JP4015095B2 - タイヤ試験装置 - Google Patents
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Description
ユニフォーミティ試験は、タイヤを回転ドラムに回転可能な状態で押し当てた状態で、何らかの方法でタイヤを回転させ、タイヤの径方向と前後方向並びにタイヤの回転軸方向の何れか、若しくは同時に複数方向の力変動を計測するように構成されている。
また、タイヤの不釣り合い量を計測する動的釣り合い試験もよく知られており、これは回転ドラムに押し付けない状態でタイヤを回転可能とする機構と、不釣り合いによりタイヤあるいはタイヤを取り付けたスピンドルに作用する回転遠心力を検出する機構が必要となるが、前記と同様な機器で構成されることがある。
これら従来の試験装置は、何らかのハウジング支持構造によって支持されたスピンドルハウジング内に軸受けが納められ、その軸受けを介して回転可能に支持されているスピンドルにタイヤを取り付け、所定の回転数で回転させるものであった。
ユニフォーミティ試験時においては、通常タイヤは回転ドラムに規定の力で押し付けられており、したがってこの時、タイヤと回転ドラムの間で生じる力は、前記の規定の押し付け力と、タイヤが発生する力の変動を合算したものである。
また、動的釣り合い試験においては、通常タイヤは回転ドラムに押し付けられておらず、したがってこの時、不釣り合いによりタイヤ或いはタイヤを取り付けたスピンドルに作用する回転遠心力を、スピンドルハウジング側に取り付けた力検出装置により計測し残留不釣り合い量(JIS B0905参照)を演算で求めるものである。
動的釣り合い試験においては、通常、タイヤの回転数が数十から1500rpmの範囲、すなわち数Hzから20Hz程度とユニフォーミティ試験と比較して高速になると考えられるが、タイヤの回転数同期成分のみを計測すれば良いので、計測が必要な周波数範囲は、精々20Hz程度以下と考えられる。
機械系固有振動数での共振の影響を排除するには、機械系固有振動数を、測定すべき最高周波数の、望ましくは3乃至4倍以上にしておく必要がある。
従って、ユニフォーミティ試験或いは動的釣り合い試験においては、前述の測定が必要な周波数範囲から考えて、機械系固有振動数は、例えば、30から60Hz以上にしておく必要があるが、機械系固有振動数をその周波数以上に保つことは、従来技術の範囲では比較的容易に達成可能と考えられる。
高速ユニフォーミティ試験で必要とされるタイヤの回転数は、最高で2000rpm程度すなわち35Hz程度と考えられる。したがって、タイヤの発生する力の変動の内、タイヤ回転数の高次成分周波数まで計測する必要があるとすると、計測が必要な最高周波数は高くなる。
従って、機械系固有振動数を可能な限り高く保つことは、高速ユニフォーミティ試験装置にとって、測定可能な周波数の上限を決める重要な技術と言える。
一般には、ハウジング支持構造を構成する要素の板厚を上げるか、あるいは構成する部材を増やす等の対策が有効と考えられるが、闇雲に実施すると重量と製作コストの増大を招く。
すなわち、支脚部を個別に基礎にアンカーボルト等で固定する方法では、下記のような幾つかの問題点があり、高い剛性を確保しづらい。
(1)基礎と接する箇所の面積を大きく取ることができないので、剛性確保上不利となる。
(2)スペースなどの制約により、アンカーボルトサイズ(即ち断面積)が小さくならざるを得ず、結果として剛性確保上不利となる。
(3)実際の施工の際に個々の支脚部間のレベル出し等の作業が非常に難しい。レベル出しを完全に行わない状態だと、基礎と支脚接地箇所の間に隙間が生じることになり、局所的な変形を生じるなどしてその箇所の剛性が極端に下がることがある。すなわち、現場での施工状況、技量、基礎の状況に大きく左右されることになる。
一般的に機械系の動剛性の向上策は、重量(特に固定部から離れた部分)の低減、或いは、剛性の増加によるが、本発明によれば、上に向かって断面積を減らすと、剛性を大きく損なわず、重量を減らして、結果、動剛性(周波数応答関数の一つで、加振力と変位の比(力/変位)を周波数の関数として示したもの)の向上に寄与する。
前記スピンドルハウジング装置及びスピンドル装置は、平面視で矩形状の一の底板の中心部に配置され、前記一の底板上に、当該底板の四隅から前記スピンドル装置の回転軸芯に向けて延設される少なくとも4本の柱が配置されており、当該4本の各柱の下端側が前記一の底板に固定され、上端側が前記スピンドルハウジング装置に固定されているのが好ましい。
このような構成とすることにより、更に固有振動数を高くすることができる。すなわち、支脚部を中心に向かって傾斜状に配置することで、単に断面積を減らした場合に対し、特に支持構造の横揺れ振動に関し、大きな剛性を得ることが可能になり、結果、固有振動数の向上に寄与する。
図1に示すものは、タイヤ試験装置の全体図である。この試験装置は、タイヤ1(図1では省略しているので図2参照)を着脱自在に装着するスピンドル装置2を回転自在に支持するスピンドルハウジング装置3と、該ハウジング装置3を固定側に支持する支持装置4とを有する。この実施の形態では、固定側とは基礎フロアを指す。更にこの試験装置は、スピンドルハウジング装置3に装着されたタイヤに回転と負荷を付与するドラム装置5を有する。
前記下部スピンドル7は、前記スピンドルハウジング装置3に回転自在に支持されている。この下部スピンドル7を回転駆動する駆動装置(図示省略)が設けられている。なお、下部スピンドル7は、この駆動装置より縁が切られて遊転自在となるよう構成されている。
前記スピンドルハウジング装置3は、筒状に形成され、ベアリング(図示省略)等により前記下部スピンドル7を回転自在に支持する。このスピンドルハウジング装置3に、タイヤのユニフォーミティを測定するための三軸ロードセル等よりなる荷重センサ(図示省略)が設けられている。
前記ドラム装置5は、前記支持装置4の側方に配置され、固定側である基礎に固定される架台15と、該架台15上に水平方向移動自在に設けられたドラムハウジング16を有する。ドラムハウジング16には、ドラム17が垂直軸姿勢で回転自在に支持されている。また、ドラムハウジング16には、ドラム17を回転駆動する駆動装置18が設けられている。
図2〜5に、前記支持装置4の詳細を示す。支持装置4の底板13は、厚板であり、その周囲をボルトなどの締結手段21により固定側の基礎に強固に固定されている。この実施の形態では、底板13は四角形の鋼板でその厚みは100mmとされその中心部に丸孔22が設けられている。外周一辺当たり四本、内周4本の計16本のボルトで基礎に固定されている。
柱23の上端には、四本の柱23を連結するように固定フレーム24が溶接で固定されている。固定フレーム24は、底板13よりも小さな相似形の四角形に形成され、その中心部に前記スピンドルハウジング装置3が固定されている。
而して、前記柱23は、前記スピンドルハウジング装置3を周方向等間隔で支持するように配置されたものとなっている。そして、柱23の断面図心が下広がりの傾斜状となるように配置されている。支持装置4に支持されたスピンドルハウジング装置3の下端と基礎フロア間には、メンテナンス用スペースが形成されている。
前記構成の実施の形態によれば、支持装置4は、鉛直上方に行くに従って、断面積を減らすことにより、固有振動数低下の要因の一つとなる、上部支持構造の固定点となる基礎から離れた部分の重量を低減する効果がある。
また、支脚部14を閉断面を有し、且つ断面の図心が鉛直上方に行くに従い、スピンドルハウジング装置中心側に傾斜する4本の柱23で支持する構造を採用しているので、高い固有振動数を保ったまま、スピンドルハウジング装置3の下部に空間を設けることができ、装置のメンテナンスなどの面で有利となる。
2 スピンドル装置
3 スピンドルハウジング装置
4 支持装置
13 底板
14 支脚部
23 柱
Claims (3)
- タイヤを着脱自在に装着し且つ回転軸芯が上下方向を向くスピンドル装置を回転自在に支持するスピンドルハウジング装置と、該ハウジング装置を固定側に支持する支持装置とを有するタイヤ試験装置において、
前記支持装置は、固定側に固定される底板と、底板上に立設されて上部が前記スピンドルハウジング装置に固定される支脚部とを有し、前記支脚部は複数個の柱で構成されており、
前記各柱は、その水平面内における断面積が上方に行くに従って減少する形状に形成されて下端から上端にかけて前記スピンドル装置の回転軸芯に向けて延設され、各柱の下端側は前記底板に固定され、各柱の上端側は前記スピンドルハウジング装置に固定されていることを特徴とするタイヤ試験装置。 - 前記スピンドルハウジング装置及びスピンドル装置は、平面視で矩形状の一の底板の中心部に配置され、前記一の底板上に、当該底板の四隅から前記スピンドル装置の回転軸芯に向けて延設される少なくとも4本の柱が配置されており、当該4本の各柱の下端側が前記一の底板に固定され、上端側が前記スピンドルハウジング装置に固定されていることを特徴とする請求項1記載のタイヤ試験装置。
- 前記柱は、前記スピンドルハウジング装置を周方向等間隔で支持するように配置され、且つ、柱の断面図心が下広がりの傾斜状となるように配置されていることを特徴とする請求項1記載のタイヤ試験装置。
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