JP2003326725A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置

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JP2003326725A JP2002139953A JP2002139953A JP2003326725A JP 2003326725 A JP2003326725 A JP 2003326725A JP 2002139953 A JP2002139953 A JP 2002139953A JP 2002139953 A JP2002139953 A JP 2002139953A JP 2003326725 A JP2003326725 A JP 2003326725A
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Shigeru Kanehara
滋 金原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン基板を用いた液室形成部材に耐液性
薄膜を形成した場合に反りが生じて接合不良が発生す
る。 【解決手段】 流路板1にノズル板接合面側に振動板接
合面側の加圧液室6の形状に似た擬似液室26を形成し
て、ノズル板接合面の凹部以外の表面積と振動板接合面
の凹部以外の表面積とが略同じになるようにし、加圧液
室6の高さを100μm以上に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液滴吐出ヘッド及びその
製造方法並びにインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いる
インクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズル
と、このノズルが連通するインク流路(吐出室、圧力
室、加圧液室、液室等とも称される。)と、このインク
流路内のインクを加圧する駆動手段とを備えた液滴吐出
ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したもので
ある。なお、液滴吐出ヘッドとしては例えば液体レジス
トを液滴として吐出する液滴吐出ヘッド、DNAの試料
を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドなどもあるが、以
下ではインクジェットヘッドを中心に説明する。
【0003】インクジェットヘッドとしては、インク流
路内のインクを加圧するエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段として、圧電素子を用いてインク流路の壁面
を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化
させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの
(特開平2−51734号公報参照)、或いは、発熱抵
抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発
生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆ
るサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参
照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対
向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によ
って振動板を変形させることで、インク流路内容積を変
化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平5
−50601号公報参照)などが知られている。
【0004】これらの各種ヘッドの内でも、ノズル開口
が形成されたノズルプレート(ノズル形成部材)と振動
板とをスぺーサ(液室形成部材)の両面に接着して圧力
室(液室)を形成し、振動板を圧電振動子により変形さ
せる方式のインクジェットヘッドは、インク滴を飛翔さ
せるための駆動源として熱エネルギーを使用しないため
熱によるインクの変質がなく、特に熱により劣化しやす
いカラーインクを吐出させる上で利点がある。しかも、
圧電振動子の変位量を調整してインク滴のインク量を自
在に調節することが可能であるため、高品質なカラー印
刷のためのインクジェット記録装置を構成するのに最適
なヘッドである。
【0005】ところで、インクジェットヘッドは記録媒
体上のドットをインク滴により構成する関係上、インク
滴のサイズを小さくすることにより、極めて高い解像度
での記録、印刷が可能である。
【0006】しかしながら、効率よく記録するために
は、インク開口の数を多くする(ノズル数を多くする)
必要があり、特に、圧電振動子を駆動手段とするものに
あっては、圧電振動子のエネルギーを効率よく使用する
ために圧力室(加圧液室)を大きくする必要がある。こ
のことは、ヘッドの小型化要請とは相反することであ
る。このような相反する問題を解消するため、通常隣り
合う圧力室を区画している壁(隔壁)を薄くすると共に
圧力室の形状を長手方向に大きくして容積を稼ぐことが
行われている。
【0007】このような圧力室やリザーバは、振動板と
ノズルプレートの間隔を所定の値に保持する部材である
液室形成部材にて形成するが、上述したように、極めて
小さく、しかも複雑な形状を備えた圧力室を形成する必
要上、通常エッチング技術が使用されている。このよう
な液室形成部材を形成する材料としては、感光性樹脂膜
が使用されることが多いが、これは機械的強度が低いた
めクロストークや撓み等が生じ高い解像度を得ようとす
ると印字品質が低下するという問題がある。
【0008】そこで、比較的簡単な手法で微細な形状を
高い精度で加工が可能なシリコン単結晶基板の異方性エ
ッチングを用いた部品製作技術、いわゆるマイクロマシ
ニング技術を適用してインクジェットヘッドを構成する
部材を加工することが行われるようになっている。特
に、結晶方位(110)の単結晶シリコン基板を液室形
成部材に用いて、異方性エッチングを行って、圧力室や
リザーバを形成することが行われる。単結晶シリコンを
使用したスペーサは、機械的剛性が高いため、圧電振動
子の変形に伴う記録ヘッド全体のたわみを小さくできる
とともに、エッチングを受けた壁面が表面に対してほぼ
垂直であるため圧力室を均一に構成することが可能であ
るという大きな利点を備えている。
【0009】例えば、特開平7−125198号公報に
は、結晶方位のシリコン単結晶基板を異方性エッチング
する際に、圧力発生室とリザーバとを形成する通孔をそ
れぞれ一方の壁面を同一面として形成し、また圧力発生
室を形成する通孔を区画するノズル開口近傍の壁面を相
互に鈍角で接する壁面で形成することにより、インク供
給口と圧力発生室を平滑な流路として構成したヘッドが
記載されている。
【0010】ところで、シリコン基板を液室形成部材に
用いた場合、特にアルカリ系のインクを使用すると、シ
リコンがインク中に溶出することがあるため、液室壁面
に耐液性薄膜(耐インク薄膜)として酸化膜や窒化チタ
ン膜を成膜することが行われている。
【0011】例えば、特開平10−264383号公報
には、シリコン基板にインクが収容されるインクキャビ
ティ(液室)を形成し、インクキャビティ内の圧力を変
化させ、インクキャビティ内に収容されたインクを外部
に吐出させる圧力を発生するための圧電素子とを備え、
インクキャビティの内壁表面に親水性および耐アルカリ
性を備えた膜、例えばニッケル酸化膜やシリコン酸化膜
を形成したヘッドが記載されている。
【0012】さらに、シリコン基板から形成した液室形
成部材にノズルを形成したノズル板を接着剤接合する構
成のヘッドにあっては、接着剤が液流路やノズルとの連
通路にはみ出すと、流路形状が変化することになる。
【0013】そこで、例えば、特開平11−34828
2号公報には、インク室、インク供給口及びインクリザ
ーバーを形成した基板(液室形成部材)上に接着剤を用
いてノズル孔を形成した基板(ノズル形成部材)を接合
する構成のヘッドであって、液室形成部材としての基板
にはインク室、リザーバーの縁に沿って複数の凹部を千
鳥状に形成し、ノズル形成部材としての基板を接着剤接
合するときに生じ得る残余の接着剤が凹部内に収容され
るようにして、接着剤がインク流路内に流れ込むことが
ないようにしたヘッドが記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにシリコ
ン基板を液室形成部材に用いて液流路壁面に耐液性薄膜
(耐インク薄膜)としての酸化膜や窒化チタン膜を成膜
したすると、シリコンがインクに溶出することは防止で
きるが、耐液性薄膜の内部応力によって液室形成部材全
体に反りが生じるという課題が生じる。
【0015】このように液室形成部材に反りが生じる
と、液室形成部材に、ノズル形成部材を接合したり、或
いは、静電型、ピエゾ型のように振動板を接合したり、
あるいは、液流路を形成するための蓋となる部材を接合
したりする場合、接合不良を生じ易くなり、信頼性が低
下するという課題が生じる。
【0016】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、接合信頼性の高い液滴吐出ヘッド及びその製造
方法、並びにこの液滴吐出ヘッドを搭載することで信頼
性を向上したインクジェット記録装置を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液室形成部材のノ
ズル形成部材と接合面に加圧液室の形状に似た擬似液室
が形成され、且つ加圧液室の高さが85μm以上である
構成としたものである。
【0018】また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液
室形成部材のノズル形成部材と接合面に加圧液室の形状
に似た擬似液室が形成され、且つ加圧液室と擬似液室と
の間の隔壁厚さが100μm以上である構成としたもの
である。
【0019】ここで、加圧液室と擬似液室の深さがほぼ
同じである構成とし、あるいは、加圧液室の深さが擬似
液室の深さよりも浅い構成とすることができる。さら
に、加圧液室の壁面に酸化膜又は窒化チタン膜が形成さ
れていることが好ましい。さらにまた、インクジェット
ヘッドに適用してインクタンクと一体化した液滴吐出ヘ
ッドを構成することもできる。
【0020】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法
は、本発明に係る液滴吐出ヘッドを製造する方法であっ
て、液室形成部材はシリコンのドライエッチングによる
深堀又はドライエッチングによる深堀と異方性ウェット
エッチングとを併用して形成し、異方性ウエットエッチ
ングはシリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜、シリ
コン酸化膜、あるいは、シリコン窒化膜をマスクとして
行う構成としたものである。
【0021】本発明に係るインクジェット記録装置は、
インクジェットヘッドが本発明に係る液滴吐出ヘッドで
ある構成としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。本発明の液滴吐出ヘッドの第
1実施形態に係るインクジェットヘッドについて図1乃
至図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分
解斜視説明図、図2は同ヘッドの液室長手方向に沿う断
面説明図、図3は同ヘッドの液室短手方向に沿う要部断
面説明図、図4は同ヘッドの液室形成部材の説明図であ
る。
【0023】このインクジェットヘッドは、単結晶シリ
コン基板で形成した液室形成部材である流路板1と、こ
の流路板1の下面に接合した振動板2と、流路板1の上
面に接合したノズル板3とを有し、これらによってイン
ク滴を吐出するノズル4がノズル連通路5を介して連通
する加圧液室6、加圧液室6に流体抵抗部となるインク
供給路7を介してインクを供給する共通液室8などの液
流路を形成し、流路板1のインクに接する面(液流路の
壁面)となる加圧液室6、インク供給路7、共通液室8
の各壁面には酸化膜又は窒化チタン膜、或いはポリイミ
ド膜などの有機樹脂膜からなる耐液性薄膜10を成膜し
ている。
【0024】そして、振動板2の外面側(液室6と反対
面側)に各加圧液室6に対応して積層型圧電素子12を
接合し、この積層型圧電素子12はベース基板13に接
合して固定し、この圧電素子12の列の周囲にはスペー
サ部材14(図1では図示を省略している。)をチタン
酸バリウム、アルミナ、フォルステライトなどの絶縁性
のベース基板13に接合している。
【0025】この圧電素子12は、例えば厚さ10〜5
0μn/層のチタン酸ジルコン酸(PZT)などの圧電
層15と厚さ数μm/層の銀パラジューム(AgPd)な
どからなる内部電極16とを交互に積層したものであ
る。なお、電気機械変換素子としてはPZTに限られる
ものではない。そして、この圧電素子の内部電極16を
交互に端面に取り出して端面電極として、ベース基板1
3上に形成した共通電極パターン及び個別電極パターン
に電気的に接続し、共通電極パターン及び共通電極パタ
ーンに接続したFPCケーブルを介してPCB基板と接
続して駆動波形を印加することによって積層方向の伸び
の変位を発生させるようにしている。
【0026】なお、ここでは、圧電素子12のd33方
向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成と
しているが、圧電素子12のd31方向の変位を用いて
加圧液室6内インクを加圧する構成とすることもでき
る。また、図示は省略するが、外部から共通液室8にイ
ンクを供給するためのインク供給口を形成するための貫
通穴をベース基板13、スペーサ部材14、振動板2に
形成している。
【0027】ここで、流路板1は、結晶面方位(11
0)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(K
OH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エ
ッチングすることで、振動板2側の面に各加圧液室6と
なる凹部、インク供給路7となる溝部、共通液室8とな
る凹部をそれぞれ形成し、更にドライエッチングと異方
性エッチングでノズル板3側の面に貫通するノズル連通
路5を形成している。
【0028】振動板2はニッケルの金属プレートから形
成したもので、エレクトロフォーミング法で製造してい
る。この振動板2は加圧液室6に対応する部分に変形を
容易にするための薄肉部21及び圧電素子12と接合す
るための厚肉部22を形成するとともに、液室間隔壁2
0に対応する部分にも厚肉部23を形成し、平坦面側を
流路板1に接着剤接合している。この振動板2の液室間
隔壁20に対応する厚肉部23とベース基板13との間
には支柱部24を介設している。この支柱部24は圧電
素子12と同じ構成であり、1枚の圧電素子ブロックを
ダイシングすることで圧電素子12と支柱部24とを形
成する。
【0029】ノズル板3は各加圧液室6に対応して直径
10〜30μmのノズル4を形成し、流路板1に接着剤
接合している。なお、ノズル4は2列形成して千鳥状に
配置している(図2は説明のため同一断面で示してい
る。)。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケ
ルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹
脂との組み合せ、シリコン、及びそれらの組み合わせか
らなるものを用いることができる。また、ノズル面(吐
出方向の表面:吐出面)には、インクとの撥水性を確保
するため、メッキ被膜、あるいは撥水剤コーティングな
どの周知の方法で撥水膜を形成している。
【0030】このように構成したインクジェットヘッド
においては、圧電素子12に対して選択的に20〜50
Vの駆動パルス電圧を印加することによって、パルス電
圧が印加された圧電素子12が積層方向(図3の場合)
に変位して振動板2をノズル5方向に変形させ、加圧液
室6の容積/体積変化によって加圧液室6内のインクが
加圧され、ノズル4からインク滴が吐出(噴射)され
る。
【0031】そして、インク滴の吐出に伴って加圧液室
6内の液圧力が低下し、このときのインク流れの慣性に
よって加圧液室6内には若干の負圧が発生する。この状
態の下において、圧電素子12への電圧の印加をオフ状
態にすることによって、振動板2が元の位置に戻って加
圧液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生す
る。このとき、インク供給口から共通液室8、流体抵抗
部であるインク供給路7を経て加圧液室6内にインクが
充填される。そこで、ノズル4のインクメニスカス面の
振動が減衰して安定した後、次のインク滴吐出のために
圧電素子12にパルス電圧を印加しインク滴を吐出させ
る。
【0032】ここで、インクジェットヘッドの液室形成
部材である流路板1は、図1及び図4を参照して、前述
したように、シリコン基板で形成して、振動板2側の面
に各加圧液室6、インク供給路7、共通液室8となる凹
部をそれぞれ形成しているので、この状態では流路板1
の振動板2側表面の凹部以外の面(振動板接合面)の表
面積とノズル板3側の凹部(この状態ではノズル連通路
5のみ)以外の面(ノズル板接合面)の表面積との差が
大きくなる。
【0033】このように、ノズル板側接合面と振動板接
合面との形状や面積が大きく異なると、耐液性薄膜1
0、特に耐液性に優れたシリコン酸化膜や窒化チタン膜
を形成した場合に膜の内部応力によって流路板1に反り
が発生することになる。
【0034】そこで、このヘッドの流路板1には、ノズ
ル板接合面側及び振動板接合面側にそれぞれ接着剤逃が
し用の肉抜き部(凹部)25、27を形成するととも
に、ノズル板接合面側に液室形状(流路形状)に似た形
状の擬似液室(凹部)26を形成することによって、ノ
ズル板接合面の凹部以外の表面積と振動板接合面の凹部
以外の表面積とが略同じになるようにしている。
【0035】このように、流路板1の両面の凹部以外の
表面積が略同じになるようにすることで、流路壁面に耐
液性薄膜10を形成する場合に、ノズル板接合面側と振
動板接合面側の耐液性薄膜の膜応力の差などに起因する
流路板1の反りが緩和されるので、流路板1の各面にノ
ズル板3及び振動板4を接着剤接合した場合の接合信頼
性が向上するとともに、製造工程における接合不良が低
減することで歩留まりが向上して低コスト化を図ること
ができる。
【0036】この点についてより、図4ないし図6をも
参照して説明する。なお、図4はここでの説明で用いる
流路板1の断面形状であり、共通液室及び流体抵抗部を
形成しない形状で説明している。図5(a)はこの流路
板1に本発明を適用したときのノズル板接合面側の平面
説明図、同(b)は同じく振動板接合面側の平面説明図
である。また、図6(a)は比較例の流路板のノズル板
接合面側の平面説明図、同(b)は同じく振動板接合面
側の平面説明図である。なお、比較例の流路板について
は符号に「’」を付して同一部分を表す。
【0037】図5(b)及び図6(b)に示すように、
流路板1、1’の振動板接合面1b、1b’側には、加
圧液室(吐出室)6、6’となる凹部及び接着剤逃がし
用の肉抜き部である凹部27、27’を形成しているの
で凹部形状パターンは同じである。これに対して、図5
(a)及び図6(a)に示すように、流路板1、1’の
ノズル板接合面側の凹部形状パターンが異なっている。
【0038】すなわち、比較例の流路板1’において
は、ノズル連通路5’とともに接着剤逃がし用の凹部2
5’を複数形成している。これに対し、本発明に係る流
路板1において、加圧液室6の形状に似た凹部である擬
似液室26を形成するとともに、接着剤逃がし用の凹部
25も複数形成している。
【0039】上記のような比較例の流路板1’では、ノ
ズル板接合面1a’と振動板接合面1b’の凹部形状及
び表面積が大きくことなっているために、例えば、耐液
性薄膜としてのシリコン酸化膜を7000Åの厚みで成
膜した場合に、シリコン流路板1’には6μmを越える
反りが発生することを確認している。そのため、流路板
1’の各面のノズル板及び振動板を接合すると接合不良
箇所が発生する。勿論接着剤層の厚みを厚くすることで
接合不良はある程度解消できるが、接着剤層の厚みを厚
くすることは、接着剤のはみ出しが多くなり、液室部材
全体の剛性の点でも好ましくない。
【0040】これに対して、本発明に係る流路板1で
は、液室形状に対応する擬似液室26を有しているの
で、ノズル板接合面1aと振動板接合面1bの凹部形状
及び表面積がほぼ同じになる。そのため、耐液性薄膜と
してのシリコン酸化膜を7000Åの厚みで成膜した場
合でも、シリコン流路板1の反りは約2μmに抑えるこ
とができ、この程度の反りであれば流路板1の各面のノ
ズル板及び振動板を接合しても接合不良箇所が発生しな
いことを確認した。
【0041】ここで、図7にノズル板接合面と振動板接
合面の面積比とシリコン酸化膜を膜厚1μmで形成した
場合の液室形成部材(流路板)の反り量の関係の実測結
果を示している。
【0042】同図から分かるように、液室形成部材の反
り量を2μm以下に抑えるためには、ノズル板接合面と
振動板接合面の接合面積比を0.5〜2.0の範囲内に
することが好ましい。この液室形成部材の反り量が2μ
mを越えない範囲であれば、反りに起因する接合不良は
ほぼなくすることができる。
【0043】次に、流路板1の他の例について図8を参
照して説明する。なお、同図(a)は流路板のノズル板
接合面側の平面説明図、同図(b)は同じく振動板接合
面側の平面説明図である。
【0044】この流路板1は、ノズル板接合面1aに擬
似液室28を形成するとともに、各ビットの擬似液室2
8を連通路29により連通させて、更にこの連通路29
は流路板1の端部にて開口させ外部にも連通させてい
る。
【0045】このように、各ビットの擬似液室を液室形
成部材の外部に連通させることにより、製造プロセスに
おける加熱による接合不良をも防止できる。
【0046】すなわち、前述した図5に示す例では擬似
液室26が大きく開口し更に閉じられているので、流路
板1にノズル板3を接合するときに加熱、加圧接合を行
うと、擬似液室26内の気体が加熱時に膨張して、ノズ
ル板3との間の接合不良が生じるおそれがある。常温で
ノズル板3との接合を行えば、上記の接合不良のおそれ
はなくなるが、常温接合ではプロセスタイムが長くな
り、コストの上昇につながる。
【0047】そこで、この例のように擬似液室28を連
通する連通路29を設けて流路板1の端部で開口させて
外部に連通しておくことにより、ノズル板3を接合する
ときに加熱しても、擬似液室28内の気体が膨張するこ
とによる接合不良のおそれは生じなくなり、プロセスタ
イムの増加を抑えることができる。
【0048】ところで、上述したように液室形成部材で
ある流路板1に擬似流路26を形成することによって耐
液性薄膜を形成した場合の流路板1の反りを抑えること
ができるが、他方、擬似液室26を形成することによっ
て、図4に示すように、加圧液室6と擬似液室26との
間の隔壁部6aの厚さ(間隔)Dが薄くなって(狭くな
って)隔壁部6aの剛性が減少することから、噴射特性
が低下するおそれがある。
【0049】そこで、本発明者は、先ず、加圧液室6と
擬似液室26との間の距離(隔壁部6aの厚さ)Dをパ
ラメータとして、単数ビットを駆動して液滴を吐出させ
たとき(シングル噴射時)の滴速度Vjと複数ビットを
同時に駆動して液滴を吐出させたとき(マルチ噴射時)
の滴速度Vjとの速度差について実験を行った。この結
果を図9に示している。
【0050】同図から分かるように、加圧液室−疑似液
室間距離Dが100μm以上であれば、擬似液室26を
形成した場合でもシングル噴射時とマルチ噴射時との液
滴速度の差が無くなる。なお、シングル噴射時とマルチ
噴射時とで液滴速度に差が生じると、滴の着弾位置が変
化することになり、画像品質が低下することになる。
【0051】次に、加圧液室の高さ(深さ)H1(図4
参照)と高粘度液体(4cp)を高周波駆動で噴射した
ときの噴射不良率の関係について実験を行った。この結
果を図10に示している。
【0052】同図から分かるように、加圧液室6の高さ
H1が85μm以上であれば高粘度液体を用いる場合で
も安定して噴射を行うことができる。高粘度液体の場合
は加圧液室6の高さが低いと、高周波数駆動での噴射時
に加圧液室6に対する液体の供給量が間に合わなくな
り、噴射不良を起こすことになる。
【0053】さらに、流路板1をシリコンウエハで形成
した場合における、350μm、400μm、450μ
mの各ウエハ膜厚で、加圧液室6と擬似液室26との間
の距離Dをパラメータとして、噴射実験を行い、高周波
駆動における噴射の不良の発生、シングル/マルチ噴射
間の滴速度差の発生について評価した。この評価結果を
表1、表2、表3にそれぞれ示している。なお、各表
中、「残し厚さ」は加圧液室−擬似液室間の距離(隔壁
部6aの厚さd)である。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】これら評価結果から、ここでも、ウエハ膜
厚によらず、加圧液室高さ(深さ)が85μm以上であ
れば、高粘度インクを使用したときでも高周波噴射時で
インク供給不足による噴射不良が生じないことが確認さ
れた。また、加圧液室−疑似液室間距離が100μm以
上であれば、シングル/マルチ噴射間での液滴噴射速度
差が生じないことが確認された。
【0058】そこで、このインクジェットヘッドにおい
ては、加圧液室の高さH1を85μm以上に形成してい
る。これにより、シリコンのアルカリ系液体への溶出を
防止するための保護膜を形成する場合でも、保護膜の膜
応力によるシリコン部材の反りを低減することが可能と
なり、ノズル板あるいは振動板との接合時の接合不良を
無くした上で、普通紙に高画質記録を行う際に必要な高
粘度液体を高周波で吐出する場合においても、ノズルへ
の液体の供給を不足なく行うことが可能となり、品質の
高い画像を形成することができるようになる。
【0059】また、加圧液室と疑似液室との間の距離
(シリコン基板の厚さ)を100μm以上にしている。
これにより、各ビットの駆動数の差、特に単ビットを駆
動する場合と複数ビットを同時に駆動する場合の滴速度
の差を小さくすることが可能となり、着弾位置の差が小
さくなって、より高い品質の画像を形成することができ
るようになる。
【0060】次に、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法
に係る第1実施形態の製造工程について図11及び図1
2を参照して説明する。先ず、図11(a)に示すよう
に、厚さ400μmで面方位(110)のシリコン基板
(シリコンウエハを用いる。)61を用意し、このシリ
コン基板61両表面に厚さ1.0μmのシリコン酸化膜
62a、62b及び厚さ0.15μmのシリコン窒化膜
63a、63を形成した。なお、窒化膜63a、63b
はLP−CVDで形成した。
【0061】次いで、同図(b)に示すように、シリコ
ン基板61のノズル板接合面側のシリコン窒化膜63a
表面に、ノズル連通路5を形成するための開口と、ノズ
ル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉
抜き部)25、擬似液室26を形成するための各開口と
を有するレジストパターン64aを形成した。
【0062】そして、ドライエッチングを行って、シリ
コン窒化膜63a及びシリコン酸化膜62aに、ノズル
連通路5を形成するための開口65と、ノズル板3との
接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部25を形成する
ための開口66、擬似液室26を形成するための開口6
8をパターニングする。この工程では擬似液室26を形
成するための開口68は加圧液室6とほぼ同じ平面形状
に形成した。
【0063】次に、同図(c)に示すように、シリコン
基板61の振動板接合面側のシリコン窒化膜63b表面
に、加圧液室6を形成するための開口と、振動板2との
接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)2
7を形成するための開口とを有するレジストパターン6
4bを形成した。
【0064】そして、ドライエッチングを行って、シリ
コン窒化膜63aに、加圧液室6を形成するための開口
70と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませ
る凹部(肉抜き部)27を形成するための開口71をパ
ターニングする。
【0065】その後、同図(d)に示すように、レジス
トでシリコン窒化膜63aの開口65、66、68を埋
め込み、ノズル連通路5を形成するための開口73を有
するレジストパターン72を形成した。このときのレジ
ストの膜厚は8μmとした。
【0066】そして、同図(e)に示すように、レジス
トパターン72をマスクとしてICPドライエッチャー
を使用して、シリコン基板61にノズル連通路5を形成
するための掘り込み74を形成した。ここでは、ICP
エッチングはノズル板接合面側から行っている。
【0067】次いで、図12(a)に示すように、レジ
ストパターン72を除去して、水酸化カリウム水溶液に
よりシリコン基板61の異方性エッチングを行ってノズ
ル連通路5となる連通管75を形成した。
【0068】その後、同図(b)に示すように、ウエッ
トエッチングにより、加圧液室6を形成するための開口
70と、振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませ
る凹部(肉抜き部)27を形成するための開口71に対
応するシリコン酸化膜62bを除去する。
【0069】そして、同図(c)に示すように、再度水
酸化カリウム水溶液により、シリコン基板61の異方性
エッチングを行って、シリコン基板61に、加圧液室6
となる凹部76、凹部25、27、擬似液室26となる
各凹部を形成した。ここで、加圧液室部形成時のシリコ
ンの異方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液として
溶液濃度30%のものを用いて、処理温度85℃で行っ
た。なお、連通管75の貫通直後は異方性エッチングに
よる傾斜部が発生するが、本実施形態ではこの傾斜部を
この工程にて後退させることで傾斜部全てのエッチング
を行っている。
【0070】そして、同図(d)に示すように、シリコ
ン窒化膜63a、63b及びシリコン酸化膜62a、6
2bを除去し、その後図示しないが、耐インク接液膜
(耐液性薄膜)10としてシリコン酸化膜を1μmの厚
さで形成して、インクジェット用流路板1を得た。
【0071】このように、上記実施形態ではノズル板接
合面と振動板接合面との接合面積がほぼ同じになるよう
に、またノズル接合面の形状は加圧液室の形状に似た形
状の擬似液室形状になるようにパターニングを行い、更
に各々の疑似流路を連通させて外部に開口させるように
連通路を形成したので、流路板1は接液保護膜(耐液性
薄膜)形成時でも反り量を1μm以下に抑えることがで
きた。
【0072】そして、この製造工程においては、液室形
成部材をシリコンから形成し、ドライエッチングによる
深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して、必要な
ノズル連通路や加圧液室などの流路を形成したので、精
度よく加圧液室を形成することが可能となり、吐出特性
にばらつきのないヘッドが得られた。
【0073】また、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜の
積層膜をマスクとして異方性ウェットエッチングを行っ
たので、2回の異方性ウェットエッチングを行って液室
形成部材を形成することが可能となり、ドライエッチン
グのみでノズル連通路を形成する場合に比べて、スルー
プットが良く、低コスト化を図れる。
【0074】この場合、加圧液室と疑似液室のエッチン
グ深さH1、H2(図4参照)は二度の異方性エッチン
グで行っているため、ノズル接合面に形成された疑似液
室26の深さH2は振動板接合面に形成された加圧液室
6の深さH1よりも深い形状となっている。
【0075】さらに、疑似液室26の底部と加圧液室6
の底部との間のシリコン基板61の厚さは100μm以
上とし、更に加圧液室6の高さ(凹部76の深さ)を8
5μm以上としている。このように、加圧液室底部と疑
似液室底部との間のシリコンの厚さを100μm以上と
することにより、液滴噴射を単発で行う場合と複数で行
う場合とで液滴の速度を略等しくすることが可能である
ため、液滴の着弾位置を精度良く制御することが可能と
なる。また、加圧液室の高さを85μm以上とすること
により、普通紙に高画質で印刷するために高粘度インク
を使用したときにおいても、高周波吐出時の液滴の供給
を十分に行うことが可能となる。
【0076】次に、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法
に係る第2実施形態の製造工程について図13及び図1
4を参照して説明する。先ず、図13(a)に示すよう
に、厚さ400μmで面方位(110)のシリコン基板
(シリコンウエハを用いる。)91を用意し、このシリ
コン基板91両表面に厚さ1.0μmのシリコン酸化膜
92a、92bを形成した。
【0077】次いで、同図(b)に示すように、シリコ
ン基板91のノズル板接合面側のシリコン酸化膜92a
表面に、ノズル連通路5を形成するための開口と、ノズ
ル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉
抜き部)25及び擬似液室26を形成するための各開口
とを有するレジストパターン94を形成した。
【0078】そして、ドライエッチングを行って、シリ
コン酸化膜92aに、ノズル連通路5を形成するための
開口95と、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ
込ませる凹部25を形成するための開口96及び擬似液
室26を形成するための開口98とをパターニングす
る。なお、擬似液室26を形成するための開口98は加
圧液室6とほぼ同じ平面形状に形成した。
【0079】その後、同図(c)に示すように、シリコ
ン基板91の振動板接合面側のシリコン酸化膜92b表
面に、加圧液室6を形成するための開口と振動板2との
接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)2
7を形成するための開口とを有するレジストパターン1
02を形成し、ドライエッチングを行ってシリコン酸化
膜92bに加圧液室6を形成するための開口103と振
動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部27
を形成するための開口104とをパターニングする。
【0080】その後、同図(d)に示すように、レジス
トでシリコン酸化膜92aの開口95、96、98を埋
め込み、ノズル連通路5を形成するための開口105を
有するレジストパターン106を形成した。このときの
レジストの膜厚は8μmとした。
【0081】そして、図14(a)に示すように、レジ
ストパターン106をマスクとしてICPドライエッチ
ャーを使用して、シリコン基板91にノズル連通路5を
形成するための掘り込み107を形成した。ここでは、
ICPエッチングはノズル板接合面側から行っている。
【0082】次いで、同図(b)に示すように、レジス
トパターン106を除去して、水酸化カリウム水溶液に
よりシリコン基板91の異方性エッチングを行ってノズ
ル連通路5となる連通管115、加圧液室6となる凹部
116、凹部25、27、擬似液室26となる各凹部を
形成した。ここで、加圧液室部形成時のシリコンの異方
性エッチングは、水酸化カリウム水溶液として溶液濃度
30%のものを用いて、処理温度85℃で行った。
【0083】そして、同図(d)に示すように、シリコ
ン酸化膜92a、92bを除去し、その後図示しない
が、耐インク接液膜(耐液性薄膜)10としてシリコン
酸化膜を1μmの厚さで形成して、インクジェット用流
路板1を得た。
【0084】ここでも、ノズル板接合面と振動板接合面
との接合面積がほぼ同じになるように、またノズル接合
面の形状は加圧液室の形状に似た形状の擬似液室形状に
なるようにパターニングを行い、更に各々の疑似流路を
連通させて外部に開口させるように連通路を形成したの
で、流路板1は接液保護膜(耐液性薄膜)形成時でも反
り量を1μm以下に抑えることができ、さらに加熱接合
時に疑似流路パターン中の気体が膨張することによる接
合不良も防ぐことができた。
【0085】そして、この製造工程においては、液室形
成部材をシリコンから形成し、ドライエッチングによる
深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して、必要な
ノズル連通路や加圧液室などの流路を形成したので、精
度よく加圧液室を形成することが可能となり、吐出特性
にばらつきのないヘッドが得られた。
【0086】そして、シリコン酸化膜をマスクとして異
方性ウェットエッチングを行ったので、1回のウェット
エッチングを行って液室形成部材を形成することが可能
となり、ドライエッチングのみでノズル連通路を形成す
る場合に比べて、スループットが良く、低コスト化を図
れる。しかも、加圧液室の形成時のマスクをシリコン酸
化膜のみとすることで、マスク作成工程が非常に簡単で
短工程のため、低コスト化を図れる。
【0087】この場合、加圧液室と疑似液室のエッチン
グ深さH1、H2(図4参照)は二度の異方性エッチン
グで行っているため、ノズル接合面に形成された疑似液
室26の深さH2と振動板接合面に形成された加圧液室
6の深さH1はほぼ同じ深さとなっている。
【0088】さらに、疑似液室26の底部と加圧液室6
の底部との間のシリコン基板91の厚さは100μm以
上とし、更に加圧液室6の高さ(凹部116の深さ)を
85μm以上としている。このように、加圧液室底部と
疑似液室底部との間のシリコンの厚さを100μm以上
とすることにより、液滴噴射を単発で行う場合と複数で
行う場合とで液滴の速度を略等しくすることが可能であ
るため、液滴の着弾位置を精度良く制御することが可能
となる。また、加圧液室の高さを85μm以上とするこ
とにより、普通紙に高画質で印刷するために高粘度イン
クを使用したときにおいても、高周波吐出時の液滴の供
給を十分に行うことが可能となる。
【0089】次に、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法
に係る第3実施形態の製造工程について図15及び図1
6を参照して説明する。先ず、図15(a)に示すよう
に、厚さ400μmで面方位(110)のシリコン基板
(シリコンウエハを用いる。)121を用意し、このシ
リコン基板121両表面に厚さ0.15μmのシリコン
酸化膜122a、122bをLP−CVDで形成した。
【0090】次いで、同図(b)に示すように、シリコ
ン基板121のノズル板接合面側のシリコン窒化膜12
2a表面に、ノズル連通路5を形成するための開口と、
ノズル板3との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部
(肉抜き部)25及び擬似液室26を形成するための各
開口とを有するレジストパターン124を形成した。
【0091】そして、ドライエッチングを行って、シリ
コン窒化膜122aに、ノズル連通路5を形成するため
の開口125と、ノズル板3との接合時の余剰接着剤を
流れ込ませる凹部25を形成するための開口126及び
擬似液室26を形成するための開口128とをパターニ
ングする。なお、擬似液室26を形成するための開口1
28は加圧液室6とほぼ同じ平面形状に形成した。
【0092】その後、同図(c)に示すように、シリコ
ン基板91の振動板接合面側のシリコン窒化膜122b
表面に、加圧液室6を形成するための開口と振動板2と
の接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部(肉抜き部)
27を形成するための開口とを有するレジストパターン
132を形成し、ドライエッチングを行ってシリコン窒
化膜122bに加圧液室6を形成するための開口133
と振動板2との接合時の余剰接着剤を流れ込ませる凹部
27を形成するための開口134とをパターニングす
る。
【0093】その後、同図(d)に示すように、レジス
トでシリコン窒化膜122aの開口125、126、1
28を埋め込み、ノズル連通路5を形成するための開口
135を有するレジストパターン136を形成した。こ
のときのレジストの膜厚は8μmとした。
【0094】そして、図16(a)に示すように、レジ
ストパターン136をマスクとしてICPドライエッチ
ャーを使用して、シリコン基板121にノズル連通路5
を形成するための掘り込み137を形成した。ここで
は、ICPエッチングはノズル板接合面側から行ってい
る。
【0095】次いで、同図(b)に示すように、レジス
トパターン136を除去して、水酸化カリウム水溶液に
よりシリコン基板121の異方性エッチングを行ってノ
ズル連通路5となる連通管145、加圧液室6となる凹
部146、凹部25、27、擬似液室26となる各凹部
を形成した。ここで、加圧液室部形成時のシリコンの異
方性エッチングは、水酸化カリウム水溶液として溶液濃
度30%のものを用いて、処理温度85℃で行った。
【0096】そして、同図(d)に示すように、シリコ
ン窒化膜122a、122bを除去し、その後図示しな
いが、耐インク接液膜(耐液性薄膜)10としてシリコ
ン酸化膜を1μmの厚さで形成して、インクジェット用
流路板1を得た。
【0097】ここでも、ノズル板接合面と振動板接合面
との接合面積がほぼ同じになるように、またノズル接合
面の形状は加圧液室の形状に似た形状の擬似液室形状に
なるようにパターニングを行い、更に各々の疑似流路を
連通させて外部に開口させるように連通路を形成したの
で、流路板1は接液保護膜(耐液性薄膜)形成時でも反
り量を1μm以下に抑えることができ、さらに加熱接合
時に疑似流路パターン中の気体が膨張することによる接
合不良も防ぐことができた。
【0098】そして、この製造工程においては、液室形
成部材をシリコンから形成し、ドライエッチングによる
深堀と異方性ウェットエッチングとを併用して、必要な
ノズル連通路や加圧液室などの流路を形成したので、精
度よく加圧液室を形成することが可能となり、吐出特性
にばらつきのないヘッドが得られた。
【0099】そして、シリコン窒化膜をマスクとして異
方性ウェットエッチングを行ったので、1回のウェット
エッチングを行って液室形成部材を形成することが可能
となり、ドライエッチングのみでノズル連通路を形成す
る場合に比べて、スループットが良く、低コスト化を図
れる。しかも、加圧液室の形成時のマスクをシリコン窒
化膜とすることで、マスク膜厚を薄くすることが可能と
なり、寸法制御性を向上することが可能となる
【0100】この場合、加圧液室と疑似液室のエッチン
グ深さH1、H2(図4参照)は二度の異方性エッチン
グで行っているため、ノズル接合面に形成された疑似液
室26の深さH2と振動板接合面に形成された加圧液室
6の深さH1はほぼ同じ深さとなっている。
【0101】さらに、疑似液室26の底部と加圧液室6
の底部との間のシリコン基板121の厚さは100μm
以上とし、更に加圧液室6の高さ(凹部146の深さ)
を85μm以上としている。このように、加圧液室底部
と疑似液室底部との間のシリコンの厚さを100μm以
上とすることにより、液滴噴射を単発で行う場合と複数
で行う場合とで液滴の速度を略等しくすることが可能で
あるため、液滴の着弾位置を精度良く制御することが可
能となる。また、加圧液室の高さを85μm以上とする
ことにより、普通紙に高画質で印刷するために高粘度イ
ンクを使用したときにおいても、高周波吐出時の液滴の
供給を十分に行うことが可能となる。
【0102】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドとして
のインクジェットヘッドとインクタンクと一体にしたタ
ンク一体型ヘッドについて図17を参照して説明する。
このインクカートリッジ(インクタンク一体型ヘッド)
200は、ノズル孔201等を有する上記実施形態のイ
ンクジェットヘッド202と、このインクジェットヘッ
ド202に対してインクを供給するインクタンク203
とを一体化したものである。
【0103】このようにインクタンク一体型のヘッドの
場合、ヘッドの信頼性はただちに全体の信頼性につなが
るので、上述したように接合不良が生じないインクジェ
ットヘッドを一体化することで、全体の歩留まりが向上
して低コスト化を図れ、また、信頼性が向上する。
【0104】次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドからな
るインクジェットヘッド(インクタンク一体型ヘッドを
含む)を搭載したインクジェット記録装置の一例につい
て図18及び図19を参照して説明する。なお、図18
は同記録装置の斜視説明図、図19は同記録装置の機構
部の側面説明図である。
【0105】このインクジェット記録装置は、記録装置
本体211の内部に主走査方向に移動可能なキャリッ
ジ、キャリッジに搭載した本発明に係るインクジェット
ヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給
するインクカートリッジ等で構成される印字機構部21
2等を収納し、装置本体211の下方部には前方側から
多数枚の用紙213を積載可能な給紙カセット(或いは
給紙トレイでもよい。)214を抜き差し自在に装着す
ることができ、また、用紙213を手差しで給紙するた
めの手差しトレイ215を開倒することができ、給紙カ
セット214或いは手差しトレイ215から給送される
用紙213を取り込み、印字機構部212によって所要
の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ2
16に排紙する。
【0106】印字機構部212は、図示しない左右の側
板に横架したガイド部材である主ガイドロッド221と
従ガイドロッド222とでキャリッジ223を主走査方
向(図19で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、この
キャリッジ223にはイエロー(Y)、シアン(C)、
マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を
吐出する本発明に係る液滴吐出ヘッドであるインクジェ
ットヘッドからなるヘッド224を複数のインク吐出口
を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方
向を下方に向けて装着している。またキャリッジ223
にはヘッド224に各色のインクを供給するための各イ
ンクカートリッジ225を交換可能に装着している。な
お、上述したインクタンク一体型ヘッドを搭載するよう
にすることもできる。
【0107】インクカートリッジ225は上方に大気と
連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへイン
クを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多
孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジ
ェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持
している。
【0108】また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘ
ッド224を用いているが、各色のインク滴を吐出する
ノズルを有する1個のヘッドでもよい。
【0109】ここで、キャリッジ223は後方側(用紙
搬送方向下流側)を主ガイドロッド221に摺動自在に
嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッ
ド222に摺動自在に載置している。そして、このキャ
リッジ223を主走査方向に移動走査するため、主走査
モータ227で回転駆動される駆動プーリ228と従動
プーリ229との間にタイミングベルト230を張装
し、このタイミングベルト230をキャリッジ223に
固定しており、主走査モーター227の正逆回転により
キャリッジ223が往復駆動される。
【0110】一方、給紙カセット214にセットした用
紙213をヘッド224の下方側に搬送するために、給
紙カセット214から用紙213を分離給装する給紙ロ
ーラ231及びフリクションパッド232と、用紙21
3を案内するガイド部材233と、給紙された用紙21
3を反転させて搬送する搬送ローラ234と、この搬送
ローラ234の周面に押し付けられる搬送コロ235及
び搬送ローラ234からの用紙213の送り出し角度を
規定する先端コロ236とを設けている。搬送ローラ2
34は副走査モータ237によってギヤ列を介して回転
駆動される。
【0111】そして、キャリッジ223の主走査方向の
移動範囲に対応して搬送ローラ234から送り出された
用紙213を記録ヘッド224の下方側で案内する用紙
ガイド部材である印写受け部材239を設けている。こ
の印写受け部材239の用紙搬送方向下流側には、用紙
213を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送
コロ241、拍車242を設け、さらに用紙213を排
紙トレイ216に送り出す排紙ローラ243及び拍車2
44と、排紙経路を形成するガイド部材245,246
とを配設している。
【0112】記録時には、キャリッジ223を移動させ
ながら画像信号に応じて記録ヘッド224を駆動するこ
とにより、停止している用紙213にインクを吐出して
1行分を記録し、用紙213を所定量搬送後次の行の記
録を行う。記録終了信号または、用紙213の後端が記
録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を
終了させ用紙213を排紙する。
【0113】また、キャリッジ223の移動方向右端側
の記録領域を外れた位置には、ヘッド224の吐出不良
を回復するための回復装置247を配置している。回復
装置247はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手
段を有している。キャリッジ223は印字待機中にはこ
の回復装置247側に移動されてキャッピング手段でヘ
ッド224をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に
保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。
また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出す
ることにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、
安定した吐出性能を維持する。
【0114】吐出不良が発生した場合等には、キャッピ
ング手段でヘッド224の吐出口(ノズル)を密封し、
チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに
気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等
はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復され
る。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された
廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のイ
ンク吸収体に吸収保持される。
【0115】このように、このインクジェット記録装置
においては本発明を実施したインクジェットヘッドを搭
載しているので、信頼性が高く、長期にわたり、安定し
たインク滴吐出特性が得られて、高画質記録を行うこと
ができる。
【0116】なお、上記実施形態においては、本発明に
係る液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用した
が、インク以外の液体の滴、例えば、パターニング用の
液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッド、遺伝子分析試
料を吐出する液滴吐出ヘッドなどにも適用することでき
る。また、上記各実施形態においては圧電素子を用いる
ヘッドで説明したが、前述したようなサーマル型、ある
いは静電型のヘッドにも同様に適用できる。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液滴
吐出ヘッドによれば、液室形成部材のノズル形成部材と
接合面に加圧液室の形状に似た擬似液室が形成され、且
つ加圧液室の高さが85μm以上であるので、液室形成
部材の反りが低減されて信頼性が向上するとともに、擬
似液室を形成しても高粘度液体の高周波吐出に対応する
ことができる。
【0118】また、本発明に係る液滴吐出ヘッドによれ
ば、液室形成部材のノズル形成部材と接合面に加圧液室
の形状に似た擬似液室が形成され、且つ加圧液室と擬似
液室との間の隔壁厚さが100μm以上であるので、液
室形成部材の反りが低減されて信頼性が向上するととも
に、擬似液室を形成しても滴速度のバラツキを低減でき
る。
【0119】本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法に
よれば、液室形成部材をシリコンで形成した本発明に係
る液滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、液室形
成部材はドライエッチングによる深堀又はドライエッチ
ングによる深堀と異方性ウェットエッチングとを併用し
て形成する構成としたので、低コストで信頼性の高いヘ
ッドを得ることができる。
【0120】本発明に係るインクジェット記録装置によ
れば、インクジェットヘッドが本発明に係る液滴吐出ヘ
ッドである構成としたので、信頼性が向上し、安定して
高品質画像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出ヘッドの実施形態に係るイン
クジェットヘッドの分解斜視説明図
【図2】同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図
【図3】同ヘッドの液室短手方向に沿う要部断面説明図
【図4】同ヘッドの液室形成部材の他の例を説明する断
面説明図
【図5】同液室形成部材のノズル板接合面側及び振動板
接合面側の平面説明図
【図6】比較例の液室形成部材のノズル板接合面側及び
振動板接合面側の平面説明図
【図7】液室形成部材の両面の凹部以外の表面積比と反
り量の関係の一例を説明する説明図
【図8】同液室形成部材の更に他の例のノズル板接合面
側及び振動板接合面側の平面説明図
【図9】加圧液室−擬似液室間距離とシングル/マルチ
の速度差との関係の一例を説明する説明図
【図10】加圧液室高さと高粘度液体の高周波吐出不良
率との関係の一例を説明する説明図
【図11】本発明に係る製造方法の第1実施形態の製造
工程を説明する説明図
【図12】図11に続く工程を説明する説明図
【図13】本発明に係る製造方法の第2実施形態の製造
工程を説明する説明図
【図14】図13に続く工程を説明する説明図
【図15】本発明に係る製造方法の第3実施形態の製造
工程を説明する説明図
【図16】図15に続く工程を説明する説明図
【図17】本発明に係る液滴吐出ヘッドをインクタンク
と一体化したタンク一体型ヘッドの説明に供する斜視説
明図
【図18】本発明に係る液滴吐出ヘッドを搭載したイン
クジェット記録装置の一例を示す斜視説明図
【図19】同記録装置の機構部の側面説明図
【符号の説明】
1…流路板、2…振動板、3…ノズル板、4…ノズル、
5…ノズル連通路、6…加圧液室、7…流体抵抗部、8
…共通液室、10…耐液性薄膜、12…圧電素子、13
…ベース基板、25、27…接着剤逃がし用肉抜き部、
26…擬似液室、214…記録ヘッド。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルを形成したノズル形成部材と、前
    記ノズルが連通する加圧液室を形成する液室形成部材を
    備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記液室形成部材の前
    記ノズル形成部材と接合面に前記加圧液室の形状に似た
    擬似液室が形成され、且つ前記加圧液室の高さが85μ
    m以上であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 ノズルを形成したノズル形成部材と、前
    記ノズルが連通する加圧液室を形成する液室形成部材を
    備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記液室形成部材の前
    記ノズル形成部材と接合面に前記加圧液室の形状に似た
    擬似液室が形成され、且つ前記加圧液室と擬似液室との
    間の隔壁厚さが100μm以上であることを特徴とする
    液滴吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド
    において、前記加圧液室と擬似液室の深さがほぼ同じで
    あることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド
    において、前記加圧液室の深さが前記擬似液室の深さよ
    りも浅いことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の液
    滴吐出ヘッドにおいて、前記加圧液室の壁面に酸化膜又
    は窒化チタン膜が形成されていることを特徴とする液滴
    吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の液
    滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、前記液室形
    成部材はシリコンのドライエッチングによる深堀又はド
    ライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチング
    とを併用して形成することを特徴とする液滴吐出ヘッド
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、4、5のいずれかに記載
    の液滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、前記液
    室形成部材はシリコンのドライエッチングによる深堀又
    はドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチ
    ングとを併用して形成し、前記異方性ウエットエッチン
    グはシリコン酸化膜/シリコン窒化膜の積層膜をマスク
    として行うことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、5のいずれかに記載
    の液滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、前記液
    室形成部材はシリコンのドライエッチングによる深堀又
    はドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチ
    ングとを併用して形成し、前記異方性ウエットエッチン
    グはシリコン酸化膜をマスクとして行うことを特徴とす
    る液滴吐出ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、5のいずれかに記載
    の液滴吐出ヘッドを製造する製造方法であって、前記液
    室形成部材はシリコンのドライエッチングによる深堀又
    はドライエッチングによる深堀と異方性ウェットエッチ
    ングとを併用して形成し、前記異方性ウエットエッチン
    グはシリコン窒化膜をマスクとして行うことを特徴とす
    る液滴吐出ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 インク滴を吐出するインクジェットヘ
    ッドとこのインクジェットヘッドにインクを供給するイ
    ンクタンクを一体化した液滴吐出ヘッドにおいて、前記
    インクジェットヘッドが請求項1ないし5のいずれかに
    記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液滴吐出
    ヘッド。
  11. 【請求項11】 インク滴を吐出させるインクジェット
    ヘッドを備えたインクジェット記録装置において、前記
    インクジェットヘッドが請求項1ないし5、10のいず
    れかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
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