JP4008562B2 - 歌唱者独自の節回しの採点方式に特徴を有するカラオケ装置 - Google Patents
歌唱者独自の節回しの採点方式に特徴を有するカラオケ装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラオケ装置における歌唱採点方式に関し、より具体的には、節回しなど歌唱者独自の歌い方にも対応して歌唱力を適正に評価できる歌唱採点方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラオケ装置の付帯機能として採点機能がよく知られている。この採点機能は、マイクロホンから入力された歌唱者の音声信号をサンプリングすることで歌唱者が発声した音程を抽出する。この音程とカラオケデータ中の主旋律に該当する基準の音程とを比較する。また、主旋律の各音と歌唱者が発した音のタイミングも比較する。そして、適宜な採点区間毎にその比較結果に応じた得点を付与していく。歌唱パートが終了するとこの得点を集計して総合得点を算出する。総合得点はそのままの得点数値としてスコアボードやディスプレイに表示したり、所定のメッセージや所定の表現内容を含む映像など総合得点を反映した映像をディスプレイに出力したりする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プロの歌手などは独自の節回しによる歌唱表現を駆使して歌唱し、聞き手により心地よい感じを与えることができるテクニックを持っている。例えば、ある演奏音に対して発声タイミングをわざと1テンポ遅らせたり、演歌などではこぶしをきかせたりするのがそれに当たる。カラオケ利用者も歌唱力を聞き手にアピールしたり場を盛り上げたりするために、この節回しのテクニックを用いて歌唱する場合が多い。
【0004】
しかし、従来の採点方式は、主旋律の音程や発音タイミングにいかに歌唱音声が追従しているかによって歌唱力を判断している。そのため、どんなに優れた歌唱表現によって歌唱したとしても、独自の節回しで歌えば採点結果は当然悪くなってしまう。
【0005】
そこで本発明は、こぶしをきかせた歌い方など装飾的な独自の節回しによってカラオケ楽曲を歌唱しても適正な採点結果が得られる歌唱採点方式を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るカラオケ装置は、カラオケデータを処理して指定したカラオケ楽曲の伴奏音楽を生成してスピーカに出力するカラオケ装置であって、
マイクロホンに入力された歌唱者の音声信号をサンプリングして歌唱者の発声音程を抽出する手段と、
前記カラオケデータに付帯している前記伴奏音楽の主旋律に該当する基準音程を取得する手段と、
前記発声音程を楽曲の歌唱開始から記録し、その楽曲における1番に相当する歌唱パート部分が終了した段階で、それまでに抽出された前記発声音程の履歴を音程経路として演奏時系列に対応づけて記録する手段と、
前記基準音程と前記発声音程とを規定のアルゴリズムに従って比較することで、その一致度に対応した通常得点を計上する手段と、
前記歌唱者がその楽曲における2番以降のN番の各歌唱パート部分を歌唱するときに、N番の歌唱パート部分での実時間の前記発声音程と1番の歌唱パート部分で記録された前記音程経路とを規定のアルゴリズムに従って比較することで、その一致度に対応した固有得点を計上する手段と、
所定の計算方法に基づいて前記通常得点と前記固有得点とを集計することで総合得点を算出する手段と、
この総合得点に相当する採点結果をディスプレイに出力するための採点結果表示手段とを備えることを特徴とするカラオケ装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】
===カラオケ装置の基本的な構成と動作===
図1は本発明の実施例における歌唱採点方式を採用したカラオケ装置の構成図を示している。内部にCPU、RAM、ROMを含む中央制御部11が周辺各構成部に対しデータバス40や制御バス50を介してデータ通信や各種制御を行ってこのカラオケ装置1を統括している。
【0008】
ハードディスク装置12はカラオケ楽曲の伴奏音楽と歌詞画像を生成するためのカラオケデータを多数曲分蓄積している。中央制御部11はリモコン送信器17や操作パネル18から入力されたリクエスト入力を操作制御部19を介して受け取ると、そのリクエスト入力順に従って該当のカラオケデータを順次処理していく。すなわち、リクエスト楽曲に対応するカラオケデータをハードディスク装置12から取りだし、伴奏音楽生成データ(MIDIデータなど)をシンセサイザ13に転送し、伴奏音楽を生成させる。この伴奏音楽はミキシングアンプ14でマイクロホン15より入力された歌唱音声と混合されてスピーカ16に出力される。
【0009】
一方、カラオケデータ中の歌詞描出データを伴奏音楽の生成処理に同期してビデオRAM20に転送し、歌詞画像を順次ビットマップ展開させる。映像制御部21はこの歌詞画像をビデオCDプレーヤ22から出力される背景映像にスーパーインポーズしてディスプレイ23に出力する。
【0010】
また、カラオケ装置1はカラオケ楽曲に合わせて歌っている人の歌唱状態を採点してその採点結果を出力する採点機能を備えている。しかも、その採点方式はこぶしをきかせた歌い方など、歌唱者独自の節回しにも対応して歌唱力を適正に評価することができるようになっている。以下、この採点機能について説明する。
【0011】
===採点機能の動作===
利用者がカラオケ装置1で歌唱採点機能を利用したい場合、リモコン送信器17や操作パネル18から演奏予約用の一連の楽曲番号に引き続いて所定の操作キーを押す。それにより、歌唱採点機能の作動命令が楽曲番号とともに操作制御部19およびデータバス40を介して中央制御部11に転送される。中央制御部11は、この命令を受けて、当該楽曲を演奏処理するときは歌唱採点機能を作動させるものとして演奏予約処理する。もちろん、利用者による課金手続きなどによって歌唱採点機能が作動するようにしてもよい。例えば課金装置を設置し、採点して欲しい楽曲が演奏される直前や前奏の演奏中など、適宜な時期に所定の料金を課金装置に投入することで歌唱採点機能が作動するようにする。
【0012】
中央制御部11は、楽曲の演奏処理を開始すると、カラオケデータ中に設定された採点対象となる区間、すなわち歌唱パートの始まりを監視する。この開始点を検出すると歌唱採点機能の主要部である採点部30に対して採点処理の開始を指示する。なお、本実施例において中央制御部11や採点部30は、楽曲の歌唱パートの1番と2番以降とではその処理や制御を変えている。
【0013】
全歌唱パートに共通した処理として、採点部30はマイクロホン15から入力される歌唱音声をサンプリングして解析することで歌唱者の発声音程を逐次抽出する。また、伴奏音楽生成データをデータバス40を介して受け取り、このデータ中の主旋律の音程データを基準音程として取得する。この基準音程と発声音程とを所定のアルゴリズムに基づいて演奏時系列順に1音ずつ比較し、その一致度に応じて所定の得点を付け、この得点(以下、通常得点)を含む通常採点データを逐次データバス40上に送出する。中央制御部11は、この通常採点データを順次受け取って内部のRAMに逐次格納していく。つぎに1番の歌唱パートの演奏時にのみ実行される採点処理について説明する。
【0014】
採点部30は抽出した発声音程を基準音程と比較する処理に並行して、この発声音程を抽出したタイミングで逐次中央制御部11に転送する処理を行う。中央制御部11は、発声音程を順次RAMに記録していく。このとき、各発声音程について、歌唱パートの開始時点からの経過時間など、その発声時点を特定するための時間データを付加しながら内部のRAMに格納していく。そして、カラオケデータ中に設定された歌唱パートの1番部分の終わりを検出した時点で、採点部30に対して発声音程の送出を停止させるとともに、それまで記録した1番の発声音程の履歴を音程経路として演奏時系列に対応づけする。すなわち、この音程経路を歌唱者独自の歌い方に相当する旋律として記述する。つぎに2番以降の歌唱パートの演奏時に実行される採点処理について説明する。
【0015】
中央制御部11は、2番の歌唱パートの始まりを検出すると前述の音程経路をその時系列に従って採点部30に順次転送していく。
採点部30は通常得点を付与する処理に並行して、2番の歌唱中に実時間で抽出される発声音程と、この音程経路とを所定のアルゴリズムに基づいて比較し、その音程や発声タイミングの差に応じて所定の得点を付与する。この得点(以下、固有得点)を含む固有採点データと通常採点データとを中央制御部11に逐次転送していく。
【0016】
中央制御部11は、歌唱パートの終わりなど採点区間の終了を検出すると、それまで取得した通常得点と固有得点とを集計し、これらを所定の割合で加算することで総合得点を算出する。そして、この総合得点を採点結果としてディスプレイ23に表示させる。
本実施例では、採点結果を総合得点の数値で表示している。専用のスコアボードなどを設置してそこに総合得点を表示することも可能である。また、所定の総合得点範囲毎にランクを設定するとともに、ビデオCDなどに採点結果を反映する内容を含む複数カットの映像(例えば、オーディションの合否を発表するアニメーションなど)を用意し、得られた総合得点に対応するランクに従って適宜な映像カットを選択して表示してもよい。
【0017】
===その他===
上記実施例では中央制御部が採点部から受け取った発声音程にその発声時間を特定する時間データを付加することで音程経路を記述しているが、採点部が抽出した発声音程にその発声タイミングを示すデータを付加してから中央制御部に転送してもよい。もちろん、採点部内に発声音程を記録する手段や音程経路を記述する処理を実行する手段を備えさせてもよい。
【0018】
【発明の効果】
カラオケ楽曲の1番を歌ったときの音程経路を記録して、この経路と2番以降の歌唱状態とを比較することで歌唱者独自の節回しにも対応した適正な採点結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を採用したカラオケ装置の構成図である。
【符号の説明】
1 カラオケ装置
11 中央制御部
30 採点部
Claims (1)
- カラオケデータを処理して指定したカラオケ楽曲の伴奏音楽を生成してスピーカに出力するカラオケ装置であって、
マイクロホンに入力された歌唱者の音声信号をサンプリングして歌唱者の発声音程を抽出する手段と、
前記カラオケデータに付帯している前記伴奏音楽の主旋律に該当する基準音程を取得する手段と、
前記発声音程を楽曲の歌唱開始から記録し、その楽曲における1番に相当する歌唱パート部分が終了した段階で、それまでに抽出された前記発声音程の履歴を音程経路として演奏時系列に対応づけて記録する手段と、
前記基準音程と前記発声音程とを規定のアルゴリズムに従って比較することで、その一致度に対応した通常得点を計上する手段と、
前記歌唱者がその楽曲における2番以降のN番の各歌唱パート部分を歌唱するときに、N番の歌唱パート部分での実時間の前記発声音程と1番の歌唱パート部分で記録された前記音程経路とを規定のアルゴリズムに従って比較することで、その一致度に対応した固有得点を計上する手段と、
所定の計算方法に基づいて前記通常得点と前記固有得点とを集計することで総合得点を算出する手段と、
この総合得点に相当する採点結果をディスプレイに出力するための採点結果表示手段とを備えることを特徴とするカラオケ装置。
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