JP4017978B2 - Pgd2アンタゴニストの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はPGD2アンタゴニストであるS−5751の効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベンゾチオフェンカルボキサミド誘導体であるS−5751()は、PGD2受容体アンタゴニストであり、アレルギー性鼻炎(鼻充血の緩和を含む)、喘息、アレルギー性結膜塩、蕁麻疹、虚血再灌流障害、炎症、およびアトピー性皮膚炎の治療に有効であると考えられる。該化合物はWO98/25919に記載されており、その合成法としては以下のような方法が記載されている。
【化6】
Figure 0004017978
【0003】
その出発化合物であるアミノアルケンエステルの合成方法としては、US4,904,819が引用されており、該アメリカ特許には以下の方法が記載されている。
【化7】
Figure 0004017978
【0004】
もう一つのS−5751の製造方法として、WO99/50261に記載された以下の方法が挙げられる。
【化8】
Figure 0004017978
【0005】
公知のS−5751の製造方法は、画一的なまたは汎用性のある方法ではなく、エステル基における無駄な酸化/還元反応を含み、特別な設備を必要とするので、大量合成には適切でなく、経済的にも問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の製造方法をスキームとして以下に示す。
【化9】
Figure 0004017978
(式中、Xは脱離基およびRはC1−5アルキルまたはベンジル基)
【0007】
本製造方法の出発原料である(1R)−(+)−ノピノン()は、市販品として入手することが可能である。第一工程は、(1R)−(+)−ノピノンを強塩基で処理することにより生じたエノレートのアルキル化によって、ノピノンと5−ヘプチノエート側鎖()を反応させ、ケトアルキンエステル(3a)を合成する工程である。本工程で用いる好ましい塩基試薬は、リチウムジイソプロピルアミドである。ヘプチノエート側鎖(2a)の脱離基は塩素、臭素、もしくはヨウ素等のハロゲンまたはトシレート、メシレート、もしくはトリフレート等のスルホネートであってもよく、エステル基は直鎖状もしくは分枝状のアルキル基またはベンジル基のエステルであってもよい。好ましいヘプチノエート側鎖は、エチル 7−ヨード−5−ヘプチノエートである。本反応は、テトラヒドロフランまたはメチル t−ブチルエーテルもしくはエチルエーテル等の他のエーテル類等の非プロトン性有機溶媒中で行われ、好ましくは、トリエチルアミン等のアミン塩基の存在下で行われる。反応温度は、約−50〜約−10℃、好ましくは約−50〜約−45℃である。反応は、一般的に約1〜2時間で終了する。反応液を室温まで温度を上昇させると系中の塩基によりエピマー化が起こる場合があるので、反応液にトリフルオロ酢酸等の酸を加えることにより、塩基をクエンチする。反応生成物は、主として望みのジアステレオマーを得ることができ、そのジアステレオマー過剰率(d.e.)は98%以上である。
【0008】
第二工程は、通常行われる方法により、ケトアルキンエステル(3a)を対応するオキシム(4a)に変換する工程である。ケトアルキンエステル(3a)を、酢酸ナトリウムの存在下、ヒドロキシルアミン塩酸塩で処理することにより行う。酢酸ナトリウムは塩基として働き、ヒドロキシアミンの塩酸塩を中和するために緩衝する。本反応は、アルコール、水、およびそれらの混合溶媒等のプロトン性溶媒中、加温下、好ましくは約50℃で行われ、約5時間以内に終了する。
【0009】
第三工程は、オキシム(4a)を、対応する一級アミンアルキンエステル(5a)に還元する工程である。オキシムを約10℃以下の反応温度で、塩化チタン(III)と反応させることにより、対応するイミン中間体を得る。上記の反応は約1時間で終了する。反応終了後、ボラン等の還元剤を加え、イミンからアミンへの変換が完了するまで、反応温度を約10℃以下に維持する。
【0010】
第四工程は、アミンアルキンエステル(5a)を対応するアミンアルケンエステル(6a)に還元する工程である。このように、適切な触媒の存在下、好ましくはリンドラー触媒の存在下、三重結合から二重結合への水素添加反応を、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒中、エチレンジアミン存在下で行う。本反応は、6時間以内に終了する。アミノアルケンエステルは塩酸で処理することにより、その塩酸塩を得ることができる。
【0011】
最終工程は、アミンアルケンエステル(6a)とベンゾチオフェンカルボン酸()を通常行われるアミド結合形成反応によりカップリングする工程である。本アシル化は、酸または酸クロリドもしくは酸無水化物等の酸のアシル化等価体を用いて行うことができる。好ましくは、該酸は、縮合剤であるジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチル−アミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)、およびヒドロキシベンゾトリアゾール等の1またはそれ以上と共に用いられる。該カップリング反応は、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEAまたはヒューニッヒベース)等の塩基の存在下、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中で行うことができる。該エステルは塩基触媒による加水分解反応により酸へと変換される。この反応は、加温下、例えば約40℃で行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
【0013】
参考例1 5−ヒドロキシ−3−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸の調製
第1工程 4−メトキシ−1−プロパルギルチオベンゼンの調製
【化10】
Figure 0004017978
4−メトキシベンゼンチオール(4.4 Kg)を、オーバーヘッド撹拌装置、窒素挿入口、および温度計測器を備えた100L円柱フラスコに加えた。トルエン(44 L)を加え、混合物を約10分間室温にて窒素で置換した。窒素雰囲気下、水酸化ナトリウム水溶液(2 N, 20.4 L)を、チオール/トルエン溶液に15〜20分間、室温で撹拌しながら滴下した。反応溶液を40℃に加熱し、15分間熟成させた。その後、反応温度を40℃に維持しながら、プロパルギル ベンゼンスルホネート(6.28 Kg)をゆっくり加えた。反応液を窒素雰囲気下、40℃で撹拌しながら反応が終了するまで約2〜3時間熟成させ、40℃まで冷却し、30分間安定化させた後、有機層と水層に分離した。有機層を水(8.8 L x 3)で、最終的な洗浄水のpHが7〜8になるまで洗浄した。洗浄された溶液は次の工程でそのまま使用した。
【0014】
第2工程 4−メトキシ−1−プロパルギルチオベンゼン スルホキシドの調製
【化11】
Figure 0004017978
第1工程で得られたプロパルギルスルフィドのトルエン溶液(50 L)に、25 Lの酢酸を加え、反応溶液を40℃で熟成した。過酸化水素(30%; 3.5 Kg)を1〜2時間かけて加え、反応が終了するまで熟成させた。反応溶液を20℃に冷却し、亜硫酸ナトリウム(10%; 7.05 Kg)を加え、過剰の過酸化水素をクエンチした。25%の食塩水(45L)を加えた。分液操作を行い、水層をトルエン(2 x 25 L)で抽出した。あわせた有機層を、カールフィッシャー滴定法によりKfが60ug/mL以下になるまで、減圧下(t < 30 C)共沸的に乾燥した。得られた溶液で収率を計算した(98%)。
【0015】
第3工程 5−メトキシ−3−ベンゾ[b]チオフェンメタノールの調製
【化12】
Figure 0004017978
第2工程で得られたプロパルギルスルホキシドのトルエン溶液(25 L)にテトラヒドロフラン(25 L, Kf 水分含量=180 ug/mL)を加え、反応液を5時間加熱還流(79℃)した。得られた溶液を20℃に冷却し、水(25 L)およびp−トルエンスルホン酸(50 gm)を加えた。反応溶液を、チオアセタールがアリルアルコールに変換されるまで、加熱還流下(70℃)、4〜5時間熟成させた。該溶液を2.5 Nの水酸化ナトリウム水溶液(2 L)で中和し、 2.5 Kgの食塩を加えた。有機層を水層と分離し、収率を計算した。
【0016】
第4工程 5−メトキシ−3−ベンゾ[b]チオフェンカルボキサルデヒドの調製
【化13】
Figure 0004017978
第3工程で得られたベンゾ[b]チオフェンアルコールのトルエン/THF溶液に、炭酸水素ナトリウム(3.0 Kg)および水(30 L)を加え、重炭酸塩が溶解するまで熟成させた。ヨウ素(6 Kg)を加え、室温で1時間熟成させた。TEMPO(2,2,6,6-トリメチル-1-ピペリジニルオキシ,フリーラジカル, 140 g)を加えた。反応液を、出発原料が消滅するまで、23℃にて2〜6時間熟成させた。
反応液を室温まで冷却し、10% Na2SO3(15 L)水溶液を加え過剰のヨウ素をクエンチした。分液操作を行い、有機層を水(15 L)で洗浄した。有機層を2.2 Kgの10%炭酸水溶液および2 Kgの水で洗浄した。
【0017】
第5工程 5−メトキシ−3−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸の調製
【化14】
Figure 0004017978
第4工程で得られたベンゾ[b]チオフェンアルデヒドのイソプロピルアセテート溶液(30L)に、20℃で、KH2PO4(2.1 Kg)を水(10.5 L)に溶かした溶液および0.5 Kgの30%過酸化水素を加えた。食塩(1.95 Kg)を20wt%の水溶液として、さらなる過酸化水素(1.27 Kg)と共に数時間かけて加えた。加える作業の終了後、反応液を約6時間20℃にて熟成させた。10% Na2SO3(15 Kg)を過剰の過酸化水素をクエンチする為に加える間、反応液を20〜25℃で維持した。10% Na2CO3(17 Kg)を加え、分液操作を行った。さらに、水層へ生成物を抽出するために、有機層を10% Na2CO3(5 Kg)で洗浄した。水層をあわせ、イソプロピルアセテート(5 Kg)で洗浄した。酸を結晶化させるため、水層を濃塩酸を用いてpH5〜6の酸性とした。得られたスラリーを濾取し、ケーキを水で洗浄し、フィルターポットにて部分的に乾燥させた。得られた水分を含む固体(約10%水分含)をTHF(15 L)に溶解し、1umのインラインフィルターを介してバッチコンセントレーター中にろ過した。5℃に冷却する前に、この溶液を共沸的に乾燥したトルエン(Kf=200um)を用いて溶媒交換し、生成物を濾取した。
【0018】
第6工程 5−ヒドロキシ−3−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸の調製
【化15】
Figure 0004017978
第5工程で得られたメトキシベンゾ[b]チオフェンカルボン酸をトルエン(35 L)中でスラリーにし、50℃に加熱した。別の容器でトルエン(9L)に三臭化ホウ素(4.3Kg)を加え、生じたこの溶液を、1時間かけて5−メトキシ−3−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸のスラリーに加えた。この反応液を8時間熟成させた。反応液を室温まで冷却し、15%水酸化ナトリウム水溶液(16Kg)をゆっくり加えた。三層の混合物に2KgのSolka Flok (ろ過助剤)を加え、ホウ酸を除くためにろ過した。分液操作を行った。水層に27LのTHFと4.5Kgの食塩を加え、濃塩酸(2.7L)でpHが1〜3の酸性とした。分液操作を行い、下層を再度15LのTHFで抽出した。あわせたTHF層を撹拌できる最少の分量に濃縮し、溶媒をトルエン(Kf < 1000 ug/mL)に交換した。得られたスラリーを2〜5℃に冷却し、1時間熟成し、ろ過し、冷トルエン(10L)で洗浄した。得られたケーキを減圧下、窒素雰囲気下にてフィルターポットで乾燥した。
【0019】
参考例2 エチル 7−ヨード−5−ヘプチノエートの調製
第1工程 6−クロロ−1−(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−2−ヘキシンの調製
【化16】
Figure 0004017978
テトラヒドロ−2−(2−プロピニルオキシ)−2H−ピラン(5.67 Kg, 40 moles)を乾燥THF(28 L)に溶解し、その溶液を約−30℃に冷却した。反応温度を−15〜−5℃に維持しながら、n−ブチルリチウム(2.4M ヘキサン溶液, 16.8 L, 40.0 moles)を50分かけて加えた。その後、1−ブロモ−3−クロロプロパン(CBP, 4.0 L, 40 mol)を一度に加え、さらに同様に1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU 4.0 L, 33 moles)を一度に加えた。このロットを約20℃に昇温した。この反応は発熱反応であり、反応液は+40〜+45℃の温度に維持されるよう冷却し、2時間熟成させた後、室温まで冷却し、酢酸エチル(20 L)と10%塩化アンモニウム(20 L)の混合溶液に注いだ。分液操作を行い、有機層を水で洗浄した(2 x 20 L)。有機層を濃縮し(バッチコンセントレーターで)、得られたオレンジ色の油状物質を次の工程でそのまま使用した。
【0020】
第2工程 6−シアノ−1−(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−2−ヘキシンの調製
【化17】
Figure 0004017978
過剰のブロモクロロプロパン(約6 moles)を含む第1工程で得られた粗生成物(6.57 Kg 相当, 30.3 moles)をDMSO(28 L)に溶解した。シアン化ナトリウム(2.2 Kg, 45 moles)を一度に加えた。反応液を約10時間+55℃で加熱し、室温まで冷却後、トルエン(28 L)と1.5wt %の水酸化ナトリウム水溶液(28 L)を加えた。分液操作を行い、トルエン層に3%炭酸水素ナトリウム水溶液(2 x 22.5 L)を加えた。有機層を濃縮し(バッチコンセントレーターで)、得られた茶色の油状物質を次の工程でそのまま使用した。
【0021】
第3工程 7−(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−5−ヘプチノイックアシッドの調製
【化18】
Figure 0004017978
第2工程で得られたTHP保護されたシアノ化合物の粗生成物(6.02 Kg相当, 29 moles)をエタノール(18 L)および5Nの水酸化ナトリウム水溶液(18 L, 90 moles)に溶解した。反応液を7時間加熱還流(約80℃)し、室温まで冷却後、メチルt−ブチルエーテル(36 L)と水(15 L)で希釈した。分液操作を行い、有機層を水(8.5 L)で抽出した。あわせた水層(pH〜13)とメチルt−ブチルエーテル(36 L)を5℃で激しく撹拌した。6N(約16 L)を、温度を+25℃以下に維持しながら、pHが約5.5になるまで、15分間かけて加えた。分液操作を行い、有機層を水(2 x 20 L)で洗浄した。水層をメチルt−ブチルエーテル(18 L)で逆抽出し、さらに8%の酸を回収した。有機層を濃縮し(バッチコンセントレーターで)、得られた茶色の油状物質を次の工程でそのまま使用した。
【0022】
第4工程 7−ヒドロキシ−5−ヘプチノエートの調製
【化19】
Figure 0004017978
第3工程で得られたTHP保護された酸化合物の粗生成物(6.19 Kg相当, 27.4 moles)を無水エタノール(38 L)に溶解し、硫酸(73mL, 0.025 moles)を加えた。反応液を2時間加熱還流(約80℃)し、約40℃まで冷却後、出発原料の容量の3分の1よりも少なくなるまで濃縮した。混合液に酢酸エチル(25 L)と水(25 L)を加えた。分液操作を行い、有機層を3%炭酸水素ナトリウム水溶液(2 x 18 L)で洗浄した。水層は酢酸エチル(12 L)で逆抽出した。あわせた有機層を濃縮し(バッチコンセントレーターで)、得られた茶色の油状物質を次の工程でそのまま使用した。
【0023】
第5工程 エチル 7−(メタンスルホニルオキシ)−5−ヘプチノエートの調製
【化20】
Figure 0004017978
第4工程で得られたヒドロキシエステル化合物の粗生成物(3.99 Kg, 23.5 moles)を、トリエチルアミン(3.62 L, 25.8 moles)を含む無水THF(28 L)に溶解し、混合物を約−15℃に冷却した。反応液の温度を−15℃から−5℃の間に維持し、メタンスルホニルクロリド(2.0 L, 25.8 moles)を45分かけて加えた。混合物を0℃で1時間熟成させた後、酢酸エチル(25 L)および10%塩化アンモニウム(25 L)の溶液中に注いだ。分液操作を行い、有機層を水で洗浄した後(2 x 20 L)、濃縮し(バッチコンセントレーターで)、得られた茶色−オレンジ色の油状物質を次の工程でそのまま使用した。
【0024】
第6工程 7−ヨード−5−ヘプチノエートの調製
【化21】
Figure 0004017978
第5工程で得られたメシレートエステル化合物の粗生成物(5.43 Kg, 21.9 moles)を、アセトン(26.5 L)および水(4.7 L)に溶解し、ヨウ化カリウム(4.17 L, 25.1 moles)を一度に加えた。反応液を+50℃に加熱し、1時間熟成させた後、室温に冷却し、トルエン(28 L)および5%炭酸水素ナトリウム水溶液(25 L)を加えた。分液操作を行い、有機層を水で洗浄した後(2 x 20 L)、濃縮し(バッチコンセントレーターで)、得られた茶色−オレンジ色の油状物質を引き続くノピノンとのカップリング反応でそのまま使用した。
【0025】
【実施例】
以下の実施例は本発明の製造方法を示すものであるが、本発明の範囲を限定して解釈させるものではない。
【0026】
実施例1 (5Z)−7−[(1R,2R,3S,5S)−2−(5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−3−イルカルボニル−アミノ)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]へプト−3−イル]ヘプト−5−エノイックアシッドの調製
【0027】
第1工程 (1R)−(+)−ノピオンおよび7−ヨード−5−ヘプチノエートのカップリング反応
【化22】
Figure 0004017978
50 Lの丸底フラスコに無水THF(12 L)およびジイソプロピルアミン(2.23 L, 15.9 moles)を加え、約−30℃に冷却した。反応温度を−15〜−10℃に維持しながら、n−ブチルリチウム(2.4Mヘキサン溶液, 6.34L, 15.2mol)を約45分かけて加えた。その後、約10分間かけて熟成し、反応温度を−15〜−10℃に維持しながら、(1R)−(+)−ノピノン()(2.0 Kg, 14.5 moles, ニート)を約45分かけて加えた。その後、約15〜30分間かけて熟成し、−50℃に冷却した。反応温度を−48〜−45℃に維持しながら、ヨードエステル()(4.25 Kg相当, 15.2 moles)を約1.5時間かけて加えた。加え終わった後、反応液を−48〜−45℃で熟成した。反応温度を−45℃以下に維持しながら、トリフルオロ酢酸(TFA, 1.68 L, 21.7 moles)を1時間かけて加えた。反応液を1時間かけて約−10℃に昇温し、酢酸エチル(20.0 L)および3%L−酒石酸(20.0 L)の溶液中に注いだ。分液操作を行い、有機層を水で洗浄した後(2 x 20 L)、濃縮し(バッチコンセントレーターで)、得られたオレンジ色の油状物質を次の工程でそのまま使用した。
【0028】
第2工程 オキシムの形成
【化23】
Figure 0004017978
50 Lの丸底フラスコに第1工程で得られた生成物()(3.874 Kg相当, 13.35 moles, d.e.=98%)、エタノール(13.0 L)、および水(6.4 L)を加えた。酢酸ナトリウム三水和物(3.631 Kg, 26.7 moles)を加えた後、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.855 Kg, 26.7 moles)を加えた。反応液を+50℃で5時間加温し(均一系)、室温に冷却した後、トルエン(20.0 L)および水(20.0 L)中に注いだ。分液操作を行い、有機層を水で洗浄した後(2 x 20.0 L)、濃縮し(バッチコンセントレーターで)、得られたオレンジ色の油状物質を次の工程でそのまま使用した。
【0029】
第3工程 オキシムのアミンへの変換
【化24】
Figure 0004017978
TiCl3の水溶液(20% in 3% HCl, 〜1.4M, 2.5 L, 3.5 L)に25℃で1.25Kgの酢酸ナトリウム三水和物を加え、混合物を酢酸ナトリウムが溶解するまで撹拌した。さらに飽和酢酸ナトリウムをpHが1.0になるように加えた。反応溶液を0℃にまで冷却し、第2工程で得られた生成物()(305 g, 1 mole)のエタノール溶液(2.5 L)を、反応液を0℃に維持しながら加えた。反応液を1時間熟成し、固体のボランt−ブチルアミンコンプレックス(174 g, 2 mole)を、内温が10℃を超えないように維持しながら、10分間かけて加えた。得られた溶液を、イミン中間体が消滅するまで30〜60分間熟成した。反応液を酢酸エチル(5 L)で抽出し、分液操作を行った。有機層を飽和塩化アンモニウム水(2.5 L)で洗浄し、1M炭酸ナトリウム水で水層のpHが8〜8.5になるまで中和し、水(2 x 2.5 L)で洗浄した。酢酸エチル層を濃縮し、溶媒を酢酸イソプロピルに交換し(1 L)、共沸的に乾燥した。塩酸のエーテル溶液(2.0 M, 0.6 L)を加え、エーテルおよび過剰の塩酸を除くために濃縮した。酢酸イソプロピルで全体が1.5 Lとなるように調節し、種晶を加え、n−ヘプタン(1.5 L)を1時間かけて加えた。スラリーを1時間熟成し、濾取した。得られたケーキを酢酸イソプロピル/n−ヘプタン(0.5 L)の1:1の混合溶液で洗浄した後、乾燥し、化合物()を塩酸塩として得た。
酢酸イソプロピル(5 L)および化合物()の塩酸塩(1 Kg)を含む抽出機に炭酸ナトリウム(1M, 3.5 L)を加えた。混合物を1時間撹拌し、分液操作を行った。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(1M, 1.7 L)、水(3.5 L)で洗浄した。有機層を濃縮し、粗生成物()を油状物質として得た。
【0030】
第4工程 アルキンからアルケンへの還元反応
【化25】
Figure 0004017978
アミノアルキンエステル()(1 Kg)を含むフラスコに、連続的にジメチルホルムアミド(DMF, 5.7 L)、エチレンジアミン(EDA, 0.914 L)、およびリンドラー触媒(40 g)を加えた。水素雰囲気下(40 psi)で6時間反応させた。触媒を除くためにろ過し、酢酸エチル(5.5 L)を加え、水(2 x 4.2 L)で洗浄した。有機層を濃縮し、油状物質(1.0 Kg)を得た。
アミノアルケンエステル()(1 Kg)のヘプタン(7.5 L)溶液を含むフラスコに、1.83 Mの塩酸ジエチルエーテル溶液(1.9 L)を0℃で加えた。加え終わると同時に水浴を除き、反応液を室温まで昇温させた。反応液を濃縮し、純ヘプタン(8 L)を加えた。混合液を60℃に加熱するか、固体が完全に溶解するまで加熱する。反応液を冷却し、4時間撹拌した。得られたスラリー濾取し、望みのアミノアルケンエステル()を塩酸塩として得た。
【0031】
第5工程 5−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェンカルボン酸とのカップリング反応
【化26】
Figure 0004017978
5Lの丸底フラスコにアミノアルケンエステル塩酸塩()(329.9 g, 1.0 mole)、THF(2.86 L)、5−ヒドロキシ−3−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸()(213.5 g, 1.1 moles)、1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(250 g, 1.3 moles)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT, 13.5 g, 0.1 mole)、およびヒューニッヒベース(Hunig's base, 366 mL, 2.1 moles)を加えた。反応液を室温で約10時間熟成し、水(715 mL)を加えた。水酸化リチウム1水和物(210 g, 5.0 moles)を一度に加え、反応液を+40℃で4時間加熱し、室温まで冷却し、酢酸エチル(2.0 L)を加えた。この二層系の反応液(pH〜12)を激しく撹拌し、温度を+25℃以下に維持しながら、6Nの塩酸水溶液(約0.9 L)を滴下することにより、pH2.0に調整した。分液操作を行い、有機層を水で洗浄した後(2 x 1.5 L)、約5 L/Kg相当(酢酸エチル2.2 L)まで濃縮した(バッチコンセントレーターで)。n−ヘプタン(1.0 L)を加え、化合物()の種晶(4.4 g, 1%)を加え、30分間熟成した。さらにn−ヘプタン(1.2 L)を1時間かけて加え、スラリーをさらに1時間熟成させた後に濾取した。ケーキを酢酸エチル:n−ヘプタン=1:1(0.5 L)の混合溶媒で洗浄し、標記の化合物()の粗生成物を白色固体として得た(397 g, 90%)。
粗生成物(442 g, 1 mol)をメタノール(2.2 L)に溶解し、溶液を1ミクロンフィルターを用いてろ過し、他の固体を取り除いた。水(0.44 L)と種晶(22 g, 5%)を加え、混合物を30分間熟成した。さらに水(1.76 L)を1時間かけた加えた。スラリーを1時間熟成し、濾取した。得られたケーキをメタノール:水=1:1(0.5 L)の混合液で洗浄し、減圧下乾燥し、精製した標記の化合物()(420 g)を得た。

Claims (4)

  1. 以下の工程:
    (1)(1R)−(+)−ノピオンを強塩基で処理し、対応するエノレートを得る工程;
    (2)生成したエノレートをX−CH2−C≡C−(CH23CO2R(式中、Xは脱離基およびRはC1−5アルキル)と反応させることにより、化合物(3a):
    Figure 0004017978
    を得る工程;
    (3)化合物(3a)をヒドロキシルアミンと反応させることにより、化合物(4a):
    Figure 0004017978
    を得る工程;
    (4)化合物(4a)を塩化チタン(III)およびボラン試薬で処理し、化合物(5a):
    Figure 0004017978
    を得る工程;
    (5)化合物(5a)を水素添加反応で用いる触媒の存在下、水素で処理することにより、化合物(6a):
    Figure 0004017978
    を得る工程;および
    (6)化合物(6a)を縮合剤またはそのアシル化等価体の存在下、5−ヒドロキシ−4−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸と反応させ、塩基触媒による加水分解を行い、化合物():
    Figure 0004017978
    を得る工程、からなる式()で示される化合物またはその塩の製造方法。
  2. X−CH2−C≡C−(CH23CO2Rが7−ヨード−5−ヘプチノエートである請求項1記載の製造方法。
  3. (5)工程において、水素添加反応で用いる触媒がリンドラー触媒である請求項1記載の製造方法。
  4. (6)工程において、化合物(6a)を、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドおよびヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下、5−ヒドロキシ−4−ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸と反応させる請求項1記載の製造方法。
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