JP3170325B2 - インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

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JP3170325B2
JP3170325B2 JP27982491A JP27982491A JP3170325B2 JP 3170325 B2 JP3170325 B2 JP 3170325B2 JP 27982491 A JP27982491 A JP 27982491A JP 27982491 A JP27982491 A JP 27982491A JP 3170325 B2 JP3170325 B2 JP 3170325B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2002/14169Bubble vented to the ambience

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱エネルギーを利用し
てインクを吐出するインクジェット記録ヘッド、該ヘッ
ドを用いるインクジェット記録方法およびインクジェッ
ト記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出し、これを被記録媒体上
に付着させて画像形成を行なうインクジェット記録方法
は、高速記録が可能であり、また比較的記録品位も高
く、低騒音であるという利点を有している。さらに、こ
の方法はカラー画像記録が比較的容易であって、普通紙
等にも記録でき、さらに装置を小型化し易いといった多
くの優れた利点を有している。
【0003】このようなインクジェット記録方法を用い
る記録装置には、一般にインクを飛翔インク滴として吐
出させるための吐出口と、この吐出口に連通するインク
路と、このインク路の一部に設けられ、インク路内のイ
ンクに吐出のための吐出エネルギーを与えるエネルギー
発生手段とを有する記録ヘッドが備えられる。例えば、
特公昭61−59911号、特公昭61−59912
号、特公昭61−59913号、特公昭61−5991
4号の各公報には、エネルギー発生手段として電気熱変
換体を用い、電気パルス印加によってこれが発生する熱
エネルギーをインクに作用させてインクを吐出させる方
法が開示されている。
【0004】すなわち、上記各公報に開示されている記
録方法は、熱エネルギーの作用を受けたインクが急峻な
体積の増大を伴なう状態変化を起こし、この状態変化に
基づく作用力によって、記録ヘッド部先端の吐出口より
インクを吐出し、この吐出インク滴が被記録媒体に付着
して画像形成を行なうものである。この方法によれば記
録ヘッドにおける吐出口を高密度に配設することができ
るので、高解像度、高品質の画像を高速で記録すること
ができ、この方法を用いた記録装置は、複写機、プリン
タ、ファクシミリなどにおける情報出力手段として用い
ることができる。
【0005】他方、熱エネルギを使用するものの実現条
件は全くないインクジェット記録方法としては、特開昭
54−161935号公報に記載される方法がある。こ
の公報では、図1に示すように円筒状発熱体30によっ
て液室内のインク31をガス化させ(図1、(a))、
このガス32をインク滴33と共にインク吐出口より吐
出させる(図1(b),(c))。この方法によれば、
ガス32を吐出口または吐出口付近から微小滴状に噴出
させてしまい、画質は不良となる。この公報の気泡は核
沸騰による気泡形成であると認められる。
【0006】また同様の核沸騰である、例えば特開昭6
1−185455号公報は、図2に示すように、小開口
40を有する板状部材41と発熱体ヘッド42との微少
間隙部43に満たされた液状インク44を発熱体ヘッド
42によって加熱し(図2(a),(b))、発生した
バブル45によって小開口40からインク滴46を飛翔
させると共に、急速に核沸騰で体積増加しているバブル
45を形成していたガスをも小開口40から噴出させて
(図2(c))記録紙上に画像を形成するものである。
【0007】さらに、同様の核沸騰を開示する特開昭6
1−249768号公報には、図3に示すように液状イ
ンク50に熱エネルギーを作用させてかなり大型化した
気泡を形成し、気泡の膨張力に基づいてインク小滴58
を形成、飛翔させると同時に気泡を形成していたガスを
も大開口52から大気中に噴出させるインクジェット記
録装置が単純に記載されている。
【0008】しかしながら、上記特開昭54−1619
35号、同61−185455号、同61−24976
8号に共通する構成は、気泡を形成しているガスを微小
インク滴として主たるインク滴の吐出と共に大気中に噴
出させてしまうことである。この結果、このガスの噴出
によってガス化してインクがスプラッシュやミストなど
を生じ、その結果記録紙の地汚れとなったり、装置内の
汚れとなることがあった。
【0009】また、例えば特開昭61−197246号
公報には、従来の熱エネルギーを用いたインクジェット
記録方法を変形させた方法を用いる熱転写的記録装置に
関する記載がある。すなわち、この装置では、図4に示
すように、記録媒体60に設けられた複数の孔61によ
って保持されるインク62を、発熱素子63を有する記
録ヘッド64によって加熱し、インク滴65を被記録媒
体66に吐出する。この記録装置は単発的なインク吐出
であり、加えて記録媒体60と発熱素子63とを完全に
密着させることが困難であるため、従来の吐出口を有す
る記録ヘッドを用いたインクジェット記録方法に比べ、
熱効率が低下しやすく高速記録に適さないといった問題
がある。
【0010】
【背景技術】以上説明したようなインクジェット記録方
式の問題点を解決するため、本出願人は、吐出のために
インクを加熱することにより生成される膜沸騰による気
泡を、吐出口近傍で外気に連通させて吐出を行うインク
ジェット記録方式(以下、この方式を連通吐出方式とも
言う)について提案した(特願平2−112832号,
特願平2−112833号,特願平2−112834
号,特願平2−114472号)。
【0011】上記連通吐出方式によれば、気泡を形成し
ているガスが吐出されるインク滴と共に噴出することは
ないので、スプラッシュやミストなどの発生を低減し、
被記録媒体上の地汚れや装置内の汚れを防ぐことができ
る。
【0012】また、上記連通吐出方式の基本的な作用と
して、気泡が生成される部位より吐出口側にあるインク
は原理的に全てインク滴となって吐出されるということ
がある。このため、吐出インク量は、吐出口から上記気
泡生成部位までの距離等、記録ヘッドの構造によって定
めることができる。この結果、上記連通吐出方式によれ
ば、インク温度の変化等の影響をそれ程受けずに吐出量
の安定した吐出を行うことが可能となる。
【0013】以下、図5〜図8を参照して上記連通吐出
方式について説明する。
【0014】図5(a)および(b)は、上記連通吐出
方式を適用して好適な記録ヘッドおよびその吐出方法を
示すものであり、この記録ヘッドの具体的インク路構成
の2例を示す。しかしながら、本発明はこの構成に限定
されないことは勿論である。
【0015】図5(a)に示すインク路構成は、基板
(不図示)上に発熱抵抗層(ヒータ)2を具え、この基
板に、隔壁や天板が設けられることによって、共通液室
Cやインク路Bが形成される。また、これとともにイン
ク路Bの端部に吐出口5が形成される。E1,E2は、
それぞれ、ヒータ2にパルス上の電気信号を印加するた
めの選択電極、共通電極を示す。さらにDは保護層であ
る。
【0016】電極E1,E2を介した、記録データに基
づく上記電気信号の印加に応じて、電極E1,E2間の
ヒータ2は、蒸気膜を生じる急激な温度上昇を短時間の
うちに発生し(約300℃)、これにより、気泡6が生
成される。この気泡6は成長し、やがて吐出口5におけ
る基板側の端部Aで大気と連通する。そして、この連通
後、安定した吐出インク滴(破線7)が形成される。
【0017】この吐出において、気泡6がその成長過程
でインク路Bを完全に遮断しない(インク路B内のイン
クが吐出口5から突出したインクと連続している)ので
後続の吐出に対するリフィルが速やかに行われること、
また、300℃以上の比較的高温となった気泡の熱も外
気に放出されること等によって大きな蓄熱の問題(蓄熱
によるインク粘性低下や気泡形成の不安定化)も生ぜ
ず、各ヒータの駆動デューティーを高くすることができ
る。
【0018】図5(b)は、共通液室Cを不図示として
いるが、インク路Bを屈曲した形状としているものであ
り、屈曲部の基板面に発熱抵抗部(ヒータ)2を具えて
いる。吐出口5は、吐出方向にその断面積を減少する形
状であり、ヒータ2に対向してその開口が設けられてい
る。この吐出口5はオリフィスプレートOPに形成され
る。
【0019】図5(b)においても、上記図5(a)の
構成と同様に蒸気膜(約300℃)を生じさせて気泡6
を生成する。この気泡の生成により、オリフィスプレー
トOPの厚み部分のインクを吐出方向に押しやり、その
部分のインクを希薄にする。その後、気泡6は、吐出口
5の外気側周縁A1から内部側の吐出口近傍領域A2の
範囲で大気と連通する。この時、気泡6の成長は、イン
ク路を遮断しないもので、吐出方向へ向かう必要のない
インクをインク路B内のインクと連続した連続体として
残すことができ、インク滴7の吐出量の安定化および吐
出速度の安定化を実現することができる。
【0020】このような連通吐出方式によれば、吐出口
近傍への気泡成長を急激にしかも確実に行うことができ
るので、上記非遮断状態のインク路によるリフィル性も
手伝って、高安定高速記録を達成できる。また、気泡と
大気とを連通させることによって、気泡の消泡過程が無
くなり、キャビテーションによるヒータや基板の損傷を
防止することもできる。
【0021】以上示したインク吐出に伴う気泡と大気と
の連通は基本的にヒータ2の配設位置を吐出口5に近づ
けることによって実現できる。しかしながら、上述した
スプラッシュ等の抑制や吐出量の安定化を確実なものと
する条件であって、上記図5(a)および(b)に示す
構成に適用されて好ましい条件を以下に挙げる。
【0022】第1条件は、気泡の内圧が外気圧より低い
条件で気泡を外気と連通させることである。
【0023】すなわち、気泡の内圧が外気圧より低い条
件で気泡を外気と連通させることによって、気泡の内圧
が外気圧より高い条件で連通させる場合に生じていたス
プラッシュ等の吐出口近傍におけるインク飛散を低減で
き、また、上記2つの圧力が等しい場合よりも、吐出時
の不安定なインクをインク路内に引き込む力がわずかで
はあるが働くため、より一層安定したインク吐出と不要
インクの飛散防止を図ることができる。
【0024】上記第1条件とは別の条件として、気泡の
吐出口側端部における移動速度の1次微分値が負となる
条件で気泡と外気とを連通させるという第2条件、ま
た、吐出エネルギー発生手段の吐出口側端部から気泡の
吐出口側端部までの距離La と吐出エネルギー発生手段
の吐出口とは反対側の端部から気泡の吐出口とは反対側
の端部までの距離Lb とがLa /Lb ≧lを満足する第
3条件、もしくは、その両方の条件を満足して気泡と外
気を連通させることはより好ましい。
【0025】図6〜図8を参照して、上記第1条件をさ
らに詳しく説明する。
【0026】発泡からの経過時間tと、気泡体積Vおよ
び気泡内圧力Pとの関係は図6のようになるが、実際に
は、気泡はその成長の途中で連通するので、これらの関
係は図7に示されるようになる。すなわち、図7におい
て、t=tb(t1≦tb:t1は気泡内圧力pが外気
の圧力と等しくなる時刻)の時刻で気泡は外気と連通す
る。上記第1条件は、このとき気泡内圧力Pが外気の圧
力(OATM)より小さいという条件である。
【0027】この条件でインクを吐出させると、気泡内
圧力Pが外気圧より高い条件で気泡を外気と連通させて
インク滴を吐出させる(ガスが大気中に噴出する)場合
に比べ、前述したようにインクのミストやスプラッシュ
による記録紙や装置内の汚れを防止できる。また、この
ように気泡内圧力Pを大気圧より小さくして連通させる
場合、気泡の体積が比較的増大してから気泡を外気と連
通させることができる。これにより、インクに対して十
分な運動エネルギーを伝達することができ、吐出速度が
大きくなるという効果も得られる。
【0028】上記第1条件を満たす記録ヘッドは、例え
ば図5(a)においてヒータ2の位置を吐出口5の方向
に近づけた位置に設けてある。これは気泡を外気と連通
させるために最も簡便にとれる手法である。しかしなが
ら、単にヒータ2を吐出口5に近づけるだけでは、上記
第1条件を満たすことができない。すなわち、上記条件
を満たすためには、ヒータの発生する熱エネルギー量
(ヒータの構成、形成材料、駆動条件、面積、ヒータの
設けられる基体の熱容量等に依る)、インク物性、記録
ヘッドの各部の大きさ(吐出口とヒータ間の距離、吐出
口や液路の幅および高さ)などを適切に設定することに
より、第1条件を満たす状態で外気と連通させることが
できる。
【0029】具体的には、例えばインク路形状は以下の
ように、気泡と大気との連通に寄与する。すなわち、イ
ンク路形状は、使用する熱エネルギー発生素子の形状に
よって幅がほぼ決定されてくるものの、具体的関係につ
いては経験則によって設定することが多い。しかしなが
ら、インク路の高さが、気泡の上記大気との連通の条件
に影響を与えることが明らかとなっている。従って、環
境等の外部の影響を受けにくく、またより一層の安定し
た気泡と大気との連通を行うためには、インク路の幅W
よりもインク路の高さHを低く(H>W)することが好
ましい。
【0030】また、例えば、連通する時刻を気泡の体積
でみれば、気泡が外気と連通しない場合に達するであろ
う気泡の最大体積、もしくは最大体積の70%以上、よ
り好ましくは80%以上の体積のときに気泡が外気と連
通するようにすることが好ましい。
【0031】次に、上記第1条件の別表現である上述の
第2条件、すなわち、気泡の膨張速度の1次微分が負と
なるとき気泡と外気とを連通させるという条件について
説明する。
【0032】インクが発泡を開始してから気泡が外気と
連通するまでの時間における気泡体積Vおよび気泡内圧
力Pの変化および気泡膨張速度dV/dtの変化を図8
に示す。
【0033】この図より、膨張速度の1次微分、すなわ
ち、体積Vの2次微分d2 V/dt2 を求めることによ
ってバブルの内圧と外圧との大小関係を知ることができ
る。すなわち、d2 V/dyt2 >0の期間で気泡の膨
張速度dV/dtは増加し、d2 V/dt2 <0で速度
dV/dtは減少する。従って、d2 V/dt2 =0の
ときに気泡内圧力Pと外気圧とが等しくなるといえる。
すなわち、d2 V/dt2 >0で、気泡内圧力Pは外圧
よりも高く、d2 V/dt2 ≦0のとき気泡内圧力Pは
外圧以下である。
【0034】図8で説明すると、発泡開始t=t0 より
t=t1 までは、気泡内圧力Pは、外気圧よりも高くd
2 V/dt2 >0となり、t=t1 より気泡が外気と連
通するまでの時間t=tb までは気泡の内圧は外気圧以
下であり、d2 V/dt2 ≦0となる。通常は、この一
般的理論が成立するが、インクの材質によってあるいは
インク路の抵抗によっても気泡体積の変化が生じるの
で、外気圧との関係はわずかに差を生じる場合がある。
このため第1条件以外の条件としてd2 /V/dt2
0を満足することは好ましく、また、第1条件とこの第
2条件との和は、より好ましいものとなる。
【0035】以上のように、体積Vの2次微分d2 V/
dt2 <0、すなわち膨張速度の1次微分が負のとき、
気泡が外気と連通することにより、気泡内圧力が外気圧
より低い条件で連通することができる。
【0036】上記第2条件によれば、気泡と外気との連
通時に連通部近傍にあるインクがインクを吐出するため
に過度に加速度を受けるために主インク滴と分離してし
まうといったことを解決することもできる。上記分離が
生じた場合、その近傍のインクがスプラッシュ状に飛び
散ったり、ミストとなって飛散することが顕著となり、
しかも高密度の吐出口配置では吐出口面へのインクの付
着による吐出不良を招くことがあるが、これを上記第2
条件によって解決することができる。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】ところが、気泡を外気
と連通する状態が良好に行えるようになったものの、多
くの記録ヘッドを作成していく中で、吐出するインク滴
の状態が変動しているものが見られた。
【0038】本発明は、そのような問題点に鑑みてなさ
れたものであるととともに、上記特願平2−11283
2号等に開示した発明のさらなる改良を図るものであ
る。
【0039】すなわち本発明は、吐出のために利用され
るエネルギを発生する手段からのエネルギの作用に応じ
て生起されたバブルを効率よく吐出口から外気と連通さ
せてインクを吐出させることができるとともに、記録媒
体へのインク着弾精度をさらに向上せんとするものであ
る。
【0040】また、本発明は、吐出する液滴の体積や速
度を安定化し、さらにスプラッシュやミストなどの発生
を一層確実に抑え、画像上の地汚れや装置化した場合の
装置内の汚れを防ぐとともに、吐出の効率を向上させ、
不吐出や目詰まりなどを防ぎ、さらには記録ヘッドの寿
命を向上させ、高品位な画像を記録できるようにするも
のである。
【0041】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明イン
クジェット記録ヘッドは、インクを吐出するための吐出
口と、該吐出口に連通する液路と、該液路に供給された
インクに前記吐出口から吐出を行わせるための熱エネル
ギを作用する熱作用部と、該熱作用部上のインクに膜沸
騰によるバブルが形成されるように熱エネルギを発生す
る素子とを有し、前記熱作用部による前記熱エネルギの
作用に伴って前記インク中に生起された前記バブルを、
その内圧が外気圧以下の条件で外気と連通させてインク
吐出を行うとともに、前記熱作用部と前記吐出口との間
の液路部分の、前記熱作用部が位置する前記液路上の面
への投影面積S1と、前記吐出口の断面積S2とが、3×
1≧S2を満足するように構成されてなることを特徴と
する。
【0042】また、本発明インクジェット記録方法は、
インクを吐出するための吐出口と、該吐出口に連通する
液路と、該液路に供給されたインクに前記吐出口から吐
出を行わせるための熱エネルギを作用する熱作用部と、
該熱作用部上のインクに膜沸騰によるバブルが形成され
るように熱エネルギを発生する素子とを有し、前記熱作
用部と前記吐出口との間の液路部分の、前記熱作用部が
位置する前記液路上の面への投影面積S1と、前記吐出
口の断面積S2とが、3×S1≧S2を満足するように構
成されてなるインクジェット記録ヘッドを用い、前記熱
作用部による前記熱エネルギの作用に伴って前記インク
中に生起された前記バブルを、その内圧が外気圧以下の
条件で外気と連通させてインク吐出を行うことを特徴と
する。
【0043】また、本発明インクジェット記録方法は、
インクを吐出するための吐出口と、該吐出口に連通する
液路と、該液路に供給されたインクに前記吐出口から吐
出を行わせるための熱エネルギを作用する熱作用部と、
該熱作用部上のインクに膜沸騰によるバブルが形成され
るように熱エネルギを発生する素子とを有し、前記熱作
用部と前記吐出口との間の液路部分の、前記熱作用部が
位置する前記液路上の面への投影面積S1と、前記吐出
口の断面積S2とが、3×S1≧S2を満足するように構
成されてなるインクジェット記録ヘッドを用い、前記熱
作用部による前記熱エネルギの作用に伴って前記インク
中に生起された前記バブルを、その吐出方向先端部の移
動の加速度が正でない条件で外気と連通させてインク吐
出を行うことを特徴とする。
【0044】これらインクジェット記録方法において、
前記液路が前記バブルで遮断されない状態にて前記連通
を行わせるものとすることができる。
【0045】以上において、前記投影面積S1と前記断
面積S2とが、S1≧S2を満足するようにすることがで
きる。
【0046】また、本発明は、上述のインクジェット記
録ヘッドを用いて記録媒体に対し記録を行うインクジェ
ット記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッド
と前記記録媒体とを相対的に移動させる手段と、前記熱
作用部上のインクに膜沸騰によるバブルが形成されるよ
うに熱エネルギを発生する前記素子を駆動することによ
り、前記熱作用部による前記熱エネルギの作用に伴って
前記インク中に生起された前記バブルを外気と連通させ
てインク吐出を行わせる手段と、を具えたことを特徴と
する。
【0047】
【作用】本発明によれば、ヒータ(熱作用部)による熱
エネルギの作用に伴ってインク中に生起されたバブル
を、その内圧が外気圧以下の条件で、あるいはその吐出
方向先端部の移動の加速度が正でない条件で、外気と連
通させてインク吐出を行うとともに、ヒータと吐出口と
の間の液路部分の、ヒータが位置する液路上の面への投
影面積S1と、吐出口の断面積S2とが3×S1≧S2、よ
り好ましくはS1≧S2を満たすように構成したことによ
り、ヒータで生起したバブルを効率良く吐出口より外気
と連通させてインクを安定的かつ高速に吐出できるのみ
ならず、連通後に吐出口付近にインク残りが生じないの
で不吐出を招くおそれも生じない。また、インクの吐出
方向は液路方向と良く一致し、ヨレなどによる画像の乱
れも生じない。
【0048】また、吐出するインクの体積が安定化する
ので、高品位な画像を得ることができるとともに、イン
クミストやスプラッシュによる記録紙の地汚れや装置内
の汚れを防止できた。
【0049】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0050】図9は本発明インクジェット記録ヘッドの
一実施例の一部を模式的に示す。この記録ヘッドは、イ
ンクを吐出するために利用されるエネルギを発生する手
段として、通電に応じインクに膜沸騰を生じさせる熱エ
ネルギを発生する電気熱変換素子などの発熱素子を有
し、該素子の上方の熱作用部(以下これをヒータとい
う)2が壁8で区画された液路10に面してインクに熱
エネルギを作用させる。本実施例による記録ヘッドは、
ヒータ2と吐出口5との間の液路部分の、ヒータ2が位
置する液路10の面への投影部分(図9中斜線を施した
Aで示す部分)の面積S1 と、吐出口断面(図9中斜線
を施したBで示す部分)の面積S2 とが3×S1 ≧S
2 、より好ましくはS1 ≧S2 となるように構成されて
いる。
【0051】なお、図9において、w0 およびw1 は、
それぞれ、液路10および吐出口5の幅、ω2 は吐出口
5ないし液路10の高さ、aおよびbは、それぞれ、ヒ
ータ2の長さおよび幅、Lはヒータ2の吐出口側端部か
ら吐出口5までの距離である。
【0052】図10(a)ないし(e)は図9で示され
る記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録方
法(液体噴射記録方法)を説明したものである。
【0053】図10(a)ないし(e)において、1は
基体、3はインク、4は天板、6はバブル、7は液滴、
107は記録媒体である。なお、液路は、基体1,天板
4および図9に示した壁8によって形成される。
【0054】図10(a)は初期状態を示し、液路内が
インク3で満たされた状態である。まず例えば電気熱変
換体に瞬間的に電流を流しパルス的にヒータ2近傍のイ
ンク3を急激に加熱すると、所謂膜沸騰による気泡(バ
ブル)6がヒータ2上に発生し、急激に膨張を始める
(図10(b))。さらにバブル6は膨張を続け、主と
して慣性抵抗の小さい吐出口5側へ成長し、ついには吐
出口5を越え、外気とバブル6が連通する(図10
(c))。このとき外気はバブル6内圧と平衡状態また
はそれ以上であり、バブル6内に流入する。
【0055】吐出口5より押し出されたインク3はこの
瞬間までにバブル6の膨張によって与えられた運動量の
ためにさらに前方へ飛翔を続け、ついには独立な液滴と
なって紙などの記録媒体107へ向かって飛翔する(図
10(d))。さらに吐出口5側先端部に生じた空隙に
は後方のインク3の表面張力と液路を形成する部材の濡
れ性とによってインク3が図面右方向に供給され(図1
0(e))、初期状態に戻る。
【0056】なお、記録媒体107は、プラテン,ロー
ラ,ベルトあるいはそれらの任意の組み合わせによって
構成される搬送手段により、プラテンに沿って吐出口5
との対向位置に搬送される。あるいは、記録媒体107
を固定し、吐出口5側を移動させる、すなわち記録ヘッ
ドを移動させるようにしても良く、また、図13に示す
ように、それらを組み合わせても良いものである。要
は、吐出口5と記録媒体とが相対的に移動可能とされ、
記録媒体の所望の位置に所望の吐出口5が対向され得る
ようにすればよい。
【0057】さて、図10(c)ではバブル6が外気と
連通したときに外気がバブル内に流入するが、このため
には特願平2−112832号等に開示されている条件
でバブル106を外気と連通させれば良い。例えばバブ
ルの内圧が外気圧と等しいか、または低い条件でバブル
を外気と連通させれば、バブル内のガスが外気に噴出
し、吐出液滴に悪影響を及ぼすことはない。ここでバブ
ル6を効率良く吐出口5より外気と連通させれば、吐出
する液滴の速度が上がり、またインクの目詰まり等を効
果的に防止できる。また液滴が吐出した後に吐出口付近
にインク残りが生じ、その結果空気を取り込んで不吐出
を招くという不具合も生じない。
【0058】バブルを効率良く外気と連通させるにはヒ
ータ2で生起するバブルの大きさを大きくすることに加
え、ヒータ2と吐出口5との間の液路構造を工夫するの
が好適である。そこで、本発明者らが鋭意研究を行った
ところ、先に図9を用いて説明したように、斜線部Aの
部分の面積S1 と斜線部Bの部分の面積S2 とが3×S
1 ≧S2 、より好ましくはS1 ≧S2 を満たせば、バブ
ルを効率良く外気と連通させることができるという結果
を得た。
【0059】また3×S1 ≧S2 、より好ましくはS1
≧S2 を満足させることで、吐出口5より吐出するイン
クの直進性が極めて高く、本例のような記録ヘッドの液
路軸方向に飛翔し、記録紙等の記録媒体に精度よく着弾
することが明らかとなった。
【0060】なお、インクジェット記録ヘッドには、図
12(a)および(b)に示すように、複数の液路を様
々な密度で配列した種々のものがあるが、概ねS1 ≦1
0000μm2 ,S2 ≧10μm2 であり、例えば40
0DPI(ドット/インチ)のものではS1 ≦5000
μm2 ,S2 ≧50μm2 程度である。図12に示すヘ
ッドでは、壁部材9によって画成された共通液室12に
インク供給口20よりインクを導入し、共通液室12よ
り各液路10にインクが供給される。
【0061】以下、さらに詳細な実施例に基づいて説明
する。
【0062】
【表1】
【0063】表1は実施例1〜8(図11(a)〜
(h)に対応)に使用した記録ヘッドの各部寸法につい
て示したものであり、いずれも3×S1 ≧S2 の条件を
満たし、さらに実施例1,6〜8ではより好ましいS1
≧S2 の条件を満たしている。各記録ヘッドの液路の絞
り寸法は下記の通りである。
【0064】実施例1,2…ヒータ端部より10μmの
長さにわたり5μm 実施例3 …ヒータ端部より20μmの長さにわたり
4μm 実施例4 …ヒータ端部より10μmの長さにわたり
3μm 実施例5 …ヒータ端部より20μmの位置から10
μmの長さにわたり4μm 実施例6 …ヒータ端部より10μmの長さにわたり
4μm 実施例7 …ヒータ端部より15μmの長さにわたり
5μm 実施例8 …ヒータ端部より10μmの長さにわたり
5μm 以上のような各部寸法を有した液路を44本ずつ400
ドット/インチの密度で実装した記録ヘッドに、 これらの記録ヘッドに C.I.フードブラック2 3.0重量% ジエチレングリコール 15.0重量% N−メチル−2−ピロリドン 5.0重量% イオン交換水 77.0重量% の成分よりなるインクを供給し吐出実験を行った。
【0065】ヒータ102に対応した電気熱変換素子の
駆動パルス幅は実施例1〜8のすべてで等しく2.5μ
secとし、駆動パルス電圧は実施例1,2,5が8.
8V、実施例3,4が8.5V、実施例6,7が8.7
V、実施例8が8.6Vとし、これらを2kHzで駆動
した。
【0066】まず、バブルの生成の過程を顕微鏡とパル
ス状発光源を用い、透明のガラス製とした天板114を
介して観察したところ、3×S1 ≧S2 の条件を満たし
いる実施例1〜8共、バブルが外気と連通している様子
が確認できた。特により好ましい条件であるS1 ≧S2
を満たす実施例1,6,7,8はバブルが外気と連通し
た後に吐出口付近にインク残りがほとんど認められなか
った。
【0067】その後連続吐出を試みたが、上記S1 ≧S
2 の条件を満たさない実施例4および実施例5に用いた
記録ヘッドには不吐出となる液路が数本生じた。
【0068】そこでこの条件で実施例2,5を除くもの
について記録紙に記録を試みた。そして、1画素毎の市
松模様のパターンの記録を行ったところ、S1 ≧S2
ある実施例1,6,7,8については所望の鮮明な画像
が得られた。一方、実施例3および実施例4では記録紙
上の画像は不鮮明なものとなっていた。そこでこの画像
を顕微鏡で観察したところ、市松模様の配置がくずれた
位置にインクが着弾している画素が認められた。
【0069】図13は上記実施例にかかる記録ヘッドを
用いて構成したインクジェット記録装置の実施例の要部
を示す概略斜視図である。
【0070】図13において、記録ヘッド101は、紙
等の記録媒体(以下記録紙という)107と対向する面
に、記録紙107の搬送方向に複数個のインク吐出口
(不図示)を具える。また、記録ヘッド101には、複
数の吐出口それぞれに連通して液路(不図示)が設けら
れ、それぞれの液路に対応して、記録ヘッド101を構
成する基板にインク吐出のために利用される熱エネルギ
を作用するヒータが形成されている。ヒータに対応する
電気熱変換素子は、上述のように記録データに応じてこ
れに印加される電気パルスによって熱を発生し、これに
より、インクに沸騰膜を生じこの沸騰膜による気泡の生
成に伴なって上記吐出口からインクが吐出される。各液
路には、これらに共通に連通する共通液室が設けられて
おり、これに貯留されるインクは、各インク路での吐出
動作に応じてそのインク路に供給される。また、この記
録ヘッドは、上述のように3×S1 ≧S2 、さらに好ま
しくはS1 ≧S2 の条件を満たすように構成されたもの
である。
【0071】キャリッジ102は、記録ヘッド101を
搭載し、また、記録紙107の記録面と平行に延在する
1対のガイドレール103と摺動可能に係合する。これ
により、記録ヘッド101は、ガイドレール103に沿
って移動することができ、この移動に伴なって所定のタ
イミングで上記記録面に向けてインクを吐出することに
より記録を行う。上記移動の後、記録紙107を、図中
矢印方向に所定量搬送し、再び上記移動を行い記録を行
う。このような動作を繰り返すことにより、記録紙10
7に、順次記録を行っていく。
【0072】上述した記録紙107の搬送は、その記録
面の上下にそれぞれ配設された各々一対の搬送ローラ1
04および105が回転することによって行われる。ま
た、記録紙107の記録面の裏側には、記録面の平面性
を保つためのプラテン106が配設されている。
【0073】なお、上述したキャリッジ102の移動
は、これに取付けられる不図示の例えばベルトがモータ
によって駆動されることによって可能となり、また、搬
送ローラ104および105の回転も同様にモータの回
転がこれらに伝達されることによって可能となる。
【0074】図14は、図13に示したインクジェット
記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【0075】図14において、CPU200はこの装置
各部動作の制御処理やデータ処理等を実行する。ROM
200Aには、その処理手順等が格納され他、図10に
て説明したような、膜沸騰発生後、気泡の大気連通前に
ヒータによる熱の作用が終了するような駆動パルスデー
タが格納される。また、RAM200Bは上記処理実行
のワークエリアとして用いられる。
【0076】記録ヘッド101におけるインク吐出は、
CPU200がヒータを駆動するための記録データおよ
び駆動制御信号をヘッドドライバ101Aに供給するこ
とにより行われる。また、CPU200は、上記キャリ
ッジ102を移動させるためのキャリッジモータ220
や搬送ローラ104,105を回転させるための紙送り
(P.F)モータ50の回転を、それぞれモータドライ
バ220Aおよび50Aを介して制御する。
【0077】なお、本発明を実施するにあたっては、本
発明の一特徴を構成するバブル(気泡)連通吐出方式、
すなわち、インク吐出のために気泡が生成する過程で、
気泡が吐出口において外気と連通する方式が用いられる
が、さらに本発明が好適に実施されるには、上記「背景
技術」の項で説明した条件1〜3および気泡がその生成
過程において外気と連通するまではインク路を遮断しな
い(気泡の生成によって吐出口より突出したインク塊
は、インク路内のインクと連続している)という条件を
満たすことが望ましい。
【0078】また、気泡を生成するための熱エネルギー
発生手段としては、上記実施例で示した電気熱変換体
(ヒータ)以外に、例えばレーザ光を用いることもでき
る。
【0079】(その他)なお、記録装置が記録できる記
録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイ
プの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。
そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合
せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成され
た1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0080】加えて、図14に示したシリアルタイプの
ものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは
装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続
や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在の
チップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に
一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプ
の記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0081】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0082】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0083】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ヒータ(熱作用部)による熱エネルギの作用に伴ってイ
ンク中に生起されたバブルを、その内圧が外気圧以下の
条件で、あるいはその吐出方向先端部の移動の加速度が
正でない条件で、外気と連通させてインク吐出を行うと
ともに、ヒータと吐出口との間の液路部分の、ヒータが
位置する液路上の面への投影面積S1と、吐出口の断面
積S2とが3×S1≧S2、より好ましくはS1≧S2を満
たすように構成したことにより、ヒータで生起したバブ
ルを効率良く吐出口より外気と連通させてインクを安定
的かつ高速に吐出できるのみならず、連通後に吐出口付
近にインク残りが生じないので不吐出を招くおそれも生
じない。また、インクの吐出方向は液路方向と良く一致
し、ヨレなどによる画像の乱れも生じない。
【0085】また、吐出するインクの体積が安定化する
ので、高品位な画像を得ることができるとともに、イン
クミストやスプラッシュによる記録紙の地汚れや装置内
の汚れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク吐出方法の一従来例を説明するための記
録ヘッドの模式的断面図である。
【図2】インク吐出方法の他の従来例を説明するための
記録ヘッドの模式的断面図である。
【図3】インク吐出方法のさらに他の従来例を説明する
ための記録ヘッドの模式的断面図である。
【図4】インク吐出方法のさらに他の従来例を説明する
ための記録ヘッドの模式的断面図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ本発明を適用
して好適な記録ヘッドおよびその吐出方法を説明するた
めの記録ヘッドの要部断面図である。
【図6】本発明の吐出方法にかかる気泡内圧力および気
泡体積の変化を示す線図である。
【図7】本発明の吐出方法にかかる気泡内圧力、気泡体
積および気泡膨張速度の変化を示す線図である。
【図8】本発明の吐出方法にかかる気泡内圧力、気泡体
積および気泡膨張速度の変化を示す線図である。
【図9】本発明インクジェット記録ヘッドの一実施例の
要部を模式的に示す説明図である。
【図10】(a)〜(e)は図9に示した記録ヘッドを
用いて記録を行う液体噴射記録方法を説明するための説
明図である。
【図11】(a)〜(h)は、それぞれ、本発明の実施
例1〜8による記録ヘッドの要部を模式的に示した説明
図である。
【図12】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の
実施例として用いた記録ヘッドの分解斜視図および平面
図である。
【図13】本発明の上記各実施例を実施可能なインクジ
ェット記録装置の概略斜視図である。
【図14】図13に示した装置の制御構成の一例を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ヒータ(熱作用部) 4 天板 5,15 吐出口 6 気泡(バブル) 7 インク滴 8 隔壁 10 液路 12 液室 20 インク供給口 101 記録ヘッド 200 CPU 200A ROM 200B RAM
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−132276(JP,A) 特開 昭61−185455(JP,A) 特開 昭61−249768(JP,A) 特公 平2−46389(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための吐出口と、該吐
    出口に連通する液路と、該液路に供給されたインクに前
    記吐出口から吐出を行わせるための熱エネルギを作用す
    る熱作用部と、該熱作用部上のインクに膜沸騰によるバ
    ブルが形成されるように熱エネルギを発生する素子とを
    有し、前記熱作用部による前記熱エネルギの作用に伴っ
    て前記インク中に生起された前記バブルを、その内圧が
    外気圧以下の条件で外気と連通させてインク吐出を行う
    とともに、前記熱作用部と前記吐出口との間の液路部分
    の、前記熱作用部が位置する前記液路上の面への投影面
    積S1と、前記吐出口の断面積S2とが、3×S1≧S2
    満足するように構成されてなることを特徴とするインク
    ジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記投影面積S1と前記断面積S2とが、
    1≧S2を満足することを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 インクを吐出するための吐出口と、該吐
    出口に連通する液路と、該液路に供給されたインクに前
    記吐出口から吐出を行わせるための熱エネルギを作用す
    る熱作用部と、該熱作用部上のインクに膜沸騰によるバ
    ブルが形成されるように熱エネルギを発生する素子とを
    有し、前記熱作用部と前記吐出口との間の液路部分の、
    前記熱作用部が位置する前記液路上の面への投影面積S
    1と、前記吐出口の断面積S2とが、3×S1≧S2を満足
    するように構成されてなるインクジェット記録ヘッドを
    用い、 前記熱作用部による前記熱エネルギの作用に伴って前記
    インク中に生起された前記バブルを、その内圧が外気圧
    以下の条件で外気と連通させてインク吐出を行うことを
    特徴とするインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 インクを吐出するための吐出口と、該吐
    出口に連通する液路と、該液路に供給されたインクに前
    記吐出口から吐出を行わせるための熱エネルギを作用す
    る熱作用部と、該熱作用部上のインクに膜沸騰によるバ
    ブルが形成されるように熱エネルギを発生する素子とを
    有し、前記熱作用部と前記吐出口との間の液路部分の、
    前記熱作用部が位置する前記液路上の面への投影面積S
    1と、前記吐出口の断面積S2とが、3×S1≧S2を満足
    するように構成されてなるインクジェット記録ヘッドを
    用い、 前記熱作用部による前記熱エネルギの作用に伴って前記
    インク中に生起された前記バブルを、その吐出方向先端
    部の移動の加速度が正でない条件で外気と連通させてイ
    ンク吐出を行うことを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  5. 【請求項5】 前記液路が前記バブルで遮断されない状
    態にて前記連通を行わせることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記投影面積S1と前記断面積S2とが、
    1≧S2を満足することを特徴とする請求項3ないし5
    のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッドを用いて記録媒体に対し記録を行うインク
    ジェット記録装置であって、 前記インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体とを相対
    的に移動させる手段と、 前記熱作用部上のインクに膜沸騰によるバブルが形成さ
    れるように熱エネルギを発生する前記素子を駆動するこ
    とにより、前記熱作用部による前記熱エネルギの作用に
    伴って前記インク中に生起された前記バブルを外気と連
    通させてインク吐出を行わせる手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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