JP4017680B2 - 表面から液体を除去する方法及び装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、回転している基板から液体を除去する方法に関するものである。この液体は、例えば湿式エッチング液あるいは洗浄液など、どのような湿式処理液であってもよい。それはまた、すすぎ液であってもよい。本発明は、集積回路又は液晶ディスプレイの製造プロセスで頻繁に用いられる多くの湿式処理工程に適用可能なものである。
背景技術
基板の表面からの液体の完全かつ効果的な除去は、例えば集積回路の製造プロセスなどにおいて、複数回繰り返される工程で実施される。このような工程は、湿式エッチング工程、湿式洗浄工程、湿式すすぎ工程、あるいは上記基板が液体中に浸漬され、さらされ又は処理される上記製造プロセスで用いられるその他のあらゆる工程の後で、実施されることができる。上記基板は、半導体ウエハもしくはその一部、ガラス薄片、又は絶縁性もしくは導電性の材料からなるその他のどのような薄片であってもよい。
集積回路の製造は、いくつかの基板ごとのバッチ処理ではなく、各基板ごとの個別処理の方向に進展している。現状のIC製造技術においては、例えば注入工程、堆積工程などといった大半の処理工程が、すでに単一基板モードで実施されている。他方、例えば洗浄工程及びこれに続く液体除去工程などの湿式処理工程は、適当な代替案がないので、典型的にはバッチモードで実施されている。したがって、バッチモードで実施される湿式処理工程と、単一基板モードで実施されるその他の湿式工程との間に、各個の基板について、待ち時間に差異が生じる。このような差異は、プロセス制御の観点からは望ましくない。さらに、バッチ処理と単一基板処理とが混在するこの処理は、これまた望ましくないサイクル時間の増加を招く。したがって、競争力のある単一基板の湿式処理工程の開発が、一般の関心の的となっている。とくに、単一ウエハの湿式処理に関する主たる課題の1つは、基板の両サイドから液体を除去する方法である。このような方法が実現されるためには、主として2つの要求がある。第一は、該方法が、十分に高速で機能することである。現状の製造ライン技術から知ったところでは、基板は典型的には2ないし3分ごとに処理されるが、装置での重複を避けるために、理想的には、処理工程及び液体除去工程は、およそこのような時間枠内で終了される必要がある。もう1つの要求は、好ましい基板の向きに関するものである。現状の処理装置及び搬送具の技術では、基板は水平位置で取り扱うようになっている。したがって、付加的な基板の取り扱いを避けるために、水平配置された基板を用いて、湿式処理工程を実施するのが望ましいであろう。
米国特許第5556479号には、液体中での処理の後、基板を乾燥させるようにした方法が開示されている。このような処理の後、ウエハは、すすぎ水の中に浸漬される。この水は、すすぎ水の中に浸漬されている上記基板を、水の界面を加熱しつつ、上記すすぎ水からゆっくり引き出すことにより、乾燥させられる。しかしながら、この既知の方法は、基板が直立姿勢ですすぎ水から引き出されること、すなわち米国特許第5556479号の図3からわかるように、上記基板の表面がすすぎ水の水浴の表面に対しておおむね垂直であることを要求する。この取り扱いは、装置及び搬送具が、水平配置された基板を取り扱うようになっている場合は、その他の大部分の処理工程と両立しない。
米国特許5271774号には、水平配置された基板を取り扱うことができる回転乾燥技術が開示されている。実際には、いくつかの小さい孤立液滴が形成され、回転運動によって基板から除去されるようになっている。このような回転乾燥技術は、基板の表面、とくに親水性領域と疎水性領域とが混在する表面に、しばしば乾燥痕跡となる望ましくない残渣を残留させるといったことが知られている。
発明の開示
本発明の1つの態様においては、以下の工程を含む、少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面から液体を除去する方法が開示される。
上記基板を回転運動させる工程。
上記基板の上記表面の少なくとも一部分に液体を供給する工程。
そして、上記液体を供給しつつ、上記表面の上記部分の上記液体を局所的に加熱し、これにより上記液体の表面張力を局所的に低下させる工程。
とくに、上記基板の上記表面の上記部分に、上記液体を供給するとともに上記液体を局所的に加熱することにより、液体とその雰囲気との間に、少なくとも局所的に、鮮明(シャープ)に画成された境界部、すなわち、いわゆる液体−雰囲気(環境)境界部が生成される。上記に代えて、基板が、液体−雰囲気境界部で局所的に加熱されてもよい。熱は、液体−雰囲気境界部近傍の基板の表面の液体に伝達され、これによりこの液体−雰囲気境界部で液体の表面張力を低下させる。
本発明の1つの実施態様においては、上記回転運動は、上記基板の上方で上記液体−雰囲気境界部を案内する(導く)ような速度で実行される。とくに、この速度は毎秒2ないし40回転であってもよく、また毎秒1ないし50回転であってもよく、あるいは毎秒40回転を超えるものであってもよい。この境界部は湾曲した境界部であるのが好ましい。該形態によれば、液体が、湾曲した境界部の外側、すなわち液体−雰囲気境界部の液体側に保持される。液体−雰囲気境界部の雰囲気側には液体は何ら存在しない。本発明の1つの態様においては、基板は、それ自身の軸のまわりに回転することができる。これに代えて、上記基板はまた、上記基板がそれ自身の中心まわりには回転せず、該基板の中心を通りかつ基板に垂直な軸に対して平行かつオフセットした軸のまわりに回転運動するようになっていてもよい。
本発明のもう1つの実施態様においては、上記基板の上記表面に新たな液体が連続的にスプレーされる。液体−雰囲気境界部の液体側では全表面が、例えば親水性表面のように、液体の連続的な薄層で覆われることができる。回転運動の速度は、ウエハの少なくとも1つの表面部にスプレーされた上記液体の流れが、遠心力により外側に移動させられるように、選定される。さらに、上記液体を局所的に加熱することにより生じる、上記液体の表面張力の低下は、上記液体の基板の縁部に向かう移動を促進する。後に残された表面は、清浄化(洗浄)され乾燥される。この乾燥動作は、少なくとも回転運動とマランゴニ効果の組み合わせにより得られるものと推定される。マランゴニ効果によれば、液体を局所的に加熱することにより、液体のメニスカス内に温度勾配が生成される。この温度勾配は、液体の薄層上に、液体薄層の方向に作用するさらなる力を生成し、その結果良好な乾燥性能をもたらす。
液体は、例えば湿式エッチング工程、洗浄工程あるいはすすぎ工程などといった、適用される湿式処理工程に応じて選定される。乾燥プロセスを開始するために、上記基板の表面の少なくとも一部分に液体がスプレーされるほか、加熱源によって液体が局所的に加熱され、液体の表面張力が低下させられる。とくに、加熱源は、加熱されたガス、加熱されたベーパー、又は加熱されたベーパーとガスの混合物を分配する、移動可能もしくは不可能なノズル、又は固定のインレット部であってもよい。また、その他の加熱源としては、十分に局所化が可能となっているレーザービーム又はその他のエネルギビームが用いられることができる。ベーパーは、1つの元素、1つの化合物、又は元素の混合物が、与えられた温度及び圧力の条件下で液相又は固相として存在すべき場合において、該元素、該化合物又は該混合物に生じる気相として定義される。かくして、ベーパーは、ある雰囲気下で、上記元素の液相又は固相と共存することができる。ベーパーは、1つの元素、1つの化合物又は元素の混合物に生じる特定の気相である。
本発明のもう1つの実施態様においては、もう1つの力が、本発明の液体除去プロセスと組み合わせられることができる。とくに、除去プロセス時に加えられる液体を攪拌するための上記のその他の力として音波エネルギを用いることにより、上記液体除去プロセスの清浄化性能が高められることができる。そうすることにより、パーティクルの低減を促進することができる。あるいは、回転している洗浄パッドに表面を接触させることもまた、このようなその他の力の例である。
本発明のもう1つの実施態様においては、最終的には、液体除去工程に先立って、エッチング液、洗浄液もしくはすすぎ液、又は一連のこのような液体が、回転している基板の全表面に供給されることができる。パラメータは、液体の薄層が表面を完全に覆うことができるように、最適化される。回転運動は、液体を、表面上で縁部に向かって迅速に移動させ、かくして持ち運び時間を比較的短くすることを可能にし、またすすぎ時間を比較的短くすることも可能にする。このように連続的に切り替えられる液体の流れを用いることは、表面上での気液境界部の望ましくない通路を除去する。本発明にかかる液体除去方法は、液体の表面張力を低下させるための、液体による少なくとも1つの湿式処理工程の各シーケンスに対して適用可能なものである。また、応用可能であれば、乾燥は、処理液に直接施すことができる。提案された乾燥技術は、非常に高速であることが見出されているので、表面上での処理の不均一性は非常に低く保つことができる。
本発明の1つの態様においては、以下のものを含む、少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面から液体を除去する装置が開示される。
回転運動することができるようになっている基板ホルダ。ここで、上記基板は、該基板ホルダによって解放可能に保持されている。
上記基板の上記表面の少なくとも一部分に液体を供給するための、少なくとも1つの液体供給システム。
上記液体を局所的に加熱するための、少なくとも1つの加熱源。上記加熱源及び上記液体供給システムは、加熱が起こる位置が、上記液体が供給される位置よりも、上記基板ホルダの上記回転運動の中心に近くなるように、配置されているのが好ましい。
本発明の1つの実施態様においては、上記装置がさらに、その中に上記基板ホルダが配置されるチャンバを含んでいる。このチャンバは、ある表面から除去された液体のしぶきが上記表面に戻るのを防止するような仕様となっている。例えば、傾斜した壁を有するチャンバが用いられることができる。
本発明のもう1つの実施態様においては、上記装置がさらに、機械的振動の発生器と、上記振動エネルギを上記表面に供給されている液体を経由して基板の表面に伝達する伝達器とを含んでいる。
本発明のもう1つの実施態様においては、加熱源は、加熱されたガス、加熱されたベーパー、又は加熱されたベーパーとガスの混合物を、上記基板の上記表面に配分する少なくとも1つのノズルである。そして、上記液体供給システムは、上記基板の上記表面に上記液体を供給するための少なくとも1つのノズルを含むことができる。上記ノズルは、加熱が実行される位置が、液体が供給される位置よりも、基板ホルダの回転運動の中心に近くなるように、配置される。とくに、第1及び第2の隣り合うノズルの間に配置された、少なくとも局所的に、鮮明にに画成された液体−雰囲気境界部を生成することができる。ここで、上記第1のノズルは上記加熱源の一部であり、上記第2のノズルは上記液体供給システムの一部である。さらに、本発明にかかる装置によれば、上記ノズルはアーム上に取りつけることができ、上記ノズルは上記アーム上で移動可能であり、及び/又は上記アームは上記基板に対して相対的に移動可能である。加熱源はまた、ガスノズルではなく、レーザービーム又はその他のエネルギビームであってもよい。
加熱されたガス、加熱されたベーパー、又は加熱されたベーパーとガスの混合物の場合においては、熱は局所的に液体に分配される。この加熱されたガス、この加熱されたベーパー、又はこの加熱された混合物の温度は、典型的には、セ氏20度から200度までの範囲である。しかしながら、この加熱されたガス、この加熱されたベーパー、又はこの加熱された混合物の温度は、常に、液体の温度より高い。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の1つの実施の形態にかかる、回転する基板の表面の上面側から液体を除去するのに用いられるツールの模式図(縦断面)を示している。
図2a)は、本発明の1つの実施の形態かかる、回転する基板から液体を除去するのに用いられるツールの上面模式図を示し、他方図2b)は、その断面図(2b−2b)を示している。
図3a)は、本発明の1つの実施の形態にかかる、回転する基板から液体を除去するのに用いられるツールの回転中心(31)と、液体の衝突点とを結ぶ仮想線に垂直であり、かつ液体の衝突点(30)を通る基板の表面に垂直である断面(図2b)のC−D)における上面図を示している。ノズルから出る液体の速度をあらわすベクトルは、この断面(C−D)内に存在し、あるいは(C−D)に対してある小さい角度(33)をなす基板表面に垂直な平面(3b−3b)内に存在し、この場合は液体の速度ベクトルは、やや外向きとされることができる。図3b)は、平面(C−D)に対してある小さい角度(33)をなす液体の衝突点(30)を通る基板表面に垂直な平面である3b−3b平面を示している。ノズルから出る液体の速度をあらわすベクトルは、この平面(3b−3b)内に存在することができる。すなわち、液体の速度ベクトルは、やや外向きとされることができる。
図4a)は、本発明の1つの実施の形態にかかる、回転する基板から液体を除去するのに用いられるツールの上面模式図を示し、他方図4b)は、その断面図(4b−4b)を示している。
図5は、本発明の1つの実施の形態にかかるツールの作動状態における立面断面図を示している。
図6は、本発明の1つの実施の形態にかかる装置の一部をなすチャンバの断面図を示しており、その中で基板は、その表面から液体を除去するために解放可能に保持されることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明が詳細に説明される。いくつかの実施の形態が開示される。しかしながら、当業者ならその他のいくつかの等価な実施の形態あるいは本発明を実施するその他の手法を想到することが可能なことは明らかであり、本発明の趣旨及び範囲は、添付の請求項の記載によってのみ限定されるものである。
本発明の1つの態様においては、以下の工程を含む、少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面から液体を除去する方法が開示される。
上記基板を回転運動させる工程。
上記基板の上記表面に液体を供給する工程。
上記液体を供給しつつ上記基板を局所的に加熱し、これにより上記液体の表面張力を局所的に低下させて、少なくとも局所的に、鮮明に画成された液体−雰囲気境界部を形成する工程。とくに、基板を局所的に加熱してこの後熱を液体−雰囲気境界部付近の液体に移動させることにより、この液体−雰囲気境界部付近の液体の表面張力が低下させられる。あるいは、基板を加熱する代わりに、液体がその位置で直接加熱されてもよい。上記境界部は、少なくともこの後の回転時に再び濡れることがないような表面部分内に存在しなければならず、上記境界部は連続したものでなければならない。すなわち、上記部分は回転時における上記境界部の横方向の移動によって設定されるものでなければならない。本発明にかかる方法によれば、上記回転運動は、上記基板の上方において上記液体−雰囲気境界部を案内することができる速度で実行される。その形態は、液体が液体−雰囲気境界部の液体側に保たれるといったものである。上記基板は、半導体ウエハもしくはその一部、ガラス薄片、あるいは絶縁性又は導電性の材料からなるその他のどのような薄片であってもよい。
本発明にかかるこの方法によれば、少なくとも1つの基板について、少なくとも1つの表面に、好ましくは反対向きの両表面に同時に、すなわち上面側と下面側とに、新しい液体が連続的に分配される。液体−雰囲気境界部の液体側で全表面が、液体の薄層で覆われることができる。回転運動の速度は、ウエハの上記表面に分配された上記液体の流れが、遠心力により外向きに移動させられるように選定される。回転の速度、液体の供給量、並びに液体が表面に到達するところでの方向及び速度は、鮮明で安定した液体−雰囲気境界部を伴った液体の薄層を得るとともに、液体の薄層の厚さを十分に小さく保って、とくに下面側で重力により液体が過剰にロスされるのを避けるように、最適化されることができる。さらに、液体−雰囲気境界部で液体を局所的に加熱することにより、上記液体の表面張力を低下させてこれにより基板の縁部に向かう上記液体の移動を促進するといった効果が得られる。後に残った表面は、清浄化され乾燥させられる。この乾燥作用は、少なくともマランゴニ効果と第2の力との組み合わせにより得られるものと推定される。好ましくは、この第2の力は、回転運動によって、あるいは例えば振動運動によって導入される力である。マランゴニ効果によれば、液体を局所的に加熱することにより、液体のメニスカス内に温度勾配が形成される。この温度勾配は、液体の薄層上に、液体薄層の方向に作用するさらなる力を生成し、その結果良好な乾燥性能が得られる。とくに、回転運動の中心は基板の中心と一致していてもよく、この場合基板はそれ自身の中心のまわりに回転する。この場合、もし液体が、典型的に毎秒2ないし20回転の速度でもって回転している基板の表面に分配されれば、本発明はこれに限定されるわけではないが、湾曲した形状の液体−雰囲気境界部が生成される。この湾曲した境界部の外側の全表面領域は、液体薄層で覆われることができる。とくに、親水性の基板を用いるときは、この湾曲した境界部の外側の全表面領域が連続的な液体薄層で覆われる。しかしながら、とくに液体に対する接触角が大きく、かつ液体が小流量で供給される場合は、その他の多くの複雑な形状の境界部もまた生成されることができる。このような複雑な形状の境界もまた、液体の除去を促進するであろう。
液体は、適用される湿式処理工程に応じて選定される。エッチング工程では、例えばHFなどを含む希薄な水溶液が用いられることができる。洗浄工程では、例えば、NH4OHとH22とH2Oの混合物、HClとH22とH2Oの混合物、希釈されたHCl、又はO3を含む混合物が用いられることができる。すすぎ工程では、すすぎ液は、H2O、又はH2Oと酸の混合物を含むことができ、ここで混合物はpHが2ないし6であるのが好ましい。上記の酸は、HNO3とH2CO3とHCO3とHClとHBrとH3PO4とH2SO4とからなるグループのうちの1つであるのが好ましい。除去プロセスを開始するために、液体は、上記基板の少なくとも1つの表面の少なくとも一部分に分配され、そして上記液体は加熱源によって局所的に加熱される。本発明にかかる除去プロセスは、液体が、加えられた熱と調和する場合にのみ適用されることができる。とくに、加熱源は、加熱されたガス、加熱されたベーパー、又は加熱されたベーパーとガスの混合物を分配する、移動可能もしくは不可能なノズル、又は固定式のインレット部であってもよい。しかしながら、十分に局所化されることが可能となっているレーザービーム又はその他のエネルギビームなどといった、その他の加熱源もまた用いられることができる。
本発明においては、いくつかの可能な実施手法が存在するが、該実施手法は、好ましく、最初に回転運動の中心又はこれに非常に近接したところで局所的に加熱が実行される一方、中心からややずれているが該加熱が実行される位置とは隣り合うところに液体が供給されるようになっていなければならない。液体はまた、上記中心からさらに離れたところに供給されてもよい。そうすることにより、上記基板の上記表面に、最初は上記中心に位置する液体−雰囲気境界部が形成されることができる。この後、液体供給システム及び加熱源の移動及び回転運動により、この境界部は、中心から縁部へ外向きにゆっくり案内され、これにより上記基板の上記表面から、液体又は該液体の溶液が除去される。鮮明に画成された液体−雰囲気境界部は、少なくとも局所的には、最適な性能を得るのに役立つ。本発明にかかる方法は、水平配置された基板を取り扱うのに完全に適したものであり、集積回路の製造におけるその他の処理工程の大半での基板の取り扱いと調和する確実かつ信頼性の高い手法を得ることができるといった効果を奏するものである。さらに、本発明によれば、液体−雰囲気境界部の液体が連続的に更新されるので、良好な乾燥性能に加えてさらにより良好な清浄化性能もまた同時に得られる。より良好な清浄化性能は、液体、すなわち例えば洗浄液、すすぎ液又はエッチング液などといった湿式処理液の細かい特質にはかかわりなく、該液体が加えられる加熱と調和する限り、得ることができる。さらに、液体の必要量は、従来の湿式プロセスの浴又はタンクに比べて、実質的に少なくなる。
本発明にかかる方法によれば、最初は液体が回転運動の中心又はこれに非常に近接したところで基板の表面に供給されることができる一方、ガス状の物質は何ら供給されない。この後、液体の供給部が移動して上記中心からややずれたところに液体が供給され、そして液体を供給しつつ、該液体は上記中心で局所的に加熱される。
さらに、本発明にかかる方法によれば、液体は回転運動の中心又はこれと非常に近接したところで基板の表面の上に供給されることができる一方、加熱源が実質的に同時にオンされ、これにより回転運動の中心に隣り合う液体が局所的に加熱される。この加熱源は、上記液体の供給部に隣り合って配置されることができる。この後、液体の供給部は、上記中心からややずれたところに移動させられる一方、加熱源は、上記中心で液体に熱を供給できるよう移動させられる。少なくとも局所的に、ひとたび液体−雰囲気境界部が確立されれば、液体供給部及び加熱源の両方とも、液体−雰囲気境界部が外向きに案内されるよう移動させられる。雰囲気はガスであるが、好ましくは空気、そしてさらに好ましくは乾燥空気である。
本発明のもう1つの実施の形態においては、回転運動の中心は、基板の中心と一致する。すなわち、基板はそれ自身の中心のまわりに回転する。この後、加熱源は、回転運動の中心、すなわち基板の中心に移動させられ、そして加熱源が駆動され、上記中心で液体を局所的に加熱する一方、液体は中心からずれたところに供給される。付加的な液体もまた、上記中心からさらに離れたところに供給されることができる。そうすることにより、上記基板の上記表面の上に、最初は上記中心に位置する液体−雰囲気境界部が形成される。この後、液体供給システム及び加熱源の移動及び回転運動により、この液体−雰囲気境界部は、上記基板の上記表面の中心から縁部に向かって外向きにゆっくり案内され、これにより上記基板の上記表面から液体又は該液体の溶液が除去される。
本発明の1つの実施の形態にかかるテストにおいては、本発明にかかる方法が、直径150mmの親水性シリコンウエハからの液体の除去に応用されている。このウエハについて、上面側の1つの表面からの液体の除去が評価された。ウエハは、回転する真空チャックの上に取りつけられた。ウエハは、おおむね300rpmの速度で、その中心のまわりに回転していた。N2ガスが、熱電対を備えた簡単なヒーターを用いて加熱された。ハードウエア上の制約のため、到達可能なガスの最高温度は、おおむね50℃であった。該テストにおいては、この最高温度が選択された。N2の流量は、おおむね3slmに設定された。液体は、超純水であり、ノズルを介しておおむね70ml/minの流量で供給された。高温のN2の流れは、ウエハの中心から縁部までおおむね0.8mm/sの速度で移動する同一のギヤに取りつけられた第2ノズルを介して供給された。これらの最適化されていない条件を用いて、液体は、90秒以内でウエハ表面から除去されることができた。より強力な加熱を行えば、該結果より強力な液体除去力が得られ、全体の処理時間を劇的に短縮することが可能になるものと思われる。
本発明のもう1つの実施の形態においては、本発明にかかる液体除去プロセスの洗浄性能を高めるために、液体に、とくに液体−雰囲気境界部付近の液体に、さらなる力が作用させられることができる。とくに、上記液体は、メガソニックエネルギを用いることにより攪拌されることができる。このメガソニックエネルギは、発生器によって局所的に発生させられ、液体に伝達されることができる。とくに、上記発生器は、液体供給システム内に一体化されることができ、そしてメガソニックエネルギを液体に直接伝達することができる。この後、このメガソニックエネルギは、液体を経由して基板の表面に伝達される。ある形態においては、メガソニック液体のノズル又はジェットが用いられる。このメガソニック液体のノズルは、液体ノズル及び発生器からなる。このメガソニック液体ノズルによって表面に分配された液体は、上記発生器によって攪拌される。メガソニック液体ノズルと表面との間には連続的な流れが存在するので、メガソニックエネルギは、液体を経由して表面に伝達され、これにより液体の清浄化性能が高められる。このメガソニック液体ノズルは、加熱源といっしょにアームに取り付けられることができる。もう1つの形態においては、メガソニックアームが用いられることができる。このメガソニックアームは、メガソニック発生器及び液体供給システムからなる。特別な場合、上記メガソニック発生器は、トランスジューサ及びトランスミッタを含む。このトランスミッタは、シリンダ形であって、上記アームに沿って伸びるのが好ましい。上記メガソニックアームは、基板の表面の上方で伸び、好ましく上記表面に近接している。液体は、基板の上記表面に供給されることができる。この液体は、上記表面と上記アームとの間に閉じ込められる。そこで、再び、メガソニックエネルギは、トランスミッタにより、液体に伝達され、そしてこの後上記液体を経由して基板の表面に伝達されることができる。本発明にかかる液体除去処理時における毛細管効果を最大化するために、アームと基板表面との間の距離はおよそ0.5mm又はこれより小さくするのが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の1つの態様においては、以下のものを含む、少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面から液体を除去する装置が開示される。
回転運動することができるようになっている基板ホルダ(1)、(11)。ここで、上記基板(2)は、該基板ホルダによって解放可能に保持されている。
上記基板の上記表面の少なくとも一部分に液体を供給するための、少なくとも1つの液体供給システム(5)。
上記液体を局所的に加熱するための、少なくとも1つの加熱源(4)。好ましくは、上記加熱源及び上記液体供給システムは、液体が加熱される位置が、上記液体が供給される位置よりも、上記基板ホルダの上記回転運動の中心に近くなるように、配置される。
本発明の1つの実施態様においては、上記装置がさらに、その中に上記基板ホルダが配置されるチャンバを含んでいる。このチャンバは、ある表面から除去された液体のしぶきが上記表面に後戻りするのを防止するような仕様となっている。例えば、傾斜した壁を有するチャンバが用いられることができる。とくに、例えば図6のように、その上に解放可能に基板(63)を伴った基板ホルダは、上記チャンバ内に水平配置されることができる。このような場合、上記チャンバの上面側を下面側に接続している壁部である、上記チャンバの側壁(61)は、本発明にかかる方法にしたがって除去される液体(62)のしぶきが後戻りするのを防止するために、上記壁部と水平配置された基板ホルダとの間の角度(64)が90度より小さくなるように方向づけられているのが好ましい。基板を離れた液体は、これらの壁部の上に集められ、そして排出部まで下向きに案内されることができる。
本発明のもう1つの実施態様においては、図1に示されているように、回転している基板ホルダ(1)の上に、基板(2)が配置されている。上記基板は、少なくとも1つのチャンバを含むツールの1つのチャンバ内に配置されることができる。該チャンバ内の雰囲気は、乾燥した雰囲気であるのが好ましい。上記基板ホルダ及びその上の基板は、典型的には毎秒2ないし20回転又はこれより高回転のスピードで回転している。基板の中心と縁部との間で案内されることができる可動アーム(3)は、基板の上面側の上方で伸びている。初期には、このアームの一端は、回転運動の中心すなわち基板の中心の近傍に配置される。上記アームは、液体を局所的に加熱するための加熱源(4)と、液体を基板に供給するための手段(5)を備えた液体供給システムとを含んでいる。上記加熱源はさらに、初期には基板の中心又はその近傍に配置され、加熱されたガス、加熱されたベーパー、又は加熱されたガスとベーパーの混合物を上記基板の上に分配する、少なくとも1つのノズルを含んでいる。上記第2の供給システムはさらに、上記の加熱されたガスを分配する上記ノズルよりもさらに外側に配置され、上記液体を上記基板上にスプレーする、少なくとも1つのノズルを含む。あるいは、固定されたノズルを含む可動アームの代わりに、固定されたアームに装着された可動ノズルもまた用いられることができる。基板の各部が効果的に乾燥させられることを確実化するために、アームすなわちノズルが移動する移動速度vは、基板の回転速度(角速度)ωと調和させられることができる。Δrが、移動距離、すなわち1回転中に液環境境界が径方向に伸びる半径方向の距離であるとすれば、回転速度は次の式により選択されることができる。
Δr=2πv/ω
例えば、1回転あたりの移動距離Δrが1mmであり、移動速度vが毎秒1mmであるとすれば、回転速度は毎秒1回転となる。
テストにおいては、ノズルは、それらの中心線が5mm内外の半径方向の間隔でもって表面上に同心円を描くように、配置されている。そうすることにより、基板の上面に、初期には基板の上記中心に位置する、湾曲した液体−雰囲気境界部が形成される。この後、この境界部は、上記アーム(3)を基板の中心から縁部まで移動させることにより、外向きにゆっくり案内され、これにより上記基板の上面から、液体又は該液体の溶液が除去される。液体−雰囲気境界部は、加熱源と、液体をスプレーする最も近いノズルとの間に配置される。液のスプレーは、少なくとも局所的に、鮮明で安定な湾曲した境界部が得られるように実行されることができ、そしてとくに親水性の基板が用いられる場合は、境界の外側で基板の全表面が濡れ状態に保持される。これは、液体ノズル方向と、ノズルを出る液体の速度とを最適化することを必要とするであろう。液体のしぶきを規制するために、ノズルから出るときの液体の速度ベクトル(図3(13))と、液体の流れが衝突する地点(30)における回転している表面の速度ベクトル(図3(14))との間の角度(32)は、小さく保持されることができる。最終的には、液体ノズルはまた、やや外向きに、すなわち典型的には0度ないし5度の角度(33)で方向づけられることができる。小さい接触角でもって表面と接触している液体の除去については、液体供給用のノズルは1つ備えるだけで十分であることが見出されている。接触角が大きい場合は、乾燥している境界の外側に濡れた基板表面を保持するために、回転中心(31)から同一距離又はこれより大きい距離のところに、液体をスプレーする付加的なノズルが設けられることができる。さらに、液体の消費を抑制するために、付加的なノズルは、それらが基板の縁部の上方に移動するのに伴って、オフされてもよい。流量及び回転速度は、乾燥が基板の中心から縁部に向かって進行するのに伴って、漸次調整するのが有効であろう。
本発明のもう1つの実施の形態においては、図2に示されているように、基板(2)は、基板の直径より大きい内側直径を有するリング形の基板ホルダ(11)中でクランプされることができるようになっている。このクランプは、最小限度の接触表面を用いて実行される。基板ホルダ、あるいはそうではなく基板自体は、基板を含む上記基板ホルダに、あるいはそうではなく上記基板単体に回転力を伝達する少なくとも2つの回転手段(12)の間に配置されている。上記基板を含む上記基板ホルダ、あるいは上記基板単体は、少なくとも1つのチャンバを含むツールの1つのチャンバ内に配置されることができる。上記基板は、典型的には毎秒2ないし40回転の速度で回転している。基板の中心と縁部との間で、個別に又は同時に案内されることができる2つの可動アーム(3)は、基板の上面側の上方と下面側の下方とで伸びている。初期には、これらのアームの各々の一端は、基板の中心付近に配置される。これらのアームの各々は、液体供給システムと、互いに断熱された加熱源とを含んでいる。上記加熱源と上記液体供給システムとは、各サイドにおいて液体が加熱源によって加熱される位置が、上記液体が供給される位置よりも、上記基板ホルダの上記回転運動の中心に近接するような仕様でもって、配置される。そうすることにより、基板の上面側及び下面側の両方で、基板の上記中心に位置する液体−雰囲気境界部が形成されることができる。この後、この境界部は、上記アーム(3)を基板の中心から縁部まで移動させることにより、外向きにゆっくり案内され、これにより上記基板の上面から、液体又は該液体の溶液が除去される。液体のしぶきを規制するために、ノズルから出るときの液体の速度(図3(13))と、液体の流れが衝突する地点における回転している表面の速度(図3(14))との間の角度は、小さく保持されることができる。
この回転システムを構築するもう1つの手法が図4に示されている。この場合は、下面側に、その上に取りつけられたノズルバー(19)を備えた一連のアーム(18)が、下面側で中心軸(15)に取りつけられている。この軸のまわりで、中空シャフト(16)が回転している。この中空シャフトに、基板のクランプ手段(17)が固定されている。基板の上方で径方向に移動する一連のアームは、少なくとも第1アームと第2アームとを含み、コンパクトに、すなわち人間の腕のようにつくられることができる。上記第1アームは、上記軸に接続され、基板ホルダの回転中心を通りこれと直交する第1軸のまわりに回転する。上記第2アームは、第1アームに対して平行にしかしながらオフセットして配置され、第1アームと第2アームとはジョイント部で回転可能に接続されて、第1軸と平行な軸のまわりに回転するようになっている。上面側の一連のアームも同様にすることができるが、上面側では回転ギヤは必要とはされない。
本発明のもう1つの実施の形態においては(図5)、液体供給システム(3)は、回転している基板(2)の上方で案内されることができ、かつ基板の表面に非常に近接して配置されるカップ形のノズル(51)を含んでいる。とくに、このカップ形のノズルと基板表面との間の距離は、典型的にはおよそ0.5mmである。液体、例えば水は、カップを通って供給されることができる。
本発明のもう1つの実施の形態においては、上記装置はさらにメガソニックエネルギの発生器と、上記表面に供給される液体を経由して基板の表面に上記メガソニックエネルギを伝達するトランスミッタとを含んでいる。とくに、メガソニック液体ジェット又はメガソニックアームが用いられることができる。

Claims (17)

  1. 少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面から液体を除去する方法であって、
    上記基板を回転運動させる工程と、
    上記基板の上記表面の少なくとも一部分に液体を供給する工程と、
    上記液体を供給しつつ、上記表面の上記部分の上記液体を局所的に加熱する工程とを含んでいて、
    上記加熱を、上記液体の供給位置よりも、上記基板の上記回転運動の中心に近い位置で行うようになっている方法。
  2. 上記液体を供給することにより、そして上記基板の上記表面の上記部分上記液体を局所的に加熱することにより、少なくとも局所的に、鮮明に画成された液体−雰囲気境界部がつくられる、請求項1に記載の方法。
  3. 上記回転運動が、上記基板の上記表面の上方で、上記液体−雰囲気境界部を案内するような速度で実行される、請求項1に記載の方法。
  4. 上記回転運動が、上記基板がそれ自身の中心のまわりに回転するといった仕様で、単一の基板に惹起されるようになっている、請求項3に記載の方法。
  5. 回転速度が、毎秒2回転から40回転までの範囲にある、請求項4に記載の方法。
  6. 上記加熱が、加熱されたガス、加熱されたベーパー、又は加熱されたガスとベーパーとの混合物を分配することにより実施される、請求項1に記載の方法。
  7. 上記加熱が、エネルギビームの照射により実施される、請求項1に記載の方法。
  8. 上記液体が、エッチング液、洗浄液又はすすぎ液からなるグループのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
  9. 上記液体が、希薄な水溶液である、請求項1に記載の方法。
  10. 上記洗浄液が、NH4OHとH22とH2Oの混合物を含んでいるか、HClとH22とH2Oの混合物を含んでいるか、希釈されたHClを含んでいるか、あるいはO3を含有する混合物を含んでいるかのいずれかである、請求項8に記載の方法。
  11. 上記すすぎ液が、H2Oを含んでいるか、あるいはpHが2ないし6である、H2Oと酸の混合物を含んでいるかのいずれかである、請求項8に記載の方法。
  12. 少なくとも1つの基板の、第1表面及び第2表面から液体を除去する方法であって、
    上記基板を回転運動させる工程と、
    上記基板の、上記第1表面の少なくとも一部分と上記第2表面の少なくとも一部分とに、液体を供給する工程と、
    上記液体を供給しつつ、上記第1表面の上記部分及び上記第2表面の上記部分の上の上記液体を局所的に加熱し、これにより上記液体の表面張力を局所的に低下させる工程とを含んでいて、
    上記加熱を、上記液体の供給位置よりも、上記基板の上記回転運動の中心に近い位置で行うようになっている方法。
  13. 少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面から液体を除去する装置であって、
    回転運動することができ、かつ上記基板を解放可能に保持するようになっている基板ホルダと、
    上記基板の上記表面の少なくとも一部分に液体を供給するための、少なくとも1つの液体供給システムと、
    上記液体を局所的に加熱するための、少なくとも1つの加熱源とを含んでいて、上記加熱源及び上記液体供給システムは、上記加熱が上記液体の供給位置よりも上記基板ホルダの上記回転運動の中心に近い位置で行われるような仕様で配置されている装置。
  14. さらに、その内部に上記基板ホルダが配置されるチャンバを含んでいて、該チャンバが、上記液体のしぶきが上記基板の上記表面に後戻りするのを防止するような仕様とされている、請求項13に記載の装置。
  15. 上記加熱源が、加熱されたガス、加熱されたベーパー、又は加熱されたガスとベーパーとの混合物を、上記基板の上記表面上に分配するための、少なくとも1つのノズルを含み、
    上記液体供給システムが、上記基板の上記表面の上記部分に上記液体を供給するための、少なくとも1つのノズルを含み、
    上記ノズルが、上記加熱が上記液体の供給位置よりも基板ホルダの回転運動の中心に近い位置で行われるような仕様で配置されている、請求項13に記載の装置。
  16. 上記ノズルが、上記基板ホルダに対して相対的に移動可能なアームに取り付けられている、請求項15に記載の装置。
  17. 上記加熱源が放射エネルギ源である、請求項13に記載の装置。
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