JP5147089B2 - Ofdm通信システムにおけるアナログ損失のハイブリッドドメイン補償パラメータの求め方と補償方法 - Google Patents

Ofdm通信システムにおけるアナログ損失のハイブリッドドメイン補償パラメータの求め方と補償方法 Download PDF

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Description

本発明は、OFDM方式を用いた送受信システムで、発生する送信機、伝送系、受信機におけるアナログ損失の補償方法に関する。より具体的には、送信機の複素変調器で発生するI/Qインバランス、伝送系におけるチャンネル応答、キャリア周波数オフセット、受信機の複素変調器で発生するI/Qインバランス、DCオフセットをまとめて補償する方法に関する。
ダイレクトコンバージョントランシーバを用いる直交波周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex:以下「OFDM」という。)を用いた送受信系では、キャリア周波数オフセット、トランスミッタ/レシーバI/Q不均衡、及びDCオフセットに代表されるアナログ損失によって、伝送性能が著しく劣化する。従来、これらの損失要因の部分部分についての研究がなされている。
なお、本明細書を通じてキャリア周波数オフセット(Carrier frequency offset)を以後「CFO」と呼ぶ。また、複素変調器のI軸側回路とQ軸側回路の誤差によって生じるI/Q不均衡を「I/Qインバランス」と呼ぶ。なお、送信機(トランスミッタ)側のI/Qインバランスを「TIQI」と呼び、受信機(レシーバ)側のI/Qインバランスを「RIQI」と呼ぶ。また、DCオフセットは「DCO」と呼ぶ。また、伝送系で生じる周波数依存の損失を「チャンネル応答」と呼ぶ。
DVB、IEEE 802.11及びワイヤレスUSBのような様々な無線通信規格で、OFDM方式が採用されている。OFDMの大きな欠陥は、CFOに対して敏感であることである。一方、近年の受信端末の低コスト化に対する強い要求は、ダイレクトコンバージョントランシーバ(DCT)の使用を促進している。DCTは、コスト及び電力消費に関して著しいメリットを有する反面、上述のDCオフセット(DCO)及びI/Qインバランスに代表される新たなアナログ損失をもたらす。
DCOは受信機のセルフミキシングによって発生する。一方I/Qインバランスは送信機および受信機の両方で、回路部品や局部発信機が理想的に働かないことが原因となる。通常、I/Qインバランスは周波数特性に応じて分類される。
例えば、局部発信機(Local Ocilation:「LO」という)不均衡は、不完全な90°位相シフト及びI/Qそれぞれの不等なゲインによる。LO不平衡は、周波数に依存することなく、信号帯域に渡って一定である。
これに反して、周波数応答に整合性が取れていない回路部品によって引き起こされた不平衡は、当然周波数選択的である。OFDMシステムにおいては、これらのアナログ損失は、種々の性能低下を引き起こす(特許文献5参照)。
その他にも、CFO及び周波数非依存I/Qインバランスに関して成された多くの研究が発表されている。送信機におけるI/Qインバランスが無いとの仮定の下での、受信機におけるCFO及び2種類のI/Qインバランスの補償方法が非特許文献1〜3に提案されている。そして、非特許文献4では、DCO、周波数非依存I/Qインバランス補償、及びCFOのジョイントML(maximum likelihood)評価方法が提供されている。これらの非特許文献においては、上述のアナログ損失要因のうちの1つだけが考慮されている。
G. Xing, M. Shen, and H. Liu, "Frequency offset and I/Q imbalancecompensation for direct−conversion receivers," IEEE Trans. WirelessCommun., vol. 4, pp. 673−680, Mar. 2005. H. Lin, T. Adachi, and K. Yamashita, "Carrier frequency offset and I/Qimbalances compensation in OFDM systems," in Proc. IEEE GLOBECOM’07, Nov. 2007. H. Lin, X. Zhu, and K. Yamashita, "Pilot−aided low−complexity CFOand I/Q imbalance compensation for OFDM systems," in Proc. IEEEICC’08, May 2008. G. Gil, I. Sohn, J. Park, and Y. H. Lee, "Joint ML estimation of carrierfrequency, channel, I/Q mismatch, and DC offset in communicationreceivers," IEEE Trans. Veh. Technol., vol. 54, pp. 338−349, Jan. 2005. E. Lopez Estraviz, S. De Rore, F. Horlin, A. Bourdoux, and L. Vander Perre, "Pilot design for joint channel and frequency−dependenttransmit/receive IQ imbalance estimation and compensation in OFDMbasedtransceivers," in Proc. IEEE ICC’07, June 2007.
しかしながら、CFO、DCO、I/Qインバランスは相互に影響を及ぼしあうので、どれか1つを解消してもシステム全体の性能向上に必ずしもつながらない。すなわち、これらのアナログ損失要因は全部まとめて解消されるべきであるが、従来はこのような方法はなかった。
本発明は、OFDM方式を用いた送受信システムにおいて、すべてのアナログ損失要因、つまり送信機側のTIQI、伝送系のチャンネル応答およびCFO、受信機側のRIQI、DCOを補償する方法を提供するものである。
上記の課題に対して、本発明は、周期的なパイロット信号を用いた時間領域での補償及び送信される信号が予め受信機側でも分かっているパイロット信号を用いた周波数領域での補償からなるハイブリッドドメイン補償方法を提案する。すなわち、本発明では、これらのアナログ損失を補償するために、受信機にてDFT処理する前の信号とDFT処理された後の信号をそれぞれの損失に応じて補償する。
具体的には、周期的な信号部分と連続する2つのパイロットOFDMシンボルで構成されるパイロット信号を有するOFDM信号を受信し、時間領域での補償と周波数領域での補償を同時に行うことでTIQI、チャンネル応答、CFO、RIQI、DCOの5種のアナログ損失を補償する方法を提供する。
本発明の第1の局面は、送信機側のI/Qインバランス(TIQI)、伝送系のチャンネル応答、CFO、受信機側のI/Qインバランス(RIQI)、DCOが存在するOFDM方式の受信信号からCFOを解析的に算出し、補償する方法を提供する。OFDM方式の伝送系に生じるアナログ損失の補償にはCFOの程度(以後「CFO量」という)が、もっとも重要な鍵になる。なお、これには、パイロット信号中に配置された時間領域で既知の信号が用いられる。時間領域で既知の信号とは、一定シンボルが周期的に送信される信号である。
本発明の第2の局面は、前記CFO量がほぼゼロであった場合は、RIQIやDCOを補償することなく、受信信号をDFT処理した後にパイロット信号の周波数領域での既知信号を用いて補償を行う方法を提供する。CFOがほぼゼロであった場合は、TIQI、チャンネル応答、RIQI、DCOは、DFT処理した後の信号で補償することができるからである。なお、周波数領域での既知信号とは、どのような情報が送信されているか受信機側でも知っている信号である。
本発明の第3の局面は、前記CFO量に基づいて、RIQIとDCOを補償する方法を提供する。後述するようにパイロット信号の時間領域での既知の信号を用いることによって、RIQIとDCOはCFO量に依存する形に表すことができるため、推定したCFO量によって、RIQIとDCOは解析的に求めることができる。
本発明の第4の局面は、前記推定されたCFO量に基づいて、CFO、RIQI、DCOを補償した状態のパイロット信号の周波数領域の既知信号のDFT処理後の信号を用いて、TIQIとチャンネル応答を補償する方法を提供する。TIQIやチャンネル応答は、各サブチャンネルに固有に反映される損失とみなせるからである。
本発明の第5の局面は、本発明に用いるパイロット信号の構成を提供する。本発明において望ましいパイロット信号は所定のシンボルが一定長連続する時間領域の部分と、あらかじめ送信される信号(情報)がわかっている少なくとも2個のフレームを含む構造を有している。
本発明のOFDM方式における補償方法では、送信側のTIQI、チャンネル応答、CFO、受信機側のRIQI、DCOといったアナログ損失の全てを考慮した補償が可能となる。その結果、受信信号のSNRが低い場合であっても、従来より低いエラーレートが確保できるばかりでなく、受信信号のSNRの向上に従って、エラーレートを劇的に低下させることができる。
また、本発明の補償方法は、各補償パラメータを解析的に求めることができる。これはパラメータの候補値を次々と計算し、妥当性を評価する方法と比較して計算量が格段に少なくでき、高速な補償が可能になる。
また、本発明の補償方法は、I/Qインバランスを解析的に補償することができる。従って、既存のOFDM方式を用いたシステムであっても、さらにOFDM方式でなくてもパイロット信号中に周期的な部分があれば、受信機のI/Qインバランスをセルフ校正することができる。
OFDM方式の伝送系の構成を示す図である。 本発明のパイロット信号の構成を示す図である。 本発明の補償方法のフローを示す図である。 受信機の構成を示す図である。 本発明が補償の対称とする伝送系の数学的モデルを示す図である。 本発明の補償方法の数学的モデルを示す図である。 パイロット信号の時間領域の部分からサンプリングする方法を示す図である。 本発明の補償方法の他の数学的モデルを示す図である。 パイロット信号の時間領域の部分からサンプリングする他の方法を示す図である。 本発明の補償方法をシミュレーションした結果を示す図である。 本発明の補償方法をシミュレーションした結果を示す図である。
1 信号源
2 パイロット信号発生器
3 合成器
4 周波数変調器(複素変調器)
5 アンテナ
5a 増幅器
6 アンテナ
6a 増幅器
7、9 乗算器
8 位相変換器
10、11 ローパスフィルタ
12、13 スイッチ
14 加算器
15 FFT(DFT処理手段)
20 時間領域補償部
21、22 減算手段
23 フィルタ手段
24 遅延フィルタ
25 加算器
26 λ倍の定倍手段
27 虚数付加手段
28 乗算器
29 CFO補償値付与器
31、32 切換器
35 周波数領域補償部
40 パイロット信号
41 時間領域補償用部分
42 周波数領域の部分
43 周期的繰り返しの1セット
44 サイクリックプレフィックス部分
45 周波数領域の1セット
50 元信号
52 ベースバンド信号
54 送信信号
56 受信信号
58 ベースバンド信号
60 受信したパイロット信号
61 I軸信号
62 Q軸信号
63 サンプリング解始点
65 行列AQ1
65 行列AQ2
71 I軸補償信号
72 Q軸補償信号
73 DIQ補償信号
74 CDIQ補償信号
LO 局部発振器
(実施の形態1)
本発明はOFDM方式の信号が送受信の際に受ける損失を補償する方法を提供する。本明細書では、まず送受信システムの概観と、本発明が補償の対象とする損失を説明する。そして、その後、受信機において損失の補償がどのように行われるかを示す。補償にはいくつかの補償用パラメータが必要である。これらのパラメータの求め方や、実際の信号にどのように作用するかは、OFDM信号を数学的に表現したうえで説明する。最後に本発明の補償方法と、従来の補償方法の違いをシミュレーションによって示す。
図1には、本発明の補償の対象とする送受信系の概略図を示す。以下の説明では、OFDM方式を用いた場合を主として説明する。しかし、以下の説明で、時間領域での補償については、OFDM方式に限定されることはない。後述する構造のパイロット信号を有する送受信システムであれば、本発明の補償方法を用いて、CFO、RIQI、DCOを補償することができる。
送信側には信号源1とパイロット信号発生器2と合成器3と周波数変調器4と送信アンテナ5を含む。送信される信号(以下「元信号50」と呼ぶ。)は信号源1から出力される。パイロット信号発生器2によるパイロット信号は、合成器3にて元信号に所定間隔で挿入される。なお、合成器3からの出力は、すでに逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform:以下「IDFT」と呼ぶ)され、所定のOFDM方式のサブキャリアからなるアナログ信号である。これをベースバンド信号52と呼ぶ。
このアナログ信号は周波数変調器4によって、送信キャリア信号に重畳され、所定の送信信号帯域の信号(以下「送信信号54」と呼ぶ。)となる。この信号はアンテナ5を通じて送信される。なお、必要な場合は適宜増幅装置5aによって信号強度が増幅される。ここで周波数変調器4では、所謂複素変調回路が用いられる。
受信機側では受信アンテナ6と増幅装置6aによって、送信信号54が受信される。受信された信号(以下「受信信号56」と呼ぶ)は、複素復調回路に入力され、局部発信機LOによってベースバンド信号にダウンコンバートされる。ここで、複素復調回路には、局部発信機LO、乗算器7および9、位相変換器8、ローパスフィルタ10および11が含まれる。乗算器7の系列をI軸経路、乗算器8の系列をQ軸経路と呼ぶ。また、位相変換器8は局部発信機LOからの信号の位相をπ/2だけ進め、またパワーを逆転させる。
I軸とQ軸の信号は、ローパスフィルタ10および11を通過した後、適切なサンプリング周波数で動作するスイッチSW12および13で離散的な信号に変換される。その後加算器14で足し合わされると、イメージ信号のないベースバンド信号58が再生されている。このベースバンド信号をDFT処理部15(図4で説明する)にて、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:以下「DFT」と呼ぶ)処理することで、元信号を得ることができる。なお、本明細書では信号を時間軸から周波数軸に変換するのに、DFT処理として説明を行うが、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:以下「FFT」と呼ぶ)でおこなってもよい。
さて、このOFDM方式を用いた送受信系では、大きく分けて以下の損失が発生する。まず、送信機側では、周波数変調器4に用いる複素変調器のI軸及びQ軸の回路特性の差によって発生するI/Qインバランス(TIQI)が生じる。I軸側およびQ軸側の回路は共に同じ特性になるように調整されるのであるが、全く同じ回路を用意するのは困難である。従って、I/Qインバランスは不可避に生じる損失である。
次に送信機から放出された電波が受信機に達するまでの間に、地形的若しくは空間的な影響によって、チャンネル応答という損失が生じる。最後に、受信機では、受信機内の複素復調器によって生じるI/Qインバランス(RIQI)と、送信機側と受信機側のLOの不一致によって発生するCFO、および局部発信機LOによるキャリア信号が自己再生されることによって生じる直流オフセット(DCO)という損失が生じる。
これらの損失のうち、送信機側のTIQIとチャンネル応答は、受信機側のRIQI、CFO、DCOが補償されているならば、予め情報(送信時のサブキャリアの周波数)の内容が分かっているパイロット信号を受信することで補償が可能である。よって、これらの損失を補償することを周波数領域での補償と呼ぶ。また、CFOがほぼゼロと判断された場合には、周波数領域での補償で、受信機側のRIQIとDCOも補償することができる。この周波数領域での補償は、DFT処理部15の後段にあるイコライザ35で補償する。
一方、受信機のRIQI、CFO、DCOは、アナログ的な損失であり、周期的なパイロット信号を用いることで補償することができる。送信機側でのTIQIやチャンネル応答といった損失を受けたとしても、信号の周期性は影響を受けないからである。よって、これらの損失を補償することを時間領域での補償と呼ぶ。時間領域での補償は受信機でのDFT処理部15の直前の時間領域補償部20で行われる。
本発明の補償方法は、送信側のTIQI、チャンネル応答、CFO、受信機側のRIQI、DCOが存在するOFDM方式の送受信系において、これらの損失全てを補償する。
このように本発明の補償方法は、受信機で実行される。受信機の図示しない制御部は受信したパイロット信号から、補償のためのパラメータを算出する。以後これらをまとめて補償パラメータと呼ぶ。補償パラメータが算出されたら、時間領域補償部20とイコライザ35(図4で説明する)にその補償パラメータをセットし、補償手順を実施する。補償手順を実施された受信信号は、イコライザ35から出力された時点で、上記の損失が補償されている。
また、以上の説明からわかるように、本発明の補償方法では、送信機側から受信機側に時間領域での補償のためのパイロット信号と、周波数領域での補償のためのパイロット信号が送信される。
図2には、本発明の補償方法に用いるパイロット信号の構成を示す。本発明の補償方法では、時間領域補償用41と周波数領域補償用42の基準信号を有するパイロット信号40を用いる。上記の5つの損失を同時に補償する手掛かりが必要だからである。
本発明に用いるパイロット信号はK個のシンボルを1つのセットとする信号p43が繰り返される時間領域補償用の部分41と、送信情報が予め受信機が知っている周波数領域補償用の部分42からなる。時間領域補償用の部分41は信号pの内容は任意でよく、K個の同じシンボルのセットが繰り返されることが必要である。この時間領域補償用の部分41を用いて、少なくともCFO量を求める。また、求めたCFOがゼロでなければ、受信機側RIQIの補償パラメータやDCOもパイロット信号のこの部分を用いて求める。
K個のシンボルは、後述する(63)式の行列Πが疑似逆行列を求めることができるだけ繰り返せば足りる。詳細な条件は後に示されるが、例えば、Nをサブキャリアの数としてN=KM(但しMは任意の整数)とすると、繰り返しはM+3回以上あればよい。
周波数領域補償用の部分42は、少なくとも2つ以上のフレーム45を含む。符号44で示すCP1(CP2も同じ)はサイクリックプレフィックスで、OFDM方式で通常に用いられるものでよい。2つのフレームP1、P2は、送信機と受信機の間で予め既知の情報が送信される。受信機側ではDFT処理後の信号の補償に用いるからである。既知とされる情報の送信機から受信機への通知は、システム構築時に決めておいても良いし、通信に重畳して送信機から受信機へ通知を行っても良い。また、P1とP2のm番目の信号同士は異なる信号であることが必要である。なお、P1とP2の送信する情報のm番目同士の関係は、補償のための計算を容易にするため、より限定された条件が後に示される。
時間領域補償用の部分41と周波数領域補償用の部分42は送信される順番に限定はなく、どちらが先に送信されてもよい。また、時間領域での補償と周波数領域での補償は別々に行われるので、連続して送信しなくてもよい。ただし、後に説明するように、上記の損失を補償するためには、CFOの補償を最初に行うので、時間領域補償用の部分41が周波数領域補償用の部分42に先立って送信されるのが好ましい。
図3には、補償パラメータを求める方法のフローを示す。以下のフローは図示しない受信機の制御部等で行われる。主としてソフトウェア的に処理されるが、専用のハードウェアを用いてもよい。補償がスタートすると(S100)、パイロット信号の時間領域補償用部分(図中では「P−p」と示した)を読み込む(S102)。次に読み込んだ信号によってCFO量を求める(S104)。CFOを補償しなければ、他の損失を正しく求めることができないからである。
次にCFO量の絶対値が、所定値(ここでは「e」とする)より小さいか否かを判断する(S106)。「e」は、送受信システムの設計でCFOがほぼゼロであるとみなせる程度に十分に小さい値でよい。
もし、CFOがほぼゼロとみなせない場合(S106のN分岐)は、CFO量に基づいてDCOと受信機側RIQIの補償パラメータを求める(S108)。これらは、ほぼ同時に求めることができる。そして、受信機側RIQI、DCO、CFOを補償するパラメータを時間領域補償部20に設定する(S110)。以後受信する信号は受信機側RIQI、DCO、CFOのない信号となる。
次にパイロット信号の周波数領域補償用部分(図3ではP1、P2と示した。)を読み込む(S112)。この信号は、DCOとRIQIとCFOが補償された後、DFT処理される。そして、DFT処理された信号と、送信されたそれらの情報(既知)に基づいて、周波数領域補償部35の補償パラメータを求める(S114)。
ここでCFOがほぼゼロであった場合(S106のY分岐)は、周波数領域補償によってチャンネル応答と送信機側TIQIおよびRIQIとDCOも補償される補償パラメータが求められる。従って、ステップS112にスキップする。後述するように、CFOがゼロであれば、DCOと受信側RIQIはDFT処理後の周波数領域の補償処理で補償できるからである。また、CFOがゼロでない場合は、周波数補償部35でチャンネル応答とTIQIの補償を含む補償パラメータが求められる。以上の手順によって時間領域補償部と周波数領域補償部のための補償パラメータが求められる。
求められた補償パラメータは両補償部にセットされ、全てのアナログ損失が補償される。損失が補償されると、その後に受信した信号は全てこれらの補償を受けることによって、元信号を正しく復元することができる。
図4では、図1に示した複素変調器とそれに続く時間領域補償部20と、時間領域補償部によってCFO、RIQI、DCOが補償されDFT処理された信号を補償する周波数領域補償部35を示す。なお、各補償部を動作させるためには、制御部が必要であるが、図中には制御部は省略した。図4を参照して、受信した信号が補償される手順を説明する。
受信信号は、複素変調器のI軸側とQ軸側のローパスフィルタ10および11後にはサンプリング周波数で開閉するスイッチSW12および13が配置され、ダウンコンバートされたI軸側信号とQ軸側信号をデジタル信号に変換される。
時間領域補償部20では、I軸側信号はI軸側DCO量であるdを、Q軸側信号はQ軸側DCO量であるdを、それぞれ差し引く減算手段22および21によってDCOが補償される。DCOが補償された信号は、L段の遅延フィルタ手段24と、特性u(後に示すようにベクトルで表わされる)を有する補償フィルタ手段23と、定数λ倍する定倍手段26と、虚数付加手段27と加算器14によって、RIQIが補償される。
より具体的には、I軸信号はdが減算された後L段の遅延フィルタで遅延される。これをI軸補償信号71と呼ぶ。I軸補償信号はλ倍される定倍手段26と、実数部として加算器14に送られる。一方、Q軸信号はdが減算された後、2L+1個の要素からなるベクトルuで表わされるフィルタが作用される。その後、定倍手段26から出力される信号と加算器25で加算される。この信号をQ軸補償信号72と呼ぶ。Q軸補償信号72は、虚数部として加算器14に送られる。加算器14では、I軸からの信号を実数部とし、Q軸からの信号を虚数部として加算を行う。以上の処理でRIQIとDCOは補償される。RIQIとDCOが補償された信号をDIQ補償信号73と呼ぶ。なお虚数不可手段Q軸補償信号を以下虚数部として扱うという意味であればよい。
そして、DIQ補償信号73は乗算手段28によってCFO量e-2πεk/Nだけ周波数移動されCFOが補償される。これをCDIQ補償信号74と呼ぶ。符号29はCFO補償値付与手段であるが、実際は解析的に算出されたCFO補償値を出力する制御部である。
時間領域補償部20では、DCO、RIQI、CFOの補償パラメータである、d、d、ベクトルu、定数λ、εが設定されると、以後の受信信号はこれらの損失が補償された信号が出力される。
時間領域補償部20で各損失が補償された信号はDFT処理の後、周波数領域補償部35によって、送信機側のTIQIとチャンネル応答が補償される。なお、CFOがほぼゼロの場合は、さらに受信機側のRIQIとDCOも周波数領域補償部35で補償される。図4ではSW12,13の後に配置された切換器31、32によって、遅延フィルタ24や2L+1段のフィルタuなどを経由せずに加算器14に信号が送られる経路かCFOがほぼゼロの場合の処理経路を示す。周波数領域補償部35では、DFT処理後の各サブキャリアからの信号を2つずつ用いて、所定の演算処理を行うことで周波数領域で補償された信号を得る。この信号は各損失が補償された元信号の所定番目の信号である。
なお、上記の補償部の構成は、補償処理の手順を表す構成図であり、この手順が実現される限り、本構成に限定される必要はない。
以下に本発明の補償パラメータの求め方および補償方法を詳細に説明する。すでに説明したように以下の説明では数学的な表現を多用する。本明細書において、上つき文字の変体H、T,*、及び十字印(ダガー)は、それぞれ、エルミート作用子、転置行列、エルミート共役及び疑似逆行列を表し、下付文字I及びQは実数部(I軸経路Iブランチ)及び虚数部(Q軸経路Qブランチ)を表している。文字の上に「・」の印がついたものは、文字の前にその印をつけて呼ぶ。例えば文字「Z」の上に「・」がついている場合は、「ドットZ」と記載する。これは補償された信号であることを示す。
式中ではベクトル若しくは行列は太字で表され、スカラー量とは区別される。文中では文字の前に「ベクトル」若しくは「行列」といった文字を付ける。例えば、式中で太字の「A」を文中で用いる場合は、「行列A」という。また、ベクトルは要素が1行若しくは1列の要素をいい、行列は行も列も複数ある場合をいう。
丸で囲まれたバツ印はコンボリューション(畳み込み演算)、FおよびFはそれぞれN×N行列のDFTおよびIDFT行列であり、太字の1はサイズがN×1で、全て要素が1であるベクトルである。具体的には「ベクトル1」と標記する。なお、本明細書では、DFT、IDFTはFFT、IFFTと言い換えてもよい。
図5にアナログ損失を有する送受信システムの数学モデルを示す。これは図1を数学モデルとして表わしたものである。なお、前述したように、本明細書ではOFDM方式を用いる方式として説明を行う。しかし、図5の送受信システムはOFDM方式に限定されるものではなく、本発明の時間領域での補償はOFDM方式以外の送受信方式でも利用することができる。
送信されるベースバンド信号(図1では符号52)である2ドットs(t)は、送信機(Transmitter)で、変調され送信信号(図1では符号54)ブレブs(t)として送信される。なお、ベースバンド信号は、変調される直前の信号という意味で、ローパスフィルタ後のI軸およびQ軸の信号をベースバンド信号と呼んでもよい。また、「ブレブs(t)」は「s」の上に上側に開いた円弧が記載されたものを示す。
送信機中では、I軸、Q軸に分かれ、キャリア信号が乗算され、再び加算され、送信信号となる。なお、この送信機中では、TIQIが生じることを想定している。このI/Qインバランスは、乗算器で乗算されるキャリア信号がI軸のcos2πftに対してQ軸が−α・sin(2πft+Φ)となっていることで表わしている。ここでfはキャリア周波数である。
送信された信号は空間中(Channel)を伝播する。この伝播の途中でも信号は影響を受ける。ここでは主としてチャンネル応用の影響を受ける。そして、受信機(Receiver)で受信信号(図1では符号56)ブレブr(t)として受信される。受信機中では、複素変調器のI軸、Q軸に分けられ、局部発振信号(図1ではLOの出力)が乗算されダウンコンバートされる。
受信側でのRIQIは、I軸側の信号に乗算されるcos2π(f−Δf)tに対して、Q軸側の信号が−β・sin(2π(f−Δf)t+ψ)となっていることで表わしている。送信機のLOと受信機のLOの差によってCFOが発生する。なお、ΔfはCFOを表わし、fcはキャリア周波数を表す。その後ローパスフィルタを通過する。ローパスフィルタの特性は、Y(f)、Y(f)である。また、受信機中では、セルフミキシングによってDCO(dとd)が発生する。
図5では、以上のように送信機、伝播中、受信機中で生じるアナログ的損失が全て加わった結果、r(t)とr(t)を得ることを示している。そして、これらの信号がスイッチSW(図1では符号12と13)によってデジタル信号に変換され、それぞれr(k)とr(k)となる。
次にこれらの数学的モデルを使ってアナログ損失の数式表現を説明する。まず、送信機でのTIQIについて説明する。送信機においては、LOによって引き起こされる周波数非依存I/Qインバランスが、振幅不均一α及び位相誤差φによって特徴づけられている。IQそれぞれの回路系における部品特性の不均一は、X(f)及びX(f)の異なる周波数応答を有するリアル・ローパスフィルタ(LPFs)としてモデル化できる。
なお、X(f)及びX(f)は|f|>B/2の区間、においてゼロに等しいと仮定される。ただしここでBはシステム帯域幅である。故に、送信される無線周波数(RF)信号は次式(1)式によって表すことができる。
Figure 0005147089
・・・・・(1)
公知の導出により、次式で表される等価ベースバンド信号を得ることができる。これは送信機でキャリア信号が乗算される直前のI軸とQ軸の信号の和である。また、ドットs(t)は、損失を受けていない元信号を示す。
Figure 0005147089
・・・・・(2)

なお、ここでx(t)およびx(t)は以下の通りである。
Figure 0005147089
・・・・・(3)
Figure 0005147089
・・・・・(4)
また、(3)式、(4)式の左辺にある変体F−1は逆フーリエ変換を意味している。Tを、ナイキストサンプリングを満足するシステムサンプリング期間とした上で、x(t)及びx(t)はそれぞれ、期間Lx1及びLx2の間隔と仮定すると、離散−時間送信信号を表す(5)式を得る。
Figure 0005147089
・・・・・(5)
なおベクトルx、ベクトルxは、それぞれ以下のように表される。
Figure 0005147089
・・・・・(6)
Figure 0005147089
・・・・・(7)
受信機における損失は以下のように表される。ベースバンドインパルス応答2h(t)を有するチャンネルを通過した後、受信したRF信号は次式(8)式として表現できる。
Figure 0005147089
・・・・・(8)
なお、チルドr(t)は受信信号のベースバンド表現であり、次の関係がある。また、h(t)はチャンネル応答を表わす。
Figure 0005147089
・・・・・(9)
ここでβ、ψ、Y(f)、Y(f)のそれぞれを振幅不均一、位相誤差、I軸およびQ軸のブランチフィルタ特性に用いる。また、受信機側の複素復調器にはCFOとして周波数オフセット△f及びDCOとしてd=d+jdを有すると仮定する。なお、ここで「j」は虚数単位を表す。なお、「チルドr(t)」は、「r」の上に波線が記載されたものを表わす。
DCOはLPFによって除去できないので、ブランチフィルタ後に付加される項としてモデル化できる。公知の導出を用いて、ダウンコンバートされたベースバンド信号は次のように求められる。
Figure 0005147089
・・・・・(10)
但し、y(t)とy(t)は次のように表される。
Figure 0005147089
・・・・・(11)
Figure 0005147089
・・・・・(12)
変体F−1は逆フーリエ変換を表す。送信機でのローパスフィルタと同様に、y(t)、y(t)及びチャンネル応答はそれぞれ、期間Ly1、Ly1、及びLyの間隔と仮定すると、離散−時間受信信号を表す(13)式を得る。
Figure 0005147089
・・・・・(13)
なお、チルドr(k)、ベクトルh、ベクトルy、ベクトルyは以下のように表される。
Figure 0005147089
・・・・・(14)
Figure 0005147089
・・・・・(15)
Figure 0005147089
・・・・・(16)
Figure 0005147089
・・・・・(17)
OFDM信号は行列を用いて表す。N個のサブキャリアを有するOFDMシステムにおいては、バンド幅Bは、間隔f=B/NのNチャンネルに分割される。この場合Ts=1/(Nf)となる。CFOは通常、ε=△f/fになるように正規化される。それ故に、△fkTは、εk/Nで置換できる。N個のサブチャンネルを有するDFT変換は(18)式のように行列Fとして表される。ここで、各行はサブチャンネルを表す。第1行は周波数ゼロ、すなわちDC成分を表す。各行は、左から右に位相が進むように要素が配置されている。IDFT処理はこの行列Fのエルミート行列である。
Figure 0005147089
・・・・・(18)
送信される信号は送信機のIDFT処理部(図1では図示せず)を経由してブロックファッションで変調された後に、インターブロック干渉防止のために長さNcpのCPが付加される。このCPは、周期的コンボリューション(叩き込み)を保証し、サブキャリア間での直交性を保証する。本明細書において、Ncpは、送受信機と伝搬チャンネルにおけるフィルタで構成される複合チャンネルを含むに十分な大きさであると仮定している。
次にベクトルドットSおよびベクトルドット影付Sを次のように定義する。
Figure 0005147089
・・・・・(19)
Figure 0005147089
・・・・・(20)
なおドットS(m)はm番目のサブキャリアで搬送される損失を含まない信号を意味する。また、影付きドットS(m)はドットS(m)のエルミートである。上記の(5)式より、送信された1つのOFDMシンボルはN×1のベクトルsと書き表すことができる。
Figure 0005147089
・・・・・(21)
なお、ここで、ベクトルFはIDFT処理を表わす。また、行列Xおよび行列影付Xは以下のように表される。それぞれはN個のサブチャンネルでのx及びxにそれぞれ対応する。
Figure 0005147089
・・・・・(22)
Figure 0005147089
・・・・・(23)
また、H(m)はm番目のサブチャンネルでの周波数応答を意味するものとし、ベクトルHで表す。非特許文献2のすでに公知の結論を用いて、受信したOFDMシンボルは(24)式のごとく書き表すことができる。
Figure 0005147089
・・・・・(24)
但し、以下の関係がある。
Figure 0005147089
・・・・・(25)
Figure 0005147089
・・・・・(26)
Figure 0005147089
・・・・・(27)
Figure 0005147089
・・・・・(28)
Figure 0005147089
・・・・・(29)
Figure 0005147089
・・・・・(30)
Figure 0005147089
・・・・・(31)
ここで行列チルドY(m)と行列チルドY(m)はそれぞれ以下のベクトルチルドyとベクトルチルドyのm番目の周波数応答である。
Figure 0005147089
・・・・・(32)
Figure 0005147089
・・・・・(33)
(24)式を見るとベクトルrで表される受信された信号は、「行列H」で表されるチャンネルの影響と、「行列Y」で表されるフィルタの影響と、「行列F」で表される周波数変調時の影響と、「行列Γ」で表されるCFOの影響と、「d」で表されるDCOの影響が作用している。
すでに説明したように、本発明では、CFO、受信機側のRIQI、DCOを時間領域で補償し、送信機側のTIQIとチャンネル応答を周波数領域で補償する。なお、CFOがほぼゼロの場合に限り、RIQIとDCOも周波数領域で補償する。従って、これらをまとめてハイブリッドドメイン補償方法と呼ぶ。ハイブリッドドメイン補償方法の数学的表現を、図6に示す。これは図4の時間領域補償部20と周波数領域補償部35とほぼ同じである。
初めに周波数領域の補償パラメータの求め方について説明する。補償パラメータの求め方の概略は以下の通りである。(24)式で表される受信信号ベクトルrは、CFOが補償されたと仮定すると、送信された元信号と受信信号をダウンコンバートしてDFT処理を行った後の信号の関係に集約できる。
そこで、パイロット信号の周波数領域部分を利用する。パイロット信号の周波数領域部分では、受信機も送信機がどのような情報を送信したかを知っている。すなわち、元信号と受信して復調した信号がわかるため、それらの信号の間の関係をキャンセルするイコライザを求めることができる。
では、その詳細について説明する。上述したようにCFOは補償されたとする。すると(24)式からベクトルΓ(ε)とベクトルΓ(ε)を除去することができる。これらはCFOの影響を示すものだからである。
受信したOFDM信号であるベクトルrをDFTすることで、(34)式を得る。
Figure 0005147089
・・・・・(34)
上式の左辺は受信信号であるベクトルrに行列Fを作用させている。これは受信信号をDFT処理することを表している。
なお、以下の関係がある。
Figure 0005147089
・・・・・(35)
ここで、R(m)はm番目のサブキャリアで搬送されてきた信号を意味する。R(m)は、送信機側のローパスフィルタ特性(X(m)とX(m))、チャンネル応答H(m)、受信機側のローパスフィルタ特性チルドY等をまとめてG(m)及びG(m)と表わすと(35)式の右辺最終式のように表わされる。ただし、チェックmは「m」の上に逆山形が記載されたもので、以下の(36)式のように表わされる。
Figure 0005147089
・・・・・(36)
これは、0からN−1までのN個のサブキャリアに対して、チェックm番目がN−m番目を表すと決める。すなわち、例えばm=2番目であるとするとチェックmはN−2番目を表す。ただし、mがゼロの時にチェックm=Nとなるが、これはm=0と同じであることを意味するものとする。サブキャリアはN−1番目までとしているからである。よって、チェックmはm=0の時にゼロという条件で、以下のようにも書ける。
Figure 0005147089
・・・・・(37)
また、G(m)及びG(m)は以下のように表わされる。
Figure 0005147089
・・・・・(38)
Figure 0005147089
・・・・・(39)
これを基に(35)式を見直すと、m番目のサブキャリアで受信した信号は、m番目とチェックm番目で送信された信号によって損失が伝播されていることがわかる。
また、m=0、N/2に対してm=チェックmである。m=0番目の時、チェックmはN−0=N番目であり、上記で決めた通り、N番目はゼロ番目のことだからである。また、m=N/2番目のときは、チェックmはN−N/2=N/2番目だからである。つまり、ゼロ番目とN/2番目のサブキャリアで送信された信号は他のサブキャリアで送信された信号に対しては影響を与えないことを意味する。また、ゼロ番目とN/2番目のサブキャリア以外のサブキャリアで受信された信号は、ゼロ番目とN/2番目のサブキャリアの信号からの影響を受けないとも言い換えられる。ゼロ番目とN/2番目のサブキャリアとは、帯域の端とアンローディッドDCサブキャリアに対応する。
すなわち、CFOがゼロの場合は、受信側でDCOが発生したとしても、他のサブキャリアの信号には影響を与えない。また通常は帯域の端とゼロ番目のDCサブキャリアは信号の伝送に使用されない。よって、CFOがほぼゼロの場合、DCOは有害ではないといえる。
ゼロ番目とN/2番目以外のローディッドサブキャリア(情報がのせられているサブキャリア)に対しては、m番目のサブキャリアでトランスミッタ/レシーバI/Qインバランスによって誘発された内部キャリア干渉(ICI)は、m番目とチェックm番目のサブキャリアのみによって搬送される信号に関連する。そして、(40)式が得られる。
Figure 0005147089
・・・・・(40)
(40)式は、m番目及びチェックm番目のサブキャリアがスモール2×2MIMOシステムを構成することを示している。
よって、ドットS(m)とドットS(チェックm)のイコライゼーションであるI/Qインバランス補償が上式(40)の等価チャンネルマトリックス行列G(m)(上式右辺の第1行列)に対応するイコライザ行列E(m)によって達成される。より具体的には、等価チャンネルマトリックス行列G(m)の逆行列を求めることで、受信した信号R(m)(40式の左辺行列)から送信された信号ドットS(m)(40式の右辺第2項の行列)求めることができる。
しかし、(40)式は等価チャンネルマトリックス行例G(m)を求めるには、項数が足りない。そこで、周波数領域の2つのパイロット信号を利用する。2つのパイロット信号をP1、P2とする(図2参照)。そして、P1の信号でm番目のサブキャリアで伝送される信号をS(m)(エルミート共役はS (m))、受信される信号をR(m)(エルミート共役はR (m))とする。同様にP2の信号でm番目のサブキャリアで伝送される信号をS(m)(エルミート共役はS (m))とし、受信される信号をR(m)(エルミート共役はR (m))とする。すると(40)式は、(41)式のように表される。
Figure 0005147089
・・・・・(41)
(41)式であれば、右辺第1項の行列の逆行列を作成することができる。イコライザ行列E(m)は以下のように求められる。
Figure 0005147089
・・・・・(42)
ここで、右辺第1行列はm番目とチェックm番目のサブキャリアで送信され受信した信号R(m)とR(チェックm)からなる行列である。なお、「*」は共役の意味である。また右辺第2行列は、同じくm番目とチェックm番目のサブキャリアで送信された信号S(m)とS(チェックm)からなる行列である。パイロット信号の周波数領域補償用部分では、m番目とチェックm番目に送信した信号を受信機が知っているので、(42)式の右辺は受信機が知りえる情報だけから算出できる。従って、イコライザ行列E(m)を求めることができる。なお、ここでR(m)とR(m)が同じ値では、イコライザ行列E(m)は求められない。すなわち、パイロット信号P1とP2のm番目同士の値は、異なる値であることが必要である。
次に時間領域での補償によって、受信機側のI/Qインバランス、DCO、CFOを補償する点について説明する。この補償の概略は以下の通りである。
図6を参照して、DCOは、ローパスフィルタ後にI軸およびQ軸の信号に追加されるものとして扱うことができた。図6を参照して、DCOの補償は受信機の時間領域補償部で直ちに補償する。次に受信機のI/Qインバランスは、図6の補償回路20によって補償することができる。最後にDCOとRIQIが補償された信号のCFOを補償する。
従って、DCO、RIQIの補償パラメータ(ベクトルuと定数λ)、CFOの値を求めることが、これらの損失を補償するのに必要である。本発明は時間領域補償部20での補償パラメータを求めるのに、パイロット信号の時間領域部分を利用する。パイロット信号の時間領域部分は、長さKシンボルの信号が繰り返し送信されている(図2参照)。ここで説明を簡単にするためにNをサブキャリアの数として、N=MK(Mは整数)という関係が存在するとする。本実施例の形態の最後に示すように、サンプリングされるシンボルの数Nと繰り返されるシンボルの数Kの間の関係は、この関係に限定されるものではない。
I軸において、あるシンボルからN個のサンプルを取り、K個ずれた箇所からさらにN個のサンプルを取得する。同時にQ軸において、あるシンボルからN+2L個、K個ずれた箇所からさらにN+2L個のサンプルを取得して行列を作成する。このように複数のデータを用いるのは、補償回路には、ローパスフィルタの等価成分として多段の畳み込みフィルタが設定されているからである。
これらのサンプルデータが補償回路を通ることによって各種補償係数同士の関係に集約することができ、CFO,I/Qインバランス、DCOの各種係数を解析的に求めることができる。
以下、時間領域での補償パラメータの求め方の詳細について説明する。初めに求められたCFOがほぼゼロ(CFOの絶対値が所定の値以下)の場合について説明する。CFOがほぼゼロである場合は、受信機側のRIQIやDCOを補償する必要がなく、前述した周波数領域の補償を行えば送信された信号を復調することができるからである。まず、DCO概算値は次式によって表される。
Figure 0005147089
・・・・・(43)
I軸およびQ軸信号からこのDCO概算値を減算することによって、DCOは容易に除去できる(図6参照)。非特許文献1〜3の公知のスカラーλによって特徴づけられる非対称補償構造及びQブランチでの(2L+1)長FIRフィルタによって、受信機側のRIQIは補償できる。ここでy(t)の離散表現をベクトルyとして、RIQI補償後のCFOの影響を受けた信号ベクトルバーrを(46)式のように得る。
Figure 0005147089
・・・・・(44)
Figure 0005147089
・・・・・(45)
Figure 0005147089
・・・・・(46)
なお、以下の関係がある。
Figure 0005147089
・・・・・(47)
また、チルドY(m)はベクトルyのm番目の周波数応答である。
Figure 0005147089
・・・・・(48)
DCOとRIQIが補償されたと受信信号を表す(46)式は、DCOの影響を受けていない点を除いて(24)式と似た形をしていることがわかる。CFO補償は上記のベクトルバーrにΓ(ε)を左からかけるという単純な位相回転によって行うことができる。CFOを補償してしまうと、受信信号は送信信号に対して送信機側のRIQIとチャンネル応答と受信機側のローパスフィルタの特性による損失の影響を受ける関係になっていると集約することができる。
従って、ベクトルΓ(ε)ベクトルバーrをDFTすることにより、上式(35)及び(40)と同じ形態の結果が得られる。なお、G(m)及びG(m)は、チルドY(m)H(m)X(m)及びチルドY(m)H(m)X(m)のそれぞれに変わっている。すなわち、CFOがほぼゼロであった場合は、受信機のローパスフィルタ通過後の信号をそのままDFT処理し、周波数領域での補償を行うことで元信号を復調することができる。
次に、CFOがゼロでない場合にd、d,ベクトルu、λ、εを含む補償パラメータを算出する方法を詳細に説明する。送信側TIQIの影響を受けた信号は、受信機では、OFDMとしての直交性等の特性が破壊された信号である。しかし、周期的パイロット信号(PP)は依然として周期的である。従って、時間的領域での補償(TDC)ステージにおいて、パイロットの周期性を利用すれば、TIQIを無視できる。
サイクリックプレフィックス(CP)としてのファーストシンボルに関して、Kより短い長さのチャンネルを有するコンボリューションの後で、DCO、受信機におけるRIQIおよびノイズが全く存在しない時に、(49)式で表される受信したパイロットサンプルを得る。
Figure 0005147089
・・・・・(49)
なお、θ=2πεK/Nは、不明なCFOを表す。これは、パイロット信号の時間領域のあるn番目のシンボルと、n+K番目のシンボルの間は、CFOをεとして、θだけ位相が異なっていることを示している。そして、図6に示された構造を用いたDCO及びRIQI補償の後に(50)式及び(51)式を満たす、2つのN×1ベクトルに配列できるN+Kサンプルを取得する。なお、ここでは数式を示した後、図7を参照して、具体的なサンプルの取得方法を説明する。
Figure 0005147089
・・・・・(50)
Figure 0005147089
・・・・・(51)
さらに、以下の関係のもとに(55)式が得られる。
Figure 0005147089
・・・・・(52)
Figure 0005147089
・・・・・(53)
Figure 0005147089
・・・・・(54)
Figure 0005147089
・・・・・(55)
nをn+Kで置換して、バーaに関して同様の結果を得る。
Figure 0005147089
・・・・・(56)
Figure 0005147089
・・・・・(57)
Figure 0005147089
・・・・・(58)
図7を参照して、パイロット信号の時間領域の部分からのサンプルの取得をより詳細に説明する。送信機から送信されたパイロット信号の時間領域の部分は送信機側のTIQIとチャンネル応答の影響を受ける。しかし、上記の説明のように周期性は維持される。受信機で受信したパイロット信号60は複素復調器を通過してI軸及びQ軸のローパスフィルタの後に出力される。図7で符号61はI軸側の信号であり符号62はQ軸側の信号である。
取得の開始点63は任意でよい。I軸側では、取得開始点63からN個のデータを取得する。これがベクトルaI1(52)式である。そして、同時に開始点63からKシンボル後の信号から再びN個のデータを取得する。これがベクトルaI2(56)式である。もちろん、取得開始点63からN+K個のシンボルを取得して、ベクトルaI1とベクトルaI2を作成してもよい。
また、Q軸側のデータ62では、サンプル取得開始点63の前L個からデータを取得開始する。そこからN+2L個のシンボルを取得し、(53)式のように配置する(符号65)。これが行列AQ1である。また、取得開始点からKシンボル後のL個前から同じようにN+2L個のシンボルを取得し(57)式のように配置する(符号66)。これが行列AQ2である。取得開始点はパイロット信号中の時間領域の部分であれば、どこにあってもよい。
なお、2L+1はフィルタ「u」の段数であり、Lは通常2乃至5あればよい。またサンプリングする全シンボル数はK+L+2より大きければいくつであってもよい。KやLの具体例としてはK=16、L=2等であれば、十分であり、図7のように一般的な説明をすると、大きな行列を扱うように見えるが、実際はわずかな行列計算だけでよい。
明らかに、完全な補償によって、(49)式で与えられた関係を2つのベクトルが満たす。それ故に、ノイズを考慮して、d、d、ベクトルu、λ及びεを、(59)式を用いて算出できる。
Figure 0005147089
・・・・・(59)
上式(59)式は、右辺の絶対値を最小にするd、d、ベクトルu、λ及びεが求める補償パラメータであることを意味するコスト関数である。ベクトルバーa(50)式とベクトルバーa(51)式を上式(59)に代入すると、次式(60)式及び(61)式が成立する時に、コスト関数が最小になることが分かる。
Figure 0005147089
・・・・・(60)
Figure 0005147089
・・・・・(61)
上式(60)式および(61)式を組み合わせることによって、次式(62)式が得られる。
Figure 0005147089
・・・・・(62)
なお、以下の関係がある。
Figure 0005147089
・・・・・(63)
Figure 0005147089
・・・・・(64)
なお、ベクトル0はN×1のゼロベクトルである。通常、N>2L+5であるので、LLSアルゴリズムを用いて、N>(2L+5)×1のベクトルcを計算できる。
Figure 0005147089
・・・・・(65)
ベクトルΠの擬似逆行列(ベクトルΠダガー)及びベクトルaは、パイロット信号の時間領域の部分からサンプリングしたシンボルだけから得られる行列であるので、ベクトルcは、受信機側の複素復調器からローパスフィルタを通った信号だけから求めることができる。ベクトルcの要素をゼロ番目からの数字で表すと、c(0)とc(1)は、θだけの要素であるので、以下のようにθを求めることができる。なお、ベクトルuは等価補償回路のQ軸のフィルタ特性で2L+1段のデジタルフィルタを表す。
Figure 0005147089
・・・・・(66)
ハットθはCFOの量を決める値であり、この位相角度だけ補償することでCFOは解消することができる。明らかになったCFOという意味でハットθとした。ここでさらに注意すべき点は、ハットθはcosの逆関数で求められている点である。cosθは、θの偶関数であるので、上式(66)式からは絶対値ハットθ(|ハットθ|)のみがえられ、ハットθがゼロでない場合はCFO符号検出が必要である。
CFOの符号は以下のようにして求める。パイロット信号の時間領域の部分から得たN個のシンボルのサンプルを、次式(67)式で与えられるM×Kマトリックスに配列する。
Figure 0005147089
・・・・・(67)
なお、a(n)は、a(n)+a(n)を表す。非特許文献1と同様に、パイロットの周期性を用いて、上式(24)式より次式(68)式を得る。
Figure 0005147089
・・・・・(68)
なお、ベクトル1はサイズがK×1の全ての1ベクトルである。また行列Θ(θ)は(69)式として表される。
Figure 0005147089
・・・・・(69)
また、ベクトルZおよびベクトル影付Zは以下のように表される。
Figure 0005147089
・・・・・(70)
Figure 0005147089
・・・・・(71)
(70)式はCFOの影響を受けたパイロット信号を表し、(71)式は(70)式のイメージレプリカを表している。ここで、イメージレプリカであるベクトル影付ZのパワーはベクトルZのパワーより小さい。
(67)式で表わされる行列Aは、受信したパイロット信号から作られる行列である。また、(69)式で表わされる行列Θ(θ)もハットθから算出される。従って、受信機は次の(72)式で表わされる行列Vを算出することができる。
Figure 0005147089

・・・・・(72)
行列Vは(68)式の右辺第2行列を表わす。(68)式の右辺第2行列は、θの値が正であれば、ベクトルZ(第1列)のパワーの方がベクトル影付Z(第2列)より大きくなる。つまり、行列Vの第1列と第2列のパワーを比較すれば、ハットθの符号を判定できる。より具体的には、行列Vの最初の列のパワーが2番目の列のパワーより大きければ、θの符号を正と判断し、そうでなければ負と判断する。より具体的には、行列Vが次の行列Vであるか、行列Vであるかを判断する。
Figure 0005147089
・・・・・(73)
Figure 0005147089
・・・・・(74)
行列Vは(69)式で表される行列Θにハットθの絶対値を代入したものと、パイロット信号の時間領域部分からサンプリングしたシンボルからなる行列A(67)式の内積で求められる。また、行列Vの列のパワーとは、対象となる列に属する要素の2乗和で求められる。
ハットθが求まると、他の補償パラメータもベクトルcの関係を用い次式(75)〜(79)で算出できる。
Figure 0005147089
・・・・・(75)
Figure 0005147089
・・・・・(76)
Figure 0005147089
・・・・・(77)
Figure 0005147089
・・・・・(78)
Figure 0005147089
・・・・・(79)
上記の補償パラメータが求まると、受信機側のI/Qインバランス、DCO、CFOは図4(若しくは図6)の時間領域補償部20の構成で補償される。従って、以後受信機が受信する信号(パイロット信号の周波数領域を含む)は、これらの損失が補償された状態でDFT処理を受けることができ、比較的簡単なイコライザ行列E(m)によって、送信機側のI/Qインバランスとチャンネル応答が補償される。
以上の手順によってOFDMを用いた伝送系における全てのアナログ損失の補償が完了する。なお、(66)式で求めたCFOの量がほぼゼロ(絶対値が所定値より小さい)の場合は、受信機側のI/Qインバランス、DCO、CFOの補償を行う必要はなく、周波数領域での補償だけを行えばよい。以上の説明によって本発明の補償方法が詳細に説明された。
なお、以上のように本発明の補償方法では、アナログ的な損失を受けた受信信号からCFOを求めるのが大きなポイントとなっている。ここでCFOは(65)式の行列cが求まれば、ハットθ(66)式として求めることができた。(65)式が成立するためには、(63)式の行列Πの擬似逆行列を求めることができるのが条件となる。
(63)式を参照して、行列Πの1行目の要素を見ると、ベクトルaI1は、N×1の縦長ベクトルである。またベクトル0およびベクトル1も同様である。行列AQ1はN×(2L+1)の行列である。また、行列Πの2行目も同様のベクトルおよび行列が配置されている。従って、行列Πは、あらわに示すと、2N×(2L+5)の要素からなる行列である。このような行列が擬似逆行列を有するには、縦長行列(行の数が列の数より多い)ことが必要である。
従って、2N>(2L+5)という関係が必要である。これは時間領域のパイロット信号の構成に係る条件となる。本明細書では、説明を簡単にするために、Nはサブキャリアの数と同じとして説明をしているが、CFOの算出については、(63)式の行列Πの擬似逆行列の存在だけが限定される条件となる。
従って、時間領域補償部20のベクトルuのフィルタ段数である(2L+1)と、パイロット信号の時間領域部分からサンプリングするシンボル数N個の間に2N>(2L+5)の関係を維持すればよい。また、このときKは、N個より小さいという条件さえ満たされれば、本明細書で用いたようにN=KM(但しMは任意の整数)という関係に限定されなくてもよい。
また、パイロット信号の周波数領域部分に関してより有用な限定がある。周波数領域補償部35のイコライザ行列E(m)を求めるには、(42)式の右辺を求める必要があった。そして、パイロット信号のP1とP2のm番目のシンボルは異なるデータでなければ、(42)式は解を持つことができない。
さらに、一般的に以下の(80)式の関係に配置された行列Aの逆行列は(81)式に示されるように求められることが知られている。すなわち、各要素が(80)式のように配置されている場合は、要素aおよび要素bの絶対値の二乗の和を求め、各要素を並べ替えるだけという簡単な処理で逆行列を求めることができる。
Figure 0005147089
・・・・・(80)
Figure 0005147089
・・・・・(81)
そこで、パイロット信号の周波数領域部分のP1およびP2のm番目およびチェックm番目の信号同士に次の関係を持たせる。なお、ここでsとsはそれぞれ複素数であって、等しくないとする。またP1およびP2のm番目のデータをP1(m)、P2(m)と表す。
Figure 0005147089
・・・・・(82)
Figure 0005147089
・・・・・(83)
Figure 0005147089
・・・・・(84)
Figure 0005147089
・・・・・(85)
パイロット信号を上記のように決めることで、(41)式は以下の(86)式のように表され、さらに、E(m)である(42)式は、(87)式のように簡単に求めることができる。
Figure 0005147089
・・・・・(86)

Figure 0005147089
・・・・・(87)
(実施の形態2)
図6では、CFOがゼロでない場合に、受信機側のRIQIとDCO、CFOを補償する方法として、I軸側に遅延フィルタを配置し、2L+1段のフィルタ(行列u)をQ軸側に配置した構成を示した。しかし、I軸、Q軸での補償を入れ替えてもRIQI、DCO、CFOの補償は可能である。
図8にその補償方法を実施する時間領域補償部20の構成を示す。L段の遅延フィルタ23はQ軸側に配置され、2L+1段のフィルタu24はI軸側に配置されている。定数λはQ軸の信号からI軸の信号に加算される。実施の形態1では、(50)式から(77)式で説明した内容をI軸信号とQ軸信号で入れ替える。ただし、Q軸信号はI軸信号と位相が異なり、また虚数扱いするために、(50)式乃至(77)式の内容のI軸信号とQ軸信号をそのまま入れ替えることはできない。
以下に、I軸信号とQ軸信号を入れ替えた場合について説明する。図9にパイロット信号の時間領域の信号の切り出しについて説明する。Q軸信号62のサンプルの開始点63からN個のシンボルをサンプリングする。これはベクトルaQ1である。そして、サンプル開始点63からK個ずれた点からN個のシンボルをサンプリングして作成されたのがベクトルaQ2である。
Figure 0005147089
・・・・・(88)
Figure 0005147089
・・・・・(89)
また、サンプリング開始点のL個前からN+L個のシンボルを取得し、(2L+1)×Nの行列を作成したのが、行列AI1である。また、サンプリング開始点からK個後のシンボルを新たな開始点として、同様に(2L+1)×Nの行列を作成したのが、行列AI2である。
Figure 0005147089
・・・・・(90)
Figure 0005147089
・・・・・(91)
DCOは行列uの配置場所が変更になっているので、行列dQIと表わす。
Figure 0005147089
・・・・・(92)
すると、サンプリング開始点63からN個分のシンボルが補償されたベクトルバーaは次のように表わされる。
Figure 0005147089
・・・・・(93)
また、サンプリング開始点63からK個ずれてから取得されたN個分のシンボルが補償されたベクトルバーaは次のように表わされる。
Figure 0005147089
・・・・・(94)
これらのベクトルバーaとベクトルバーaはCFO分だけずれているという(49)式の関係が成立する。従って(59)式同様に補償パラメータを求めることができる。
Figure 0005147089
・・・・・(95)
ベクトルバーaとベクトルバーaを上式に代入して整理すると、次の2式が成立した時に(87)式の右辺が最少になる。
Figure 0005147089
・・・・・(96)
Figure 0005147089
・・・・・(97)
(96)式と(97)式を組み合わせることによって(98)式を得る。
Figure 0005147089
・・・・・(98)
ただし、行列Πおよび行列aは以下の関係がある。
Figure 0005147089
・・・・・(99)
Figure 0005147089
・・・・・(100)
(98)式の左辺第2項をベクトルcとすると、ベクトルcは以下の(101)式のように表わされる。
Figure 0005147089
・・・・・(101)
実施の形態1の場合同様、c(0)とc(1)とからCFO量であるθを求めることができる。
Figure 0005147089
・・・・・(102)
(102)式から分かるように、CFO量を表わす、ハットθは実施の形態1と同じ形で得ることができる。また、ハットθの符号についても、同様に求めることができる。あらわに記載すると以下のようである。
パイロット信号の時間領域の部分から得た受信信号から作成したM×Kの行列を行列Aとする。
Figure 0005147089
・・・・・(103)
行列Aは以下のように書き換えられる。
Figure 0005147089
・・・・・(104)
ただし、行列Θ(θ)は以下の通りである。
Figure 0005147089
・・・・・(105)
ここで、行列Vを(98)式のように計算する。行列Vが行列Vならθはそのままであり、行列Vが行列Vならば、θの符号を反転する。
Figure 0005147089

・・・・・(106)
Figure 0005147089
・・・・・(107)
Figure 0005147089
・・・・・(108)
以上のようにCFOの値であるθが算出されると、以下のように補償パラメータを求めることができる。
Figure 0005147089
・・・・・(109)
Figure 0005147089
・・・・・(110)
Figure 0005147089
・・・・・(111)
Figure 0005147089
・・・・・(112)
Figure 0005147089
・・・・・(113)
以上のように、補償部20の構成を図8のようにした際にも、上記のように受信機のRIQI,DCO,CFOを補償することができる。
本発明の補償方法の効果を確認するためにシミュレーションを行った。シミュレーションに用いたOFDMシステムは、IEEE802.11a WLAN に類似しており、キャリア周波数は5GHz、B=20MHz、N=64、及びNG1=16の16AQMシグナリングである。周波数選択的フェーディングチャンネルは3つのパスと指数的減衰パワープロファイルを有する。
CFOは100kHzであり、I/Q不均衡シナリオは、α=0.5dB、φ=−10°、β=1dB、ψ=5°とした。なお、その他の条件は以下のように与えた。
Figure 0005147089
・・・・・(114)
Figure 0005147089
・・・・・(115)

Figure 0005147089
・・・・・(116)
Figure 0005147089
・・・・・(117)
無ひずみの送信された信号は1に正規化され、この際DCOパワー、は以下のように設定した。
Figure 0005147089
・・・・・(118)

また、信号対ノイズ比(SNR)は1に正規化された信号に対して1/σ、ノイズ分散はσになるように設定した。
本発明のハイブリッドドメイン補償方法を、TIQIおよびRIQIのみを対象とする非特許文献5([5])ものや、CFO及びRIQIのみを対象とする非特許文献3([15])や、CFO、周波数非依存RIQI、及びDCOのみを対象とする非特許文献4([16])の従来の諸方法のそれぞれと比較検討している。提案の方法では、補償フィルタ長は2L+1=5であり、1つのパイロットシンボル長はK=16である。すなわち、全てのサブキャリアを用いれば、4つのパイロット信号を同時に送信することができる。
なお、従来の方法ではそれらに固有のパイロットが採用されている。次の式で定義される正規化されたCFO二乗平均誤差(119式)に関しての比較結果を図10に示す。縦軸はCFO二乗平均誤差であり、横軸は信号対ノイズ比(SNR)である。従来の方法では、これらのアナログ損失のうちの一部分のみを考慮しているだけであるので、受信信号のSNRが高くなっても有効なCFO算出値を得ることができない。一方、本発明の補償方法では、受信信号の感度が高くなるほど正確なCFOを算出することができた。
Figure 0005147089
・・・・・(119)
図11はビットエラー比(BER)性能比較を表しており、アナログ損失の無い理想的な場合が比較対象として表示されている。縦軸はBERであり、横軸はSNRである。従来方法では、受信感度に関係なく、BERは一定値であるのに対し、本発明の補償方法では、受信感度が高くなるとBERも小さくすることができる。
本発明は、OFDMを用いた伝送系における受信機での補償方法として好適に利用できる。また、本発明は周期的な信号によって、受信機の複素変調器のI/Qインバランスを補償することができるので、外部からの周期的な信号の受信だけでなく、受信機内に信号源を有することで、複素変調器の自動校正にも利用することができる。




Claims (16)

  1. K個のシンボルが周期的に繰り返される周波数領域部分を含むパイロット信号を有する受信信号を補償する補償パラメータを求める方法であって、
    前記周波数領域部分のI軸信号においてサンプル取得開始点からN個のデータを取得し、ベクトルaI1(52式)を作成する工程と、
    前記周波数領域部分のI軸信号において前記サンプル取得開始点からK個ずれた点からN個のデータを取得し、ベクトルaI2(56式)を作成する工程と、
    前記周波数領域部分のQ軸信号において前記サンプル開始点のL個前のデータからN+2L個のデータを取得し、行列AQ1(53式)を作成する工程と、
    前記周波数領域部分のQ軸信号において前記サンプル開始点からK−L個後の点からN+2L個のデータを取得し、行列AQ2(57式)を作成する工程と、
    前記ベクトルaI1(52式)と前記ベクトルaI2(56式)と前記行列AQ1(53式)と前記行列AQ2(57式)および、全ての要素が1であってN×1の要素を有するベクトル1と、全ての要素がゼロであってN×1の要素を有するベクトル0から行列Π(63式)を得る工程と、
    前記ベクトルaI1(52式)と前記ベクトルaI2(56式)から行列a(64式)を得る工程と、
    受信機で発生するDCオフセット(以下「DCO」と呼ぶ)の実数成分をdとし、虚数成分をdとし、(2L+1)×1の要素からなるベクトルuと定数λから前記DCOをdIQ(54式)として、前記行列Π(63式)の擬似逆行列と前記行列a(64式)からベクトルc(65式)を得る工程と
    前記ベクトルcの第1番目の要素(c(0))と、第2番目の要素(c(1))とから、CFOをハットθ(66式)として求める工程と、
    前記周波数領域の前記サンプル開始点からN個の複素データを1行にK個ずつM行配置した行列A(67式)を作成する工程と、
    前記ハットθの絶対値を代入した行列Θ(θ)(69式)の擬似逆行列と前記行列Aから行列V(72式)を求める工程と
    前記行列V(72)式の第1列のパワーが第2列のパワーより大きければ、前記ハットθの符号を正と判断し、そうでなければ負と判断する工程を有する補償パラメータを求める方法。
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
  2. 前記ハットθの絶対値が十分に小さく、
    前記パイロット信号には、さらに
    既知データが送信される少なくとも第1および第2の周波数領域部分を含み、
    前記第1の周波数領域部分をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理後のデータのm番目のデータR(m)とチェックm番目(36式)のデータの共役データであるR (チェックm)を求める工程と、
    前記第2の周波数領域部分をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理後のデータのm番目のデータR(m)とチェックm番目(36式)のデータの共役データであるR (チェックm)を求める工程と、
    前記R(m)と前記R (チェックm)と前記R(m)と前記R (チェックm)および前記データに対応する送信データであるドットS(m)とドットS 1(チェックm)とドットS(m)とドットS (m)からイコライザ行列E(m)(42式)を求める工程を有する請求項1に記載された補償パラメータを求める方法。
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
  3. K個のシンボルが周期的に繰り返される周波数領域部分を含むパイロット信号を有する受信信号を補償する補償パラメータを求める方法であって、
    前記ハットθと前記ベクトルcより、
    ハットλ(75式)を求める工程と、
    ハットd(76式)を求める工程と、
    ハットdIQ(77式)を求める工程と、
    ベクトルハットu(78式)を求める工程と、
    ハットdQ(79式)を求める工程を有する請求項1に記載された補償パラメータを求める方法。
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
  4. 前記パイロット信号には、さらに
    既知データが送信される少なくとも第1および第2の周波数領域部分を含み、
    前記第1の周波数領域部分のI軸信号から前記ハットdを減算し、L段の遅延フィルタを作用させた第1のI軸補償信号を実数部とし、
    前記第1の周波数領域部分のQ軸信号から前記ハットdを減算し、前記ベクトルuを作用させ、前記第1のI軸補償信号を前記ハットλ倍した第1のQ軸補償信号を虚数部とする第D1のIQ補償信号を求める工程と、
    前記第1のDIQ補償信号の位相を前記ハットθの逆符号だけ移動させ第1の内部干渉補償信号を求める工程と、
    前記第1の内部干渉補償信号をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理後のデータのm番目のデータR(m)とチェックm番目(36式)のデータの共役データであるR (チェックm)を求める工程と、
    前記第2の周波数領域部分のI軸信号から前記ハットdを減算し、L段の遅延フィルタを作用させた第2のI軸補償信号を実数部とし、
    前記第2の周波数領域部分のQ軸信号から前記ハットdを減算し、前記ベクトルuを作用させ、前記第2のI軸補償信号を前記ハットλ倍した第2のQ軸補償信号を虚数部とする第2のIQ補償信号を求める工程と、
    前記第2のIQ補償信号の位相を前記ハットθの逆符号だけ移動させ第2の内部干渉補償信号を求める工程と、
    前記内部干渉補償信号をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理後のデータのm番目のデータR(m)とチェックm番目(36式)のデータの共役データであるR (チェックm)を求める工程と、
    前記R(m)と前記R (チェックm)と前記R(m)と前記R (チェックm)および前記データに対応する送信データであるドットS(m)とドットS 1(チェックm)とドットS(m)とドットS (m)からイコライザ行列E(m)(42式)を求める工程を有する請求項2に記載された補償パラメータを求める方法。
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
  5. 請求項1で求められるハットθを用いた受信信号の補償方法であって、
    受信信号をダウンコンバートする工程と、
    前記ダウンコンバートされた信号を前記ハットθの逆符号分だけ位相を移動させる工程とを有する受信信号の補償方法。
  6. 請求項1で求められるハットθと、
    請求項2で求められるイコライザ行列E(m)を用いた受信信号の補償方法であって、
    前記ハットθの絶対値がほぼゼロであることを判断する工程と、
    受信信号をダウンコンバートする工程と、
    前記ダウンコンバートされた信号を前記ハットθの逆符号分だけ位相を移動させる工程と、
    前記位相を移動された信号をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理されたデータのm番目とチェックm番目(36式)のデータに前記イコライザ行列E(m)を作用させ補償された信号ハットドットS(m)とハットドットS(チェックm)を得る工程を有する受信信号の補償方法。
    Figure 0005147089
  7. 請求項1で求められるハットθと、
    請求項3で求められるハットλと、ハットdと、ハットdIQと、ベクトルハットuと、ハットdを用いた受信信号の補償方法であって、
    前記ハットθの絶対値がゼロでないことを判断する工程と、
    受信信号をダウンコンバートする工程と、
    前記受信信号のI軸信号から前記ハットdを減算し、L段の遅延フィルタを作用させたI軸補償信号を実数部とし、
    前記受信信号のQ軸信号から前記ハットdを減算し、前記ベクトルuを作用させ、前記I軸補償信号を前記ハットλ倍したQ軸補償信号を虚数部とするDIQ補償信号を求める工程と、
    前記DIQ補償信号の位相を前記ハットθの逆符号だけ移動させる工程を有する受信信号の補償方法。
  8. 請求項1で求められるハットθと、
    請求項3で求められるハットλと、ハットdと、ハットdIQと、ベクトルハットuと、ハットdと、
    請求項4で求められるイコライザ行列E(m)を用いた受信信号の補償方法であって、
    前記ハットθの絶対値がゼロでないことを判断する工程と、
    受信信号をダウンコンバートする工程と、
    前記受信信号のI軸信号から前記ハットdを減算し、L段の遅延フィルタを作用させたI軸補償信号を実数部とし、
    前記受信信号のQ軸信号から前記ハットdを減算し、前記ベクトルuを作用させ、前記I軸補償信号を前記ハットλ倍したQ軸補償信号を虚数部とするDIQ補償信号を求める工程と、
    前記DIQ補償信号の位相を前記ハットθの逆符号だけ移動させる工程と、
    前記位相を移動された信号をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理されたデータのm番目とチェックm番目(36式)のデータに前記イコライザ行列E(m)を作用させ補償された信号ハットドットS(m)とハットドットS(チェックm)を得る工程を有する受信信号の補償方法。
    Figure 0005147089
  9. K個のシンボルが周期的に繰り返される周波数領域部分を含むパイロット信号を有する受信信号を補償する補償パラメータを求める方法であって、
    前記周波数領域部分のQ軸信号においてサンプル取得開始点からN個のデータを取得し、ベクトルaQ1(88式)を作成する工程と、
    前記周波数領域部分のQ軸信号において前記サンプル取得開始点からK個ずれた点からN個のデータを取得し、ベクトルaQ2(89式)を作成する工程と、
    前記周波数領域部分のI軸信号において前記サンプル開始点のL個前のデータからN+2L個のデータを取得し、行列AI1(90式)を作成する工程と、
    前記周波数領域部分のQ軸信号において前記サンプル開始点からK−L個後の点からN+2L個のデータを取得し、行列AI2(91式)を作成する工程と、
    前記ベクトルaQ1(88式)と前記ベクトルaQ2(89式)と前記行列AI1(90式)と前記行列AI2(91式)および、全ての要素が1であってN×1の要素を有するベクトル1と、全ての要素がゼロであってN×1の要素を有するベクトル0から行列Π(99式)を得る工程と、
    前記ベクトルaQ1(88式)と前記ベクトルaQ2(89式)から行列a(100式)を得る工程と、
    受信機で発生するDCオフセット(以下「DCO」と呼ぶ)の実数成分をdとし、虚数成分をdとし、(2L+1)×1の要素からなるベクトルuと定数λから前記DCOをdQI(92式)として、前記行列Π(99式)の擬似逆行列と前記行列a(100式)からベクトルc(101式)を得る工程と
    前記ベクトルcの第1番目の要素(c(0))と、第2番目の要素(c(1))とから、CFOをハットθ(102式)として求める工程と、
    前記周波数領域の前記サンプル開始点からN個の複素データを1行にK個ずつM行配置した行列A(103式)を作成する工程と、
    前記ハットθの絶対値を代入した行列Θ(θ)(105式)の擬似逆行列と前記行列Aから行列V(106式)を求める工程と
    前記行列V(106式)の第1列のパワーが第2列のパワーより大きければ、前記ハットθの符号を正と判断し、そうでなければ負と判断する工程を有する補償パラメータを求める方法。
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
  10. 前記ハットθの絶対値が十分に小さく、
    前記パイロット信号には、さらに
    既知データが送信される少なくとも第1および第2の周波数領域部分を含み、
    前記第1の周波数領域部分をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理後のデータのm番目のデータR(m)とチェックm番目(36式)のデータの共役データであるR (チェックm)を求める工程と、
    前記第2の周波数領域部分をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理後のデータのm番目のデータR(m)とチェックm番目(36式)のデータの共役データであるR (チェックm)を求める工程と、
    前記R(m)と前記R (チェックm)と前記R(m)と前記R (チェックm)および前記データに対応する送信データであるドットS(m)とドットS 1(チェックm)とドットS(m)とドットS (m)からイコライザ行列E(m)(42式)を求める工程を有する請求項9に記載された補償パラメータを求める方法。
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
  11. K個のシンボルが周期的に繰り返される周波数領域部分を含むパイロット信号を有する受信信号を補償する補償パラメータを求める方法であって、
    前記ハットθと前記ベクトルcより、
    ハットλ(109式)を求める工程と、
    ハットd(110式)を求める工程と、
    ハットdIQ(111式)を求める工程と、
    ベクトルハットu(112式)を求める工程と、
    ハットd(113式)を求める工程を有する請求項9に記載された補償パラメータを求める方法。
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
  12. 前記パイロット信号には、さらに
    既知データが送信される少なくとも第1および第2の周波数領域部分を含み、
    前記第1の周波数領域部分のQ軸信号から前記ハットdを減算し、L段の遅延フィルタを作用させた第1のQ軸補償信号を虚数部とし、
    前記第1の周波数領域部分のI軸信号から前記ハットdを減算し、前記ベクトルuを作用させ、前記第1のQ軸補償信号を前記ハットλ倍した第1のI軸補償信号を実数部とする第1のDIQ補償信号を求める工程と、
    前記第1のDIQ補償信号の位相を前記ハットθの逆符号だけ移動させ第1の内部干渉補償信号を求める工程と、
    前記第1の内部干渉補償信号をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理後のデータのm番目のデータR(m)とチェックm番目(36式)のデータの共役データであるR (チェックm)を求める工程と、
    前記第2の周波数領域部分のQ軸信号から前記ハットdを減算し、L段の遅延フィルタを作用させた第2のQ軸補償信号を虚数部とし、
    前記第2の周波数領域部分のI軸信号から前記ハットdを減算し、前記ベクトルuを作用させ、前記第2のQ軸補償信号を前記ハットλ倍した第2のI軸補償信号を実数部とする第2のDIQ補償信号を求める工程と、
    前記第2のDIQ補償信号の位相を前記ハットθの逆符号だけ移動させ第2の内部干渉補償信号を求める工程と、
    前記内部干渉補償信号をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理後のデータのm番目のデータR(m)とチェックm番目(36式)のデータの共役データであるR (チェックm)を求める工程と、
    前記R(m)と前記R (チェックm)と前記R(m)と前記R (チェックm)および前記データに対応する送信データであるドットS(m)とドットS 1(チェックm)とドットS(m)とドットS (m)からイコライザ行列E(m)(42式)を求める工程を有する請求項10に記載された補償パラメータを求める方法。
    Figure 0005147089
    Figure 0005147089
  13. 請求項9で求められるハットθを用いた受信信号の補償方法であって、
    受信信号をダウンコンバートする工程と、
    前記ダウンコンバートされた信号を前記ハットθの逆符号分だけ位相を移動させる工程とを有する受信信号の補償方法。
  14. 請求項9で求められるハットθと、
    請求項10で求められるイコライザ行列E(m)を用いた受信信号の補償方法であって、
    前記ハットθの絶対値がほぼゼロであることを判断する工程と、
    受信信号をダウンコンバートする工程と、
    前記ダウンコンバートされた信号を前記ハットθの逆符号分だけ位相を移動させる工程と、
    前記位相を移動された信号をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理されたデータのm番目とチェックm番目(36式)のデータに前記イコライザ行列E(m)を作用させ補償された信号ハットドットS(m)とハットドットS(チェックm)を得る工程を有する受信信号の補償方法。
    Figure 0005147089
  15. 請求項9で求められるハットθと、
    請求項11で求められるハットλと、ハットdと、ハットdQIと、ベクトルハットuと、ハットdを用いた受信信号の補償方法であって、
    前記ハットθの絶対値がゼロでないことを判断する工程と、
    受信信号をダウンコンバートする工程と、
    前記受信信号のQ軸信号から前記ハットdを減算し、L段の遅延フィルタを作用させたQ軸補償信号を虚数部とし、
    前記受信信号のI軸信号から前記ハットdを減算し、前記ベクトルuを作用させ、前記Q軸補償信号を前記ハットλ倍して加算したI軸補償信号を実数部とするDIQ補償信号を求める工程と、
    前記DIQ補償信号の位相を前記ハットθの逆符号だけ移動させる工程を有する受信信号の補償方法。
  16. 請求項9で求められるハットθと、
    請求項11で求められるハットλと、ハットdと、ハットdQIと、ベクトルハットuと、ハットdと、
    請求項12で求められるイコライザ行列E(m)を用いた受信信号の補償方法であって、
    前記ハットθの絶対値がゼロでないことを判断する工程と、
    受信信号をダウンコンバートする工程と、
    前記受信信号のQ軸信号から前記ハットdを減算し、L段の遅延フィルタを作用させたQ軸補償信号を実数部とし、
    前記受信信号のI軸信号から前記ハットdを減算し、前記ベクトルuを作用させ、前記Q軸補償信号を前記ハットλ倍して加算したI軸補償信号を実数部とするDIQ補償信号を求める工程と、
    前記DIQ補償信号の位相を前記ハットθの逆符号だけ移動させる工程と、
    前記位相を移動された信号をDFT処理する工程と、
    前記DFT処理されたデータのm番目とチェックm番目(36式)のデータに前記イコライザ行列E(m)を作用させ補償された信号ハットドットS(m)とハットドットS(チェックm)を得る工程を有する受信信号の補償方法。
    Figure 0005147089
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