JP4015366B2 - 局所照射x線ct撮影方法及び装置 - Google Patents

局所照射x線ct撮影方法及び装置 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
【従来の技術】
【0002】
被写体の全周囲からX線を照射して投影データを得た後、この投影データからRadonの原理によってX線を透過させた被写体の3次元的な吸収係数分布情報、つまりX線吸収係数の3次元分布情報を解析し、これを利用して、この被写体のパノラマX線画像を得る方法が従来からX線CTとして診断などに広く使用されている。
【0003】
従来のこのようなX線CT(computed tomography)では、被写体の全体にX線ファンビームといわれる旋回方向に幅が広く、厚さの薄いX線ビームを輪切り様に一回転ずつ照射することを繰り返して、被写体全体に照射することが前提となっている。
【0004】
そのため、被写体内部の一部分のみの断層面を診断する場合にも、被写体の全体に幅の広いX線ファンビームを照射して、被写体全体の吸収係数分布情報を得た後、その部位の吸収係数分布情報を取り出して解析する必要があり、相当量のX線を被爆する上、撮影や解析にも時間を要している。したがって、頻繁にX線CT撮影することは被爆線量が増えることから避けねばならず、年に1回程度の撮影診断が限度になっている。
【0005】
本出願人は、このようなX線被爆線量の問題を解決し、小さい断面積のX線コーンビームを被写体とする局所部位に所定角度で1回旋回照射するだけで、その局所部位の3次元的な吸収係数分布情報を算出することができる局所照射のX線CT撮影方法及び装置を提案している。
【0006】
図24(a)は、この局所照射のX線CT撮影装置によって得られた吸収係数分布情報の領域を概念的に示す平面図、(b)は、その吸収係数分布情報からパノラマX線画像を生成する方法を概念的に示す部分平面図、(c)は、この方法で生成されたパノラマX線画像の部分図である。
【0007】
図24(a)において、Sは歯列弓、SAは、歯列弓Sに沿った曲面断層領域であって、このX線CT撮影装置では、この被写体である曲面断層領域SAについてX線吸収係数の分布情報が得られ、この部分を斜線で示している。つまり、この曲面断層領域SAにおいては、その部位を選択すれば、その部位におけるX線吸収係数の3次元分布情報を得ることができる。SBは曲面断層領域SAの中心線として規定されたパノラマ断層面、Lcは、パノラマ断層面SBへの法線である。(b)において、H1、H2は、歯列弓Sの一部に内在する異物を概念的に示すものである。
【0008】
このX線CT撮影装置によれば、(b)に示すように、パノラマ断層面SBに対する法線Lc上のX線吸収係数の3次元分布情報を処理して、(c)に示すような、パノラマX線画像を生成することができる。また、この装置は、一部の歯牙だけの断層面画像も生成することができ、かつ、X線被爆線量も従来の1/20〜1/100程度に軽減することができた。
【0009】
しかしながら、このパノラマX線画像では、パノラマX線画像を生成する方法が(b)に示すようなものに限定されているため、この法線Lc方向に、異物H1、H2があった場合には、得られたパノラマX線画像(c)では、これらの異物H1、H2が重なってしまい、区別ができなくなることがあった。また、歯牙と歯牙の重なり具合なども、一方向だけからのパノラマX線画像では、見えないことがあった。
【0010】
また、本出願人は、特開昭60−103942号において、種々の歯列弓に対応することのできるパノラマX線撮影装置を提案している。この装置は、成人男性、成人女性、子供などで歯列弓の大きさが変わるのに合わせて、パノラマX線照射の旋回軌道を調整することができるものであるが、歯列弓の変化に伴って、その歯列弓への法線の方向も変化するものであり、上記の法線方向が固定されていることに起因する問題を解決できるものであった。
【0011】
しかしながら、この装置は、異なるパノラマX線画像を得るのに、そのパノラマX線照射の旋回軌道から変更させる必要があり、つまり、撮影前に、設定条件を調整しなければならないものであった。また、CT撮影ではなく、従来の局面断層撮影であるので、撮影中に旋回アームの回転中心を所定軌道に沿って移動させる必要があり、この移動機構が複雑なものとなっていた。
【0012】
また、本出願人は、特開平4−144549号において、曲面の断層面を斜めに横切る形状の断層面のパノラマX線画像を得ることのできるデジタルパノラマX線撮影装置を提案している。
【0013】
この装置は、得られた投影画像を構成するフレーム画像から、所定の時間間隔で像が移動する方向に合わせて所定距離ずつシフトさせながら、部分画像を取り出して加算する方法を用いて、斜め方向から見たパノラマX線画像を得ることのできるものであった。
【0014】
しかしながら、この装置は、デジタル処理をしているものの、得られた投影画像をそのまま再構成しているもので、逆投影して、X線吸収係数の3次元分布情報を算出するといったCTの手法を用いていないもので、異物H1、H2が重なっている場合、これらを区別することができなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、このような問題を解決しようとするもので、局所照射のX線CT撮影方法及び装置の種々の利点を生かしながら、一回の撮影で得られたデータを有効利用して、一つのパノラマ断層面に対して、任意の方向から眺めたパノラマX線画像を生成することができる局所照射X線CT撮影方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決しようとする手段】
【0016】
本発明の局所照射X線CT撮影においては、被写体である歯列弓を曲面断層領域として捕らえ、この曲面断層領域について局所照射によりX線投影画像データを得て、このX線投影画像データを逆投影して、この曲面断層領域のX線吸収係数の3次元的分布情報を算出し、その後に、このX線吸収係数の3次元的分布情報を種々の方法で再構成して、つまり、曲面断層領域にあるパノラマ断層面上の部位について、その部位での法線に対して任意の所定角度で交差する投影線上のX線吸収係数の3次元的分布情報を演算して、この演算結果を2次元平面に展開して、この曲面断層領域を任意の投影線の方向から見たパノラマX線画像を生成するようにしたことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項1に記載の局所照射X線CT撮影方法は、X線発生器と2次元X線イメージセンサとを対向配置させた旋回アームを備え、内部に演算処理手段を備えた局所照射X線CT撮影装置を制御して、被写体の歯列弓に沿った曲面断層領域のパノラマX線画像を生成する局所照射X線CT撮影方法であって、上記局所照射X線CT撮影装置が、上記旋回アームの回転中心と、上記曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位とを一致させた状態で、上記旋回アームを旋回させながら、上記X線発生器から上記所定部位のみを常に透過するX線コーンビームを局所照射し、上記2次元X線イメージセンサで上記曲面断層領域のX線投影画像データを取り出し、ついで、上記演算処理手段が、上記生成されたX線投影画像データを逆投影により演算処理して、上記曲面断層領域におけるX線吸収係数の3次元分布情報を算出し、ついで、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層領域のいずれの部位に対しても上記パノラマ断層面の法線に所定角度で交差する投影線上にあるX線吸収係数の3次元分布情報を演算し、この演算結果を2次元平面上に展開して、上記投影線の方向から見た上記局面断層領域のパノラマX線画像を生成し、表示手段に表示することを特徴とする。
この局所照射X線CT撮影方法は、パノラマX線画像を生成するために、旋回アームが、従来のように、包絡線La(図6)を生成する複雑な軌道を描く必要がなく、撮影中に旋回アームの回転中心を所定部位の中心に一致させたままで、撮影することができるものである。したがって、旋回アームの装置構成を簡単なものにすることができる。
【0018】
この撮影方法では、X線コーンビームが常に局所照射されるのは、パノラマX線画像を生成する対象となっている歯列弓に沿った曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位である。全顎のパノラマX線画像を撮影する場合は、所定部位は上記曲面断層領域の域外であって上記曲面断層領域の湾曲形状内側にあることが求められるが、右側又は左側のみの片側だけのパノラマX線画像を取る場合などは、上記所定領域は上記曲面断層領域の内側であっても良い。つまり、この方法では、撮影して画像を生成すべき部位である曲面断層領域と、常にX線コーンビームを局所照射する所定部位が基本的に異なるという点が特徴である。
【0019】
この場合、パノラマX線画像を生成すべき曲面断層領域に局所照射されるX線コーンビームで得られる投影データは少ないが、所定部位を関係のない障害物の少ない部分、つまり、曲面断層領域内あるいはこの曲面断層領域の湾曲形状内側に選び、また、さらにX線コーンビームで生成されるX線投影画像データの内、適宜必要なX線投影画像データだけを抽出することによって、実用上、十分に鮮明なパノラマX線画像を得ることができるものである。
【0020】
この所定部位の一例としては、曲面断層領域のオルソラジアルパノラマX線画像を得るために必要なオルソX線コーンビームの軌跡を含むような部位が好適であるが、曲面断層領域内及び曲面断層領域の湾曲形状内側のいずれの部位であってもよい。また、この所定部位は、オルソX線コーンビームによるオルソラジアルパノラマ撮影、標準パノラマ撮影などの撮影条件や被爆線量を考慮して決定されることもある。
【0021】
ここで、オルソX線コーンビームとは、曲面断層領域に略直交するパノラマX線画像、即ちオルソラジアルパノラマX線画像を生成するために使用するX線コーンビーム形状を言い、局所照射するX線コーンビームの内、この曲面断層領域にあるパノラマ断層面に略直交するものを抜き出したものをいう。このようなオルソX線コーンビームだけを抜き出すのは、オルソX線コーンビームによって投影される部分X線投影画像データが、曲面断層領域のパノラマX線画像を生成するのに最も好適な投影データ、つまり、歯と歯の重なりの少ない投影データを含んでいるからである。
【0022】
このような所定部位を選択した場合には、2次元X線イメージセンサ上に順次生成された曲面断層領域のX線投影画像データのなかから曲面断層領域に略直交するオルソX線コーンビームによって生成された部分X線投影画像データのみを抽出し、その抽出した部分X線投影画像データを演算処理して、歯列弓のX線吸収係数の3次元分布情報を得るようにすると、鮮明なオルソラジアルパノラマX線画像を得ることができる。
【0023】
さらに、この方法では、パノラマX線画像を生成する際のパノラマ断層面に対して所定角度だけ傾斜した投影線の方向から見た画像を重ね合わせたパノラマX線画像を得ることができるので、一方向から見ただけでは、隠れるような異物などを発見することができ、また、同じパノラマ断層面に対して、方向を変えてみることができるので、歯牙の重なり具合なども、より明確に把握することができる。従って、この方法によれば、特に隣接歯牙の隣接面にできたう蝕の診断に役立つ。
【0024】
パノラマX線画像の場合は、上述したように、そのパノラマX線画像の生成において、同じ断層面について異なる投影線の方向から見たパノラマ断層画像を提供できる本発明の方法は、極めて診断の役に立つ。
【0025】
請求項2に記載の局所照射X線CT撮影方法は、X線発生器と2次元X線イメージセンサとを対向配置させた旋回アームを備え、内部に演算処理手段を備えた局所照射X線CT撮影装置を制御して、被写体の歯列弓に沿った曲面断層領域のパノラマX線画像を生成する局所照射X線CT撮影方法であって、上記局所照射X線CT撮影装置が、上記旋回アームの回転中心と、上記曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位とを一致させた状態で、上記旋回アームを旋回させながら、上記X線発生器から上記所定部位のみを常に透過するX線コーンビームを局所照射し、上記2次元X線イメージセンサで上記曲面断層領域のX線投影画像データを取り出し、ついで、上記演算処理手段が、上記生成されたX線投影画像データを逆投影により演算処理して、上記曲面断層領域におけるX線吸収係数の3次元分布情報を算出し、ついで、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層領域のいずれの部位に対しても上記パノラマ断層面の法線を投影線とし、この投影線上にあるX線吸収係数の3次元分布情報を演算し、
この演算結果を2次元平面上に展開して、上記投影線の方向から見た上記局面断層領域のパノラマX線画像を生成し、表示手段に表示することを特徴とする。
この局所照射X線CT撮影方法は、請求項1の撮影方法における投影線とパノラマ断層面の法線とのなす所定角度を0度に限定したもの、つまり、投影線が該法線に一致する場合を規定したものである。
【0026】
従来のCTを用いないパノラマX線撮影装置では、X線透過画像として得たい部位の3次元のX線吸収係数の分布情報のみならず、画像として必要でない部位の情報も含まれたX線透過画像であるために画像のボケが生じる。又、歯列級に対して完全な法線方向からのX線入射をさせる事が出来なかった。そのために得られる画像も完全なオルソラジアルパノラマX線画像ではなかった。
【0027】
しかしながら、この撮影方法では、局所照射撮影により一旦得られた曲面断層領域についてのX線吸収係数の3次元分布情報を再構成するので、得られたデータから条件に合うものだけ、つまり、パノラマ断層面への法線の方向を投影線の方向として、その投影線上のデータだけを用いてパノラマX線画像を構成することができるので、正確なオルソラジアルパノラマX線画像を得ることができる。
【0028】
請求項3に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1又は2のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を演算処理してパノラマX線画像を得るに当たり、上記投影線上のX線吸収係数の3次元分布情報を加重平均した演算結果を2次元平面上に展開するようにしたことを特徴とする。
この撮影方法は、請求項1、請求項2では特定していなかった演算方法を、加重平均に限定したもので、この加重平均によれば、3次元分布情報を演算するにあたって、それぞれのデータに対して経験的に得られた重み付けをすることができ、より正確なパノラマX線画像を得ることができる。
【0029】
この加重平均において、重み付けをとくに設定しない場合には、演算は算術平均となる。
【0030】
請求項4に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記投影線の方向が、更に、上記曲面断層領域に対応する歯列弓を構成するそれぞれの歯牙の植立方向に対して法線の方向にもなるように構成したことを特徴とする。
【0031】
請求項1〜請求項3の方法の上記所定角度は、必ずしも、平面的なものだけでなく、立体的なものも含まれるものである。この撮影方法では、そのような平面的でない一例として、この所定角度を、投影線の方向が、歯牙の植立方向に対して法線の方向となるような角度としていることを特徴とする。
【0032】
従来のパノラマX線画像では、前歯などは断層面に対して傾斜しているので隣接する歯牙が重なりのある画像となったり正確な寸法の画像が得られなかったが、このようにすると、その前歯などの植立方向の法線方向から見た画像も得られるので、その歯牙同士の重なりの少ない画像が得られ、特に隣接歯面のう蝕の正確な診断をすることができるし、又、実寸の寸法でのう蝕の診断が出来る。
【0033】
請求項5に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1に記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記所定角度は、上記パノラマ断層面に対して上下方向、または/かつ、左右方向の任意の角度に設定可能とするように構成したことを特徴とする。
【0034】
この撮影方法は、請求項4と同様に、上記所定角度が平面的なものに限られず、パノラマ断層面に対して、上下方向、左右方向も含む立体的なものであることを明確にしたもので、歯牙の植え立て方向や重なり方向が上下方向、左右方向など立体的に傾いている場合にも対応することができる。
【0035】
請求項6に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1または請求項5のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記所定角度は、上記パノラマ断層面のいずれの部位に対しても全て等しいように構成したことを特徴とする。
【0036】
本発明においては、基本的には、投影線とパノラマ断層面の法線とのなす所定角度は、部位毎に異なるものであってもよいが、この撮影方法では、所定角度をパノラマ断層面に対して、全て等しいように設定したものである。
【0037】
このようにすると、パノラマ断層面のどの部位についても等しい角度だけ傾いた投影線の方向から見たパノラマX線画像が得られるので、感覚的に把握しやすい画像となる。
【0038】
請求項7に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1,5,6のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記所定角度が無段階に可変設定可能とされているか、又は、所定の複数角度から選択可能とされているか、のいずれかであることを特徴とする。
【0039】
この撮影方法は、投影線の方向を定める所定角度の設定方法を規定したものである。
【0040】
請求項8に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記旋回アームの回転中心と上記所定部位の中心とを一致させるように位置調整するに当たり、上記被写体を上記旋回アームの回転中心に対して移動させるか、若しくは、上記被写体に対して上記旋回アームの回転中心を移動させるかのいずれかであることを特徴とする。
【0041】
この撮影方法は、旋回アームの回転中心と所定部位の中心を一致させる方法を、移動させる対象に合わせて2通り選択可能としたものであり、中心一致をさせる方法の選択肢が大きい。
【0042】
請求項9に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記X線コーンビームの内、上記パノラマ断層面に略直交するオルソX線コーンビームのみを抽出して照射し、このオルソX線コーンビームによって上記2次元X線イメージセンサ上に取得された部分X線投影画像データを逆投影により演算処理して上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を得て、これを2次元平面上に展開することによりパノラマX線画像を生成することを特徴とする。
【0043】
この撮影方法は、X線コーンビームを照射した後のX線投影画像データから、オルソX線コーンビームによると見做せる部分X線投影画像データを抽出する代わりに、照射するビームそのものを当初よりオルソX線コーンビームとしたものである。したがって、オルソX線コーンビームはX線コーンビームの一部に含まれるものであるので、被写体へのX線被爆量をより少なくすることができる。
【0044】
請求項10に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1〜9のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記旋回アームの旋回軸の軸方向を、上記被写体の直立方向に対して所定角度傾けた状態で、上記旋回アームを旋回させながら撮影するか、上記旋回アームの旋回軸の軸方向に対して、上記被写体を所定角度傾けた状態で、上記旋回アームを旋回させながら撮影するかのいずれかであることを特徴とする。
【0045】
この撮影方法は、旋回アームの旋回軸の軸方向を被写体の直立方向に対して所定角度傾けた状態で旋回アームを旋回させてX線コーンビームを照射するか、被写体の方向を傾斜させた状態で旋回アームを旋回させてX線コーンビームを照射するかして撮影するようにしたので、例えば、X線コーンビームが障害陰影となる頚椎などを透過しないような方向に照射することができ、障害陰影の影響を少なくすることができる。また、後者の方法では、被写体の方向を傾斜させるようにしたので、装置がより簡単になる。
【0046】
請求項11に記載の局所照射X線CT撮影方法は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記旋回アームの旋回軸に所定の歳差運動をさせながら上記旋回アームを旋回させて撮影することを特徴とする。
【0047】
この撮影方法は、旋回アームの旋回軸に所定の歳差運動、つまり、旋回軸を所定部位を中心とする回転軸に対して所定角度傾けつつ回転軸周りを旋回軸が回転するすりこぎ運動をさせながら旋回アームを旋回させて照射するようにしたので、X線発生器から照射されるX線コーンビームは、単に水平に照射した場合には避けられないような障害陰影を避けることができる。
【0048】
請求項12に記載の局所照射X線CT撮影装置は、X線発生器と2次元X線イメージセンサとを対向配置させた旋回アームと、この旋回アームの回転中心と被写体となる歯列弓に沿った曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位の中心とを一致させる位置調整手段と、上記X線発生器から上記所定部位のみを常に透過するX線コーンビームを局所照射させながら上記旋回アームを旋回させる旋回手段と、上記2次元X線イメージセンサで取り出された上記曲面断層領域のX線投影画像データを順次記憶する画像記憶手段と、このようにして取得記憶されたX線投影画像データを逆投影により演算処理して上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を算出する演算処理手段と、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層面の法線と、この法線に交差する投影線とのなす所定角度を設定する角度設定手段とを備え、
上記演算処理手段は、上記パノラマ断層面上のいずれの部位に対しても上記角度設定手段によって設定された所定角度で交差する投影線上にあるX線吸収係数の3次元分布情報を演算し、この演算結果を2次元平面上に展開することにより、上記投影線の方向から見た上記曲面断層領域のパノラマX線画像を得ることを特徴とする。
【0049】
この撮影装置は、請求項1の撮影方法を実現するものであり、請求項1と同様の効果を発揮する。
【0050】
請求項13に記載の局所照射X線CT撮影装置は、X線発生器と2次元X線イメージセンサとを対向配置させた旋回アームと、この旋回アームの回転中心と被写体となる歯列弓に沿った曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位の中心とを一致させる位置調整手段と、上記X線発生器から上記所定部位のみを常に透過するX線コーンビームを局所照射させながら上記旋回アームを旋回させる旋回手段と、上記2次元X線イメージセンサで取り出された上記曲面断層領域のX線投影画像データを順次記憶する画像記憶手段と、このようにして取得記憶されたX線投影画像データを逆投影により演算処理して上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を算出する演算処理手段と、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層面の法線と、この法線に交差する投影線とのなす所定角度を設定する角度設定手段とを備え、
上記角度設定手段は、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層面上のいずれの部位に対しても上記投影線の方向が上記パノラマ断層面の法線の方向に一致するように上記所定角度を設定し、上記演算処理手段は、該部位について、上記投影線上にあるX線吸収係数の3次元分布情報を演算し、この演算結果を2次元平面上に展開することにより、上記投影線の方向から見た上記曲面断層領域のパノラマX線画像詳しくは、オルソラジアルパノラマX線画像を得ることを特徴とする。
【0051】
この撮影装置は、請求項2の撮影方法を実現するものであり、請求項2と同様の効果を発揮する。
【0052】
請求項14に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12または請求項13のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記演算処理手段は、上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報からパノラマX線画像を得るに当たり、上記投影線上のX線吸収係数の3次元分布情報を加重平均した演算結果を2次元平面上に展開するようにしたことを特徴とする。
【0053】
この撮影装置は、請求項3の撮影方法を実現するものであり、請求項3と同様の効果を発揮する。
【0054】
請求項15に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12から請求項14のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段は、上記投影線の方向が、更に、上記曲面断層領域に対応する歯列弓を構成するそれぞれの歯牙の植立方向に対して法線の方向にもなるよう設定できるように構成したことを特徴とする。
【0055】
この撮影装置は、請求項4の撮影方法を実現するものであり、請求項4と同様の効果を発揮する。
【0056】
請求項16に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12に記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段は、上記所定角度を、上記パノラマ断層面に対して上下方向、または/かつ、左右方向の任意の角度に設定できるように構成したことを特徴とする。
この撮影装置は、請求項5の撮影方法を実現するものであり、請求項5と同様の効果を発揮する。
【0057】
請求項17に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12または16のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段は、上記所定角度を上記曲面断層領域のいずれの部位に対しても全て等しいように設定できるように構成したことを特徴とする。
この撮影装置は、請求項6の撮影方法を実現するものであり、請求項6と同様の効果を発揮する。
【0058】
請求項18に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12、16、17のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段が、上記所定角度を無段階に可変設定することができる可変手段、または/かつ、上記所定角度を所定の複数角度から選択することができる選択手段で構成されていることを特徴とする。
この撮影装置は、請求項7の撮影方法を実現するものであり、請求項7と同様の効果を発揮する。
【0059】
請求項19に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12から18のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記位置調整手段は、上記旋回アームの回転中心と上記所定部位の中心とを一致させるように位置調整するに当たり、上記被写体を上記旋回アームの回転中心に対して移動させるか、若しくは、上記被写体に対して上記旋回アームの回転中心を移動させるかのいずれかの構成であることを特徴とする。
この撮影装置は、請求項8の撮影方法を実現するものであり、請求項8と同様の効果を発揮する。
【0060】
請求項20に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12から19のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記X線コーンビームの内、上記パノラマ断層面に略直交するオルソX線コーンビームのみを抽出して照射させるX線ビーム幅調整手段を備え、上記演算処理手段は、このオルソX線コーンビームによって上記2次元X線イメージセンサに取得された部分X線投影画像データを逆投影により演算処理して上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を得て、これを2次元平面上に展開することによりパノラマX線画像を得ることを特徴とする。
【0061】
請求項21に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12から請求項20のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記旋回アームの旋回軸の軸方向を傾斜させることのできる旋回軸方向設定手段を備え、上記旋回アームの旋回軸の軸方向を、上記被写体の直立方向に対して所定角度傾けた状態で、上記旋回アームを旋回させながら撮影するか、被写体の支持方向を傾斜させることのできる被写体支持方向設定手段を備え、上記旋回アームの旋回軸の軸方向に対して、上記被写体を所定角度傾けた状態で、上記旋回アームを旋回させながら撮影するかのいずれかであることを特徴とする。
この撮影装置は、請求項10の撮影方法を実現するものであり、請求項10と同様の効果を発揮する。
【0062】
請求項22に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12から20のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記旋回手段は、上記旋回アームの旋回軸に所定の歳差運動をさせながら上記旋回アームを旋回させるようにしたことを特徴とする。
この撮影装置は、請求項11の撮影方法を実現するものであり、請求項11と同様の効果を発揮する。
【0063】
請求項23に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12から22のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記曲面断層領域が、数本の歯牙が植立している局所領域、顎関節領域又は耳鼻科領域のいずれか一つであることを特徴とする。
この撮影装置は、曲面断層領域を歯列弓に沿うものではなく、数本の歯牙が植立している局所領域、顎関節領域又は耳鼻科領域のいずれか一つであるようにしたもので、この場合は、所定部位は、それぞれの局所領域、顎関節領域、耳鼻科領域内に定められ、これらの領域についても同様にして任意の投影線の方向から見たパノラマX線画像を得ることができる。
【0064】
請求項24に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12から23のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段によって上記所定角度を設定しながら得られる上記パノラマX線画像を順次表示させることができる表示手段を備えたことを特徴とする。
この撮影装置は、請求項12から23のいずれかに記載の撮影装置において得られる種々のパノラマX線画像を投影線の方向を角度設定手段によって変化させながら順次表示させることができる表示手段を備えているので、診療目的に合わせて画像を所定角度を可変下方向から見た画像の表示をさせることができるので診断価値が極めて高い。
【0065】
請求項25に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項24に記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記表示手段は、請求項18に記載の角度設定手段の可変手段によって上記所定角度を連続的に変更しながら得られる上記パノラマX線画像を順次表示させることができるように構成したことを特徴とする。
この撮影装置は、請求項24の表示手段を、特に、投影線の方向を連続的に変化させながらパノラマX線画像を表示できるものに限定したもので、診断価値が高い。
【0066】
請求項26に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項24に記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記表示手段は、請求項15において、上顎に沿った曲面断層領域の歯牙の植立方向に対する法線の方向を投影線の方向として得られる上顎パノラマX線画像と、下顎に沿った曲面断層領域の歯牙の植立方向に対する法線の方向を投影線の方向として得られる下顎パノラマX線画像とを1枚のパノラマX線画像に合成して表示できるように構成したことを特徴とする。
この撮影装置は、請求項24の表示手段を、特に、請求項15の方法を上顎と下顎の曲面断層領域に分けて適用し、その結果得られる上顎パノラマX線画像と下顎パノラマX線画像とを1枚のパノラマX線画像に合成して表示できるものに限定したもので、それぞれの植え立て方向に対応させた画像が得られ、診断価値が高い画像が得られる。
【0067】
請求項27に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項24から26のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記表示手段は、異なる条件で得られるパノラマX線画像を複数選択して同一画面に配列表示させることができるように構成したことを特徴とする。
この撮影装置は、表示手段によって、種々のパノラマX線画像を複数選択して同一画面に配列表示できるので、診療目的に合わせて表示させる画像を選択でき便利である。
【0068】
請求項28に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項27に記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記表示手段は、請求項12において得られる、上記パノラマ断層面の法線に所定角度で交差する投影線からみたパノラマX線画像と、請求項13において得られる、上記パノラマ断層面への法線を投影線とし該投影線の方向から見たパノラマX線画像とを並べて同一画面上に表示できるように構成したことを特徴とする。
この撮影装置は、請求項27の表示手段を、特に、任意の投影線の方向から見たパノラマX線画像と、従来と同様の法線の方向から見たパノラマX線画像とを並列表示するものに限定したもので、画像の比較判断ができ診断に便利である。
【0069】
請求項29に記載の局所照射X線CT撮影装置は、請求項12から28に記載の局所照射X線CT撮影装置として、選択的に使用可能としたので、1台の装置で種々のパノラマX線画像が得られ、また表示できるので診断に便利である。
【発明の実施の形態】
【0070】
図1(a)、(b)は、本発明の局所照射X線CT撮影方法における歯列弓に沿った曲面断層領域のパノラマX線画像の生成方法の一例を示す基本概念説明図である。
図において、歯列弓S、X線吸収係数の3次元分布情報を得るべき曲面断層領域SA、曲面断層領域SAのパノラマ断層面SB、このパノラマ断層面SBに対する法線Lcを示している。
【0071】
この方法では、得られたX線吸収係数の3次元分布情報を基として、パノラマX線画像を生成するのに、法線Lcを用いずに、図1(a)に示すように、この歯列弓Sのパノラマ断層面SB上のそれぞれの部位αに対して、この法線Lcから所定角度βだけ傾斜した投影線γ上にあるX線吸収係数の3次元分布情報の演算結果を用いる点を特徴とする。
ここでは、この所定角度βを、歯列弓Sのいずれの部位αについても、等しい角度としている。
【0072】
このようにすると、歯列弓Sの断層面を構成するパノラマ断層面SBに対して、所定角度βだけ傾けた投影線γから見たパノラマX線画像を得ることができ、隣接する歯牙の隣接面の診断が行いやすく、また、後述するように、一方向だけからのパノラマX線画像では判別できない異物の判別や、隣接する歯牙の重なり具合やう蝕の範囲などの診断をすることができる。
【0073】
この所定角度は、図1(b)のように法線Lcに対して、反対側に傾斜する所定角度β′であってもよい。こうすれば、反対側に所定角度β′だけ傾けた投影線γ′から見たパノラマX線画像を得ることができ、う蝕や異物などの発見の機会がさらに増えることとなる。
さらに、この所定角度を法線Lcを中心線として、一方向から他方向へ連続的に変化させて、所定角度だけ傾けた投影線の方向から見たパノラマX線画像を、連続的に見ることもでき、さらに、歯科診療などの診断に好適である。
【0074】
なお、上記では、この所定角度β、β′は、それぞれの部位αに対して、同じものとしたが、部位α毎に異ならせてもよい。また、その角度方向は、平面的なものだけでなく、立体的なものであってもよい。例えば、後述するように、それぞれの歯牙の植立方向に法線方向となるように、歯牙毎に異なるようにしてもよい。
【0075】
なお、上記の図1(a)、(b)の例では、パノラマX線画像を得る場合について説明しているが、このようにパノラマ断層面とこのパノラマ断層面への投影線の方向を変えて、様々なパノラマX線画像を得る方法は、X線吸収係数の3次元分布情報が得られた局所部位について、断層面とこの断層面への投影線の方向を指定して適用することができ、同様に種々の断層面画像を得ることができるものである。
【0076】
図2(a)は、図1(a)の左臼歯の部分を拡大した部分図、(b)は、この方法によって生成されたパノラマX線画像の部分図である。この図では、図1と同じ部分については、同じ符号を付して、重複説明を省略する。
【0077】
ここで、H1、H2は、その左臼歯に内在する異物で、図24と同じものである。また、δは、部位αを中心として、前記演算をするためにX線吸収係数の3次元分布情報を抽出する抽出範囲を示している。
【0078】
こうして、図2(a)の例では、異物H1、H2の影響は、それぞれ異なる部位αの演算結果に現れ、(b)に示すように、この方法を用いて構成したパノラマX線画像では、異物H1、H2が異なって現れている。この点を、図24(c)と比べると、その相違は明らかである。
【0079】
この方法では、この所定角度αは、適宜設定することができるもので、例えば、従来通りのパノラマX線画像を生成したければ、所定角度αを零度とすればよい。また、この方法では、既に得られたX線吸収係数の3次元分布情報を再構成するだけなので、角度を変える毎に、X線照射をする必要もない。この点は、局所照射X線CT撮影の利点を巧みに利用したものである。このようにすることによって、X線照射を何度もすることなく、被写体を多方向から見たパノラマX線画像を生成し、見ることができるので、患者に負担を掛けることなく、術者が必要なより多くの情報を得ることができる。
【0080】
なお、ここでは、歯列弓のパノラマX線画像を生成する場合について述べたが、この方法の原理は、対象とする部分が歯列弓のような曲面断層領域ではなく、歯牙が1本から数本の局所領域、顎関節領域、耳鼻科領域の場合にも、同様に適用できるものであり、その場合にも、同様の効果を発揮するものである。また、これらの領域のどの方向からの撮影についても適用できるものである。
【0081】
また、上記の抽出範囲δを調節することによって、パノラマX線画像に現れる範囲を調節することができ、障害陰影を取り除くこともできる。
【0082】
これより、本発明の局所照射X線CT撮影方法及び装置の全体について、詳しく説明する。
【0083】
図3、図4に、本発明の局所照射X線CT撮影方法の基本原理を示す。ここでは、まず、局所照射の方法を、局所部位に適用する場合について説明する。
【0084】
これらの図において、1はX線発生器、2は2次元X線イメージセンサであり、これらは図10等で後述する旋回アーム3に対向配置されている。P、P′は撮影すべき局所部位となる臼歯、前歯をそれぞれ示しており、Sは歯列弓を示している。
【0085】
本発明の撮影方法では、図3、図4に示したように、局所部位P、P′の中心Pa、Pa′を旋回アーム3の回転中心3aとして、旋回アーム3を等速で旋回させる。このとき、X線発生器1は、局所部位P、P′のみを包含する大きさのビーム幅を有したX線コーンビーム1aを放射するので、2次元X線イメージセンサ2の撮像面2aには、拡大率の一定した局所部位P、P′のX線投影画像データが順次生成される。
【0086】
2次元X線イメージセンサとしては、X線TFT(Thin Film Transistor)センサ、X線MOS(Metal
Oxide Semiconductor)センサ、X線II(Image Intensifier)カメラ、X線アモルファスセレンセンサ、X線CCD(Charge Coupled
Device)センサ、増幅器付きX線CCDセンサ(XICCD)、その他各種半導体X線センサーなどを使用する。
【0087】
このようにして撮影されたX線投影画像データをコンピュータによって逆投影などの演算処理をすれば、局所部位P、P′の内部のX線吸収係数の3次元分布情報が算出されるので、その局所部位P、P′の任意の断層面を指定し、あるいは予め指定しておけば、その断層面画像が得られる。
【0088】
なお、ここでいう断層面とは、パノラマX線画像を得る場合のパノラマ断層面に相当するもので、断層面画像とは、指定された断層面に対して法線上にある3次元分布情報を投影した投影画像であり、この断層面上の3次元分布情報だけを切り出したものではない。
旋回アーム3は、局所部位P、P′の中心Pa、Pa′と旋回アーム3の回転中心3aを一致させた状態で旋回する。この際、X線コーンビーム1aは、常に局所部位P、P′のみを包含するように局所照射される。また、撮影条件に応じて、少なくとも局所部位P、P′に対して半周照射すれば、その部分の任意の断層面画像が生成できる。
【0089】
図5(a)はX線発生器1から放射されるX線コーンビーム1aの詳細、図5(b)は、従来のX線ファンビーム1a′を示している。
【0090】
このX線コーンビーム1aは、走査方向の広がり角度θ′が大きく、上下方向の広がりが小さい従来のX線ファンビーム1a′に比べて、走査方向の広がり角度θが小さく、また上下方向に一定の厚みを持っており、一度のビーム照射によって撮影すべき局所部位Pの全体にX線を透過させる程度の大きさのビーム束である。
【0091】
X線コーンビーム1aは任意の断面形状に形成できるが、断面形状を矩形に形成して、被写体の一部にのみX線コーンビーム1aを全周囲から照射した場合には、図5(a)に示したように、X線コーンビーム1aが共通に局所照射される局所部位Pは円柱形状になるので、その内部のX線吸収係数の3次元分布情報が算出でき、その円柱内部の任意の断面の断層面画像が得られる。また、断面形状を円形に形成して、被写体の一部のみにX線コーンビームを局所照射すれば、X線コーンビームが共通に照射された部分は球になるので、その内部のX線吸収係数の3次元分布情報が算出でき、球内部の任意の断面の断層面画像が得られる。
【0092】
歯科診断用に用いる場合、この局所照射X線CT撮影方法では、2次元X線イメージセンサとして、例えば、縦10センチメートル、横10センチメートルの寸法のものを使用し、その場合、この円柱、すなわち局所部位の直径は5センチメートル、高さが5センチメートルとなる。
【0093】
旋回アーム3の旋回角度は、5度から360度以下の範囲で適宜設定することができる。例えば、最小限、撮影したい断層面に垂直な方向によって2分される、旋回角度5度程度の旋回をさせて撮影すれば、そのX線投影データから、その断層面画像を生成することができる。一方、局所部位Pの任意の断面を全て生成できるようにするためには、180度以上旋回を行う必要があり、従来より多く行われてきたのは360度の旋回である。360度旋回すれば、どの方向の分解能も最良となるが、必ずしも360度の角度からの撮影を必要とするものではなく、180度以上360度未満でもよい。
【0094】
ついで、歯列弓に沿った曲面断層領域のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法を説明する。
【0095】
図6は、パノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影を行う場合に旋回アームの回転中心を設定するための所定部位を説明する図である。
本発明の、局所照射X線CT撮影方法では、旋回アーム3の回転中心3aを曲面断層領域SAの中央の対称軸線Lo上の所定部位(あるいは曲面断層領域SA内若しくは曲面断層領域SAの湾曲形状内側の任意の所定部位)の中心に一致させ、旋回アーム3を撮影条件に応じた旋回角度範囲内で等速で又は可変速で旋回させながら、所定幅のX線コーンビームを局所照射することによって、曲面断層領域SAのX線投影画像データを得ることを特徴としている。
【0096】
一般に、従来のフィルム式のパノラマ撮影を行う場合、曲面断層領域SAに並んだすべての歯牙について、なるべくX線を歯列弓に直交するように旋回アームの回転中心を撮影中に移動させながらX線ビーム束を移動させて撮影することが必要であるが、図6ではそのような条件を充たすX線ビーム束をLで示している。曲面断層領域SAについて、すべての歯牙に対して略直交するX線ビーム束L...を描くと、それらのX線ビーム束L...の包絡線Laが生成されるので、この包絡線Laに内接する内接円Gを考えれば、曲面断層領域SAに対する全てのX線ビーム束Lは、この内接円Gを通過する。
【0097】
したがって、本発明の局所照射X線CT撮影では、旋回アームの回転中心を、例えば、この内接円Gの中心Gaを旋回アーム3の回転中心3aに一致させ、旋回アームの回転中心を撮影中に移動させることなく旋回アームを旋回させて撮影する。その際、X線コーンビームは、内接円Gを包含するように一定幅を有したX線コーンビーム1aを周囲から局所照射するようにしており、常時、曲面断層領域SAに略直交するX線ビーム束(以下、これを「オルソX線コーンビーム」という。)を含んだものとなる。
【0098】
つまり、この例では、この内接円Gが、図7に示す通り、上述した所定部位となり、符号Qで表す。また、ここでいう各歯牙に直交するX線ビーム束が、上述したオルソX線コーンビームであり、符号1bで表す。
【0099】
このような所定部位Qが形成されるように、X線コーンビーム1aを局所照射すると、2次元X線イメージセンサ2上に順次生成される曲面断層領域SAのX線投影画像データのうちから、曲面断層領域SAに略直交するオルソX線コーンビーム1bによる部分X線投影画像データを抽出し、演算処理することによって、曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を画像情報として取り出して、その曲面断層領域の連続したオルソラジアルパノラマX線画像を生成することができる。
【0100】
本発明のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法は、このような原理に基づくものであり、その旋回アーム3の回転中心3aの位置とX線コーンビーム1aの幅、つまり、所定部位Qの位置と大きさは、最終的に生成すべき画像の態様に合わせて、適宜、設定されるものである。要するに、画像の態様に合わせたオルソX線コーンビームが、X線コーンビームにふくまれるようにすればよい。
【0101】
例えば、撮影時に設定される旋回アーム3の中心3aとX線コーンビームの幅、つまり、所定部位Qは、前記した包絡線Laに内接する内接円Gには限定されず、図6においてG′あるいはG″で示すような内接円Gを包含する円とする場合もある。このような円を所定部位Qとして規定すれば、その領域の中心は常に歯列弓Sの内側の対称軸線Lo上にある。
【0102】
なお、図6では、所定部位Qを円G′、G″とした時の旋回アーム3の回転中心の位置を、3a′,3a″として示している。
【0103】
つまり、パノラマX線画像としては、オルソラジアルパノラマX線画像に限定されず、標準パノラマX線画像、顎骨パノラマX線画像、左右片側だけのパノラマX線画像なども存在するので、このようなものでは、歯列弓Sに対しては必ずしもオルソX線コーンビームを直交させる必要がない。したがって、そのような撮影方法のパノラマX線画像を生成する場合には、これらのオルソX線コーンビーム1bの全てを含むように、旋回アーム3の回転中心3aの歯列弓Sの対称軸線Lo上の位置とX線コーンビーム1aの幅、つまり、所定部位Qを決める必要があるからで、その例が、上記の内接円G′、G″である。又、左右片側だけのパノラマX線画像などの撮影においては、旋回アーム3の回転中心3aは曲面断層領域SAの領域内であっても良いし、又、対称軸線Lo上に必ずしも無くても良い。
【0104】
このパノラマX線画像を生成するための所定部位Qは、生成されるパノラマX線画像に対応して決められるが、X線被爆量の軽減という点からは、なるべく、小さい方がよいことは、いうまでもない。
【0105】
図6より解るように、旋回アーム3は180度以上の旋回は要するが、360度旋回させる必要はなく、180度以上360度未満の旋回をさせて、撮影するだけでよい。したがって、その角度の少ない分だけ、X線被爆量を少なくすることができ、撮影時間も短くすることができる。
【0106】
図7、図8は本発明のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法を説明するものである。
【0107】
図7では、旋回アーム3の回転中心3aとX線コーンビーム1aの幅を図の所定部位Qを形成するように保持して、旋回アーム3を等速で旋回させており、X線発生器1は、旋回アーム3の旋回に伴って、走査方向に所定の幅のX線コーンビーム1aを放射しながら、そのX線コーンビーム1aによって2次元X線イメージセンサ2上に歯列弓Sに沿った曲面断層領域SAのX線投影画像データを順次生成しており、このようにして2次元X線イメージセンサ2上に順次生成されたX線投影画像データについて、X線コーンビーム1aの放射束のうちで歯列弓Sに略直交するオルソX線コーンビーム1bによって生成された部分X線投影画像データのみを抽出し、その抽出した部分X線投影画像データを演算処理して、曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を画像情報として取り出して、その曲面断層領域のパノラマX線画像を生成している。
【0108】
こうして、旋回アーム3は撮影中その回転中心3aの位置を固定したまま回転させ、かつ、所定幅のX線コーンビーム1aを局所照射するという基本的な局所照射X線CT撮影方法を用いながら、パノラマX線画像をも生成することができる。
【0109】
図8では、図7と同様に、旋回アーム3の回転中心3aとX線コーンビーム1aの幅を図の所定部位Qを形成するように保持して、旋回アーム3を等速又は可変速で旋回させているが、X線発生器1は、旋回アーム3の旋回角度が変化するのに応じて、出射制御スリット8を同期してX線コーンビーム1aに直交する方向に移動制御させることによって、スリット窓孔8aから曲面断層領域SAに直交するオルソX線コーンビーム1bのみを曲面断層領域SAに放射しており、これによって2次元X線イメージセンサ2上に投影された部分X線投影画像データのみを抽出し、その抽出した部分画像を演算処理して、歯列弓のX線吸収係数の3次元分布情報を画像情報として取り出して、その歯列弓のパノラマX線画像を生成している。所定部位は、歯列弓にそった曲面断層領域SAの領域内又はこの領域の湾曲形状内側であれば良い。最も望ましい位置は、この領域の湾曲形状内側であって且つ歯列弓の左右対象軸上である。片側の顎のパリラマや部分的な局所のパノラマ画像を得る場合は、曲面断層領域内に所定部位の中心を持ってきても良い。
【0110】
このようにすると、図7の効果に加え、被写体のX線被爆量が、X線コーンビームからオルソX線コーンビームになる分だけ少なくなるという効果が得られる。
【0111】
図9(a)は、このような本発明方法によって、2次元X線イメージセンサ2上に生成されたX線投影画像データから更に抽出された部分X線投影画像データから、あるいは、2次元X線イメージセンサ2上に直接投影された部分X線投影画像データから、逆投影などの演算処理、X線吸収係数の3次元分布情報の取り出しを経て生成された部分パノラマX線画像Vaと、このような部分パノラマX線画像Vaを整合配列させて合成して生成されたパノラマX線画像Vの例を示すものである。
【0112】
なお、上記では、歯列弓のパノラマX線画像を生成する場合の断層面として、歯牙の咬合面の中心をつなぐ歯列弓Sのパノラマ断層面SBを例として説明したが、これだけに限るものではない。例えば、歯根膜の形成状況を見るためには、このパノラマ断層面SBより、より、歯列弓Sの歯根部に近い側のパノラマ断層面が選択され、その他、パノラマX線画像の種類に応じて、適宜、選択されるものである。
【0113】
これより、本発明の局所照射X線CT撮影装置について説明する。
【0114】
図10は、本発明の局所照射X線CT撮影装置の概略構成を示すブロック図である。
この局所照射X線CT撮影装置20は、X線撮影手段A、X線ビーム幅調整手段B、旋回アーム駆動制御手段C、演算処理手段D、表示部E、被写体保持手段4、主フレーム10、操作部11、操作パネル12などを備えている。また、X線撮影手段Aと旋回アーム駆動制御手段Cとを合わせて、旋回手段と呼ぶ。
【0115】
X線撮影手段Aは旋回アーム3を有しており、この旋回アーム3は、X線発生器1と2次元X線イメージセンサ2とを対向した状態で吊り下げ配置している。
X線発生器1は、出射制御スリット8とX線ビームコントローラ8bとを備えたX線ビーム幅制限手段Bを有しており、X線管より発射するX線ビームをX線ビーム幅制限手段Bで調整して、所望のビーム幅のX線コーンビーム1a、あるいはオルソX線コーンビーム1bが放射できるようになっている。
【0116】
一方の2次元X線イメージセンサ2は、フォトダイオードを2次元配列したMOSイメージセンサの上に、光学像を伝送する光ファイバ素子が設置され、更にその上にX線を可視光線に変換するシンチレータ層を形成した公知の構成のものが採用されている。
旋回アーム3には、XYテーブル31と昇降制御モータ32と回転制御モータ33とが設けられており、X軸制御モータ31a、Y軸制御モータ31bを制御することによって、その回転中心3aをXY方向に位置調整可能とし、昇降制御モータ32を駆動することによって上下に昇降するとともに、撮影時には回転制御モータ33を等速度で駆動させて旋回アーム3を被写体Rの周りに旋回できるようにしている。この昇降制御モータ32は、旋回アーム3のアーム上下位置調整手段を構成している。
【0117】
また、旋回アーム3の回転中心3a、つまり、旋回軸が鉛直に設けられ、旋回アーム3が水平に回転し、X線コーンビーム1aが水平に局所照射されるので、装置を占有床面積の少ない縦型として構成することができる。
【0118】
この回転制御モータ33は、旋回アーム3の旋回駆動手段を構成しており、サーボモータなどのように、その回転速度、回転位置を自由に制御することができるモータを用い、また、旋回アーム3の回転中心3aに軸直結で設置されている。
【0119】
したがって、旋回アーム3を等速度又は可変速で回転をさせることができるとともに、その回転位置も時間軸に沿って知ることができるので、タイミングを合わせて、2次元X線イメージセンサ2でX線投影画像データを取り出すのに都合がよく、また、芯振れがなく、本発明の局所照射X線CT撮影方法を有効に実施することができる。
【0120】
旋回アーム3の回転中心3aには、中空部3bが設けられている。このような中空部3bを設けるためには、回転中心3a上に有る関連部品に全て、中空孔を設ける必要があるが、例えば、回転制御モータ33としては、そのために、中空軸を使用したサーボモータを使用することができる。
【0121】
中空部3bは、旋回アーム3に吊り下げ配置されたX線発生器1と2次元X線イメージセンサ2と、主フレーム10側に設けた操作部11との間の接続線を配置するためのものである。
【0122】
回転部分に対して、電気配線を接続する場合、その接続線の配置方法が問題になるが、このように、旋回アーム3の回転中心3aを通して接続線を配置すると、回転による捻じれなどの影響を最小限にすることができるとともに、配線の美観上も好ましい効果を得ることができる。
【0123】
旋回手段Cは、この実施例ではXYテーブルからなる位置調整手段31と、昇降制御後モータ32と、回転制御モータ33とを組み合わせて構成されるが、このような構成に限られない。最も簡易な構造では、旋回アーム3の中心3aは、手回しハンドルを操作して、任意の位置に設定できるようにしてもよい。
【0124】
また、旋回アーム3の回転中心3aを水平方向に移動設定するための位置調整手段31は、その回転中心3aを被写体Rの内部の局所照射X線CT撮影をすべき局所部位Pあるいは所定位置Qの中心に一致させるように位置調整するためのものであるが、次に述べるような保持手段位置調整機構41を備えた被写体保持手段4が設置されている場合には、被写体側で、同様の調整をすることができるので、必ずしも、設けなくともよいものである。
【0125】
被写体R(ここでは、人体頭部を例として説明する。)は、被写体保持手段4のチンレスト4aに下顎を載せ、イヤロッド4bの先端を両外耳穴に嵌めて、位置設定されるようになっている。この被写体保持手段4は、X軸制御モータ41a、Y軸制御モータ41b、Z軸制御モータ41cを備えた保持手段位置調整機構41を備え、この保持手段位置調整機構41によって、上下方向は被写体Rの高さに合わせ、左右方向は、撮影に適した位置に被写体Rの位置を設定できるようになっている。
【0126】
被写体保持手段4は、それぞれ駆動源としてX軸制御モータ41a、Y軸制御モータ41b、Z軸制御モータ41cをそなえたX軸、Y軸、Z軸直線移動テーブルを組み合わせたテーブル(不図示)に載置されている。これらのX軸、Y軸、Z軸直線移動テーブルは、それぞれ周知のクロスローラガイドや、通常のベアリングとガイドを組み合わせたものなどで構成され、正確に直線移動ができるものである。駆動源のモータ41a〜41cによる、これらのX軸、Y軸、Z軸直線移動テーブルの移動は、ラックとピニオン方式や、ボールネジ方式や、通常のネジ軸を用いる方式などを適用できるが、正確に位置決めできるものが望ましい。
【0127】
このような直線移動テーブルと駆動方式を備えたX軸制御モータ41aとY軸制御モータ41bで、被写体水平位置調節手段42を構成し、また、Z軸制御モータ41cで、被写体上下位置調節手段43を構成している。
【0128】
こうして、被写体Rの水平位置を自由に設定できる被写体水平位置調節手段42と、被写体Rの上下位置を自由に設定できる被写体上下位置調節手段43を備えているので、被写体Rの高さに被写体保持手段4の高さを合わせることができると共に、旋回アーム3の回転中心3aに、被写体Rの内部の局所部位Pの中心Paを合わせるのに便利がよい。
また、上述したように、旋回アーム3側でも、その回転中心3aの位置を移動設定する位置調整手段31と昇降制御モータ32を備えている場合には、被写体水平位置調節手段42は、必ずしも必要なものではない。しかし、まず、被写体Rのあらましの位置設定を被写体水平位置調節手段42と被写体上下位置調節手段43によって行い、その後に、微調整を、旋回アーム3側の位置調整手段31と昇降制御モータ32によって行うという使い方も便利な場合があるので、双方を備えてもよい。
【0129】
また、被写体位置調節手段としては、上述したものの他、被写体R(ここではその人体頭部を有する被検者をさす。)の座っている椅子と共に被写体保持手段4を移動させて位置設定するという手段も可能である。このようにすると、被検者は、椅子に座った自然な姿勢を保ったままで、撮影に適切な位置決めがなされるので、被検者にとって優しい装置となる。演算処理手段Dは、画像処理解析に高速で作動する演算プロセッサを含んでおり、2次元X線イメージセンサ2上に生成されたX線投影画像データを前処理した後、所定の演算処理を実行することによって、X線を透過させた物体内部のX線吸収係数の3次元分布情報を算出し、また、所定の算術平均などの演算を行って、表示装置Eに撮影された局所部位Pの任意の断層面画像や、パノラマX線画像を表示させ、また必要な記憶媒体に画像情報として記憶させる。
【0130】
なお、演算処理手段Dは、撮影中に順次演算処理しても良いし、撮影後に必要に応じて演算処理するようにしても良い。
【0131】
主フレーム10は、この装置20全体を支持している構造体で、その詳細は後述する。操作部11は、この装置20全体を制御し、かつ、操作パネル12からの入力を受けて、種々の設定制御司令を行うものである。
操作パネル12は、装置20の必要な設定のための入力や、操作をするためのものであって、その詳細は後述する。
【0132】
図11は本発明の局所照射X線CT撮影装置の一例の外観正面図、図12はその外観側面図である。これより、すでに説明した部分については、同一の符号を付して、重複説明を省略する。
【0133】
局所照射X線CT撮影装置20は、門型の非常に剛性の高い構造体である主フレーム10を全体の支持体として構成されている。
【0134】
この主フレーム10は、X線発生器1と2次元X線イメージセンサ2とを対向した状態で吊り下げ配置した旋回アーム3を回転可能に支持するアーム10a、このアーム10aの旋回アーム3支持部付近の左右サイドを、旋回アーム3の回転による振れ防止の為に固定している1対の横ビーム10b、この横ビーム10bを支えている一対の縦ビーム10c、アーム10aを固定載置しているコラム10d、コラム10dと一対の縦ビーム10cが固定載置され、この装置20全体の基礎となっているベース10eから構成されている。
【0135】
この主フレーム10を構成する部材は、それぞれ、剛性の高い鋼鉄材が用いられ、また、適宜、筋交いや、角補強部材が設けられて変形に強いものとなっている。また、特に、旋回アーム3を回転支持するアーム10aは、それ自身、剛性の高いものとなっているが、さらに、その回転支持部には、回転振れ防止のための1対の横ビーム10b、縦ビーム10cが設けられ、回転時に、旋回アーム3の回転中心3aが変動しないようになっている。
このように主フレーム10は、旋回アーム3の旋回振れが生じないような構造体としてので、特に、旋回振れがないことが要求される局所照射X線CT撮影装置として、ふさわしい。
なお、主フレームは、剛性の高い構造とできるならば、横ビーム10bや、縦ビーム10cは不要としてもよい。
【0136】
操作パネル12は、主フレーム10の一方の縦ビーム10cの反コラム10d側の表面で、術者が、立位で操作がし易いような位置に設けられている。
【0137】
図13は、本発明の局所照射X線CT撮影装置の操作パネルを示す正面図である。
【0138】
この操作パネル12は、まず、局所照射X線CT撮影装置の撮影モードを選択するための選択スイッチ9を備え、この選択スイッチ9は、互いに排他的に切り替えられる局所CT撮影モードスイッチ9aと、パノラマ撮影モードスイッチ9bとから構成され、局所CT撮影モードスイッチ9aを操作したときには、通常の局所照射X線CT撮影方法により、局所部位の任意の断層面画像を生成する撮影モードとなり、パノラマ撮影モードスイッチ9bを操作したときには、パノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法により、歯列弓のパノラマX線画像を生成するモードとなる。
【0139】
すでに、局所照射X線CT撮影方法について説明した通り、本発明の局所照射X線CT撮影方法によれば、パノラマX線画像を生成する場合でも、旋回アーム3の回転中心3aは、所定部位の中心に一致させたままでよく、その回転角度や、X線コーンビームの幅を替えたり、スリット制御したりするだけでよいので、一台の装置で、両方の画像を生成することのできる局所照射X線CT撮影装置を簡単に構成することができる。
【0140】
なお、このような選択スイッチ9を設けるかわりに、2次元X線イメージセンサ2として使用するセンサをカセット式にしておき、このカセットを、通常の局所照射X線CT撮影方法と、パノラマX線画像を生成する場合の方法とで、異なるものとしておき、カセットの入れ替えによって、局所CT撮影モードと、パノラマ撮影モードとを切り替えることもできる。
【0141】
また、必要に応じて、この選択スイッチ9は、さらに、多くの選択枝を備え、本発明の特徴とする断層面画像を生成するための所定角度を設定する種々のパターンを選択するためにも用いることができる。
【0142】
選択スイッチ9の下には、被写体選択スイッチ12a、12b、12cが設けられている。これらの被写体選択スイッチ12a、12b、12cは、その下側に設けられた歯位置選択スイッチ12d〜12gと組み合わせて使用され、撮影モードに対応して、所定の位置に被写体保持手段4(図10参照)を位置付けるために用いる。スイッチ12aは被写体Rが小さい子供のとき、スイッチ12bは被写体Rが普通の子供のとき、スイッチ12cは被写体Rが大人のときに操作する。
【0143】
スイッチ12d、12eは、撮影する局所部位Pが、上顎歯か、下顎歯かを選択するもので、スイッチ12dを操作すると、上顎歯が選択され、スイッチ12eを操作すると下顎歯が選択される。スイッチ12f、12gは、撮影する局所部位の左右を選択するためのもので、スイッチ12fを操作すると左顎歯が、スイッチ12gを操作すると右顎歯が選択される。
【0144】
その下の位置スイッチ12h〜12kは、撮影する局所部位Pのさらに詳しい位置を選択するためのもので、スイッチ12hを操作すると、歯列弓Sの対称軸線Loを基準にして、第1、2番目の歯が選択され、スイッチ12iを操作すると、第3、4番目の歯が選択され、スイッチ12jを操作すると、第5、6番目の歯が選択され、スイッチ12kを操作すると、第7、8番目の歯が選択される。
【0145】
その下の調整スイッチ12l〜12sは、旋回アーム3の位置調整、あるいは、被写体保持手段4の位置調整をするためのものである。
【0146】
スイッチ12lを操作すると、調整対象として、旋回アーム3が選択され、スイッチ12mを操作すると、調整対象として、被写体保持手段4が選択される。
【0147】
スイッチ12lを操作した場合に、スイッチ12n、12oを操作すると、昇降制御モータ32が駆動され、旋回アーム3が上下に昇降し、スイッチ12p、12qを操作するとX軸制御モータ31aが駆動され、旋回アーム3が左右に移動し、スイッチ12r12sを操作するとY軸制御モータ31bが駆動され、旋回アーム3が前後に移動する。
【0148】
スイッチ12mを操作した場合に、スイッチ12n、12oを操作すると、保持手段位置調整機構41のZ軸制御モータ41cが駆動され、被写体保持手段4が上下に昇降し、スイッチ12p、12qを操作するとX軸制御モータ41aが駆動され、被写体保持手段4が左右に移動し、スイッチ12r12sを操作するとY軸制御モータ41bが駆動され、被写体保持手段4が前後に移動する。
【0149】
最下段の電源スイッチ12tは、装置20全体の電源をオンオフするもので、スタートスイッチ12uは、撮影スタートスイッチである。
こうして、この操作パネル12により、局所照射X線CT撮影装置20全体の設定、操作をすることができる。
【0150】
図14は、本発明の局所照射X線CT撮影装置の画像信号処理系を示すブロック図である。
【0151】
この処理系は、演算処理手段Dを中心とし、それに接続されたX線発生器1、2次元X線イメージセンサ2、操作パネル12、表示装置E、外部記憶手段Fから構成され、演算処理手段Dは、制御手段Da、画像記憶手段を構成するフレームメモリDb、A/D変換手段Dc、演算用メモリDdを備えている。
このような演算処理手段Dは、たとえば、画像処理用マイクロプロセッサで構成することができる。
【0152】
2次元X線イメージセンサ2から受けたX線投影画像データは、A/D変換手段Dcによってデジタル信号に変換され、デジタル変換された画像データが画像記憶手段Dbに格納される。画像記憶手段Dbに格納された複数の画像データは、演算用メモリDdに記憶され、その記憶された画像データに対して、選択された撮影モードに対応した逆投影によるX線吸収係数の3次元分布情報の算出、それに基づく加重平均、又は算術平均などの演算処理が行われ、断層面画像、あるいは、パノラマX線画像が生成される。
【0153】
これらの画像は、表示装置Eに表示され、また、必要に応じて、これらのX線吸収係数の3次元分布情報、断層面画像、パノラマX線画像のデータは、外部記憶手段Fに記憶される。また、得られたX線吸収係数の3次元分布情報は、もとの画像データと関連づけて画像記憶手段Dbに記憶保存しておいてもよい。
【0154】
表示装置Eには、断層面を選択する断層面選択手段Eaと、所定角度β(図1)を設定するための角度設定手段Eaが設けられ、この角度設定手段Eaは、所定角度を無段階に可変設定することができる可変手段Eaa、所定角度を所定の複数角度から選択することができる選択手段Eabを備えており、そのいずれかの一方により、所定角度βを設定することができるようになっている。
こ の表示装置Eでは、X線吸収係数の3次元分布情報が算出された後には、断層面選択手段Eaによって、適宜、断層面を指定し、また、その断層面に対して、角度設定手段Eaによって、所定角度βを順次設定することによって、所望の断層面について、見る方向の異なる断層面画像を順次表示させることができる。
【0155】
なお、上述の選択スイッチ9によって、局所撮影モードあるいはパノラマ撮影モードを選択し、さらに、上述の断層撮影条件設定手段Ebの断層面選択手段Ea、角度設定手段Eaを適宜選択、設定することによって、1台の局所照射X線CT撮影装置で、選択した断層面、あるいはパノラマ断層面について、投影線γの方向を、全ての部位について同じものとして、又は、部位毎にあるいはセクション毎に、連続的、あるいは、段階的、あるいは複数の予め用意された数値から選択的に変えて、その投影線の方向からみた断層面画像あるいはパノラマX線画像を得ることがでる。
外部記憶手段Fとしては、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置などを用いることができる。
【0156】
図15は、本発明の局所照射X線CT撮影装置における局所照射X線CT撮影の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに沿って、局所照射X線CT撮影の手順を説明する。
【0157】
まず、操作パネル12の選択スイッチ9によって、局所CT撮影モードか、パノラマ撮影モードかを選択する(S1)。ついで、被写体Rを、被写体保持手段4のチンレスト4aに設定し(S2)、旋回アーム3の回転中心3aが、局所CT撮影モードのときは、被写体Rの局所部位Pの中心Paになるように、パノラマ撮影モードのときは、被写体Rの所定部位Qの中心Qaになるように設定する(S3)。
【0158】
ついで、旋回アーム3の高さを、調整して、X線発生器1から局所照射されるX線コーンビーム1aの上下高さが、上記局所部位Pあるいは所定部位Qになるように設定する(S4)。ついで、撮影を開始し、旋回アーム3を撮影モードに対応させた所定の角度範囲で旋回させながら、X線コーンビーム1aを、撮影モードに対応させた態様で局所照射する(S5)。
【0159】
ついで、局所照射X線CT撮影方法で説明したように、撮影モードに対応した態様で、逆射影を含む画像演算処理を行い、X線吸収係数の3次元分布情報を得る(S6)。
【0160】
ここで、撮影モードに応じて、局所部位の断層面パノラマX線画像の場合は、歯列弓に沿った曲面断層領域にあるパノラマ断層面を表示装置Eに設けられた断層面選定手段Eaで選定し(S7)、投影線設定手段Ebによって、投影線の方向を決める所定角度βを設定する(S8)。この選定と設定に応じて、演算処理手段Dでは、以下に図16で説明する手順により、演算を行い(S9)、断層面画像あるいはパノラマX線画像を生成し(S10)、その画像を表示装置Eに表示する(S11)。
【0161】
この表示後、さらに、別の所定角度βでの表示が必要な場合には、更に、投影線設定手段Ebによって、所定角度βを設定すると、その角度βに対応した画像が生成され、表示される(S12、S8〜S11)。
こうして、必要な表示が終了すると、必要に応じて、プリント出力、または、記憶手段に記憶させて(S13)、全体を終了する。
【0162】
なお、一旦、X線の局所照射をして、局所部位のX線吸収係数の3次元分布情報が得られた後は、そのデータを保存しておけば、必要に応じて、上記のS7からS12の手順を繰り返すことによって、いつでも、所望の断層面の所望の角度から見た断層面画像、あるいは、パノラマX線画像を見ることができる。
【0163】
図16は、図1の歯列弓のパノラマX線画像の生成方法を詳細に説明する概念図である。この図は、図1、2によって説明した生成方法をさらに詳しく説明するためのもので、共通する部分には、同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0164】
ここでは、曲面断層領域にあるパノラマ断層面SBの複数の部位のうち、図中で符号を付した部位αを例として、演算方法の一例として算術平均の求め方を説明する。そのため、この算術平均に関連するX線吸収係数の3次元分布情報を特定するために、図18で得られた曲面断層領域SAを図に示すように縦横に区分し、その区分の各行に符号A〜Jを、また各列に符号a〜kを付し、その行と列の組み合わせで、ある区分を区分Aa、Ab、・・・、Jk、Jl、その区分のX線吸収係数の3次元分布情報を分布情報Aa、Ab、・・・、Jk、Jlという方法で表示する。
【0165】
部位αを中心として、所定角度βの方向を示す投影線γを引き、抽出範囲δの範囲内で、この投影線γ上に等間隔で、抽出点を設定する。ここでは、全体を12等分して、その等分点を端から、部位αを除いて、順に、抽出点α1、α2、・・・、α12とする。
【0166】
ついで、この抽出点α1、α2、・・・、α12が属する区分の分布情報を積算して、全体の点数、この例では、12で割ると、算術平均を得ることができる。
【0167】
つまり、抽出点α1は区分Ca、抽出点α2は区分Cb、・・・、等分点α12は区分Ikに属するので、
算術平均=(分布情報Ca+分布情報Cb+分布情報Db+分布情報Dc+分布情報Ed+分布情報Ee+分布情報Fg+分布情報Gh+分布情報Gh+分布情報Hi+分布情報Hj+分布情報Ik)/12
で求めることができる。
【0168】
ここで、等分点が、区分の丁度境界線上などにある場合は、その右側、あるいは、上側に属するなど、所定の規則に従って処理すればよい。また、ここでは、抽出範囲の中心である部位αに関する分布情報Ffは計算から除外したが、これを含めて、全体を13で割るようにしてもよい。
【0169】
このような手順を、それぞれの部位αについて、所定角度βの方向の投影線γについて繰り返すことによって、求める、断層面画像を構成する画素データとすることができる。
なお、演算方法は、上述した算術平均に限られず、それぞれの分布情報Ca・・・に経験的に導かれる重み付けをする加重平均をしてもよく、その場合には、より正確なパノラマX線画像を得ることができる。
【0170】
図17は、本発明のパノラマX線画像の生成方法の他例を示す概念図であり、図1にしめした方法に比べ、投影線を与える所定角度の設定方法が異なる。
【0171】
この例は、曲面断層領域SAのパノラマ断層面SBを複数のセクションに区分して、その区分毎に異なる投影線の方向を規定するものである。つまり、パノラマ断層面SBが、診療目的に合わせてセクションに区分され、その区分毎に、所定角度が異なっており、それに従って、法線に対する投影線の方向もセクション毎に異なっている。
【0172】
この例では、曲面断層領域SAの中心線は、つまり、パノラマ断層面SBは、曲面断層領域SAの対称中心線に対称になるように3つに区分され、全部で、図示したように「I」から「VI」までの6つのセクションを形成しており、このセクション毎に、所定角度β1〜β6、投影線γ1〜γ6が規定されている。また、この例では、対称位置の所定角度が等しくなるように、つまり、β1=β6、β2=β5、β3=β4となっており、これに応じて投影線γ1、γ2、γ3は、投影線γ6、γ5、γ4とに対して対象になっている。
【0173】
このような投影線γの方向は、歯列弓Sあるいは曲面断層領域SAの線対象性に対応したものであるが、もちろん、セクション毎に全く異なってもよい。こうして、セクション毎に異なる投影線も設定可能であるので、診断の自由度が高い。
【0174】
図18は、本発明のパノラマX線画像の生成方法の他例を示すもので、(a)は被写体である歯列弓の一例の概念図、(b)は(a)を法線である投影線γ0の方向から見た部分パノラマX線画像、(c)は(a)を法線に所定角度で交差する投影線γ1の方向から見た部分パノラマX線画像である。
【0175】
歯列弓Sが図のように配列されている場合、歯牙S6と歯牙S7は、これらの歯牙S6、S7についてパノラマ断層面SBの法線である投影線γ0の方向から見ると、そのパノラマX線画像は、図18(b)のようになり、重なり部分が生じ、正確な診療には適さない。一方、歯牙S6と歯牙S7の重なり部分に規定される方向になるように投影線γ1の方向を決めると、そのパノラマX線画像は、図18(c)のようになり、重なり部分が生じず、診療に適した画像となる。
【0176】
図19は、(a)、(b)は本発明の局所照射X線CT撮影における曲面断層領域のパノラマX線画像の生成方法の他例を説明する概念図、(c)、(d)は、その方法によって得られたパノラマX線画像の一例の部分図、(e)、(f)は、従来の方法によって得られたパノラマX線画像の一例の部分図である。
この図においても、これまでと同様に既に説明した部分と同じ部分については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0177】
図19(a)は、図24で説明する曲面断層領域SAを、前顎部の縦断面図で示したものである。したがって、この図では、上前歯S1U、下前歯S1Lが見えており、(a)、(c)、(e)は、上前歯S1Uの場合を、(b)、(d)、(f)は、下前歯S1Lの場合を示している。
【0178】
この方法では、上前歯S1Uについて、その上前歯S1Uの植立方向T1Uに対する法線方向の投影線γを与える角度を所定角度βとして、歯列弓のパノラマ断層面SB上に、適宜、部位αを設定し、この部位αに対して、図16と同様に演算を行い、パノラマX線画像を生成する。
【0179】
この方法は、下前歯S1Lにも同様に適応することができ、このとき、T1Lは下前歯S1Lの植立方向を示している。また、上前歯S1U、下前歯S1Lの歯列弓のパノラマ断層面SB方向の長さをそれぞれ、WU、WLと、投影線γに垂直な方向の長さをそれぞれ、VU、VLとしている。H3、4は、それぞれ、上前歯S1U内部、下前歯S1L内部に隠れて存在する異物である。
【0180】
この方法で生成したパノラマX線画像の上前歯S1U部分の部分図を(c)が示しており、従来の方法により生成した部分図を(e)が示し、上前歯S1L部分の部分図を(d)が示しており、従来の方法により生成した部分図を(f)が示している。
これらの図を比較すれば解るように、(c)、(d)では上前歯S1U、下前歯S1Lの実全長である長さVU、VL、また、その長さVU、VLに対する正確な異物H3、H4の位置が得られる。これに対し、(e)、(f)で得られる長さWU、WLなどは、それぞれの上前歯S1U、下前歯S1Lの植立方向T1U、T1Lの角度によって、変化するもので、正確なものではなかった。
【0181】
こうして、この方法によれば、歯列弓の中心線、つまり、パノラマX線画像を生成するための断層面が固定された場合においても、それぞれの歯牙が最も良く現れるようなパノラマX線画像を得ることができる。
なお、この所定角度βは、植立方向が歯牙によって変わるのに連れて変わるものであり、それぞれの歯牙に対応して定まるものである。
【0182】
図20は、図19のパノラマX線画像の生成方法を他の歯列弓に適用したものであり、(a)はその歯列を通常の法線方向から見た場合の概念図、(b)はその場合に得られるパノラマX線画像を示す図、(c)はその歯列を歯牙の植立方向への法線方向の透視線の方向から見た場合の概念図、(d)はその場合に得られるパノラマX線画像を示す図である。
【0183】
この図20の各図を比較すれば解るように、上顎と下顎に分けて、それぞれの上顎の歯牙SU、下顎の歯牙SLに対して、上の投影線γU、下の投影線γLが歯牙SU、SLの植え立て方向への法線方向になるように設定してパノラマX線画像を生成すると、それぞれの歯牙の長さが実寸に近いもので表示されると共に、上歯と下歯が重なっている場合でも、その重なりが除去された形で表示され、診療に便利である。
【0184】
図21は、本発明の局所照射X線CT撮影装置に設けられた旋回軸方向設定手段と被写体支持方向設定手段を示す構成図である。この図21は、図1の装置の基本構成の要部に、旋回軸方向設定手段34と被写体支持方向設定手段44を設けたものを示している。
旋回軸方向設定手段34は、旋回アーム3を支えるXYテーブル31の全体を、メインフレーム10のアーム10aに対して傾斜可能に支持するもので、旋回アーム3の回転中心3aつまり旋回軸の軸方向を、被写体Rの直立方向に対して傾斜させることができる。被写体支持方向設定手段44は、チンレスト4aとイヤロッド4bを備えた被写体保持手段4を傾斜可能に支持し、被写体Rを、旋回アーム3の回転中心3aつまり旋回軸の軸方向に対して傾斜させることができる。
【0185】
図22(a)、(b)は図21の旋回軸方向設定手段と被写体支持方向設定手段を用いた局所照射X線CT撮影の概念図である。
【0186】
この図から解るように、図22(a)のように被写体Rに対して、旋回する旋回アーム3の回転中心3a、つまり、旋回軸の軸方向を傾斜させても、また、図22(b)のように鉛直方向となっている旋回アーム3の旋回軸3aの軸方向に対して、被写体Rを傾斜させても、同様に顎骨などの障害陰影を影響を避けることができ、また、図22(b)の場合には、旋回しない方の被写体Rを傾斜させるので、傾斜手段である被写体支持方向設定手段44の構造が簡単になる。
【0187】
図23は、旋回アームの旋回軸を歳差運動させた場合の状態を示す図である。この図23から解るように、旋回アーム3の旋回軸つまり回転中心3aを歳差運動、つまり、所定の回転軸3bに対して所定部位を中心として一定の傾き角を維持して矢印方向に回転するすりこぎ運動をさせながら旋回アーム3を旋回させてX線コーンビーム1aを照射するようにすると、水平方向に照射した場合に比べて、また、単純に旋回軸を傾斜させるだけの場合に比べて、障害陰影を避けるようなX線コーンビーム1aを照射する方法の選択肢が増え、種々の招待陰影への対応力が増す。また、通常のCTでないパノラマX線撮影においても、5度程度の仰角をもってX線を照射して障害陰影を除去するようにしているが、それと同じことを、CT撮影をする場合にも行って、より障害陰影の少ないX線投影画像データを得、このX線投影画像データを基にしてより逆投影などをすることにより障害陰影の少ないパノラマX線画像を得ることができる。
【0188】
上記実施例においては、本発明の局所照射X線CT撮影方法と装置を、歯牙や歯列弓に適用する例を示したが、本発明は、これに限られず、顎関節、耳鼻科領域、眼科領域、頭骸骨領域、あるいは、肋骨や他の部位にも適用できることは言うまでもなく、その場合にも同様の効果を発揮する。
[[局所照射X線CT撮影方法の原理説明]]
図25は本発明の局所照射X線CT撮影方法における投影データを説明する図、図26(a)、(b)、(c)は本発明の局所照射X線CT撮影方法に使用される条件関数の説明図、図27(a)、(b)、図28(a)、(b)は、本発明のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法の原理説明図、図29(a)、(b)は、本発明の局所照射X線CT撮影方法のアーチファクト対策の説明図、図30は、従来のX線CTにおいて解析される投影データを説明する図、図31は、従来のX線CT撮影方法に用いられる数式を表す図、図32は本発明の局所照射X線CT撮影方法に用いられる数式を表す図、図33は、パノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影に用いられる数式を表す図であり、これらによって、X線コーンビームを用いた局所照射X線CT撮影方法の原理について検討する。
[従来のX線CT撮影方法]
今、被写体Rをxy座標系に置いて、傾きθの角度から被写体Rの全体にX線ビームを照射して、XY座標系に投影データを生成した場合(図30)を考えると、その場合の投影データは図31の(式1)、投影データを逆投影したデータは図31のコンボリューション法による(式2)で示される。このことは従来の解析方法からよく知られている。
【0189】
ここに、被写体Rの断層面を含む平面に固定座標系xOyを定義し、この座標(x,y)におけるX線吸収係数の2次元分布情報を原画像として連続2次元関数f(x,y)で表現する。また、0<θ<πのあらゆる角度方向θから平行X線ビームが照射され、被写体Rを透過した後のX線強度が投影データとして検出されるものとする。
【0190】
この場合において、X線ビームを透過させた被写体R内部の吸収係数の2次元分布情報f(x,y)は(式3)で求められるので、この積分を計算し、それを、上下方向であるz軸方向に繰り返せば、被写体RのX線吸収係数の3次元分布情報が得られる。
このCTによる画像再構成といわれる演算処理は、2次元フーリエ変換法、1・2次元フーリエ変換法、1次元フーリエ変換法、コンボリューション法が採用されるが、近時では演算時間を大幅に短縮するため、上述したコンボリューション法が広く採用されており、このコンボリューション法によれば、単純な積和となる重畳積分と逆投影作業を行うだけでよく、演算が単純かつ高速で行える。
【0191】
図31の(式4)は、f(x,y)をコンボリューション法によって求めるものである。なお、図31の座標変換式は、xOy座標のx、y座標と、XOY座標のX、Y座標間の座標変換式である。
[本発明の通常の局所照射X線CT撮影方法]
本発明の通常の局所照射X線CT撮影方法では、以上のような従来手法に対して、図25で示すように、被写体Rの局所部位PのみにX線コーンビームを局所照射し、その放射ビーム幅を2rとし、図26で図示し、図32の(式5)で示したような条件関数を用いることを特徴とする。
【0192】
この条件関数(式5)を用いると、被写体Rの局所部位Pの逆投影データqs(X、θ)、被写体Rの局所部位P以外の逆投影データqn(X、θ)、被写体Rの全体の逆投影データq(X、θ)の間には、図32の(式6)の関係が成立する。なお、(式6−1)において、第2項は、[−r、r]の区間の大部分では、ほぼ「0」になる。
【0193】
つまり、被写体Rの全体の投影データは、その局所部位Pと、その局所部位Pの前後の通路となるその他の部分とを通過する投影データとを積分したものに等しいから、逆投影されたそれぞれの逆投影データの間には、
q(X、θ)=qs(X、θ)+qn(X、θ)・・・図32(式7)の関係が成立し、結果として、図32(式8)が導かれる。
したがって、局所部位PのX線吸収係数の2次元分布情報fs(x,y)は、被写体R全体のX線吸収係数の2次元分布情報f(x,y)から、局所部位以外の部分のX線吸収係数の2次元分布情報fn(x,y)を減算すれば求められる。
【0194】
本発明の特徴は、従来のX線ファンビームを用いたX線CT撮影方法に対して、X線コーンビームの旋回方向のビーム幅を、従来の被写体全体を照射するものから、さらに小さくし、X線コーンビームの被写体の一部である局所部位だけを局所照射した点にある。このような着想は、X線CT撮影の場合には、X線ビームは、被写体全体に照射して撮影するという従来の思想を、大きく変えるものである。
【0195】
この撮影方法は、X線コーンビームを局所照射する局所部位については、常に投影データが得らるが、その局所部位を取り囲む被写体の他の部分については、局所部位に比べて、X線コーンビームは旋回に伴って一時的に透過するだけで、投影データへの影響も少なく、逆投影する場合に、局所部位以外の投影データへの影響を略無視することができるという思想に基づいており、上述の条件関数(式5)は、このような思想を、式として表現したものである。
【0196】
換言すれば、2次元分布情報fn(x,y)は、誤差成分であり、rects関数の外側の、つまり、rectn関数の信号を示しており、本願発明者は、発明研究の過程において、この誤差成分を示す2次元分布情報fn(x,y)は、ほぼ「0」になるという知見を見いだしたものである。つまり、本発明によると、誤差成分は無視することができ、所望の局所部位Pのみ鮮明に画像再構成ができる。
【0197】
また、歯科撮影に応用する場合には、診断対象として、歯牙やインプラントなどの形状などを分析するのが主眼であり、これらの部位は、他の組織部位に比べてX線吸収係数の高い部位といえるので、そのX線吸収係数の2次元分布情報fs(x,y)は、その他の部分のX線吸収係数の2次元分布情報fn(x,y)に比べて大きい値となる。したがって、なおさら、鮮明な断層面画像が生成される。
[本発明のパノラマX線画像生成に用いる局所照射X線CT撮影方法]
ついで、本発明のパノラマX線画像生成に用いる局所照射X線CT撮影方法について検討する。
【0198】
上述したように、本発明の局所照射X線CT撮影方法は、被写体のさらに局所部位にのみ、局所照射して、その局所部位の断層面画像を得ることを特徴とするが、この方法を巧みに利用して、歯科で多用されている歯列弓に沿った曲面断層領域のパノラマX線画像を生成しようとするのが、この方法である。
【0199】
従来、パノラマX線画像を生成する場合、曲面断層領域に対して、そのパノラマX線画像の態様に合わせて、X線ビーム束が複雑な軌跡を描くように、X線ビーム束の旋回中心を撮影中に移動させながら照射しなければならなかった。
一方、局所照射X線CT撮影方法では、旋回中心を所定の位置に一致させたままで、X線コーンビームを旋回させる。したがって、このような旋回中心を固定した旋回のみを実現する装置をそのまま利用して、いかにして、パノラマX線画像を得るかが、課題であった。
【0200】
また、歯列弓に対して360度の全ての方向から、X線ファンビームを照射し、旋回中心を撮影中に1カ所に固定して撮影するCT撮影において、歯列弓のX線投影データのみを抽出して、再構成する方法が知られている。しかし、この方法では、X線被爆量も大きく、また、撮影装置も大型化していたので、この問題の解決も望まれていた。
【0201】
本発明のパノラマX線画像生成に用いる局所照射X線CT撮影方法では、曲面断層領域のパノラマX線画像を生成するのに、所定部位を算定し、この所定部位の中心に、X線コーンビームの旋回中心を一致させたままで、その所定部位のみを含むようにX線コーンビームを局所照射して、得られた曲面断層領域のX線投影画像データから、オルソX線コーンビームによる部分X線投影画像データのみを抽出して、その部分X線投影画像データをもとに、逆投影して、曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報をもとめ、その3次元分布情報から、曲面断層領域のパノラマX線画像を生成するというものである。
【0202】
このようにすれば、歯列弓に沿った曲面断層領域のパノラマX線画像を、局所照射X線CT撮影方法を利用して得ることができる。
【0203】
この着想の基本は、被写体全体にX線ビームを照射するX線CT撮影方法から、局所照射のX線CT撮影方法に至る着想をさらに展開させたものでる。所定部位を上記のように選ぶと、パノラマX線画像を得ようとする曲面断層領域には、局所照射されたX線コーンビームが、所定の角度範囲だけ限定的にしか照射されないが、その中で特に、オルソX線コーンビームによる照射角度範囲だけの部分X線投影画像データを抽出することで、パノラマX線画像用としては十分な画像データを得ることができ、その部分X線投影画像データからX線吸収係数の3次元分布情報を求め、パノラマX線画像を生成するというものである。
【0204】
この歯列弓のパノラマX線画像をえるための所定部位は、曲面断層領域の中央付近、すなわち、歯列弓の対称軸線上であって、歯列弓と頸椎部の間の適切な部位となることが多く、ここには障害物が少ないので、その点でも有利である。
【0205】
したがって、このパノラマX線画像生成に用いる局所照射のX線CT撮影方法に用いる条件式も、ほとんど同様であるが、積分範囲、逆投影のためのフィルタ関数、X線投影データに用いるフィルタ関数などについて、若干の考慮が必要である。
この方法では、xOy座標、XOY座標の中心は、所定部位の中心となり、歯列弓の正投射パノラマX線画像を生成する場合には、曲面断層領域の中心となる。ここでは、その例について説明する。図27(a)は、そのような投影方法の説明図、(b)は、積分範囲の説明図である。
【0206】
この方法で用いる図33の(式9)、(式10)は、上述の局所照射X線CT撮影方法の図32の(式5)、(式6)と同じである。ただし、「2r」の値が、X線コーンビームではなく、オルソX線コーンビームの旋回方向のビーム幅である点が相違する。
【0207】
ここで、qs(X,θ)は、実際に照射されたオルソX線コーンビームによる部分X線投影画像データからの逆投影データであり、qn(X,θ)は、実際には照射されなかったが、従来のX線CT撮影方法では存在するX線ビーム束によるX線投影画像データからの逆投影データである。
【0208】
この方法では、オルソX線コーンビームの照射野が限定されているため、実際に得られるのは、rects(X)に関する部分、つまり、qs(X,θ)のみであり、qn(X,θ)=0となる。したがって、逆投影は、qs(X,θ)を用いて行い、(式10)から(式11)が導かれる。
【0209】
本発明の通常の局所照射X線CT撮影方法では、fs(x,y)を求めるときのθの積分範囲は、[0,2π]、あるいは、[0,π]とするが、この方法の場合は、この積分範囲は、さらに限定されたものである。
【0210】
図27(b)は、その積分範囲を示すもので、これに示すように、この方法の場合の積分範囲は、歯列弓Sの点(x,y)について考えれば、オルソX線コーンビームが点(x,y)に照射を開始するときの角度
φ(x,y)から、照射を終了するときの角度ψ(x,y)までとなる。
【0211】
この入射開始、終了の意味は、計算のための設計上の値であって、実際にオルソX線コーンビームが点(x,y)を照射している角度よりも小さい値、つまり、角度φ(x,y)から角度ψ(x,y)までの間の、任意の積分範囲を選ぶことができる。
この角度φ(x,y)、角度ψ(x,y)は、歯列弓の任意の点について、設計値として決定することができるため、これらは、x、yの関数となる。
この角度φ(x,y)、角度ψ(x,y)を用いて、本発明における逆投影の式は、図33の(式12)で表される。
【0212】
この(式12)のfs(x,y)を計算する範囲は、図28(a)に示す必要な曲面断層領域SAの範囲でよい。また、あらかじめ、図28(b)に示すように式:y=fp(x)で表される歯列弓のパノラマ断層面を定めておいて、この面上の点(x,fp(x))についてのみ、(式12)のfs(x,y)を計算してもよい。
[アーチファクト対策]
つぎに、fs(x,y)を演算処理する場合に発生するアーチファクト対策について述べる。このアーチファクトとは、偽像とも呼ばれ、画像処理において、特に、その条件式などの値が、急激に変化する部分で生じるデータの不整合のことをいい、これを除去するために、以下のアーチファクト対策を講じるとよい。<アーチファクト対策1>
上述の条件関数rects(X)の端が、0→1に急激に変化することにより、特に、オルソX線コーンビームが照射を開始し、あるいは、終了する角度φ(x,y)、角度ψ(x,y)で、点(x,y)を通るビーム上にある点によるアーチファクトが生じ易いため、これを除くために、(式10)を計算するときに、rects(X)の代わりに、端において、よりスムーズに変化するフィルタ関数を用いると良い。
このフィルタ関数の例としては、以下のハミング関数、ハニング関数、あるいは、ブラックマン関数が良い。
ハミング関数:Hamming(τ,X)=0.54−0.46*cos(2 π*X/2τ)
ハニング関数:Hanning(τ,X)=0.5*(1.0−cos(2π *X/2τ))
ブラックマン関数:Blackman(τ,X)=0.42−0.5*cos (2π*X/2τ)+0.08*cos(4π*X/2τ)
このような関数を用いる意味は、図29(a)に示すような位置関係において、フィルタ関数を用いて、両端アーチファクトを除くことにある。
また、この場合に用いる関数は、上記の3つの関数に限らず、端が滑らかに「0」に近づくものであれば何でも良い。
なお、上式で用いた「*」は、乗算を示す。
[アーチファクト対策2]
別のアーチファクトの要素として、図29(b)に示すような、X線コーンビームの照射開始時と終了時に発生するものが考えられる。これについても、上記、アーチファクト対策1と同様のフィルタ関数を用いることができる。
【発明の効果】
【0213】
請求項1に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、パノラマX線画像を生成するために、従来のように、旋回アームが包絡線を生成する複雑な軌道を描く必要がなく、回転中心を所定部位の中心に一致させたままで、撮影することができるので、装置構成は、局所照射X線CT撮影方法の場合と、ほとんど同じものとすることができ、装置の有効利用が図れる。
【0214】
また、X線コーンビームを曲面断層領域の所定部位にのみ局所照射して360度以下の一旋回による撮影を行うため、装置の小型化が可能であり、かつ、従来のX線CT撮影に比べて、撮影時間が大幅に短縮でき、しかも被写体に対するX線被爆量を従来のCT撮影に比べて1/20〜1/100程度に著しく軽減できる。
【0215】
また、曲面断層領域について得られたX線吸収係数の3次元分布情報を再構成してパノラマX線画像を得るので、障害骨やクラウン、インプラントなどの影響も受けにくい。
【0216】
また、患者を立位または座位としてX線を水平方向に旋回照射する縦型のX線CT撮影装置として構成できるので、設置床面積の少ない歯科医院等に適する小形X線CT装置とすることができる。
【0217】
さらに、この方法では、パノラマX線画像を生成する際のパノラマ断層面に対して所定角度だけ傾斜した投影線の方向から見た画像を重ね合わせたパノラマX線画像を得ることができるので、一方向から見ただけでは、隠れるような異物などを発見することができ、また、同じパノラマ断層面に対して、方向を変えてみることができるので、歯牙の重なりが少なくして、より明確に診断することができる。
【0218】
パノラマX線画像の場合は、上述したように、そのパノラマX線画像を生成するためのパノラマ断層面が得られるので、同じ断層面について異なる投影線の方向から見た画像を提供できる本発明の方法は、極めて診断の役に立つ。
【0219】
請求項2に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1の撮影方法における投影線とパノラマ断層面の法線とのなす所定角度を0度に限定し、局所照射撮影により一旦得られた曲面断層領域についてのX線吸収係数の3次元分布情報をパノラマ断層面への法線の方向を投影線の方向として、その投影線上のデータだけを用いてパノラマX線画像を構成することができるので、隣接歯面のう蝕の診断などを行い易いパノラマX線画像を得ることができる。
【0220】
請求項3に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1又は2のいずれかの効果に加え、演算方法を、加重平均に限定したもので、この加重平均によれば、3次元分布情報を演算するにあたって、それぞれのデータに対して経験的に得られた重み付けをすることができ、より正確なパノラマX線画像を得ることができる。
【0221】
請求項4に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1から3のいずれかの効果に加え、投影線の方向が歯牙の植立方向に対して法線の方向にもなるように構成したので、前歯などがパノラマ断層面に対して傾斜している場合でも、その前歯の正確な画像が得られ、正確な診断をすることができる。
【0222】
請求項5に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1の効果に加え、所定角度が平面的なものに限られず、パノラマ断層面に対して、上下方向、左右方向も含む立体的なものであることを明確にしたもので、歯牙の植え立て方向や重なり方向が上下方向、左右方向など立体的に傾いている場合にも対応することができる。
【0223】
請求項6に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1または5のいずれかの効果に加え、所定角度をパノラマ断層面に対して、全て等しいように設定したのでパノラマ断層面のどの部位についても等しい角度だけ傾いた投影線の方向から見たパノラマX線画像が得られるので、感覚的に把握しやすい画像となる。
【0224】
請求項7に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1、5、6のいずれかの効果に加え、投影線の方向を定める所定角度の設定方法を規定したのでこの設定方法を簡単に実施することができる。
【0225】
請求項8に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1から7のいずれかの効果に加え、旋回アームの回転中心と所定部位の中心を一致させる方法を、移動させる対象に合わせて2通り選択可能としたものであり、中心一致をさせる方法の選択肢が大きい。
【0226】
請求項9に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1から8のいずれかの効果に加え、X線コーンビームを照射した後のX線投影画像データから、オルソX線コーンビームによると見做せる部分X線投影画像データを抽出する代わりに、照射するビームそのものを当初よりオルソX線コーンビームとしたので被写体へのX線被爆量をより少なくすることができる。
【0227】
請求項10に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1から9のいずれかの効果に加え、旋回アームの旋回軸の軸方向を被写体の直立方向に対して所定角度傾けた状態で旋回アームを旋回させてX線コーンビームを照射するか、被写体の方向を傾斜させた状態で旋回アームを旋回させてX線コーンビームを照射するかして撮影するようにしたので、例えば、X線コーンビームが障害陰影となる顎骨などを透過しないような方向に照射することができ、障害陰影の影響を少なくすることができる。また、後者の方法では、旋回しない被写体の方向を傾斜させるようにしたので、装置がより簡単になる。
【0228】
請求項11に記載の局所照射X線CT撮影方法によれば、請求項1から9のいずれかの効果に加え、旋回アームの旋回軸に所定の歳差運動、つまり、すりこぎ運動をさせながら旋回アームを旋回させて照射するようにしたので、X線発生器から照射されるX線コーンビームは、単に水平に照射した場合には避けられないような障害陰影を避けることができる。
【0229】
請求項12に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項1の撮影方法を実現するもので、請求項1と同様の効果を発揮する。
【0230】
請求項13に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項2の撮影方法を実現するもので、請求項2と同様の効果を発揮する。
【0231】
請求項14に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12または13のいずれかの効果に加え、請求項3の撮影方法を実現するもので、請求項3と同様の効果を発揮する。
【0232】
請求項15に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12から14のいずれかの効果に加え、請求項4の撮影方法を実現するもので、請求項4と同様の効果を発揮する。
【0233】
請求項16に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12の効果に加え、請求項5の撮影方法を実現するもので、請求項5と同様の効果を発揮する。
【0234】
請求項17に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12または16のいずれかの効果に加え、請求項6の撮影方法を実現するもので、請求項6と同様の効果を発揮する。
【0235】
請求項18に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12、16、17のいずれかの効果に加え、請求項7の撮影方法を実現するもので、請求項7と同様の効果を発揮する。
【0236】
請求項19に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12から18のいずれかの効果に加え、請求項8の撮影方法を実現するもので、請求項8と同様の効果を発揮する。
【0237】
請求項20に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12から19のいずれかの効果に加え、請求項9の撮影方法を実現するもので、請求項9と同様の効果を発揮する。
【0238】
請求項21に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12から20のいずれかの効果に加え、請求項10の撮影方法を実現するもので、請求項10と同様の効果を発揮する。
【0239】
請求項22に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12から20のいずれかの効果に加え、請求項11の撮影方法を実現するもので、請求項11と同様の効果を発揮する。
【0240】
請求項23に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12から22のいずれかの効果に加え、曲面断層領域を歯列弓に沿うものではなく、数本の歯牙が植立している局所領域、顎関節領域又は耳鼻科領域のいずれか一つであるようにしたもので、この場合は、所定部位は、それぞれの局所領域、顎関節領域、耳鼻科領域内に定められ、これらの領域についても同様にして任意の投影線の方向から見たパノラマX線画像を得ることができる。
【0241】
請求項24に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12から23のいずれかの効果に加え、請求項12から23のいずれかに記載の撮影装置において得られる種々のパノラマX線画像を投影線の方向を角度設定手段によって変化させながら順次表示させることができる表示手段を備えているので、診療目的に合わせて画像を可変表示させることができ便利がよい。
【0242】
請求項25に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項24の効果に加え、請求項24の表示手段を、特に、投影線の方向を連続的に変化させながらパノラマX線画像を表示できるものに限定したもので、隣接歯面の診断に極めて役立つ。
【0243】
請求項26に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項24の効果に加え、請求項24の表示手段を、特に、請求項15の方法を上顎と下顎の曲面断層領域に分けて適用し、その結果得られる上顎パノラマX線画像と下顎パノラマX線画像とを1枚のパノラマX線画像に合成して表示できるものに限定したもので、それぞれの植え立て方向に対応させた画像が得られ、診療に便利である。
【0244】
請求項27に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項24から26のいずれかの効果に加え、表示手段によって、種々のパノラマX線画像を複数選択して同一画面に配列表示できるので、診療目的に合わせて表示させる画像を選択でき便利である。
【0245】
請求項28に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項27の効果に加え、請求項27の表示手段を、特に、任意の投影線の方向から見たパノラマX線画像と、従来と同様の法線の方向から見たパノラマX線画像とを並列表示するものに限定したもので、画像の比較判断ができ診療に便利である。
【0246】
請求項29に記載の局所照射X線CT撮影装置によれば、請求項12から28に記載の局所照射X線CT撮影装置として、選択的に使用可能としたので、1台の装置で種々のパノラマX線画像が得られ、また表示できるので診療に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0247】
【図1】図1(a)、(b)は、本発明の局所照射X線CT撮影方法における歯列弓のパノラマX線画像の生成方法の一例を示す基本概念説明図である。
【図2】図2(a)は、図1(a)の左臼歯の部分を拡大した部分図、(b)は、この方法によって生成されたパノラマX線画像の部分図である。
【図3】本発明の局所照射X線CT撮影方法の原理説明図(臼歯を撮影する例)である。
【図4】本発明の局所照射X線CT撮影方法の原理説明図(前歯を撮影する例)である。
【図5】(a)、(b)はX線コーンビームとX線ファンビームとの対比説明図である。
【図6】本発明のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影を行う場合に旋回アームの回転中心を設定するための所定部位を説明する図である。
【図7】本発明の歯列弓のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法の説明図である。
【図8】出射制御スリットを用いて本発明の歯列弓のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法の説明図である。
【図9】(a)は歯列弓の部分パノラマX線画像、(b)は歯列弓のパノラマX線画像の説明図である。
【図10】本発明の局所照射X線CT撮影装置の一例の基本構成図である。
【図11】本発明の局所照射X線CT撮影装置の一例の外観正面図である。
【図12】本発明の局所照射X線CT撮影装置の一例の外観側面図である。
【図13】本発明の局所照射X線CT撮影装置の操作パネルを示す正面図である。
【図14】本発明の局所照射X線CT撮影装置の画像信号処理系を示すブロック図である。
【図15】本発明の局所照射X線CT撮影装置における局所照射X線CT撮影の手順を示すフローチャートである。
【図16】図1のパノラマX線画像の生成方法を詳細に説明する概念図である。
【図17】本発明のパノラマX線画像の生成方法の他例を示す概念図である。
【図18】本発明のパノラマX線画像の生成方法の他例を示すもので、(a)は被写体である歯列弓の一例の概念図、(b)は(a)を法線である投影線γ0の方向から見た部分パノラマX線画像、(c)は法線に所定角度で交差する投影線γ1の方向から見た部分パノラマX線画像である。
【図19】(a)、(b)は本発明の局所照射X線CT撮影における歯列弓のパノラマX線画像の生成方法の他例を説明する概念図、(c)、(d)は、その方法によって得られたパノラマX線画像の一例の部分図、(e)、(f)は、従来の方法によって得られたパノラマX線画像の一例の部分図である。
【図20】図19のパノラマX線画像の生成方法を他の歯列に適用した例を示すもので、(a)はその歯列を通常の法線方向から見た場合の概念図、(b)はその場合に得られるパノラマX線画像を示す図、(c)はその歯列を歯牙の植え立て方向への法線方向の透視線の方向から見た場合の概念図、(d)はその場合に得られるパノラマX線画像を示す図である。
【図21】本発明の局所照射X線CT撮影装置に設けられた旋回軸方向設定手段と被写体支持方向設定手段を示す構成図である。
【図22】(a)、(b)は図21の旋回軸方向設定手段と被写体支持方向設定手段を用いた局所照射X線CT撮影の概念図である。
【図23】旋回アームの旋回軸を歳差運動させた場合の状態を示す図である。
【図24】(a)は局所照射X線CT撮影装置によって得られたX線吸収係数の3次元分布情報の領域を概念的に示す平面図、(b)は、その分布情報からパノラマX線画像を生成する従来の方法を概念的に示す部分平面図、(c)は、この方法で生成されたパノラマX線画像の部分図である。
【図25】本発明の局所照射X線CT撮影方法における投影データを説明する図である。
【図26】本発明の局所照射X線CT撮影方法に使用される条件関数の説明図である。
【図27】(a)、(b)は、本発明のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法の原理説明図である。
【図28】(a)、(b)は、本発明の局所照射X線CT撮影方法のアーチファクト対策の説明図である。
【図29】(a)、(b)は、本発明のパノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影方法の原理説明図である。
【図30】従来のX線CTにおいて解析される投影データを示す図である。
【図31】断層X線撮影の基本原理を解析するための数式(式1)〜(式4)を示す図である。
【図32】局所照射X線CT撮影の基本原理を解析するための数式(式5)〜(式8)を示す図である。
【図33】パノラマX線画像を生成するために用いる局所照射X線CT撮影の基本原理を解析するための数式(式9)〜(式12)を示す図である。

Claims (29)

  1. X線発生器と2次元X線イメージセンサとを対向配置させた旋回アームを備え、内部に演算処理手段を備えた局所照射X線CT撮影装置を制御して、被写体の歯列弓に沿った曲面断層領域のパノラマX線画像を生成する局所照射X線CT撮影方法であって、
    上記局所照射X線CT撮影装置が、上記旋回アームの回転中心と、上記曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位とを一致させた状態で、上記旋回アームを旋回させながら、上記X線発生器から上記所定部位のみを常に透過するX線コーンビームを局所照射し、上記2次元X線イメージセンサで上記曲面断層領域のX線投影画像データを取り出し、
    ついで、上記演算処理手段が、上記生成されたX線投影画像データを逆投影により演算処理して、上記曲面断層領域におけるX線吸収係数の3次元分布情報を算出し、
    ついで、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層領域のいずれの部位に対しても上記パノラマ断層面の法線に所定角度で交差する投影線上にあるX線吸収係数の3次元分布情報を演算し、
    この演算結果を2次元平面上に展開して、上記投影線の方向から見た上記局面断層領域のパノラマX線画像を生成し、表示手段に表示することを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  2. X線発生器と2次元X線イメージセンサとを対向配置させた旋回アームを備え、内部に演算処理手段を備えた局所照射X線CT撮影装置を制御して、被写体の歯列弓に沿った曲面断層領域のパノラマX線画像を生成する局所照射X線CT撮影方法であって、
    上記局所照射X線CT撮影装置が、上記旋回アームの回転中心と、上記曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位とを一致させた状態で、上記旋回アームを旋回させながら、上記X線発生器から上記所定部位のみを常に透過するX線コーンビームを局所照射し、上記2次元X線イメージセンサで上記曲面断層領域のX線投影画像データを取り出し、
    ついで、上記演算処理手段が、上記生成されたX線投影画像データを逆投影により演算処理して、上記曲面断層領域におけるX線吸収係数の3次元分布情報を算出し、
    ついで、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層領域のいずれの部位に対しても上記パノラマ断層面の法線を投影線とし、この投影線上にあるX線吸収係数の3次元分布情報を演算し、
    この演算結果を2次元平面上に展開して、上記投影線の方向から見た上記局面断層領域のパノラマX線画像を生成し、表示手段に表示することを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を演算処理してパノラマX線画像を得るに当たり、上記投影線上のX線吸収係数の3次元分布情報を加重平均した演算結果を2次元平面上に展開するようにしたことを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、 上記投影線の方向が、更に、上記曲面断層領域に対応する歯列弓を構成するそれぞれの歯牙の植立方向に対して法線の方向にもなるように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  5. 請求項1に記載の局所照射X線CT撮影方法において、 上記所定角度は、上記パノラマ断層面に対して上下方向、または/かつ、左右方向の任意の角度に設定可能とするように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  6. 請求項1または5のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、 上記所定角度は、上記パノラマ断層面のいずれの部位に対しても全て等しいように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  7. 請求項1、5、6のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、 上記所定角度が無段階に可変設定可能とされているか、又は、所定の複数角度から選択可能とされているか、のいずれかであることを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、 上記旋回アームの回転中心と上記所定部位の中心とを一致させるように位置調整するに当たり、上記被写体を上記旋回アームの回転中心に対して移動させるか、若しくは、上記被写体に対して上記旋回アームの回転中心を移動させるかのいずれかであることを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記X線コーンビームの内、上記パノラマ断層面に略直交するオルソX線コーンビームのみを抽出して照射し、このオルソX線コーンビームによって上記2次元X線イメージセンサに取得された部分X線投影画像データを逆投影により演算処理して上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を得て、これを2次元平面上に展開することによりパノラマX線画像を生成することを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記旋回アームの旋回軸の軸方向を、上記被写体の直立方向に対して所定角度傾けた状態で、上記旋回アームを旋回させながら撮影するか、上記旋回アームの旋回軸の軸方向に対して、上記被写体を所定角度傾けた状態で、上記旋回アームを旋回させながら撮影するかのいずれかであることを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影方法において、上記旋回アームの旋回軸に所定の歳差運動をさせながら上記旋回アームを旋回させて撮影することを特徴とする局所照射X線CT撮影方法。
  12. X線発生器と2次元X線イメージセンサとを対向配置させた旋回アームと、この旋回アームの回転中心と被写体となる歯列弓に沿った曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位の中心とを一致させる位置調整手段と、上記X線発生器から上記所定部位のみを常に透過するX線コーンビームを局所照射させながら上記旋回アームを旋回させる旋回手段と、上記2次元X線イメージセンサで取り出された上記曲面断層領域のX線投影画像データを順次記憶する画像記憶手段と、このようにして取得記憶されたX線投影画像データを逆投影により演算処理して上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を算出する演算処理手段と、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層面の法線と、この法線に交差する投影線とのなす所定角度を設定する角度設定手段とを備え、上記演算処理手段は、上記パノラマ断層面上のいずれの部位に対しても上記角度設定手段によって設定された所定角度で交差する投影線上にあるX線吸収係数の3次元分布情報を演算し、この演算結果を2次元平面上に展開することにより、上記投影線の方向から見た上記曲面断層領域のパノラマX線画像を得ることを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  13. X線発生器と2次元X線イメージセンサとを対向配置させた旋回アームと、この旋回アームの回転中心と被写体となる歯列弓に沿った曲面断層領域内あるいは上記曲面断層領域の湾曲形状内側の所定部位の中心とを一致させる位置調整手段と、上記X線発生器から上記所定部位のみを常に透過するX線コーンビームを局所照射させながら上記旋回アームを旋回させる旋回手段と、上記2次元X線イメージセンサで取り出された上記曲面断層領域のX線投影画像データを順次記憶する画像記憶手段と、このようにして取得記憶されたX線投影画像データを逆投影により演算処理して上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を算出する演算処理手段と、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層面の法線と、この法線に交差する投影線とのなす所定角度を設定する角度設定手段とを備え、
    上記角度設定手段は、上記曲面断層領域にあるパノラマ断層面上のいずれの部位に対しても上記投影線の方向が上記パノラマ断層面の法線の方向に一致するように上記所定角度を設定し、
    上記演算処理手段は、該部位について、上記投影線上にあるX線吸収係数の3次元分布情報を演算し、この演算結果を2次元平面上に展開することにより、上記投影線の方向から見た上記曲面断層領域のパノラマX線画像を得ることを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  14. 請求項12または13のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記演算処理手段は、上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報からパノラマX線画像を得るに当たり、上記投影線上のX線吸収係数の3次元分布情報を加重平均した演算結果を2次元平面上に展開するようにしたことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  15. 請求項12から14のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段は、上記投影線の方向が、更に、上記曲面断層領域に対応する歯列弓を構成するそれぞれの歯牙の植立方向に対して法線の方向にもなるよう設定できるように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  16. 請求項12に記載の局所照射X線CT撮影装置において、 上記角度設定手段は、上記所定角度を、上記パノラマ断層面に対して上下方向、または/かつ、左右方向の任意の角度に設定できるように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  17. 請求項12または16のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段は、上記所定角度を上記曲面断層領域のいずれの部位に対しても全て等しいように設定できるように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  18. 請求項12、16、17のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段が、上記所定角度を無段階に可変設定することができる可変手段、または/かつ、上記所定角度を所定の複数角度から選択することができる選択手段で構成されていることを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  19. 請求項12から18のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記位置調整手段は、上記旋回アームの回転中心と上記所定部位の中心とを一致させるように位置調整するに当たり、上記被写体を上記旋回アームの回転中心に対して移動させるか、若しくは、上記被写体に対して上記旋回アームの回転中心を移動させるかのいずれかの構成であることを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  20. 請求項12から19のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記X線コーンビームの内、上記パノラマ断層面に略直交するオルソX線コーンビームのみを抽出して照射させるX線ビーム幅調整手段を備え、上記演算処理手段は、このオルソX線コーンビームによって上記2次元X線イメージセンサ上に取得された部分X線投影画像データを逆投影により演算処理して上記曲面断層領域のX線吸収係数の3次元分布情報を得て、これを2次元平面上に展開することによりパノラマX線画像を得ることを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  21. 請求項12から20のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記旋回アームの旋回軸の軸方向を傾斜させることのできる旋回軸方向設定手段を備え、上記旋回アームの旋回軸の軸方向を、上記被写体の直立方向に対して所定角度傾けた状態で、上記旋回アームを旋回させながら撮影するか、被写体の支持方向を傾斜させることのできる被写体支持方向設定手段を備え、上記旋回アームの旋回軸の軸方向に対して、上記被写体を所定角度傾けた状態で、上記旋回アームを旋回させながら撮影するかのいずれかであることを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  22. 請求項12から20のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記旋回手段は、上記旋回アームの旋回軸に所定の歳差運動をさせながら上記旋回アームを旋回させるようにしたことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  23. 請求項12から22のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記曲面断層領域が、数本の歯牙が植立している局所領域、顎関節領域又は耳鼻科領域のいずれか一つであることを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  24. 請求項12から23のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記角度設定手段によって上記所定角度を設定しながら得られる上記パノラマX線画像を順次表示させることができる表示手段を備えたことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  25. 請求項24に記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記表示手段は、請求項18に記載の角度設定手段の可変手段によって上記所定角度を連続的に変更しながら得られる上記パノラマX線画像を順次表示させることができるように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  26. 請求項24に記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記表示手段は、請求項15において、上顎に沿った曲面断層領域の歯牙の植立方向に対する法線の方向を投影線の方向として得られる上顎パノラマX線画像と、下顎に沿った曲面断層領域の歯牙の植立方向に対する法線の方向を投影線の方向として得られる下顎パノラマX線画像とを1枚のパノラマX線画像に合成して表示できるように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  27. 請求項24から26のいずれかに記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記表示手段は、異なる条件で得られるパノラマX線画像を複数選択して同一画面に配列表示させることができるように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  28. 請求項27に記載の局所照射X線CT撮影装置において、上記表示手段は、請求項12において得られる、上記パノラマ断層面の法線に所定角度で交差する投影線からみたパノラマX線画像と、請求項13において得られる、上記パノラマ断層面への法線を投影線とし該投影線の方向から見たパノラマX線画像とを並べて同一画面上に表示できるように構成したことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
  29. 請求項12から28に記載の局所照射X線CT撮影装置として、選択的に使用可能としたことを特徴とする局所照射X線CT撮影装置。
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