JP4008850B2 - 支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ装置などを床面などから浮かして支持し、かつ向きを変更可能にする支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、オーディオ再生では、広い周波数帯域で高音質の音響再生が可能なスピーカ装置が要望されている。低音用には、大口径のスピーカを、大容積のスピーカボックスに装着し、高音用には小口径のスピーカを低音用とは別に設けることが多い。本件出願人は、比較的小容積のスピーカボックスを前半と後半とに分割可能とし、前半部分に開口部を設けて、比較的小口径でフルレンジのスピーカユニットの音響放射部を緩衝材を介して接続し、スピーカユニットをスピーカボックス内部で支持するスピーカシステムを開示している(たとえば、特許文献1参照)。スピーカユニットは、スピーカボックスの前半と後半との接続部からスピーカボックス内部に先端が挿入されるスタンドで直接支持され、スピーカユニットの駆動部などに生じる振動が、スピーカボックスには伝わりにくくされている。
【0003】
特許文献1で開示しているようなスピーカシステムでは、スピーカボックスの外部のスタンドの先端をスピーカボックス内部まで挿入し、スピーカユニットを支持している。スタンドをスピーカボックス内部に挿入する部分では、緩衝材などを用いて、スピーカボックス内部の音響出力が外部に漏れないようにしているので、スタンドに対してスピーカボックスの首振りなどを行わせることができない。高音側を再生するときには、スピーカから放射される音響出力の指向性が強い。スピーカシステムを左右など空間的に離れた位置に置いて、ステレオ再生を行うようなときには、スピーカシステムを聴取者の位置に向けることが好ましい。
【0004】
図10は、首振りを可能にする支持構造50を概略的に示す。支持対象物51に球体52を装着し、その一部から径方向の外方に延びる軸53が貫通する溝を有する外殻部材54で球体52を覆い、ボルト55で固定する。ボルト55を少し緩めた状態で、支持構造50では、軸53まわりの角変位と、溝に沿っての軸53の揺動変位とが可能となる。軸53が所望の向きになると、ボルト55を締めて、軸53の向きを固定することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−285974号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図10に示すような支持構造50をスピーカシステムに使用すると、球体52の半分程度を支持対象物51となるスピーカボックス側で収納する必要がある。スピーカシステムは比較的小型でも重量があるので、球体52の径はある程度大きくしなければならない。球体52が大きくなると、その半分を収納するために、スピーカボックスの容積が減少してしまう。
【0007】
図11は、スピーカボックスの容積の減少を避けるために、球体52の大部分を支持対象物51の外部に出す状態を示す。しかしながら、球体52と支持対象物51との接触面積が減り、不安定になりやすい。また、球体52の大部分が指示対象物51の外部に出るので、支持構造の高さhが大きくなってしまう。
【0008】
本発明の目的は、比較的重いスピーカ装置などの支持対象物を、首振り可能に支持して、小型化することも可能な支持装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持対象物を首振り可能に枢支する支持装置であって、
支持対象物の枢支部分に、部分的な球面が突出するように設けられる凸球面部材と、
径方向の内方に凸球面部材の球面に部分的に嵌合する凹球面が形成され、径方向の外方に凸球面が形成され、凹球面が凸球面部材の球面に沿って摺動変位可能な摺動部材と、
摺動部材を介して球面部材の球面を覆う外殻となり、摺動部材が凸球面部材の球面に沿って摺動するように案内し、摺動部材の凸球面を外部に連結可能な欠如部が設けられ、凸球面部材の凸面の周囲で、支持対象物に締結され、所定の締結力で摺動部材と凸球面部材との嵌合位置を固定可能な外殻部材と、
外殻部材の欠如部を介して摺動部材と連結し、摺動部材および凸球面部材を介して支持対象物を支持する支持部材とを含むことを特徴とする支持装置である。
【0010】
本発明に従えば、支持対象物を首振り可能に枢支する支持装置は、凸球面部材と、摺動部材と、外殻部材と、支持部材とを含む。凸球面部材は、支持対象物の枢支部分に、部分的な球面が突出するように設けられ、その球面に沿って、摺動部材が摺動変位可能である。摺動部材は、径方向の内方に凸球面部材の球面に部分的に嵌合する凹球面が形成され、径方向の外方に凸球面が形成される。外殻部材は、摺動部材を介して球面部材の球面を覆う外殻となり、摺動部材が凸球面部材の球面に沿って摺動するように案内し、摺動部材の凸球面を外部に連結可能な欠如部が設けられる。支持部材は、外殻部材の欠如部を介して摺動部材と連結し、摺動部材および凸球面部材を介して支持対象物を支持する。外殻部材には欠如部が設けられているので、欠如部を介して支持部材と連結する摺動部材が凸球面部材の球面に沿って摺動変位すると、支持部材と支持対象物とのなす角度を変化させる揺動変位が可能となる。支持部材と摺動部材とを連結する部分では、軸線まわりの角変位も可能であり、揺動変位と角変位とで、支持部材に対する支持対象物の首振りを可能とする枢支構造を実現することができる。支持対象物には、部分的な球面が突出する凸球面部材を設ければよいので、支持対象物の容積を減少させることはなく、また外部への突出量も小さくして、枢支に要する形状の小型化を図ることができる。
【0011】
また本発明で、前記支持部材は、
前記摺動部材と連結する連結部と、
連結部から予め定める軸線方向に沿って離れるに従い、該軸線から径方向に離れるように傾斜する複数の脚部とを有し、
各脚部の先端は、該軸線に垂直な平面に同時に載置可能な底部と、
該底部付近で、該軸線に平行となる方向に設けられる貫通孔とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、支持部材は、複数の脚部の底部を床面に載置すれば、軸線が床面と垂直となり、連結部で支持対象物を床面から浮かして支持することができる。脚部の底部付近には、軸線に平行となる方向に貫通孔が設けられているので、貫通孔にボルトなどを挿通させて、脚部を固定することもできる。さらに、貫通孔を利用して脚部を固定することができるので、天井や側壁などに脚部の底部を固定して、支持対象物を支持することもできる。
【0013】
また本発明で、前記凸球面部材は、前記支持対象物の少なくとも一部と一体的に形成されることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、凸球面部材を支持対象物の少なくとも一部と一体的に形成するので、部品点数を減少させ、枢支部分の組立てを容易にすることができる。
【0015】
また本発明で、前記外殻部材の欠如部は、前記凸球面部材の球面に沿って延びる形状を有し、
該凸球面部材は、該欠如部から離れる位置に、該欠如部に平行な溝を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、外殻部材の欠如部は、凸球面部材の球面に沿って延びる形状を有するので、摺動部材と支持部材との連結部がこの欠如部に沿って変位すると、支持部材は支持対象物に対して揺動変位することができ、連結部の軸線まわりの角変位も可能になる。凸球面部材は、欠如部に平行な溝が欠如部から離れる位置に有するので、支持部材が支持対象物に対して揺動変位しても、溝が摺動部分の滑らかさを損わないようにすることができる。凸球面部材に溝を設けることによって、凸球面部材を合成樹脂材料の成形や、金属材料の鋳造などで形成する際に、ヒケを防止することができ、摺動面を円滑化することができる。
【0017】
また本発明で、前記支持対象物は、スピーカ装置であることを特徴とする。
本発明に従えば、スピーカ装置の向きを、比較的小型の枢支機構で容易に変えることができ、スピーカボックスの内容積の減少を避けることもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である支持装置を、スピーカ装置1に使用する場合の概略的な側断面構成を示す。スピーカ装置1で電気音響変換を行うスピーカユニット2は、大略的に卵型のスピーカボックス3内に収納される。スピーカボックス3は、接合部3aの前後で、前半部分であるバッフル4と後半部分であるボックス5とに分割可能である。バッフル4には、開口部4aが設けられる。スピーカボックス3内部の空間でスピーカユニット2の駆動部6を支持し、スピーカユニットの音響放射部7をスピーカボックス3のバッフル4の開口部4aにフェルトやゴムなどの緩衝材8を介して接続する。支持装置であるスタンド9は、スピーカボックス3の底部に枢支機構を備え、スピーカボックス3の首振りを可能にする。
【0019】
スピーカボックス3内で、スピーカユニット2の駆動部6の背面側には、錘り10が連結される。錘り10は、仮想的に音響振動に対する接地として作用しうる質量を有する本体部11と、複数の支持部12bとを備える。本体部11の質量は、スピーカユニット2と同程度となり、グランドアンカーとして機能する。支持部12bは、スピーカボックス3のバッフル4とボックス5との接続部3aに向って本体部11から放射状に延びる形状を有する。スピーカボックス3のバッフル4とボックス5との接続部3aでは、錘り10の支持部12を、フェルトなどの緩衝材13で挟み、ボルト14などの固定部材でそれぞれ固定する。スピーカボックス3は、たとえば発泡ポリプロピレン(PP)などの合成樹脂材料を成形して形成する。
【0020】
スピーカボックス3の一方、たとえばバッフル4の底部には、半球状の凸球面15が一体的に形成される。凸球面15の表面に部分的に嵌合する凹球面を有し、凸球面15に摺接して変位可能な摺接部材16を、外殻部材17で凸球面15に押圧させる。摺接部材16は、鉄などの金属材料で形成する。アルミニウム材料などをダイキャストして形成される外殻部材17には、摺接部材16の表面から径方向の外方に延びる連結部16aを通過させる溝17aが欠如部として形成される。連結部16aの先端は、床面などに載置可能なスタンド9に接続される。スタンド9の底部を床面などに載置すれば、外殻部材17によって覆われる凸球面15と摺接部材16との間の摺動変位で、スピーカボックス3の向きを変える首振りを行わせることができ、凸球面15、摺接部材16および外殻部材17で枢支機構18を構成している。枢支機構18では、外殻部材17をボルト18aで締付けることによって、スタンド9に対するスピーカボックス3の首振り角度を固定することができる。
【0021】
本実施形態のスタンド9は、支持対象物であるスピーカ装置1を首振り可能に枢支する支持装置であって、スピーカ装置1の枢支部分であるスピーカボックス3の一部に、部分的な球面が突出するように設けられる凸球面部材としての凸球面15と、摺動部材16と、外殻部材17と、脚部30とを含む。摺動部材16には、径方向の内方に凸球面15に部分的に嵌合する凹球面が形成され、径方向の外方に凸球面が形成され、凹球面が凸球面部材の球面に沿って摺動変位可能である。外殻部材17は、摺動部材16を介して凸球面15を覆う外殻となり、摺動部材16が凸球面15に沿って摺動するように案内し、摺動部材16の凸球面を外部に連結可能な欠如部である溝17aが設けられる。脚部30は、外殻部材17の溝17aを介して摺動部材17と連結し、摺動部材16および凸球面15を介してスピーカ装置1を支持する支持部材である。
【0022】
凸球面15は、支持対象物としてのスピーカ装置1の少なくとも一部であるスピーカボックス3のバッフル4と一体的に形成されている。別部材として凸球面部材を用いることもできるけれども、凸球面15としてスピーカボックス3の少なくとも一部と一体的に形成するので、部品点数を減少させ、枢支機構18の組立てを容易にすることができる。凸球面15は、スピーカボックス3の後半部分であるボックス5側に形成することもできる。バッフル4とボックス5との両方で凸球面15を形成すると、段差が生じて、摺動部材16の円滑な摺動変位を損ねるおそれがあるので、バッフル4あるいはボックス5の一方と一体的に形成するのはスムーズな首振り動作には有利となる。
【0023】
支持部材としての脚部30は、外殻部材17の溝17aを介して摺動部材16と連結し、摺動部材16および凸球面15を介してスピーカ装置1を支持する。外殻部材17には溝17aが設けられているので、溝17aを介して脚部30と連結する摺動部材16が凸球面15に沿って摺動変位すると、脚部30とスピーカ装置1とのなす角度を変化させる揺動変位が可能となる。脚部30と摺動部材16とを連結する連結部16aでは、軸線まわりの角変位も可能であり、揺動変位と角変位とで、スタンド9に対するスピーカ装置1の首振りを可能とする枢支機構18を実現することができる。スピーカ装置1には、部分的な球面が突出する凸球面15を設ければよいので、スピーカボックス3の容積を減少させることはなく、また外部への突出量も小さくして、枢支に要する形状の小型化を図ることができる。脚部30は、スタンド9の軸線9aに垂直な平面に同時に接触可能な底部を有している。
【0024】
スピーカボックス3のバッフル4の開口部4aには、ネット19が着脱可能であり、ネット19を装着すれば、スピーカユニット2の音響放射部7の振動板などを指先で触れることができないように保護することができる。ネット19は、開口部4aの周囲に設ける環状の溝4bに、ゴムリング20とともに挿入して固定され、ゴムリング20を外してネット19も除去することができる。スピーカボックス3の背面側には、穴21が設けられ、スピーカユニット2を電気的に駆動するための端子22が取付けられている。
【0025】
錘り10の支持部12の先端には、ボルト14を挿通させるための貫通孔23が形成される。貫通孔23の内径は、ボルト14のねじ部の外径より大きく、支持部12とボルト14とは直接接触しない。後述するように、複数の支持部12は、形状が異なるように形成されている。錘り10には、取付ける向きを示すTOP表示24が施されている。なお、スピーカボックス3の背面側には、バスレフポート25を設けることもでき、スピーカボックス3をバスレフ型のキャビネットとして動作させることができる。バスレフポート25の周囲は、吸音材26で覆われる場合もある。スピーカボックス3にバスレフポート25を設けないで、密閉型のキャビネットとすることもできる。スピーカボックス3内部にも、吸音材などを入れておくこともできる。
【0026】
図2、図3、図4および図5は、図1のスピーカ装置1を、側面視、正面視、背面視、および平面視してそれぞれ示す。図1は、図3の切断面線I−Iから見た断面図に相当する。スピーカボックス3内に収容するスピーカユニット2の音響放射部7の口径が、たとえば70mm程度である場合を想定する。スピーカボックス3の頂部からスタンド9の底部までの高さHは160mm程度となり、ネット19を含めたスピーカボックス3の奥行Dも160mm程度となり、スピーカボックス3の幅Wは120mm程度となる。錘り10の支持部12の先端を固定するボルト14は、スピーカユニット3のボックス5からバッフル4との接続部分付近まで形成している穴21の奥に挿入し、バッフル4に設ける穴を雌ねじとして利用して締結を行う。スピーカボックス3のボックス5の背面側には、スピーカユニット2に対する電気的な接続を行うための端子22も設けられる。
【0027】
以上のように、スピーカ装置1では、前半と後半とに分割可能なスピーカボックス3内でスピーカユニット2の駆動部6を支持し、スピーカユニット2の音響放射部7をスピーカボックス3の前半部分であるバッフル4の開口部4aに緩衝材8を介して接続する。スピーカユニット2が周囲の空気に音響出力を伝播させる反力で生じるスピーカユニット2自体の振動は、緩衝材8によって減衰され、スピーカボックス3に伝わりにくい。スピーカボックス3の内部で、スピーカユニット2の駆動部6は、錘り10の本体部11に連結される。錘り10の本体部11は、仮想的に音響振動に対する接地として作用しうる大きな質量を有するので、スピーカユニット2の音響放射部7が音響出力を伝播する空気に比較して音響インピーダンスが充分に高くなり、空気への音響出力の放射に伴う反力を受けても、ほとんど振動しない。
【0028】
錘り10の本体部11からは、放射状に延びる形状を有する複数の支持部12がスピーカボックス3のバッフル4と後半部分であるボックス5との接続部3aに向って延び、ボルト14がスピーカボックス3の接続部3aで、錘り10の支持部12をそれぞれ固定するので、スピーカボックス3内部で錘り10を支持することができる。錘り10の本体部11にはスピーカユニット2の駆動部6が連結され、仮想的な接地として作用する錘り10の本体部11によって、スピーカユニット2の駆動部6を、振動が伝わらないようにスピーカボックス3の内部で支持することができる。スピーカボックス3を音響再生を行う部屋の床面や壁面などから離すためにスタンド9などを用いるときであっても、スタンド9をスピーカボックス3内部に挿入してスピーカユニット2を直接支持する必要はなく、スタンド9とスピーカボックス3との間を枢支機構18で枢支して、首振りなどを行わせることもできる。
【0029】
図6は、図1のスピーカ装置1に使用する錘り10を、正面視して示す。錘り10は、たとえば亜鉛を材料とするダイキャスト成形で形成され、大質量を有する本体部11と、複数、たとえば3つの支持部12a,12b,12cとを有する。本体部11は、大略的に円錐台形状であり、底面側の中央に、軸線に沿って突出するボス11aを有する。ボス11aは、図1に示すように、スピーカユニット2の駆動部6に連結される。底面側の外周部からは、径方向の外方に3つの支持部12a,12b,12cがそれぞれ突出し、各支持部12a,12b,12cの中心線10a,10b,10cは、本体部11の底面を周方向に3等分するように配置される。3つの支持部12a,12b,12cは、本体部11の底面から径方向に突出する部分の幅Wa,Wb,Wcがそれぞれ異なるように形成される。
【0030】
支持部12a,12b,12cの先端には、図1に示すように、固定部材であるボルト14を挿通して固定するための貫通孔23が設けられる。貫通孔23およびその周囲の形状は、3つの支持部12a,12b,12cで共通であり、各支持部12a,12b,12cが本体部11の底面から突出する部分の幅Wa,Wb,Wcのみが異なる。貫通孔23の中心は、本体部11の中心から半径で約45mmの円周上に位置する。複数の支持部12a,12b,12cの形状が同一であると、同一の周波数で共振が生じ、余分な共振としてスピーカとしての再生音の音質を損うおそれがある。
【0031】
スピーカ装置1に使用する錘り10では、複数の支持部12a,12b,12cの共振周波数を異ならせるために、形状を異ならせている。錘り10の複数の支持部12a,12b,12cがそれぞれ異なる形状となるので、支持部12a,12b,12cが共振する振動の周波数がずれ、特定の周波数で振動が増大しないようにすることができる。支持部12a,12b,12cの形状の違いに関連する表示として、たとえばスピーカボックス3の頂部付近で固定すべき支持部12aにTOP表示24を備えるので、形状の違いが視認しにくい程度であっても、スピーカボックス3内での錘り10の固定方向を、スピーカ装置1としての組立作業時などに、間違えないようにすることができる。たとえば一対のスピーカ装置を左右に配置して2チャネルステレオ再生を行うような場合に、左右でスピーカ装置内の錘りの向きが異ならないようにすることができる。
【0032】
図6に示すように、錘り10の複数の支持部12a,12b,12cは、本体部11の外周から周方向に等間隔で延出するように形成される。各支持部12a,12b,12cは、スピーカボックス3の接続部分でボルト14によって固定される部分が同一形状であり、本体部11から延出する部分の幅Wa,Wb,Wcがそれぞれ異なる。この幅は、成形寸法のばらつきよりも大きい値、たとえば0.5mmずつ異ならせ、支持部12aの幅Waは7.4mm、支持部12bの幅Wbは6.9mm、支持部12cの幅Wcは6.4mmとすることができる。異なる程度は、数%〜10数%とする。支持部12a,12b,12cとしては、重い本体部11を支える強度が必要であり、強度が不足するほど細くすることはできない。また、太くすれば、スピーカボックス3内の空間の体積が減るので、太くしすぎるのも好ましくない。錘り10の本体部11から複数の支持部12a,12b,12cを、周方向には等間隔でほぼ同一形状で延出させ、本体部11から延出する部分の形状を異ならせて、共振周波数をずらすことができる。支持部12a,12b,12cの先端でスピーカボックス3の前半部分であるバッフル4と後半部分であるボックス5との接続部で、ボルト14によって固定する部分は、同一形状とすることができるので、ボルト14には同一規格のものを使用することができる。
【0033】
図7は、スタンド9を平面視した構成を示す。スタンド3の脚部30は、安定するように、3つの脚31,32,33を有する。各脚31,32,33は、先端の底部34,35,36が二等辺三角形を形成するように配置される。すなわち2つの脚31,32は同一の長さを有し、他の脚33は長さが短い。これはデザイン上の配慮であり、摺動部材16の連結部16aでは軸線まわりの角変位が可能なので、底部34,35,36で形成する二等辺三角形の向きはどのように向けることも可能である。底部34,35,36が正三角形を形成するように、3つの脚31,32,33を同一長さとすることもできる。また、脚31,32,33の長さを全て異ならせることも可能である。底部34,35,36の付近には、貫通孔37,38,39がそれぞれ設けられている。
【0034】
図8は、脚31,32,33に設けられる貫通孔37,38,39を使用して、スタンド9を天井に取付けている状態を示す。貫通孔37,38,39にボルト40などを挿通させれば、天井や側壁などに容易にスタンド9を固定することができる。スタンド9を床面に固定することもできる。ただし、スタンド9を、亜鉛ダイキャストなどで形成すれば、自重があり、スピーカ装置1の重量が大きいので、床面に載置するだけでもスピーカ装置1の使用には差支えはない。天井や側壁への固定は、ボルト40などを使用して、確実に行う必要がある。
【0035】
スタンド9は、摺動部材16と連結する連結部41と、連結部41から予め定める軸線9a方向に沿って離れるに従い、軸線9aから径方向に離れるように傾斜する複数の脚31,32,33を有する脚部30とを含む。各脚31,32,33の先端は、軸線9aに垂直な平面に同時に載置可能な底部34,35,36と、底部34,35,36付近で、軸線9aに平行となる方向に設けられる貫通孔37,38,39とを有する。スタンド9の脚部30は、複数の脚31,32,33の底部34,35,36を床面に載置すれば、軸線9aが床面と垂直となり、連結部41でスピーカ装置1などの支持対象物を床面から浮かして支持することができる。脚部30の底部34,35,36付近には、軸線9aに平行となる方向に貫通孔37,38,39が設けられているので、貫通孔37,38,39にボルト40などを挿通させて、脚部30を固定することもできる。さらに、貫通孔37,38,39を利用して脚部30を固定することができるので、天井や側壁などに固定して、支持対象物を支持することもできる。
【0036】
図9は、本実施形態の枢支機構18の断面構成を示す。前述のように、凸球面15は、バッフル4と一体的に成形するので、外殻部材17の溝17aと平行な溝15a,15bを、溝17aの位置から離れた位置に形成しておく。外殻部材17の溝17aは、凸球面15に沿って延びる形状を有するので、摺動部材17とスタンド9の連結部16aがこの溝17aに沿って変位すると、スタンド9は支持対象物に対して揺動変位することができ、連結部16aの軸線まわりの角変位も可能になる。凸球面15は、溝17aに平行な溝15a,15bを溝17aから離れる位置に有するので、スタンド9が支持対象物に対して揺動変位しても、溝15a,15bが摺動部分の滑らかさを損わないようにすることができる。凸球面15に溝15a,15bを設けることによって、凸球面15を合成樹脂材料の成形や、金属材料の鋳造などで形成する際に、ヒケを防止することができ、摺動面を円滑化することができる。
【0037】
また本実施形態では、支持対象物として、スピーカ装置1を用いる場合を説明しているけれども、スピーカ装置1に限らずに本発明を適用することができる。たとえば、照明装置、空調装置、映像装置などの各種機器の支持や、単なるテーブルの支持などにも本発明を同様に適用することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、支持対象物の枢支部分に、部分的な球面が突出するように設けられる凸球面部材の球面に沿って、摺動部材を摺動変位させ、外殻部材の欠如部を介して摺動部材と連結する支持部材に、揺動変位と角変位とを可能にして、支持部材に対する支持対象物の首振りを行わせることができる。支持対象物には、部分的な球面が突出する凸球面部材を設ければよいので、支持対象物の容積を減少させることはなく、また外部への突出量も小さくして、枢支に要する形状の小型化を図ることができる。
【0039】
また本発明によれば、支持部材の脚部の底部付近に設けられる貫通孔を利用して脚部を固定することができるので、天井や側壁などに脚部の底部を固定して、支持対象物を支持することもできる。
【0040】
また本発明によれば、凸球面部材を支持対象物の少なくとも一部と一体的に形成するので、部品点数を減少させ、枢支部分の組立てを容易にすることができる。
【0041】
また本発明によれば、凸球面部材に溝を設けることによって、凸球面部材を合成樹脂材料の成形や、金属材料の鋳造などで形成する際に、ヒケを防止することができ、摺動面を円滑化することができる。
【0042】
また本発明によれば、スピーカ装置の向きを、比較的小型の枢支機構で容易に変えることができ、スピーカボックスの内容積の減少を避けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるスピーカ装置1の概略的な構成を示す側面断面図である。
【図2】図1のスピーカ装置1の側面図である。
【図3】図1のスピーカ装置1の正面図である。
【図4】図1のスピーカ装置1の背面図である。
【図5】図1のスピーカ装置1の平面図である。
【図6】図1の錘り10の正面図である。
【図7】図1のスタンド9の平面図である。
【図8】図1のスピーカ装置1を天井に取付ける状態を示す側面図である。
【図9】図1の枢支機構18の正面断面図である。
【図10】従来からの首振り可能な支持装置の部分的な断面図である。
【図11】従来からの首振り可能な支持装置の部分的な断面図である。
【符号の説明】
1 スピーカ装置
2 スピーカユニット
3 スピーカボックス
3a 接続部
4 バッフル
5 ボックス
6 駆動部
7 音響放射部
8,13 緩衝材
9 スタンド
9a 軸線
10 錘り
11 本体部
12,12a,12b,12c 支持部
14 ボルト
16a,41 連結部
18 枢支機構
14,18a,40 ボルト
30 脚部
31,32,33 脚
34,35,36 底部
37,38,39 貫通孔

Claims (5)

  1. 支持対象物を首振り可能に枢支する支持装置であって、
    支持対象物の枢支部分に、部分的な球面が突出するように設けられる凸球面部材と、
    径方向の内方に凸球面部材の球面に部分的に嵌合する凹球面が形成され、径方向の外方に凸球面が形成され、凹球面が凸球面部材の球面に沿って摺動変位可能な摺動部材と、
    摺動部材を介して球面部材の球面を覆う外殻となり、摺動部材が凸球面部材の球面に沿って摺動するように案内し、摺動部材の凸球面を外部に連結可能な欠如部が設けられ、凸球面部材の凸面の周囲で、支持対象物に締結され、所定の締結力で摺動部材と凸球面部材との嵌合位置を固定可能な外殻部材と、
    外殻部材の欠如部を介して摺動部材と連結し、摺動部材および凸球面部材を介して支持対象物を支持する支持部材とを含むことを特徴とする支持装置。
  2. 前記支持部材は、
    前記摺動部材と連結する連結部と、
    連結部から予め定める軸線方向に沿って離れるに従い、該軸線から径方向に離れるように傾斜する複数の脚部とを有し、
    各脚部の先端は、該軸線に垂直な平面に同時に載置可能な底部と、
    該底部付近で、該軸線に平行となる方向に設けられる貫通孔とを有することを特徴とする請求項1記載の支持装置。
  3. 前記凸球面部材は、前記支持対象物の少なくとも一部と一体的に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の支持装置。
  4. 前記外殻部材の欠如部は、前記凸球面部材の球面に沿って延びる形状を有し、
    該凸球面部材は、該欠如部から離れる位置に、該欠如部に平行な溝を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の支持装置。
  5. 前記支持対象物は、スピーカ装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の支持装置。
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