JP4011948B2 - Icカード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、取り外し可能に設けられたICモジュールを搭載した小型のICキャリアと板状枠体とを備えたICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、携帯電話機の加入者識別票SIM(Subscriber Identity Module)やUIM(User Identity Module)等に使用するICキャリアは、小型の基材(15×25mm程度)にCPUやメモリ及び電極などを一体化させた構成を有するICモジュールを搭載したものが使用されている。
そして、携帯電話機のユーザは、必要に応じてSIMやUIM等に使用するこれらのICキャリアを、携帯電話機に装着させて使用する場合がある。
【0003】
これら従来のICキャリアを有するICカード30は、例えば図8に示すように、ICキャリア31の外周において板状枠体32との間にスリット部33が設けられ、またこのスリット部33を介して板状枠体32の所定部分とを接続するブリッジ34が複数箇所に形成されて、ブリッジ34から切り取ることで、ICキャリア35の部分のみを取り外して使用できるように構成されている。
【0004】
しかしながら、従来のICカード30においては、ICカード30に曲げ応力がかかった場合にブリッジ34が破壊されてしまい、板状枠体32からICキャリア31が不用意に落ちる危険性があるという問題がある。
また、曲げ応力により、一部のブリッジ34が破壊されることで、ICキャリア31が板状枠体32から簡単に外れやすくなるなどの不都合が生じるという問題がある。
【0005】
これら曲げ応力によるブリッジの破壊を防止するために、例えばブリッジが破壊されにくいようにブリッジの部分を補強した場合には、板状枠体32からICキャリア31を取り外す際に簡単にブリッジを切断することができないという支障が生じたり、板状枠体32から取り外したICキャリア31に丈夫なバリが残り、このバリの影響でICキャリア31を携帯電話機などの装着部に装着する時に、バリが装着の邪魔をして正確な位置に装着できないという問題が生じる恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ICカードに曲げ応力がかかった場合でも、ICキャリアの外周に形成されたスリット部に設けられたブリッジに対して、その応力が集中しないようにして、曲げ応力によりブリッジが切断するのを防止したICカードを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のICカードは、板状枠体と、前記板状枠体の内側に取り外し可能に形成された機器装着用のICキャリアとを有するICカードであって、前記ICキャリアの外周に形成されたスリット部と、前記スリット部を介して前記板状枠体の所定部分とを接続する複数のブリッジと、前記各々のブリッジが形成された近傍の前記板状枠体に、曲げ応力を緩和させるための応力緩和溝とが設けられ、前記応力緩和溝は前記ブリッジの幅寸法よりも長い寸法を有し、前記応力緩和溝の少なくとも1つが板状枠体の中心部近傍に形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のICカードは、前記応力緩和溝が、前記板状枠体を打抜かれた状態で形成されていることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明のICカードは、前記応力緩和溝が、前記板状枠体の一方の面から凹状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のICカードの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るICカードの平面図、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、図1のB−B線断面図、図4は、図2に示す状態においてICキャリアを板状枠体から取り外した状態を示す断面図、図5は、本発明の第1実施形態に係るICカードにおいて、ICキャリアを板状枠体から取り外した状態を示した一部平面図、図6は、本発明の第2実施形態に係るICカードの平面図、図7は、図6のC−C線断面図、図8は、図6のD−D線断面図、図9は、従来のICカードを示す平面図、図10は、従来のICカードから取り外したICキャリアの平面図である。
【0013】
まず、本発明の第1実施形態に係るICカードを、図1乃至図5に基づいて説明する。
このICカード1Aは、コアシート2と、コアシート2の両面に設けられたオーバーシート3,4とにより積層されたカード基材5を有し、このカード基材5のうち外側の枠体である板状枠体6と、この板状枠体6の内部に設けられて必要に応じて、板状枠体6から分離可能に形成したICモジュール7を有するICキャリア8とにより構成されている。
尚、コアシート2とオーバーシート3,4は、塩化ビニル樹脂、PET−G等の樹脂シートなどからなる。
【0014】
ICキャリア8は、略矩形状を有し、更にその一方の角部が傾斜状に切り欠き形成された切り欠き辺12を有している。
図1においては、ICキャリア8の右下の角部が傾斜状の傾斜状切り欠き辺12を有している。
また、ICキャリア8の周縁と板状枠体6との間には、カード基材5を打抜いて形成されたスリット部9が設けられている。
【0015】
ICキャリア8の周辺において、図1に示すように、ICキャリア8の左側辺と傾斜状切り欠き辺12の所定箇所とには、スリット部9を介して板状枠体6と接続状態となるブリッジ10,11がそれぞれ備えられている。
【0016】
また、ICカード1Aに曲げ応力が加えられた場合に、この曲げ応力が各々のブリッジ10,11に対して強く影響しないようにするために、この各々のブリッジ10,11が形成された近傍の板状枠体6に、ICカード1Bが曲げられた場合でも、この曲げ応力を緩和させるための応力緩和溝13,14が形成されている。
【0017】
この応力緩和溝13,14は、図2及び図3に示すように、板状枠体6が打抜かれた状態で形成されていて、少なくともブリッジ10,11の幅寸法よりも長い寸法を有する溝からなる。
【0018】
また、特にブリッジ11が形成された近傍の板状枠体6に形成した応力緩和溝14は、できるだけ板状枠体6の中心部の近傍に形成することが好ましい。
板状枠体6の中心部の近傍に応力緩和溝14を形成することで、ICカード1Aが天地左右のいずれの方向に対して曲げ応力が加わっても、応力緩和溝14により応力の緩和を図ることができる。
【0019】
また、ICキャリア8は、図4及び図5に示すように、上方または下方から圧力を加えて押し出すことでブリッジ10,11が切断され、板状枠体6からICキャリア8を分離させることができる。
この場合、ブリッジ10,11の中間付近で切断されるため、ICキャリア8の外周の所定部分にブリッジ10,11から切断させた後に生じる残存突起10a,11aが残った状態となることが予測される。
また、板状枠体6側にも、板状枠体6側における残存突起10b,11bが生じる。
【0020】
次に、本発明の第2実施形態に係るICカードを、図6乃至図8に基づいて説明する。
第2実施形態に係るICカード1Bは、図6に示すように、第1実施形態に係るICカード1Aと同様の積層構成を有するカード基材5からなると共に、板状枠体6と、この板状枠体6から分離可能に形成したICモジュール7を有するICキャリア8とにより構成されている。
【0021】
また、同様にICキャリア8の周縁と板状枠体6との間には、カード基材5を打抜いて形成されたスリット部9を有し、更にICキャリア8の傾斜状切り欠き辺12の所定箇所には、スリット部9を介して板状枠体6と接続状態となるブリッジ11が備えられている。
そして、このブリッジ11が形成された近傍の板状枠体6に曲げ応力を緩和させるための応力緩和溝15が形成されている。
【0022】
そして、第2実施形態に係るICカード1Bには、第1実施形態に係るICカード1Aに設けられたブリッジ10の代わりに、ブリッジ16がICキャリア8の上辺の一部に形成され、ICキャリア8の一部分でスリット部9を介して板状枠体6の一部分と接続状態に構成されている。
このブリッジ16が形成された近傍の板状枠体6には、ICカード1Bが曲げられた場合でも、この曲げ応力を緩和させるための応力緩和溝17が形成されている。
【0023】
板状枠体6に形成された各々の応力緩和溝15,17は、図7及ぶ図8に示すように、カード基材5の厚みの中間部分までの深さで削り取られて、板状枠体6の一方の面から凹状になるように形成されている。
【0024】
本発明のICカードは、上記の実施形態に限定されず、板状枠体と、前記板状枠体の内側に取り外し可能に形成された機器装着用のICキャリアとを有するICカードであって、ICキャリアの外周に形成されたスリット部と、このスリット部を介して板状枠体の所定部分とを接続するブリッジとが設けられている構成を有するICカードであれば、これらのブリッジが形成された部分の近傍において、板状枠体に曲げ応力を緩和させるための応力緩和溝を設けていればよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のICカードは、ICカードに曲げ応力がかかった場合でも、ICキャリアの外周に形成されたスリット部に設けられたブリッジの近傍の板状枠体に、曲げ応力を緩和させるための応力緩和溝が設けられているので、ブリッジに対して、その応力が集中するのを避けることが可能であり、曲げ応力によりブリッジが切断されるのを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るICカードの平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図2に示す状態においてICキャリアを板状枠体から取り外した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るICカードにおいて、ICキャリアを板状枠体から取り外した状態を示した一部平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るICカードの平面図である。
【図7】図6のC−C線断面図である。
【図8】図6のD−D線断面図である。
【図9】従来のICカードを示す平面図である。
【図10】従来のICカードから取り外したICキャリアの平面図である。
【符号の説明】
1A 本発明の第1実施形態に係るICカード
1B 本発明の第2実施形態に係るICカード
2 コアシート
3,4 オーバーシート
5 カード基材
6,32 板状枠体
7,31 ICモジュール
8,35 ICキャリア
9,33 スリット部
10,11,16,34 ブリッジ
10a,11a,34a ICキャリア側における残存突起
10b,11b 板状枠体側における残存突起
12 傾斜状切り欠き辺
13,14,15,17 応力緩和溝
30 従来のICカード
Claims (3)
- 板状枠体と、前記板状枠体の内側に取り外し可能に形成された機器装着用のICキャリアとを有するICカードであって、
前記ICキャリアの外周に形成されたスリット部と、前記スリット部を介して前記板状枠体の所定部分とを接続する複数のブリッジと、前記各々のブリッジが形成された近傍の前記板状枠体に、曲げ応力を緩和させるための応力緩和溝とが設けられ、前記応力緩和溝は前記ブリッジの幅寸法よりも長い寸法を有し、前記応力緩和溝の少なくとも1つが板状枠体の中心部近傍に形成されていることを特徴とするICカード。 - 前記応力緩和溝が、前記板状枠体を打抜かれた状態で形成されていることを特徴とする請求項1記載のICカード。
- 前記応力緩和溝が、前記板状枠体の一方の面から凹状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のICカード。
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