JP4011333B2 - 長尺の薄膜線材の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺の薄膜線材の製造方法および製造装置に関し、具体的には長尺の酸化物超電導導体の製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酸化物超電導線材などの長尺の酸化物超電導導体をスパッタリング、レーザ蒸着などの物理蒸着法を用いて作製する方法の改良は、たとえば特許3187043号公報に開示されている。
【0003】
この公報には、ターゲットから発生させた粒子をターゲット近傍を移動中の基材上に順次堆積させて酸化物超電導導体を製造する方法において、ターゲットと基材との間に基材をターゲットから覆い隠すフィルタ板を配置し、そのフィルタ板に窓孔を形成することで粒子の一部のみを選択的に通過させて基材上に蒸着させる方法が開示されている。
【0004】
この公報に記載された技術では、選択された粒子のみが基材に堆積するため、長さ方向に均一な組成の酸化物超電導薄膜を有する酸化物超電導導体を製造することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記公報に開示された方法では、ターゲットと基材との間にフィルタ板を配置しているために、蒸着工程中にフィルタ板上に粒子が堆積する。フィルタ板にある窓孔周辺は特に飛散してくる粒子量が多いため付着の度合が高く、窓孔周辺から堆積物が成長し窓孔が目詰まりを起こす。このようにフィルタ板構造では窓孔周辺の粒子堆積を抑制する効果がないため、窓孔が目詰まりを起こすことは避けられない。
【0006】
このような目詰まりを起こした場合には、粒子が基材に到達しなくなる。
また、粒子の選択性を上げると必然的に窓孔が小さくなるため、上記の目詰まりを助長させることになる。
【0007】
また長尺材を作製する場合には成膜時間が長くなり、必然的にフィルタ板の窓孔周辺への粒子の付着が増すため、上記窓孔の目詰まりが助長される。
【0008】
それゆえ本発明の目的は、粒子の目詰まりを防止することにより、ターゲットからの粒子が容易に基板に到達でき、粒子の選択性を容易に向上でき、かつ、長尺材への均一な薄膜の形成が可能な長尺の薄膜線材の製造方法およびその製造装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の長尺の薄膜線材の製造方法は、ターゲットから発生させた粒子を、ターゲット近傍を移動中のテープ状基材に順次堆積させる長尺の薄膜線材の製造方法において、ターゲットとテープ状基材との間に複数のテープ材を組合せて配置し、複数のテープ材の組合せにより構成される粒子通過口を通じて、ターゲットから発生させた粒子の一部を選択的にテープ状基材に堆積させ、複数のテープ材の各々の移動速度dは、テープ状基材に堆積させる粒子堆積速度をa、テープ状基材の長手方向に垂直方向における粒子通過口のサイズをb、テープ状基材の長手方向における粒子通過口のサイズをcとした場合、粒子の堆積により粒子通過口を塞がない条件のb/a>c/dの関係を満たすことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の長尺の薄膜線材の製造装置は、ターゲットから発生させた粒子を、ターゲット近傍を移動中のテープ状基材に順次堆積させる長尺の薄膜線材の製造装置において、ターゲットとテープ状基材との間に組合せて配置された複数のテープ材を備え、複数のテープ材の組合せにより構成された粒子通過口を通じてターゲットから発生させた粒子の一部を選択的にテープ状基材に堆積させるよう構成されており、複数のテープ材の各々の移動速度dは、テープ状基材に堆積させる粒子堆積速度をa、テープ状基材の長手方向に垂直方向における粒子通過口のサイズをb、テープ状基材の長手方向における粒子通過口のサイズをcとした場合、粒子の堆積により粒子通過口を塞がない条件のb/a>c/dの関係を満たすことを特徴とするものである。
【0011】
レーザ蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法などの物理蒸着法を用いて酸化物超電導体やセラミックスなど多元素系物質の薄膜を形成する場合、ターゲットから発生する粒子の組成は飛散位置によって変動する。これは飛散する元素の重量、電子状態の違いによるところがある。そのため、均一な組成の薄膜を形成するには蒸着にかかわる粒子を選択する必要がある。そこで粒子の一部だけを通過させる粒子通過口を設けて蒸着を行ない均質な薄膜を得る。
【0012】
しかし、粒子通過口を通過できなかった粒子は粒子通過口周辺に堆積し、その粒子通過口を塞ぐ状態となり、成膜に寄与する粒子が基材上に到達できない状態になる。そのため、通過できなかった粒子を粒子通過口周辺より除去する仕組みが必要となる。
【0013】
本発明の長尺の薄膜線材の製造方法および製造装置によれば、ターゲットから発生させた粒子の一部を選択的にテープ状基材に到達させるための粒子通過口が、複数のテープ材の組合せにより構成されている。この複数のテープ材を、たとえばその長手方向に順次移動させることで、テープ材上に堆積した粒子を粒子通過口近傍より除去することが可能となる。それにより、粒子の付着による粒子通過口の開口サイズは一定に保たれる。このため、粒子の目詰まりを防止でき、ターゲットからの粒子が容易に基板に到達でき、粒子の選択性を容易に向上でき、かつ長尺材への均一な薄膜の形成が可能となる。
また、粒子の堆積により粒子通過口を塞がない条件のb/a>c/dの関係を満たすため、粒子通過口を粒子の堆積によって塞ぐことがなくなり、ターゲットからの粒子の一部を確実にテープ状基材へ到達させることが可能となる。
【0014】
上記の長尺の薄膜線材の製造方法および製造装置において好ましくは、複数のテープ材の各々は、複数のテープ材の各長手方向に移動することを特徴とする。
【0015】
これにより、上述したようにテープ材上に堆積した粒子を粒子通過口近傍より除去できるため、粒子の付着によって粒子通過口の開口サイズが変化することを防止することができる。
【0018】
上記の長尺の薄膜線材の製造方法および製造装置において好ましくは、複数のテープ材は4本のテープ材からなる。
【0019】
これら4本のテープ材を格子状に組むことにより、その格子状の中心部に粒子通過口を形成することが可能となる。
【0020】
上記の長尺の薄膜線材の製造方法および製造装置において好ましくは、複数のテープ材の各々の材質は、軟化点および融点の双方が、ターゲットから発生させた粒子をテープ状基材に堆積させる際の雰囲気温度以上の物質よりなっている。
【0021】
これにより、ターゲットからの粒子をテープ状基材に堆積させるプロセス中にテープ材が軟化したり溶けたりすることを防止することができる。
【0022】
上記の長尺の薄膜線材の製造方法および製造装置において好ましくは、複数のテープ材の各々の材質は、ステンレス鋼、ニッケル(Ni)基超耐熱鋼、鉄(Fe)基超耐熱鋼およびコバルト(Co)基超耐熱鋼よりなる群から選ばれる1種以上の材質からなっている。
【0023】
このように、複数のテープ材の材質は適宜選択することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態における長尺の酸化物超電導導体の製造装置を示す概略断面図である。図1を参照して、この製造装置のおいては、レーザ光源6から発せられたレーザ光10がレーザ光導入窓5を介して蒸着室7内のターゲット3に照射可能に配置されている。そしてレーザ光10の照射によりターゲット3から飛散した粒子3aがテープ状基材1に蒸着可能なようにターゲット3およびテープ状基材1が配置されている。またテープ状基材1の粒子3aが蒸着される面とは反対側に、テープ状基材1を加熱するための加熱ヒータ4が配置されている。
【0026】
テープ状基材1は、その長手方向に長尺であり、その長手方向の両端がボビンに巻付けられている。そして、一方のボビンから他方のボビンへテープ状基材1を巻取ることにより、テープ状基材1はその長手方向に移動する。
【0027】
ターゲット3とテープ状基材1との間には、複数のテープ材2が組合せて配置されている。複数のテープ材2の組合せにより粒子通過口2aが構成されている。この粒子通過口2aを通してターゲット3から飛散する粒子3aの一部のみが選択的にテープ状基材1の表面に堆積される。
【0028】
この複数のテープ材2は、たとえば図2に示すように、4本のテープ材2を格子状に組み、その中心部分に粒子通過口2aを形成するよう配置されている。さらにこれらのテープ材2は粒子通過口2aの形状と位置を保ったまま、各長手方向に移動することができるよう構成されている。
【0029】
なお、複数のテープ材2の各々の移動速度dは、テープ状基材1に堆積させる粒子堆積速度をa、テープ状基材1の長手方向に垂直方向における粒子通過口2aのサイズをb、テープ状基材1の長手方向における粒子通過口2aのサイズをcとした場合、粒子3aの堆積により粒子通過口2aを塞がない条件のb/a>c/dの関係を満たすことが好ましい。これにより、粒子通過口2aが粒子3aの堆積によって塞がれることがなくなり、ターゲット3からの粒子3aの一部を確実にテープ状基材1へ到達させることが可能となる。
【0030】
また複数のテープ材2の各々の材質は、軟化点および融点の双方が、ターゲット3から発生させた粒子3aをテープ状基材1に堆積させる際の雰囲気温度以上の物質よりなっていることが好ましい。これにより、ターゲット3からの粒子3aをテープ状基材1に堆積させるプロセス中にテープ材2が軟化したり溶けたりすることを防止することができる。
【0031】
また複数のテープ材2の各々の材質は、ステンレス鋼、ニッケル基超耐熱鋼、鉄基超耐熱鋼およびコバルト基超耐熱鋼よりなる群から選ばれる1種以上の材質からなっていることが好ましい。このように、複数のテープ材2の材質は適宜選択することが可能である。またテープ材2の形状は、長尺でテープ状基材1を十分に覆い隠すに必要な幅を持っている。
【0032】
次に、本実施の形態の長尺の酸化物超電導導体の製造方法について説明する。まずレーザ光源6からレーザ光10が発せられ、このレーザ光10はレーザ光導入窓5を介してターゲット3に照射される。これにより、ターゲット3から粒子3aが飛散する。このとき、たとえば4本のテープ材2は、各々その長手方向にたとえば一定速度で移動している。また、テープ状基材1もボビンに巻取られることによって長手方向に移動しており、かつ加熱ヒータ4により加熱されている。
【0033】
ターゲット3から飛散した粒子3aは、上記4つのテープ材2において構成された粒子通過口2aを通じてテープ状基材1に堆積される。テープ状基材1は、その長手方向に移動しているため、テープ状基材1の長手方向に沿って順次ターゲット3から飛散した粒子3aがテープ状基材1の表面に堆積されていく。これにより、たとえば酸化物超電導薄膜をテープ状基材1の長さ方向に有する長尺薄膜線材(酸化物超電導導体)を製造することができる。
【0034】
本実施の形態においては、たとえば4本のテープ材2を格子状に組み、その中心部分に粒子3aの通過口となる粒子通過口2aを形成し、その粒子通過口2aの形状と位置を保ったままそれぞれのテープ材2をその長手方向に移動させることで、テープ材2上に堆積した粒子を粒子通過口2aの近傍より除去することができる。これにより、粒子3aの付着により粒子通過口2aの開口サイズが狭くなっていくことを防止することができる。このため、粒子通過口2aが粒子3aの堆積によって目詰まりすることを防止でき、粒子3aの一部を選択的に基板に堆積させることが容易となり、粒子3aの選択性を容易に向上でき、かつ長尺材への均一な酸化物超電導薄膜を形成することが可能となる。
【0035】
なお、図1および図2においては、物理蒸着装置としてレーザ蒸着法装置を例として示したが、レーザ蒸着法以外にも、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法などの物理蒸着装置であれば本発明を適用することができる。
【0036】
また、長尺の薄膜線材の一例として酸化物超電導薄膜を有する酸化物超電導導体について説明したが、これに限定されず、長尺のテープ状基材にターゲットからの粒子を堆積して製造できる薄膜線材であれば本発明を適用することができる。
【0037】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0038】
(実施例1)
蒸着する粒子の選択方法として、以下の2方法について実施した。
【0039】
条件1:ターゲットと基材との間に10mm×10mmの窓孔を有するフィルタ板を配置した。
【0040】
条件2:ターゲットと基材との間に幅5mm、厚み0.02mm、長さ50mで材質がステンレスからなるテープ材を図2のように格子状に組み、10mm×10mmの粒子通過口を形成した。テープ材は直径30mmのボビンに巻取り、粒子通過口の形状と形成位置を変えずにテープ材2をその長手方向に移動させた。成膜中のテープ材の移動速度は20mm/min.とした。
【0041】
幅10mm、厚み0.2mm、長さ50mのハステロイテープの基材上にレーザ蒸着法を用いて酸化セリウム(CeO2)を蒸着させた。その際、図1のレーザ蒸着装置で、レーザ光照射位置を起点としたターゲット面に対して法線方向の延長線上であって、テープ状基材から1mm上方に、上記条件1の窓孔の中心または条件2の粒子通過口の中心を位置させて、上記2方法の各々で蒸着する粒子を選択した。膜の形成の際には酸化セリウムの焼結体ターゲットを用い、ターゲット蒸発用のレーザとして波長248nm、平均出力200W、繰返し周波数200HzのKrFエキシマレーザを用いた。
【0042】
さらに蒸着室の内部を13.3Paのアルゴンガス雰囲気にし、基材は600〜800℃に加熱してレーザ蒸着を行なった。50mの基材に蒸着するには、各々連続50時間の処理時間がかかった。
【0043】
得られた各々の酸化セリウム薄膜については、50m長さの複数の箇所で膜厚を測定し、かつX線回折測定により酸化セリウムの結晶面内配向性を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果より、条件1では基材位置の増加により酸化セリウム薄膜の膜厚が減少し、結晶配向性については40m以上の基材位置では測定することができなかった。これに対して条件2では、基材位置にかかわらず酸化セリウムの膜厚は一定であり、結晶配向性も良好に測定することができた。
【0046】
(実施例2)
幅10mm、厚み0.2mm、長さ50mの表面に酸化セリウム薄膜の付いたハステロイテープの基材上にレーザ蒸着法を用いてHoBa2Cu3O7-d組成の超電導体を蒸着させた。膜の形成の際にはHoBa2Cu3O7-d組成の焼結体ターゲットを用い、ターゲット蒸発用のレーザとして波長248nm、平均出力200W、繰返し周波数200HzのKrFエキシマレーザを用いた。蒸着室の内部を13.3Paの酸素雰囲気にし、基材を700〜850℃に加熱した。
【0047】
蒸着をする粒子の選択方法として、以下の2方法について実施した。
条件3:ターゲットと基材との間に10mm×10mmの窓孔を有するフィルタ板を配置した。
【0048】
条件4:ターゲットと基材との間に幅5mm、厚み0.02mm、長さ50mで材質がステンレスからなるテープ材を図2のように格子状に組み、10mm×10mmの粒子通過口を形成した。テープ材は直径30mmのボビンに巻取り、テープ材を移動させた。成膜中のテープ材の移動速度は20mm/min.とした。
【0049】
図1のレーザ蒸着装置において、レーザ光照射位置を起点としてターゲット面に対して法線方向の延長線上で、かつ基材から1mm上方に上記条件3の窓孔の中心および条件4の粒子通過口の中心を位置させて上記2方法の各々で蒸着する粒子を選択した。
【0050】
上記方法により50mの基材に薄膜を蒸着するには、各々連続50時間の処理時間がかかった。
【0051】
得られた各々の超電導薄膜について、50m長の複数の箇所で、膜厚を測定し、かつ液体窒素中での臨界電流密度を測定した。その測定結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
表2の結果より、条件3では、超電導薄膜の膜厚は基材位置の増加によって徐々に減少し、基材位置が30m以上では0となった。また、条件3では超電導薄膜の臨界電流密度も基材位置の増加によって減少し、30m以上では測定することができなくなった。これに対して条件4では、超電導薄膜の膜厚は基材位置にかかわりなく一定で、かつ臨界電流密度も基材位置にかかわらず一定であることがわかった。
【0054】
上記表1および表2の結果より、単に窓孔を有するフィルタ板を配置しただけではターゲットから発生させた粒子がフィルタ板に堆積して徐々に窓孔が小さくなって、成膜される膜厚、結晶配向性および臨界電流密度が基材位置の増加に対して徐々に減少したことがわかる。これに対して条件2および条件4では、格子状に組んだ4つのテープ材の各々を移動させているため、テープ材上に堆積した粒子を粒子通過口近傍より除去することができ、粒子通過口の開口サイズを一定に保つことができたため、成膜された薄膜の膜厚、結晶配向性および臨界電流密度が基材位置の増加にかかわらず一定になったことがわかる。
【0055】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように長尺の酸化物超電導導体の製造方法および製造装置によれば、ターゲットと基材との間にたとえば4本のテープ材を格子状に組み、その中心部分に粒子通過口を形成し、その粒子通過口の形状と位置を保ったままテープ材をその長手方向に移動させることで、テープ材上に堆積した粒子を粒子通過口近傍より除去することができる。これにより、テープ材への粒子の付着による粒子通過口の開口サイズが狭まることを防止でき、粒子通過口の開口サイズを一定に保ったままターゲットから発生された粒子を一部を選択的にテープ状基材に堆積させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における長尺の酸化物超電導導体の製造装置を示す概略断面図である。
【図2】 図1の装置において4本のテープ材が格子状に組まれた様子を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
1 テープ状基材、2 テープ材、2a 粒子通過口、3 ターゲット、3a飛散する粒子、4 加熱ヒータ、5 レーザ光導入窓、6 レーザ光源、7 蒸着室、10 レーザ光。
Claims (10)
- ターゲットから発生させた粒子を、前記ターゲット近傍を移動中のテープ状基材に順次堆積させる長尺の薄膜線材の製造方法において、
前記ターゲットと前記テープ状基材との間に複数のテープ材を組合せて配置し、前記複数のテープ材の組合せにより構成される粒子通過口を通じて、前記ターゲットから発生させた粒子の一部を選択的に前記テープ状基材に堆積させ、
前記複数のテープ材の各々の移動速度dは、前記テープ状基材に堆積させる粒子の堆積速度をa、前記テープ状基材の長手方向に垂直な方向における前記粒子通過口のサイズをb、前記テープ状基材の長手方向における前記粒子通過口のサイズをcとした場合、前記粒子の堆積で前記粒子通過口を塞がない条件であるb/a>c/dの関係を満たすことを特徴とする、長尺の薄膜線材の製造方法。 - 前記複数のテープ材の各々は、前記複数のテープ材の各長手方向に移動することを特徴とする、請求項1に記載の長尺の薄膜線材の製造方法。
- 前記複数のテープ材は、4本のテープ材からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の長尺の薄膜線材の製造方法。
- 前記複数のテープ材の各々の材質は、軟化点および融点の双方が、前記ターゲットから発生させた粒子を前記テープ状基材に堆積させる際の雰囲気温度以上の物質よりなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の長尺の薄膜線材の製造方法。
- 前記複数のテープ材の各々の材質は、ステンレス鋼、ニッケル基超耐熱鋼、鉄基超耐熱鋼およびコバルト基超耐熱鋼よりなる群より選ばれる1種以上の材質よりなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の長尺の薄膜線材の製造方法。
- ターゲットから発生させた粒子を、前記ターゲット近傍を移動中のテープ状基材に順次堆積させる長尺の薄膜線材の製造装置において、
前記ターゲットと前記テープ状基材との間に組合せて配置された複数のテープ材を備え、
前記複数のテープ材の組合せにより構成される粒子通過口を通じて、前記ターゲットから発生させた粒子の一部を選択的に前記テープ状基材に堆積させるよう構成されており、
前記複数のテープ材の各々の移動速度dは、前記テープ状基材に堆積させる粒子の堆積速度をa、前記テープ状基材の長手方向に垂直な方向における前記粒子通過口のサイズをb、前記テープ状基材の長手方向における前記粒子通過口のサイズをcとした場合、前記粒子の堆積で前記粒子通過口を塞がない条件であるb/a>c/dの関係を満たすよう構成されていることを特徴とする、長尺の薄膜線材の製造装置。 - 前記複数のテープ材の各々は、前記複数のテープ材の各長手方向に移動するよう構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の長尺の薄膜線材の製造装置。
- 前記複数のテープ材は、4本のテープ材からなることを特徴とする、請求項6または7に記載の長尺の薄膜線材の製造装置。
- 前記複数のテープ材の各々の材質は、軟化点および融点の双方が、前記ターゲットから発生させた粒子を前記テープ状基材に堆積させる際の雰囲気温度以上の物質よりなることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の長尺の薄膜線材の製造装置。
- 前記複数のテープ材の各々の材質は、ステンレス鋼、ニッケル基超耐熱鋼、鉄基超耐熱鋼およびコバルト基超耐熱鋼よりなる群から選ばれる1種以上の材質であることを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の長尺の薄膜線材の製造装置。
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