JP4013736B2 - 木質繊維集積板及びパチンコ台のゲージ盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質繊維集積板、及びパチンコ台のゲージ盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
木質繊維をバインダーにより結合して一体的に成形された木質繊維集積板は、種々の用途に用いられているが、その用途の一つにパチンコ台のゲージ盤がある。パチンコ台のゲージ盤とは、パチンコ球の流れを案内するための前面板のことをいう。木質繊維集積板をパチンコ台のゲージ盤として用いようとする場合、釘が打ちやすく、しかも釘の保持力が良好であることが望まれる。
しかし、木質繊維集積板のうち、通常用いられるMDF(中密度木材繊維集積板)等では、プレス成形の特性から、成形品の表面部に密度が比較的高い層、いわゆる岩盤層といわれる層ができやすく、この岩盤層が硬いと、釘が打てない、又は打てても釘が曲がってしまうという問題が生じる。釘が打ちやすいように、木質繊維集積板の岩盤層の密度や、全体の平均密度を下げると、木質繊維集積板全体の強度や、釘の保持力が低下してしまう。このように、釘の打ちやすさと、釘の保持力の両方を良好にすることは非常に困難であり、パチンコ台のゲージ盤としては、もっぱらラワンメランティー等の貴重な木材資源を使用した合板に頼っていた。
【0003】
上記のような問題点を解決するために、密度分布が一定の範囲内であり、密度が高い岩盤層が存在しない木質繊維集積板が提案されている(特許文献1参照。)。具体的には、密度分布が0.52g/cm3〜1.0g/cm3の範囲であって、密度が0.80g/cm3以上の層が存在しないか、又は表面部に厚さ2mm未満に存在する木質繊維集積板が提案されている。
この特許文献1によれば、密度1.0g/cm3以上の層が存在する場合、特に、密度0.8g/cm3以上で厚さが2mmを超える層が表面部に存在する場合には、釘が打ちにくくなり、釘が曲がりやすくなるとされていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−141324号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の木質繊維集積板を製造し評価したところ、釘打ち性と釘保持力にばらつきがあり、安定した性能を得るためには課題があることがわかった。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、釘打ち性、釘保持力に優れる、安定した性能を有しており、かつ低コストで製造できる木質繊維集積板、及び該木質繊維集積板からなるパチンコ台のゲージ盤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、密度が1.0g/cm3以上の岩盤層の厚さを制限して形成することにより、良好な釘打ち性、及び釘保持力が得られることを見出した。すなわち、密度1.0g/cm3以上の層の厚さが表面部の2.5mm以下であり、木質集積板全体の平均密度が0.69〜0.76g/cm3の範囲であることによって、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、木質繊維が、メラミン樹脂100重量部に対しポリメチレン・ジフェニル・ジイソシアネート3〜80重量部を組み合わせたバインダーによって結合され一体的に成形された木質繊維集積板であって、全体の平均密度が0.69〜0.76g/cm3の範囲であり、表面部に厚さ1.0mm以上2.5mm以下の表面層を有し、該表面層の密度が1.0g/cm3以上1.3g/cm 3 以下であることを特徴とする木質繊維集積板である。
また、本発明は、前記バインダーが付着した木質繊維を、180〜220℃の成形温度により、熱圧成形したことを特徴とする木質繊維集積板である。
また、本発明は、前記木質繊維集積板であって、厚さが15〜25mmの範囲である木質繊維集積板からなるパチンコ台のゲージ盤である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。なお、この実施形態は本発明の要旨を説明するためのものであり、特に限定のない限り本発明を限定するものではない。
【0008】
図1は本発明に係る木質繊維集積板の一実施形態を示す断面図である。この木質繊維集積板1は、木質繊維4がバインダー5によって結合され一体的に成形されてなっている。この木質繊維集積板1は、芯層3と、芯層3の両表面側の表面層2,2とから形成されており、表面層2は、密度が1.0g/cm3以上であり、厚さt2が2.5mm以下である。さらに、この木質繊維集積板1全体の平均密度は、0.69〜0.76g/cm3の範囲である。
【0009】
木質繊維集積板1の厚さt1は、15〜25mm、好ましくは17〜20mmである。芯層3の厚さt3は、好ましくは12〜18mmである。
表面層2の厚さt2は2.5mm以下であり、さらに、2.2mm以下であることが好ましい。表面層2の厚さt2が2.5mm以下であると、良好な釘打ち性及び釘保持力が得られる。また表面層2の厚さt2は0.7mm以上であり、さらに1.0mm以上であることが好ましい。表面層2の厚さt2が0.7mm未満であると、十分な釘保持力を有することができなくなるため好ましくない。
【0010】
表面層2の密度は1.0g/cm3以上であることが好ましい。表面層2の密度が1.0g/cm3以上であると、木質繊維集積板1の釘保持力がよくなるからである。また、表面層2の密度は、1.3g/cm3以下であることが好ましい。表面層2の密度が1.3g/cm3以下であると、木質繊維集積板1の釘打ち性がよくなるからである。
また、木質繊維集積板1全体の平均密度は、0.69〜0.76g/cm3の範囲であり、好ましくは、0.70〜0.74g/cm3あることが好ましい。表面層2の密度及び木質繊維集積板1全体の平均密度が上記の範囲内であると、木質繊維集積板1の釘打ち性がよくなり、釘保持力も良好である。
【0011】
本発明の木質繊維集積板1を製造するための木質繊維4としては、針葉樹又は広葉樹等の木材をチッパーでチップ化し、解繊したものが用いられる。
木質繊維4の大きさは、長さが0.1〜10mm、且つ直径(太さ)が2〜300μmであることが好ましい。また、このように、長さが0.1〜10mmで、且つ直径2〜300μmの大きさの木質繊維4が、木質繊維集積板1の製造のために用いる木質繊維4の総量中、約70重量%、好ましくは約85重量%以上であることが好ましい。
木質繊維4の長さが10mmより長いか、又は太さが300μmより大きいと木質繊維集積板1に釘を真直ぐに打ち難く、釘保持力及び釘打ち性にばらつきを生じるため好ましくない。木質繊維4の長さが0.1〜10mmであり、且つ、長さが0.1〜10mmであると、木質繊維集積板1に釘を真直ぐに打ち易くなり、且つ、良好な釘保持力を得ることができる。なお、木質繊維の長さ、直径は、顕微鏡観察によって求めることができる。
【0012】
木質繊維4は、以下のようにして製造することができる。すなわち、広葉樹又は針葉樹等の木材をチッパーでチップ化し、得られたチップを解繊する。解繊には、150℃程度の高圧蒸気により蒸煮した後、ディスクリファイナーによって解繊する方法等が用いられる。解繊によって得られた木質繊維4はアセチル化して用いることもできるが、アセチル化しないで用いてもよい。
本発明によれば、表面層の厚さと密度を規定し、且つ全体の平均密度を一定の範囲に定めていることにより、良好な釘打ち性、釘保持力を有する木質繊維集積板が得られるため、木質繊維4がアセチル化されていなくとも、釘打ち性、釘保持力等に優れた木質繊維集積板を得ることができる。
木質繊維集積板1の総重量中、木質繊維4の重量(但し、絶乾重量)が約70重量%、好ましくは85重量%以上であると、釘打ち性、釘保持力に優れた木質繊維集積板1が得ることができる。
【0013】
木質繊維4を結合するためのバインダー5として、例えば、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリメチレン・ジフェニル・ジイソシアネート(以下、MDIと記載する。)等が挙げられる。これらのバインダー5は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのバインダーのうち、メラミン樹脂とMDIとを用いることが好ましい。メラミン樹脂とMDIとを組み合わせて用いることにより、良好な釘保持力を得ることができる。
【0014】
バインダー5の使用量は、木質繊維繊維4の絶乾重量100重量部に対して、固形分で5〜25重量部であることが好ましい。バインダー5の量が5重量部未満では木質繊維4を結合して成形することが困難になり、且つ、釘保持力が弱く、曲げ強度が弱い。バインダー5の量が25重量部を越えても特に向上する効果はなく、バインダー5の使用量が過剰であるためコストが高くなるため好ましくない。
メラミン樹脂とMDIとをバインダー5として用いる場合、メラミン樹脂100重量部に対して、MDIを3〜80重量部、好ましくは10〜65重量部の割合で用いることが好ましい。MDIが、3重量部より少ないと、木質繊維集積板1の耐水性が低下する傾向にあり、80重量部より多いと離型性が不利となる。
【0015】
さらに、メラミン樹脂とMDIとをバインダー5として用いる場合、木質繊維4にメラミン樹脂とMDIとを別々に塗布することが好ましい。
メラミン樹脂とMDIとを別々に塗布する場合、木質繊維4の絶乾燥重量100部に対して、メラミン樹脂は5〜25重量部、好ましくは、6〜20重量部の割合であり、MDIは、0.5〜20重量部、好ましくは、1〜15重量部の割合であることが好ましい。この場合、メラミン樹脂とMDIとを塗布する順序は任意である。
【0016】
次に、本発明の木質繊維集積板1の製造方法を説明する。
まず、上述のような木質繊維4とバインダー5とを混合して、木質繊維4の表面上にバインダー5を付着させることにより、木質繊維集積板1を一体化して成形するための木質繊維材を調製する。木質繊維とバインダーとの混合方法は任意であるが、例えば、スプレー方式で塗布する方法が採用できる。すなわち、低速で回転する回転ドラム内に、大きさが調整された木質繊維を入れ、前記回転ドラム内で木質繊維が自然落下する際にバインダーを木質繊維にスプレー塗布する方法が好適である。
【0017】
次に、上記のようにして得られた木質繊維材を熱圧成形することにより木質繊維4をバインダー5により結合した木質繊維集積板1が得られる。熱圧成形により、木質繊維材中のバインダー5は反応して硬化し、木質繊維4はバインダー5の硬化物によって結合される。熱圧成形温度はバインダーの種類にも依るが、約150〜230℃であり、好ましくは、180〜220℃である。また、熱圧成形を行う時間は、成形厚さ1mmに対して、8〜40sec/mm、さらに好ましくは、10〜25sec/mmである。
熱圧成形によって得られる木質繊維集積板の厚さが約15〜25mmであれば、全体の平均密度が0.69〜0.76g/cm3の範囲であり、表面部に厚さ2.5mm以下の表面層を有し、該表面層の密度が1.0g/cm3以上である木質繊維集積板1が得られ易い。このような木質繊維集積板1は、釘打性、釘保持力に優れる。
なお、密度が1.0g/cm3以上である表面層が表面に2.5mm以上の厚さにわたって形成された場合には、表面層をサンダー等によって切削削除することによっても、木質繊維集積板1を得ることができる。
上記のように、本実施形態の木質繊維集積板1は、容易に、かつ低コストで製造することができる。
【0018】
本実施形態の木質繊維集積板1は、全体の平均密度が0.69〜0.76g/cm3の範囲であり、表面部に密度が1.0g/cm3以上である厚さ2.5mm以下の表面層を有しているので、釘打ち性に優れている。すなわち、釘が打ちやすく、曲がらずにまっすぐ打つことができる。この釘打ち性は、「釘打ち力」を用いて数値的評価を行うことができる。釘打ち力とは、釘を打つ際の抵抗力を指し、数値が小さいほど無理な力をかける必要がなく、まっすぐに釘が打ちやすいことを示している。この釘打ち力は、0.82kN以下であることが好ましく、さらに0.72kN以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の木質繊維集積板1は、釘保持力に優れており、打った釘が板から抜けにくい。釘保持力は、値が大きいほど釘保持力が高く優れており、40kgf以上であることが好ましく、さらに、45kgf以上であることがより好ましい。
【0019】
なお、本実施形態には含まれていないが、本発明の木質繊維集積板の片面には例えば厚さ0.3〜0.7mmのセル化粧シート(図示しない)が貼られていてもよい。セル化粧シートとは、例えばセルロイドフィルムの片面に紙をラミネートしたものである。さらに、セル化粧シートを片面に貼った場合、表面と裏面とでは非対称となり、湿度変化等によってセル化粧シート貼り木質繊維集積板に反り、ネジレが生じ易くなるため、これを防ぐために、木質繊維をバインダーにより結合した層の少なくとも片面側に、好ましくは両面側に、バックシートを一体化することができる。この場合、バックシートは、木質繊維集積板面上の、少なくとも、セル化粧シートが貼られる側の反対側面上に一体化される。接着剤を予めバックシートに塗布し、このバックシートを予め成形された木質繊維集積板1に貼り合わせてバックシートを木質繊維集積板1に一体化することもできるが、バインダー5が付着した木質繊維4にバックシートを重ね合わせて熱圧成形することでバインダー5により結合された木質繊維4の層にバックシートを一体化することが好ましい。
【0020】
バックシートとしては、和紙等の紙或いはビニロン不織布、ガラス不織布等の不織布が用いられる。バックシートとして和紙を用いると、和紙にバインダーが熱圧成形時に含浸し易いので木質繊維集積板とバックシート(和紙)とが強固に接着されるため好ましく、また、和紙は強度が大きい点でも好ましい。好ましい和紙は、コウゾ、ミツマタ、ガンビ等のジン皮繊維を原料とし、抄紙のときにネリを用いたものである。バックシートとして目付が、約20〜200g/m2であるものが好ましく、目付が20g/m2未満では反りを抑え難いし、200g/m2を越えるとコストが高くなるため好ましくない。
【0021】
本実施形態の木質繊維集積板1は、上述したように釘打ち性がよく、釘保持力に優れているため、釘を打つ必要があるパチンコ台のゲージ盤として用いるのに好適である。厚さt1が15〜25mm、好ましくは17〜20mmである木質繊維集積板1が、パチンコ台のゲージ盤を製造するためには特に有用である。このような木質繊維集積板1に、自動釘打ち機で釘を打つと、まっすぐ平均に釘を打つことができ、且つ、釘が木質繊維集積板1から抜けにくい。このようなパチンコ台のゲージ盤は、本発明の木質繊維集積板に透孔を設け、釘打ちすることで製造できる。
【0022】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
直径が0.l〜1.0mm程度、長さが0.2〜50mm程度の木質繊維をパワーミル(P−5)(ダルトン株式会社製)を用いて粉砕して、長さが0.1mm以上で10mm以下の範囲にあり、直径2〜300μmの大きさの木質繊維を得た。
【0023】
次いで、得られた木質繊維を低速で回転する回転ドラム内に入れ、ドラム内で木質繊維が自然落下する際にバインダーをスプレー塗布した。バインダーの塗布量は、粉末状木質繊維の絶乾重量100重量部に対してメラミン樹脂固形分として10重量部及び粗ポリメチレン・ジフエニル・ジイソシアネート(粗MDI:住友バイエルウレタン社製)5重量部を用いた。
【0024】
次いで、バインダーが塗布された木質繊維を、フォーミングマシンを用いてフォーミングして木質繊維材(マット状物、厚さ約400mm)を得た。このマット状物の両面に和紙(この和紙の目付は30g/m2であった。)を位置させた。マット状物と和紙とを重ね合わせたものをプレス機の熱盤間でプレス成形することで、両面にバックシートの貼られた木質繊維集積板11を得た。熱圧条件は、熱盤温度180℃、プレス圧力20〜30kgf/cm2、圧締時間20分であった。該バックシート貼り木質繊維集積板11は、木質繊維4をバインダー5により結合することで得られた木質繊維集積板1の両面に和紙(バックシート)が熱圧成形時に一体化されたものであった。木質繊維集積板11の大きさは幅500mm×長さ450mm×厚さ19mmであった。
【0025】
得られたバックシート貼り木質繊維集積板11に自動釘打機で釘を打ったところ、釘はまっすぐに打てた。このときの釘打ち力は0.53kNであった。また、引き抜き試験により、打った釘の釘保持力を測定したところ、平均値は40kgfであった。なお、釘保持力の最小値は36kgf、最大値は48kgf、測定個数は10であった。さらに、厚み方向の密度分布(デンシィティープロファィル、Density Profile)を測定する密度分布測定器を用いて、木質繊維集積板1部分の厚み方向の密度分布を測定した。木質繊維集積板1部分の全体密度は0.69g/cm3であり、密度が1.0g/cm3以上である表面層の厚さt2は、1mmであった。
なお、厚み方向の密度分布測定器として、ATR社(ドイツ)製のstandard ATR Density Profilometer Type DPM201を用いた。
【0026】
(実施例2〜5、参考例、比較例1〜2)
実施例2〜5及び比較例1〜2においては、木質繊維の投入量及びバインダーの組成や使用量等を変えたこと以外は、実施例1と同様の方法に従って、全体密度及び表面層の厚さt2の異なる木質繊維集積板を製造した。また、参考例においては、バインダーに含まれる樹脂を変更したこと以外は実施例1と同様にして木質繊維集積板を製造した。
これら実施例2〜5、参考例、比較例1〜2にかかる木質繊維集積板の釘打ち力、釘打ち性を実施例1と同様に測定した。また、全体密度及び表面層の厚さt2も同様に測定した。
【0027】
実施例1〜5、参考例及び比較例1〜2にかかる木質繊維集積板の、釘打ち性、釘保持力、全体密度、表面層の厚さについての測定結果を、表1にまとめて示す。なお、表1において、メラミン/MDIと示したものはメラミン樹脂と粗ポリメチレン・ジフエニル・ジイソシアネートとを、メラミンと示したものはメラミン樹脂を、バインダーとして用いて木質繊維集積板を製造したことを表わしている。
また、表1において、釘打ち性は、釘打ち力が0.82kN以下であるものを○印で表わし合格とし、0.82kNよりも大きいものを×印で表わし不合格としている。ここで、釘打ち力は、50mm×50mmの板に、速度50mm/分の最大圧縮荷重で、直径1.85mm×長さ32mmの釘を差し込むことによって測定した。また、釘保持力は、パチンコ釘を50×50mm角の台板に打ち込んだ後、釘の引き抜き強度を測定した。この強度測定は、JIS A5905−1994、5.13の木ネジ保持力試験法、5.14のくぎ逆引抜抵抗試験法に準じて行った。耐久性を要求されるパチンコ台のゲージ盤としては、釘保持力が約40kgf、好ましくは45kgfであることが望ましいため、40kgf以上であるものを合格として○印で表示し、40kgf未満のものを不合格として×印で表示した。
【0028】
【表1】
【0029】
表1に示した結果のうち、実施例1〜5及び比較例1〜2について、密度が1.0g/cm3以上である表面層の厚さt2と、釘打ち力との関係をグラフ化して、図2に示す。図2からわかるように、表面層の密度が1.0g/cm3以上であっても、本発明に係る実施例1〜5においては、良好な釘打ち性が得られることがわかった。また、表面層の厚さt2が2.5mm以下であると、釘打ち力が0.82kN以下となり釘打ち性が合格となった。
また、釘打ち力と釘保持力の関係をグラフで表わすと、図3のようになった。
図3からわかるように、釘打ち力と釘保持力の関係は、良好な釘保持力である40kgf以上を得るためには、釘打ち力が大きくなるという相反する関係にあり、双方が良好な木質繊維集積板を得ることは困難である。しかしながら、実施例1〜5のように、密度が1.0g/cm3以上である表面層の厚さが2.5mm以下であり、全体密度が0.69〜0.76g/cm3の範囲であると、釘打ち性、釘保持力共に優れている木質繊維集積板を得られることがわかった。
また、釘保持力と全体密度の関係を図4に示す。図4からわかるように、全体密度が0.69g/cm3以上であると、釘保持力が40kgf以上となり釘保持力が合格となった。
なお、参考例のようにバインダーとしてメラミン樹脂のみを用いた場合にも、釘打ち性、釘保持力共に合格となった。ただし、全体密度が同じである実施例3と参考例を比較すると、バインダーとしてはメラミン樹脂とMDIとを用いた実施例3の方が釘保持力に優れる傾向にあるため、バインダーとしてはメラミン樹脂とMDIとを用いることが好ましいことがわかった。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の木質繊維集積板は、釘打ち性及び釘保持力に優れ、安定した性能を有している。従って、本発明の木質繊維集積板は、パチンコ台のゲージ盤を製造するために好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の木質繊維集積板の一実施形態を示す断面図である。
【図2】 実施例にかかる木質繊維集積板の表面層の厚さと釘打ち力との関係を示すグラフである。
【図3】 実施例にかかる木質繊維集積板の釘保持力と釘打ち力との関係を示すグラフである。
【図4】 実施例にかかる木質繊維集積板の釘保持力と全体密度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・木質繊維集積板、2・・表面層、3・・芯層、4・・木質繊維、5・・バインダー
Claims (3)
- 木質繊維が、メラミン樹脂100重量部に対しポリメチレン・ジフェニル・ジイソシアネート3〜80重量部を組み合わせたバインダーによって結合され、一体的に成形された木質繊維集積板であって、
全体の平均密度が0.69〜0.76g/cm3の範囲であり、
表面部に厚さ1.0mm以上2.5mm以下の表面層を有し、該表面層の密度が1.0g/cm3以上1.3g/cm 3 以下であることを特徴とする木質繊維集積板。 - 前記バインダーが付着した木質繊維を、180〜220℃の成形温度により、熱圧成形したことを特徴とする請求項1に記載の木質繊維集積板。
- 請求項1又は2に記載の木質繊維集積板であって、厚さが15〜25mmの範囲である木質繊維集積板からなるパチンコ台のゲージ盤。
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