JP4013784B2 - 緩衝装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃力を吸収するための緩衝装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、過大なトルク伝達を遮断するために緩衝装置を備えたスタータがある(特許文献1参照)。
このスタータに使用される緩衝装置は、図8に示す様に、センタケース100 と固定ディスク110 の間に回転ディスク120 を配置し、その回転ディスク120 とセンタケース100 および固定ディスク110 との間にそれぞれ摩擦力を発生させ、この摩擦力により回転ディスク120 が回転規制されることでトルク伝達を行い、回転ディスク120 に所定トルク以上の衝撃力が加わると、摩擦力に抗して回転ディスク120 が滑る(回転する)ことで衝撃力を吸収している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001-187925 号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の緩衝装置は、センタケース100 に設けられた突起部130 によって固定ディスク110 を回転規制している(固定ディスク110 に形成された孔140 が突起部130 に嵌合している)ため、軽量化のためにセンタケース100 を薄肉化すると、突起部130 の打ち出し高さが低くなる。つまり、プレスによって突起部130 を形成する場合、センタケース100 の肉厚が薄くなる程、突起部130 を高くすることが困難になる。
【0005】
このため、センタケース100 の薄肉化により突起部130 の高さが低くなると、突起部130 に固定ディスク110 の孔140 を嵌合させるために、回転ディスク120 の板厚を薄くする必要が生じる。しかし、回転ディスク120 の板厚を薄くすると、緩衝装置の滑りトルクを高い値に設定すること(高トルク化)が困難となる。また、回転ディスク120 の板厚が薄くなる分、緩衝装置の寿命が低下するという問題も生じる。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、滑りトルクの低下および寿命低下を招くことなく、軽量化を実現できる緩衝装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)
本発明は、後述する回転ディスクと摩擦接触する環状の摩擦面を有し、この摩擦面に対して後述する固定ディスク側へ突出する段差部が設けられ、この段差部に複数の突起部が設けられ、回転不能に配置されたベース部材と、
このベース部材に設けられた複数の突起部に嵌合して回転規制された固定ディスクと、
ベース部材と固定ディスクとの間に配置され、両者に対し回転可能に設けられたリング形状の回転ディスクとを備え、
段差部は、前板部の内径から半径方向外側へ所定の幅でリング形状に設けられ、
回転ディスクとベース部材及び固定ディスクとの間にそれぞれ摩擦力を発生させることで回転ディスクを回転規制し、回転ディスクに前記摩擦力を超える回転トルクが加わった時に、回転ディスクが回転することで動力伝達系に加わる衝撃力を吸収する緩衝装置であって、
段差部は、ベース部材の中心から同一半径上で前記ベース部材の半径方向外側へ円弧形状に拡大する複数の円弧形状部を有し、その複数の円弧形状部にそれぞれ突起部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成では、ベース部材に設けられた段差部に突起部が設けられるので、段差部の高さ分だけ、摩擦面から突起部の高さ方向先端までの高さを高くできる。これにより、ベース部材の肉厚を薄くした場合でも、回転ディスクの板厚を薄くすることなく、固定ディスクを突起部に嵌合して回転規制することができる。
その結果、滑りトルクの低下および緩衝装置の寿命低下を抑制でき、ベース部材の薄肉化により軽量化を実現できる。
また、段差部の高さに応じて回転ディスクの板厚を任意に変更できるので、滑りトルクを広範囲に設定可能となる。
更に、回転ディスクは、複数の突起部に嵌合して取り付けられ、各円弧状部によって芯出しされるので、衝撃力が加わった時に回転ディスクの回転が安定し、滑りトルクが安定するため、信頼性の高い緩衝装置を提供できる。
【0008】
(請求項2の手段)
緩衝装置は、後述する回転ディスクと摩擦接触する環状の摩擦面を有し、この摩擦面に対して後述する固定ディスク側へ突出する段差部が設けられ、この段差部に複数の突起部が設けられ、回転不能に配置されたベース部材と、このベース部材に設けられた複数の突起部に嵌合して回転規制された固定ディスクと、ベース部材と固定ディスクとの間に配置され、両者に対し回転可能に設けられたリング形状の回転ディスクとを備え、この回転ディスクとベース部材及び固定ディスクとの間にそれぞれ摩擦力を発生させることで回転ディスクを回転規制し、回転ディスクに摩擦力を超える回転トルクが加わった時に、回転ディスクが回転することで動力伝達系に加わる衝撃力を吸収する緩衝装置であって、段差部は、ベース部材の周方向に分割して複数箇所に設けられ、且つ個々の段差部がベース部材の中心から同一半径上にあり、個々の段差部にそれぞれ突起部が設けられていることを特徴とする。
これにより、請求項1の手段に記載した効果を得ることができる。
【0009】
(請求項3の手段)
請求項1または請求項2に記載した緩衝装置において、ベース部材は、段差部がプレス加工により設けられていることを特徴とする。
ベース部材を薄肉化することにより、段差部をプレス加工により形成することができる。これにより、段差部を切削加工で設ける場合と比較すると、加工コストが安く、且つ歩留りも向上するため、緩衝装置の製造コストを低減できる。
【0010】
(請求項4の手段)
請求項1または請求項2に記載した緩衝装置において、ベース部材は、回転ディスクの内周面を支持して回転ディスクの芯出しを行う芯出し部を有し、この芯出し部が段差部によって形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、回転ディスクが芯出し部(段差部)によって芯出しされるので、回転ディスクの回転が安定して、滑りトルクが安定する。
【0011】
(請求項5の手段)
請求項4に記載した緩衝装置において、芯出し部として機能する段差部の側面には、回転ディスクの内周面を支持するガイド面を形成するために切欠き部が設けられていることを特徴とする。
この場合、切欠き部によって形成されるガイド面に回転ディスクの内周面が支持されると共に、切欠き部を設けることによって回転ディスクの内周角部とベース部材との干渉を回避できるので、回転ディスクの芯出しを精度良く、且つ安定して行うことができる。また、プレス加工時に段差部の側面をベース部材の平面(摩擦面を含む面)と直角に設ける必要がないので、高精度なプレス加工が不要である。
【0012】
(請求項6の手段)
請求項5に記載した緩衝装置において、切欠き部は、段差部の側面全周に設けられていることを特徴とする。
この場合、切欠き部によって形成されるガイド面を段差部の側面全周に設けることができるので、回転ディスクの芯出しを良好に行うことができる。
【0013】
(請求項7の手段)
請求項に記載した緩衝装置において、切欠き部は、段差部の側面のうち回転ディスクの内周面を支持する部分のみに設けられていることを特徴とする。
この場合、段差部の側面全周に切欠き部を設ける必要がなく、回転ディスクの内周面を支持する部分のみに設ければ良いので、切欠き部を設けることによるベース部材の肉厚減少部を少なくでき、ベース部材の強度低下を小さくできる。
【0014】
(請求項8の手段)
請求項1または請求項2に記載した緩衝装置において、ベース部材は、リング形状を有する前板部の内径側と外径側とにそれぞれ円筒壁部が一体に設けられて、その内側に固定ディスク及び回転ディスクを収容する緩衝装置のケースとして構成され、前板部に摩擦面及び段差部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、前板部の内径側と外径側とにそれぞれ円筒壁部が設けられるので、前板部の剛性が高くなる。その結果、固定ディスクに回転ディスクを押圧する際に生じる反力による変形に対し強くなる。これにより、ベース部材の肉厚をより一層薄肉化することが可能である。
【0015】
(請求項9の手段)
請求項1または請求項2に記載した緩衝装置を、エンジンを始動するためのスタータに用いることにより、スタータの動力伝達系に加わる過大トルクを吸収できるので、信頼性に優れたスタータを実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の緩衝装置をスタータに用いた実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は減速装置と緩衝装置の構造を示す断面図、図2はスタータの全体図である。
本実施例のスタータ1は、図2に示すように、回転力を発生するモータ2と、このモータ2の回転力が伝達されて回転する出力軸3、この出力軸3上に一方向クラッチ4と共に配置されるピニオン5、モータ2の通電電流をON/OFFする電磁スイッチ6、及びスタータ1の動力伝達系に加わる過大なトルクを吸収する緩衝装置(後述する)等より構成される。
【0019】
モータ2は、電機子7と界磁(ヨーク8、界磁極9、界磁巻線10)、および電機子7に設けられる整流子(図示せず)上に配置されるブラシ(図示せず)等から構成される周知の直流電動機であり、図示しないIGスイッチがONされて、電磁スイッチ6によりモータ接点(図示しない)が閉じると、バッテリ電流がブラシに給電され、そのブラシが接触する整流子を介して電機子7に通電されることにより、電機子7に回転力を発生する。
【0020】
出力軸3は、以下に記載する減速装置を介して電機子7の回転軸7aと同軸線上に配置され、電機子7の回転が減速装置を介して伝達される。
減速装置は、図1に示す様に、回転軸7aの前端部に形成されたサンギヤ11に噛み合う複数の遊星ギヤ12と、この遊星ギヤ12に噛み合うリング形状のインターナルギヤ13とで構成される遊星歯車減速装置である。遊星ギヤ12は、出力軸3の後端フランジ部3aに圧入固定されたピン14に軸受15を介して回転自在に支持され、サンギヤ11の回転を受けて自転運動と公転運動を行うことにより、その公転運動が回転出力として出力軸3に伝達される。
【0021】
一方向クラッチ4は、図示しないローラを介してアウタからインナへ動力伝達を行う周知のローラ式クラッチであり、アウタと一体に設けられたスプラインチューブ16が出力軸3に設けられるヘリカルスプラインに結合して出力軸3上を移動可能に設けられている。
ピニオン5は、一方向クラッチ4のインナと一体に設けられ、エンジン始動時に一方向クラッチ4と共に出力軸3上を移動してエンジンのリングギヤ17に噛み合い、モータ2の回転力をリングギヤ17に伝達する。
【0022】
電磁スイッチ6は、IGスイッチのON操作によって通電される励磁コイル(図示せず)と、この励磁コイルの内側を往復動可能に挿入されたプランジャ18とを有し、励磁コイルが通電されるとプランジャ18を吸引する磁力が発生し、その磁力を受けてプランジャ18が移動する(図2の右方向へ移動する)ことにより、前記モータ接点をONする。
また、電磁スイッチ6は、プランジャ18を吸引することにより、そのプランジャ18に連結されたシフトレバー19を介して一方向クラッチ4と共にピニオン5をリングギヤ17側へ付勢する。
【0023】
緩衝装置は、図1に示すように、減速装置の反モータ側に配置され、以下に説明するセンタケース20、回転ディスク21、固定ディスク22、皿ばね23等により構成される。
センタケース20は、出力軸3と直交して出力軸3の外周に配置されるリング形状の前板部20Aと、この前板部20Aの内径端より軸方向後方(図1の右方向)へ筒状に延びる内側円筒部20B、及び前板部20Aの外径端より軸方向後方へ筒状に延びる外側円筒部20Cとを有し、1枚の金属板をプレス加工して形成されている。
【0024】
前板部20Aは、回転ディスク21と摩擦接触する環状の摩擦面20a(図3(a),(c) 参照)を有し、この摩擦面20aより内径側に、摩擦面20aに対して固定ディスク22側(図1の右側)へ突出する段差部20bが設けられ、この段差部20bに更に複数個の突起部20cが設けられている。
段差部20bは、図3(b),(c) に示す様に、前板部20Aの内径から半径方向外側へ所定の幅でリング形状に設けられ、そのリング形状の外径部に複数(本実施例では6箇所)の円弧部20dが設けられている。この円弧部20dは、リング形状の半径方向外側に向かって半円形状に突き出て設けられ、周方向に等間隔に配置されている。
【0025】
複数個の突起部20cは、図3(b),(c) に示す様に、センタケース20の中心Oから同一半径上(上記リング形状の外径上)にあり、且つ上記の各円弧部20d上に設けられている。
内側円筒部20Bは、自身の内周に軸受24が圧入され、その軸受24を介して出力軸3の後端部を回転可能に支持している。
外側円筒部20Cは、インターナルギヤ13の外周を覆ってモータ2側まで延設され、その後端部が、ヨーク8の前端部にインロー嵌合して組み付けられている。
【0026】
回転ディスク21は、金属板をプレス加工してリング形状に設けられ、前板部20Aに設けられた段差部20b(各円弧部20d)の外周に嵌合して、前板部20Aの摩擦面20aに当接して配置される。なお、回転ディスク21の内径は、段差部20bの各円弧部20dが内接する外周円を仮想した時に、その外周円の内径と略同等(若干大きい)に設けられている。
【0027】
回転ディスク21の外径部には、複数の爪部21a(図1参照)が設けられ、この爪部21aがインターナルギヤ13の軸方向先端部に設けられた切欠き溝13aに挿入され、インターナルギヤ13と相対回転できない様に結合されている。従って、インターナルギヤ13は、回転ディスク21がセンタケース20の前板部20Aと固定ディスク22との間に押圧されて回転規制されることにより、その回転ディスク21と共に回転規制される。
【0028】
固定ディスク22は、回転ディスク21と同様に金属板をプレス加工してリング状に形成され、前板部20Aとの間に回転ディスク21を挟み込んで配置される。この固定ディスク22には、周方向等間隔に複数の穴22aが開けられ、この穴22aが前板部20Aに設けられた突起部20cに嵌合することにより、センタケース20に対して回転規制されている。
【0029】
皿ばね23は、固定ディスク22の反回転ディスク側に配置され、自身の弾力により固定ディスク22を回転ディスク21側へ押圧している。
緩衝装置の滑りトルク、つまり回転ディスク21が前板部20A及び固定ディスク22との間に生じる摩擦力に抗して回転するために必要なトルクは、皿ばね23の初期荷重に応じて設定される。その皿ばね23の初期荷重は、センタケース20の内側円筒部20Bに設けられるかしめ部20eのかしめ量(かしめ高さ)によって調整できる。
【0030】
次に、スタータ1の作動を説明する。
IGスイッチのON操作により、電磁スイッチ6の励磁コイルが通電されると、プランジャ18が吸引されて図2の右方向へ移動することにより、シフトレバー19を介して一方向クラッチ4と共にピニオン5が出力軸3上を前方(図2の左方向)へ押し出され、一旦リングギヤ17に当接して停止する。
一方、プランジャ18が吸引されてモータ接点がONすると、電機子7にバッテリ電流が通電されて電機子7に回転力が発生し、その電機子7の回転が減速装置で減速されて出力軸3に伝達される。
【0031】
出力軸3の回転は、一方向クラッチ4を介してピニオン5に伝達され、ピニオン5がリングギヤ17と噛み合い可能な位置まで回転してリングギヤ17に噛み合うと、ピニオン5からリングギヤ17に回転力が伝達されてエンジンを始動させる。
エンジン始動後、IGスイッチのOFF 操作により、励磁コイルへの通電が停止して磁力が消滅すると、それまで吸引されていたプランジャ18が初期位置(図2に示す位置)へ押し戻されることにより、ピニオン5がリングギヤ17から離脱して、一方向クラッチ4と共に出力軸3上を後退する。また、電磁スイッチ6のモータ接点が開くことにより、電機子7への通電が停止して回転を停止する。
【0032】
次に、緩衝装置の作用について説明する。
緩衝装置は、インターナルギヤ13を介して回転ディスク21に所定トルク以上の衝撃力が加わると、摩擦力によって静止していた回転ディスク21が回転することで衝撃力を吸収する。即ち、ピニオン5がリングギヤ17に噛み合う時に生じる衝撃力が、出力軸3を介して減速装置のインターナルギヤ13に伝わると、それまで静止していた回転ディスク21がセンタケース20の前板部20A及び固定ディスク22に対し回転方向に滑ることにより、回転ディスク21と共にインターナルギヤ13が回転することができる。これにより、所定トルク以上の衝撃力が電機子7からピニオン5までの動力伝達系に加わることを防止できる。
【0033】
(第1実施例の効果)
本実施例の緩衝装置は、センタケース20の前板部20Aに段差部20bを設け、更にその段差部20bに突起部20cを設けているので、段差部20bの高さ分だけ、前板部20Aの表面(摩擦面20a)から突起部20cの高さ方向先端までの高さを高くできる。これにより、前板部20Aの肉厚を薄くした場合でも、回転ディスク21の板厚を薄くすることなく、固定ディスク22を突起部20cに嵌合して回転規制することができる。
【0034】
この結果、前板部20Aの肉厚を薄くした場合でも、回転ディスク21の板厚を薄くする必要がないので、滑りトルクの低下および緩衝装置の寿命低下を抑制でき、前板部20Aの薄肉化によるセンタケース20の軽量化を実現できる。また、段差部20bの高さに応じて回転ディスク21の板厚を任意に変更できるので、滑りトルクを広範囲に設定可能となる。
【0035】
また、センタケース20を薄肉化できるので、段差部20bをプレス加工により形成することが容易である。これにより、段差部20bを切削加工で設ける場合と比較すると、加工コストが安く、且つ歩留りも向上するため、緩衝装置の製造コストを低減できる。
更に、回転ディスク21は、各円弧部20dの外周に嵌合して取り付けられ、その各円弧部20dによって芯出しされるので、衝撃力が加わった時に回転ディスク21の回転が安定し、滑りトルクが安定するため、信頼性の高い緩衝装置を提供できる。
【0036】
(第2実施例)
図4は段差部20b(円弧部20d)の側面に設けられる切欠き部25の断面図である。
本実施例は、第1実施例に記載した円弧部20dの外径側面(回転ディスク21の内周面を支持する部分)に切欠き部25を設けた一例である。
段差部20bをプレス加工によって形成した場合に、前板部20Aの表面(摩擦面20a)と段差部20bの側面とが交差する内側角部にR部が残り(内側角部が直角にならない)、このR部に回転ディスク21の内周角部が乗り上げると、前板部20Aと回転ディスク21との間に生じる摩擦力が低下して、滑りトルクが安定しないという問題が生じる。
【0037】
これに対し、図4および図5に示す様に、円弧部20dの外径側面に切欠き部25を設けることにより、上記R部を取り除くことができ、且つ切欠き部25によって摩擦面20aと垂直なガイド面26を形成することができる。
これにより、回転ディスク21の内周角部がR部に乗り上げることはなく、前板部20A(摩擦面20a)と回転ディスク21との間に生じる摩擦力の低下を防止できる。また、回転ディスク21は、切欠き部25によって形成されたガイド面26に支持されることで良好に芯出しされるので、衝撃力を受けた時に回転ディスク21の回転が安定する。
【0038】
なお、切欠き部25は、図5に示す様に、回転ディスク21の内周面を支持する部分のみに設けられている。つまり、切欠き部25を段差部20bの側面全周に設ける必要がないので、切欠き部25を設けることによる前板部20Aの肉厚減少部を少なくでき、前板部20Aの強度低下を小さくできる。
【0039】
参考例)
図6はセンタケース20の断面図(a)、センタケース20の軸方向外側から見た平面図(b)、センタケース20の軸方向内側から見た平面図(c)である。
参考例は、図6(b)、(c)に示す様に、前板部20Aに設けられる段差部20bの外形状を円形とした場合の一例である。
この場合、第1実施例に対して段差部20bの形状が異なるだけであり、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0040】
また、第2実施例と同じく、段差部20bの側面に切欠き部25を設けることにより、回転ディスク21の芯出し精度を向上できる。この場合、本参考例では、第2実施例の場合と同じく、回転ディスク21の内周面を支持する部位のみ切欠き部25を設ければ良いので、切欠き部25を設けることによる前板部20Aの肉厚減少部を少なくでき、前板部20Aの強度低下を小さくできる。
【0041】
(第実施例)
図7はセンタケース20の断面図(a)、センタケース20の軸方向外側から見た平面図(b)、センタケース20の軸方向内側から見た平面図(c)である。
本実施例は、図7(b)、(c)に示す様に、突起部20c毎に段差部20bを分割して設けた場合の一例である。
本発明の緩衝装置は、前板部20Aの表面(摩擦面20a)から突起部20cの先端面までの高さを高くできれば良いので、突起部20cを設ける部分だけに段差部20bを分割して設けても良い。この場合も、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0042】
また、第2実施例と同じく、段差部20bの側面に切欠き部25を設けることにより、回転ディスク21の芯出し精度を向上できる。この場合、第3実施例では、段差部20bの側面全周に切欠き部25を設けているが、本実施例では、第2実施例の場合と同じく、回転ディスク21の内周面を支持する部位のみ切欠き部25を設ければ良いので、切欠き部25を設けることによる前板部20Aの肉厚減少部を少なくでき、前板部20Aの強度低下を小さくできる。
【0043】
(変形例)
第1実施例では、本発明の緩衝装置をスタータ1に用いた例を記載したが、スタータ1以外の動力伝達装置に適用することもできる。
また、本発明の緩衝装置は、その機能上、ブレーキ装置やクラッチ装置としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 減速装置と緩衝装置の構成を示す断面図である。
【図2】 スタータの全体図である。
【図3】 センタケースの断面図(a)、センタケースの軸方向外側から見た平面図(b)、センタケースの軸方向内側から見た平面図(c)である(第1実施例)。
【図4】 段差部の側面に設けられる切欠き部の断面図である(第2実施例)。
【図5】 センタケースの断面図(a)とセンタケースの軸方向内側から見た平面図(b)である(第2実施例)。
【図6】 センタケースの断面図(a)、センタケースの軸方向外側から見た平面図(b)、センタケースの軸方向内側から見た平面図(c)である(参考例)。
【図7】 センタケースの断面図(a)、センタケースの軸方向外側から見た平面図(b)、センタケースの軸方向内側から見た平面図(c)である(第実施例)。
【図8】 緩衝装置の断面図である(従来技術)。
【符号の説明】
1 スタータ
20 センタケース(ケース)
20A 前板部(ベース部材)
20B 内側円筒部(円筒壁部)
20C 外側円筒部(円筒壁部)
20a 摩擦面
20b 段差部
20c 突起部
20d 円弧部(円弧形状部)
21 回転ディスク
22 固定ディスク
25 切欠き部
26 ガイド面

Claims (9)

  1. 後述する回転ディスクと摩擦接触する環状の摩擦面を有し、この摩擦面に対して後述する固定ディスク側へ突出する段差部が設けられ、この段差部に複数の突起部が設けられ、回転不能に配置されたベース部材と、
    このベース部材に設けられた複数の突起部に嵌合して回転規制された固定ディスクと、
    前記ベース部材と前記固定ディスクとの間に配置され、両者に対し回転可能に設けられたリング形状の回転ディスクとを備え、
    前記段差部は、前板部の内径から半径方向外側へ所定の幅でリング形状に設けられ、
    前記回転ディスクと前記ベース部材及び前記固定ディスクとの間にそれぞれ摩擦力を発生させることで前記回転ディスクを回転規制し、前記回転ディスクに前記摩擦力を超える回転トルクが加わった時に、前記回転ディスクが回転することで動力伝達系に加わる衝撃力を吸収する緩衝装置であって、
    前記段差部は、前記ベース部材の中心から同一半径上で前記ベース部材の半径方向外側へ円弧形状に拡大する複数の円弧形状部を有し、その複数の円弧形状部にそれぞれ前記突起部が設けられていることを特徴とする緩衝装置。
  2. 後述する回転ディスクと摩擦接触する環状の摩擦面を有し、この摩擦面に対して後述する固定ディスク側へ突出する段差部が設けられ、この段差部に複数の突起部が設けられ、回転不能に配置されたベース部材と、
    このベース部材に設けられた複数の突起部に嵌合して回転規制された固定ディスクと、
    前記ベース部材と前記固定ディスクとの間に配置され、両者に対し回転可能に設けられたリング形状の回転ディスクとを備え、
    この回転ディスクと前記ベース部材及び前記固定ディスクとの間にそれぞれ摩擦力を発生させることで前記回転ディスクを回転規制し、前記回転ディスクに前記摩擦力を超える回転トルクが加わった時に、前記回転ディスクが回転することで動力伝達系に加わる衝撃力を吸収する緩衝装置であって、
    前記段差部は、前記ベース部材の周方向に分割して複数箇所に設けられ、且つ個々の段差部が前記ベース部材の中心から同一半径上にあり、前記個々の段差部にそれぞれ前記突起部が設けられていることを特徴とする緩衝装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載した緩衝装置において、
    前記ベース部材は、前記段差部がプレス加工により設けられていることを特徴とする緩衝装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載した緩衝装置において、
    前記ベース部材は、前記回転ディスクの内周面を支持して前記回転ディスクの芯出しを行う芯出し部を有し、この芯出し部が前記段差部によって形成されていることを特徴とする緩衝装置。
  5. 請求項4に記載した緩衝装置において、
    前記芯出し部として機能する前記段差部の側面には、前記回転ディスクの内周面を支持するガイド面を形成するために切欠き部が設けられていることを特徴とする緩衝装置。
  6. 請求項5に記載した緩衝装置において、
    前記切欠き部は、前記段差部の側面全周に設けられていることを特徴とする緩衝装置。
  7. 請求項5に記載した緩衝装置において、
    前記切欠き部は、前記段差部の側面のうち前記回転ディスクの内周面を支持する部分のみに設けられていることを特徴とする緩衝装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載した緩衝装置において、
    前記ベース部材は、リング形状を有する前板部の内径側と外径側とにそれぞれ円筒壁部が一体に設けられて、その内側に前記固定ディスク及び前記回転ディスクを収容する前記緩衝装置のケースとして構成され、前記前板部に前記摩擦面及び前記段差部が設けられていることを特徴とする緩衝装置。
  9. 請求項1または請求項2に記載した緩衝装置は、
    エンジンを始動するためのスタータに用いられることを特徴とする緩衝装置。
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