JP4007684B2 - 可視光硬化性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

可視光硬化性樹脂組成物及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素による硬化阻害が改良され、可視光線領域の光線に対し高い感度を示す硬化性に優れた可視光硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光重合反応を用いた情報、あるいは画像記録の分野で、従来のフィルム原稿等を用いた紫外線による記録方法に代わり、コンピューターによって電子編集された原稿を、そのまま、高出力レーザーを用いて直接出力し、記録する方法が検討されている。この方法は、レーザーによる直接書き込みにより、記録、画像形成工程が、大幅に簡略化できるという利点を持つ。
【0003】
現在、一般的に使用されている高出力で安定なレーザー光源は、可視領域にその出力波長を有するものが多い。具体的には、波長488nmおよび514.5nmに安定な発振線を持つアルゴンレーザー、あるいは第二高調波として532nmに輝線を持つYAGレーザー等が汎用されている。そのため、それらの波長に対して高感度な化合物が望まれているが、従来使用されてきた紫外線用の感光剤では、可視領域での感度が低いため使用できなかった。また、ピリリウム塩、またはチオピリリウム塩類等の添加で、可視部での感度の向上は可能ではあるが、その感光層の保存安定性が低く、使用するのが困難であった。
【0004】
可視領域に感光性を有する化合物として、例えば、7−ジエチルアミノ−3−ベンゾチアゾイルクマリン(慣用名:クマリン−6)、あるいは、ビス〔3−(7−ジエチルアミノクマリル)〕ケトン(慣用名:ケトクマリン)が知られているが、これらは、最大吸収波長が450nm前後にあるために、アルゴンレーザーの488nmよりは短波長であり、感度が不十分である。また、特開平4−18088号公報に記載の4−置換−3−ベンゾチアゾイルクマリン化合物は、アルゴンレーザーの488nmには高感光性を示すものの、514.5nmあるいはYAGレーザーの第二高調波である532nmには吸収をほとんど持たず、感度向上の余地を残していた。
【0005】
また、特開平7−5685号公報には、置換もしくは非置換の複素環残基含有増感剤を含む光増感剤が記載されているが、このものについて、具体的な例示もなく、その効果も記載されていない。
【0006】
また、従来、プリント配線基板などの導体回路を形成するため、感光性レジストを塗布した基板に、露光/現像によりレジストパターンを形成した後、エッチングにより不要部分を除去することが行われている。
【0007】
露光方法としては、フォトマスクを介して露光する方法、レーザーによりレジストを直接描画する方法がある。フォトマスクを介して露光する方法は、フォトマスクの位置決めにかなりの時間を要し、また、レジスト表面に粘着性があるとフォトマスクの位置決めが困難であるなどの問題点がある。
【0008】
レーザーによりレジストを直接描画する方法は、露光時間が非常に短時間であるので、そのレジストは高感度であることが要求される。このため、レーザー照射により発生した活性ラジカルが空気中の酸素によって失活しないようにレジスト表面をカバーコート又はカバーフィルムなどの酸素遮断層で覆って酸素を遮断して高感度を維持することが一般に行われているが煩わしいといった問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高出力で安定なレーザー光源であるアルゴンレーザーの514.5nmの発振線、あるいは、YAGレーザーの第二高調波である532nm等の可視光領域の長波長のレーザー光に対して高感度で、保存安定性に優れる光増感剤を含有する可視光硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【0010】
また、本発明者等は、フォトマスクを使用する必要のない、可視光レーザーによりレジストを直接描画する方法において、レーザー照射によりレジストに発生した活性ラジカルが空気中の酸素によって失活し難く、高感度を維持することのできるレジストを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するための鋭意検討した結果、特定のラジカル保護化合物及び光増感剤を使用することにより本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
1、下記成分
(A)光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分
(B)光反応開始剤、
(C)亜燐酸エステル化合物および芳香環を形成する炭素原子に結合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種のラジカル保護化合物、及び
(D)下記一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の少なくとも1種を含んでなる光増感剤
を含有することを特徴とする可視光硬化性樹脂組成物。
【0012】
【化2】
Figure 0004007684
【0013】
〔式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アリールアミノカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、モノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、モノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基、ジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基またはアルケニル基を表し、R4は水素原子、シアノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルケニル基を表し、R8は、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、R9は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアラルキルオキシ基を示す。〕
2、上記の可視光硬化性樹脂組成物と溶剤とを含有してなる可視光硬化材料用組成物、
3、上記の可視光硬化性樹脂組成物を基材上にしてなる可視光硬化材料に関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、前記一般式(1)のジピロメテンホウ素錯化合物の光増感剤を含有するものである。
【0015】
本発明の一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物を使用した光増感剤は極めて有用であることを見出した。本発明に用いる一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物はアルゴンレーザー光やYAGレーザー高波長光の波長に極めて大きな吸収を有しており、かつ、それらの光に非常に高感度であり、樹脂及び光反応開始剤を用いるネガ型感光性樹脂組成物に適用可能な、光増感剤として有用な材料である。
【0016】
なお、本発明で言う「可視光硬化材料用組成物」とは、例えば、塗料、インキ、接着剤、刷版材、レジスト材及びこれらのものから形成される未感光被膜材等を意味するものである。
【0017】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分(A)、光反応開始剤(B)(例えば光ラジカル重合開始剤等)、(C)亜燐酸エステル化合物および芳香環を形成する炭素原子に結合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種のラジカル保護化合物及び(D)一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の少なくとも1種を含んでなる光増感剤を含有した組成物である。
【0018】
本発明で使用する光硬化性樹脂成分(A)は、一般的に使用されている光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分であれば特に限定されるものではない。該樹脂としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物で、モノマー、プレポリマー、2量体、3量体等のオリゴマー、それらの混合物、ならびにそれらの共重合体が挙げられる。また、これ以外に、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ノボラック系樹脂及びこれらの二種以上の変性樹脂に光重合性不飽和基が結合したものが挙げられる。光重合性不飽和基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、アジド基等が挙げられる。
【0019】
上記した光硬化性樹脂成分(A)において、単官能及び多官能(メタ)アクリレートが一般的であり、例えば特開平3−223759号公報の第2頁右下欄第6行〜第6頁左下欄第16行に記載の感光性基として(メタ)アクリロイル基を含むアニオン性光硬化性樹脂、感光性基としてシンナモイル基を含む光硬化性樹脂、感光性基としてアリル基を含む光硬化性樹脂などが挙げられる。光硬化性樹脂成分(A)は下記光ラジカル重合開始剤と組み合わせて使用することが好ましい。これらの光硬化性樹脂成分(A)は、単独で使用してもよく、混合してもよい。該公報において、光硬化性樹脂成分(a2)のエチレン性不飽和化合物に記載の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル化物の具体例として、分子量300〜1000のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等も使用することができる。
【0020】
更に、必要に応じて、従来から公知のアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ゴム、ウレタン樹脂等の不飽和基を含有しない樹脂を配合することができる。
【0021】
本発明で用いられる光反応開始剤(B)としては、光ラジカル重合開始剤を使用することができる。
【0022】
光ラジカル重合開始剤としては、一般に使用されている光ラジカル重合開始剤であれば特に制限されないが、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、キサントン、チオキサントン、アントラキノンなどの芳香族カルボニル化合物;アセトフェノン、プロピオフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α,α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、ジアセチルアセトフェノン、アセトフェノンなどのアセトフェノン類;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどの有機過酸化物;ジフェニルヨードブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロライドなどのジフェニルハロニウム塩;四臭化炭素、クロロホルム、ヨードホルムなどの有機ハロゲン化物;3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンベンズアントロンなどの複素環式及び多環式化合物;2,2’−アゾ(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物;鉄−アレン錯体(ヨーロッパ特許152377号公報参照);チタノセン化合物(特開昭63−221110号公報参照)ビスイミダゾール系化合物;N−アリールグリシジル系化合物;アクリジン系化合物;芳香族ケトン/芳香族アミンの組み合わせ;ペルオキシケタール(特開平6−321895号公報参照)等が挙げられる。上記した光ラジカル重合開始剤の中でも、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、鉄−アレン錯体及びチタノセン化合物は架橋もしくは重合に対して活性が高いのでこのものを使用することが好ましい。
【0023】
光反応開始剤の配合割合は、臨界的なものではなく、その種類に応じて広い範囲で変えることができるが、一般には光硬化性樹脂成分100重量部(固形分)に対して0.1〜25重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。25重量部を超えて多量に用いると、得られる組成物の安定性が低下する傾向がみられる。
【0024】
本発明で使用されるラジカル保護化合物(C)は、可視光硬化性樹脂組成物から形成されるレジスト膜を可視光レーザー照射によって硬化させる際に発生するラジカルが、酸素によって失活するのを阻止する働きをし、それによって酸素存在下でもレジストに良好な感度を付与できるものであって、本発明においては、亜燐酸エステル化合物および芳香環を形成する炭素原子に結合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
【0025】
可視光硬化性樹脂組成物は、酸素が存在すると、光照射により発生したラジカルが酸素と反応してパーオキシラジカルとなり、通常はパーオキシラジカル同志が反応して酸素分子となって失活してしまうが、本発明に従い上記ラジカル保護化合物(C)を存在させる場合には、上記パーオキシラジカルの多くが、ラジカル保護化合物(C)と反応して別のラジカルを生成し、この別のラジカルがレジスト膜の硬化反応に寄与するものと考えられ、その結果、本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、酸素を遮断しなくても高感度を維持することができる。
【0026】
上記亜燐酸エステル化合物の代表例としては、ジメチル亜燐酸、ジエチル亜燐酸、ジプロピル亜燐酸、ジブチル亜燐酸、ビス(2−エチルヘキシル)亜燐酸、ジフェニル亜燐酸、ジベンジル亜燐酸などの亜燐酸のジアルキル、ジアリール又はジアラルキルエステル;トリメチル亜燐酸、トリエチル亜燐酸、トリイソプロピル亜燐酸、トリブチル亜燐酸、トリラウリル亜燐酸、トリフェニル亜燐酸、トリイソデシル亜燐酸、トリス(トリデシル)亜燐酸などの亜燐酸のトリアルキル又はトリアリールエステル;ベンジルジエチル亜燐酸のような亜燐酸のアラルキルジアルキルエステル;トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)亜燐酸、トリス(2−クロロエチル)亜燐酸などの亜燐酸のトリ(ハロアルキル)エステルなどを挙げることができる。
【0027】
上記芳香環を形成する炭素原子に結合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物の代表例としては、N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、4−t−ブチル−N,N−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン、4,4’−ビニリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン)、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、4−(2−ピリジルアゾ)−N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−ニトロソアニリンなどのN,N−ジメチルアニリン誘導体を挙げることができる。
【0028】
これらのうち、芳香環を形成する炭素原子に結合したN,N−ジメチルアミノ基を有する分子量が120〜400の芳香族化合物が、レジストの樹脂との相溶性や得られるレジスト膜の可視光に対する感度の点から特に好適である。
【0029】
上記特定のラジカル保護化合物(C)の配合量は、厳密に制限されるものではなく、用いる光反応開始剤(B)の種類や量等に応じて変えることができるが、一般には、可視光硬化性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内であることが好ましく、特に1〜10重量部の範囲内であることがレジスト膜の感光性、被膜強度等の点から適当である。
【0030】
本発明の光増感剤(D)としての一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物は、400〜700nmの可視光領域の光に、特に、アルゴンレーザー光やYAGレーザー高調波光の波長(400〜600nm)の光を吸収することにより励起され、光硬化性樹脂(A)や、光反応開始剤(B)と相互作用を有する化合物である。ここで言う「相互作用」には、励起された光増感剤(D)から光硬化性樹脂(A)または光反応開始剤(B)へのエネルギー移動や電子移動が包含される。このことから、ここで使用する一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物は、光増感剤として極めて有用な化合物である。
【0031】
また、従来の可視光硬化性樹脂組成物は、保存安定性に問題があったが、本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、長期間の保存に耐えうる、経時保存安定性に優れたものである。
【0032】
本発明の一般式(1)で表される化合物において、R1、R2、R3、R5、R6、R7の具体例としては、水素原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、sec−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1−n−プロピルブチル基、1−イソプロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、2−イソプロピルペンチル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,3−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1,2,2−トリメチルペンチル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、1,3,4−トリメチルペンチル基、2,2,3−トリメチルペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンチル基、1,3,3−トリメチルペンチル基、2,3,3−トリメチルペンチル基、3,3,4−トリメチルペンチル基、1,4,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、3,4,4−トリメチルペンチル基、1−n−ブチルブチル基、1−イソブチルブチル基、1−sec−ブチルブチル基、1−tert−ブチルブチル基、2−tert−ブチルブチル基、1−n−プロピル−1−メチルブチル基、1−n−プロピル−2−メチルブチル基、1−n−プロピル−3−メチルブチル基、1−イソプロピル−1−メチルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基、1−エチル−1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2,3−ジメチルブチル基、2−エチル−1,1−ジメチルブチル基、2−エチル−1,2−ジメチルブチル基、2−エチル−1,3−ジメチルブチル基、2−エチル−2,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデカニル基、デカリル基、イコサニル基等の炭素数1〜20の直鎖アルキル基、または炭素数1〜10の分岐又は環状のアルキル基;
【0033】
クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、ノナフルオロブチル基等のハロゲノアルキル基;
メトキシエチル基、エトキシエチル基、イソプロピルオキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2ーメトキシブチル基等のアルコキシアルキル基;
ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、ベンジルカルボニル基等のアシル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基,シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;
【0034】
アミノカルボニル基;
メチルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、n−ヘキシルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、4−メチルシクロヘキシルアミノカルボニル基等のアルキルアミノカルボニル基;
ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニル基、ジ−n−ヘキシルアミノカルボニル基、ジ−n−オクチルアミノカルボニル基、N−イソアミル−N−メチルアミノカルボニル基等のジアルキルアミノカルボニル基;
アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、イソブチルカルボニルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基;
フェニルアミノカルボニル基、4−メチルフェニルアミノカルボニル基、2−メトキシフェニルアミノカルボニル基、4−n−プロピルフェニルアミノカルボニル基等のアリールアミノカルボニル基;
フェニルカルボニルアミノ基、4−エチルフェニルカルボニルアミノ基、3−イソプロピルフェニルカルボニルアミノ基、2−メトキシフェニルカルボニルアミノ基等のアリールカルボニルアミノ基;
フェノキシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基、3−メチルフェノキシカルボニル基、2−メチルフェノキシカルボニル基、2,4−ジメチルフェノキシカルボニル基、2,6−ジメチルフェノキシカルボニル基、2,4、6−トリメチルフェノキシカルボニル基、4−フェニルフェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;
【0035】
ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基、ビフェニルメチル基、2−アントラキノイルメチル基、4−エチルフェニルメチル基、4−p−イソプロピルフェニルメチル基、4−t−ブチルフェニルメチル基、p−イソプロピルフェニルエチル基、t−ブチルフェニルエチル基、4−t−ブチルフェニルエチル基、トリルメチル基、トリルエチル基、2,3−ジメチルフェニルメチル基、2,4−ジメチルフェニルメチル基、2,5−ジメチルフェニルメチル基、2,6−ジメチルフェニルメチル基、2,4、6−トリメチルフェニルメチル基、2−クロロフェニルメチル基、3−クロロフェニルメチル基、4−クロロフェニルメチル基、2−ブロモフェニルメチル基、3−ブロモフェニルメチル基、4−ブロモフェニルメチル基、2−フルオロフェニルメチル基、3−フルオロフェニルメチル基、4−フルオロフェニルメチル基、2−メトキシフェニルメチル基、3−メトキシフェニルメチル基、4−メトキシフェニルメチル基、2−エトキシフェニルメチル基、3−エトキシフェニルメチル基、4−エトキシフェニルメチル基、2−n−プロポキシフェニルメチル基、3−n−プロポキシフェニルメチル基、4−n−プロポキシフェニルメチル基、2−イソプロポキシフェニルメチル基、3−イソプロポキシフェニルメチル基、4−イソプロポキシフェニルメチル基、2−n−ブトキシフェニルメチル基、3−n−ブトキシフェニルメチル基、4−n−ブトキシフェニルメチル基、2−イソブトキシフェニルメチル基、3−イソブトキシフェニルメチル基、4−イソブトキシフェニルメチル基、2−t−ブトキシフェニルメチル基、3−t−ブトキシフェニルメチル基、4−t−ブトキシフェニルメチル基、2,3−ジメチルフェニルエチル基、2,4−ジメチルフェニルエチル基、2,5−ジメチルフェニルエチル基、2,6−ジメチルフェニルエチル基、2,4、6−トリメチルフェニルエチル基、2−クロロフェニルエチル基、3−クロロフェニルエチル基、4−クロロフェニルエチル基、2−ブロモフェニルエチル基、3−ブロモフェニルエチル基、4−ブロモフェニルエチル基、2−フルオロフェニルエチル基、3−フルオロフェニルエチル基、4−フルオロフェニルエチル基、2−メトキシフェニルエチル基、3−メトキシフェニルエチル基、4−メトキシフェニルエチル基、2−エトキシフェニルエチル基、3−エトキシフェニルエチル基、4−エトキシフェニルエチル基、2−n−プロポキシフェニルエチル基、3−n−プロポキシフェニルエチル基、4−n−プロポキシフェニルエチル基、2−イソプロポキシフェニルエチル基、3−イソプロポキシフェニルエチル基、4−イソプロポキシフェニルエチル基、2−n−ブトキシフェニルエチル基、3−n−ブトキシフェニルエチル基、4−n−ブトキシフェニルエチル基、2−イソブトキシフェニルエチル基、3−イソブトキシフェニルエチル基、4−イソブトキシフェニルエチル基、2−t−ブトキシフェニルエチル基、3−t−ブトキシフェニルエチル基、4−t−ブトキシフェニルエチル基、フルオレン−9−イル基、9−メチルフルオレン−9−イル基、9−エチルフルオレン−9−イル基、9−プロピルフルオレン−9−イル基、9−ブチル−フルオレン−9−イル基等のアラルキル基;
【0036】
フェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基、2−エチル−1−ナフチル基等の炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が置換したアリール基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、2,3,5−トリメトキシフェニル基、2,3,6−トリメトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、3−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、5−メトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−1−ナフチル基、7−メトキシ−1−ナフチル基、8−メトキシ−1−ナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、4−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、8−メトキシ−2−ナフチル基、2−エトキシ−1−ナフチル基等の炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が置換したアリール基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換したアリール基、トリフルオロメチルフェニル基等のハロゲン化アルキル基が置換したアリール基、N−メチルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N−フェニル−N−メチルアミノフェニル基、N−トリル−N−エチルアミノフェニル基、N−クロロフェニル−N−シクロヘキシルアミノフェニル基、N,N−ジトリルアミノフェニル基等のN−モノ置換アミノアリール基、N,N−ジ置換アミノアリール基、メチルチオフェニル基、エチルチオフェニル基、メチルチオナフチル基、フェニルチオフェニル基等のアルキルチオアリール基、アリールチオアリール基、等の置換又は無置換のアリール基;
【0037】
ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、チアジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インド−3−イル基等のヘテロアリール基;
【0038】
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基等のアルキルチオ基;
フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基;
アリルオキシカルボニル基、2−ブテノキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル基;
ベンジルオキシカルボニル基、4−メチルベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;
メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、エトキシカルボニルメトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルメトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基;
メチルカルボニルメトキシカルボニル基、エチルカルボニルメトキシカルボニル基等のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基;
【0039】
ヒドロキシエチルアミノカルボニル基、2−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基、3−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基等のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基;
ジ(ヒドロキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基、ジ(3−ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基等のジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基;
メトキシメチルアミノカルボニル基、メトキシエチルアミノカルボニル基、エトキシメチルアミノカルボニル基、エトキシエチルアミノカルボニル基、プロポキシエチルアミノカルボニル基等のモノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基;
ジ(メトキシメチル)アミノカルボニル基、ジ(メトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシメチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(プロポキシエチル)アミノカルボニル基等のジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基;
ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、1,2,2−トリシアノビニル基、2−フェニルビニル基、2−フェニル−2−シアノビニル基、2−シアノ−2−エトキシカルボニルビニル基、2−シアノ−2−メトキシカルボニルビニル基、2−シアノ−2−フェナシルビニル基、2−(ベンゾチアゾール−2’−イル)ビニル基、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)ビニル基、2−[5’−メチル−4’−(ジシアノメチリデン)ピラン−2’−イル]ビニル基等のアルケニル基等を挙げることができる。
【0040】
4の具体例としては、水素原子;シアノ基;前記のアルキル基、アラルキル基、アリール基、
ピロリル基、N−メチルピロリル基、N−エチルピロリル基、N−プロピルピロリル基、N−ブチルピロリル基、N−イソブチルピロリル基、N−イソペンチルピロリル基、N−オクチルピロリル基、N−メトキシメチルピロリル基、N−メトキシエチルピロリル基、N−エトキシメチルピロリル基、N−エトキシエチルピロリル基、N−メトキシカルボニルメチルピロリル基、N−メトキシカルボニルエチルピロリル基、N−エトキシカルボニルメチルピロリル基、N−エトキシカルボニルエチルピロリル基、N−ベンジルピロリル基、N−フェニルピロリル基、N−トリルピロリル基、N−アリルピロリル基、N−ブテニルピロリル基、N−ペンテニルピロリル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、チアジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフリル基、インド−3−イル基等のヘテロアリール基;
ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、1,2,2−トリシアノビニル基等のアルケニル基等を挙げることができる。
【0041】
8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の例としては、前記のアルキル基、アラルキル基、アリール基が挙げられる。
【0042】
9のハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子が挙げられる。
【0043】
9のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−メチルヘキシルオキシ基、3−メチルヘキシルオキシ基、4−メチルヘキシルオキシ基、5−メチルヘキシルオキシ基、1,1−ジメチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルペンチルオキシ基、1,3−ジメチルペンチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、2,2−ジメチルペンチルオキシ基、2,3−ジメチルペンチルオキシ基、2,4−ジメチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルペンチルオキシ基、3,4−ジメチルペンチルオキシ基、1−エチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルブトキシ基、1,1,3−トリメチルブトキシ基、1,2,3−トリメチルブトキシ基、1,2,2−トリメチルブトキシ基、1,3,3−トリメチルブトキシ基、2,3,3−トリメチルブトキシ基、1−エチル−1−メチルブトキシ基、1−エチル−2−メチルブトキシ基、1−エチル−3−メチルブトキシ基、2−エチル−1−メチルブトキシ基、2−エチル−3−メチルブトキシ基、1−n−プロピルブトキシ基、1−イソプロピルブトキシ基、1−イソプロピル−2−メチルプロポキシ基、メチルシクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2−メチルヘプチルオキシ基、3−メチルヘプチルオキシ基、4−メチルヘプチルオキシ基、5−メチルヘプチルオキシ基、6−メチルヘプチルオキシ基、1,1−ジメチルヘキシルオキシ基、1,2−ジメチルヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルヘキシルオキシ基、1,5−ジメチルヘキシルオキシ基、2,2−ジメチルヘキシルオキシ基、2,3−ジメチルヘキシルオキシ基、2,4−ジメチルヘキシルオキシ基、2,5−ジメチルヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルヘキシルオキシ基、3,4−ジメチルヘキシルオキシ基、3,5−ジメチルヘキシルオキシ基、4,4−ジメチルヘキシルオキシ基、4,5−ジメチルヘキシルオキシ基、1−エチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルヘキシルオキシ基、4−エチルヘキシルオキシ基、1−n−プロピルペンチルオキシ基、2−n−プロピルペンチルオキシ基、1−イソプロピルペンチルオキシ基、2−イソプロピルペンチルオキシ基、1−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、3,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、3,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、1−n−ブチルブトキシ基、1−イソブチルブトキシ基、1−sec−ブチルブトキシ基、1−tert−ブチルブトキシ基、2−tert−ブチルブトキシ基、1−n−プロピル−1−メチルブトキシ基、1−n−プロピル−2−メチルブトキシ基、1−n−プロピル−3−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−1−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−2−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−3−メチルブトキシ基、1,1−ジエチルブトキシ基、1,2−ジエチルブトキシ基、1−エチル−1,2−ジメチルブトキシ基、1−エチル−1,3−ジメチルブトキシ基、1−エチル−2,3−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,1−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,2−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,3−ジメチルブトキシ基、2−エチル−2,3−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、エチルシクロヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデカニルオキシ基、2−デカリノキシ基、4−(t−ブチル)シクロヘキシルオキシ基、イコサニルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖アルコキシ基、または炭素数1〜10の分岐又は環状のアルコキシ基等が挙げられる。
【0044】
9のアラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、3−フェニルプロポキシ基、1−ナフチルメトキシ基、2−ナフチルメトキシ基、1−ナフチルエトキシ基、2−ナフチルエトキシ基、ビフェニルメトキシ基、2−アントラキノイルメトキシ基、4−エチルフェニルメトキシ基、4−p−イソプロピルフェニルメトキシ基、4−t−ブチルフェニルメトキシ基、p−イソプロピルフェニルエトキシ基、t−ブチルフェニルエトキシ基、4−t−ブチルフェニルエトキシ基、トリルメトキシ基、トリルエトキシ基、2,3−ジメチルフェニルメトキシ基、2,4−ジメチルフェニルメトキシ基、2,5−ジメチルフェニルメトキシ基、2,6−ジメチルフェニルメトキシ基、2,4、6−トリメチルフェニルメトキシ基、2−クロロフェニルメトキシ基、3−クロロフェニルメトキシ基、4−クロロフェニルメトキシ基、2−ブロモフェニルメトキシ基、3−ブロモフェニルメトキシ基、4−ブロモフェニルメトキシ基、2−フルオロフェニルメトキシ基、3−フルオロフェニルメトキシ基、4−フルオロフェニルメトキシ基、2−メトキシフェニルメトキシ基、3−メトキシフェニルメトキシ基、4−メトキシフェニルメトキシ基、2−エトキシフェニルメトキシ基、3−エトキシフェニルメトキシ基、4−エトキシフェニルメトキシ基、2−n−プロポキシフェニルメトキシ基、3−n−プロポキシフェニルメトキシ基、4−n−プロポキシフェニルメトキシ基、2−イソプロポキシフェニルメトキシ基、3−イソプロポキシフェニルメトキシ基、4−イソプロポキシフェニルメトキシ基、2−n−ブトキシフェニルメトキシ基、3−n−ブトキシフェニルメトキシ基、4−n−ブトキシフェニルメトキシ基、2−イソブトキシフェニルメトキシ基、3−イソブトキシフェニルメトキシ基、4−イソブトキシフェニルメトキシ基、2−t−ブトキシフェニルメトキシ基、3−t−ブトキシフェニルメトキシ基、4−t−ブトキシフェニルメトキシ基、2,3−ジメチルフェニルエトキシ基、2,4−ジメチルフェニルエトキシ基、2,5−ジメチルフェニルエトキシ基、2,6−ジメチルフェニルエトキシ基、2,4、6−トリメチルフェニルエトキシ基、2−クロロフェニルエトキシ基、3−クロロフェニルエトキシ基、4−クロロフェニルエトキシ基、2−ブロモフェニルエトキシ基、3−ブロモフェニルエトキシ基、4−ブロモフェニルエトキシ基、2−フルオロフェニルエトキシ基、3−フルオロフェニルエトキシ基、4−フルオロフェニルエトキシ基、2−メトキシフェニルエトキシ基、3−メトキシフェニルエトキシ基、4−メトキシフェニルエトキシ基、2−エトキシフェニルエトキシ基、3−エトキシフェニルエトキシ基、4−エトキシフェニルエトキシ基、2−n−プロポキシフェニルエトキシ基、3−n−プロポキシフェニルエトキシ基、4−n−プロポキシフェニルエトキシ基、2−イソプロポキシフェニルエトキシ基、3−イソプロポキシフェニルエトキシ基、4−イソプロポキシフェニルエトキシ基、2−n−ブトキシフェニルエトキシ基、3−n−ブトキシフェニルエトキシ基、4−n−ブトキシフェニルエトキシ基、2−イソブトキシフェニルエトキシ基、3−イソブトキシフェニルエトキシ基、4−イソブトキシフェニルエトキシ基、2−t−ブトキシフェニルエトキシ基、3−t−ブトキシフェニルエトキシ基、4−t−ブトキシフェニルエトキシ基、フルオレン−9−イルオキシ基、9−メチルフルオレン−9−イルオキシ基、9−エチルフルオレン−9−イルオキシ基、9−プロピルフルオレン−9−イルオキシ基、9−ブチル−フルオレン−9−イルオキシ基等のアラルキルオキシ基等が挙げられる。
【0045】
9のアリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アンスラニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ヘキシルフェニルオキシ基、シクロヘキシルフェニルオキシ基、オクチルフェニルオキシ基、2−メチル−1−ナフチルオキシ基、3−メチル−1−ナフチルオキシ基、4−メチル−1−ナフチルオキシ基、5−メチル−1−ナフチルオキシ基、6−メチル−1−ナフチルオキシ基、7−メチル−1−ナフチルオキシ基、8−メチル−1−ナフチルオキシ基、1−メチル−2−ナフチルオキシ基、3−メチル−2−ナフチルオキシ基、4−メチル−2−ナフチルオキシ基、5−メチル−2−ナフチルオキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基、7−メチル−2−ナフチルオキシ基、8−メチル−2−ナフチルオキシ基、2−エチル−1−ナフチルオキシ基等の炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が置換したアリールオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,4−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニルオキシ基、3,4−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,6−ジメトキシフェニルオキシ基、2,3,4−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,6−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,6−トリメトキシフェニルオキシ基、3,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、ブトキシフェニルオキシ基、ヘキシルオキシフェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基、2−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、1−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、2−エトキシ−1−ナフチルオキシ基等の炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が置換したアリールオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、ヨードフェニルオキシ基、フルオロフェニルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等のハロゲン原子が置換したアリールオキシ基、トリフルオロメチルフェニルオキシ基等のハロゲン化アルキル基が置換したアリールオキシ基、N−メチルアミノフェニルオキシ基、N,N−ジメチルアミノフェニルオキシ基、N,N−ジエチルアミノフェニルオキシ基、N−フェニル−N−メチルアミノフェニルオキシ基、N−トリル−N−エチルアミノフェニルオキシ基、N−クロロフェニル−N−シクロヘキシルアミノフェニルオキシ基、N,N−ジトリルアミノフェニルオキシ基等のN−モノ置換アミノアリールオキシ基、N,N−ジ置換アミノアリールオキシ基、メチルチオフェニルオキシ基、エチルチオフェニルオキシ基、メチルチオナフチルオキシ基、フェニルチオフェニルオキシ基等のアルキルチオアリールオキシ基、アリールチオアリールオキシ基、等の置換又は無置換のアリールオキシ基が挙げられる。
【0046】
以下の表−1に一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0047】
【表1】
Figure 0004007684
【0048】
【表2】
Figure 0004007684
【0049】
【表3】
Figure 0004007684
【0050】
【表4】
Figure 0004007684
【0051】
【表5】
Figure 0004007684
【0052】
本発明の一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物は、代表的には、例えば、臭化水素酸やトリフルオロ酢酸等の酸の存在下、一般式(2)
4−CHO (2)
(式中、R4は前記に同じ。)
で表される化合物と一般式(3)および/または一般式(4)
【0053】
【化3】
Figure 0004007684
(式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7は前記に同じ。)
で表される化合物とを反応させた後、空気酸化、あるいはクロラニル等の酸化剤等で酸化し、続いて三ハロゲン化ホウ素と反応することにより、一般式(5)
【0054】
【化4】
Figure 0004007684
(式中、R1〜R7は前記に同じであり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を表す。)
で表される化合物を得た後、最後にXで表されるハロゲン原子の一方又は両方を置換して一般式(1)で示されるジピロメテンホウ素錯化合物を容易に製造できる。
【0055】
また、本発明記載の一般式(1)のR4が水素原子のジピロメテンホウ素錯化合物については、別法として例えば、臭化水素酸等の酸の存在下、前記一般式(3)と、一般式(6)
【0056】
【化5】
Figure 0004007684
(式中、R1、R2、R3は前記に同じ。)
で表される化合物とを反応させた後、続いて三ハロゲン化ホウ素と反応することにより、一般式(7)
【0057】
【化6】
Figure 0004007684
(式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7は前記に同じであり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を表す。)
で表される化合物を得た後、最後に前記同様にハロゲン原子を置換して容易に製造できる。
【0058】
ハロゲン置換の方法は、例えば、アルコール系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系あるいはアミド系等の溶媒中で、一般式(8)
M−OR8 (8)
(式中、R8は前記と同じであり、Mはナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子などのアルカリ金属原子を示す。)で示される化合物および/または一般式(9)
M’−Z (9)
(式中、Zはアルコキシ基、アリールオキシ基、またはアラルキルオキシ基であり、M’はナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子などのアルカリ金属原子を示す。)で示される化合物等を使用し、容易に置換することができる。
【0059】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、光増感剤として一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物を、少なくとも1種含有するものであり、さらに、その他の公知の光増感剤を含有していてもよい。
【0060】
その他の公知の光増感剤としては、一般に使用されている光増感剤であれば特に限定はされないが、ケトクマリン、クマリン−6および特開平4−18088号公報に記載されたクマリン化合物等が挙げられる。
【0061】
この場合、光増感剤中の一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の含有量としては、特に制限はないが、本発明で所望の効果を得るためには、光増感剤中の一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の含有量は、10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20重量%以上であり、さらに好ましくは30重量%以上であり、50重量%以上含有する光増感剤は特に好ましい。
【0062】
光増感剤(D)の使用量は、光増感剤(D)の種類や量、相互作用すべき光硬化性樹脂成分(A)の種類により異なるが、通常、光硬化性樹脂成分(A)100重量部当たり、光増感剤(D)の使用量が0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部の範囲内が適当である。本化合物の使用量が0.1重量部より少なすぎると、形成される被膜の感光性が低下する傾向があり、10重量部より多くなると、溶解性の点から、組成物を均一な状態に保つことが困難になる傾向が見られる。
【0063】
本発明で使用する可視光硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外に必要に応じて上記以外の光重合性不飽和化合物(樹脂)を配合することができる。このものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0064】
上記したその他の光重合性不飽和化合物は組成物の総合計量(固形分)で約0〜40重量%、特に約5〜50重量%の範囲が好ましい。
【0065】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、密着促進剤;紫外線に対して有効な光重合開始剤や増感剤;ハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、N,N−ジフェニル−p−フエニレンジアミンなどの重合禁止剤;有機樹脂微粒子、着色顔料、体質顔料などの各種顔料類;酸化コバルトなどの金属酸化物;フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、トリクレジルフオスフエート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの可塑剤;有機溶剤などを含有することができる。
【0066】
上記密着促進剤は、基板に対するレジスト膜の密着性を向上させるために配合されるものであり、例えば、テトラゾール、1−フエニルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−アミノ−1−メチルテトラゾール、5−アミノ−2−フエニルテトラゾール、5−メルカプト−1−フエニルテトラゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、5−メチルチオテトラゾール、5−クロロ−1−フエニル−1H−テトラゾール等のテトラゾール類を挙げることができる。
【0067】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、一般に用いられている公知の感光性材料、例えば、塗料、インキ、接着剤、レジスト材、刷版材(平板や凸版用製版材、オフセット印刷用PS板等)、情報記録材料、レリーフ像作製材料等幅広い用途への使用が可能である。
【0068】
次に、本発明の可視光硬化性樹脂組成物の代表的なレジスト材(例えば、一般的なネガ型感光性レジスト材料及び電着塗装用ネガ型レジスト材料)について説明する。
【0069】
一般的なネガ型感光性レジスト材料としては、例えば、本発明の可視光硬化性樹脂組成物を溶剤(水も含む)に分散もしくは溶解(着色剤に顔料を用いた場合は顔料を微分散)させて、感光液を調製し、これを支持体上に、例えば、ローラー、ロールコーター、スピンコーター等のごとき塗布装置を用いて塗布し、乾燥する方法により、これをネガ型レジスト材料として用いることができる。
【0070】
可視光硬化性樹脂組成物を溶解もしくは分散するために使用する溶剤としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタン等)、アルコール(エチルアルコール、ベンジルアルコール等)、その他(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等が挙げられる。
【0071】
また、支持体としては、例えば、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、鉄等の金属またはそれらを成分とした合金のシートまたはこれらの金属で表面を処理したプリント基板、プラスチック、ガラスまたはシリコンウエハー、カーボン等が挙げられる。
【0072】
また、電着塗装用ネガ型レジスト材料として用いる場合は、最初に本発明の可視光硬化性樹脂組成物を水分散化物とするか、または水溶液化物とする。
【0073】
可視光硬化性樹脂組成物の水分散化または水溶化は、▲1▼光硬化性樹脂中にカルボキシル基等のアニオン性基が導入されている場合にはアルカリ(中和剤)で中和するか、または▲2▼アミノ基等のカチオン性基が導入されている場合には、酸(中和剤)で中和することによって行われる。その際に使用されるアルカリ中和剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジイソブチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルアミノエタノール等のアルキルアルカノールアミン類;シクロヘキシルアミン等の脂環族アミン類;カセイソーダ、カセイカリ等のアルカリ金属水酸化物;アンモニア等が挙げられる。また、酸中和剤としては、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、酪酸等のモノカルボン酸が挙げられる。これらの中和剤は単独でまたは混合して使用できる。中和剤の使用量は可視光硬化性樹脂組成物中に含まれるイオン性基1当量当たり、一般に0.2〜1.0当量、特に0.3〜0.8当量の範囲が望ましい。
【0074】
水溶化または水分散化した樹脂成分の流動性をさらに向上させるために、必要により、上記可視光硬化性樹脂組成物に親水性溶剤、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等を加えることができる。かかる親水性溶剤の使用量は、一般には、樹脂固形成分100重量部当たり、300重量部まで、好ましくは100重量部までとすることができる。
【0075】
また、被塗装物への塗着量を多くするため、上記可視光硬化性樹脂組成物に対し、疎水性溶剤、例えば、トルエン、キシレン等の石油系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類等も加えることができる。これらの疎水性溶剤の配合量は、樹脂固形成分100重量部当たり、通常、200重量部まで、好ましくは、100重量部以下とすることができる。
【0076】
電着塗料として可視光硬化性樹脂組成物の調製は、従来から公知の方法で行うことができる。例えば、前記の中和により水溶化された光硬化性樹脂成分(A)、光反応開始剤(B)、ラジカル保護化合物(C)、光増感剤(D)、さらに必要に応じ、溶剤およびその他の成分をよく混合し、水を加えることにより調製することができる。
【0077】
このようにして調製された可視光硬化性樹脂組成物は、通常の方法で、さらに水で希釈し、例えば、pHが4〜9の範囲内、浴濃度(固形分濃度)3〜25重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲内の電着塗料(または電着浴)とすることができる。
【0078】
上記のようにして調製された電着塗料は、次のようにして被塗物である導体表面に塗装することができる。すなわち、まず、浴のpHおよび浴濃度を上記の範囲に調整し、浴温度を15〜40℃、好ましくは15〜30℃に管理する。次いで、このように管理された電着塗装浴に、塗装されるべき導体を電着塗料がアニオン型の場合には陽極として、また、カチオン型の場合には陰極として、浸漬、5〜200Vの直流電流を通電する。通電時間は10秒〜5分が適当である。
【0079】
また、該電着塗装方法において、被塗物にガラス転移温度の低い電着塗料を塗装し、次いで水洗又は水洗乾燥後、更にガラス転移温度20℃以上の電着塗料を塗装する方法(特開平2−20873号公報参照)、即ちダブルコート電着塗装を行うこともできる。
【0080】
得られる膜厚は乾燥膜厚で、一般に0.5〜50μm、好適には、1〜20μmである。電着塗装後、電着浴から被塗物を引き上げ水洗いした後、電着塗膜中に含まれる水分等を熱風等で乾燥、除去する。
【0081】
導体としては、金属、カーボン、酸化錫等の導電性材料またはこれらを積層、メッキ等によりプラスチック、ガラス表面に固着させたものが使用できる。
【0082】
上記のようにして導体表面に形成される可視光レジスト材料、および、電着塗装によって得られる可視光レジスト電着塗膜は、画像に応じて、可視光で露光し、硬化させ、非露光部を現像処理によって除去することにより、画像を形成することができる。
【0083】
露光のための光源としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等の各光源により得られる光源のうち、紫外線を紫外カットフィルターによりカットした可視領域の光線や、可視領域に発振線を持つ各種レーザー等が使用できる。高出力で安定なレーザー光源として、アルゴンレーザー、あるいはYAGレーザーの第二高調波が好ましい。
【0084】
現像処理は、非露光部膜がアニオン性の場合にはアルカリ水溶液を用いて、また、カチオン性の場合にはpH5以下の酸水溶液を用いて洗い流すことにより行われる。アルカリ水溶液は通常、カセイソーダ、炭酸ソーダ、カセイカリ、アンモニア水等塗膜中に有する遊離のカルボン酸と中和して水溶性を与えることのできるものが、また、酸水溶液は酢酸、ギ酸、乳酸等が使用可能である。
【0085】
また、イオン性基を持たない光硬化性樹脂(A)の場合の現像処理は、1,1,1−トリクロロエタン、トリクレン、メチルエチルケトン、塩化メチレン等の溶剤を使って未露光部を溶解することによって行う。現像した後の塗膜は、水洗後、熱風等により乾燥され、導体上に目的とする画像が形成される。また、必要に応じて、エッチングを施し、露出した導体部を除去した後、レジスト膜を除去し、プリント回路板の製造を行うこともできる。
【0086】
【実施例】
実施例により本発明をさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0087】
実施例1
光硬化性樹脂成分(高分子バインダー)としてメチルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシフェニルメタクリレート/ベンジルメタクリレート=50/20/10/20の混合物の重合体100部、トリメチロールプロパントリアクリレート55部、下記式(A)の化合物の光増感剤5部、光反応開始剤として下記式(a)のチタノセン化合物20部、ラジカル保護化合物としてN,N−ジメチルアニリン3部及び溶剤としてメチルセロソルブ160部を用いて感光液を調製した。
【0088】
上記のようにして得た感光液を、表面に厚さ18μmの銅層を有する、板厚2mm、大きさ350×460mmの銅張りガラス繊維強化エポキシ基板にバーコータにて塗布し、60℃で10分間乾燥し乾燥膜厚5μmのレジスト膜を得た。
【0089】
上記レジスト膜形成基板に、21段ステップタブレットフィルムを通して、波長488nmのアルゴンイオンレーザー照射装置によって露光量が3mJ/cm2となるように可視光レーザーをスキャン方式にて空気中で照射した。ついで上記露光後のレジスト膜形成基板を60℃で10分間加熱した後、30℃の1%炭酸ソーダ水溶液(現像液)に1分間浸漬して現像を行いレジスト膜の未硬化部分を除去した。現像後のレジストのステップタブレット感度は7段であった。ここで、ステップタブレット感度とは、段階的に異なった光透過率を有するフィルム(ここでは21段のステップタブレットフィルム)を用い、露光、現像させた場合に良好なレジストパターン(硬化性)を示す最低光透過率の段数を意味する。段数が大きいほどフイルムの光透過率が低くなり、良好なレジストパターンを示す段数が大きいほど良好な感度であることを示す。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)を上記のレジスト膜に光照射したところ、露光量が3mJ/cm2で現像後のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0090】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0091】
【化7】
Figure 0004007684
【0092】
【化8】
Figure 0004007684
【0093】
実施例2〜34,36〜45
実施例1において、光増感剤として表−1の1−2〜1−34、1−36〜1−45を使用した以外は実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。現像後のレジストのステップタブレット感度は全て7段で良好であった。
【0094】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0095】
実施例46
実施例1において、アクリル樹脂100部に代えて、メチルアクリレート/スチレン/アクリル酸=60/10/30のラジカル共重合体(酸価約233)にグリシジルメタクリレート35部を付加反応させて得られる光硬化性樹脂(酸価約70、不飽和度1.83モル/kg)100部を使用し、実施例1と同様の組成の感光液を調製した。これを用いて、実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。現像後のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0096】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0097】
実施例47
実施例1において、アクリル樹脂100部に代えて、該アクリル樹脂50部及び実施例46で使用した光硬化性樹脂50部の混合物を使用し、実施例1と同様の組成の感光液を調製した。これを用いて、実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。現像後のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0098】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0099】
実施例48
実施例1において、アクリル樹脂100部およびトリメチロールプロパントリアクリレート55部に代えて、実施例46で使用した光硬化性樹脂155部を使用し、実施例1と同様の組成の感光液を調製した。これを用いて、実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。現像後のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0100】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0101】
実施例49
実施例46で得られた感光液100部(固形分)にトリエチルアミン7部を混合攪拌した後、脱イオン水中に分散して水分散樹脂溶液(固形分15%)を得た。
【0102】
得られた水分散樹脂溶液を電着塗装浴として、積層銅板を陽極とし、乾燥膜厚が5μmとなるようにアニオン電着塗装を行った後、水洗し、80℃で5分間乾燥を行い電着塗膜感光層を得た。この感光層を用いて、実施例1と同様に試験を行った。現像後のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0103】
また、未感光の感光層を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0104】
実施例50
メチルアクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート=20/10/22/30/18のラジカル共重合体にアクリル酸15部を付加反応させて得られる光硬化性樹脂(アミン価約56、不飽和度1.83モル/kg)100部、表−1の1−1の化合物5部、トリメチロールプロパントリアクリレート55部、実施例1で使用したチタノセン化合物20部を混合して得られる感光液100(固形分)に酢酸3部を配合した後、脱イオン水中に分散して水分散樹脂溶液(固形分15%)を得た。
【0105】
得られた水分散樹脂溶液を電着塗装浴として、積層銅板を陰極とし、乾燥膜厚が5μmとなるようにカチオン電着塗装を行った後、水洗し、80℃で5分間乾燥を行い電着塗膜感光層を得た。この感光層を用いて、実施例1と同様に試験を行った。現像後のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0106】
また、未感光の感光層を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。なお、現像液として1%炭酸ナトリウム水溶液に代えて2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を使用した。
【0107】
実施例51
実施例1においてラジカル保護化合物のN,N−ジメチルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使用した以外は実施例1と同様のものを使用して感光液を調製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。その結果、現像液のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0108】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0109】
実施例52
実施例46においてラジカル保護化合物のN,N−ジメチルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使用した以外は実施例46と同様のものを使用して感光液を調製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。その結果、現像液のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0110】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0111】
実施例53
実施例47においてラジカル保護化合物のN,N−ジメチルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使用した以外は実施例47と同様のものを使用して感光液を調製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。その結果、現像液のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0112】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0113】
実施例54
実施例48においてラジカル保護化合物のN,N−ジメチルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使用した以外は実施例48と同様のものを使用して感光液を調製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。その結果、現像液のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0114】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0115】
実施例55
実施例49においてラジカル保護化合物のN,N−ジメチルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使用した以外は実施例49と同様のものを使用して感光液を調製した。これを用いて実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。その結果、現像液のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0116】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0117】
実施例56
実施例50においてラジカル保護化合物のN,N−ジメチルアニリン3部に代えてトリエチル亜燐酸を5部を使用した以外は実施例50と同様のものを使用して感光液を調製した。これを用いて実施例50と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。その結果、現像液のレジストのステップタブレット感度は7段で良好であった。
【0118】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度に変化は認められなかった。
【0119】
比較例1
実施例1において、光増感剤として下記式(d)の化合物を使用し、更に、ラジカル保護化合物であるN,N−ジメチルアニリン3部を使用しない以外は、実施例1と同様の組成の感光液を調製した。これを用いて、実施例1と同様にレジスト膜の形成及び試験を行った。現像後のレジストのステップタブレット感度は3段で悪かった。
【0120】
また、未感光のレジスト膜を室温で6ヶ月間放置した後に、同様の評価を行ったところ、前記の感光感度が3段で悪かった。
【0121】
【化9】
Figure 0004007684
【0122】
【発明の効果】
本発明において、特定の化合物を光増感剤として含有する可視光硬化性樹脂組成物は実用上極めて有用性の高い組成物である。従来、レジスト材料として光硬化反応を用いたプリント基板の分野で、プリント回路図を、そのまま直接レーザーを用いて出力し記録する方式では、感光層の経時安定性が低く、また、感度が低く、溶解性、保存安定性等の問題があった。
【0123】
しかし、本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、基本樹脂と光増感剤の相溶性が極めてよく、かつ、汎用の塗布溶液に溶解し、支持体上で均一、かつ、経時保存安定性に優れた塗面を得ることができる。
【0124】
また、本発明で使用する光増感剤は、488nmおよび514.5nmに安定な発振線を持つアルゴンレーザーや第二高調波として532nmに輝線を持つYAGレーザー等の汎用可視レーザーに対して、非常に高い感度を有するため、本発明の可視光硬化性樹脂組成物を用いて得られたレジスト材料は、このようなレーザーにより高速走査露光が可能である。また、高速走査露光により画像を形成した場合、極めて微細な高解像度の画像が得られる。
【0125】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物から得られるレジスト膜は、特定のラジカル保護化合物(C)を含有しているので、可視光レーザーの照射によりレジスト膜中に発生したラジカルが酸素によって失活し、レジスト膜が硬化阻害を起こすのを防止することができる。すなわち、本発明の可視光硬化性樹脂組成物を用いれば、感度の良好なレジスト膜を形成することができる。
【0126】
一般に酸素による硬化阻害が起きると、レジスト膜表面付近において硬化度が不足するため、形成されるレジストパターンの断面形状がカマボコ状となるが、本発明可視光硬化性樹脂組成物は、酸素による硬化阻害を防止できるので、断面が矩形状のレジストパターンの形成が可能である。

Claims (3)

  1. 下記成分
    (A)光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分
    (B)光反応開始剤、
    (C)亜燐酸エステル化合物および芳香環を形成する炭素原子に結合したN,N−ジメチルアミノ基を有する芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種のラジカル保護化合物、及び
    (D)下記一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の少なくとも1種を含んでなる光増感剤を含有することを特徴とする可視光硬化性樹脂組成物。
    Figure 0004007684
    〔式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アリールアミノカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、モノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、モノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基、ジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基またはアルケニル基を表し、R4は水素原子、シアノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルケニル基を表し、R8は、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、R9は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアラルキルオキシ基を示す。〕
  2. 請求項1記載の可視光硬化性樹脂組成物と溶剤とを含有してなる可視光硬化材料用組成物。
  3. 請求項1記載の可視光硬化性樹脂組成物を基材上有してなる可視光硬化材料。
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