JP2011188177A - イヤホン - Google Patents

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【課題】複雑な構成とすることなく低音周波数特性においても良好な効果が得られ、かつ、ノイズキャンセル用マイクロホンを用いた場合のノイズキャンセル精度を高めることができるイヤホンを提供する。
【解決手段】
ドライバユニット8を収容するハウジング2と、ハウジング2におけるドライバユニット8の背面側空間20に連通する筐体部4とを備え、筐体4の内部は、複数の空間4C,4Dに隔絶され、複数の空間は、少なくともドライバユニット背面側空間20に連通してドライバユニット背面側空間20の容積を大きくすることができる中空の第1の空間4Cと、外部ノイズを検知可能なマイクロホン10が収容された第2の空間4Dからなり、第1の空間4Cと第2の空間4Dは隔壁91によって音響的に隔絶されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、音響機器として使用されるイヤホンに関するもので、特にカナル型イヤホンの音響特性改善構造及び例えばノイズキャンセルイヤホンを構成するためのマイクロホンを収納するのに適した構造に関する。
従来、音響機器として使用されるイヤホンにおいて、音響特性の改善の方法、特に、ドライバユニット側の振動板が振動した際に発生する背圧によってその振動が妨げられてしまうのを防止する方法として、上記イヤホンのハウジングの一部に孔を設け、さらにこの孔に音響抵抗材を設けて音響特性を調整するものがあった。例えば、従来の上記イヤホンは、一般的に図3に示すように構成されている。
図3において、ハウジング102は、椀状の形状をしており、この内部にドライバユニット103が備えられ、前面に放音をするための開口部110が形成されている。ドライバユニット103は、一般的にヨーク104を有し、その内部に円状のマグネット105を介して円盤状のポールピース106が装着されている。
ポールピース106との対向面側に振動板107が取り付けられ、振動板107にはボイスコイル108が装着されている。ボイスコイル108は、ヨーク104とポールピース106の間に形成されている磁気ギャップ内に位置している。ハウジング102の背面には、孔109が設けられ、孔109のハウジング102内面側には音響抵抗材111が設けられている。
また、低域限界周波数を拡張するための手段として、図4に示すように、低音補償用パイプ112を付加したイヤホンが知られている。その基本構成は、図3に示す例と同様であり、所定長及び所定径を有した低音補償用パイプ112を、ドライバユニット103を有したハウジング102の内部空間と連通させてハウジング102と一体に設けたものである。このようにすることで、低音補償用パイプ112の空間の作用によって、上記振動板における低域限界周波数を拡張することができる。
しかしながら、このような構成では、振動板の厚みや、上記低音補償用パイプの形状、内部容積が制限され、音響特性の改善には限界があった。
そこで、図5に示すようなイヤホンが特許文献1によって提案されている。図5に示すイヤホンは、第1のハウジング201と、第2のハウジング202が連結路203を介して連通した構成を用いている。第1のハウジング201には、図3、図4に記載したものと同様のドライバユニット103が設けられている。第2のハウジング202は中空になっていて、図4に示す例における低音補償用パイプ112の空間と同様の機能を担っている。さらに上記第2のハウジング202の内部空間に低音補償手段として機能する低音補償用振動板204が配置されている。このように構成することにより、中高音域の特性に影響を及ぼすことなく低域特性を改善することを目論んでいる。
ところで、イヤホンやヘッドホンには、イヤホンやヘッドホン内に侵入する外部からのノイズすなわち環境騒音を打ち消し、音楽の再生などの邪魔にならないようにしたノイズキャンセルタイプがある。これは、外来ノイズをマイクロホンによって検出し、この検出信号の逆位相のノイズキャンセル信号を生成してこれをドライバユニットに供給し、ノイズをキャンセルするようにしたものである(例えば、特許文献2参照)。
特許2643956号公報 特開平08−275281号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている図5に示すようなイヤホンによれば、低音保障に用いられる第2のハウジング202内には、低音限界周波数を下げるに足る慣性質量を持つ低音保障用振動板を特別に設けることが必要となる。このような低音保障用振動板は、自身の慣性質量が低音域の聴取範囲に影響するが、質量による感度変化、つまり再生音の聴取が困難となるという理由によりむやみに大きくすることができない。したがって、低音の再生域に限界があるだけでなく、低音域の再生を良好なものとするための特別な構成を要することから構成が複雑化する。
また、低音保障用振動板204は、第1のハウジング201側のドライバユニット103から伝搬する音波を確実に受け止めて、いわゆる、堰き止めることにより自身が振動することにより、ドライバユニットの振動板の最低共振周波数よりも低い周波数の音を得るようになっていることから、質量もそれなりに大きくする必要がある。このため、支持構造も強固にする必要があり、大型化する難点がある。
振動板103は一般的にポリエチレンテレフタレートなどからなる有機系の薄膜であって、低音保障用振動板204は金属となっていることから、両者の質量の違いが大きい。したがって、低音保障用振動板204は、実際に振動する時に、振動板103の背圧を受けるため、設計において計算通りに低音保障用振動板204を振動させるのは極めて困難である。実際には、低音保障用振動板204は、単なる音響抵抗になると窺える。さらに振動板103と、低音保障用振動板204を共存させて音響特性を調整するのも困難である。
図5に示すような特許文献1記載のイヤホンは、ドロンコーン型スピーカの技術思想を採り入れたものと思われる。ドロンコーン型スピーカは、スピーカユニットを取り付けたエンクロージャに、上記スピーカユニットの振動板とほぼ同じ径の振動板を有し、磁気回路やボイスコイルを持たないいわばダミーのユニットを取り付けたものである。ダミーのユニットの振動板は、スピーカユニットの振動板が振動することによって生じる背圧を受けて振動し、この振動によって生じる音波が放射されることにより、低音域の音圧レベルが高まるという効果を狙ったものである。ドロンコーン型スピーカは、スピーカユニットからの音波とともにダミーのユニットから音波が外部に放射され、この音波がユーザーの耳に届いて初めて効果があるものであって、イヤホンにおいて、図5に示すようなダミーの振動板を設けても、ダミーの振動板からの音波はユーザーの耳には入らず、ドロンコーン型スピーカのような効果は期待できない。
一方、ノイズキャンセルのためにマイクロホンを設ける場合には、ドライバユニットを収容しているハウジングの一部にマイクロホンを取り付けることになる。しかし、ハウジングにマイクロホンを取り付けると、ドライバユニットに近接した位置にマイクロホンが取り付けられることになり、ドライバユニットが駆動されるとその振動板の振動がマイクロホンに伝わりやすく、マイクロホンがハウリングを起こすことがあり得る。ハウリングを起こさないまでも、ドライバユニットの振動板の振動がマイクロホンに伝わると、精度のよいノイズキャンセルができない、あるいは楽音信号の一部がキャンセルされる、といった不具合を生じる要因になる。
本発明は、以上説明した従来のイヤホンの技術的課題を解決すること、すなわち、複雑な構成とすることなく低音周波数特性においても良好な効果が得られる構成、さらには、ノイズキャンセル用マイクロホンがドライバユニットの動作によってハウリングを起こしにくく、精度の良いノイズキャンセルを可能にしたイヤホンを提供することを目的としている。
本発明にかかるイヤホンは、ドライバユニットを収容するハウジングと、上記ハウジングにおけるドライバユニットの背面側空間に連通する筐体部と、を備え、上記筐体部の内部は複数の空間に隔絶され、上記複数の空間は、少なくともドライバユニット背面側空間に連通して上記ドライバユニット背面側空間の容積を大きくすることができる中空の第1の空間と、外部ノイズを検知するマイクロホンが収容された第2の空間からなり、上記第1の空間と第2の空間は隔壁によって音響的に隔絶されていることを最も主要な特徴とする。
本発明にかかるイヤホンよれば、ハウジング側のドライバユニット背面側空間に連結された筐体部を備えることでドライバユニット背面側空間の容積が第1の空間によって拡大されると共に、筐体部内部が隔壁により上記第1の空間と外部ノイズ検知用マイクロホンを収容する第2の空間という異質機能の空間に隔絶されている。
これにより、特別な慣性質量部材などを用いることなく低音域のレスポンスが改善されて音のこもりなどを生じることなく低音域の充実した再生音を得ることができる。また、低音域のレスポンス改善のために設けた筐体部を利用してノイズ検知用マイクロホンを設けるとともに、このマイクロホンを収容する第2の空間を、上記第1の空間から隔壁によって隔絶しているため、上記マイクロホンはドライバユニットの振動によるハウリングを起こすことがなく、精度の良いノイズキャンセルを行うことができる。
本発明にかかるイヤホンの実施例を示す外観斜視図である。 図1中の線(2)−(2)に沿う断面図である。 従来のイヤホンの例を示す縦断面図である。 従来のイヤホンの他の例を示す縦断面図である。 従来のイヤホンのさらに他の例を示す縦断面図である。
以下、本発明にかかるイヤホンの実施例について図面を参照しながら説明する。
図1において、イヤホン1は、主要な構成部分として、ハウジング2、筐体部4、ハウジング2に連通している放音管3およびイヤーピース5を備えている。なお、図1中、符号6は、リード線7の引き出し部を示している。
ハウジング2は、図2に示すように、割型で構成された椀状の周壁部2A、2Bの対向縁を嵌め込むことで内部に空間が構成された中空状部材であり、内部の空間内には、図2に示すように、ドライバユニット8が収納されている。周壁部2Aはハウジング2の前半部を構成し、周壁部2Bはハウジング2の後半部を構成している。放音管3は、ハウジング2から使用者の外耳道(図示されず)に向けて突出した状態で連通する管状部であり、その先端近傍には、図2に示すように、突出方向に沿って複数の環状凸部3Aが形成されており、嵌め込まれたイヤーピース5が抜け落ちないように保持できるようになっている。
イヤーピース5は、内部に放音管3側の環状凸部3Aに嵌合する凹状溝(図示されず)が形成され、この円筒状部材の先端部から折り返された半球状で柔軟な耳穴挿入部からなる。この耳穴挿入部が外耳道内に挿入されると、外耳道内面と密着して、音漏れによる低域再生能力の低下を軽減するようになっている。
筐体部4は、図2に示すように、ハウジング2に対して背負われた格好でハウジング2と一体化された部材であり、ハウジング2内のドライバユニット背面側空間20と連通する空洞を内部に有している。この筐体部4に関する構成については、後で本発明の特徴として詳細を説明する。
筐体部4には、リード引き出し部6の基部が連結されており、リード引き出し部6は、イヤホン1の使用時に使用者の耳介の珠間切痕に嵌るように筐体部4の下部外周から珠間切痕側に向けて棒状に突出して設けられている。リード引き出し部6の内部はリード線7を挿通するための空洞部となっており、空洞部に挿通されたリード線7は外部の音響装置にリード線7が接続されることにより、ドライバユニット8への音声信号を送信できるようになっている。
以上のようなイヤホン1の構成に、次に説明するような本発明の特徴ある構成が付加されている。
本発明の特徴は、筐体部4の構成にある。具体的には、ハウジング2側のドライバユニット8の背面側空間に連通する空間の容積を拡大して、ドライバユニット背面側空間20で生じる振動板の背圧の影響を軽減することと、筐体部4の空間の一部を利用して外部ノイズ検知用のマイクロホン10を収容し、ドライバユニット8の動作によって上記マイクロホン10がハウリングを起こすことを防止したことにある。
図2において、筐体部4は、割型構造になっていて、筒状の本体部分9と、この本体部分9の両側に結合された2つの外郭部4A、4Bとによって構成されている。したがって、本体部分9が外郭部4A、4Bにより挟み込まれた状態で一体化され、内部に空間が形成されている。上記本体部分9は有底円筒状の部材で、その底に該当する部分が隔壁91となっている。隔壁91は、上記本体部分9の、外郭部4Bが結合される側の端部に形成されている。筐体部4の本体部分9は、ハウジング2の背面側の周壁2Bとともに一体に成形されている。上記周壁2Bと上記外郭部4A、4Bの結合部は、気密構造になっている。
一体成形された筐体部4とハウジング2の背面側の外郭部2Bとの間には連通孔9Aが形成されている。この連通孔9Aを介して、ハウジング2のドライバユニット背面側空間20と、筐体部4の本体部分9Aに外郭部4Aが嵌合されることによって形成されている第1の空間4Cが連通している。
筐体部4内の空間は、本体部分9の隔壁91を境にして、上記第1の空間4Cと、外郭部4Bおよび隔壁91で囲まれた第2の空間4Dとが設けられている。換言すれば、筐体部4の内部は隔壁91によって複数の空間に隔絶されている。筐体部4の本体部分9には、外郭部4Aとの嵌合部近傍に、第1の空間4Cを外部に連通させ、ドライバユニット8の振動板の背面側に生じる背圧を外部に開放するための背圧開放孔9Cが形成されている。
一方、第2の空間4Dには、外郭部4Bに形成された外部ノイズ取り込み開口4B1に対向して外部ノイズ検知用マイクロホン10が収容されている。外部ノイズ検知用マイクロホン10は、筐体部4の外部に露出するのではなく、筐体部4の内部に収められた状態とされている。外部ノイズ取り込み開口4B1は、椀状に形成された外郭部4Bの底部中央に設けられていて、マイクロホン10の収音中心軸が上記開口4B1を通るようにマイクロホン10の位置及び姿勢が決められている。図2では、マイクロホン10の収音中心軸が左右方向を向いている。一方、ドライバユニット8の放音中心軸は、マイクロホン10の収音中心軸に対して直交するように、したがって、図2では上下方向を向くようにドライバユニット8の位置及び姿勢が決められている。なお、開口4B1は上述の位置に限らず、外郭部4Bの適宜の位置に設けることができる。
本実施例は以上のような構成であるから、ドライバユニット8を収容しているハウジング2には、ドライバユニット背面側空間20に連通する第1の空間4Cを備えた筐体部4が連結されている。そして、筐体部4の内部には、本体部分9と一体の隔壁91により仕切られて隔絶された第2の空間4Dが形成され、この空間4D内に外部ノイズ検知用マイクロホン10が収容されている。これにより、ドライバユニット背面側空間20からの背圧の影響が、筐体部4側の第1の空間4Cの容積拡大部分および背圧開放孔9Cにより緩和されると共に、低域での再生効果を高めることができる。
一方、第2の空間4Dでは、第1の空間4Cと隔絶されていることによりドライバユニット8背面側からの背圧の影響を受けないので、第2の空間4Dに収容されている外部ノイズ検知用マイクロホン10のハウリングを確実に防止して外部ノイズのみをノイズキャンセル対象とすることができ、より精度の高いノイズキャンセルが可能になる。しかも、外部ノイズ取り込み口4B1は、外部ノイズ検知用マイクロホン10のほぼ中央に対向して設けられているのでマイクロホンに対する外部ノイズの指向性を高めることができ、感度の低下を抑制することができる。
外部ノイズ検知用マイクロホン10の収音中心軸とドライバユニット8の放音中心軸は互いに直交するようにノイズ検知用マイクロホン10とドライバユニット8が配置されているため、マイクロホン10はドライバユニット8の背面側からの背圧の影響をより一層受けにくい配置関係になっていて、より一層精度の高いノイズキャンセル効果を得ることができる。
本実施例においては、筐体部4が、その本体部分9に別体の外郭部材4A、4Bを組み付けるようになっている。これに加えて、筐体部4の本体部分9は、ハウジング2のほぼ半体を構成する背面側の周壁2Bと一体成形されているため、組み立てが容易であるとともに、部品数を少なくすることができるため、工数を減らすことができ、コストダウンを図ることができ、安価に製造できるメリットがある。
本実施例では、イヤホン1の使用状態において、第1の空間4Cを構成する外郭部4Aは、前面すなわちユーザーの顔面と略平行な面になり、この面は外表面を膨出させない平坦面に近い形状に形成されている。この外郭部4Aの前面を意匠面として用いることができ、画像や彫刻さらには、商標などを施すことで広告効果を得ることができる。
また、本発明に係るイヤホン1は、図示しないが、隔壁91に接続用の孔を設けることなく、ドライバユニット8と外部ノイズ検知用マイクロホン10とを接続しているため、音が漏れにくく、容易に組立てられる構造とすることができる。なお、ドライバユニット8と外部ノイズ検知用マイクロホン10との接続方法は、適宜の設計思想が選択できる。
本発明は、以上説明した実施例に構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想を逸脱しない範囲で適宜設計変更することができる。例えば、本発明の技術思想は、補聴器、ヘッドセットなどにも適用可能である。
1 イヤホン
2 ハウジング
20 ドライバユニット背面側空間
4 筐体部
4A、4B 外郭部
4B1 外部ノイズ取り込み口
4C 第1の空間
4D 第2の空間
8 ドライバユニット
9 筐体部の本体部分
9A 開口
9C 背圧開放孔
10 外部ノイズ検知用マイクロホン
そこで、図5に示すようなイヤホンが特許文献1によって提案されている。図5に示すイヤホンは、第1のハウジング201と、第2のハウジング202が連結路203を介して連通した構成を用いている。第1のハウジング201には、図3、図4に記載したものと同様のドライバユニット103が設けられている。さらに上記第2のハウジング202の内部空間に低音補償手段として機能する低音補償用振動板204が配置されている。このように構成することにより、中高音域の特性に影響を及ぼすことなく低域特性を改善することを目論んでいる。
しかしながら、特許文献1に記載されている図5に示すようなイヤホンによれば、低音補償に用いられる第2のハウジング202内には、低音限界周波数を下げるに足る慣性質量を持つ低音補償用振動板204を特別に設けることが必要となる。このような低音補償用振動板204は、自身の慣性質量が低音域の聴取範囲に影響するが、質量による感度変化、つまり再生音の聴取が困難となるという理由によりむやみに大きくすることができない。したがって、低音の再生域に限界があるだけでなく、低音域の再生を良好なものとするための特別な構成を要することから構成が複雑化する。
また、低音補償用振動板204は、第1のハウジング201側のドライバユニット103から伝搬する音波を確実に受け止めて、いわゆる、堰き止めることにより自身が振動することにより、ドライバユニットの振動板の最低共振周波数よりも低い周波数の音を得るようになっていることから、質量もそれなりに大きくする必要がある。このため、支持構造も強固にする必要があり、大型化する難点がある。
振動板103は一般的にポリエチレンテレフタレートなどからなる有機系の薄膜であって、低音補償用振動板204は金属となっていることから、両者の質量の違いが大きい。したがって、低音補償用振動板204は、実際に振動する時に、振動板103の背圧を受けるため、設計において計算通りに低音補償用振動板204を振動させるのは極めて困難である。実際には、低音補償用振動板204は、単なる音響抵抗になると窺える。さらに振動板103と、低音補償用振動板204を共存させて音響特性を調整するのも困難である。
本発明にかかるイヤホンは、ドライバユニットを収容するハウジングと、上記ハウジングにおける上記ドライバユニット背面側空間に連通する筐体部と、を備え、上記筐体部の内部は、隔壁によって少なくとも第1の空間と第2の空間に音響的に隔絶され、上記第1の空間は、連通孔を介し上記ドライバユニット背面側空間に連通して上記ドライバユニット背面側空間の容積を拡大する中空の空間であり、上記第2の空間は、ノイズキャンセルのために外部ノイズを検知するマイクロホンが収容された空間であり、マイクロホンはドライバユニットの背面側からの背圧の影響を受けないように配置されていることを最も主要な特徴とする。
一体成形された筐体部4とハウジング2の背面側の外郭部2Bとの間には連通孔9Aが形成されている。この連通孔9Aを介して、ハウジング2のドライバユニット背面側空間20と、筐体部4の本体部分9に外郭部4Aが嵌合されることによって形成されている第1の空間4Cが連通している。
本発明にかかるイヤホンは、ドライバユニットを収容するハウジングと、上記ハウジングにおける上記ドライバユニット背面側空間に連通する筐体部と、を備え、上記筐体部の内部は、隔壁によって少なくとも第1の空間と第2の空間に音響的に隔絶され、上記第1の空間は、連通孔を介し上記ドライバユニット背面側空間に連通して上記ドライバユニット背面側空間の容積を拡大する中空の空間であり、上記第2の空間は、ノイズキャンセルのために外部ノイズを検知するマイクロホンが収容された空間であり、上記マイクロホンは、上記隔壁によって上記第1の空間と第2の空間が音響的に隔絶されることによりドライバユニットの背面側からの背圧の影響を受けないように配置されていることを最も主要な特徴とする。

Claims (6)

  1. ドライバユニットを収容するハウジングと、
    上記ハウジングにおける上記ドライバユニット背面側空間に連通する筐体部と、を備え、
    上記筐体部の内部は複数の空間に隔絶され、
    上記複数の空間は、少なくとも上記ドライバユニット背面側空間に連通して上記ドライバユニット背面側空間の容積を大きくすることができる中空の第1の空間と、外部ノイズを検知するマイクロホンが収容された第2の空間からなり、
    上記第1の空間と上記第2の空間は隔壁によって音響的に隔絶されていることを特徴とするイヤホン。
  2. 筐体部には、第1の空間を外部に連通させてドライバユニットの振動板の背面側に生じる背圧を外部に開放するための背圧開放孔が設けられている請求項1に記載のイヤホン。
  3. マイクロホンの収音中心軸とドライバユニットの放音中心軸が互いに直交するように上記マイクロホンと上記ドライバユニットが配置されている請求項1または2に記載のイヤホン。
  4. 筐体部は、筒状の本体部分と、この本体部分の両側に結合された2つの外郭部とによって構成され、上記本体部分に隔壁が一体に形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のイヤホン。
  5. ハウジングは前面側周壁とこの前面側周壁に嵌められた背面側周壁によって構成され、上記背面側周壁は、筐体部を構成する本体部分と一体成形されている請求項4に記載のイヤホン。
  6. 使用時において、筐体部を構成する2つの外郭部の一方は外側面が前面になり、この前面は意匠面として用いることができる請求項4に記載のイヤホン。
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