JP4014183B2 - 位置決め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の位置決め装置に関し、特に、板状の物体を対象とした位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来技術による位置決め装置の、基本的な機構を示す図である。以下において、位置決めされる平板状物体を、対象物、または位置決め対象物と呼ぶことにする。図4において、位置決め装置は、直交する2面を有するL字形の位置決めブロック16と、二つのエアシリンダ17等の移動機構が、ベース19上に組み込まれ一体をなして構成されている。位置決めブロック16の直交する2面を基準とし、2対の位置決め爪18とエアシリンダ17を、互いに直交して変位動作させ、これらの2面に対象物1を押し当てることによって位置決めが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の位置決め装置は、2個の位置決め用のエアシリンダ17を、平面上に直交して移動するように配置する機構をとっていたために、全体的に大型となってしまい、省スペース化が困難であった。また、2個の位置決め用のエアシリンダ17は、互いに独立しており、これら二つの動作を同期するように制御することは困難であった。このため、一方の位置決め爪18によって対象物1を位置決めブロック16に押し当ててから、他方の位置決め爪18が対象物1に接触させて、位置決めブロック16に押し当てて位置決めをしていた。位置決め爪18が、対象物1に接触する際の衝撃を緩和するように制御することも容易ではなく、その結果、対象物1の材料によっては、割れ等の破損が発生してしまうといった問題があった。
【0004】
本発明は、機構全体を小型にし、位置決め移動機構の動作自体を制御するとともに、互いに垂直な二方向の動作をも同期をとって制御し、位置決め爪の接触時の衝撃に基因する位置決め対象物1の割れ、かけ等の発生を防止することができる位置決め装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による位置決め装置は、平面上で直交する2面を基準とし、一方向に移動するカムプレートと、カムプレートの移動によって、カムプレートと同一方向に変位動作するリンクと、カムプレートの移動方向と直交する方向に変位動作するリンクから構成される。
本発明による位置決め装置は、リンクの変位動作速度は、リンクを動作させるカムプレートの移動速度、またはカムプレートの動作部、すなわち、リンクが摺動する面に形成された凹部を構成する斜辺の傾斜角度に依存する。
本発明による位置決め装置では、一定の速度で移動するカムプレートの斜辺の傾斜角度は、リンクを位置決め対象物たる物品に接触させ、移動し始める速度が、リンクを位置決め対象物たる物品に接近させる速度に比べて、小さくなるように形成されている。
本発明による位置決め装置では、一定の速度で移動するカムプレートの斜辺の傾斜角度は、基準とする2面に、位置決め対象物たる物品を接触させる直前の速度が、位置決め対象物たる物品を、基準とする2面に向けて移動させ、接近させる速度に比べて、小さくなるように形成されている。
本発明による位置決め装置では、カムプレートには、互いに直交する二方向に変位動作する複数のリンクが同期するように、複数の動作部が形成されている。
【0006】
本発明によれば、平面上に、直交する2方向で物品の位置決めを行うブロックと、前記ブロックと対向する面に凹部を有し一方向に移動するカムプレートと、前記カムプレートの移動に伴って前記凹部を摺動し、前記物品を前記ブロックに押圧して位置決めする爪を備えた複数のリンク、を有し、前記爪の少なくとも1つは前記直交する2方向の一方に向けて押圧し、他の爪は前記直交する2方向の他方に向けて押圧することを特徴とする位置決め装置が得られる。
【0007】
本発明によれば、前記爪は、前記カムプレートの移動速度または前記凹部の形状によって、動作速度または動作同期が制御されることを特徴とする位置決め装置が得られる。
【0008】
本発明によれば、前記物品の押圧を開始する前の前記動作速度よりも、前記物品を押圧する前記動作速度が小さくなるように、前記凹部の形状が形成されていることを特徴とする位置決め装置が得られる。
本発明によれば、前記物品の押圧開始時の前記動作速度が最も小さくなるように、前記凹部の形状が形成されていることを特徴とする位置決め装置が得られる。
【0009】
本発明によれば、前記リンクは、固定された軸を中心に揺動し、ばねによって、前記カムプレートの前記凹部に接するよう拘束されてなることを特徴とする位置決め装置が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明による位置決め装置を示す図である。図1(a)は、1部切り欠き斜視図、図1(b)は、平面図である。
【0012】
図1において、べース14の表面に、L字形をした位置決めブロック2が取り付けられている。揺動軸10a,10b,10cは、位置決めブロック2の一方の位置決め面と平行な直線上に、べース14に固定されている。リンク7a,7b,7cは、揺動軸10a,10b,10cを中心として揺動するように取り付けられている。リンク7a,7b、7cの一方の先端には、それぞれこま12a,12b,12cが取り付けられ、他方の先端には位置決め爪6a,6b,6cが各々取り付けられている。拘束ばね8a,8b,8b,8cによって、各リンク7a,7b,7cのこま12a,12b,12cが、カムプレート5の動作部と呼ばれる部分に、常に接触するように拘束される。カムプレート5が移動すると、こま12a,12b,12cは、カムプレート5の動作部を摺動する。カムプレート5の動作部には、複数の斜辺からなる凹部が形成されている。
【0013】
カムプレート5に形成された凹部の斜辺に依存して、リンク7a,7b,7cは、カムプレート5の移動と連動して変位動作する。リンク7a,7bの位置決め爪6a,6bは、カムプレート5の移動方向に対して垂直に変位動作し、リンク7cの位置決め爪6cは平行に変位動作する。つまり、本実施の形態においては、1個のカムプレート5の移動によって、3個のリンク7a,7b,7cを変位動作させることができる。
【0014】
これらのリンク7a,7b,7cを変位動作させるカムプレート5は、アクチュエータ3と結合されている。アクチュエータ3は、べース14の下面に取り付けられ、位置決めブロック2の一方の位置決め方向と同じ方向、すなわち、揺動軸10a,10b,10cが固定された直線と平行に移動する。
【0015】
本発明の位置決め装置には、アクチュエータ3はべース14の裏面に取り付けられ、かつ、一方向に移動する一個のみが備え付けられているため、位置決め装置の機構全体が小型となる。
【0016】
図2は、本発明による位置決め装置の動作状態を示す図である。
【0017】
以下、図2を用いて、対象物1の位置決めを通して、位置決め装置の動作状態を説明する。図2(a)の状態で、対象物1が供給され、位置決めを開始する。カムプレート5がアクチュエータ3に連動して、矢印xの方向に移動する。カムプレート5が移動すると、各リンク7a,7b,7cの位置決め爪6a,6b,6cが対象物1に接近する。図2(b)の状態では、各位置決め爪6a,6b,6cが対象物1に接触し、対象物1を位置決めブロック2の直交する2面に向けて移動する。図2(c)の状態では、対象物1が位置決めブロック2の二つの基準面に接触して、最終的に位置決めされ、位置決め動作が完了する。位置決め動作完了後は、対象物1の位置は、各拘束ばね8a,8b,8cの拘束力によって保持される。
【0018】
ここで、各リンク7a,7b,7cによる変位動作の速度の制御について説明する。
【0019】
図3は、本発明の位置決め装置による動作速度制御の説明図である。図3(a)は、カムプレート5の動作部に形成された凹部の斜辺の形状の拡大図である。図3(b)は、変位動作の速度を表す図である。
【0020】
図3(a)において、カムプレート5が一定の速度で移動するとき、リンクのこまの変位速度は、カムプレート5の斜辺の各傾斜に依存する。こまの変位は、そのまま、対象物1を移動させる位置決め爪の変位に変換される。速度V1〜速度V4は、カムプレート5の斜辺の各傾斜に対応する位置決め爪の変位動作の速度である。
【0021】
本実施の形態では、この動作原理にもとづいて、図3(b)に示すように、対象物1の位置決めにおける速度を、複数の過程に分けて制御する。
【0022】
カムプレート5の移動に伴って、位置決め爪は、速度V1で対象物1に接近し、位置決め爪が対象物1に接触する直前で速度V2に減速(V2<V1)する。位置決め爪が対象物1を押して移動する段階では、速度V3に加速し(V3>V2)、対象物1が位置決めブロック2に接触する手前で、速度V4に再び減速(V4<V3)させる。このように、減速させることによって、接触時の衝撃を小さくし、対象物1を保護し、破損等の発生を防止する。
【0023】
本発明による位置決め装置は、単一のカムプレート5によって、3個のリンク7a,7b,7cを互いに垂直な二方向に変位動作することに特徴がある。しかも、単一のカムプレート5の動作部に、3個のリンク7a,7b,7cを同期して変位動作させることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によって、1個のアクチュエータによって互いに垂直な二方向の位置決めを可能とし、全体が小型にし、位置決め移動機構の動作を制御するとともに、互いに垂直な二方向の変位動作をも同期をとって制御し、位置決め動作の衝撃に基因する対象物1の破損を防止した位置決め装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置決め装置を示す図。図1(a)は、1部切り欠き斜視図。図1(b)は、平面図。
【図2】位置決め装置の動作状態を示す図。
【図3】位置決め装置による動作速度制御の説明図。図3(a)は、カムプレートに形成された凹部の斜辺の形状の拡大図。図3(b)は、変位動作の速度を表す図。
【図4】従来技術による位置決め装置の、基本的な機構を示す図。
【符号の説明】
1 対象物
2 位置決めブロック
3 アクチュエータ
4 ガイド
5 カムプレート
6a,6b,6c 位置決め爪
7a,7b,7c リンク
8a,8b,8c 拘束ばね
9a,9b,9c ばねポスト
10a,10b,10c 揺動軸
12a,12b,12c こま
13 連結プレート
14 べース
15 支柱
16 位置決めブロック
17 エアシリンダ
18 位置決め爪
19 べース
Claims (5)
- 平面上に、直交する2方向で物品の位置決めを行うブロックと、前記ブロックと対向する面に凹部を有し一方向に移動するカムプレートと、前記カムプレートの移動に伴って前記凹部を摺動し、前記物品を前記ブロックに押圧して位置決めする爪を備えた複数のリンク、を有し、前記爪の少なくとも1つは前記直交する2方向の一方に向けて押圧し、他の爪は前記直交する2方向の他方に向けて押圧することを特徴とする位置決め装置。
- 前記爪は、前記カムプレートの移動速度または前記凹部の形状によって、動作速度または動作同期が制御されることを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
- 前記物品の押圧を開始する前の前記動作速度よりも、前記物品を押圧する前記動作速度が小さくなるように、前記凹部の形状が形成されていることを特徴とする請求項2記載の位置決め装置。
- 前記物品の押圧開始時の前記動作速度が最も小さくなるように、前記凹部の形状が形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の位置決め装置。
- 前記リンクは、固定された軸を中心に揺動し、ばねによって、前記カムプレートの前記凹部に接するよう拘束されてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の位置決め装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1998
- 1998-07-13 JP JP21492398A patent/JP4014183B2/ja not_active Expired - Fee Related
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