JP4011806B2 - 電子写真感光体、中間転写媒体、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、中間転写媒体、及び電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、中間転写媒体、及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
湿式電子写真技術においては、トナーを石油系溶剤中に分散してなる液体現像剤が用いられ、その現像プロセスでは上記石油系溶剤中におけるトナー粒子の電気泳動現象が利用されている。この湿式電子写真技術は、乾式電子写真技術では実現不可能な様々な利点を有しており、近年、その価値が見直されつつある。
【0003】
例えば、湿式電子写真技術によると、サブミクロンオーダの極めて微細なトナー粒子を用いることができるため高画質を実現することができる。また、少量のトナーで十分な画像濃度が得られるため、経済的であるのとともに印刷並みの質感を実現することができる。さらに、比較的低い温度でトナーを用紙に定着させることができるため、省エネルギー化を図ることができる。
【0004】
ところで、電子写真技術においては、転写効率が画質に与える影響は極めて大きい。例えば、100%の転写効率が実現され得ない場合、すなわちトナーの一部が用紙上に転写されない場合には、画像濃度の低下や画像ぼけなどとして画質の低下が現れる。したがって、十分に高い転写効率、すなわち100%に近い転写効率を実現することが望まれている。
【0005】
しかしながら、湿式電子写真技術においては、トナーが微細であり且つ現像剤は溶剤を含有しているため、感光ドラムへのトナーの付着力が過剰に強い。それゆえ、従来の湿式電子写真技術においては、必ずしも十分な転写効率が得られている訳ではない。
【0006】
例えば、米国特許第5,148,222号、米国特許第5,166,724号、及び米国特許第5,208,637号は、電界を利用して感光ドラムから転写ローラにトナーを転写し、圧力等を利用して転写ローラ上のトナーを用紙に転写する電界転写方式を開示している。この方法によれば、感光ドラムから転写ローラへのトナー粒子の移動は、主に、それらの間に介在する液体現像剤中でのトナー粒子の電気泳動によりもたらされる。そのため、感光ドラムへのトナーの付着力が過剰に強い場合には、感光ドラムと転写ローラとの間に極めて大きな電位差を形成しなければならない。しかしながら、通常、そのように大きな電位差が形成されることはないため、電界転写方式を利用した場合に十分に高い転写効率を実現することは困難である。
【0007】
また、特公昭46−41679号公報及び特開昭62−280882号公報等は、熱や圧力を利用して感光ドラムから転写ローラへ及び転写ローラから用紙へトナーを転写する、所謂オフセット転写方式を開示している。このオフセット転写方式によれば、電界転写方式に比べてより高い転写効率を実現することができる。しかしながら、オフセット転写方式であっても100%に近い転写効率を実現することは困難である。
【0008】
このように、湿式電子写真技術においては、転写方式を改良するだけでは100%に近い転写効率を実現することは極めて困難である。そこで、転写効率を向上させるために、感光ドラムの表面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂をコーティングして、感光ドラム表面とトナーとの付着力を低下させることが提案されている。
【0009】
この方法によれば、確かに転写効率を向上させることが可能である。しかしながら、そのような効果は初期においてのみ得られるものである。すなわち、感光ドラムの表面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いて薄膜を形成したとしても、長期にわたって高い転写効率を維持することはできない。以下にその理由を説明する。
【0010】
感光ドラムの表面に形成した薄膜は、感光ドラムとトナーとの間の静電作用に影響を与える。そのため、良好な画質を得るためには、かかる薄膜は薄く形成する必要がある。しかしながら、シリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いて形成した薄膜は機械的強度が低い。そのため、転写工程を繰り返すことにより、その表面が摩耗して、転写効率が徐々に低下してしまう。
【0011】
さらに、用紙上に転写されずに感光ドラム表面に残留したトナーはクリーナで除去する必要があるが、転写効率が低下することが分かっている場合には、より強力なクリーナを用いる必要がある。感光ドラム表面はクリーナにより少なからず損傷を受けるため、より強力なクリーナを用いた場合には、感光ドラム表面が受ける損傷はさらに大きくなる。
【0012】
そのため、シリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いて感光ドラムの表面に薄膜を形成した場合、この薄膜の摩耗は非常に速く進行し、したがって、長期にわたって高い転写効率を維持することができないのである。それゆえ、感光ドラム表面に形成する薄膜は、トナーの感光ドラム表面への付着力を十分に低下させることができ且つ十分な機械的強度を有するものであることが望まれている。
【0013】
なお、上記問題については主に湿式電子写真技術に関連して説明したが、かかる問題は湿式電子写真技術だけでなく乾式電子写真技術においても同様に存在している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、シリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いて形成した薄膜は機械的強度が低いため、従来技術によると、長期にわたって十分に高い転写効率を維持することができない。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、機械的強度に優れた表面を有する電子写真感光体及び中間転写媒体並びにそれらの少なくとも一方を用いた電子写真装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、長期にわたって十分に高い転写効率を維持することを可能とする電子写真感光体及び中間転写媒体並びにそれらの少なくとも一方を用いた電子写真装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリシラザンを用いて電子写真感光体や中間転写媒体の表面に薄膜を形成した場合、機械的強度に優れた表面を得ることができ、長期間にわたって使用した場合でも転写効率が大幅に低下するのを防止することが可能となることを見出した。
【0018】
本発明者らは、かかる知見に基づいてSi−N結合を有する化合物を含有する薄膜について調べたところ、そのような化合物のうちSi−Cn2n+1結合或いはSi−Cn2n+1結合を有する化合物や、Si−N結合を有する化合物とC−F結合を有する化合物との混合物を含む薄膜を用いることにより、極めて高い転写効率を長期にわたって維持できることを見出した。
【0019】
さらに、本発明者らは、Si−N結合を有する化合物だけでなく、Si−C−N結合を有する化合物を含有する薄膜についても同様に調べたところ、そのような化合物のうちSi−Cn2n+1結合或いはSi−Cn2n+1結合を有する化合物や、Si−N結合を有する化合物とC−F結合を有する化合物との混合物を含む薄膜を用いることにより、極めて高い転写効率を長期にわたって維持できるのに加え、電子写真感光体表面の抵抗値を高めることができ、したがって、より高画質を実現可能となることを見出した。
【0021】
すなわち、本発明によると、導電性表面を有する基体と該基体の導電性表面上に形成され光を照射することにより帯電状態に変化を生じる感光体層とを具備し、前記感光体層は、下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー、及び下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合を有するポリマーとC−F結合を有する化合物との混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化学物質を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0022】
また、本発明によると、電子写真感光体の感光体層上に形成された現像剤像の被転写材上への転写を媒介する中間転写媒体であって、下地層と該下地層上に形成された表面層とを具備し、前記表面層は、下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー、及び下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合を有するポリマーとC−F結合を有する化合物との混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化学物質を含有することを特徴とする中間転写媒体が提供される。
【0024】
また、本発明によると、像保持面を有する電子写真感光体と、前記像保持面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像が形成された像保持面に現像剤像を形成する現像手段と、前記現像剤像を前記像保持面から被転写材上に転写する転写手段とを具備し、前記電子写真感光体は、導電性表面を有する基体と、該基体の導電性表面上に形成され前記像保持面を構成し且つ光を照射することにより帯電状態に変化を生じる感光体層とを具備し、前記感光体層は、下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー、及び下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合を有するポリマーとC−F結合を有する化合物との混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化学物質を含有することを特徴とする電子写真装置が提供される。
【0025】
さらに、本発明によると、像保持面を有する電子写真感光体と、前記像保持面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像が形成された像保持面に現像剤像を形成する現像手段と、前記現像剤像を前記像保持面から被転写材上に転写する転写手段とを具備し、前記転写手段は、前記電子写真感光体と前記被転写材との間に介在し、前記像保持面上に形成された現像剤像の前記被転写材上への転写を媒介する中間転写媒体を具備し、前記中間転写媒体は、下地層と該下地層上に形成された表面層とを具備し、前記表面層は、下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー、及び下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合を有するポリマーとC−F結合を有する化合物との混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化学物質を含有することを特徴とする電子写真装置が提供される。
【化5】
Figure 0004011806
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真装置を概略的に示す図である。図1に示す電子写真装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの液体現像剤を用いて電子写真像を形成するカラー電子写真装置である。
【0028】
図1に示す電子写真装置は、電子写真感光体として感光ドラム1を有している。感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1の表面を清浄化するクリーナ9、帯電手段である帯電器21〜24、現像器41〜44、及び転写手段5が配置されている。図1に示す電子写真装置の各構成要素について、さらに詳しく説明する。
【0029】
感光ドラム1は、導電性表面を有する基体とその導電性表面上に形成された感光体層とを有している。感光体層は像保持面を構成しており、例えば、光照射により帯電状態等に変化を生ずる有機系、アモルファスシリコン系、SeTe系、或いは酸化亜鉛系の感光性材料を含有している。また、この感光体層は、コロナ帯電器、コロトロン帯電器、或いはスコロトロン帯電器のような帯電器2-nにより正及び負のいずれかの極性に帯電され得る。
【0030】
このように構成される感光ドラム1は、図1に示すように、図示しない駆動機構により矢印25に示す方向に回転させられ、それにより、感光ドラム1の像保持面はクリーナ8、帯電器21〜24、現像器41〜44、及び転写手段5等に対して相対的に移動する。なお、感光ドラム1の構造については、後で詳細に説明する。
【0031】
感光ドラム1の周囲には、さらに、画像書込み手段として、レーザ露光器やLED(図示せず)のような光源を有する光学系ユニットが配置されている。例えば、レーザ露光器から出力されたレーザ光31〜34は、光学系ユニットの一部を構成する窓部51〜54を介して、帯電器21〜24により所定の極性に帯電した感光ドラム1の像保持面に照射される。それにより、照射部と非照射部との間で表面電位に差が生じ、像保持面にイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの画像情報に対応した静電潜像が形成される。なお、潜像形成手段は、この画像書込み手段と上述した帯電手段とで構成されている。
【0032】
現像器41〜44のそれぞれは、静電潜像が形成された感光ドラム1の像保持面にトナーと溶媒とを含有する液体現像剤、すなわち現像液を供給するものである。現像器41〜44は、通常、現像液を収容する容器と、像保持面と僅かな間隙を隔てて離間され上記容器から感光ドラム1の像保持面に現像液を供給する現像ローラと、現像ローラに電圧を印加する電圧印加機構とを有している。
【0033】
これら現像器41〜44は、トナーの帯電極性を利用して、感光ドラム1の表面に静電潜像に対応するパターンで現像剤像を形成する。また、感光ドラム1の周囲には、これら現像器41〜44と潜像形成手段とが交互に配置されている。すなわち、図1に示す電子写真装置によると、感光ドラム1の像保持面上に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの現像剤像を順次形成することができる。
【0034】
転写手段5は、感光ドラム1と接して配置された中間転写媒体である転写ローラ6と、転写ローラ6に圧力を印加する加圧ローラ8とで構成されている。転写ローラ6は、図示しない電圧印加手段により所定の電圧を印加可能な構造を有することができる。また、通常、転写ローラ6はヒータ(図示せず)を内蔵していおり、転写ローラ6の周囲にはクリーナ91が設けられる。転写ローラ6のさらに詳細な構造については、後で説明する。
【0035】
次に、図1に示す電子写真装置を用いた電子写真像の形成プロセスについて説明する。図1に示す電子写真装置を用いた電子写真像の形成プロセスは、例えば、感光ドラム1を矢印25に示す方向に連続的に回転させつつ行われる。まず最初に、クリーナ9で清浄化された像保持面は、感光ドラム1の回転に伴って帯電器21の正面に至り、そこで正及び負のいずれか一方の極性に均一に帯電させられる。
【0036】
次に、帯電器21により帯電させた像保持面は、感光ドラム1の回転に伴って窓部51の正面へと送られ、そこで、帯電した像保持面に図示しないレーザ露光器から窓部51を介してレーザ光31がイエローの画像情報に対応して照射される。その結果、像保持面の露光部は除電され、像保持面にはイエローの画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0037】
イエローの静電潜像が形成された像保持面は、次に、感光ドラム1の回転に伴って現像器41へと送られる。現像器41に到達した像保持面には、イエローのトナーと溶剤とを含有するイエローの現像液が供給される。このとき、現像ローラにはトナーの帯電極性と同極性の所定のバイアス電圧が印加される。これにより、像保持面と現像ローラとのギャップに供給された現像液中に電場が形成され、トナーは電気泳動により感光ドラム1に向けて移動する。その結果、感光ドラム1の像保持面には、イエローの現像剤像が形成される。
【0038】
なお、ここで使用する現像液は、例えば、1重量%〜10重量%のトナーと溶媒とを含有するものである。また、トナー粒子としては、アクリル系共重合体と顔料とを混合してなる粒子等を用いることができ、溶剤としては、エクソン社製のアイソパーやノーパーのような高抵抗率の或いは絶縁性の石油系溶媒等を使用することができる。
【0039】
像保持面にイエローの現像剤像を形成した後、上述したのと同様の方法により、マゼンタ、シアン、及びブラックの現像剤像を順次形成する。その後、以下に説明する転写工程を実施する。
【0040】
まず、被転写材である用紙10を転写ローラ6と加圧ローラ8との間に挿入する。転写ローラ6は、図示しないヒータにより、例えば40〜60℃程度の比較的低い温度に加熱しておく。次に、感光ドラム1、転写ローラ6、及び加圧ローラ8を回転させて、像保持面に形成された現像剤像を転写ローラ6の表面に接触させるのとともに、転写ローラ6にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する。その結果、現像剤像は、転写ローラ6との間の静電引力により、感光ドラム1の像保持面から転写ローラ6上に転写される。
【0041】
転写ローラ6上に転写された現像剤像は、転写ローラ6の回転に伴って移動し、用紙10と接触する。このとき、加圧ローラ8から転写ローラ6に圧力が加えられているので、現像剤像は転写ローラ6表面から用紙10上に転写される。用紙10は転写ローラ6の回転に伴って矢印26の方向に移動し、転写ローラ6上に転写された現像剤像は、用紙10上に連続的に転写される。なお、湿式電子写真技術においては、多く場合、定着プロセスは室温で実行可能であるが、上記用紙10への現像剤像の転写の際に加圧ローラ8を加熱して、熱による定着を行ってもよい。以上のようにして、用紙10上にフルカラーの電子写真像を形成することができる。
【0042】
さて、本実施形態によると、上述した電子写真装置の感光ドラム1及び転写ローラ6の少なくとも一方は、その表面領域に後で詳述するSiを含む化合物を含有している。以下、感光ドラム1及び転写ローラ6の構造並びに上記Siを含む化合物について説明する。
【0043】
まず、感光ドラム1の表面領域が上記Siを含む化合物を含有する場合に採用される構造について図2を参照しながら説明する。
図2(a),(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る電子写真装置に用いられる感光ドラム1の例を示す断面図である。図2(a),(b)に示す感光ドラム1は、導電性表面を有する基体11と基体11の導電性表面上に形成された感光体層12とを有している。
【0044】
基体11は、図2(a)に示すように、Alのような導電性材料からなる導電性基体11であってもよく、図2(b)に示すように、ポリエチレンのような絶縁体からなる絶縁性基体15の表面に導電膜16を形成してなるものであってもよい。
【0045】
感光体層12は、上記Siを含む化合物と、有機系、アモルファスシリコン系、SeTe系、或いは酸化亜鉛系などの感光性材料とを含有している。また、この感光体層12は、上述した帯電器21〜24により正及び負のいずれかの極性に帯電され得る。感光体層12は、上記Siを含む化合物と感光性材料とが混合された単層構造を有していてもよいが、通常は、図2(a),(b)に示すように、基体11の導電性表面上に感光性材料を含有する帯電層13と上記Siを含む化合物を含有する表面層14とを順次積層した構造を有している。感光体層12が図2(a),(b)に示すように積層構造を有する場合、帯電層13の汚染を防止することができる。また、この場合、帯電層13が現像液に含まれる溶剤と接触することにより生ずる劣化を防止することができる。なお、表面層14は、円筒形の像保持面を構成している。
【0046】
次に、転写ローラ6の表面領域が上記Siを含む化合物を含有する場合に採用される構造について図3を参照しながら説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る電子写真装置に用いられる転写ローラ6の例を示す断面図である。図3に示す転写ローラ6は、基体17とその上に順次積層された下地層18及び表面層19を有している。
【0047】
転写ローラ6の基体17は、必須の構成要素ではなく、下地層18を構成する材料や装置の構成等に応じて適宜用いられる。基体17に用いられる材料に特に制限はなく、下地層18は一般的な転写ローラに用いられる材料、例えば、ポリイミド、ポリエステル、テフロン、及びポリプロピレンなどの樹脂や、ニッケル及びステンレスなどの可撓性の金属等を用いてチューブ状に形成することができる。また、下地層18は、ウレタンゴム、シリコーンゴム、及びNBRのようなエラストマーを用いてチューブ状に形成してもよい。
【0048】
転写ローラ6の表面層19は、上記Siを含む化合物を含有している。転写ローラ6がこのような表面層19を有している場合、表面の汚染を防止することができる。また、下地層18が現像液に含まれる溶剤と接触することにより生ずる劣化を防止することができる。
【0049】
なお、感光ドラム1の表面領域が上記Siを含む化合物を含有しない場合は、図2(a),(b)に示す感光ドラム1から表面層14を除いた構造が採用される。また、同様に、転写ローラ6の表面領域が上記Siを含む化合物を含有しない場合は、図3に示す転写ローラ6から表面層19を除いた構造が採用される。
【0050】
上述した感光ドラム1の表面層14及び転写ローラ6の表面層19は、Siを含む化合物として、ポリシラザンのようにSi−N結合やSi−C−N結合等を有する化合物を含有している。これら化合物は、通常、シリカの生成に用いた原料の未反応物或いはシリカの生成に伴って生じた反応副生成物として表面層14,19中に含有されている。すなわち、表面層14,19は、通常、Si−N結合やSi−C−N結合等を有する化合物に加え、Si−O結合を有する化合物であるシリカを含有している。
【0051】
表面層14,19中に含有されるSi−N結合やSi−C−N結合を有する化合物は、下記化学式(1)或いは(2)に示す構造を1つのみ有する低分子量の化合物であってもよいが、好ましくは、主鎖が下記化学式(1)或いは(2)に示す構造を繰返し単位として有するポリマー、すなわち、ポリシラザン骨格を有する化合物である。かかる構造を有するポリマーを用いて形成した表面層14,19、換言すれば、かかる構造を有するポリマーを含有する表面層14,19においては、極めて高い機械的強度が得られる。したがって、長期間にわたって使用した場合でも転写効率が大幅に低下するのを防止することができる。
【0052】
【化1】
Figure 0004011806
【0053】
[上記化学式(1)及び(2)において、R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリル基、水素原子の少なくとも一部がフッ素で置換されたアルキル基、アルキルシリル基、及びアルキルアミノ基からなる群より選ばれる。また、R1〜R3の1つは水素原子である。]
なお、通常、シラザン骨格は一般には上記化学式(1)に示す構造を意味するが、本発明においては、その変成体である上記化学式(2)に示す構造もシラザン骨格に含まれることとする。すなわち、本発明においてポリシラザン骨格を有する化合物は、上記化学式(1)に示す構造を繰返し単位として有するポリマー、上記化学式(2)に示す構造を繰返し単位として有するポリマー、及び上記化学式(1)に示す構造並びに上記化学式(2)に示す構造を繰返し単位として有するポリマーを包含するものとする。
【0054】
上記ポリマーは、直鎖状の或いは分枝した鎖状ポリマーであってもよく、環状構造を有するものであってもよい。また、このようなポリマーは、Si−O結合やSi−O−Si結合等を有することが好ましい。
【0055】
表面層14,19中に含有されるSi−N結合やSi−C−N結合を有する化合物は、Si−Cn2n+1結合或いはSi−Cn2n+1結合(nは自然数)を有することが好ましい。すなわち、上記化合物のSi原子はハイドロカーボン基(−Cn2n+1基)やフルオロカーボン基(−Cn2n+1基)で修飾されていることが好ましい。これら官能基を上記化合物に導入した場合、表面層14,19をより均一に及び所望の膜厚で形成することができ、しかも、表面層14,19とトナーとの間の付着力を低減することができるため、十分に高い転写効率を得ること、すなわち高画質を実現することができる。
【0056】
また、これら官能基を上記化合物に導入した場合、画質の向上には他の要因も寄与する。上述したように、電子写真技術において、感光ドラムの像保持面への現像剤像の形成には静電作用が利用される。そのため、良好な画質を得るためには、像保持面の電気抵抗値が十分に高いことが必要である。しかしながら、表面層14,19が大気中の水分等を吸着した場合、像保持面の電気抵抗値が低下するため、静電潜像や現像剤像がぼやけ、画質の低下を生じてしまう。
【0057】
それに対し、表面層14,19中に含有されるSi−N結合やSi−C−N結合を有する化合物のSi原子をハイドロカーボン基やフルオロカーボン基で修飾した場合、大気中の水分等が表面層14,19に吸着されるのを抑制することができる。したがって、高湿度下においても像保持面の電気抵抗値を十分に高く維持することができ、より高画質を実現することができる。
【0058】
表面層14,19は、Si−N結合やSi−C−N結合を有する化合物に加え、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)に代表されるフッ素樹脂のようにC−F結合を有する化合物をさらに含有することが好ましい。この場合も、表面層14,19とトナーとの間の付着力を低減することができ、十分に高い転写効率を得ることが可能となる。また、上述したのと同様の理由により、像保持面の電気抵抗値を十分に高く維持することができる。したがって、より高画質を実現することができる。なお、C−F結合を有する化合物は、通常、表面層14,19中に例えば平均粒径が0.2μm〜0.4μmの微粒子の形態で含有される。
【0059】
また、表面層14,19は、C−F結合を有する化合物だけでなく、他の添加物を含有することもできる。そのような添加物は有機化合物及び無機化合物のいずれであってもよい。表面層14,19が含有することができる有機化合物としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のポリマー;フタロシアニン、キナクリドン、及びアゾ染料等の染料或いは顔料などを挙げることができる。また、表面層14,19が含有することができる無機化合物としては、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化チタン、シリカ、酸化マグネシウム、酸化マンガン、及び酸化バナジウム等の金属酸化物;金属窒化物;炭化珪素;二硫化モリブデン等の金属硫化物;タルク、マイカ、カオリン、及びモンモリロナイト等の複合結晶構造を有する鉱物;銅、アルミニウム、及びニッケル等の金属粉;カーボン等の染料或いは顔料などを挙げることができる。
【0060】
これら添加物は、表面層14,19中に、例えば平均粒径が0.01μm〜5μm程度の微粒子の形態で含有されてもよく、可能であれば、Si−N結合やSi−C−N結合を有する化合物と化学的に結合した状態で含有されてもよい。また、これら添加物の表面層14,19中での濃度は、50質量%以下であることが好ましい。通常、表面層14,19中の添加物濃度が上記範囲内にあれば、十分な機械的強度を得ることができる。
【0061】
表面層14,19中に含有されるSi−N結合やSi−C−N結合を有する化合物は、Si−N結合及びSi−C−N結合のいずれを有していてもよいが、Si−C−N結合を有することが好ましい。表面層14,19がSi−C−N結合を有する化合物を含有する場合、Si−N結合を有する化合物を含有する場合に比べて、感光ドラム1の像保持面の電気抵抗値をより高めることができる。したがって、より高画質を実現することができる。
【0062】
上述した表面層14,19は、0.05μm〜2μm程度の厚さを有することが好ましく、0.1μm〜1μm程度の厚さを有することがより好ましい。表面層14,19の厚さが過剰に厚い場合、クラックを生じ易く、しかも、帯電層13とトナーとの間の静電作用が弱められて画質の低下を生ずることがある。また、表面層14,19の厚さが過剰に薄い場合、十分な機械的強度を得ることができないことがある。なお、本実施形態に係る表面層14,19は、後述するように所定の塗布液をコートすることにより形成されるので、その膜厚は、バルクのシリコンを窒化することにより形成される窒化膜やバルクのシリコンの表面に形成される自然酸化膜等に比べて遥かに厚い。換言すれば、バルクのシリコンの表面領域に単に窒化処理等を施すだけでは、上述した効果を得ることはできない。
【0063】
以上説明した表面層14,19は、例えば、以下に示す方法により形成することができる。上記化学式(1)に示す構造を繰返し単位として有するポリシラザンを用いて表面層14,19を形成する場合を例に説明する。
【0064】
まず、ポリシラザンを所定の溶媒に溶解させてなる塗布液を、ディッピング法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、及びスプレーコーティング法などの方法により帯電層13や基体17の表面にコートする。次に、帯電層13や基体17の表面に塗布した塗布液から溶媒を除くのとともに水やアルコールのようにOH基を有する化合物を用いて加水分解を生じさせ、さらに、それにより生じた生成物を縮合させる。このようにして、ポリシラザンをシリカへと転化させて、表面層14,19を得る。
【0065】
上述したような方法でポリシラザンを用いて表面層14,19を形成した場合、ポリシラザンの全てがシリカとなる訳ではなく、ポリシラザンの一部は未反応のまま或いは部分的に反応を生じた状態で表面層14,19に含まれる。すなわち、ポリシラザンを用いて表面層14,19を形成した場合、表面層14,19には必然的にポリシラザン骨格を有する化合物が含まれる。すなわち、表面層14,19はSi及びOのみから構成される訳ではなく、NやCも含有している。
【0066】
また、ポリシラザンを用いた場合、表面層14,19を極めて緻密に形成することができる。したがって、表面層14,19を薄く形成したとしても、十分な耐摩耗性が得られる。
【0067】
上述したような方法で表面層14,19を形成する場合、原料であるポリシラザンとしては、数平均分子量Mnがスチレン換算で200〜4000程度、重量平均分子量Mw1000〜20000程度であるものを用いることが望ましい。
【0068】
このような方法で表面層14,19を形成する場合、ポリシラザンを含有する塗布液には、上述した添加物を含有させることができる。また、上記塗布液には、ポリシラザンとの間で反応を生ずる化合物を含有させることができる。例えば、上記塗布液に、反応性シリコーンオリゴマーのようなシリコーン類、テトラフルオロエチレンのようなフッ素化合物、アクリル類、ウレタン類、ポリイミド類、及びポリアミド類等を含有させることができる。これら化合物とポリシラザンとを用いて共重合などの反応を生じさせる場合には、上記塗布液に、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、及びジルコニウム系カップリング剤のような公知のカップリング剤をさらに含有させてもよい。
【0069】
上述した実施形態では、転写ローラ6を用いる場合について説明したが、転写ローラ6は必ずしも設ける必要はない。また、上述した実施形態では、像保持面に4色の現像剤像を形成した後に転写を行ったが、各色毎に現像剤像を転写してもよい。
【0070】
さらに、上述した実施形態では、本発明がより効果的に適用される湿式の電子写真技術について説明したが、本発明は乾式の電子写真技術に適用することも可能である。本発明を乾式の電子写真技術に適用する場合は、現像液の代わりに、ポリエステル樹脂と顔料、ワックス、及びCCA等との混合物を粒子状に形成してなるトナーを現像剤として用いる。また、像保持面への現像剤像の形成は、現像器でこのトナーを摩擦帯電させた後、帯電したトナーを像保持面に供給し、さらに現像バイアス電圧を印加することにより行えばよい。
【0071】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0072】
参考例1
まず、塗布液として、東燃社製パーヒドロポリシラザン溶液L120を15質量%の濃度で含有するジブチルエーテル溶液を調製した。次に、京セラ社製のアモルファスシリコン感光体の像保持面に、上記塗布液をディッピング法によりコートした。その後、感光体の像保持面にコートした塗布液を、大気圧雰囲気のもと150℃で1時間予備加熱し、さらに90℃・85%RHの雰囲気下で3時間加熱した。以上のようにして、表面層14を有する感光ドラム1を作製した。このようにして形成した表面層14の膜厚は0.8μmであった。また、感光ドラム1の帯電特性は、表面層14を形成することにより、表面層14の形成前に比べて若干劣化したが、実用範囲内であった。
【0073】
次に、円筒状の剛体17の表面に厚さ2mmの導電性シリコーンゴム層18を設け、その表面に、上記塗布液をディッピング法によりコートした。その後、導電性シリコーンゴム層18上にコートした塗布液を、大気圧雰囲気のもと150℃で1時間予備加熱し、さらに90℃・85%RHの雰囲気下で3時間加熱した。以上のようにして、表面層19を有する転写ローラ6を作製した。このようにして形成した表面層19の膜厚は1.0μmであった。
【0074】
以上のようにして形成した表面層14,19について調べたところ、Si−N結合の存在が確認されたのとともに、それらはいずれもポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0075】
上述した方法により作製した感光ドラム1及び転写ローラ6を図1に示す電子写真装置に用い、上記実施形態において説明した方法を用いて用紙10上への電子写真像の形成を行った。なお、転写ローラ6の表面温度は50℃とし、転写ローラ6と加圧ローラ8との接触圧力を10kg/cm2とした。また、現像液の溶剤としてはエクソン社製アイソパーLを用い、トナーとしてはアクリル樹脂を含有する粒子を用いた。
【0076】
その結果、本例に係る電子写真装置によると、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、初期と同等の画質を得ることができた。また、この時点での表面層14,19の膜厚は、ともに初期の膜厚から10%程度減少したに過ぎず、表面層14,19は十分に高い機械的強度を有していることが確認された。
【0077】
参考例2
まず、塗布液として、80質量%のポリシラザンと20質量%のPTFE粒子とを含有する東燃社製パーヒドロポリシラザン溶液F01を15質量%の濃度で含有するジブチルエーテル溶液を調製した。この塗布液を用いたこと以外は参考例1に示したのと同様の方法により、感光ドラム1及び転写ローラ6を作製した。なお、表面層14の膜厚は1.3μmであり、表面層19の膜厚は1.1μmであった。
【0078】
このようにして形成した表面層14,19について調べたところ、Si−N結合の存在が確認されたのとともに、それらはいずれもポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。また、感光ドラム1の帯電特性は、表面層14を形成することにより、表面層14の形成前に比べて若干劣化したが、実用範囲内であった。
【0079】
上述した方法により作製した感光ドラム1及び転写ローラ6を図1に示す電子写真装置に用い、上記実施形態において説明した方法を用いて用紙10上への電子写真像の形成を行った。
【0080】
その結果、本例に係る電子写真装置によると、2万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、初期と同等の画質を得ることができた。また、この時点での表面層14,19の膜厚は、ともに初期の膜厚から14%程度減少したに過ぎず、表面層14,19は十分に高い機械的強度を有していることが確認された。
【0081】
参考例3
まず、東燃社製パーヒドロポリシラザン溶液L120を15質量%の濃度で含有するジブチルエーテル溶液を調製した。次に、このジブチルエーテル溶液と、3−3−3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランの加水分解物とを100:1の重量比で含有する溶液を塗布液として調製した。この塗布液を用いたこと以外は参考例1に示したのと同様の方法により、感光ドラム1及び転写ローラ6を作製した。なお、表面層14の膜厚は0.4μmであり、表面層19の膜厚は0.3μmであった。
【0082】
このようにして形成した表面層14,19について調べたところ、Si−N結合の存在が確認されたのとともに、それらはいずれもポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。また、感光ドラム1の帯電特性は、表面層14を形成することにより、表面層14の形成前に比べて若干劣化したが、実用範囲内であった。
【0083】
上述した方法により作製した感光ドラム1及び転写ローラ6を図1に示す電子写真装置に用い、上記実施形態において説明した方法を用いて用紙10上への電子写真像の形成を行った。なお、転写ローラ6の表面温度等の各種条件は実施例1に示したのと同条件とした。
【0084】
その結果、本例に係る電子写真装置によると、2万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、初期と同等の画質を得ることができた。また、この時点での表面層14,19の膜厚は、ともに初期の膜厚から11%程度減少したに過ぎず、表面層14,19は十分に高い機械的強度を有していることが確認された。
【0085】
参考例4
まず、化学的に修飾されていないポリシラザンを含有する東燃社製パーヒドロポリシラザン溶液を15質量%の濃度で含有するジブチルエーテル溶液を調製した。次に、このジブチルエーテル溶液と、ダイキン社製フッ素樹脂微粒子ルブロンL−2Fとを10:1の重量比で含有する溶液を塗布液として調製した。この塗布液を用いたこと以外は参考例1に示したのと同様の方法により、感光ドラム1及び転写ローラ6を作製した。なお、表面層14の膜厚は1.2μmであり、表面層19の膜厚は1.1μmであった。
【0086】
このようにして形成した表面層14,19について調べたところ、Si−N結合の存在が確認されたのとともに、それらはいずれもポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。また、感光ドラム1の帯電特性は、表面層14を形成することにより、表面層14の形成前に比べて若干劣化したが、実用範囲内であった。
【0087】
上述した方法により作製した感光ドラム1及び転写ローラ6を図1に示す電子写真装置に用い、上記実施形態において説明した方法を用いて用紙10上への電子写真像の形成を行った。なお、転写ローラ6の表面温度等の各種条件は実施例1に示したのと同条件とした。
【0088】
その結果、本例に係る電子写真装置によると、2万5千枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、初期と同等の画質を得ることができた。また、この時点での表面層14,19の膜厚は、ともに初期の膜厚から14%程度減少したに過ぎず、表面層14,19は十分に高い機械的強度を有していることが確認された。
【0089】
参考例5
まず、化学的に修飾されていないポリシラザンを含有する東燃社製パーヒドロポリシラザン溶液を15質量%の濃度で含有するジブチルエーテル溶液を調製した。次に、このジブチルエーテル溶液と、平均粒径が0.2μmのタルク微粉末とを9:1の重量比で含有する溶液を塗布液として調製した。この塗布液を用いたこと以外は参考例1に示したのと同様の方法により、感光ドラム1及び転写ローラ6を作製した。なお、表面層14の膜厚は0.7μmであり、表面層19の膜厚は1.6μmであった。
【0090】
このようにして形成した表面層14,19について調べたところ、Si−N結合の存在が確認されたのとともに、それらはいずれもポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。また、感光ドラム1の帯電特性は、表面層14を形成することにより、表面層14の形成前に比べて若干劣化したが、実用範囲内であった。
【0091】
上述した方法により作製した感光ドラム1及び転写ローラ6を図1に示す電子写真装置に用い、上記実施形態において説明した方法を用いて用紙10上への電子写真像の形成を行った。なお、転写ローラ6の表面温度等の各種条件は実施例1に示したのと同条件とした。
【0092】
その結果、本例に係る電子写真装置によると、2万5千枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、初期と同等の画質を得ることができた。また、この時点での表面層14,19の膜厚は、ともに初期の膜厚から14%程度減少したに過ぎず、表面層14,19は十分に高い機械的強度を有していることが確認された。
【0093】
参考例6
参考例1に示したのと同様の方法により作製した感光ドラム1及び転写ローラ6を1成分非磁性接触型の乾式電子写真装置に用い、通常の乾式プロセスにより用紙10上への電子写真像の形成を行った。なお、プロセス速度は80mm/secとした。また、トナーとしては、ポリエステルを含有する正帯電性ブラックトナーを用いた。感光ドラム1の帯電電位は800Vとし、レーザ光を露光後の感光ドラム1の露光後電位は204Vであった。現像電位は400Vとし、転写ローラ6の電位は850Vとした。また、現像剤像を転写した用紙10には、160℃の温度で加熱定着処理を施した。
【0094】
その結果、本例に係る乾式電子写真装置によると、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、初期と同等の画質を得ることができた。また、この時点での表面層14,19の膜厚は、ともに初期の膜厚から22%程度減少したに過ぎず、表面層14,19は十分に高い機械的強度を有していることが確認された。
【0095】
参考例7
参考例1で用いた湿式電子写真装置を、用紙10が感光ドラム1と転写ローラ6との間を通過して、現像剤像が感光ドラム1から用紙10に直接転写されるように改造した。この湿式電子写真装置を用いて現像剤像を感光ドラム1から用紙10に直接転写したこと以外は実施例1に示したのと同様の方法により、用紙10上への電子写真像の形成、具体的には印字を行った。
【0096】
その結果、本例に係る電子写真装置によると、1万枚の用紙10に印字を行った形成した時点でも、初期と同等の画質を得ることができた。また、この時点での表面層14,19の膜厚は、ともに初期の膜厚から23%程度減少したに過ぎず、表面層14,19は十分に高い機械的強度を有していることが確認された。
【0097】
(比較例1)
表面層14,19を形成しなかったこと以外は参考例1に示したのと同様の方法により、用紙10上への印字を行った。しかしながら、初期においてさえ、良好な画質で印字を行うことはできなかった。
【0098】
(比較例2)
東芝シリコーン社製のシリコーン系ハードコート剤トスガード510を用いて表面層14,19を形成したこと以外は参考例1に示したのと同様の方法により感光ドラム1及び転写ローラ6を作製した。なお、表面層14の膜厚は1.2μmであり、表面層19の膜厚は2.1μmであった。
【0099】
上述した方法により作製した感光ドラム1及び転写ローラ6を図1に示す電子写真装置に用い、上記実施形態において説明した方法により、用紙10上への電子写真像の形成を行った。
【0100】
本比較例に係る電子写真装置を用いて、1万枚の用紙10に電子写真像を形成することを試みたが、初期と同等の画質を得ることができたのは200枚目までであった。また、この時点で、表面層14,19は剥離したため、それらの膜厚を測定することはできなかった。
【0101】
(比較例3)
表面層14,19を設けなかったこと以外は参考例6に示したのと同様の方法により用紙10上への電子写真像の形成を行った。しかしながら、5000枚の用紙10上への電子写真像の形成を終えた以降は、背景かぶりが増加し、良好な画質を得ることができなかった。その原因を調べたところ、帯電層13等の摩耗に起因していることが判明した。
【0102】
参考例8
まず、図2(a)に示す構造の感光ドラム1を作製した。なお、基体11は円筒形の導電性基体であり、帯電層13はフタロシアニン系顔料をバインダ樹脂であるポリカーボネートに分散してなる有機系感光性材料で構成した。また、表面層14は、以下に示す方法により形成した。
【0103】
すなわち、まず、帯電層13の表面を2−プロパノールで洗浄し、高圧窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。次に、東燃社製のパーヒドロポリシラザンをジブチルエーテルで固形分濃度が10質量%となるように希釈することにより、塗布液を調製した。その後、窒素雰囲気下、ディッピング法により、帯電層13上にこの塗布液をコートした。ディッピング法によるコートの際の引上速度は10cm/minとした。
【0104】
次に、帯電層13上に形成された塗布膜を乾燥窒素雰囲気下で風乾させ、その後、60℃のプリベークを10分間行うことにより、塗布膜から有機溶剤を除去した。さらに、60℃・80%RHの条件下で塗布膜を加熱硬化させることにより、表面層14を形成した。このようにして形成した表面層14の膜厚は約0.20μmであった。
【0105】
以上のようにして形成した表面層14についてX線光電子分光(XPS:X−ray photo electron spectroscopy)法を用いて表面分析を行ったところ、Si−N結合の存在が確認された。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0106】
上述した方法により作製した感光ドラム1を図1に示す電子写真装置に用い、上記実施形態において説明した方法を用いて用紙10上への電子写真像の形成を行い、さらに、転写効率を測定した。なお、転写ローラ6の下地層18はウレタンゴムで構成し、表面層19は設けなかった。加熱温度は、感光ドラム1側及び転写ローラ6側の双方について70℃とした。転写ローラ6から感光ドラム1に加わる荷重は、A4用紙の横幅(約210mm)当り50kgとなるように、加圧ローラ8を用いて制御した。また、転写効率は、転写前後での用紙10の重量を測定することにより求めた。
【0107】
その結果、本例に係る電子写真装置によると、初期の転写効率は62%であり、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点の転写効率は59%であった。すなわち、転写効率が大幅に低下するのを抑制することができた。
【0108】
参考例9
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例8に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。すなわち、東燃社製F−D820をジブチルエーテルで固形分濃度が10質量%となるように希釈することにより調製した塗布液を用い、参考例8に示したのと同様の方法により厚さ約0.25μmの表面層14を形成した。なお、東燃社製F−D820は、フルオロカーボン基で修飾されたポリシラザンを含有している。
【0109】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−N結合及びSi−Cn2n+1結合の存在が確認された。また、表面に存在するSi−N結合の数NSiNとSi−Cn2n+1結合の数NSiCFとの比NSiN/NSiCFは25/100であった。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0110】
上述した方法により作製した感光ドラム1を図1に示す電子写真装置に用いて参考例8に示したのと同様の条件で電子写真像の形成を行い、さらに、転写効率を測定した。その結果、本例に係る電子写真装置によると、初期において100%に近い転写効率を得ることができた。さらに、本例に係る電子写真装置によると、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、98%という高い転写効率を維持することができた。
【0111】
参考例10
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例8に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。すなわち、東燃社製N−N820をジブチルエーテルで固形分濃度が10質量%となるように希釈することにより調製した塗布液を用い、プリベークを90℃で10分間行い、加熱硬化を90℃・80%RHの条件下で行ったこと以外は参考例8に示したのと同様の方法により厚さ約0.20μmの表面層14を形成した。なお、東燃社製N−N820は、ハイドロカーボン基で修飾されたポリシラザンを含有している。
【0112】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−N結合及びSi−Cn2n+1結合の存在が確認された。また、表面に存在するSi−N結合の数NSiNとSi−Cn2n+1結合の数NSiCHとの比NSiN/NSiCHは20/100であった。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0113】
上述した方法により作製した感光ドラム1を図1に示す電子写真装置に用いて参考例8に示したのと同様の条件で電子写真像の形成を行い、さらに、転写効率を測定した。その結果、本例に係る電子写真装置によると、初期において98%の転写効率を得ることができた。さらに、本例に係る電子写真装置によると、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、95%という高い転写効率を維持することができた。
【0114】
参考例11
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例8に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。すなわち、東燃社製P−D820をジブチルエーテルで固形分濃度が15質量%となるように希釈することにより調製した塗布液を用いたこと以外は参考例8に示したのと同様の方法により厚さ約0.35μmの表面層14を形成した。なお、東燃社製P−D820は、ポリシラザンと平均粒径が20nmのPTFE粒子とを含有している。
【0115】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−N結合及びC−F結合の存在が確認された。また、表面に存在するSi−N結合の数NSiNとC−F結合の数NCFとの比NSiN/NCFは15/100であった。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0116】
上述した方法により作製した感光ドラム1を図1に示す電子写真装置に用いて参考例8に示したのと同様の条件で電子写真像の形成を行い、さらに、転写効率を測定した。その結果、本例に係る電子写真装置によると、初期において100%の転写効率を得ることができた。さらに、本例に係る電子写真装置によると、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、94%という高い転写効率を維持することができた。
【0117】
(比較例4)
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例8に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。すなわち、10重量部のトスガード510(東芝シリコーン社製のシリコーンハードコート剤)と、2重量部のXC98−B2472(東芝シリコーン社製のフルオロアルキルシラン)と、5重量部の2−プロパノールとを混合してなる塗布液を調製した。この塗布液を用い、ディッピング法により、帯電層13上にこの塗布液をコートした。ディッピング法によるコートの際の引上速度は5cm/minとした。次に、帯電層13上に形成された塗布膜を室温大気雰囲気下で風乾させた後、塗布膜を90℃で1時間加熱することにより硬化させ、表面層14を形成した。このようにして形成した表面層14の膜厚は約0.90μmであった。
【0118】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−Cn2n+1結合の存在は確認されたが、Si−N結合の存在は確認されなかった。
【0119】
上述した方法により作製した感光ドラム1を図1に示す電子写真装置に用いて参考例8に示したのと同様の条件で電子写真像の形成を行い、さらに、転写効率を測定した。その結果、本比較例に係る電子写真装置によると、初期において100%の転写効率を得ることができた。しかしながら、本比較例に係る電子写真装置によると、数枚の用紙10に電子写真像を形成しただけで転写効率が著しく低下し、50枚の用紙10に電子写真像を形成した時点で転写効率は10%以下にまで低下した。
【0120】
参考例12
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例8に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。
【0121】
すなわち、まず、帯電層13の表面を2−プロパノールで洗浄し、高圧窒素ガスを吹き付けて乾燥させ、その後、80℃のベーキングを10分間行った。次に、東燃社製のパーヒドロポリシラザンN−N720を、脱水処理したジブチルエーテルで固形分濃度が20質量%となるように希釈することにより、塗布液を調製した。その後、窒素雰囲気下、ディッピング法により、帯電層13上にこの塗布液をコートした。ディッピング法によるコートの際の引上速度は3cm/minとした。なお、東燃社製N−N720は、上記化学式(2)に示す構造を繰返し単位として有するポリシラザンを含有している。
【0122】
次に、帯電層13上に形成された塗布膜を室温大気雰囲気(25℃・50%RH)下に3日間放置して塗布膜を硬化させることにより、表面層14を形成した。このようにして形成した表面層14の膜厚は約0.35μmであった。
【0123】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−C−N結合の存在が確認された。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0124】
上述した方法により作製した感光ドラム1を図1に示す電子写真装置に用い、参考例8において説明したのと同様の条件下で用紙10上への電子写真像の形成を行い、さらに、転写効率を測定した。その結果、本例に係る電子写真装置によると、初期の転写効率は62%であり、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点の転写効率は59%であった。すなわち、転写効率が大幅に低下するのを抑制することができた。
【0125】
次に、表面層14の表面抵抗を、デジタル超高抵抗/微少電流計(アドバンテスト社製R8340A)を用いて測定した。具体的には、まず、表面層14上に、直径70mmの円形開口部を有する円形電極と直径50mmの円形電極とを同心上に配置した。次に、この状態で、それら電極間に印加する電圧を500、600、700、800、900、1000Vの間で変化させ、それぞれについて表面抵抗を測定し、平均値を求めた。その結果、表面抵抗の平均値は40%RHの湿度条件下で1.0×1017Ω以上であり、70%RHの湿度条件下で1.0×1015Ω以下程度であった。
【0126】
次に、上記電子写真装置を用いて、表面層14上にφ100μmの円形パターンを200μmピッチで縦横5列づつ形成した。すなわち、計25個の可視円形画像を形成した。その後、CCDカメラを用いてこれら可視円形画像を読取った。さらに、画像処理ソフトを用いて、読取った可視円形画像の総面積Sを求め、25個のφ100μmの円の面積の和S0に対する比S/S0を算出することにより、画像ぼけの評価を行った。その結果、比S/S0として1.95なる値が得られた。
【0127】
参考例13
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例12に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。すなわち、パーヒドロポリシラザンN−N720の代わりに東燃社製のポリシラザンF−D820を用いたこと以外は参考例12に示したのと同様の方法により厚さ約0.25μmの表面層14を形成した。
【0128】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−N結合及びSi−Cn2n+1結合の存在は確認されたが、Si−C−N結合の存在は確認されなかった。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0129】
上述した方法により作製した感光ドラム1を用い、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定した。その結果、本例に係る電子写真装置によると、初期の転写効率は100%であり、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、94%という高い転写効率を維持することができた。
【0130】
次に、表面層14の表面抵抗を、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定した。その結果、表面抵抗の平均値は5.0×1013Ωであった。また、参考例12において説明したのと同様の方法により画像ぼけの評価を行ったところ、比S/S0として3.25なる値が得られた。
【0131】
実施例1
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例12に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。すなわち、パーヒドロポリシラザンN−N720の代わりに東燃社製のポリシラザンF−D720を用いたこと以外は参考例12に示したのと同様の方法により厚さ約0.40μmの表面層14を形成した。なお、東燃社製のポリシラザンF−D720は、上記化学式(2)に示す構造を繰返し単位として有し、フルオロカーボン基で修飾されたポリシラザンを含有している。
【0132】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−C−N結合及びSi−Cn2n+1結合の存在が確認された。また、表面に存在するSi−C−N結合の数NSiCNとSi−Cn2n+1結合の数NSiCFとの比NSiCN/NSiCFは25/100であった。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0133】
上述した方法により作製した感光ドラム1を用い、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定した。その結果、本実施例に係る電子写真装置によると、初期の転写効率は100%であり、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、98%という高い転写効率を維持することができた。
【0134】
次に、表面層14の表面抵抗を、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定した。その結果、表面抵抗の平均値は2.0×1017Ωであった。また、参考例12において説明したのと同様の方法により画像ぼけの評価を行ったところ、比S/S0として1.04なる値が得られた。
【0135】
実施例2
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例12に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。すなわち、まず、パーヒドロポリシラザンN−N720の代わりに、パーヒドロポリシラザンN−N720をメチル基で修飾したポリシラザンを用いたこと以外は参考例12と同様にして、帯電層13上に塗布液をコートした。次に、帯電層13上に形成された塗布膜を室温大気雰囲気下で5分間風乾させ、その後、60℃で10分間ベークすることにより、塗布膜から有機溶剤を除去した。さらに、塗布膜を過酸化水素水(H22含有率:35質量%)中に30秒間浸漬させることによりシリカへの転化を生じさせ、その後、直ちに純水で洗浄した。最後に、70℃で1時間の加熱硬化処理を行うことにより、膜厚が約0.5μmの表面層14を得た。
【0136】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−C−N結合及びSi−Cn2n+1結合の存在が確認された。また、表面に存在するSi−C−N結合の数NSiCNとSi−Cn2n+1結合の数NSiCFとの比NSiCN/NSiCHは20/100であった。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0137】
上述した方法により作製した感光ドラム1を用い、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定した。その結果、本実施例に係る電子写真装置によると、初期の転写効率は98%であり、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、95%という高い転写効率を維持することができた。
【0138】
次に、表面層14の表面抵抗を、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定した。その結果、表面抵抗の平均値は5.0×1016Ωであった。また、参考例12において説明したのと同様の方法により画像ぼけの評価を行ったところ、比S/S0として1.09なる値が得られた。
【0139】
実施例3
表面層14を以下に示す方法により形成したこと以外は参考例12に示したのと同様の方法により感光ドラム1を作製した。すなわち、東燃社製ポリシラザンP−D720を、脱水処理したジブチルエーテルで固形分濃度が15質量%となるように希釈することにより調製した塗布液を用いたこと以外は参考例12に示したのと同様の方法により厚さ約0.45μmの表面層14を形成した。なお、東燃社製ポリシラザンP−D720は、上記化学式(2)に示す構造を繰返し単位として有するポリシラザンと平均粒径20nmのPTFE粒子とを含有している。
【0140】
以上のようにして形成した表面層14についてXPS法を用いて表面分析を行ったところ、Si−C−N結合及びC−F結合の存在が確認された。また、表面に存在するSi−C−N結合の数NSiCNとC−F結合の数NSiCFとの比NSiCN/NCFは15/100であった。また、表面層14は、ポリシラザン骨格を有する化合物を含有していることが判った。
【0141】
上述した方法により作製した感光ドラム1を用い、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定した。その結果、本実施例に係る電子写真装置によると、初期の転写効率は94%であり、1万枚の用紙10に電子写真像を形成した時点でも、95%という高い転写効率を維持することができた。
【0142】
次に、表面層14の表面抵抗を、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定した。その結果、表面抵抗の平均値は3.0×1016Ωであった。また、参考例12において説明したのと同様の方法により画像ぼけの評価を行ったところ、比S/S0として1.11なる値が得られた。
【0143】
参考例14
感光ドラム1として、図2(a)に示す構造の代わりに、図2(b)に示す構造を採用したこと以外は参考例12に示したのと同様の方法により感光体1を作製した。なお、基体11としては、ポリエチレンからなる絶縁性基体15上に導電膜16としてAl蒸着層を形成したものを用いた。このように絶縁性基体15にフレキシブルな材料を用いた感光体1は、所謂、ベルト感光体或いはシート状感光体である。
【0144】
この感光体1の表面分析を行ったところ、参考例12に示したのと同様の結果が得られた。また、上述した方法により作製した感光ドラム1を用い、参考例12において説明したのと同様の方法により転写効率を測定したところ、参考例12に示したのと同様の結果が得られた。さらに、表面層14の表面抵抗の測定並びに画像ぼけの評価を行ったところ、これらについても参考例12に示したのと同様の結果が得られた。
【0145】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、電子写真感光体や中間転写媒体の表面に、Siを含む所定の化合物を含有する薄膜が形成されるため、機械的強度に優れた表面を得ることができる。すなわち、本発明によると、長期間にわたって使用した場合でも転写効率が大幅に低下するのを防止することが可能となる。
【0146】
また、本発明によると、上記Siを含む所定の化合物としてSi−Cn2n+1結合或いはSi−Cn2n+1結合を有する化合物を用いること、或いは上記Siを含む所定の化合物とC−F結合を有する化合物との混合物を含む薄膜を用いることにより、極めて高い転写効率を長期にわたって維持することが可能となる。
【0147】
さらに、本発明によると、上記Siを含む所定の化合物としてSi−C−N結合を有する化合物を用いることにより、電子写真感光体表面の抵抗値を高めることができ、より高画質を実現することが可能となる。
【0148】
すなわち、本発明によると、機械的強度に優れた表面を有する電子写真感光体及び中間転写媒体並びにそれらの少なくとも一方を用いた電子写真装置が提供される。
【0149】
また、本発明によると、長期にわたって十分に高い転写効率を維持することを可能とする電子写真感光体及び中間転写媒体並びにそれらの少なくとも一方を用いた電子写真装置が提供される。
【0150】
さらに、本発明によると、より高画質を実現することを可能とする電子写真感光体及び中間転写媒体並びにそれらの少なくとも一方を用いた電子写真装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子写真装置を概略的に示す図。
【図2】(a),(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る電子写真装置に用いられる感光ドラムの例を示す断面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る電子写真装置に用いられる転写ローラの例を示す断面図。
【符号の説明】
1…感光ドラム ; 5…転写手段 ; 6…転写ローラ
8…加圧ローラ ; 9,91…クリーナ ; 10…用紙
11,15,17…基体 ; 12…感光体層 ; 14,19…表面層
16…導電膜 ; 18…下地層 ; 21〜24…帯電器
25,26…矢印 ; 31〜34…レーザ光 ; 41〜44…現像器
51〜54…窓部

Claims (4)

  1. 導電性表面を有する基体と該基体の導電性表面上に形成され光を照射することにより帯電状態に変化を生じる感光体層とを具備し、前記感光体層は、
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー、及び
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合を有するポリマーとC−F結合を有する化合物との混合物
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の化学物質を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0004011806
    ここで、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 の各々は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリル基、水素原子の少なくとも一部がフッ素で置換されたアルキル基、アルキルシリル基、及びアルキルアミノ基からなる群より選ばれ、R 1 〜R 3 の1つは水素原子である。
  2. 電子写真感光体の感光体層上に形成された現像剤像の被転写材上への転写を媒介する中間転写媒体であって、下地層と該下地層上に形成された表面層とを具備し、前記表面層は、
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー、及び
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合を有するポリマーとC−F結合を有する化合物との混合物
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の化学物質を含有することを特徴とする中間転写媒体。
    Figure 0004011806
    ここで、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 の各々は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリル基、水素原子の少なくとも一部がフッ素で置換されたアルキル基、アルキルシリル基、及びアルキルアミノ基からなる群より選ばれ、R 1 〜R 3 の1つは水素原子である。
  3. 像保持面を有する電子写真感光体と、前記像保持面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像が形成された像保持面に現像剤像を形成する現像手段と、前記現像剤像を前記像保持面から被転写材上に転写する転写手段とを具備し、
    前記電子写真感光体は、導電性表面を有する基体と、該基体の導電性表面上に形成され前記像保持面を構成し且つ光を照射することにより帯電状態に変化を生じる感光体層とを具備し、
    前記感光体層は、
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー、及び
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合を有するポリマーとC−F結合を有する化合物との混合物
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の化学物質を含有することを特徴とする電子写真装置。
    Figure 0004011806
    ここで、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 の各々は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリル基、水素原子の少なくとも一部がフッ素で置換されたアルキル基、アルキルシリル基、及びアルキルアミノ基からなる群より選ばれ、R 1 〜R 3 の1つは水素原子である。
  4. 像保持面を有する電子写真感光体と、前記像保持面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像が形成された像保持面に現像剤像を形成する現像手段と、前記現像剤像を前記像保持面から被転写材上に転写する転写手段とを具備し、
    前記転写手段は、前記電子写真感光体と前記被転写材との間に介在し、前記像保持面上に形成された現像剤像の前記被転写材上への転写を媒介する中間転写媒体を具備し、
    前記中間転写媒体は、下地層と該下地層上に形成された表面層とを具備し、前記表面層は、
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合とSi−Cn2n+1結合とを有するポリマー、及び
    下記化学式に示す構造を繰返し単位として有するポリマーであってSi−C−N結合を有するポリマーとC−F結合を有する化合物との混合物
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の化学物質を含有することを特徴とする電子写真装置。
    Figure 0004011806
    ここで、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 の各々は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリル基、水素原子の少なくとも一部がフッ素で置換されたアルキル基、アルキルシリル基、及びアルキルアミノ基からなる群より選ばれ、R 1 〜R 3 の1つは水素原子である。
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