JP2004518317A - 高度に時間変化する移動式無線チャンネルのための信号強度補正 - Google Patents
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Abstract
本発明は、移動式無線受信器用の信号強度補正ユニットに関するものであり、このユニットは、入り回路においてチャンネル推定器とチャンネル等化器とに接続されており、特に、データバーストの範囲内における信号強度の非常に短期的な変動を補正する。このために、従来の受信データシンボルの信号強度から、信号強度平均値が決定される、そして、現在の信号は、信号強度平均値に適合される。本発明の信号強度補正は、データの等化を行う際に、ビット誤り率を非常に減少できる。
Description
本発明は、移動式無線伝送用の受信ユニット、および、移動式無線受信機における信号強度補正用の装置および方法に関するものである。
【0001】
データ信号を移動式無線チャンネルを介して伝送する場合、特徴的な電力変動(Leistungsschwankungen)が生じる。この電力変動により、受信信号を等化することが困難になる。例えば、携帯電話機と固定局との間隔が大きくなると、受信信号の電力が連続的に落ちる。しかし、このように信号電力が次第に変化することの他に、特に、地方では、短期的な信号電力変動が生じる。つまり、特に、携帯電話機が、より高速で動かされる場合(例えば自動車内)がそうである。この短期的変動は、特に、送信機と受信機との間の直接的な伝送経路が、時々現れる障害物の陰になる場合に生じる。図5Aから分かるように、この信号強度変動は、このように短期間の、唯一のデータバースト(Datenbursts)の範囲内でさえ、受信される信号の電力を強く変動させる。
【0002】
受信される移動式無線信号の電力適合のための、様々な方法が提案された。いわゆる自動利得抑制(AGC)では、バースト(Bursts)の受信される信号が、バースト毎に固定されている乗数によって段階付けられる。より低い信号電力を有するバーストは、バーストの間に高い信号強度によって緩和されることにより、上昇する。このようにして、バーストの平均的な信号電力を一定に保つことが可能である。しかし、AGCでは、バーストの範囲内の短期的な電力変動を補正することは、不可能である。
【0003】
信号強度変動を補正するための更なる方法は、いわゆるチャンネルトラッキングである。この方法では、チャンネル応答を表しているチャンネル係数が、定期的な間隔で新しく決定される。このことにより、受信される信号の電力変動を、等化の際に考慮できる。
【0004】
区分を基礎とするチャンネルトラッキングでは、それぞれの受信されるデータ区分に基づいて、新しいチャンネルの推定が行われる。これに対し、シンボルを基礎とするチャンネルトラッキングでは、チャンネル係数が、現在の伝送条件に常に適合されている。チャンネル係数を新しく決定するために、普通は、最少平方(minimalen Fehlerquadrate)(最少2乗アルゴリズム)が使用される。この最少2乗アルゴリズムは、チャンネル係数を、学習順序(Lernforge)で反復式に決定する。
【0005】
LMSアルゴリズムを収束する速度は、アルゴリズムのステップサイズによって決定される。適当な大きさのステップサイズが選択される場合にのみ、迅速な信号強度変動が追跡される。しかし、このことは、多くの理由から実用的ではない。大きなステップサイズを使用する場合、LMSアルゴリズムが頻繁に収束されることとなる。その結果、新しいチャンネル係数を算出できない。大きなステップサイズを使用する場合の他の問題は、時折、チャンネル推定の結果を使用できないほど、ノイズが強く増幅されることに繋がることである。従って、短期的な電力変動を補正するために、チャンネルトラッキングを使用することは、考慮の対象にもならない。なぜなら、これに関して必要な大きなステップサイズは、時間によって弱く変化する電力変動の場合、追跡が明らかに悪質化してしまうからである。従って、チャンネルトラッキングは、大きなステップサイズを使用する場合でも、短期的な電力変動を補正するためには適していない。
【0006】
従って、本発明の目的は、一連の受信される信号において、信号強度を補正するための装置および方法を提供することであり、これにより、バーストの範囲内のこの強い信号強度変動も処理できる。
【0007】
本発明の目的は、請求項1に記載の信号強度補正のための装置、請求項17に記載の移動式無線伝送のための受信ユニット、および、請求項18に記載の信号強度を補正するための方法によって達成される。
【0008】
一連の受信される信号において、信号強度を補正するための本発明の装置は、信号強度決定手段を備えている。この手段は、現在の信号の信号強度を表している信号強度値を生成する。さらに、信号強度補正のための装置は、信号強度適合手段を備えている。この手段は、現在の信号を、連続の従来の信号から決定される信号強度平均値に適合させる。
【0009】
データバーストに関連して、このことは、信号強度平均値が、バーストの過去の信号から決定されることを意味している。従って、(ある程度の慣性により)現在の信号が常に追跡される。このことから、データバースト範囲内の短期的な信号強度変動も補正できる。信号強度が従来の平均よりも小さい信号は、強められ、一方、平均以上の信号強度値を有する信号は、弱められる。このことにより、信号電力の変動は小さくなり、下流側に接続されているチャンネル推定およびチャンネル等化が改善される。
【0010】
信号強度補正のための本発明の装置は、送信電力に関連するビット誤り率を著しく減少できる。所定のビット誤り率は、いくつかの場合には、3dBにまで減少された送信電力によって達成される。
【0011】
すでに知られている方法自動利得抑制(AGC)とは異なり、信号強度補正のための本発明の装置を用いることにより、バーストの範囲内で生じる短期的な、例えば受信経路が影になることにより生じる信号強度変動も、補正できる。下流側に接続されているチャンネル等化器は、すでに信号強度に適合された受信信号を処理しているので、チャンネル係数を決定する際の収束問題が回避される。
【0012】
信号強度平均値へ信号強度を適合しても、受信信号の位相は変更されない。受信信号は、位相方向に修正される。従って、信号強度修正された信号を、下流側に接続されているチャンネル推定器とチャンネル等化器とにより、知られている方法を用いて処理できる。
【0013】
移動式無線伝送のための本発明の受信ユニットは、伝送チャンネルを形成するためのチャンネル係数h0,...hLを算出するチャンネル推定器と、チャンネル推定器によって算出されたチャンネル係数を使用して受信される信号を等化するチャンネル等化器とを備えている。
【0014】
さらに、本発明の受信ユニットは、請求項1ないし16のいずれかに記載の、チャンネル推定器およびチャンネル等化器の上流側に接続されている、信号強度補正のための装置を備えている。上述のように、信号強度補正のための装置は、信号強度決定手段と、信号強度適合手段とを有している。従来技術では、時間によって強く変化する受信信号が、チャンネル推定のために使用されているが、一方、本発明の解決法では、信号強度修正された信号に基づいてチャンネル係数が決定される。チャンネル等化器にも、修正された信号が供給される。従って、この信号は、チャンネル推定器によって算出されたチャンネル係数に相当して等化される。信号強度補正のために、上流側に接続されている装置は、チャンネル推定器を絶え間なく追跡することによって行うよりも、受信信号の短期間の電力変動を非常に効果的に補正できる。信号強度補正が、信号の位相を含んでいる条件下で行われるので、チャンネル等化のために、修正された信号を使用できる。
【0015】
本発明の有利な実施形態では、信号強度適合手段は、現在の信号を、信号強度平均値によって割り算する。信号強度平均値は、ある程度の慣性により、信号強度の変化に追随する。従って、高い電力を有する受信信号が受信される場合には、信号強度平均値も、高い値を有し、それゆえ、割り算により、現在の信号が弱められる。逆に、悪質な受信の場合、信号強度平均値は、小さな値であることが考えられ、この弱い受信信号は、割り算によって上昇する。現在の信号を信号強度平均値により割り算することは、信号強度補正の最も簡単な方法である。
【0016】
信号強度適合手段によって、連続した前(過去)の信号の信号強度値に加えて、現在の信号の信号強度値から、信号強度平均値が決定されることが好ましい。この方法では、平均値を形成する際に現在の信号が考慮される。特により大きい、もしくは、特により小さな現在の値は、信号強度平均値を直接的に上昇もしくは下降させる。このことにより、効果的に信号強度を補正できる。
【0017】
また、信号強度適合化手段が、信号強度平均値を、現在の信号の信号強度を含まない、連続した過去の信号の信号強度値からそれぞれ決定することも好ましい。処理速度の観点から、この解決策がより適切なものである。信号強度平均値を形成する際に、現在の信号を考慮する必要がないので、段階付けのために使用される信号強度平均値は、すでに現在の信号を実現する際に使用できる。
【0018】
受信される信号が、複素数の信号(komplexe Signale)であることが好ましい。この複素数の信号は、同相信号i(k)と、直角位相信号q(k)(Quadratur−Signal)とをそれぞれ備えている。複素数値の信号は、移動式無線分野における通常の規格である。
【0019】
信号強度適合のための平均値が、同相信号i(k)と、直角位相信号q(k)との双方を、信号強度平均値により割り算することが好ましい。この両方の割り算によって、全体信号の大きさ(Betrag)を、信号強度平均値に規格化することが達成される。
【0020】
信号強度決定手段が、信号の信号強度を表している信号強度値を、同相信号i(k)の大きさと、直角位相信号q(k)の大きさとを加算することにより決定することが好ましい。各信号の大きさは、非常に簡単な方法で、各成分の符号を、加算の際に考慮しないことにより獲得できる。本発明の実施形態では、同相もしくは直角位相信号を2乗する必要はない。従って、このことは、信号強度値を決定するための最も簡単な方法である。それゆえ、信号強度を決定するこの方法は、最少の経費で行うことができる。
【0021】
また、信号強度決定手段が、信号の信号強度を表している信号強度値を、2乗された同相信号i(k)2と、2乗された直角位相信号q(k)2とを加算することにより決定することが好ましい。複素数値の信号の大きさは、通常、大きさの2乗(Betragsquadrate)を加算し、続いてその平方根を求めることによって算出される。なぜなら、信号全体の大きさの平方(2乗)は、2乗された実数部分と2乗された虚数部分との合計に相当しているからである。本発明では、信号強度に特徴的な測定方法(Mass)を獲得することが、唯一の重要な事項である。従って、最終的な平方根を求めることを省略することもできる。
【0022】
信号強度適合手段が、加算器を備えていることが好ましい。この加算器は、現在の信号強度平均値を、λ1を掛けた先行の信号強度平均値と、λ2を掛けた、現在の信号の信号強度平均値とを加算することによって算出する。この場合、λ1+λ2=1が当てはまる。従って、現在の信号強度平均値は、成分λ1を有する前の信号強度平均値、および、成分λ2を有する現在の信号強度値から得られる。このような平均値形成は、指数関数的平均化(exponentielle Mittelung)と称される。初期の信号値の、現在の平均値への寄与が少ないほど、信号値は前(過去)のものである。現在の信号強度平均値におけるその比率が、λ2・λ1 mによって少なくなる(verblasst)。ただし、mは、自然数であり、初期の信号値が、どれほど時間的に前(過去)のものであるかを示している。現在の信号強度は、成分λ2によって、現在の信号強度平均値に寄与しており、それゆえ、平均値への最も重要な寄与である。指数的加算平均は、信号強度変化に十分によく追従できる。その結果、効果的な信号強度補正を達成できる。
【0023】
信号強度適合手段が、信号強度平均値用のレジスタを備えていることが好ましく、このレジスタは、それぞれ、現在の信号強度平均値を格納し、次に続く信号強度平均値を計算するために提供される。この反復的な方法によって、信号強度平均値を、一過程(Durchgang)毎に全く新しく計算する必要はない。その代わり、複雑さを排除するために、現在の信号強度平均値を決定するための開始点として、格納された前の平均値が採用される。
【0024】
λ1=1−2−nおよびλ2=2−nが選択されると有利である。ただし、nは、自然数である。信号強度平均値に対する現在の信号電力の寄与の重大性をnによって調整できる。nを大きく選択するほど、前(過去)に得られた平均値の寄与は強くなり、現在の信号強度値の寄与は小さくなる。nの選択とは関係なく、λ1+λ2=1が常に達成される。
【0025】
この場合、現在の信号の信号強度値へのλ2=2−nの乗算は、シフトレジスタを用いて行われることが好ましい。同じく、前の信号強度平均値への、λ1=1−2−nの乗算は、加算器とシフトレジスタとによって行われることが好ましい。この場合、シフトレジスタを用いて、2進数をn回右シフトすることによって、2−nの乗算がそれぞれ実施されている。従って、乗算器の代わりに、簡単なシフトレジスタを使用でき、このことにより、簡単かつコストの安い実施が可能である。
【0026】
連続の範囲内の信号強度の変動が、閾値を越えている場合にのみ、信号強度適合手段が、現在の信号を信号強度平均値に適合することが好ましい。バーストの範囲内の信号強度が、ほんの僅かに変動する場合、ビット誤り率に関連して、受信信号を変更せずにそのままにしておくことが好ましい。本発明の信号強度適合が、信号強度の変動が所定の閾値を越えているバーストの際にのみ行われれば、最良の全体結果が得られる。
【0027】
この場合、連続の最大信号強度平均値と連続の中間の信号強度平均値とが十分に大きく異なっている場合にのみ、信号強度適合手段が、一連の各現在の信号を連続の信号強度平均値に適合させることが特に好ましい。本発明の実施形態では、バーストに属している信号値を緩衝する必要がある。このことにより、中間の信号強度平均値、および、最大の信号強度平均値が決定される。中間の信号強度平均値と最大の信号強度平均値との比較を参照することにより、本発明に係る信号強度補正を行う必要があるか無いかを判断できる。
【0028】
この場合、連続の最大信号強度平均値および中間の信号強度平均値の商を計算し、商が所定の閾値を越えている場合、信号強度補正を実施することが特に好ましい。
【0029】
以下に本発明を、図に示す実施例を参考に説明する。
【0030】
図1は、チャンネル評価器およびチャンネル等化器を備える従来技術に相当する移動式無線受信機を示す図である。図2は、本発明に基づいて変更され、さらに信号強度補償ユニットを備える、移動式無線伝送用の受信ユニットを示す図である。図3は、本発明に基づく信号強度補償ユニットのブロック図である。図4は、シフトレジスタを用いて信号強度平均値を決定する、有利な実施形態を示す図である。図5Aは、信号強度補償を実施する前の、データバーストの範囲内の時間によって強く変動する信号強度経過を示す図である。図5Bは、信号強度補償を実施した後の図5Aに示すデータバーストの信号強度経過を示す図である。
【0031】
図1に、従来技術の移動式無線受信機を示す。この移動式無線受信機は、チャンネル推定器1およびチャンネル等化器2を備えている。受信されるデータシンボルx(k)(k=1,...K)は、移動式無線チャンネルの多重経路伝送特性(Multipfad−Uebertragungscharakteristik)により歪められる。受信され、歪められたデータシンボルx(k)は、チャンネル推定器1に供給される。このようにして、チャンネル係数h0,...hLを決定するために、このチャンネル推定器1は、トレーニング連続m(K1),...m(K2)の歪められていないデータシンボルを有する受信されるデータシンボルと相関している。この際、Lは、チャンネルのメモリを示している。
【0032】
このような方法により算出されるチャンネル係数は、チャンネルの伝送応答のモデルを示している。チャンネル係数h0,...hLは、チャンネル等化器2に供給される。このチャンネル等化器2は、これらチャンネル係数を用いて、受信され、歪められたデータシンボルx(k)の等化を行い、その結果、等化されたデータシンボルu(k)(k=1,...K)が算出される。等化は、ビタビ(Viterbi)方法により行われることが好ましい。
【0033】
図2は、本発明の変更された移動式無線受信器のブロック図を示す。受信され、歪められたデータシンボルx(k)(k=1,...K)は、まず、信号強度補正ユニット3に供給される。この信号強度補正ユニット3は、チャンネル推定器4およびチャンネル等化器5の上流側に接続されている。受信されるデータバースト範囲内の信号強度変動が、所定の閾値を越える場合、補正ユニット3は、受信されるデータシンボルx(k)の信号強度適合を行う。このようにして、まだ歪められたままではあるが、信号強度適合されたデータシンボルx―(k)(k=1,...K)が獲得される。このデータシンボルは、チャンネル推定器4とチャンネル等化器5とに供給される。このデータシンボルx―(k)を前提として、チャンネル推定器4は、チャンネル係数h0,...hLを算出し、チャンネル推定器4は、これらチャンネル係数を、チャンネル等化器5へ伝送する。そして、データシンボルx―(k)を等化する場合に、このチャンネルモデルは、等化されたデータシンボルu(k)を獲得するための基礎とされる。
【0034】
上流側に接続されている信号強度補正ユニット3の動作の方法を、以下に、図3を参照して示す。受信されるデータシンボルx(k)は、複素数値であり、それゆえ、同相比率i(k)および直角位相比率q(k)によって示されている:
x(k)=i(k)+i・q(k)
同相比率と、直角位相比率との双方は、信号強度決定のためのユニット6に供給される。信号強度s(k)を計算するために、複数の可能性がある。ひとつの可能性は、2乗された同相比率と、2乗された直角位相比率とを加算することである。その結果、
s(k)=i(k)2+q(k)2
が当てはまる。
【0035】
信号強度を算出するために、両方の信号成分の大きさ
|i(k)|
と、
|q(k)|
とを加算することは、計算量がより少ない。その結果、信号強度s(k)
s(k)=|i(k)|+|q(k)|
が生じる。信号成分の大きさを計算するためには、それぞれの信号成分の符号を考慮しなくても、十分である。
【0036】
次に、時間kのときの信号強度平均値s−(k)が計算される。平均値形成のためには、公式
s−(k)=λ1・s−(k−1)+λ2・s(k)
に基づく、指数関数的平均化が特に適している。この場合、s−(k−1)は、信号強度の従来の平均値を示している。両方の係数λ1およびλ2には、
0<λ1<1,0<λ2<1
および
λ1+λ2=1
が該当する。それゆえ、係数λ1は、新しい信号強度平均値への従来の信号強度平均値の寄与を示しており、一方、λ2は、新しい平均値への現在の信号強度値の寄与を示している。平均値形成のこのような方法から、初期の信号強度値s(k−2),s(k−3),...s(k−m)の、新しい信号強度平均値への寄与がより少ないほど、それらがより前(過去)のものであるというという結果が生じる。この場合、m個の時間ユニットだけ前(過去)の信号強度値s(k−m)は、係数
λ1 m
を新しい平均値に付与する。
【0037】
新しい信号強度平均値を計算するために、現在の信号強度値s(k)に、乗算器7によって係数λ2が掛けられ、続いて、加算器10へ供給される。レジスタ8に格納されている従来の信号強度平均値s−(k−1)に、乗算器9によって係数λ1が掛けられ、続いて、同じく加算器10へ供給される。加算器10は、項
λ1・s−(k−1)
と、
λ2・s(k)
とを加算し、そして、新しい信号強度平均値s−(k)を決定する。
【0038】
新しい信号強度平均値s−(k)は、レジスタ8に格納される。さらに、信号強度平均値s−(k)は、信号配線11、14を介して、割り算ユニット12へ供給される。割り算ユニット12に存在する同相信号i(k)は、修正された同相信号
i−(k)=i(k)/s−(k)
を獲得するために、現在の信号強度平均値s−(k)によって割り算される。この修正された同相信号は、割り算ユニット12の出力部13に存在している。同じく、割り算ユニット15は、修正された直角位相信号
q−(k)=q(k)/s−(k)
を計算し、この修正された直角位相信号は、割り算ユニット15の出力部16に現れる。
【0039】
最良の等化結果は、強く時間によって変化するデータバーストに信号強度修正が行われる場合にのみ得られる。ほんの小さな信号強度変動を示すデータバーストには、信号強度補正は行われない。
【0040】
データバーストの範囲内で信号強度の変動を測定するために、信号強度平均値s−(k)
(ただしk=1,2,...,K)を前提として、データバーストの最大信号強度平均値
s− max=max{s−(k)|k=1,2,...,K}
および、中間信号強度平均値
【0041】
【数1】
【0042】
が決定される。この場合、Kは、データバースト毎のデータシンボルの数を示している。
【0043】
受信されるデータシンボルの信号強度変動が非常に小さい場合には、それぞれ追跡される信号強度平均値s−(k)の変動も小さい。最大信号強度平均値s− maxは、中間の信号強度平均値s− meanよりもほんの少し大きい。これに対し、データバーストの範囲内の大きな信号強度変動の場合には、s− maxは、s− meanよりも非常に大きい。
【0044】
それゆえ、商
s− max/s− mean
は、データバーストを考慮した場合の信号強度変動の良い測定方法である。この商が、1よりもほんの僅かに大きい場合、信号強度適合は行われない。これに対し、商
s− max/s− mean
が、所定の閾値tを越える場合、本発明の信号強度修正が行われる。
【0045】
図3に示す実施例では、本発明の信号強度適合は、より強い信号強度変動の場合にのみ選択的に実施される。この目的のため、最大信号強度平均値s− maxのためのレジスタ17、および、中間信号強度平均値s− meanのためのレジスタ18が備えられている。特定のデータバーストのために算出された、s− maxおよびs− meanの値は、比較器19に供給され、比較器19は、商
s− max/s− mean
を計算し、この商を閾値tと比較する。比較結果に応じて、スイッチ20、22が制御される。
s− max/s− mean>t
に該当する場合には、割り算ユニット12の出力部13は、出力部21と接続されており、この出力部21に、修正された値
i−(k)=i(k)/s−(k)
が生じる。同じく、割り算ユニット15の出力部16は、出力部23と接続されており、この出力部23に、値
q−(k)=q(k)/s−(k)
が生じる。
【0046】
これに対し、データバーストを考慮して信号強度変動が小さい場合には、
s− max/s− mean≦t
に該当する。この場合、信号強度修正は行われない。スイッチ20と22とは、その上部位置に存在している。スイッチ20は、信号配線24を、出力部21と接続している。従って、この出力部21には、変更されていない値i(k)が生じる。同じく、スイッチ22は、信号配線25を、出力部23と接続しており、この出力部23には、値q(k)が生じる。
【0047】
従って、信号強度補正が行われた後の同相信号および直角位相信号の値i−(k)およびq−(k)には
【0048】
【数2】
【0049】
が当てはまる。s− maxの値およびs− meanの値は、考えられるデータバーストが完全に受信されてから初めて存在する。データバーストの全ての受信されるデータシンボルの信号強度が推定されてから初めて、本発明の信号強度適合を実施する必要があるか無いかを判断できる。それゆえ、データバーストの受信されるデータシンボルを、このために備えられているデータ緩衝器内に置いておくことが必要である。現在のデータバーストに対応しているi(k),q(k)(ただし、k=1,2,...,K)の値を格納するためのデータ緩衝器は、明瞭であるため図3には示していない。
【0050】
s−(k)=λ1・s−(k−1)+λ2・s(k)
を計算するために、図3では、遅延部8、2つの乗算器7,9、および、加算器10が備えられている。
【0051】
好ましい実施形態に基づき、
λ1=1−2−n
および
λ2=2−n
が設定される。ただし、nは自然数である。λ1およびλ2を選択する際に、
λ1+λ2=1
が当てはまることが確実とされる。λ1およびλ2を選択する際に有利なのは、複雑な乗算器7および9を、右シフト器(Rechtsverschieber)によって代用できることである。
【0052】
相当する実施形態を図4に示す。信号強度決定のためのユニット26は、i(k)およびq(k)の値から、関連する信号強度s(k)を決定する。信号強度値に
λ2=2−n
を掛けるために、右シフト器27が備えられている。この右シフト器27は、信号強度s(k)のビットパターンを、n位置だけ右へシフトさせる。右シフトの結果は、加算器28へ供給される。遅延部29には、従来の信号強度平均値s−(k−1)が格納されている。この値には
λ1=1−2−n
が乗算されることになる。そのため、s−(k−1)の値は、第1に、信号配線30を介して変更されずに加算器28に供給される。第2に、s−(k−1)は、右シフト器31によって、n位置だけ右へシフトされる。この右シフトの結果は、負の符号と共に加算器28に供給される。加算器28は、出力部32に、新しい信号強度平均値
s−(k)=(1−2−n)・s−(k−1)+2−n・s(k)
を提供し、この値は、同じく遅延部29に格納される。
【0053】
本発明の信号強度比較の動作の方法を、図5Aおよび図5Bを参照して示す。図5Aに、データバーストのデータシンボルに関する信号強度経過を示す。このように明確にされた、信号の短期的な変動は、通常ではない。なぜなら、このことは、携帯電話と固定局との間の直接伝送経路が大抵の場合に暗がりの中にあるからである。図5Aに示すデータは、実際に測定された信号強度を示し、模擬実験ではない。図5Bに、同じデータバーストに関し、本発明の信号強度補正を行った後の信号強度経過を示す。同じく、実際のデータを扱っている。信号強度修正されたデータシンボルが、チャンネル推定器とチャンネル等化器とに供給されれば、等化におけるビット誤り率を著しく低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
チャンネル推定器およびチャンネル等化器を備える従来技術に相当する移動式無線受信機を示す図である。
【図2】
本発明に基づいて変更され、さらに信号強度補正ユニットを備える、移動式無線伝送用の受信ユニットを示す図である。
【図3】
本発明に基づく信号強度補正ユニットのブロック図である。
【図4】
シフトレジスタを用いて信号強度平均値を決定する、有利な実施形態を示す図である。
【図5A】
図5Aは、信号強度補正を実施する前の、データバーストの範囲内の時間によって強く変動する信号強度経過を示す図である。
【図5B】
図5Bは、信号強度補正を実施した後の図5Aに示すデータバーストの信号強度経過を示す図である。
【0001】
データ信号を移動式無線チャンネルを介して伝送する場合、特徴的な電力変動(Leistungsschwankungen)が生じる。この電力変動により、受信信号を等化することが困難になる。例えば、携帯電話機と固定局との間隔が大きくなると、受信信号の電力が連続的に落ちる。しかし、このように信号電力が次第に変化することの他に、特に、地方では、短期的な信号電力変動が生じる。つまり、特に、携帯電話機が、より高速で動かされる場合(例えば自動車内)がそうである。この短期的変動は、特に、送信機と受信機との間の直接的な伝送経路が、時々現れる障害物の陰になる場合に生じる。図5Aから分かるように、この信号強度変動は、このように短期間の、唯一のデータバースト(Datenbursts)の範囲内でさえ、受信される信号の電力を強く変動させる。
【0002】
受信される移動式無線信号の電力適合のための、様々な方法が提案された。いわゆる自動利得抑制(AGC)では、バースト(Bursts)の受信される信号が、バースト毎に固定されている乗数によって段階付けられる。より低い信号電力を有するバーストは、バーストの間に高い信号強度によって緩和されることにより、上昇する。このようにして、バーストの平均的な信号電力を一定に保つことが可能である。しかし、AGCでは、バーストの範囲内の短期的な電力変動を補正することは、不可能である。
【0003】
信号強度変動を補正するための更なる方法は、いわゆるチャンネルトラッキングである。この方法では、チャンネル応答を表しているチャンネル係数が、定期的な間隔で新しく決定される。このことにより、受信される信号の電力変動を、等化の際に考慮できる。
【0004】
区分を基礎とするチャンネルトラッキングでは、それぞれの受信されるデータ区分に基づいて、新しいチャンネルの推定が行われる。これに対し、シンボルを基礎とするチャンネルトラッキングでは、チャンネル係数が、現在の伝送条件に常に適合されている。チャンネル係数を新しく決定するために、普通は、最少平方(minimalen Fehlerquadrate)(最少2乗アルゴリズム)が使用される。この最少2乗アルゴリズムは、チャンネル係数を、学習順序(Lernforge)で反復式に決定する。
【0005】
LMSアルゴリズムを収束する速度は、アルゴリズムのステップサイズによって決定される。適当な大きさのステップサイズが選択される場合にのみ、迅速な信号強度変動が追跡される。しかし、このことは、多くの理由から実用的ではない。大きなステップサイズを使用する場合、LMSアルゴリズムが頻繁に収束されることとなる。その結果、新しいチャンネル係数を算出できない。大きなステップサイズを使用する場合の他の問題は、時折、チャンネル推定の結果を使用できないほど、ノイズが強く増幅されることに繋がることである。従って、短期的な電力変動を補正するために、チャンネルトラッキングを使用することは、考慮の対象にもならない。なぜなら、これに関して必要な大きなステップサイズは、時間によって弱く変化する電力変動の場合、追跡が明らかに悪質化してしまうからである。従って、チャンネルトラッキングは、大きなステップサイズを使用する場合でも、短期的な電力変動を補正するためには適していない。
【0006】
従って、本発明の目的は、一連の受信される信号において、信号強度を補正するための装置および方法を提供することであり、これにより、バーストの範囲内のこの強い信号強度変動も処理できる。
【0007】
本発明の目的は、請求項1に記載の信号強度補正のための装置、請求項17に記載の移動式無線伝送のための受信ユニット、および、請求項18に記載の信号強度を補正するための方法によって達成される。
【0008】
一連の受信される信号において、信号強度を補正するための本発明の装置は、信号強度決定手段を備えている。この手段は、現在の信号の信号強度を表している信号強度値を生成する。さらに、信号強度補正のための装置は、信号強度適合手段を備えている。この手段は、現在の信号を、連続の従来の信号から決定される信号強度平均値に適合させる。
【0009】
データバーストに関連して、このことは、信号強度平均値が、バーストの過去の信号から決定されることを意味している。従って、(ある程度の慣性により)現在の信号が常に追跡される。このことから、データバースト範囲内の短期的な信号強度変動も補正できる。信号強度が従来の平均よりも小さい信号は、強められ、一方、平均以上の信号強度値を有する信号は、弱められる。このことにより、信号電力の変動は小さくなり、下流側に接続されているチャンネル推定およびチャンネル等化が改善される。
【0010】
信号強度補正のための本発明の装置は、送信電力に関連するビット誤り率を著しく減少できる。所定のビット誤り率は、いくつかの場合には、3dBにまで減少された送信電力によって達成される。
【0011】
すでに知られている方法自動利得抑制(AGC)とは異なり、信号強度補正のための本発明の装置を用いることにより、バーストの範囲内で生じる短期的な、例えば受信経路が影になることにより生じる信号強度変動も、補正できる。下流側に接続されているチャンネル等化器は、すでに信号強度に適合された受信信号を処理しているので、チャンネル係数を決定する際の収束問題が回避される。
【0012】
信号強度平均値へ信号強度を適合しても、受信信号の位相は変更されない。受信信号は、位相方向に修正される。従って、信号強度修正された信号を、下流側に接続されているチャンネル推定器とチャンネル等化器とにより、知られている方法を用いて処理できる。
【0013】
移動式無線伝送のための本発明の受信ユニットは、伝送チャンネルを形成するためのチャンネル係数h0,...hLを算出するチャンネル推定器と、チャンネル推定器によって算出されたチャンネル係数を使用して受信される信号を等化するチャンネル等化器とを備えている。
【0014】
さらに、本発明の受信ユニットは、請求項1ないし16のいずれかに記載の、チャンネル推定器およびチャンネル等化器の上流側に接続されている、信号強度補正のための装置を備えている。上述のように、信号強度補正のための装置は、信号強度決定手段と、信号強度適合手段とを有している。従来技術では、時間によって強く変化する受信信号が、チャンネル推定のために使用されているが、一方、本発明の解決法では、信号強度修正された信号に基づいてチャンネル係数が決定される。チャンネル等化器にも、修正された信号が供給される。従って、この信号は、チャンネル推定器によって算出されたチャンネル係数に相当して等化される。信号強度補正のために、上流側に接続されている装置は、チャンネル推定器を絶え間なく追跡することによって行うよりも、受信信号の短期間の電力変動を非常に効果的に補正できる。信号強度補正が、信号の位相を含んでいる条件下で行われるので、チャンネル等化のために、修正された信号を使用できる。
【0015】
本発明の有利な実施形態では、信号強度適合手段は、現在の信号を、信号強度平均値によって割り算する。信号強度平均値は、ある程度の慣性により、信号強度の変化に追随する。従って、高い電力を有する受信信号が受信される場合には、信号強度平均値も、高い値を有し、それゆえ、割り算により、現在の信号が弱められる。逆に、悪質な受信の場合、信号強度平均値は、小さな値であることが考えられ、この弱い受信信号は、割り算によって上昇する。現在の信号を信号強度平均値により割り算することは、信号強度補正の最も簡単な方法である。
【0016】
信号強度適合手段によって、連続した前(過去)の信号の信号強度値に加えて、現在の信号の信号強度値から、信号強度平均値が決定されることが好ましい。この方法では、平均値を形成する際に現在の信号が考慮される。特により大きい、もしくは、特により小さな現在の値は、信号強度平均値を直接的に上昇もしくは下降させる。このことにより、効果的に信号強度を補正できる。
【0017】
また、信号強度適合化手段が、信号強度平均値を、現在の信号の信号強度を含まない、連続した過去の信号の信号強度値からそれぞれ決定することも好ましい。処理速度の観点から、この解決策がより適切なものである。信号強度平均値を形成する際に、現在の信号を考慮する必要がないので、段階付けのために使用される信号強度平均値は、すでに現在の信号を実現する際に使用できる。
【0018】
受信される信号が、複素数の信号(komplexe Signale)であることが好ましい。この複素数の信号は、同相信号i(k)と、直角位相信号q(k)(Quadratur−Signal)とをそれぞれ備えている。複素数値の信号は、移動式無線分野における通常の規格である。
【0019】
信号強度適合のための平均値が、同相信号i(k)と、直角位相信号q(k)との双方を、信号強度平均値により割り算することが好ましい。この両方の割り算によって、全体信号の大きさ(Betrag)を、信号強度平均値に規格化することが達成される。
【0020】
信号強度決定手段が、信号の信号強度を表している信号強度値を、同相信号i(k)の大きさと、直角位相信号q(k)の大きさとを加算することにより決定することが好ましい。各信号の大きさは、非常に簡単な方法で、各成分の符号を、加算の際に考慮しないことにより獲得できる。本発明の実施形態では、同相もしくは直角位相信号を2乗する必要はない。従って、このことは、信号強度値を決定するための最も簡単な方法である。それゆえ、信号強度を決定するこの方法は、最少の経費で行うことができる。
【0021】
また、信号強度決定手段が、信号の信号強度を表している信号強度値を、2乗された同相信号i(k)2と、2乗された直角位相信号q(k)2とを加算することにより決定することが好ましい。複素数値の信号の大きさは、通常、大きさの2乗(Betragsquadrate)を加算し、続いてその平方根を求めることによって算出される。なぜなら、信号全体の大きさの平方(2乗)は、2乗された実数部分と2乗された虚数部分との合計に相当しているからである。本発明では、信号強度に特徴的な測定方法(Mass)を獲得することが、唯一の重要な事項である。従って、最終的な平方根を求めることを省略することもできる。
【0022】
信号強度適合手段が、加算器を備えていることが好ましい。この加算器は、現在の信号強度平均値を、λ1を掛けた先行の信号強度平均値と、λ2を掛けた、現在の信号の信号強度平均値とを加算することによって算出する。この場合、λ1+λ2=1が当てはまる。従って、現在の信号強度平均値は、成分λ1を有する前の信号強度平均値、および、成分λ2を有する現在の信号強度値から得られる。このような平均値形成は、指数関数的平均化(exponentielle Mittelung)と称される。初期の信号値の、現在の平均値への寄与が少ないほど、信号値は前(過去)のものである。現在の信号強度平均値におけるその比率が、λ2・λ1 mによって少なくなる(verblasst)。ただし、mは、自然数であり、初期の信号値が、どれほど時間的に前(過去)のものであるかを示している。現在の信号強度は、成分λ2によって、現在の信号強度平均値に寄与しており、それゆえ、平均値への最も重要な寄与である。指数的加算平均は、信号強度変化に十分によく追従できる。その結果、効果的な信号強度補正を達成できる。
【0023】
信号強度適合手段が、信号強度平均値用のレジスタを備えていることが好ましく、このレジスタは、それぞれ、現在の信号強度平均値を格納し、次に続く信号強度平均値を計算するために提供される。この反復的な方法によって、信号強度平均値を、一過程(Durchgang)毎に全く新しく計算する必要はない。その代わり、複雑さを排除するために、現在の信号強度平均値を決定するための開始点として、格納された前の平均値が採用される。
【0024】
λ1=1−2−nおよびλ2=2−nが選択されると有利である。ただし、nは、自然数である。信号強度平均値に対する現在の信号電力の寄与の重大性をnによって調整できる。nを大きく選択するほど、前(過去)に得られた平均値の寄与は強くなり、現在の信号強度値の寄与は小さくなる。nの選択とは関係なく、λ1+λ2=1が常に達成される。
【0025】
この場合、現在の信号の信号強度値へのλ2=2−nの乗算は、シフトレジスタを用いて行われることが好ましい。同じく、前の信号強度平均値への、λ1=1−2−nの乗算は、加算器とシフトレジスタとによって行われることが好ましい。この場合、シフトレジスタを用いて、2進数をn回右シフトすることによって、2−nの乗算がそれぞれ実施されている。従って、乗算器の代わりに、簡単なシフトレジスタを使用でき、このことにより、簡単かつコストの安い実施が可能である。
【0026】
連続の範囲内の信号強度の変動が、閾値を越えている場合にのみ、信号強度適合手段が、現在の信号を信号強度平均値に適合することが好ましい。バーストの範囲内の信号強度が、ほんの僅かに変動する場合、ビット誤り率に関連して、受信信号を変更せずにそのままにしておくことが好ましい。本発明の信号強度適合が、信号強度の変動が所定の閾値を越えているバーストの際にのみ行われれば、最良の全体結果が得られる。
【0027】
この場合、連続の最大信号強度平均値と連続の中間の信号強度平均値とが十分に大きく異なっている場合にのみ、信号強度適合手段が、一連の各現在の信号を連続の信号強度平均値に適合させることが特に好ましい。本発明の実施形態では、バーストに属している信号値を緩衝する必要がある。このことにより、中間の信号強度平均値、および、最大の信号強度平均値が決定される。中間の信号強度平均値と最大の信号強度平均値との比較を参照することにより、本発明に係る信号強度補正を行う必要があるか無いかを判断できる。
【0028】
この場合、連続の最大信号強度平均値および中間の信号強度平均値の商を計算し、商が所定の閾値を越えている場合、信号強度補正を実施することが特に好ましい。
【0029】
以下に本発明を、図に示す実施例を参考に説明する。
【0030】
図1は、チャンネル評価器およびチャンネル等化器を備える従来技術に相当する移動式無線受信機を示す図である。図2は、本発明に基づいて変更され、さらに信号強度補償ユニットを備える、移動式無線伝送用の受信ユニットを示す図である。図3は、本発明に基づく信号強度補償ユニットのブロック図である。図4は、シフトレジスタを用いて信号強度平均値を決定する、有利な実施形態を示す図である。図5Aは、信号強度補償を実施する前の、データバーストの範囲内の時間によって強く変動する信号強度経過を示す図である。図5Bは、信号強度補償を実施した後の図5Aに示すデータバーストの信号強度経過を示す図である。
【0031】
図1に、従来技術の移動式無線受信機を示す。この移動式無線受信機は、チャンネル推定器1およびチャンネル等化器2を備えている。受信されるデータシンボルx(k)(k=1,...K)は、移動式無線チャンネルの多重経路伝送特性(Multipfad−Uebertragungscharakteristik)により歪められる。受信され、歪められたデータシンボルx(k)は、チャンネル推定器1に供給される。このようにして、チャンネル係数h0,...hLを決定するために、このチャンネル推定器1は、トレーニング連続m(K1),...m(K2)の歪められていないデータシンボルを有する受信されるデータシンボルと相関している。この際、Lは、チャンネルのメモリを示している。
【0032】
このような方法により算出されるチャンネル係数は、チャンネルの伝送応答のモデルを示している。チャンネル係数h0,...hLは、チャンネル等化器2に供給される。このチャンネル等化器2は、これらチャンネル係数を用いて、受信され、歪められたデータシンボルx(k)の等化を行い、その結果、等化されたデータシンボルu(k)(k=1,...K)が算出される。等化は、ビタビ(Viterbi)方法により行われることが好ましい。
【0033】
図2は、本発明の変更された移動式無線受信器のブロック図を示す。受信され、歪められたデータシンボルx(k)(k=1,...K)は、まず、信号強度補正ユニット3に供給される。この信号強度補正ユニット3は、チャンネル推定器4およびチャンネル等化器5の上流側に接続されている。受信されるデータバースト範囲内の信号強度変動が、所定の閾値を越える場合、補正ユニット3は、受信されるデータシンボルx(k)の信号強度適合を行う。このようにして、まだ歪められたままではあるが、信号強度適合されたデータシンボルx―(k)(k=1,...K)が獲得される。このデータシンボルは、チャンネル推定器4とチャンネル等化器5とに供給される。このデータシンボルx―(k)を前提として、チャンネル推定器4は、チャンネル係数h0,...hLを算出し、チャンネル推定器4は、これらチャンネル係数を、チャンネル等化器5へ伝送する。そして、データシンボルx―(k)を等化する場合に、このチャンネルモデルは、等化されたデータシンボルu(k)を獲得するための基礎とされる。
【0034】
上流側に接続されている信号強度補正ユニット3の動作の方法を、以下に、図3を参照して示す。受信されるデータシンボルx(k)は、複素数値であり、それゆえ、同相比率i(k)および直角位相比率q(k)によって示されている:
x(k)=i(k)+i・q(k)
同相比率と、直角位相比率との双方は、信号強度決定のためのユニット6に供給される。信号強度s(k)を計算するために、複数の可能性がある。ひとつの可能性は、2乗された同相比率と、2乗された直角位相比率とを加算することである。その結果、
s(k)=i(k)2+q(k)2
が当てはまる。
【0035】
信号強度を算出するために、両方の信号成分の大きさ
|i(k)|
と、
|q(k)|
とを加算することは、計算量がより少ない。その結果、信号強度s(k)
s(k)=|i(k)|+|q(k)|
が生じる。信号成分の大きさを計算するためには、それぞれの信号成分の符号を考慮しなくても、十分である。
【0036】
次に、時間kのときの信号強度平均値s−(k)が計算される。平均値形成のためには、公式
s−(k)=λ1・s−(k−1)+λ2・s(k)
に基づく、指数関数的平均化が特に適している。この場合、s−(k−1)は、信号強度の従来の平均値を示している。両方の係数λ1およびλ2には、
0<λ1<1,0<λ2<1
および
λ1+λ2=1
が該当する。それゆえ、係数λ1は、新しい信号強度平均値への従来の信号強度平均値の寄与を示しており、一方、λ2は、新しい平均値への現在の信号強度値の寄与を示している。平均値形成のこのような方法から、初期の信号強度値s(k−2),s(k−3),...s(k−m)の、新しい信号強度平均値への寄与がより少ないほど、それらがより前(過去)のものであるというという結果が生じる。この場合、m個の時間ユニットだけ前(過去)の信号強度値s(k−m)は、係数
λ1 m
を新しい平均値に付与する。
【0037】
新しい信号強度平均値を計算するために、現在の信号強度値s(k)に、乗算器7によって係数λ2が掛けられ、続いて、加算器10へ供給される。レジスタ8に格納されている従来の信号強度平均値s−(k−1)に、乗算器9によって係数λ1が掛けられ、続いて、同じく加算器10へ供給される。加算器10は、項
λ1・s−(k−1)
と、
λ2・s(k)
とを加算し、そして、新しい信号強度平均値s−(k)を決定する。
【0038】
新しい信号強度平均値s−(k)は、レジスタ8に格納される。さらに、信号強度平均値s−(k)は、信号配線11、14を介して、割り算ユニット12へ供給される。割り算ユニット12に存在する同相信号i(k)は、修正された同相信号
i−(k)=i(k)/s−(k)
を獲得するために、現在の信号強度平均値s−(k)によって割り算される。この修正された同相信号は、割り算ユニット12の出力部13に存在している。同じく、割り算ユニット15は、修正された直角位相信号
q−(k)=q(k)/s−(k)
を計算し、この修正された直角位相信号は、割り算ユニット15の出力部16に現れる。
【0039】
最良の等化結果は、強く時間によって変化するデータバーストに信号強度修正が行われる場合にのみ得られる。ほんの小さな信号強度変動を示すデータバーストには、信号強度補正は行われない。
【0040】
データバーストの範囲内で信号強度の変動を測定するために、信号強度平均値s−(k)
(ただしk=1,2,...,K)を前提として、データバーストの最大信号強度平均値
s− max=max{s−(k)|k=1,2,...,K}
および、中間信号強度平均値
【0041】
【数1】
【0042】
が決定される。この場合、Kは、データバースト毎のデータシンボルの数を示している。
【0043】
受信されるデータシンボルの信号強度変動が非常に小さい場合には、それぞれ追跡される信号強度平均値s−(k)の変動も小さい。最大信号強度平均値s− maxは、中間の信号強度平均値s− meanよりもほんの少し大きい。これに対し、データバーストの範囲内の大きな信号強度変動の場合には、s− maxは、s− meanよりも非常に大きい。
【0044】
それゆえ、商
s− max/s− mean
は、データバーストを考慮した場合の信号強度変動の良い測定方法である。この商が、1よりもほんの僅かに大きい場合、信号強度適合は行われない。これに対し、商
s− max/s− mean
が、所定の閾値tを越える場合、本発明の信号強度修正が行われる。
【0045】
図3に示す実施例では、本発明の信号強度適合は、より強い信号強度変動の場合にのみ選択的に実施される。この目的のため、最大信号強度平均値s− maxのためのレジスタ17、および、中間信号強度平均値s− meanのためのレジスタ18が備えられている。特定のデータバーストのために算出された、s− maxおよびs− meanの値は、比較器19に供給され、比較器19は、商
s− max/s− mean
を計算し、この商を閾値tと比較する。比較結果に応じて、スイッチ20、22が制御される。
s− max/s− mean>t
に該当する場合には、割り算ユニット12の出力部13は、出力部21と接続されており、この出力部21に、修正された値
i−(k)=i(k)/s−(k)
が生じる。同じく、割り算ユニット15の出力部16は、出力部23と接続されており、この出力部23に、値
q−(k)=q(k)/s−(k)
が生じる。
【0046】
これに対し、データバーストを考慮して信号強度変動が小さい場合には、
s− max/s− mean≦t
に該当する。この場合、信号強度修正は行われない。スイッチ20と22とは、その上部位置に存在している。スイッチ20は、信号配線24を、出力部21と接続している。従って、この出力部21には、変更されていない値i(k)が生じる。同じく、スイッチ22は、信号配線25を、出力部23と接続しており、この出力部23には、値q(k)が生じる。
【0047】
従って、信号強度補正が行われた後の同相信号および直角位相信号の値i−(k)およびq−(k)には
【0048】
【数2】
【0049】
が当てはまる。s− maxの値およびs− meanの値は、考えられるデータバーストが完全に受信されてから初めて存在する。データバーストの全ての受信されるデータシンボルの信号強度が推定されてから初めて、本発明の信号強度適合を実施する必要があるか無いかを判断できる。それゆえ、データバーストの受信されるデータシンボルを、このために備えられているデータ緩衝器内に置いておくことが必要である。現在のデータバーストに対応しているi(k),q(k)(ただし、k=1,2,...,K)の値を格納するためのデータ緩衝器は、明瞭であるため図3には示していない。
【0050】
s−(k)=λ1・s−(k−1)+λ2・s(k)
を計算するために、図3では、遅延部8、2つの乗算器7,9、および、加算器10が備えられている。
【0051】
好ましい実施形態に基づき、
λ1=1−2−n
および
λ2=2−n
が設定される。ただし、nは自然数である。λ1およびλ2を選択する際に、
λ1+λ2=1
が当てはまることが確実とされる。λ1およびλ2を選択する際に有利なのは、複雑な乗算器7および9を、右シフト器(Rechtsverschieber)によって代用できることである。
【0052】
相当する実施形態を図4に示す。信号強度決定のためのユニット26は、i(k)およびq(k)の値から、関連する信号強度s(k)を決定する。信号強度値に
λ2=2−n
を掛けるために、右シフト器27が備えられている。この右シフト器27は、信号強度s(k)のビットパターンを、n位置だけ右へシフトさせる。右シフトの結果は、加算器28へ供給される。遅延部29には、従来の信号強度平均値s−(k−1)が格納されている。この値には
λ1=1−2−n
が乗算されることになる。そのため、s−(k−1)の値は、第1に、信号配線30を介して変更されずに加算器28に供給される。第2に、s−(k−1)は、右シフト器31によって、n位置だけ右へシフトされる。この右シフトの結果は、負の符号と共に加算器28に供給される。加算器28は、出力部32に、新しい信号強度平均値
s−(k)=(1−2−n)・s−(k−1)+2−n・s(k)
を提供し、この値は、同じく遅延部29に格納される。
【0053】
本発明の信号強度比較の動作の方法を、図5Aおよび図5Bを参照して示す。図5Aに、データバーストのデータシンボルに関する信号強度経過を示す。このように明確にされた、信号の短期的な変動は、通常ではない。なぜなら、このことは、携帯電話と固定局との間の直接伝送経路が大抵の場合に暗がりの中にあるからである。図5Aに示すデータは、実際に測定された信号強度を示し、模擬実験ではない。図5Bに、同じデータバーストに関し、本発明の信号強度補正を行った後の信号強度経過を示す。同じく、実際のデータを扱っている。信号強度修正されたデータシンボルが、チャンネル推定器とチャンネル等化器とに供給されれば、等化におけるビット誤り率を著しく低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
チャンネル推定器およびチャンネル等化器を備える従来技術に相当する移動式無線受信機を示す図である。
【図2】
本発明に基づいて変更され、さらに信号強度補正ユニットを備える、移動式無線伝送用の受信ユニットを示す図である。
【図3】
本発明に基づく信号強度補正ユニットのブロック図である。
【図4】
シフトレジスタを用いて信号強度平均値を決定する、有利な実施形態を示す図である。
【図5A】
図5Aは、信号強度補正を実施する前の、データバーストの範囲内の時間によって強く変動する信号強度経過を示す図である。
【図5B】
図5Bは、信号強度補正を実施した後の図5Aに示すデータバーストの信号強度経過を示す図である。
Claims (30)
- 移動式無線受信器において連続して受信される受信信号(x(k))用の信号強度を補正するための装置(3)であって、
現在の信号の信号強度を表している信号強度値(s(k))を生成する、信号強度決定手段(6)と、
上記現在の信号(x(k))を、一連の過去の信号のうちから決定される信号強度平均値(s−(k))に適合させる、信号強度適合手段とを備えることを特徴とする、信号強度を補正するための装置(3)。 - 上記信号強度適合手段は、上記現在の信号(x(k))を、信号強度平均値(s−(k))によって割り算する少なくとも1つの割り算ユニット(12,15)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 上記信号強度適合手段は、信号強度平均値(s−(k))を、現在の信号の信号強度値(s(k))を含む、一連の過去の信号の信号強度値からそれぞれ決定することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
- 上記信号強度適合手段は、信号強度平均値(s−(k))を、現在の信号の信号強度値(s(k))を含まない、一連の過去の信号の信号強度値からそれぞれ決定することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
- 上記受信信号(x(k))は、複素数の信号であり、この信号は、同相信号(i(k))と、直角位相信号(q(k))とをそれぞれ備えていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
- 上記信号強度適合手段は、同相信号(i(k))と、直角位相信号(q(k))とを信号強度平均値(s−(k))によって割り算することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
- 上記信号強度決定手段(6)は、信号の信号強度を表している信号強度値(s(k))を、同相信号(i(k))の大きさと、直角位相信号(q(k)の大きさとの加算により決定することを特徴とする、請求項5または6に記載の装置。
- 上記信号強度決定手段(6)は、信号の信号強度を表している信号強度値(s(k))を、同相信号の2乗(i(k)2)と、直角位相信号の2乗(q(k)2)との加算により決定することを特徴とする、請求項5または6に記載の装置。
- 上記信号強度適合手段は、加算器(10)を備え、この加算器は、信号強度平均値(s−(k))を、λ1が乗算された過去の信号強度平均値(s−(k))と、λ2が乗算された現在の信号の信号強度値(s(k))とを加算することにより決定し、ここで、λ1+λ2=1となることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の装置。
- 上記信号強度適合手段は、信号強度平均値のためのレジスタ(8)を備え、上記レジスタは、それぞれ現在の信号強度平均値(s−(k))を格納し、次に続く信号強度平均値(s−(k+1))を計算するために利用されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
- λ1=1−2−nおよびλ2=2−n(ここで、nは自然数)が選択されることを特徴とする、請求項9または10に記載の装置。
- 現在の信号の信号強度値(s(k))へのλ2=2−nの乗算は、シフトレジスタ(27)を用いて行われることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
- 過去の信号強度平均値(s−(k−1))へのλ1=1−2−nの乗算は、加算器(28)と、シフトレジスタ(31)とを用いて行われることを特徴とする、請求項11または12に記載の装置。
- 上記信号強度適合手段は、一連の範囲内における信号強度の変動が、閾値を越える場合にのみ、現在の信号(x(k))を信号強度平均値(s−(k))に適合させることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
- 上記信号強度適合手段は、連続の最大信号強度平均値(s− max)と、連続の中間の信号強度平均値(s− mean)とが十分に大きく異なっている場合にのみ、一連の現在の各信号を、一連の各信号強度平均値(s−(k))に適合させることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の装置。
- 上記信号強度適合手段は、連続の最大信号強度平均値(s− max)と連続の中間の信号強度平均値(s− mean)との商が、閾値(t)を越える場合にのみ、一連の現在の各信号を、一連の各信号強度平均値(s−(k))に適合させることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の装置。
- 伝送チャンネルを形成するためのチャンネル係数を算出するチャンネル推定器(1)と、
上記チャンネル推定器によって算出されるチャンネル係数を用いて受信される信号を等化するチャンネル等化器(2)とを有する移動式無線伝送用受信ユニットであって、
請求項1ないし16のいずれかに記載の信号強度適合のための装置(3)が、チャンネル推定器(1)とチャンネル等化器(2)との上流側に接続されていることを特徴とする、移動式無線伝送用受信ユニット。 - (a)現在の信号の信号強度を表している信号強度値(s(k))を確認する工程と、
(b)一連の過去の信号から、信号強度平均値(s−(k))を決定する工程と、
(c)現在の信号(x(k))を、工程(b)において決定される信号強度平均値(s−(k))に適合させる工程とからなることを特徴とする、一連の受信信号用の信号強度補正のための方法。 - 上記現在の信号(x(k))は、信号強度平均値(s−(k))により割り算されることにより、工程(b)において決定される信号強度平均値(s−(k))に適合されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
- 上記信号強度平均値(s−(k))は、現在の信号の信号強度値(s(k))を含む、一連の過去の信号の信号強度値から、それぞれ決定されることを特徴とする、請求項18または19に記載の方法。
- 上記信号強度平均値(s−(k))は、現在の信号の信号強度値(s(k))を含まない、一連の過去の信号の信号強度値から、それぞれ決定され、
工程(a)は、工程(b)の前または後に選択的に行えることを特徴とする、請求項18または19に記載の方法。 - 受信信号は、同相信号(i(k))および直角位相信号(q(k))をそれぞれ含んでいる複素数の信号であることを特徴とする、請求項18ないし21のいずれかに記載の方法。
- 上記現在の信号(x(k))は、同相信号(i(k))と直角位相信号(q(k))との双方を、信号強度平均値(s−(k))によって割り算することによって、工程(b)において決定される信号強度平均値(s−(k))に適合されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
- 信号の信号強度を表している信号強度値(s(k))は、同相信号(i(k))の大きさと、直角位相信号(q(k))の大きさとを加算することによって決定されることを特徴とする、請求項22または23に記載の方法。
- 信号の信号強度を表している信号強度値(s(k))は、同相信号の2乗(i(k)2)と直角位相信号の2乗(q(k)2)との加算により決定されることを特徴とする、請求項22または23に記載の方法。
- 上記信号強度平均値(s−(k))は、λ1が乗算されている過去の信号強度平均値(s−(k−1))と、λ2が乗算されている現在の信号の信号強度値(s(k))との加算によって決定され、ここで、λ1+λ2=1となることを特徴とする、請求項18ないし25のいずれかに記載の方法。
- λ1=1−2−nおよびλ2=2−n(ここで、nは自然数)が選択されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
- 上記現在の信号(x(k))は、一連の範囲内における信号強度の変動が、閾値を越える場合にのみ、工程(b)において決定される信号強度平均値(s−(k))に適合されることを特徴とする、請求項18ないし27のいずれかに記載の方法。
- 連続の最大信号強度平均値(s− max)と連続の中間の信号強度平均値(s− mean)とが十分に大きく異なっている場合にのみ、一連の上記現在の各信号(x(k))は、一連の各信号強度平均値(s−(k))に適合されることを特徴とする、請求項18ないし28のいずれかに記載の方法。
- 連続の最大信号強度平均値(s− max)と中間の信号強度平均値(s− mean)との商が、閾値(t)を越える場合にのみ、一連の現在の各信号(x(k))は、一連の各信号強度平均値(s−(k))に適合されることを特徴とする、請求項18ないし29のいずれかに記載の方法。
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