JP4016476B2 - 車間距離制御型定速走行装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車間距離が目標値となるように車両の制駆動装置を制御する車間距離制御型定速走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
先行車までの車間距離を計測し、車間距離が目標値となるようにエンジンのスロットル開度やブレーキ装置を制御するようにした車間距離制御型定速走行装置が知られている(例えば、特開平7−32909号公報参照)。
この種の車間距離制御型定速走行装置では、車間距離制御中に先行車の減速や他車の割り込みがあると、車間距離が急に短くなって車両の減速制御が不十分となるため、運転者に警報を発して手動の減速操作を促している。
【0003】
この警報に対する運転者の反応としては、▲1▼すぐにブレーキを操作して減速する、▲2▼車間距離制御の解除操作を行った後、ブレーキを操作して減速する、という2つのパターンが考えられる。運転者の反応がどちらのパターンになるかは、運転者の嗜好や癖、あるいは車間距離制御型定速走行装置による運転経験などによって異なる。▲1▼の反応は、先行車への接近度合いから安全性を重視した結果であり、▲2▼の反応は、先行車への急速な接近が車間距離制御によると認識した結果である。どちらのパターンもごく自然な反応であり、いずれのパターンの反応に対しても先行車へ接近し過ぎないようにしなければならない。
【0004】
▲1▼の反応では直ちにブレーキ操作が行われるので、先行車へ接近が避けられる。しかし、▲2▼の反応では車間距離制御の解除操作後にブレーキ操作が行われるので、車間距離制御の解除によってブレーキ制御が停止され、さらに乗員によるブレーキ操作が遅れる分だけ先行車へ接近することがある。
【0005】
本発明の目的は、先行車の減速や他車の割り込みによって車間距離が急に減少した場合でも、先行車へ接近し過ぎないように制御することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、先行車までの車間距離を計測する車間距離計測手段と、車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段と、制駆動力制御手段により車間距離計測値が目標値となるように車間距離を制御する車間距離制御手段と、先行車への接近状況により車間距離計測値が短くなり過ぎる場合に警報する警報手段と、車間距離制御手段の車間距離制御を解除するためのキャンセルスイッチとを備え、車間距離制御手段は、警報手段から警報が出されている時にキャンセルスイッチにより車間距離制御の解除操作があっても車間距離制御を継続し、ブレーキ操作があると車間距離制御を終了する。
(2) 請求項2の発明は、車間距離制御手段によって、キャンセルスイッチによる車間距離制御解除操作後の制駆動力制御手段への制御指令値を、キャンセルスイッチによる車間距離制御解除操作前の値に保持するようにしたものである。
【0007】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、車間距離計測値が短くなり過ぎて警報が出されている時に車間距離制御の解除操作があっても車間距離制御を継続し、ブレーキ操作があると車間距離制御を終了するようにしたので、運転者によるブレーキ操作が実際に行われるまでの間も車間距離制御による減速制御が継続され、先行車へ接近し過ぎるのを防止できる。
(2) 請求項2の発明によれば、車間距離制御解除操作後の制駆動力制御手段への制御指令値を、車間距離制御解除操作前の値に保持するようにしたので、運転者によるブレーキ操作が行われるまでの間も、それまでの制御指令値による減速制御が継続され、先行車へ接近し過ぎるのを防止できる。また、車間距離制御解除操作後もそれまでの制駆動指令値が保持されるので、運転者の意図に反した挙動の急変を防止することができる。
(3) 請求項3の発明によれば、車間距離計測値が短くなり過ぎて警報が出されている時に車間距離制御の解除操作があっても車間距離制御を継続し、車間距離制御の解除操作から所定時間後に車間距離制御を終了するようにしたので、運転者によるブレーキ操作が実際に行われるまでの所定時間、減速制御が継続され、先行車へ接近し過ぎるのを防止できる上に、所定時間、ブレーキ操作がない場合は制御が終了され、運転者の操作通りとすることができる。
(4) 請求項4の発明によれば、警報の発令状況、車間距離制御の解除操作状況および車両の操作量に基づいて、警報発令条件および/または車間距離制御開始条件を変更するようにしたので、運転者ごとの好みや癖、あるいは運転経験に合わせた最適なタイミングで警報を出すことができ、先行車へ接近し過ぎるのを防止できる。
(5) 請求項5の発明によれば、車間距離計測値が短くなり過ぎて警報が出されている時に車間距離制御の解除操作があった場合は、車間距離制御を終了するとともに、所定値以上の減速度が検出された場合に限って、それまでの車間距離よりも長い車間距離で警報が発令されるように警報発令条件を変更するようにしたので、次に先行車の減速や他車の割り込みによって先行車への異常接近が発生しても、より早いタイミングで警報が発令され、警報に対する運転者の反応時間の遅れを補償するように修正でき、先行車への急接近を適切に防止するとともに、運転者の不安感を低減することができる。
(6) 請求項6の発明によれば、所定値以上の減速度が検出されず、且つ操舵角の検出値が所定値以上の場合は、車間距離制御を開始する車間距離を短くするように車間距離制御開始条件を変更するようにした。運転者は減速するよりもなるべく車線変更など操舵による回避を好む傾向があり、操舵回避が行われた場合には、現在の道路状況はそのような回避操舵が可能な状況にあると判断し、次に先行車への異常接近が発生した時には、減速制御の開始を遅らせて運転者による操舵回避を待つことが可能となる。
(7) 請求項7の発明によれば、所定値以上の減速度が検出されず、且つ操舵角の検出値が所定値以上の場合は、それまでの車間距離よりも長い車間距離で警報が出されるように警報発令条件を変更するようにした。運転者は減速するよりもなるべく車線変更など操舵による回避を好む傾向があり、操舵回避が行われた場合には、現在の道路状況はそのような回避操舵が可能な状況にあると判断し、次に先行車への異常接近が発生した時には、警報を出すのを遅らせて運転者による操舵回避を待つことが可能となる。
(8) 請求項8の発明によれば、車間距離計測値が短くなって警報が出される前に車間距離制御の解除操作が行われ、且つ、その後、所定時間以内に車間距離制御の開始操作が行われた場合には、それまでの車間距離よりも長い車間距離で警報が出されるように警報発令条件を変更するとともに、車間距離制御を開始する車間距離を短くするように車間距離制御開始条件を変更するようにした。これにより、次に先行車への異常接近が発生した時には、より早いタイミングで車間距離制御が開始されるとともに、警報の発令タイミングも早くなり、運転者の高い安全意識に沿った制御開始と警報タイミングとなるため、運転者に安心感を与えることができる。
(9) 請求項9の発明によれば、車間距離制御中にアクセルペダルの踏み込み量が検出された場合には、車間距離制御を中止し、アクセルペダルの踏み込み量に応じた駆動力に制御し、さらに警報発令条件を変更するようにしたので、運転者のアクセル操作によりオーバーライドが行われ、目標車間距離よりも短い車間距離で走行している状況においても、適切なタイミングで接近警報を出してブレーキ操作を促すことができる。
(10) 請求項10の発明によれば、車間距離制御中にアクセルペダルの踏み込み量が検出された場合には、車間距離制御を中止し、アクセルペダルの踏み込み量に応じた駆動力に制御し、さらに通常の警報発令距離よりも長い車間距離で予備警報を出すようにしたので、運転者のアクセル操作によりオーバーライドが行われ、目標車間距離よりも短い車間距離で走行している状況においても、適切なタイミングで接近警報を出してブレーキ操作を促すことができる上に、先行車に接近し続けて本来の警報が出された時に唐突な感じを与えることがなく、運転者にとってはいつも通りの距離で装置が作動していることを確認でき、装置に対する信頼感や安心感を与えることができる。
(11) 請求項11の発明によれば、車間距離制御中にアクセルペダルの踏み込み量が検出された場合には、車間距離制御を中止し、アクセルペダルの踏み込み量に応じた駆動力に制御し、さらに車間距離制御を開始する車間距離において予備警報を出すようにしたので、運転者のアクセル操作によりオーバーライドが行われ、目標車間距離よりも短い車間距離で走行している状況においても、適切なタイミングで接近警報を出してブレーキ操作を促すことができる上に、先行車に接近し続けて本来の警報が出された時に唐突な感じを与えることがなく、運転者にとってはいつも通りの距離で装置が作動していることを確認でき、装置に対する信頼感や安心感を与えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
−発明の第1の実施の形態−
図1は第1の実施の形態の構成を示す図である。
車間距離センサー11は例えば車両用レーザーレーダーなどの距離センサーであり、先行車までの車間距離を計測する。車速センサー12は自車の車速を計測する。ハンドル角センサー13、アクセルセンサー14、ブレーキセンサー15はそれぞれ、運転者の操舵角、アクセルペダルの踏み込み量、ブレーキペダルの踏み込みを検出する。また、操作スイッチ60は車間距離制御型定速走行装置の作動開始と解除、あるいは制御内容を変更するための操作部材である。この操作スイッチ60には主電源スイッチ、セット/コーストスイッチ、リジューム/アクセルスイッチ、キャンセルスイッチなどが含まれる。セット/コーストスイッチを押し続けると車速が下がり、解放するとその時の車速が設定される。リジューム/アクセルスイッチを押し続けると車速が上がり、解放するとその時の車速が設定される。また、キャンセルスイッチを押すと車間距離制御型定速走行制御が解除される。これらのセンサーおよびスイッチはコントロールユニット20へ接続され、コントロールユニット20へ車両情報や運転操作情報を送る。
【0009】
コントロールユニット20にはまた、警報・表示装置30、スロットル制御回路40、ブレーキ制御回路50が接続される。警報・表示装置30は、例えば先行車の減速や他車の割り込みによって車間距離が急に縮まり、車間距離制御能力を超えるような場合に、スピーカー31とディスプレイ32により運転者に制御状態と警報を与える。スロットル制御回路40は、コントロールユニット20からののスロットル制御指令値にしたがってエンジンのスロットルバルブ開度を調節する。ブレーキ制御回路50は、コントロールユニット20からのブレーキ制御指令値にしたがってブレーキ液圧を調節する。
【0010】
次に、第1の実施の形態の装置全体の動作を説明する。
運転者が操作スイッチ60の主電源スイッチを操作すると、コントロールユニット20が動作を開始して装置がスタンバイ状態となる。さらに、最低車速Vo以上で走行中に操作スイッチ60のセット/コーストスイッチを操作すると、装置が作動状態(オン状態)となる。装置がオン状態にある時は、操作スイッチ60からの操作情報や各センサー11〜15からの車両情報に応じて車速制御もしくは車間距離制御を行い、スロットル制御回路40とブレーキ制御回路50により車両の制駆動力を制御する。なお、車速制御中および車間距離制御中に所定のキャンセル条件が満たされると制御を解除する。車速制御中または車間距離制御中における制御状態はディスプレイ32に表示し、装置の車速制御能力または車間距離制御能力を超えるような場合にはスピーカー31により警報を発する。
【0011】
図2はコントロールユニット20の処理を示すフローチャートである。
操作スイッチ60の主電源スイッチが投入されると、コントロールユニット20はこの処理を実行する。まず、ステップ101において初期化処理を行う。ここでは、車速制御の目標値である設定車速Vsetを0に設定し、制御状態を示す変数MODEに”STAND BY”を設定する。なお、制御状態変数MODEには、車速制御または車間距離制御が行われている場合は”ON”が設定され、いずれの制御も行われていない場合は”STAND BY”が設定される。次に、ステップ102で車速センサー12から自車速Vを読み込み、続くステップ103で操作スイッチ60から操作情報を読み込む。ステップ104では制御状態変数MODEの設定内容を確認し、”STAND BY”が設定されている場合はステップ111へ進み、”ON”が設定されている場合はステップ121へ進む。
【0012】
制御状態変数MODEに”STAND BY”が設定されている場合は、ステップ111〜115で車速制御および車間距離制御を開始するかどうかの判断を行う。まずステップ111において、自車速Vが作動最低車速Voよりも大きいか否かを確認し、最低車速Vo以下の時は”STAND BY”状態のままステップ102へ戻る。最低車速Voより大きい時はステップ112へ進み、スイッチ60の操作情報を確認し、セットスイッチが操作されている時はステップ114へ進み、設定車速Vsetに現在の自車速Voを設定する。一方、操作スイッチ60のリジュームスイッチが操作されている時はステップ113へ進み、設定車速Vsetが0、つまり初期状態のままかどうかを確認する。設定車速Vsetが0の時は、”STAND BY”状態のままステップ102へ戻る。一方、Vsetが0でない時は前回設定した値が残されており、その値をそのまま使用する。設定車速Vsetの設定が終了したらステップ115へ進み、制御状態変数MODEを”ON”にしてステップ102へ戻る。
【0013】
ステップ104で制御状態変数MODEに”ON”が設定されている場合は、ステップ121〜142で制御を終了するかどうかの判断、制御内容の変更、車速制御と車間距離制御との切り換えを行う。ステップ121でハンドル角センサー13、アクセルセンサー14、ブレーキセンサー15から運転者の操作情報を読み込み、続くステップ122で車間距離センサー11から車間距離検出値Dを読み込む。ステップ123ではキャンセル条件を確認し、車速制御および車間距離制御を終了するかどうかを判断する。
【0014】
この第1の実施の形態のキャンセル条件は、▲1▼ブレーキセンサー15により運転者のブレーキペダル操作が検出された場合と、または、▲2▼操作スイッチ60のキャンセルスイッチによる運転者の車速制御および車間距離制御の終了操作がなされた場合である。
【0015】
ただし、▲2▼の場合には、先行車の減速や他車の割り込みによって車間距離が急に縮まり、装置の車速制御能力および車間距離制御能力では対応できないとして警報・表示装置30により警報が行われており、且つブレーキ制御回路50への制御指令値が0でない、つまりブレーキ制御中の時は、操作スイッチ60のキャンセルスイッチが操作されても車速制御および車間距離制御を終了しない。
【0016】
このように、通常は、キャンセル操作またはブレーキ操作により車速制御および車間距離制御を解除する。しかし、先行車へ接近し過ぎたために警報を発して車速制御および車間距離制御により減速している時は、ブレーキ操作では制御を解除するが、キャンセル操作では制御を解除しない。なお、警報のない緩やな接近にともなう減速制御中や、一定車速での走行中、あるいは加速中には通常通りキャンセル操作により車速制御および車間距離制御を解除する。
【0017】
キャンセル条件が満たされない場合はステップ124へ進み、操作スイッチ60の操作状態に応じて設定車速Vsetを変更する。アクセルスイッチが操作された場合は、ステップ125で設定車速Vsetを一定値、例えば1km/hだけ増やす。また、コーストスイッチが操作された場合は、ステップ126で設定車速Vsetを一定値、例えば1km/hだけ下げる。さらに、セットスイッチが操作された場合には、ステップ127で設定車速Vsetに現在の自車速Vを設定する。なお、上記以外のスイッチが操作された場合、あるいはスイッチ操作がない場合は設定車速Vsetの変更を行わない。
【0018】
次に、ステップ131で車間距離検出値Dに基づいて車速制御を行うか、あるいは車間距離制御を行うかを決定する。すなわち、車間距離検出値Dが車間距離制御開始距離Dstartより大きい(D>Dstart)時はステップ132へ進み、自車速が目標値になるように車速制御を行う。一方、車間距離検出値Dが車間距離制御開始距離Dstart以下(D≦Dstart)の時はステップ133へ進み、車間距離が目標値となるように車間距離制御を行う。車速制御と車間距離制御については後述する。
【0019】
ここで、車間距離制御開始距離Dstartは、車間距離検出値Dの時間変化より求められた自車と先行車との相対速度Vr(接近時に正)の関数であり、例えば図3に示すような関係にある。図3において、相対速度Vrが0の時の制御開始距離は車間距離制御における目標車間距離Dsetを示しており、この目標車間距離Dsetは先行車の車速Va(自車速Vから相対速度Vrを減じた値)の関数となる。例えば、先行車の車速Vaと比例関係にあるとし、次式により先行車車速Vaに一定値である目標車間時間Tsetを乗じて目標車間距離Dsetを求める。
【数1】
Dset=Va*Tset
なお、目標車間時間Tsetは例えば2秒程度に設定すればよい。また、車間距離制御開始距離Dstartと相対速度Vrとの関係は図3に示すように二次関数の関係とすればよく、次式により求めることができる。
【数2】
Figure 0004016476
数式2において、αは制御で発生する減速度目標値を表す一定値であり、ブレーキ制御回路50で発生可能な減速度の最大値よりも小さな値に設定する。
【0020】
一方、ステップ123でキャンセル条件を満たした場合には制御解除処理を行う。ステップ141でスロットルバルブとブレーキ液圧の制御指令値に0を設定し、続くステップ142で制御状態変数MODEに”STAND BY”を設定する。その後、ステップ102へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0021】
ここで、ステップ132で行われる車速制御の詳細を説明する。
車速制御は、先行車までの車間距離を制御する必要のない場合に、あらかじめ設定された設定車速Vsetを維持して走行するための制御であり、この機能は従来からの定速走行装置(オートクルーズ装置)の機能と同様である。自車速Vが設定車速Vsetとなるように、スロットル制御回路40へのスロットルバルブ制御指令値をフィードバック制御し、一定の車速を保つ。
【0022】
次に、ステップ133で行われる車間距離制御の詳細を説明する。
車間距離制御は、設定車速Vsetよりも遅く走行する先行車が存在する場合に、その先行車までの車間距離を目標車間距離Dsetになるように維持して走行する制御である。車間距離検出値Dが先行車の車速に応じて定まる目標車間距離Dsetとなるように、スロットル制御回路40へのスロットルバルブ制御指令値とブレーキ制御回路50へのブレーキ制御指令値をフィードバック制御し、一定の車間距離を保つ。ブレーキ制御回路50へブレーキ制御指令値が出力されるのは、先行車への接近度合いが大きく、エンジンブレーキでは十分に減速できない大きな減速度を必要とする場合である。車間距離Dと相対速度Vrとに基づいて必要な減速度を算出し、その値がブレーキ制御回路50で発生可能な最大減速度を超えている場合には、先行車への急接近のおそれがあるとして警報を発する。この警報は、ディスプレイ32への表示と、スピーカー31からの音声により運転者に伝達される。また、この警報は、その後に繰り返される同一の処理において警報が不要であると判断されるか、または車速制御および車間距離制御が解除されるまで継続される。
【0023】
このように、先行車への接近警報が出されている時に、車速制御および車間距離制御を解除するキャンセルスイッチが操作されてもこれらの制御を継続し、運転者のブレーキ操作によってのみ制御を解除するようにしたので、運転者によるブレーキ操作が実際に行われるまでの間も車間距離制御による減速制御が継続され、先行車へ接近し過ぎるのを防止できる。
【0024】
−発明の第2の実施の形態−
キャンセル条件と処理内容が異なる第2の実施の形態を説明する。なお、この第2の実施の形態の構成は図1に示す構成と同様であり、説明を省略する。
【0025】
図4は、第2の実施の形態のコントロールユニット20の処理を示すフローチャートである。なお、ステップ101〜122、ステップ124〜133の処理は図2に示す処理と同様であり、説明を省略する。
ステップ123において、キャンセル条件を確認し、車速制御および車間距離制御を終了するかどうかを判断する。ここで、キャンセル条件は、▲1▼ブレーキセンサー15により運転者のブレーキペダル操作が検出された場合と、または、▲2▼操作スイッチ60のキャンセルスイッチが操作された場合である。
【0026】
キャンセル条件が満たされた場合はステップ151以降の制御解除処理へ進む。まず、ステップ151で警報・表示装置30で警報が出されており、且つ操作スイッチ60のキャンセルスイッチ操作があるかどうかを確認する。警報中にキャンセルスイッチ操作があった場合はステップ152へ進み、スロットル制御回路40へのスロットル制御指令値と、ブレーキ制御回路50へのブレーキ制御指令値とをそれぞれ前回の値に保持する。通常、この状況ではブレーキ制御指令値は0でないため、この処理によってブレーキ液圧は一定の値に保持される。一方、警報中のキャンセルスイッチ操作でない場合はステップ153へ進み、スロットル制御指令値とブレーキ制御指令値をともに0にし、続くステップ154で制御状態変数MODEに”STAND BY”を設定する。
【0027】
このように、先行車への接近警報が出されている時に、車速制御および車間距離制御を解除するキャンセルスイッチ操作があった場合には、直前までのスロットル制御指令値およびブレーキ制御指令値を保持して車速制御および車間距離制御を継続し、運転者のブレーキ操作によってのみ制御を解除するようにしたので、運転者によるブレーキ操作が行われるまでの間も、それまでの制御指令値による減速制御が継続され、先行車へ接近し過ぎるのを防止できる。また、キャンセルスイッチ操作後もそれまでのスロットル制御指令値およびブレーキ制御指令値が保持されるので、運転者の意図に反した挙動の急変を防止することができる。
【0028】
−発明の第3の実施の形態−
第1の実施の形態と異なるキャンセル条件とした第3の実施の形態を説明する。なお、この第3の実施の形態の構成は図1に示す構成と同様であり、説明を省略する。
この第3の実施の形態では、上述した第1の実施の形態のキャンセル条件に対し次の条件▲3▼を追加する。すなわち、▲3▼警報・表示装置30による警報中にキャンセルスイッチ操作があり、警報が解除されずに所定時間が経過した場合には、車速制御および車間距離制御を終了する。
【0029】
通常、運転者によるブレーキ操作が必要な接近状態においては、警報が出されてからキャンセルスイッチ操作があった場合、その後直ちに運転者によるブレーキ操作があるものと考えられる。それにも関わらず、しばらく待っても運転者によるブレーキ操作がない場合は、警報自体が誤りであったか、あるいはすでに運転者による車線変更などの回避処置が行われた可能性がある。このような場合には、通常通り車速制御および車間距離制御を終了しても問題がないので、▲3▼の場合にも車速制御および車間距離制御を解除する。
【0030】
このように、先行車への接近警報が発せられ出されている時に、車速制御および車間距離制御を解除するキャンセルスイッチが操作されても制御を継続し、運転者のブレーキ操作によってのみ制御を終了する。しかし、キャンセル操作が行われてから所定時間が経過したら制御を解除する。これにより、運転者によるブレーキ操作が実際に行われるまでの所定時間、減速制御が継続され、先行車へ接近し過ぎるのを防止できる上に、所定時間、ブレーキ操作がない場合は制御が終了され、運転者の操作通りとすることができる。
【0031】
−発明の第4の実施の形態−
この第4の実施の形態では、先行車への接近警報が出されている時に、車速制御および車間距離制御を解除するキャンセルスイッチが操作されると、その後の運転者の操作を観察し、その観察結果に基づいて警報の発令条件を変更する。また、車速制御または車間距離制御中に、運転者のアクセルペダル踏み込み量が所定値以上となり、運転者によるオーバーライドが行われた場合には警報の発令条件を変更する。なお、この第4の実施の形態の構成は図1に示す構成と同様であり、説明を省略する。
【0032】
第4の実施の形態の装置全体の動作を説明する。
操作スイッチ60の主電源スイッチが投入されると、コントロールユニット20は作動を開始してスタンバイ状態となる。さらに、最低車速Vo以上で走行中に操作スイッチ60のセット/コーストスイッチを操作すると、装置が作動状態(オン状態)となる。装置がオン状態にある時は、操作スイッチ60からの操作情報とセンサー13〜15からの車両情報が車速制御および車間距離制御を解除するキャンセル条件を満たすまで、制御を継続する。車速制御および車間距離制御は、車間距離センサー11からの車間距離検出値や車速センサー12からの車速検出値に基づいて車速および車間距離を目標値とするためのスロットルバルブ制御指令値とブレーキ制御指令値を演算し、スロットル制御回路40およびブレーキ制御回路50へ出力する。スロットル制御回路40では、車速を増加させる指令値が入力されるとスロットルバルブ開度を大きくする。また、ブレーキ制御回路50では、車速を減少させる指令値が入力されるとブレーキ液圧を増加させる。
【0033】
図5は、第4の実施の形態のコントロールユニット20の処理を示すフローチャートである。
コントロールユニット20の主電源スイッチが投入されると、コントロールユニット20はこの処理を実行する。まず、ステップ201において初期化処理を行う。ここでは、車速制御の目標値である設定車速Vsetを0に設定し、制御状態を示す変数MODEに”STAND BY”を設定する。なお、制御状態変数MODEには、車速制御または車間距離制御が行われている場合は”ON”が設定され、いずれの制御も行われていない場合は”STAND BY”が設定される。次にステップ202で車速センサー12から自車速Vを読み込み、続くステップ203で操作スイッチ60から操作情報を読み込む。ステップ204では、制御状態変数MODEの設定内容を確認し、”STAND BY”が設定されている場合はステップ211へ進み、”ON”が設定されている場合はステップ221へ進む。
【0034】
制御状態変数MODEに”STAND BY”が設定されている場合は、ステップ211〜215で制御開始するかどうかの判断を行う。まず、ステップ211において、自車速Vが作動最低車速Voよりも大きいか否かを確認し、最低車速Vo以下の時はステップ251へ進み、警報条件を修正する。この警報条件の修正については後述する。一方、自車速Vが最低車速Voより大きい時はステップ212へ進み、操作スイッチ60からの操作情報を確認する。セットスイッチが操作されている時はステップ214へ進み、設定車速Vsetに現在の自車速Vを設定する。その後、ステップ215へ進み、制御状態変数MODEに”ON”を設定する。
【0035】
ステップ212でリジュームスイッチが操作されている時はステップ213へ進み、設定車速Vsetが0、つまり初期状態のままかどうかを確認する。設定車速Vsetが0の時はステップ251へ進み、後述する警報条件の修正を行う。一方、設定車速Vsetが0でない時はステップ215へ進み、制御状態変数MODEに”ON”を設定する。
【0036】
制御状態変数MODEに”ON”が設定されている場合は、ステップ221〜242で制御を終了するかどうかの判断、制御内容の変更、車速制御と車間距離制御との切り換えを行う。ステップ221でハンドル角センサー13、アクセルセンサー14、ブレーキセンサー15から運転者の操作情報を読み込み、続くステップ222で車間距離センサー11から車間距離検出値Dを読み込む。ステップ223ではキャンセル条件を確認し、車速制御および車間距離制御を終了するかどうかを判断する。
【0037】
第4の実施の形態のキャンセル条件は、▲1▼運転者のブレーキ操作がある場合、または、▲2▼キャンセルスイッチ操作がある場合である。このキャンセル条件は、上述した第1〜3の実施の形態の条件と異なり、運転者の制御終了意志を尊重し、ブレーキ操作およびキャンセル操作のいずれかが行われた場合には制御を停止する。その代わりに、ステップ251で警報の発令条件を修正する。
【0038】
どちらのキャンセル条件も満たされない場合はステップ224へ進み、操作スイッチ60の操作情報を確認し、操作内容に応じて設定車速Vsetの変更を行う。アクセルスイッチが操作された場合は、ステップ225で設定車速Vsetを一定値、たとえば1km/hだけ増やす。また、コーストスイッチが操作された場合は、ステップ226で設定車速Vsetを一定値、例えば1km/hだけ下げる。さらに、セットスイッチが操作された場合は、ステップ227で設定車速Vsetに現在の自車速Vを設定する。なお、上記以外のスイッチが操作された場合、あるいはスイッチ操作がない場合には設定車速Vsetの変更を行わない。
【0039】
次に、ステップ231で車間距離検出値Dに基づいて車速制御を行うか、あるいは車間距離制御を行うかを決定する。すなわち、車間距離検出値Dが後述する車間距離制御開始距離Dstartより大きい(D>Dstart)時はステップ232へ進み、自車速が目標値になるように車速制御を行う。一方、車間距離検出値Dが車間距離制御開始距離Dstart以下(D≦Dstart)の時はステップ233へ進み、車間距離が目標値となるように車間距離制御を行う。
【0040】
ステップ223でキャンセル条件を満たすと判断された場合には、ステップ241、242で車速制御および車間距離制御の終了処理を行う。ステップ241でスロットル制御指令値とブレーキ制御指令値をともに0にし、続くステップ242で制御状態変数MODEに”STAND BY”を設定する。
【0041】
ここで、ステップ232で行われる車速制御の詳細を説明する。
車速制御は、先行車までの車間距離を制御する必要のない場合に、予め設定された設定車速Vsetを維持して走行するための制御であり、この機能は従来からの定速走行装置(オートクルーズ装置)の機能と同様である。自車速Vが設定車速Vsetとなるように、スロットル制御回路40へのスロットルバルブ制御指令値をフィードバック制御し、一定の車速を保つ。また、車速制御により走行中に、運転者がアクセルペダルを定速走行で必要な量以上に踏み込んだ場合には、運転者によりオーバーライドが行われたと判断し、運転者のアクセルペダル踏み込み量に応じたスロットルバルブ開度で走行する。この場合には、フィードバック制御を行わず、設定車速以上の速度での走行が可能である。このオーバーライド機能は、例えば先行車を意識的に追い越す場合などに用いる。
【0042】
次に、ステップ233で行われる車間距離制御の詳細を説明する。
車間距離制御は、設定車速Vsetよりも遅く走行する先行車が存在する場合に、先行車までの車間距離を目標車間距離Dsetになるように維持して走行する制御である。車間距離検出値Dが先行車の車速に応じて定まる目標車間距離Dsetとなるように、スロットル制御回路40へのスロットルバルブ制御指令値とブレーキ制御回路50へのブレーキ制御指令値をフィードバック制御し、一定の車間距離を保つ。ブレーキ制御回路50へブレーキ制御指令値が出力されるのは、先行車への接近度合いが大きく、エンジンブレーキでは十分に減速できない大きな減速度を必要とする場合である。
【0043】
また、相対速度Vrと自車速Vとに基づいて警報距離Dwarnを算出し、車間距離検出値Dと比較する。車間距離検出値Dが警報距離Dwarnより小さい場合は、先行車へ急接近するおそれがあるとして警報・表示装置30により警報を行う。この警報は、次の警報判断処理において警報不要と判断されるまで、あるいは車速制御および車間距離制御が解除されるまで継続する。
【0044】
車速制御中に、運転者のアクセルペダル操作によりオーバーライドが行われたままで車間距離制御に入った場合や、車間距離制御に入った後にオーバーライドが行われた場合には、車間距離のフィードバック制御を行わず、運転者のアクセルペダル踏み込み量に応じたスロットルバルブ開度で走行する。また、この状況ではブレーキ制御を行わない。通常走行時には、車速制御から車間距離制御に入る際に減速度が発生し、その減速感覚が運転者にとっては警報的な意味合いを有し、先行車への接近の度合いを認識することができる。一方、オーバーライドが行われたままで車間距離制御に入った場合は、この減速度が発生しないので先行車への接近の度合いを認識しずらい。そのため、オーバーライドが行われている場合には、本来、車間距離制御が開始される距離(制御開始距離Dstart)まで接近した時点で本来の警報とは別に予備警報を出す。この予備警報は、本来の警報よりも遠い車間距離で出されるため、あくまでも運転者への情報伝達を目的にしたものであり、警報内容も本来の警報内容より緊迫感の少ない内容とする。
【0045】
次に、図6により、ステップ251で行われる警報条件の修正処理を説明する。
この警報条件の修正処理では、警報発令中にキャンセルスイッチ操作により制御解除された後の運転者の操作状況を観察し、操作状況に応じて車間距離制御開始距離Dstartおよび警報距離Dwarnを適宜修正する処理(ステップ301〜313)と、警報発令前に制御解除された後の運転者の操作状況を観察し、操作状況に応じて車間距離制御開始距離Dstartおよび警報距離Dwarnを適宜修正する処理(ステップ321〜325)を行う。
【0046】
ステップ301において、警報中にキャンセルスイッチ操作により制御が解除されてからの時間(以下、反応時間と呼ぶ)を計測中(警報修正処理実行中)かどうかを判断する。計測中の時はステップ305へ進む。反応時間の計測中でない時はステップ302へ進み、警報中に制御解除されたかどうかを確認する。警報中の制御解除の場合はステップ303へ進み、警報中の制御解除でない場合はステップ321へ進む。警報中の制御解除の場合は、ステップ303でその制御解除がキャンセルスイッチ操作によるものかどうかを確認する。キャンセルスイッチ操作による制御解除の場合はステップ304へ進み、そうでなければ図5のプログラムへリターンする。警報中にキャンセルスイッチにより制御が解除された場合には、ステップ304で反応時間の計測を開始する。
【0047】
反応時間を計測中あるいは計測開始した場合は、ステップ305でセンサー13〜15から操舵角、アクセルペダル踏み込み量およびブレーキペダルの操作状況を読み込む。続くステップ306で、発生している減速度が所定値以上であるかどうかを確認する。減速度は車速センサー12で計測された自車速Vの時間変化により求めることができる。ここで運転者による比較的大きなブレーキ操作が行われたかどうかを判断するので、減速度が所定値以上かどうかではなく、ブレーキペダルの踏み込み力を計測し、踏み込み力が所定値以上かどうかを確認するようにしてもよい。また、当然ながら、減速度を計測可能なセンサーを車両に設置している場合には、その検出値を用いればよい。
【0048】
減速度が所定値以上の場合はステップ307へ進み、反応時間の計測結果を運転者の反応時間と見なし、それが所定値以上かどうかを確認する。反応時間が所定値以上の場合は、運転者がキャンセルスイッチを操作して制御を解除してから所定時間が経過した後に、比較的大きな減速動作が行われたと判断し、ステップ311で警報距離Dwarnを延長する側に修正する。この場合の修正は、図7に示すように、警報距離Dwarnを所定値ΔDだけ延長する。この所定値ΔDを自車速Vに比例させると、走行車速に関わらず警報タイミングを適正化することができる。
【0049】
ステップ306で減速度が所定値未満と判断された場合、またはステップ307で反応時間が所定値未満と判断された場合は、ステップ308で操舵角の変化量が所定値以上かどうかを確認する。これは、運転者がキャンセルスイッチを操作して制御を解除してから、所定時間以内に操舵回避が行われたかどうかを確認するものである。また、この操舵角変化は、反応時間計測開始時の操舵角を記憶しておき、現在の操舵角からその記憶値を減じて求めればよい。
【0050】
所定の操舵角以上の操舵が行われた場合はステップ312へ進み、車間距離制御開始距離Dstartを短縮する側に修正する。この場合の修正は、図8に示すように、上記数式2で表される制御開始距離Dstartにおいて、αの値を通常値よりも大きな値に変更し、相対速度Vrの変化に対する制御開始距離Dstartの変化の度合いを緩やかにする。ここで、制御目標距離Dsetは、先行車への追従走行時に常に安全な車間距離を確保するため、変更しない。その後、ステップ311へ進み、ブレーキ操作が行われた場合と同様に警報距離Dwarnを延長する方向に修正する。ブレーキ操作および操舵回避のいずれの場合においても、警報距離の修正後はステップ313へ進み、今回の制御停止にともなう警報修正処理は終了したとして反応時間計測を終了する。
【0051】
ステップ308で操舵角変化が所定値よりも小さいと判断された場合は、ブレーキ操作も操舵回避も行われていないことを意味し、その場合はステップ309へ進んで所定時間が経過したかどうかを確認する。所定時間が経過した場合は、今回の反応時間計測(警報修正処理)においては修正すべき状況ではないとしてステップ313へ進み、反応時間の計測を終了する。一方、所定時間を経過していない場合は、今後の運転者の反応を観察するために図5のプログラムへリターンする。
【0052】
ステップ302で警報発令中のキャンセルでないと判断された場合は、ステップ321〜325の処理を行う。この処理は、運転者の安全意識が高く、警報が出される前に制御解除を行った場合に、その運転者の安全意識に合わせて警報距離および車間距離制御開始距離を延長する。まず、ステップ321で先行車に接近中にキャンセルスイッチ操作があったかどうかを確認する。接近中のキャンセル操作であった場合はステップ322へ進み、所定時間が経過しているかどうかを確認する。所定時間が経過していればステップ323へ進み、操作スイッチ60のセット/リジュームスイッチが操作されたかどうかを確認する。先行車へ接近中にキャンセル操作がなされ、所定時間が経過しており、さらにセット/リジュームスイッチが操作された場合は、ステップ324へ進み、そうでなければ処理を終了して図5のプログラムへリターンする。
【0053】
ステップ324では、警報距離Dwarnを延長側に修正する。この修正方法はステップ311の修正方法と同様である。続くステップ325では、車間距離制御開始距離Dstartを延長側に修正する。この修正方法は、ステップ312の修正方法とは逆にαの値を通常値より小さな値に変更し、相対速度Vrの変化に対する制御開始距離Dstartの変化の度合いを大きくする。
【0054】
このように、先行車への接近警報中に運転者のキャンセルスイッチ操作があった場合には、運転者の操作にしたがって車速制御および車間距離制御を解除する。その後、所定時間以内に運転者によるブレーキ操作あるいは回避操舵が行われた場合は、警報距離を延長する方向に修正するようにしたので、次に先行車の減速や他車の割り込みによって先行車への異常接近が発生しても、より早いタイミングで警報が発令され、警報に対する運転者の反応時間の遅れを補償するように修正でき、先行車への急接近を適切に防止するとともに、運転者の不安感を低減することができる。また、運転者は減速するよりもなるべく車線変更など操舵による回避を好む傾向があり、操舵回避が行われた場合には、現在の道路状況はそのような回避操舵が可能な状況にあると判断し、次に先行車への異常接近が発生した時には、減速制御の開始を遅らせて運転者による操舵回避を待つことが可能となる。さらに、目標車間距離は変更されないため、追従走行中の車間距離は従来通りであり、安全性は損なわれない。
【0055】
また、先行車への接近警報の発生前に、運転者によるキャンセルスイッチ操作があった場合には、その後、所定時間以内に運転者による車速制御および車間距離制御の再開スイッチ操作があったかどうかを観察し、所定時間以内に制御が再開される場合には、運転者の安全に対する意識が高いと判断し、警報距離と車間距離制御開始距離をそれぞれ延長する方向に修正する。その結果、次に先行車への異常接近が発生した時には、より早いタイミングで車間距離制御が開始されるとともに、警報の発令タイミングも早くなり、運転者の高い安全意識に沿った制御開始と警報タイミングとなるため、運転者に安心感を与えることができる。
【0056】
さらに、運転者のアクセル操作によりオーバーライドが行われた状況では、本来車間距離制御が始まる距離で予備警報が出されるので、先行車に接近し続けて本来の警報が出された時に唐突な感じを与えることがなく、運転者にとってはいつも通りの距離で装置が作動していることを確認でき、装置に対する信頼感や安心感を与えることができる。
【0057】
以上説明したように、上述した実施の形態によれば、警報に対する運転者の反応内容に応じて制御の解除条件を変更したり、警報発令条件あるいは車間距離制御開始条件を変更することによって、先行車への急接近にともなう運転者の不安感を低減することができる。
【0058】
以上の一実施の形態の構成において、車間距離センサー11が車間距離計測手段を、スロットル制御回路40およびブレーキ制御回路50が制駆動力制御手段を、コントロールユニット20が車間距離制御手段および条件変更手段を、警報・表示装置30が警報手段を、操作スイッチ60が操作手段を、ハンドル角センサー13、アクセルセンサー14およびブレーキセンサー15が車両操作検出手段を、車速センサー12およびコントロールユニット20が減速度検出手段を、アクセルセンサー14がアクセル検出手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 発明の第1の実施の形態の車速制御および車間距離制御を示すフローチャートである。
【図3】 相対速度Vrに対する車間距離制御開始距離Dstartを示す図である。
【図4】 発明の第2の実施の形態の車速制御および車間距離制御を示すフローチャートである。
【図5】 発明の第4の実施の形態の車速制御および車間距離制御を示すフローチャートである。
【図6】 警報条件修正サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 相対速度Vrに対する警報距離Dwarnを示す図である。
【図8】 相対速度Vrに対する車間距離制御開始距離Dstartを示す図である。
【符号の説明】
11 車間距離センサー
12 車速センサー
13 ハンドル角センサー
14 アクセルセンサー
15 ブレーキセンサー
20 コントロールユニット
30 警報・表示装置
31 スピーカー
32 ディスプレイ
40 スロットル制御回路
50 ブレーキ制御回路
60 操作スイッチ

Claims (2)

  1. 先行車までの車間距離を計測する車間距離計測手段と、
    車両の制駆動力を制御する制駆動力制御手段と、
    前記制駆動力制御手段により前記車間距離計測値が目標値となるように車間距離を制御する車間距離制御手段と、
    先行車への接近状況により前記車間距離計測値が短くなり過ぎる場合に警報する警報手段と、
    前記車間距離制御手段の車間距離制御を解除するためのキャンセルスイッチとを備え、
    前記車間距離制御手段は、前記警報手段から警報が出されている時に前記キャンセルスイッチにより車間距離制御の解除操作があっても車間距離制御を継続し、ブレーキ操作があると車間距離制御を終了することを特徴とする車間距離制御型定速走行装置。
  2. 請求項1に記載の車間距離制御型定速走行装置において、
    前記車間距離制御手段は、前記キャンセルスイッチによる車間距離制御解除操作後の前記制駆動力制御手段への制御指令値を、前記キャンセルスイッチによる車間距離制御解除操作前の値に保持することを特徴とする車間距離制御型定速走行装置。
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