JP4011922B2 - 高分子電解質型燃料電池用のセパレータ - Google Patents

高分子電解質型燃料電池用のセパレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用のセパレータに関し、特に、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ、電極を配置した単位セルを複数個積層してなる燃料電池スタックにおいて、前記単位セル間に配置されて用いられる燃料電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、地球環境保護の観点や、水素を直接燃料として用いると有利であり、エネルギー変換効率が高いという点等から、燃料電池に対する期待が急激に高まってきている。
これまでは、宇宙開発や海洋開発に利用されてきたが、最近では、自動車のエンジンの代わりに、また、家庭用発電装置へと展開され、広く使われる可能性が大きくなった。
燃料電池は、簡単には、外部より燃料(還元剤)と酸素または空気(酸化剤)を連続的に供給し、電気化学的に反応させて電気エネルギーを取り出す装置で、その作動温度、使用燃料の種類、用途等で分類することもあるが、最近では、主に使用される電解質の種類によって、大きく、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、高分子電解質型燃料電池(PEFC)、アルカリ水溶液型燃料電池(AFC)の5種類に分類されるのが一般的である。
これらは、メタン等から生成された水素ガスを燃料とするものであるが、最近では、燃料としてメタノール水溶液をダイレクトに用いるダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)も知られている。
【0003】
このような中、燃料電池の中でも固体高分子膜を2種類の電極で挟み込み、更にこれらの部材をセパレータで挟んだ構成の固体高分子型燃料電池(これが高分子電解質型燃料電池のことであり、以下、PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cellとも言う)が注目されている。
このPEFCは、固体高分子膜の両側に空気極(酸素極)、燃料極(水素極)等の電極を配置して単位セルを構成し、この単位セルの両側を燃料電池用セパレータで挟んだ構成となっている。
厚さ20μm〜70μmの高分子電解質の両側に厚さ10μm〜20μmの触媒層からなる燃料極と空気極を形成し一体化し、触媒層外側に集電材として多孔質の支持層(カーボンペーパー、気孔率約80%)を付し、さらに水素や酸素といった反応ガスの供給路をかねているセパレータ(仕切り板)によって挟持されている。
燃料(水素)と酸化剤(空気)が直接反応しないように、これらを隔離し、かつ燃料極で生成する水素イオン(プロトン)を空気極側まで運ぶ必要がある。
常温(100℃以下)で作動し、固体の高分子膜中をプロトンが動く燃料電池で、固体高分子膜には、イオン交換基としてスルフォン酸基を持つパーフルオロカーボンスルフォン酸構造を持つ薄膜(厚さ50μm程度)が使用でき、コンパクトな電池をつくることができる。
出力性能は、1〜3A/cm2 、0. 6〜2. 1V/単セルで、2. 1W/cm2 の高出力密度が得られる。
【0004】
このPEFCの燃料電池スタック(PEFCスタックとも言う)は、固体高分子膜の両側に、それぞれ、電極を配置した単位セルを複数個積層して構成されるが、一般に燃料電池用セパレータの一方の側面には隣接する一方の単位セルに燃料ガスを供給する為の燃料ガス用溝が形成され、他方の側面には隣接する他方の単位セルに酸化剤ガスを供給する為の酸化剤ガス用溝が形成されている。
【0005】
PEFCのセパレータとしては、現在、グラファイト板を削り出して溝加工を行なっているが、コスト的に高価なものとなっている。
そのため、樹脂にカーボンを練り込んだカーボンコンパウンドのモールド性セーパレータの開発が進められているが、これは強度の点で問題がある。
また、金属製セパレータは、これらのコストの問題、強度の問題を解決するものとして期待されているが、耐食性に問題がある。
コーティングにより、金属製セパレータの耐食性を改善する方法として、例えば、冷間圧延鋼板等の金属材料の耐食性改善にペンキ等の塗装が採用されているが、セパレータのように溝が形成されているようなものに対して、形状に沿ったコーティングを行うことが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、PEFCのセパレータとして、コスト面、強度面、耐食性の面で、満足できるものが無く、この対応が求められていた。
本発明は、これに対応するもので、コスト面、強度面で対応でき、且つ、耐食性を改善した、実用レベルの金属を基体とした高分子電解質型燃料電池(PEFCとも言う)用のセパレータを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の高分子電解質型燃料電池用のセパレータは、金属からなる基体の表面部に耐酸性かつ電気導電性を有する樹脂膜を配設した、高分子電解質型燃料電池用のセパレータであって、前記樹脂膜は、電着物質からなり、加熱硬化されたもので、且つ、樹脂に導電材を混ぜた状態で表面形状に沿い均一に配設された第1の膜内部に、電解重合により電気化学的ドーピングして、導電性を高めるドーパントを含んだ状態の導電性樹脂を有するものであることを特徴とするものである。
そして、上記の高分子電解質型燃料電池用のセパレータであって、導電材がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーンのいずれか1からなるカーボン素材、耐食性の金属であることを特徴とするものである。
【0008】
ここでの、電着とは、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオン性合成高分子樹脂を、樹脂膜を電着形成するための電着液として用い、且つ、電着液中に、導電材を分散させた状態で、電着を行なうものであり、電着により形成された樹脂膜の樹脂自体には導電性がないが、樹脂に導電材が混ざった状態で膜形成されるため、樹脂膜としては導電性を示す。
【0009】
また、ここで、電解重合とは、芳香族化合物をモノマーとして電気化学的に酸化又は還元して重合する方法で、基本的には、モノマーを含む電解液に電極を浸漬して通電するものであり、導電性高分子を直接フィルム状で合成できる。
この方法で得られる導電性高分子フィルムは、電解酸化重合の場合には電解質イオン(アニオン)、電解還元重合の場合には電解質陽イオン(カチオン)を含んでおり、これがドーパントとして作用する為に高い導電性を示す。
ここでは、このような電解重合された樹脂中に、更に、導電性を高めるドーパントを含んだ状態としたもので、電解重合の際にドーパントを含ませる電気化学的ドーピング、あるいは、電解重合後、電解重合により形成された導電性樹脂(高分子)をドーパントの液体そのものにつける、あるいはドーパント分子を含む溶液に浸す液相ドーピングにより、このような状態にする。
【0010】
【作用】
本発明の高分子電解質型燃料電池用のセパレータは、このような構成にすることにより、コスト面、強度面で対応でき、且つ、耐食性を改善した金属を基体とした、実用レベルの高分子電解質型燃料電池用のセパレータの提供を可能としている。
また、このような構成にしていることにより、その作製が比較的簡単である。
詳しくは、燃料供給用の溝あるいは空気(酸素)供給用の溝が形成されている、セパレータ用の基体である金属材料の表面に、電着により形成され、加熱硬化された第1の膜内部に、電解重合により、導電性を高めるドーパントを含んだ状態にして導電性高分子からなる樹脂を形成し、第1の膜との複合膜を配設したものであることにより、樹脂膜をセパレータ用の基体(金属材料)の表面形状に沿い実用レベルで均一に配設することができ、且つ、耐酸性かつ電気導電性を持たせることができるものとしている。
この結果、コスト面、強度面で対応でき、且つ、耐食性を改善した金属を基体とした、実用レベルの高分子電解質型燃料電池用のセパレータの提供を可能としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の高分子電解質型燃料電池(PEFC)用のセパレータの実施の形態例を、図に基づいて説明する。
図1(e)は本発明の高分子電解質型燃料電池(PEFC)用のセパレータの1例を示した図で、図1(a)〜図1(e)はその製造工程断面図である。
図1中、110は金属板材、110Aは(セパレータ用の)金属基体、115は溝部(凹部とも言う)、120はレジストパターン(単にレジストとも言う)、125は(レジストの)開口、130は樹脂膜である。
本発明の高分子電解質型燃料電池(PEFC)用のセパレータは、図1(e)に示すように、その両面に溝部115を有する金属基体110Aの表面部全体に、耐酸性かつ電気導電性を有する樹脂膜130を配設した、高分子電解質型燃料電池用のセパレータである。
尚、溝部115の形状については、図1(e)に示す形状は1例で、これに限らない。
以下、簡単に、図1(e)に示すセパレータの製造工程の1例を図1(a)〜図1(e)に基づき説明する。
先ず、セパレータ作製用の金属板材110を用意する。(図1(a))
金属板材110の材質としては、ステンレス、アルミニウム、冷間圧延鋼板等が挙げられるが、機械的強度や加工性、重量等により、適宜選択する。
次いで、加工形状にあわせ、レジストパターン120を形成する。(図1(b))
レジストとしては、所望の解像性を有し、処理性の良いものであれば特に限定はされない。
次に、レジストパターン120を耐エッチングマスクとして、金属板材110をエッチングし、所望の溝部115を形成する。(図1(c))
次いで、所定の剥離液にてレジストパターン120を除去して、セパレータ用の金属基体110Aを得る。(図1(d))
次いで、必要に応じ、洗浄処理等を施した後、金属基体110Aの表面全体に耐酸性かつ電気導電性を有する樹脂膜130を配設する。(図1(e))
【0012】
参考実施形態の第1の例は、図1(e)に示すセパレータにおいて、金属基体110Aの表面全体に配設された、耐酸性かつ電気導電性を有する樹脂膜130が、電着により、樹脂に導電材を混ぜた状態にして形成され、加熱硬化されたものである。
電着は、電着性を有する各種アニオン性、またはカチオン性合成高分子樹脂を、樹脂膜を電着形成するための電着液として用い、且つ、電着液中に、導電材を分散させた状態で、電着を行なう。
電着により形成された樹脂膜の樹脂自体には導電性がないが、樹脂に導電材が混ざった状態で膜形成されるため、樹脂膜としては導電性を示す。
用いられるアニオン性高分子樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ボリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの樹脂の任意の組合せによる混合物として使用できる。
さらに、上記のアニオン性合成樹脂とメラミン樹脂、フエノール樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂とを併用しても良い。
また、用いられるカチオン性合成高分子樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等を単独で、あるいは、これらの任意の組合せによる混合物として使用できる。
さらに、上記のカチオン性合成高分子樹脂とポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の架橋性樹脂を併用しても良い。
また、上記の高分子樹脂に粘着性を付与するために、ロジン系、テルペン系、石油樹脂等の粘着性付与樹脂を必要に応じて添加することも可能である。
上記高分子樹脂は、アルカリ性または酸性物質により中和して水に可溶化された状態、または水分散状態で電着法に供される。
すなわち、アニオン性合成高分子樹脂は、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモニア、苛性カリ等の無機アルカリで中和する。カチオン性合成高分子樹脂は、酢酸、ぎ酸、プロピオン酸、乳酸等の酸で中和する。
そして、中和された水に可溶化された高分子樹脂は、水分散型または溶解型として水に希釈された状態で使用される。電着を用いた樹脂膜形成の場合、樹脂に混ぜる導電材としてカーボン粒子、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等のカーボン素材、耐食性の金属等が挙げられるが、耐酸性かつ電気導電性が所望のものが得られれば、これらに限らない。
特に、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等の微細繊維状炭素材料は、導電性を付与するために好適である。
尚、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等の微細繊維状炭素材料は、ナノテクノロジーの素材として、複合材料、電子デバイスなど種々の分野に適用が期待されているものである。
これらをフィラーとして複合材料に用いた場合には、材料にこれらが有する物性を付与することができる。
例えば、カーボンナノチューブは、電気伝導性、耐酸性、加工性、機械的強度等の面で優れており、フィラーとして複合材料に用いられた場合には、これにカーボンナノチューブの前記優れた物性を付与することができる。
【0013】
参考実施形態の第2の例は、図1(e)に示すセパレータにおいて、金属基体110Aの表面全体に配設された、耐酸性かつ電気導電性を有する樹脂膜130が、電解重合により、導電性高分子からなる樹脂に導電性を高めるドーパントを含んだ状態にして形成されたものである。
電解重合は、基本的には、芳香族化合物をモノマーとして含む電解液に電極を浸漬して通電して行い、電気化学的に酸化又は還元して重合する方法で、広く知られる方法で、ここではその詳細は省略する。
電解重合により、導電性高分子を直接フィルム状に合成することができるが、本例においては、電解重合された樹脂中に導電性を高めるドーパントを含んだ状態としてある。
ここでは、このような電解重合された樹脂中に、更に、導電性を高めるドーパントを含んだ状態としたもので、電解重合の際にドーパントを含ませる電気化学的ドーピング、あるいは、電解重合後、電解重合により形成された導電性樹脂(高分子)をドーパントの液体そのものにつける、あるいはドーパント分子を含む溶液に浸す液相ドーピングにより、このような状態にする。
尚、このドーパントは、重合後に陰極と陽極を短絡したり、逆電圧を印加して脱離又は中和することができ、更に電圧を制御して可逆的にドープ、脱ドープしてドーパント濃度を制御することも可能である。
電解重合を用いた樹脂膜形成の場合、通常用いられる、電子を与えるドナー型のドーパントとしては、アルカリ金属、アルキルアンモニウウムイオン、電子を奪うアクセプタ型のドーパントとしては、ハロゲン類、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハライド、有機酸が挙げられる。
【0014】
実施の形態の第1の例は、図1(e)に示すセパレータにおいて、金属基体110Aの表面全体に配設された、耐酸性かつ電気導電性を有する樹脂膜130が、電着により形成され、加熱硬化された第1の膜内部に、電解重合により、導電性を高めるドーパントを含んだ状態にして導電性高分子からなる樹脂を形成し、第1の膜との複合膜を配設したもので、言わば、参考実施形態の第1の例と第2の例の中間的なものである。
実施の形態の第1の例の場合、電着樹脂と導電性樹脂の組み合わせを変えることで、耐久性を向上させるなど任意の物性を有するセパレータの樹脂膜(保護膜)130が形成できる。
参考実施形態の第2の例の導電性樹脂膜だけの場合に比べ、耐久性を向上させることもできる。
作製するための、電着、電解重合については、それぞれ、参考実施形態第1の例、第2の例と同様に行なう。
【0015】
【実施例】
実施例および参考実施例を、図1に基づいて説明する。
参考実施例1
参考実施形態の第1の例のセパレータの作製する例で、電着塗装によりセパレータ用金属基体の表面へ導電性有機皮膜からなる樹脂膜を形成する例である。
まず、セパレータ用の金属板材110としてステンレス板(SUS304、5mm厚)を用意し、所定の脱脂処埋を行なった。(図1(a))
次いで、ステンレス板の両面にカゼインに重クロム酸アンモニウムを混合した感光材料からなる厚さ20μmのフオトレジスト膜を形成し、その両面から、セパレータとしての燃料流路あるいは空気流路の形状が形成してあるパターンを用い、5KW高圧水銀灯によって60秒間露光し、40℃の温水をスプレーして現像して、後に行なうエッチングに耐性のあるレジスト膜を形成した。(図1(b))
その後、金属板材110の両側から70℃に加熱した塩化第2鉄液をシャワーリングして、所定の深さまでハーフエッチングが進行した時点でエッチング加工を完了とした。(図1(c))
これを80℃の110%苛性ソーダ水溶液をシャワーリングして、レジストを剥離し、次いで洗浄処理を行ない、目的とする流路形状を有するステンレス板がセパレータ用の金属基体110Aとして得られた。(図1(d))
【0016】
次いで、以下のように、電着を行ない、更に形成された樹脂膜の熱硬化を行なって、目的とする、耐酸性、導電性を有する樹脂膜130を金属基体120の表面全体に配設して、これをセパレータとして得た。
先ず、エポキシ電着液の調整を、以下のようにして行なった。
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(エポキシ当量910)1000重量部を攪拌下に70℃に保ちながらエチレングリコールモノエチルエーテル463重量部に溶解させ、さらにジエチルアミン80. 3重量部を加えて100℃で2時間反応させてアミンエポキシ付加物(A)を調製した。
一方、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製ジイソシアネート;NCO13%の不揮発分75重量%)875重量部にジブチル錫ラウレート0. 05重量部を加え50℃に加熱して2−エチルヘキサノール390重量部を添加し、その後、120℃で90分間反応させた。
得られた反応生成物をエチレングリコールモノエチルエーテル130重量部で希釈した成分(b)を得た。
成分A1000重量部及び成分B400重量部からなる混合物を氷酢酸30重量部で中和した後、脱イオン水570重量部を用いて希釈し、不揮発分50重量%の樹脂Iを調製した。
樹脂I200. 2重量部(樹脂成分86. 3容量)、脱イオン水583. 3重量部およぴジブチル錫ラウレート2. 4重量部を配合してエポキシ電着液Aを調製した。
次いで、調整したエポキシ電着液A中に、電着塗装顔料として用いられるカーボンブラックを、適量(10〜80%:樹脂固形分量に対して)分散させ、これを使用する電着液とした。
この電着液を2リットルの硝子セル中に入れ、スターラーで攪拌しながら、温度25℃、極間4cm、電圧50Vで所定の時間、電着を行い、カーボン粒子を含有するウエットな膜を金属基体110Aの表面上に金属セパレータ上に形成した。
次いで、得られた膜付き金属基体には水洗浄、純水洗浄を施した。
次に、洗浄後のカーボン粒子含有の樹脂膜付き金属基体110A(ステンレス板)を、ホツトプレート上で150℃、3min乾燥し、さらに180℃、1時間、窒素雰囲気下において塗膜の熱硬化を行った後、目的とするセパレータを得た。(図1(e))
得られた塗膜はカーボン粒子を含有しており、良好な電気伝導性を示した。
【0017】
参考実施例2
参考実施形態の第2の例のセパレータの作製する例で、セパレータ用金属基体の表面へ導電性有機皮膜からなる樹脂膜を、電解重合、導電性高分子からなる樹脂に導電性を高めるドーパントを含んだ状態にして形成したものである。
導電性樹脂の電解重合プラス極に実施例1の流路を形成したステンレス板からなる金属基体110A(図1(d))を、マイナス極に金線を巻いたガラス板を接続して、ドーパントとしてBu 4 NBF 4 、ピロールモノマー、少量の水を含むアセトニトリル溶媒中に浸漬し、通電し、ポリピロールの黒色フィルムを、金属基体110A表面全体に析出した。
ポリマーには、定量のBF4 - が入った錯体が形成される。
ポリピロールの重合方法はK. K. Knazawa、A. F. Diaz、W. D. GiLL、P. M. Grannt、G. B. Street、:Syn. Metals、1、329(1979/80)による。
得られたポリピロール膜は良好な電気伝導性を示した。
このようにして、所望のセパレータを得ることができた。本実施例では、電解重合する樹脂をポリピロールとしたが、電解重合する樹脂は、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリセレノフェン、ポリパラフェニレン、ポリアズレン、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリピリダジン、ポリナフタレン、ポリアントラセンでもよい。
また、それらポリマーは、置換基を導入したモノマーである誘導体モノマーを用いて重合してもよく、組み合わせて共重合体としてもよい。
【0018】
実施例1
実施の形態の第1の例のセパレータの作製する例で、セパレータ用金属基体の表面へ導電性有機皮膜からなる樹脂膜を、電着により形成され、加熱硬化された第1の膜内部に、電解重合により、導電性を高めるドーパントを含んだ状態にして導電性高分子からなる樹脂を形成し、第1の膜との複合膜を配設したものである。
参考実施例1の手法でセパレータ用金属(図110A)上に、電着塗装で一般に使用されるエポキシ樹脂からなる高分子皮膜を形成した。
これを、加熱硬化した後、この電着済みのセパレータ用の金属基体110Aを電極とし、参考実施例2で示した手法で、電着による樹脂膜と導電性樹脂の複合膜を形成した。
導電性樹脂モノマーが膨潤した電着樹脂に浸透し、金属セパレータ表面から電解重合される。
このようにして、参考実施例2のセパレータより耐久性の良いセパレータを得ることができた。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、上記のように、コスト面、強度面で対応でき、且つ、耐食性を改善した、実用レベルの金属を基体とした高分子電解質型燃料電池用のセパレータの提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(e)は本発明の高分子電解質型燃料電池(PEFC)用のセパレータの1例を示した図で、図1(a)〜図1(e)はその製造工程断面図である。
【符号の説明】
110 金属板材
110A (セパレータ用の)金属基体
115 溝部(凹部とも言う)
120 レジストパターン(単にレジストとも言う)
125 (レジストの)開口
130 樹脂膜

Claims (2)

  1. 金属からなる基体の表面部に耐酸性かつ電気導電性を有する樹脂膜を配設した、高分子電解質型燃料電池用のセパレータであって、前記樹脂膜は、電着物質からなり、加熱硬化されたもので、且つ、樹脂に導電材を混ぜた状態で表面形状に沿い均一に配設された第1の膜内部に、電解重合により電気化学的ドーピングして、導電性を高めるドーパントを含んだ状態の導電性樹脂を有するものであることを特徴とする高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
  2. 請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池用のセパレータであって、導電材がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーンのいずれか1からなるカーボン素材、耐食性の金属であることを特徴とする高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
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