JP4009078B2 - 薄膜電子部品 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜電子部品に関し、例えば、薄膜コンデンサ部品、薄膜抵抗部品に好適に用いられる高周波用途の薄膜電子部品、特に耐湿性に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、高機能化に伴い、電子機器内に設置される電子部品にも小型化、薄型化、高周波対応などの要求が強くなってきている。
【0003】
特に、大量の情報を高速に処理する必要のあるコンピュータの高速デジタル回路では、パーソナルコンピュータレベルにおいても、CPUチップ内のクロック周波数は200MHzから1GHz、チップ間バスのクロック周波数も75MHzから133MHzという具合に高速化が顕著である。
【0004】
また、LSIの集積度が高まりチップ内の素子数の増大につれ、消費電力を抑えるために電源電圧は低下の傾向にある。これらIC回路の高速化、高密度化、低電圧化に伴い、コンデンサや抵抗等の受動部品も小型大容量化と併せて、高周波もしくは高速パルスに対して優れた特性を示すことが必須になってきている。
例え、薄膜コンデンサの小型・大容量化を実現するためには、誘電体層の薄膜化、電極層パターンの小型化が有効であり、種々の薄膜コンデンサが提案されている。
【0005】
誘電体層の薄膜化による弊害として、絶縁特性の劣化が懸念される。これら薄膜電子部品の絶縁特性を向上するため、種々の手法が提案されている。例えば、特開平7−183165号公報、特開平8−31951号公報には誘電体層の微構造を改良し、誘電体層自身のリーク特性を改良した例が開示されている。また、特開平9−199373号公報には上側電極層が誘電体層端部を被覆しない様なエアブリッジ構造を採用し、誘電体層端部での絶縁性劣化を改善した例が開示されている。
【0006】
薄膜コンデンサとしては、例えば、図5に示す外観斜視図、図6の断面図に示すように、支持基板11上に、電子部品素体(誘電体層13)と下側電極層12、上側電極層14を有する薄膜素子が複数設けられて構成され、誘電体層13は電極層12、14により挟持されて薄膜素子A(容量素子)を構成することが考えられる。
【0007】
また、薄膜素子Aは絶縁性保護膜15で被覆されており、この絶縁性保護膜15には、底面に上側電極層14の一部が露出する貫通孔19が形成されている。この貫通孔19内には、ハンダバンプからなる外部端子20a、20bが形成されている。この薄膜コンデンサでは、上側電極層14は、下側電極層12との導通を防止するため、貫通孔19の周りが環状に除去され、上側電極層14の一部が分割されている。
【0008】
このような薄膜コンデンサは、支持基板11上にスパッタリング法、CVD法等の気相合成法を用いて下側電極層12を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、パターン加工を行う工程と、パターン加工された下側電極層12上に、気相合成法やゾルゲル法などで誘電体層13を形成し、フォトリソグラフィを用いてパターン加工する工程と、パターン加工された誘電体層13上に上側電極層14を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、パターン加工を行う工程と、上側電極層14上に絶縁性保護膜15を形成する工程と、この絶縁性保護膜15に貫通孔19を形成し、この貫通孔19内に、下側電極層12および上側電極層14にそれぞれ電気的に接続する外部端子20a、20bを形成する工程を経て作製される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、常温常湿雰囲気での絶縁特性の向上には上記手法は有効であるが、一般の信頼性試験の湿中雰囲気下では、水分の浸入による絶縁劣化が想定されるので、薄膜電子部品の保護膜層の耐湿性の向上は必要不可欠である。
【0010】
本発明は、上述の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的は、高絶縁性、高い耐湿信頼性を有する小型の薄膜電子部品を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜電子部品は、支持基板上に、電極層および薄膜部品素体からなる薄膜素子を形成し、該薄膜素子を耐湿性保護膜で被覆する薄膜電子部品において、前記耐湿性保護膜は、前記薄膜素子側より有機樹脂層、無機化合物層、金属層が順次積層した積層構造であり、前記有機樹脂層は、前記薄膜部品素体の非形成領域において前記電極層を露出させるとともに該電極層に接続させる外部端子を設けるための貫通孔を有し、前記無機化合物層は、前記貫通孔の底面を露出させた状態で、前記貫通孔の内壁を覆うとともに前記有機樹脂層の全面を覆って、前記金属層は、前記貫通孔に露出する前記電極層、前記無機化合物層に覆われた前記貫通孔の内壁及び前記無機化合物層の上面における前記貫通孔の周囲を一連に覆って構成されている。
【0012】
この薄膜部品素体が薄膜誘電体層であり、薄膜電子部品とは、薄膜コンデンサである。
また、この薄膜部品素体が薄膜抵抗体層であり、薄膜電子部品は、薄膜抵抗部品である。
【0013】
また、耐湿性保護膜を構成する金属層は、前記貫通孔の内部及び貫通孔の開口周囲に独立して形成されている。
【0014】
また、耐湿性保護膜を構成する有機樹脂層がポリイミド、ベンゾシクロブテンから選ばれる少なくとも1種以上の材料で形成されている。
【0015】
また、耐湿性保護膜を構成する無機化合物層がSiO2、SiNx、から選ばれる少なくとも1種以上の材料で形成されている。
【0016】
また、前記耐湿性保護膜を構成する金属層がTi、Cr、Ni、Auから選ばれる少なくとも2種以上の材料で形成されている。
【作用】
この耐湿性保護膜は、素子側より(1)有機樹脂層、(2)無機化合物層(3)金属層とから成っている。有機樹脂層は、素子の電極層の形状及び厚みなどにより発生する凹凸を吸収し、その平滑な有機樹脂層表面に、無機化合物層を安定して形成させるためのものである。また、(2)無機化合物層は、水分が薄膜素子部にまで浸入しないように水分遮断する目的で形成される。また、(3)金属層は、電極層を露出する貫通孔の端面や界面部分からの水分の浸入を抑制するシール金属の目的で形成される。この金属層はTi,Cr,Ni,Auから選ばれる少なくとも2種以上の金属より選択される。
このように、それぞれの役割を担う(1)有機樹脂層、(2)無機化合物層(3)金属層とから成る耐湿性保護膜が順次積層された層構成をしているので、耐湿特性を大幅に改善することが可能となる。
【0017】
また、本発明の薄膜電子部品では、誘電体層や抵抗体層の非形成領域にハンダバンプからなる外部端子が形成されるため、誘電体層や抵抗体層の厚みに対して非常に大きな外部端子がリフロー時に収縮しても、リフロー工程で生じる外部端子の熱収縮に伴う応力に対して誘電体層が直接ダメージを受けず、誘電体層や抵抗体層に過大な応力が発生することがなく、クラック発生を防止することができ、クラックに半田が流れ込むことがなく、これにより絶縁性を確保することができ、素子特性を維持した状態で、かつ実装信頼性も確保できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の薄膜電子部品を図面に基づいて詳説する。尚、以下の実施の形態では、薄膜電子部品素体として誘電体層を形成した薄膜コンデンサを例に説明する。
【0019】
図1は、本発明の薄膜コンデンサからなる薄膜電子部品を示すもので、この薄膜コンデンサは、支持基板1上に、誘電体層3と下側電極層2、上側電極層4を有する薄膜素子Aが複数設けられて構成されている。電極層2、4はAuから構成され、誘電体層3は電極層2、4により挟持されて容量素子(薄膜素子)Aが構成されている。
【0020】
また、薄膜素子Aは有機樹脂層6、無機化合物層7、金属層8とから成る耐湿性保護膜5で被覆されている。この耐湿性保護膜5を構成する有機樹脂層6、無機化合物層7には、底面に下側電極層2または上側電極層4が露出する貫通孔9が形成されている。また、耐湿性保護膜5を構成する金属層8は、貫通孔9、具体的には、少なくとも貫通孔9の底面、端面(耐湿性保護膜5の有機樹脂層6、無機化合物層7の厚み部分)及び貫通孔9の周囲(無機化合層7に現れる貫通孔9の開口周囲)を一連で被覆するように形成されている。従って、金属層8は、下側電極層2(それと導通する外部端子)と上側電極層4(それと導通する外部端子)とが短絡しないようにして、無機化合物層7上に被覆してもよい。
【0021】
この貫通孔9内には、半田バンプからなる外部端子10a、10bが突出して形成されている。
【0022】
薄膜コンデンサの電子部品素体である誘電体層3は、高周波領域において高い比誘電率を有するペロブスカイト型酸化物結晶からなる誘電体でよく、例えばPb(Mg,Nb)O3系、Pb(Mg,Nb)O3−PbTiO3系、Pb(Zr,Ti)O3系、Pb(Mg,Nb)O3−Pb(Zr,Ti)O3系、(Pb,La)ZrTiO3系、BaTiO3系、(Sr,Ba)TiO3系、あるいはこれに他の添加物を添加したり、置換した化合物であってもよく、特に限定されるものではない。
【0023】
また、誘電体層3の膜厚は、高容量と絶縁性を確保するため0.3〜1.0μmが望ましい。これは0.3μmよりも薄い場合には被覆性が低下し、絶縁性が低下する場合があり、1.0μmよりも厚い場合には容量が小さくなる傾向があるからである。誘電体層3の膜厚は0.4〜0.8μmが望ましい。
【0024】
Auからなる電極層2、4の膜厚は、高周波領域でのインピーダンスと膜の被覆性を考慮すると0.3〜0.5μmが望ましい。電極層2、4の膜厚が0.3μmよりも薄い場合には、一部に被覆されない部分が発生する虞があるからであり、また0.5μmよりも厚い場合は、高周波領域における導体の表皮効果を考慮すると導体層の抵抗は殆ど変化しないからである。
【0025】
支持基板1としては、アルミナ、サファイア、窒化アルミ、MgO単結晶、SrTiO3単結晶、表面酸化シリコン、ガラス、石英等から選択されるもので特に限定されない。
【0026】
耐湿性保護膜5を構成する有機樹脂層6は、その上側に形成する無機化合物層7を安定的に薄膜素子A上に形成する、即ち、表面を平滑にするために形成されている。具体的には、ポリイミド、もしくはベンゾシクロブテン(以下BCB)より選ばれる。その厚みは上側電極層4の段差を平滑化できれば特に限定されないが、3μm以下の膜厚があることが望ましい。膜厚が3μmより大きい場合は、樹脂層の熱膨張により、その下層に形成される薄膜素子Aとの間で浮きが発生し、剥離が生じてしまう。
【0027】
前記耐湿性保護膜5の無機化合物層7は、水分が容量形成部に浸入しない水分遮断膜の目的で形成され、酸化ケイ素(以下SiO2)もしくは窒化ケイ素(以下SiNx)より選ばれる。その膜厚は0.1μmから0.5μmが望ましい。0.1μmよりも薄い場合は、下地となる有機樹脂層6を完全に被覆できない恐れがあり、耐湿特性を劣化させてしまう。また、0.5μmより厚い場合は、有機樹脂層6との熱膨張係数差により、無機化合物層7自身のクラックが生じやすくなり、耐湿特性を劣化させてしまう。
【0028】
耐湿性保護膜5を構成する金属層8は、貫通孔9の界面や端面などから水分が浸入することを抑制するシール金属として形成される。具体的には、Ti,Cr,Ni,Auから選ばれる少なくとも2種以上の金属より選択される。金属層8の厚みは無機化合物層7を完全に被覆できれば特に限定されないが、少なくとも0.2μm以上の厚みが望ましい。また、この層は各外部端子10a、10bを電気的に独立させるため貫通孔9及び貫通孔9の開口周囲である端子部のみを被覆するようにパターン加工することが望ましい。これにより、下側電極層2に導通する外部端子10aと上側電極層4に導通する外部端子10bとの短絡も完全に防止できる。
【0029】
また、上記例では、本発明を薄膜コンデンサに適用した例について説明したが、本発明では上記例に限定されるものではなく、例えば、このような薄膜素体として抵抗体層を用いても構わない。この場合、電極層の構造は、積層関係ではなく、同一平面関係となり、例えば、所定パターンの抵抗体層の両端と接続するように形成される。また、抵抗体層の材料と所定パターンによって、インダクタンス成分をもたることもできる。即ち、薄膜抵抗部品とは、薄膜インダク部品をも包含する。また、これらの薄膜コンデンサに、上述のインダクタ成分を付加して共振部品やフィルタ部品などに用いられる薄膜LC部品、薄膜RC部品としてもよい。
【0030】
また、上記例では、一層の誘電体層を電極層で挟持した単板型を示したが、複数の誘電体層と電極層とを交互に積層した積層型の薄膜コンデンサであっても良い。
【0031】
さらに、本発明の薄膜電子部品では、半田バンプからなる外部端子10a、10bを有機樹脂層6、無機化合物層7に貫通孔9に設けた例について説明したが、本発明は上記例に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更できる。
【0032】
例えば、半田バンプを形成しない場合には、図に示すように、耐湿性保護膜5の金属層8がそのまま外部端子となる。尚、図は、半田バンプからなる外部端子を設けない以外は、図と同一であるため同一符号を付した。
【0033】
また、上記例では、金属層8が湿性保護膜5の最上層に形成した場合の構造を示したが、図、図に示したようなこの金属層8上に耐磨耗用保護膜11,20をさらに形成した場合も、同様の耐湿性効果が得られる。尚、図3及び図4は耐磨耗性保護膜11,20以外は図2と同様である為同一符号とした。
【0034】
この場合には、母基板に実装する段階で導電性部材により、母基板の表面電極層と少なくとも貫通孔9の底面に露出する金属層8に接続される。導電性部材としては、形状的には、バンプ状、箔状、板状、ワイヤ、ペースト状等があり、特に限定されるものではなく、複数の形状を組合せても良い。また、材質は、Pb、Sn、Au、Cu、Pt、Pd、Ag、Al、Ni、Bi、In、Sb、Znなどがあり、導電性のものであれば良く、複数の材料を組合せても良い。導電性樹脂であっても良い。
【0035】
【実施例】
本発明者は薄膜コンデンサとして、電極層2、4ならびに耐湿性保護膜5の形成を高周波マグネトロンスパッタ法にて、誘電体層3をゾルゲル法にて作製した。
【0036】
先ず、アルミナからなる支持基板1上にTiからなる3nmの密着層を形成し、この密着層の上面に、0.2μmのAu層を形成し、密着層とAu層からなる下側電極層となる導体膜とした。
【0037】
そして、この導体膜をフォトリソグラフィ技術を用いて下側電極層2をパターン加工した。加工された下側電極層2に、ゾルゲル法にて合成したPb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−PbZrO3塗布溶液をスピンコート法を用いて塗布し、乾燥させた後、380℃で熱処理、800℃で焼成を行い、膜厚0.7μmのPb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−PbZrO3からなる誘電体層3を形成した。その後フォトリソグラフィ技術を用いて、下側電極層2の一部が露出するように、誘電体層3を加工し、第1貫通孔9、第2貫通孔9を形成した。
【0038】
次に、誘電体層3の表面、第1貫通孔9および第2貫通孔9の内面に、膜厚30nmのTiからなる密着層と膜厚0.3μmのAu層並びに半田バリア層として0.2μmのTi層、1.0μmのNi層を形成して上側電極層4となる導体膜とした。そして、この導体膜をフォトリソグラフィ技術を用いて、Ni層、Ti層及びAu層とTi層を除去し、上側電極層4とした。
【0039】
この後、光感光性BCBを全面に塗布し、露光、現像を行い、上側電極層4のAu層の一部が露出するように、直径約120μm、深さ3μmの貫通孔9を有する有機樹脂層6を形成した。
【0040】
この後、RFスパッタを用いて、膜厚0.3μmのSiO2膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、直径100μmの貫通孔9を有する無機化合物層7を形成した。
【0041】
そして、金属層8は、有機樹脂層6、無機化合物層7上および貫通孔9内に、膜厚0.2μmのTi層、膜厚1.0μmのNi層、及び膜厚0.1μmの半田密着層Auをスパッタ法で形成した後、貫通孔9の底面及び端面(内壁面)、および無機化合物層7の貫通孔9開口周囲が残留するように、貫通孔9を中心に直径120μmの形状にフォトリソグラフィを用いて加工して形成した。
【0042】
最後に、スクリーン印刷を用いて半田密着層上にSnとAgからなるPbフリー半田ペーストを転写し、リフローを行い、半田バンプからなる外部端子を形成し、図1に示したような薄膜コンデンサを得た。
【0043】
得られた薄膜コンデンサの有効電極層面積は、例えば1.4mm2であり、周波数1MHzでの静電容量は約40nFであった。
【0044】
比較例として、無機化合物層7、金属層8を形成せず作製した薄膜コンデンサを作製した(試料番号17)。
【0046】
耐湿性評価の加速試験として、温度120℃、湿度85%、1.7気圧、電圧1.8Vのプレッシャークッカー試験(以下PCBT)48時間後の絶縁抵抗100MΩ以上を判定基準とした。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004009078
【0048】
表1に示したように、耐湿性保護膜を形成しない試料を除いては、加速条件の耐湿特性を満足していることがわかる。
【0049】
【発明の効果】
以上の詳述したように、本発明によれば、支持基板上に、電極層および誘電体層を有する薄膜素子を設けるとともに、該薄膜素子を耐湿性保護膜で被覆してなり、該耐湿性保護膜に、前記電極層と電気的に接続する外部電極層が設けられる貫通孔を形成してなる薄膜電子部品において、前記耐湿性保護膜が有機樹脂層、無機化合物層、金属層を順次積層した積層構造で構成することにより、貫通孔部の水分浸入に対するシール性が向上し、耐湿試験下においても水分の浸入を抑制でき、薄膜電子部品の絶縁劣化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜電子部品の断面図である。
【図2】本発明の他の薄膜電子部品を示す断面図である。
【図3】本発明の別の薄膜電子部品の断面図である。
【図4】本発明のさらに別の薄膜電子部品の断面図である。
【図5】薄膜電子部品の外観斜視図である。
【図6】従来の薄膜電子部品の断面図である。
【符号の説明】
1・・・支持基板
3・・・誘電体層
2、4・・電極層
5・・・耐湿性保護膜
6・・・有機樹脂層
7・・・無機化合物層
8・・・金属層
9・・・貫通孔
20・・・耐磨耗性保護膜

Claims (7)

  1. 支持基板上に、電極層および薄膜部品素体からなる薄膜素子を形成し、該薄膜素子を耐湿性保護膜で被覆する薄膜電子部品において、
    前記耐湿性保護膜は、前記薄膜素子側より有機樹脂層、無機化合物層、金属層が順次積層した積層構造であり、
    前記有機樹脂層は、前記薄膜部品素体の非形成領域において前記電極層を露出させるとともに該電極層に接続させる外部端子を設けるための貫通孔を有し、
    前記無機化合物層は、前記貫通孔の底面を露出させた状態で、前記貫通孔の内壁を覆うとともに前記有機樹脂層の全面を覆って、
    前記金属層は、前記貫通孔に露出する前記電極層、前記無機化合物層に覆われた前記貫通孔の内壁及び前記無機化合物層の上面における前記貫通孔の周囲を一連に覆うことを特徴とする薄膜電子部品。
  2. 前記薄膜部品素体が薄膜誘電体層であることを特徴とする請求項1記載の薄膜電子部品。
  3. 前記薄膜部品素体が薄膜抵抗体層であることを特徴とする請求項1記載の薄膜電子部品。
  4. 前記耐湿性保護膜を構成する金属層は、前記貫通孔の内部及び該貫通孔の開口周囲に独立して形成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜電子部品。
  5. 前記耐湿性保護膜を構成する有機樹脂層がポリイミド、ベンゾシクロブテンから選ばれる少なくとも1種以上の材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜電子部品。
  6. 前記耐湿性保護膜を構成する無機化合物層がSiO、SiNx、から選ばれる少なくとも1種以上の材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜電子部品。
  7. 前記耐湿性保護膜を構成する金属層がTi、Cr、Ni、Auから選ばれる少なくとも2種以上の材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜電子部品。
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