JP4009143B2 - 遅延プロファイル測定装置および遅延プロファイル測定方法 - Google Patents
遅延プロファイル測定装置および遅延プロファイル測定方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号の受信、並びに中継において、遅延波や単一周波数ネットワーク(Single Frequency Network:SFN)中継局において生じる回り込み波が存在する伝送路の遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上方法、および測定装置、並びにその遅延プロファイル推定方法を利用した回りこみキャンセラ、および伝送路等化器に関し、特に、得られた遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能をさらに細かい時間分解能とし、なおかつ従来法に比べて正確な振幅値を得ることで、遅延プロファイル(複素インパルス応答)を推定し、並びにその遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上方法を利用した、より精度の高い回り込みの除去を行う回り込みキャンセラ、および伝送路等化を行う伝送路等化器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来の遅延プロファイル(複素インパルス応答)推定方法、および測定装置では、得られる遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能は制限されてしまう。従来の遅延プロファイル(複素インパルス応答)推定方法としては、相関法と、何等かの方法により伝達関数を得て(例えば、パイロット信号を用いて得る)からこの伝達関数を逆フーリエ変換して遅延プロファイル(複素インパルス応答)を求める方法の二つがあるが、このうち前者(相関法)では、時間信号をサンプリングした際のサンプリング周波数によって、遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能が制限される。また、後者(何等かの方法により伝達関数を得てからこの伝達関数を逆フーリエ変換して遅延プロファイル求める方法)では、伝達関数の帯域幅によって、遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能が制限される。
【0003】
遅延プロファイル(複素インパルス)の時間分解能が粗いと、時間分解能の逓倍(整数倍)ではない遅延時間の遅延波、もしくは回り込み波が存在する場合、インパルス応答値が低下し、なおかつ広い時間範囲に渡りインパルス応答が広がる。また、時間分解能の1サンプル間隔に数波の遅延波、および回り込み波が存在する場合に、遅延波、および回り込み波が分離、識別できない。
【0004】
しかしながら、伝送路状況をより詳細に調査したい場合、サンプリング周波数を高くするか、あるいは伝達関数の帯域幅を広げて測定するしか方法がなかった。
【0005】
ところで、得られた遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能を任意に向上させる方法としては、自己回帰モデル(Autoregressinve Model:ARモデル)、最大エントロピー法(Maximum Entropy Method:MEM)等を利用する方法がある。しかしながら、これらの方法においては次の問題点を抱えている。
[1]モデルの次数推定決定が困難である。
[2]モデルの次数を的確に求めたとしても振幅値が正確に求まらない。
モデルの次数推定を誤ると得られる遅延プロファイル(複素インパルス応答)結果は間違ったものとなる。そればかりか、モデルの次数推定が正確に行われたとしても得られる遅延プロファイル(複素インパルス応答)結果における振幅値が正確でないため、厳密な意味で時間分解能を向上する方法とは言えない。このようなことから、遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能を向上させ、なおかつ振幅値もより高精度に求めることが可能な方法が希求されている。
【0006】
一方、遅延プロファイル(複素インパルス応答)推定方法により得られた遅延プロファイル(複素インパルス応答)結果を利用する回り込みキャンセラ、および伝送路等化器においては、遅延プロファイル(複素インパルス応答)の遅延時間の時間分解能により等化精度を含めた等化能力(もしくはキャンセル能力)が不十分な場合があった。このため、特に、遅延波、および回り込み波等の削除しようとする非希望波の遅延時間が時間分解能の逓倍(整数倍)とならないとき、削除すべき遅延波および回り込み波が1波であっても、多数の遅延波による近似により等化を行うこととなるため希望波電力対非希望波電力比レベルが悪くなる(小さくなる)と等化精度が低下し、等化可能な希望波電力対非希望波電力比レベルが劣化し(大きくなり)、等化能力が低下するという課題があった。また、上述の自己回帰モデル、最大エントロピー法を利用して得られた時間分解能を向上させた遅延プロファイル(複素インパルス応答)結果はモデルの次数推定、および振幅値の不確定さから、回り込みキャンセラおよび伝送路等化器において用いるのは適切とは言えなかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、OFDM方式によるデジタル伝送において、何等かの理由により時間分解能がTまでの遅延プロファイルしか得られていない場合に、その遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能をさらに向上させ、細かい時間分解能にて遅延プロファイル(複素インパルス応答)を推定する方法、および測定装置を提供せんとするものである。また、本発明を用いて得られるより細かい時間分解能の遅延プロファイルを利用し、従来の回り込みキャンセラ、および伝送路等化器に比べ、伝送路等化精度(非希望波キャンセル精度)が高く、等化可能な希望波電力対非希望波電力比レベルを改善(小さく)した安定な単一周波数ネットワーク中継装置向け回り込みキャンセラ、および伝送路等化器を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるOFDM信号をNポイント(N:整数)離散フーリエ変換して取得された離散伝達関数S(k)(k:離散ポイント(整数)、0≦k≦N−1)から、次の式(1)
【数5】
(ここに、E:1より大きい有理数)により離散ポイント数をE・Nに増加した離散伝達関数S0(k)を取得する離散ポイント数増加部と、上記離散伝達関数S0(k)にE・Nポイントで逆離散フーリエ変換を施し、E・Nポイントの複素数列s0(n)を取得する逆離散フーリエ変換部と、各補正ステップi(0≦i≦J−1,i,Jともに整数)について、複素数列si(n)(n:離散ポイント(整数),0≦n≦E・N−1)の振幅値の最大値|Pi|、および該最大値|Pi|をとる離散ポイントnとしての最大値ポイントniを検出する検出部と(ただし、n≠niprev,niprev:現補正ステップiより前の補正ステップiprev(0≦iprev<i)での最大値ポイント)、各補正ステップiについて、上記最大値|Pi|および最大値ポイントniに基づいて次の式(2)
【数6】
(ここに、b(n):補正関数)により複素数列si+1(n)を取得する補正処理部と、を備え、補正ステップi(整数、0≦i≦J−1)をJ回デクリメントして取得された複素数列sJ(n)を、OFDM信号の遅延プロファイル(複素インパルス応答)として取得する。
【0009】
従来の遅延プロファイル(複素インパルス応答)推定方法、および測定装置では、前述のようにサンプリング周波数、または得られる伝達関数の帯域幅により得られる遅延プロファイルの時間分解能に制約があった。また、仮に自己回帰モデルや最大エントロピー法を用いて遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能を向上させたとしても、モデルの次数推定、および振幅値の不確定さから、厳密な意味での遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上方法とは言えなかった。遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上方法は、時間分解能Tの遅延プロファイル(複素インパルス応答)を扱う離散フーリエ変換のポイント数N(N:2以上の整数、ただし2のべき乗とは限らない)で離散フーリエ変換し、得られたポイント数Nの伝達関数をポイント数E・N(E:有理数)の離散フーリエ変換の周波数領域の低域部に配置し、それ以外の周波数成分は零とし、再び逆離散フーリエ変換し、最大値検出、および補正関数を用いた補正処理を繰り返し行うことで時間分解能T/Eの遅延プロファイルを生成することで実現される。また得られた時間分解能T/Eの遅延プロファイル(複素インパルス応答)を用いることで、従来の回り込みキャンセラ、および伝送路等化器では削除不能、もしくは削除可能であっても削除しきれなかった遅延波、および回り込み波を削除することが可能となる。
【0010】
また、本発明にかかる遅延プロファイル測定装置では、上記最大値|Pi|に基づいてデクリメント数Jを決定するのが好適である。
【0011】
また、本発明にかかる遅延プロファイル測定装置では、上記補正関数b(n)の振幅が最大となる離散ポイントより時間的に前および後のいくつかの離散ポイント領域を含む離散ポイントについてのみ補正関数b(n)を保持する補正関数記憶部を備えるのが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明第一の実施形態にかかる遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置10のブロック図である。
【0013】
まず、Nポイント離散フーリエ変換部(NポイントDFT部)12において、公知の一般的な遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置(推定方法)によって得られたNポイントの遅延プロファイル(複素インパルス応答)結果s(n)(ただし、0≦n≦N−1)が、次の式(3)によりNポイントの離散伝達関数S(k)に変換される。
【数7】
次いで、N→E・Nポイント数増加部(離散ポイント数増加部に相当する)14において、S(k)(ただし、0≦k≦N−1)のE倍の値をE・Nポイントの低域部のNポイントに配置し、E・Nポイントの残りの(E−1)・Nポイントには全て零を設定して、次の式(1)により離散伝達関数S0(k)(ただし、0≦k≦E・N−1)が得られる。
【数8】
次いで、E・Nポイント逆離散フーリエ変換部(E・NポイントIDFT部)16において、S0(k)は次の式(4)により複素数列s0(n)(ただし、0≦n≦E・N−1)に変換される。
【数9】
次いで、si(n)保持部18において、i=0ではs0(n)を、i>0では減算部20で得られたsi+1(n)を、si(n)として保持する。そして減算部(補正処理部に相当する)20は、次の式(2)により、si(n)から複素乗算・可変遅延部22において得たPi・b(n-ni)を減算し、
【数10】
を得る。ただし、n−ni<0のとき、b(n−ni)=b(E・N+n−ni)である。si+1(n)はsi(n)保持部18に出力される。このとき、i+1をiとする。なお、補正関数b(n)は、補正関数記憶部24に記憶されており、これが複素乗算・可変遅延部22に出力される。この補正関数b(n)は、E・Nポイント離散フーリエ変換の周波数領域において、低域部Nポイントの値をEとし、残りの(E−1)・Nポイントの値を零としたスペクトルをE・Nポイント逆離散フーリエ変換することで得られた結果である。すなわち、補正関数b(n)は、下記の式(5)で表せる。
【数11】
最大振幅値・遅延時間検出部26は、集合A(初期状態時A=φ(空集合))に属さない遅延時間(遅延ポイント数)の中からsi(n)の振幅値|si(n)|の最大値|Pi|、およびその|Pi|を持つPiに対応する遅延時間(遅延ポイント数)niを検出し、複素乗算・可変遅延部22にそれらPiおよびniを出力するとともに、集合A保持部28には遅延時間(遅延ポイント数)niを出力する。集合A保持部28では最大振幅値・遅延時間検出部26において一度検出された最大振幅値に対応する遅延時間(遅延ポイント数)niを保持し、常に最大振幅値・遅延時間検出部26に集合Aを出力する。sl(n)出力部30においては、si(n)が入力され、i=E・Nとなった時点で、si(n)すなわちsE・N(n)を出力する。こうして得られたsE・N(n)が、時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)sl(n)となる。
【0014】
ここで、本実施形態にかかる遅延プロファイル測定装置10による遅延プロファイルの時間分解能向上の一例について図5〜図10を参照して説明する。なお、各図において、横軸は遅延時間n(正規化値:時間軸における離散ポイント)であり、縦軸は振幅レベル(デシベル[dB])である。
【0015】
前準備:前準備として、E・Nポイントの離散フーリエ変換の周波数領域において、低域部Nポイントの実数部をE、虚数部を零とし、残りの(E−1)・Nポイントの実数部、虚数部ともに零とした伝達関数を作成し、E・Nポイントの逆離散フーリエ変換を施し、得られた時間領域のE・Nポイントの時間領域の複素数列をb(n)として予め補正関数記憶部24に保持しておく。図5にE=4、N=64の場合の|b(n)|を示す。
【0016】
ステップ1:E・Nポイントの離散フーリエ変換の周波数領域において、低域部Nポイントに、元の時間分解能Tの遅延プロファイル(複素インパルス応答)s(n)の離散フーリエ変換である(離散)伝達関数S(k)のE倍の複素数値を与え、残りの(E−1)・Nポイントの実数部、虚数部ともに零とし、(E・N)ポイントの逆離散フーリエ変換を施し、得られた(E・N)ポイントの時間領域の複素数列をs0(n)とし、i=0とする。図6にN=64、遅延波が1波存在(振幅レベル=(遅延波レベル/希望波レベル)=−10[dB]、遅延時間=20.25T、位相=0度)する場合の|s(n)|、図6に対応するE=4、N=64の場合の|s0(n)|を図7に示す。
【0017】
ステップ2:集合Aに属する時間ポイントの値を除いた
【数12】
の振幅値
【数13】
の最大値|Pi|およびそのときの離散ポイント(最大値ポイント)niを検出し、|Pi|における複素数値
【数14】
およびPiに対応するポイント数niを保持し、niを集合Aの要素に加える。
【0018】
ステップ3:n=ni以外で、si(n)からPi・b(n−ni)を減じ、得られた結果をsi+1(n)とし、i=i+1とする。ここで、i=E・Nならばステップ4へ、そうでなければステップ2へ進む。
【数15】
図8にE=4、N=64の場合の図6に対応する|s1(n)|を、図9にE=4、N=64の場合の図6に対応する|s2(n)|を示す。
【0019】
ステップ4:si(n)を時間分解能T/Eの遅延プロファイル(複素インパルス応答)sl(n)とする。図10にE=4、N=64の場合の図6に対応する|sl(n)|を示す。
【0020】
図2は、本発明の第二の実施形態にかかる遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置のブロック線図を示している。本実施形態の最大振幅値・遅延時間検出部42は、最大振幅値|Pi|を出力する点で、第一の実施形態の最大振幅値・遅延時間検出部26と異なる。この第二の実施形態では、検出された最大振幅値Piに基づいてデクリメント数jを決定している。具体的には、図2の例では、第一の実施形態のステップ2に、新たな終了条件:「最大振幅値|Pi|<Lth(Lth:閾値,例えばノイズレベル)ならばステップ4へ。」を追加している。これにより、上記第一の実施形態において行われていた無駄な演算(例えばノイズレベルLth以下のインパルスに対する演算)を回避でき、計算量が大幅に削減されるとともに、遅延プロファイル(複素インパルス応答)算出結果の精度が高くなる。
【0021】
<補正関数b(n)の簡略化> さらに、第一の実施形態、第二の実施形態において、補正関数b(n)の保持する値の数をE・Nポイントとせず、b(n)の最大値の前後の数ポイントの値(例えば遅延プロファイル上のノイズレベルLthより上回る値)のみを保持し、差し引く(図12はノイズレベルLth=−30[dB]とした場合のb(n)の一例である。)ことで、b(n)を保持しておく記憶容量が削減され、si(n)からPi・b(n−ni)を減算する計算量が削減されることに加え、ノイズレベルにおける無駄な演算を回避できる。なお、同じく図12に示すように、保持する補正関数b(n)を、時間軸(の離散ポイント)により、例えばb(n)の最大値(0[dB])の前にIfポイント分、最大値の後にIbポイント分として決定しても、同様の効果が得られる(If、Ibともに正の整数)。
【0022】
さらに、上記第一の実施形態において、最大値検出、および補正処理演算の繰り返し回数を伝搬路状況に応じてポイント数E・Nよりも少ない一定回数とする(図1においてE・NをJ<E・Nを満たすJとする(ステップ3においてi=Jならばステップ4へ))ことで処理の簡略化を図ることも可能である。ただし、伝搬路状況によらず演算の繰り返し回数が一定となるため、厳密な意味での正確な遅延プロファイル(複素インパルス応答)ではなくなるが、繰り返し回数を伝搬路状況に合わせて誤差が小さくなるように決定すれば遅延プロファイル(複素インパルス応答)結果の精度を高くすることができる。
【0023】
なお、元の遅延プロファイル(複素インパルス応答)s(n)に対応する伝達関数S(k)が既知であれば、図1、2のS(k)を求める手順(NポイントDFT部12の処理)を省略し、図3、4に示すように、S(k)から時間分解能が向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)sl(n)の離散フーリエ変換S l(k)を得ることも可能である。
【0024】
また、本実施形態にかかる遅延プロファイル測定装置による処理の別の例として、遅延波の遅延時間(時間方向の離散ポイント数)を逓倍(整数倍)ではなく20.25Tとした場合に得られる遅延プロファイル(複素インパルス応答)の結果を図6(時間分解能Tの遅延プロファイル結果)に、実際の遅延プロファイル(複素インパルス応答)を図11(時間分解能0.25Tの遅延プロファイル結果)に、本発明により時間分解能Tの遅延プロファイル(複素インパルス応答)結果から遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上法によって時間分解能が0.25Tに向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)結果を図10に示す。結果より、図6ではインパルス応答が広い遅延時間範囲に広がり、実際の遅延プロファイルである図11と異なった形状となっているのに対し、図10では図11と同じ結果が得られている。このように、本発明により、時間分解能Tの遅延プロファイル(複素インパルス応答)から時間分解能T/4=0.25Tの遅延プロファイル(複素インパルス応答)が求まることがわかる。なお、図6および図11では、遅延波が1波のみ存在する場合を示したが、遅延波および/または回り込み波が複数波存在したとしても同様の結果が得られる。
【0025】
上述の方法は既に得られた遅延プロファイルの時間分解能を向上させ、かつ振幅値を正確に求める方法であるが、得られている伝達関数のポイント数が離散フーリエ変換のポイント数に達していないことから遅延プロファイル(複素インパルス応答)が正確に求まらない場合にも適用が可能である。例えば、処理時間の問題から高速離散フーリエ変換を用いなければならないにもかかわらず、得られる(離散)伝達関数のポイント数Mが高速離散フーリエ変換を適用する一般的なポイント数である2のべき乗でないとき、伝達関数のポイント数Mよりも大きい最小の2のべき乗ポイント数Nの高速フーリエ変換を使用し、伝達関数を周波数領域の低域部に配置し、残り(N−M)ポイントの値は零としてNポイント逆高速離散フーリエ変換することで遅延プロファイル(複素インパルス応答)を得るが、このままだと遅延プロファイル(複素インパルス応答)として、精度の悪いものとなってしまう。従って、このような状況下においても、本発明による遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上方法を用いると精度の高い遅延プロファイル(複素インパルス応答)が得られる。ただし、前準備において得る補正関数b(n)は、Nポイントの離散フーリエ変換の周波数領域において、低域部Mポイントの実数部をN/M、虚数部を零とし、残りの(N−M)ポイントの実数部、虚数部ともに零とした伝達関数を作成し、Nポイントの逆離散フーリエ変換を施し、得られた時間領域のNポイントの時間領域の複素数列をb(n)として補正関数記憶部24に保持しておく。
【0026】
次に、上記実施形態にかかる遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置11または41(図3,図4)を、図13に示す中継装置50のフィードバック型回り込みキャンセラ60a、および図14に示す受信装置70のフィードバック型伝送路適応等化器60bのフィルタタップ係数値算出部52(図15)に導入した実施形態について説明する。
【0027】
図13に示す中継装置50では、フィードバック型回り込みキャンセラ60aにより、受信アンテナ51で受信された受信信号から回り込み波および遅延波成分が除去される。その信号が増幅部(送信装置を含む)55で増幅され送信アンテナ53から送出される。また、図14に示す受信装置70では、フィードバック型伝送路適応等化器60bにより、受信アンテナ51で受信された受信信号から遅延波成分が除去され、再送信信号が取得される。その再送信信号がOFDM復調部72に入力される。
【0028】
フィードバック型回り込みキャンセラ60a(図13)およびフィードバック型伝送路適応等化器60b(図14)は、いずれも、A/D変換部64、直交復調部66、複素トランスバーサルフィルタ62、直交変調部68、D/A変換部69、加算器57、およびフィルタタップ係数値算出部52を含む。本実施形態では、複素トランスバーサルフィルタ62によってキャンセル信号を生成し、加算器57において受信信号からキャンセル信号を差し引くことで、受信信号に含まれる回り込み波および遅延波成分を除去する。キャンセル信号の特性は、複素トランスバーサルフィルタ62のフィルタタップ係数値に応じたものとなるが、本実施形態ではこのフィルタタップ係数値の決定に際して上述した時間分解能向上手法を用いている点で従来とは異なる。
【0029】
図15に示すように、逆数化された伝達関数推定部54において、OFDM時間信号(再送信信号)から逆数化された伝送路伝達関数T(k)(ただし、0≦k≦N−1)が得られ、さらに時間分解能向上複素インパルス応答(遅延プロファイル)推定部56で、時間分解能がT/Eに向上したtl(n)(0≦n≦E・N−1)が得られる(単純にT(k)を逆離散フーリエ変換して得られる複素インパルス応答t(n)(0≦n≦N−1)の時間分解能はTである。)。ここで、逆数化された伝送路伝達関数T(k)は、元の伝送路伝達関数S(k)と
【数16】
なる関係にあり、Aは補正係数である(この補正係数Aは、例えばS(k)の平均値としてもよいし、予め定めた所定値としてもよい)。以上の処理により得られたtl(n)を利用して、更新タップ係数値算出部58において、更新係数等を用いた各種更新アルゴリズムを用いてフィルタタップ係数値(複素タップ係数値)h(n)(0<n≦L、L≦E・N−1)を算出する。例えば、更新前のフィルタタップ係数をhold(n)、更新係数をλ(0<λ≦1)としたとき、
【数17】
によって算出する。以上のような方法により、本発明にかかる遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上方法を図15に示すフィルタタップ係数値算出部52に用いると、より精度の高い複素インパルス応答を、複素トランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ)62のフィルタタップ係数値として与えることになるため、キャンセル可能な回り込み波、および遅延波等の希望波対非希望波電力比レベルが改善される(小さくなる)。ただし、時間分解能をT/Eに向上させた遅延プロファイル(複素インパルス応答)をフィルタタップ係数として用いるために、複素トランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ)62の遅延器一つの遅延時間もT/Eに変更する必要がある。
【0030】
次に、本発明にかかる上記遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置11または41(図3,図4)を、図16に示す中継装置80のフィードバック型回り込みキャンセラ90a、および図17に示す受信装置100のフィードバック型伝送路適応等化器90bのフィルタタップ係数値算出部82(図18)に導入した実施形態について説明する。
【0031】
図16に示す中継装置80では、フィードバック型回り込みキャンセラ90aにより、受信アンテナ51で受信された受信信号から回り込み波および遅延波成分が除去される。その信号が増幅器(送信装置を含む)55で増幅され送信アンテナ53から送出される。また、図17に示す受信装置100では、フィードバック型伝送路適応等化器90bにより、受信アンテナ51で受信された受信信号から遅延波成分が除去され、再送信信号が取得される。その再送信信号がOFDM復調部72に入力される。
【0032】
フィードバック型回り込みキャンセラ90a(図16)およびフィードバック型伝送路適応等化器90b(図17)は、いずれも、A/D変換部81、加算器83、D/A変換部85、直交復調部94、複素トランスバーサルフィルタ92、直交変調部96、およびフィルタタップ係数値算出部82を含む。本実施形態では、複素トランスバーサルフィルタ92によってキャンセル信号を生成し、加算器83においてA/D変換された受信信号からキャンセル信号を差し引くことで、受信信号に含まれる回り込み波および遅延波成分を除去する。キャンセル信号の特性は、複素トランスバーサルフィルタ92のフィルタタップ係数値に応じたものとなるが、本実施形態ではこのフィルタタップ係数値の決定に際して上述した時間分解能向上手法を用いている点で従来とは異なる。
【0033】
図18に示すように、逆数化された伝達関数推定部84において、A/D変換後のOFDM時間信号(再送信信号または等化処理後の受信信号)から逆数化された伝送路伝達関数T(k)(ただし、0≦k≦N−1)が得られ、さらに時間分解能向上複素インパルス応答(遅延プロファイル)推定部86で、時間分解能がT/Eに向上したtl(n)(0≦n≦E・N−1)が得られる(単純にT(k)を逆離散フーリエ変換して得られる複素インパルス応答t(n)(0≦n≦N−1)の時間分解能はTである。)。ここで、逆数化された伝送路伝達関数T(k)は、元の伝送路伝達関数S(k)と
【数18】
なる関係にあり、Aは補正係数である(この補正係数Aは、例えばS(k)の平均値としてもよいし、予め定めた所定値としてもよい)。以上の処理により得られたtl(n)を利用して、更新タップ係数値算出部88において更新係数等を用いた各種更新アルゴリズムを用いてフィルタタップ係数値h(n)(0<n≦L、L≦E・N−1)を算出する。ここでは、例えば、更新前のフィルタタップ係数をhold(n)、更新係数をλ(0<λ≦1)としたとき、
【数19】
によって算出する。以上のような方法により、本発明にかかる上記遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上方法を図18に示すフィルタタップ係数値算出部82に用いると、より精度の高い複素インパルス応答を、複素トランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ)92のフィルタタップ係数値として与えることになるため、キャンセル可能な回り込み波、および遅延波等の希望波対非希望波電力比レベルが改善される(小さくなる)。ただし、時間分解能をT/Eに向上させた遅延プロファイル(複素インパルス応答)をフィルタタップ係数として用いるために、複素トランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ)92の遅延器一つの遅延時間もT/Eに変更する必要がある。
【0034】
次に、本発明にかかる上記遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置11または41(図3,図4)を、図19に示す中継装置110のフィードフォワード型回り込みキャンセラ120a、および図20に示す受信装置130のフィードフォワード型伝送路適応等化器120bのフィルタタップ係数値算出部112(図21)に導入した実施形態について説明する。
【0035】
図19に示す中継装置110では、フィードフォワード型回り込みキャンセラ120aにより、受信アンテナ51で受信された受信信号から回り込み波および遅延波成分が除去される。その信号が増幅器(送信装置を含む)55で増幅され送信アンテナ53から送出される。また、図20に示す受信装置130では、フィードフォワード型伝送路適応等化器120bにより、受信アンテナ51で受信された受信信号から遅延波成分が除去され、再送信信号が取得される。その再送信信号がOFDM復調部72に入力される。
【0036】
フィードフォワード型回り込みキャンセラ120a(図19)およびフィードフォワード型伝送路適応等化器120b(図20)は、いずれも、A/D変換部129、直交復調部128、直交変調部126、D/A変換部124、加算器121、複素トランスバーサルフィルタ122、およびフィルタタップ係数値算出部112を含む。本実施形態では、複素トランスバーサルフィルタ122によってキャンセル信号を生成し、加算器121において受信信号からキャンセル信号を差し引くことで、受信信号に含まれる回り込み波および遅延波成分を除去する。キャンセル信号の特性は、複素トランスバーサルフィルタ122のフィルタタップ係数値に応じたものとなるが、本実施形態ではこのフィルタタップ係数値の決定に際して上述した時間分解能向上手法を用いている点で従来と異なる。
【0037】
図21に示すように、伝達関数推定部114において、OFDM時間信号(再送信信号または等化処理後の受信信号)から逆数化された伝送路伝達関数S(k)(ただし、0≦k≦N−1)が得られ、さらに時間分解能向上複素インパルス応答(遅延プロファイル)推定部116で、時間分解能がT/Eに向上したsl(n)(0≦n≦E・N−1)が得られる(単純にS(k)を逆離散フーリエ変換して得られる複素インパルス応答s(n)(0≦n≦N−1)の時間分解能はTである。)。このsl(n)を利用して、更新タップ係数値算出部118において、更新係数等を用いた各種更新アルゴリズムを用いてフィルタタップ係数値h(n)(0<n≦L、L≦E・N−1)を算出する。ここでは、例えば、更新前のフィルタタップ係数をhold(n)、更新係数をλ(0<λ≦1)としたとき、
【数20】
によって算出する。以上のような方法により、本発明にかかる遅延プロファイル(複素インパルス応答)の時間分解能向上方法を図21に示すフィルタタップ係数値算出部112に用いると、より精度の高い複素インパルス応答を、複素トランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ)122のフィルタタップ係数値として与えることになるため、キャンセル可能な回り込み波、および遅延波等の希望波対非希望波電力比レベルが改善される(小さくなる)。ただし、時間分解能をT/Eに向上させた遅延プロファイル(複素インパルス応答)をフィルタタップ係数として用いるために、複素トランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ)122の遅延器一つの遅延時間もT/Eに変更する必要がある。
【0038】
次に、本発明にかかる上記遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置11または41(図3,図4)を、図22に示す中継装置140のフィードフォワード型回り込みキャンセラ150a、および図23に示す受信装置160のフィードフォワード型伝送路適応等化器150bのフィルタタップ係数値算出部142(図24)に導入した実施形態について説明する。
【0039】
図22に示す中継装置140では、フィードフォワード型回り込みキャンセラ150aにより、受信アンテナ51で受信された受信信号から回り込み波および遅延波成分が除去される。その信号が増幅器(送信装置を含む)55で増幅され送信アンテナ53から送出される。また、図23に示す受信装置160では、フィードフォワード型伝送路適応等化器150bにより、受信アンテナ51で受信された受信信号から遅延波成分が除去され、再送信信号が取得される。その再送信信号がOFDM復調部72に入力される。
【0040】
フィードフォワード型回り込みキャンセラ150a(図22)およびフィードフォワード型伝送路適応等化器150b(図23)は、いずれも、A/D変換部81、D/A変換部85、直交復調部156、直交変調部154、加算器151、複素トランスバーサルフィルタ152、およびフィルタタップ係数値算出部142を含む。本実施形態では、複素トランスバーサルフィルタ152によってキャンセル信号を生成し、加算器151において受信信号からキャンセル信号を差し引くことで、受信信号に含まれる回り込み波および遅延波成分を除去する。キャンセル信号の特性は、複素トランスバーサルフィルタ152のフィルタタップ係数値に応じたものとなるが、本実施形態ではこのフィルタタップ係数値の決定に際して上述した時間分解能向上手法を用いている点で従来とは異なる。
【0041】
図24に示すように、伝達関数推定部144において、A/D変換された後のOFDM時間信号(再送信信号、等化処理後の受信信号)から伝送路伝達関数S(k)(ただし、0≦k≦N−1)が得られ、次いで時間分解能向上複素インパルス応答(遅延プロファイル)推定部146で、時間分解能がT/Eに向上したsl(n)(0≦n≦E・N−1)が得られる(単純にS(k)を逆離散フーリエ変換して得られる複素インパルス応答s(n)(0≦n≦N−1)の時間分解能はTである。)。このsl(n)を利用して、更新タップ係数値算出部148において、更新係数等を用いた各種更新アルゴリズムを用いてフィルタタップ係数値h(n)(0<n≦L、L≦E・N−1)を算出する。ここでは、例えば、更新前のフィルタタップ係数をhold(n)、更新係数をλ(0<λ≦1)としたとき、次の式
【数21】
によって算出する。以上のような方法により、本発明にかかる遅延プロファイル(複素インパルス応答)時間分解能向上方法を図24に示すフィルタタップ係数値算出部142に用いると、より精度の高い複素インパルス応答を、複素トランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ)152のフィルタタップ係数値として与えることになるため、キャンセル可能な回り込み波、および遅延波等の希望波対非希望波電力比レベルが改善されて小さくなる。ただし、時間分解能をT/Eに向上させた遅延プロファイル(複素インパルス応答)をフィルタタップ係数として用いるために、複素トランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ)152の遅延器一つの遅延時間もT/Eに変更する必要がある。
【0042】
図1〜図4、および図13〜図24までを対象とする信号をOFDM信号として示したが、遅延プロファイル(複素インパルス応答)または対応する伝達関数を利用した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置、回り込みキャンセラ、および伝送路適応等化器であれば全て適用可能な構成であり、信号の形式はOFDM信号には限定されない。
【0043】
図13から図24まで、回り込みキャンセラ、伝送路適応等化器について対象とする信号をOFDM信号として示したが、遅延プロファイル(複素インパルス応答)または対応する伝達関数を利用した回り込みキャンセラ、および伝送路適応等化器であれば全て適用可能な構成であり、信号の形式はOFDM信号に限らない。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、時間分解能Tの遅延プロファイル(複素インパルス応答)から時間分解能T/Eに向上させた遅延プロファイル(複素インパルス応答)が得られる。また、もともとの遅延プロファイル(複素インパルス応答)上におけるノイズレベル以下の振幅値を持つインパルスに対して補正処理を行わないことにより、処理量、および計算量を削減しつつ、同等の効果を得られる。また、補正処理に使用する補正関数値のポイント数を少なくすることで、記憶容量、および計算量を削減しつつ、同等の効果を得られる。
【0045】
また、ノイズレベル以下の振幅値を持つインパルスに対して補正処理を行わず、かつ補正処理に使用する補正関数のポイント数を少なくすることを併用することで、記憶容量、および計算量を削減しつつ、同等の効果が得られる。さらに、本発明による時間分解能を向上させた遅延プロファイル(複素インパルス応答)を伝送路等化器に用いると、伝送路等化精度(不要波キャンセル精度)が高く、等化可能な希望波電力対非希望波電力比レベルの改善された(小さくなった)回り込みキャンセラ、および伝送路等化器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置のブロック線図である。
【図2】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置のブロック線図である。
【図3】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置のブロック線図である。
【図4】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置のブロック線図である。
【図5】 E=4、N=64の場合の補正関数b(n)の振幅値|b(n)|を示す図である。
【図6】 N=64、遅延波が1波存在((希望波電力/非希望波電力)=10[dB]、遅延時間=20.25T、位相=0[deg])する場合に時間分解能Tで得られるs(n)の振幅値|s(n)|を示す図である。
【図7】 図6のs(n)に対応するE=4、N=64の場合のs0(n)の振幅値|s0(n)|を示す図である。
【図8】 図6のs(n)に対応するE=4、N=64の場合のs1(n)の振幅値|s1(n)|を示す図である。
【図9】 図6のs(n)に対応するE=4、N=64の場合のs2(n)の振幅値|s2(n)|を示す図である。
【図10】 図6のs(n)に対応するE=4、N=64の場合のsl(n)の振幅値|sl(n)|を示す図である。
【図11】 N=64、遅延波が1波存在((希望波電力/非希望波電力)=10[dB]、遅延時間=20.25T、位相=0[deg])する場合に時間分解能T/4=0.25で得られる遅延プロファイルの振幅値を示す図である。
【図12】 Lth=−30[dB]としたときの補正関数b(n)を示す図である。
【図13】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置を用いたフィードバック型回り込みキャンセラを用いた中継装置を示すブロック線図である。
【図14】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置を用いたフィードバック型伝送路適応等化器を用いた受信装置を示すブロック線図である。
【図15】 図13のフィードバック型回り込みキャンセラ、および図14のフィードバック型伝送路適応等化器のフィルタタップ係数値算出部を示すブロック線図である。
【図16】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置を用いたフィードバック型回り込みキャンセラを用いた中継装置を示すブロック線図である。
【図17】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置を用いたフィードバック型伝送路適応等化器を用いた受信装置を示すブロック線図である。
【図18】 図16のフィードバック型回り込みキャンセラ、および図17のフィードバック型伝送路適応等化器のフィルタタップ係数値算出部を示すブロック線図である。
【図19】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置を用いたフィードフォワード型回り込みキャンセラを用いた中継装置を示すブロック線図である。
【図20】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置を用いたフィードフォワード型伝送路適応等化器を用いた受信装置を示すブロック線図である。
【図21】 図19のフィードフォワード型回り込みキャンセラ、および図20のフィードフォワード型伝送路適応等化器のフィルタタップ係数値算出部を用いた受信装置を示すブロック線図である。
【図22】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置を用いたフィードフォワード型回り込みキャンセラを用いた中継装置を示すブロック線図である。
【図23】 本発明の実施形態にかかる時間分解能を向上した遅延プロファイル(複素インパルス応答)測定装置を用いたフィードフォワード型伝送路適応等化器を用いた受信装置を示すブロック線図である。
【図24】 図22のフィードフォワード型回り込みキャンセラ、および図23のフィードフォワード型伝送路適応等化器のフィルタタップ係数値算出部を示すブロック線図である。
【符号の説明】
10,11,40,41 遅延プロファイル測定装置
12 NポイントDFT部
14 N→E・Nポイント数増加部(離散ポイント数増加部)
16 E・NポイントIDFT部(逆離散フーリエ変換部)
18 si(n)保持部
20 減算部(補正処理部)
22 複素乗算・可変遅延部
24 補正関数記憶部
26,42 最大振幅値・遅延時間検出部
28 集合A保持部
30,44 sl(n)出力部
50,80,110,140 中継装置
52,82,112,142 フィルタタップ係数値算出部
54,84 逆数化された伝達関数推定部
56,86,116,146 時間分解能向上複素インパルス応答(遅延プロファイル)推定部
58,88,118,148 更新タップ係数値算出部
60a,90a フィードバック型回り込みキャンセラ
60b,90b フィードバック型伝送路適応等化器
62,92,122,152 複素トランスバーサルフィルタ
70,100,130,160 受信装置
114,144 伝達関数推定部
120a,150a フィードフォワード型回り込みキャンセラ
120b,150b フィードフォワード型伝送路適応等化器。
Claims (6)
- OFDM信号をNポイント(N:整数)で離散フーリエ変換して取得された離散伝達関数(複素インパルス応答)S(k)(k:離散ポイント(整数)、0≦k≦N−1)から、次の式(1)
前記離散伝達関数S0(k)にE・Nポイントで逆離散フーリエ変換を施し、E・Nポイントの複素数列s0(n)を取得する逆離散フーリエ変換部と、
各補正ステップi(0≦i≦J−1,i,Jともに整数)について、複素数列si(n)(n:離散ポイント(整数),0≦n≦E・N−1)の振幅値の最大値|Pi|、および該最大値|Pi|をとる離散ポイントnとしての最大値ポイントniを検出する検出部と(ただし、n≠niprev,niprev:現補正ステップiより前の補正ステップiprev(0≦iprev<i)での最大値ポイント)、
各補正ステップiについて、前記最大値|Pi|および最大値ポイントniに基づいて次の式(2)
を備え、補正ステップi(整数、0≦i≦J−1)をJ回デクリメントして取得された複素数列sJ(n)を、OFDM信号の遅延プロファイル(複素インパルス応答)として取得する遅延プロファイル測定装置。 - 前記最大値|Pi|に基づいてデクリメント数Jを決定することを特徴とする請求項1に記載の遅延プロファイル測定装置。
- 前記補正関数b(n)の振幅が最大となる離散ポイントより時間的に前および後の離散ポイント領域を含む離散ポイントについてのみ補正関数b(n)を保持する補正関数記憶部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の遅延プロファイル測定装置。
- 請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の遅延プロファイル測定装置によって取得された遅延プロファイルを用いて受信信号(再送信信号)に含まれる回り込み波および遅延波成分を除去する回り込みキャンセラ。
- 請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の遅延プロファイル測定装置によって取得された遅延プロファイルを用いて受信信号に含まれる遅延波成分を除去する伝送路等化器。
- OFDM信号をNポイント(N:整数)で離散フーリエ変換して取得された離散伝達関数(複素インパルス応答)S(k)(k:離散ポイント(整数)、0≦k≦N−1)から、次の式(1)
前記離散伝達関数S0(k)にE・Nポイントで逆離散フーリエ変換を施し、E・Nポイントの複素数列s0(n)を取得するステップと、
各補正ステップi(0≦i≦J−1,i,Jともに整数)について、複素数列si(n)(n:離散ポイント(整数),0≦n≦E・N−1)の振幅値の最大値|Pi|、および該最大値|Pi|をとる離散ポイントnとしての最大値ポイントniを検出するステップと(ただし、n≠niprev,niprev:現補正ステップiより前の補正ステップiprev(0≦iprev<i)での最大値ポイント)、
各補正ステップiについて、前記最大値|Pi|および最大値ポイントniに基づいて次の式(2)
を含み、補正ステップi(整数、0≦i≦J−1)をJ回デクリメントして取得された複素数列sJ(n)を、OFDM信号の遅延プロファイル(複素インパルス応答)として取得する遅延プロファイル測定方法。
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