める
ことでバブルの内圧と外気圧との大小関係を知ることが
できる。
側から見えることが必要である。記録ヘッドの外側から
バブルを観察するためには、記録ヘッドの一部が透明な
部材で形成され、バブルの発泡、成長等が記録ヘッドの
外部から観察できるような構成であることが望ましい。
記録ヘッドの構成部材が非透明である場合には、例え
ば、記録ヘッドの天板等を透明な部材に置き換えればよ
い。このとき、置き換えられる部材と置き換える部材の
硬度、弾性度等は極力同じに選ぶのが望ましい。
の天板が例えば金属、不透明なセラミックあるいは着色
されたプラスチックの場合は、透明なプラスチック(一
例としては透明アクリル)、ガラス等に変更すればよい
が、もちろん置き換え場所とそれに用いられる材料は上
記した場所および材料に限られるものではない。
による発泡特性の違いを回避するためにできるだけイン
クに対する濡れ性などの物性が元の部材に近いものを選
ぶことが望ましい。元の部材のものと同等の発泡状態で
あるかどうかは、吐出させてその吐出速度や吐出体積が
元の状態と同じかどうかを見ることによって確認するこ
とができる。予め透明な部材で構成されている場合は以
上の操作は不要である。
置き換えなくとも、あるいは、記録ヘッドの構成上他の
部材に置き換えられない場合でも以下の方法によってバ
ブルの内圧と外圧との大小関係を知ることができる。
飛翔するまでの時間において、吐出口より外側に飛び出
したインクの体積Vdを測定し、Vdの二次微分d2V
d/dt2を求めることによってバブルの内圧と外気圧
の大小関係を知ることができる。即ち、d2Vd/dt
2>0であればバブルの内圧は外気圧よりも高く、d2
Vd/dt2≦0であればバブルの内圧が外気圧以下で
ある。図5(d)はバブルの内圧が外気圧よりも高い状
態でバブルを連通したときに、吐出口より飛び出したイ
ンクの体積Vdの一次微分dVd/dtの時間変化を示
したものであるが、発泡開始t=t0よりバブルが外気
と連通するまでの時間t=taまでは、バブルの内圧は
外気圧よりも高く、d2Vd/dt2>0となる。一
方、図5(b)はバブルの内圧が外気圧以下の状態でバ
ブルを外気と連通させたときのVdの一次微分dVd/
dtの時間変化を示したものである。同図より、発泡開
始t=t0よりt=t1まではバブルの内圧は外気圧よ
りも高くd2Vd/dt2>0であるが、t=t1より
t=tbまではバブルの内圧は外気圧以下でありd2V
d/dt2≦0となる。
t2を求めることでバブルの内圧と外気圧との大小関係
を知ることができる。
dの測定法を説明する。吐出後各時刻における液滴の形
状は、ストロボやLED、レーザなどの光源を用いてパ
ルス光で吐出口から飛び出している液滴を照明しながら
顕微鏡で観察することによって測定することができる。
即ち、一定周波数で連続して吐出している記録ヘッドに
対して、その駆動パルスに同期してかつ所定のディレイ
時間をおいてパルス光を発光させることにより、その吐
出から所定時間後における一方向から見た液滴の投影形
状を測定できる。このときパルス光のパルス幅は測定に
十分な光量が確保できる範囲でできるだけ小さい方がよ
り正確に測定を行なうことができる。
通する瞬間に液路側から外側に向かっての気流が観測さ
れれば、バブルの内圧が外気圧よりも高い状態てい連通
したことを示し、液路内へ流入する気流が観測されれば
バブルの内圧が外気圧よりも低い状態で連通したことを
示す。
ルの吐出口方向先端の移動速度の一次微分値が負となる
条件でバブルと外気とを連通させる条件、或は、図6に
示したように吐出エネルギー発生手段の吐出口側端部か
らバブルの吐出口側端部の距離laと吐出エネルギー発
生手段の吐出口とは反対側の端部からバブルの吐出口と
は反対側の端部との距離lbとがla/lb≧1を満足
する条件、もしくはその両方の条件でバブルと外気を連
通させることはより好ましいものである。
液体噴射方法、装置の新規な第2具体例の説明図であ
り、バブルの成長状態に着目した発明である。この発明
をまとめると、3)インクを吐出させるための吐出口
と、該吐出口に連通する液路と、該液路内に気泡を形成
して供給されたインクを吐出させるために利用される熱
エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段とを有す
る記録ヘッドを用い、吐出エネルギー発生手段の吐出口
側端部とバブルの吐出口側端部との距離laが吐出エネ
ルギー発生手段の吐出口とは反対側の端部とバブルの吐
出口とは反対側の端部との距離lbに対して、la/l
b≧1なる条件下で該吐出エネルギー発生手段によりイ
ンク中に生起されたバブルを吐出口より外気と連通させ
ることを特徴とする液体噴射方法。4)インクを吐出さ
せるための吐出口と、該吐出口に連通する液路と、該液
路内に気泡を形成して供給されたインクを吐出させるた
めに利用される熱エネルギーを発生する吐出エネルギー
発生手段とを有する記録ヘッドと、吐出エネルギー発生
手段の吐出口側端部とバブルの吐出口側端部との距離l
aが吐出エネルギー発生手段の吐出口とは反対側の端部
とバブルの吐出口とは反対側の端部との距離lbとに対
してla/lb≧1なる条件下で該吐出エネルギー発生
手段によりインク中に生起されたバブルを吐出口より外
気と連通させるため前記吐出エネルギー発生手段に信号
を与えるための駆動回路と、前記吐出された液体を付着
させるために被記録媒体を沿わせ得るプラテンとを有す
ることを特徴とする記録装置。となる。
説明する。
明の液体噴射方法による液体の吐出を説明するための模
式的断面図である。
体、2はヒーター、3はインク、4は天板、5は吐出
口、6はバブル、7は液滴、101は被記録媒体であ
る。なお、液路は、基体1と天板4および不図示の壁に
よって形成される。
ンク3で満たされた状態である。インク3まずヒーター
(例えば電気熱変換体)2に駆動回路からの信号として
瞬間的に電流を流しパルス的にヒーター近傍のインク3
を急激に加熱するとインクは所謂膜沸騰による気泡(バ
ブル)6がヒーター2上に発生し、急激に膨張を始める
(図6(b))。さらにバブル6は膨張を続け(図6
(c))、主として慣性抵抗の小さい吐出口5側へ成長
し、ついには吐出口5を越え、外気とバブル6が連通す
る(図6(d))。このとき吐出エネルギー発生手段で
あるヒーター2の吐出口側端部からバブル6の吐出口側
端部までの距離laがヒーター2の吐出口とは反対側の
端部からバブル6の吐出口とは反対側の端部までの距離
lbに対してla/lb≧1の条件下において外気とバ
ブル6とが連通している。
瞬間までにバブル6の膨張によって与えられた運動量の
ためにさらに前方へ飛翔を続け、ついには独立な液滴7
となって紙などの被記録媒体101へ向かって飛翔する
(図6(e))。さらに吐出口5側先端部に生じた空隙
は後方のインク3の表面張力と液路を形成する部材との
濡れによってインク3が図面右方向に供給され(図6
(f))初期状態に戻る。前記被記録媒体101は、プ
ラテンに添って、プラテン、ローラー、ベルト、あるい
はそれらの任意の組み合わせによって吐出口5に対向す
る位置に搬送される。或は、被記録媒体101を固定
し、吐出口5を移動させる(記録へッドを移動させる)
ようにしても良く、また、それらを組み合わせてもよい
ものである。要は、吐出口5と被記録媒体とが相対的に
移動可能とされ、被記録媒体の所望の位置に所望の吐出
口が対向され得るようにすればよい。
と、バブルが外気と連通するために吐出口より押し出さ
れる液体の体積は常に一定となり、記録を行なっても、
記録濃度にムラのない高画質な記録画像を得ることがで
きる。
条件でバブルを外気と連通させるので、バブルの持つ運
動エネルギーを有効にインクに伝達することができ、吐
出口率が向上する。
la/lb<1の条件で液体(インク)を吐出する場合
に較べて、液体吐出後に吐出口近傍に生じた空隙部に新
たなインクが満たされるまでの時間を短縮することがで
き、より一層の高速記録が可能になる。第2具体例発明
において、バブルが外気と連通する時のバブルの端部と
ヒーターの端部との距離la、lbを測定する方法とし
ては、例えば、第7図に示される記録ヘッドの場合、天
板4を透明なガラス板で構成し、天板4の上方よりスト
ロボやレーザ、LED等のパルス状に発光できる光源に
よって記録ヘッドを照射し、顕微鏡で観察することによ
って求める方法がある。
に同期させてパルス光源を点滅させ、バブルの発泡開始
から液体の吐出までの現象を顕微鏡とカメラを用いて前
述のように観察し、la、lbを求めることができる。
子の形状によって幅がほぼ決定されてくるものの、具体
的関係については経験則でしかない。第2具体例発明に
おいては液路形状が気泡の成長に大きく影響を与え、そ
の液路における熱エネルギー発生素子の上記条件にとっ
ては有効であることが判明した。
長をla/lb≧1、好ましくはla/lb≧2、より
好ましくはla/lb≧4とすること(図8参照)で、
環境等のその他の影響を受けにくく、より安定化状態で
行なわせるために、少なくとも液路幅Wよりも液路高さ
Hを低く(H<W)することがよいことが判明した。こ
れは、気泡の大気との連通状態を液路の天井の界面にお
ける成長速度を増加せしめた気泡において行なわせしめ
ることができるので液体噴射の路内壁による影響を減少
せしめ、噴射方向、速度をより一層安定できる。第2具
体例発明においては、その幅W、高さHの関係を更に追
求したところ、H≧0.8Wとすると、長期、高速噴射
を行っても特性変化が少なく、安定した噴射を行うこと
ができ、記録を行うのに適していた。
を担った各記録噴射をかなりの変化を与えながら行って
も高精度の着弾性能が得られ最適である。
方向先端の移動速度の1次微分値が負となる条件でバブ
ルと外気とを連通させることはより好ましいものであ
る。
液体噴射方法、装置の新規な第3具体例の説明図であ
り、バブルの内圧と体積の時間変化に着目した発明であ
る。この発明をまとめると、5)インクを吐出させるた
めの吐出口と、該吐出口に連通する液路と、該液路内に
気泡を形成して供給されたインクを吐出させるために利
用される熱エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手
段とを具備した記録ヘッドを用い、発生されたバブルの
吐出口方向先端の移動速度の1次微分値が負の条件で、
該バブルを該吐出エネルギー発生手段により生起された
バブルを吐出口より外気と連通させることを特徴とする
液滴噴射方法。6)インクを吐出させるための吐出口
と、該吐出口に連通する液路と、該液路内に気泡を形成
して供給されたインクを吐出させるために利用される熱
エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段とを具備
した記録ヘッドと、吐出エネルギー発生手段により発生
されたバブルの吐出口方向先端の移動速度の1次微分値
が負の条件で、該バブルを該吐出エネルギー発生手段に
より生起されたバブルを吐出口より外気と連通させるた
め前記吐出エネルギー発生手段に信号を与えるための駆
動回路と、前記吐出された液体を付着させるために被記
録媒体を沿わせ得るプラテンとを有することを特徴とす
る記録装置。である。
体例発明の目的効果を別の手段によって解決するもの
で、バブルと外気との連通時に連通部近傍にあるインク
がインクを吐出するために過度に加速度を受けるため、
主インク滴と分離してしまうことを主たる技術課題と認
識したものである。この分離によると、その近傍のイン
クがスプラッシュ状に飛び散ったり、ミストとなって飛
散することが顕著となり、しかも高密度の吐出口配置で
は吐出口面へのインクの付着による吐出不良を招く結果
となるが、この原因を加速度によるものと解明したこと
にこの第3具体例発明の起点がある。
ルの吐出口方向先端の移動速度の一次微分値が正の場合
に外気とバブルが連通すると、上記した問題点が発生す
ることを見出したものである。
のバブルの吐出口方向先端のヒーター部の吐出口方向端
部からの変位量を測定し、該変位量の1次微分値、2次
微分値(移動速度の1次微分値)を求めた結果を図8に
示した。該図より、上記問題が発生するのは、図7
(a)、(b)にそれぞれ示された曲線Aの場合であっ
て、バブルの吐出口方向先端の移動速度の1次微分値が
正であることが確認された。
6の原理に準じた第3具体例発明を示すもので、バブル
の吐出口方向先端の移動速度の1次微分値が負の条件
で、生起されたバブルを外気と連通させて液滴を吐出さ
せるので、液滴の体積を常に安定化させ高品位な記録画
像を得ることができる。従って、インクミストやスプラ
ッシュによる記録紙の地汚れや装置内の汚れを防止でき
る。
ギーを十分に伝達することができるので、吐出効率が高
くなり、目詰まりを解消できる。また液滴の吐出速度が
向上するため液滴の吐出方向が安定するとともに、記録
ヘッドと記録紙間の距離を広げることができ、装置設計
が容易になる。
め、消泡によるヒーター破壊現象が解消され、記録ヘッ
ドの寿命が向上する。
マンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能で
あるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イン
ク)が保持されているシートや液路に対応して配置され
ている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰
を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネル
ギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させ
て、結果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(イン
ク)内の気泡を形成できるので有効である。
としては、上記実施例中に記載されるものに限られるも
のではなく、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に
対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッド等
の多くの形態および変形例が考えられる。また、フルラ
インタイプの記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組
み合わせによって、その長さを満たす構成や一体的に形
成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良
いが、いずれにしても、本発明は、上述した効果を一層
有効に発揮することができる。
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
れる、上記した様な記録ヘッドに対しての回復手段のほ
かに、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効
果を一層安定できるので好ましいものである。これらを
具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、クリーニン
グ手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこ
れらの組み合わせによる予備加熱手段等である。また、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうこと
も安定した記録を行なうために有効である。
等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッド
を一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも
よいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて
有効である。
出口方向先端の移動速度、該移動速度の1次微分値を求
める方法について以下に説明する。
方向先端の位置は、ストロボやLED、レーザなどのパ
ルス光で記録ヘッドの天板面、あるいは側面からノズル
内に発生するバブルを照明し顕微鏡を用いて、観察する
ことができる。具体的には、図9(a)および(b)に
それぞれ模式的断面図として時系列的に示されるよう
に、発泡開始よりバブルが外気と連通するまでのバブル
の吐出口方向先端のヒータ部の吐出口端部からの変位量
xb−nの時間変化を測定することができる。該測定結
果をもとに、該変位量の1次微分dxb−n/dtを求
めることにより、バブルの吐出口方向先端の移動速度v
xが求められる。次に、該移動速度の1次微分dvx/
dt(変位量の2次微分d2xb−n/d2t)を求め
ることができる。
側から見えることが必要である。記録ヘッドの外側から
バブルを観察するためには、記録ヘッドの一部が透明な
部材で形成され、バブルの発泡、成長等が記録ヘッドの
外部から観察できるような構成であることが望ましい。
記録ヘッドの構成部材が非透明である場合には、例え
ば、記録ヘッドの天板等を透明な部材に置き換えればよ
い。このとき、置き換えられる部材と置き換える部材の
硬度、弾性度等は極力同じに選ぶのが望ましい。
の天板が例えば金属、不透明なセラミックあるいは着色
されたプラスチックの場合は、透明なプラスチック(一
例としては透明アクリル)、ガラス等に変更すればよい
が、もちろん置き換え場所とそれに用いる材料は上記し
た場所および材料に限られるものではない。
による発泡特性の違いを回避するためにできるだけイン
クに対する濡れ性などの物性が元の部材に近いものを選
ぶことが望ましい。元の部材のものと同等の発泡状態で
あるかどうかは、吐出させてその吐出速度や吐出体積が
元の状態と同じかどうかを見ることによって確認するこ
とができる。予め透明な部材で構成されている場合は以
上の操作は不要である。
及び記録方法は、気泡を外気と連通させてインク滴を吐
出させる方式で、インク供給源の連通部から前記熱エネ
ルギー発生手段の重心までのノズル長さをln 、前記熱
エネルギー発生手段のインク供給方向長さをlとしたと
き、ln /l≧0.55を満たすことによって、環境等で気
泡の形成が変化しても適正なインク滴の吐出を達成して
画質を安定化させ画像乱れのない高品位な記録画像を得
ることができる。
よってその効果はさらに安定するものであり、生起した
気泡の消泡過程がないため、消泡による抵抗破壊現象が
解消され、記録ヘッドの寿命が向上する。
泡が大気或いは外気と連通する状態を説明する模式図で
ある。
る図である。
する図である。
射方法、装置の新規な具体例の説明図で、バブルの内圧
と体積の時間変化を順に説明する図である。
射方法、装置の他の新規な具体例の説明図で、それぞれ
液体の吐出を説明するための模式的断面図である。
方法、装置の別の新規な具体例の説明図である。
説明するグラフである。
たりの変化を示す図で、(a)では左側に上面断面図、
右側に側面断面図を夫々同時刻で示してある。
Claims (6)
- 【請求項1】 インク供給源からインクの供給をうける
ために該供給源に連通しているノズルと、ノズル内のイ
ンクに熱エネルギーを与えて核沸騰を急激に超える温度
上昇により気泡を生成させるための熱エネルギー発生手
段と、前記熱エネルギー供給手段に対向して設けられ、
前記インクの一部を吐出させるためのオリフィスとを備
え、前記供給源の連通部から前記熱エネルギー発生手段
の重心までのノズル長さをln 、前記熱エネルギー発生
手段のインク供給方向長さをlとしたとき、ln /l≧
0.55を満たすことを特徴とするインク滴噴射記録ヘッ
ド。 - 【請求項2】 インク供給源からインクの供給をうける
ために該供給源に連通しているノズルと、ノズル内のイ
ンクに熱エネルギーを与えて核沸騰を急激に超える温度
上昇により気泡を生成させるための熱エネルギー発生手
段と、前記熱エネルギー供給手段に対向して設けられ、
前記インクの一部を吐出させるためのオリフィスとを備
え、前記供給源連通部からから前記熱エネルギー発生手
段の重心までのノズル長さln 、前記熱エネルギー発生
手段のインク供給方向長さlとしたとき、ln /l≧0.
55を満たすことを特徴とするインク滴噴射記録ヘッドを
用い、前記熱エネルギー発生手段により前記インクに熱
エネルギーを与えて核沸騰を急激に超える温度上昇によ
り気泡を生成し、前記オリフィスより該気泡を外気と連
通させるとともに、前記オリフィス近傍のインクの少な
くとも一部を吐出させることを特徴とするインク滴噴射
記録方法。 - 【請求項3】 上記連通時にインク路は上記気泡で遮断
されていないことを特徴とする請求項2に記載のインク
滴噴射記録方法。 - 【請求項4】 上記連通時は、上記気泡の内圧が外気圧
以下の条件で前記気泡を外気と連通させるものである請
求項2または請求項3に記載のインク滴噴射記録方法。 - 【請求項5】 上記連通時は、上記気泡の吐出方向先端
部の移動速度の加速度が正でない条件で上記気泡を外気
と連通させるものである請求項2乃至請求項4いずれか
に記載のインク滴噴射記録方法。 - 【請求項6】 上記平面発熱部の吐出部側端部とのバブ
ルの吐出部側端部との距離laが吐出エネルギー発生手
段の吐出部とは反対側の端部とバブルの吐出部とは反対
側の端部との距離lbに対して、la/lb≧1なる条
件下で該吐出エネルギー発生手段により液体中に生起さ
れたバブルを吐出部より外気と連通させる請求項2乃至
請求項5いずれかに記載のインク滴噴射記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03283227A JP3118039B2 (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | インク滴噴射記録ヘッド及びそれを用いる記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03283227A JP3118039B2 (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | インク滴噴射記録ヘッド及びそれを用いる記録方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05116315A true JPH05116315A (ja) | 1993-05-14 |
JP3118039B2 JP3118039B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=17662738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03283227A Expired - Fee Related JP3118039B2 (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | インク滴噴射記録ヘッド及びそれを用いる記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3118039B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006103034A (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-20 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出装置及びプリンタ |
JP2012532037A (ja) * | 2009-06-29 | 2012-12-13 | ヴィデオジェット テクノロジーズ インコーポレイテッド | 耐溶媒性サーマルインクジェット印刷ヘッド |
-
1991
- 1991-10-29 JP JP03283227A patent/JP3118039B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006103034A (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-20 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッド、液体カートリッジ、液滴吐出装置及びプリンタ |
JP2012532037A (ja) * | 2009-06-29 | 2012-12-13 | ヴィデオジェット テクノロジーズ インコーポレイテッド | 耐溶媒性サーマルインクジェット印刷ヘッド |
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---|---|
JP3118039B2 (ja) | 2000-12-18 |
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