JP3993698B2 - 可視光硬化性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の安全光で用いる特異な構造を有するジピロメテン系ホウ素化合物の光増感剤を含有してなる可視光硬化性樹脂組成物に係わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、光重合反応を用いた情報、あるいは画像記録の分野で、従来のフィルム原稿等を用いた紫外線による記録方法に代わり、コンピューターによって電子編集された原稿を、そのまま、高出力レーザーを用いて直接出力し、記録する方法が検討されている。この方法は、レーザーによる直接書き込みにより、記録、画像形成工程が、大幅に簡略化できるという利点を持つ。
【0003】
現在、一般的に使用されている高出力で安定なレーザー光源は、可視領域にその出力波長を有するものが多い。具体的には、波長488nmおよび514.5nmに安定な発振線を持つアルゴンレーザー、あるいは第二高調波として532nmに輝線を持つYAGレーザー等が汎用されている。そのため、それらの波長に対して高感度な化合物が望まれているが、従来使用されてきた紫外線用の感光剤では、可視領域での感度が低いため使用できなかった。また、ピリリウム塩、またはチオピリリウム塩類等の添加で、可視部での感度の向上は可能ではあるが、その感光層の保存安定性が低く、使用するのが困難であった。
【0004】
可視領域に感光性を有する化合物として、例えば、7−ジエチルアミノ−3−ベンゾチアゾイルクマリン(慣用名:クマリン−6)、あるいは、ビス〔3−(7−ジエチルアミノクマリル)〕ケトン(慣用名:ケトクマリン)が知られているが、これらは、最大吸収波長が450nm前後にあるために、アルゴンレーザーの488nmよりは短波長であり、感度が不十分である。また、特開平4−18088号公報に記載の4−置換−3−ベンゾチアゾイルクマリン化合物は、アルゴンレーザーの488nmには高感光性を示すものの、514.5nmあるいはYAGレーザーの第二高調波である532nmには吸収をほとんど持たず、感度向上の余地を残していた。
【0005】
また、上記のような可視光線で硬化させる可視光硬化性樹脂組成物は、このものを取り扱う場合には、暗赤色の着色剤を外管にコーテングもしくは暗赤色のフィルムを外管に巻き付けることにより着色した蛍光灯等の電灯を安全光(作業灯)として使用されている。しかしながら、このような暗赤色の安全光の環境下では、塗布後の塗膜状態の検査が容易ではないこと、塗装装置、照射装置、輸送装置等の検査が容易でないことなどから安全作業性、作業効率、製品品質安定性等が劣るといった問題点があった。また、着色しない蛍光灯を安全灯として使用した場合には作業環境は明るく問題ないが、感光性樹脂によっては感光が必要のない箇所まで感光する恐れがあり問題となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、明るい安全光の条件下で取り扱うことが可能な感度に優れた可視光硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】
本発明者らは、上記した問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の安全光で使用する特定の光硬化性樹脂組成物を開発することにより従来からの問題点を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、
1.ナトリウムを主成分とする放電ランプ(光波長が589nmのD線を主体とするもの)を安全光とし、該安全光の照射環境下で使用する可視光硬化性樹脂組成物であり、該組成物が光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分(A)、光反応開始剤(B)及び下記一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物を少なくとも1種含む光増感剤(C)とを含有した可視光硬化性樹脂組成物であって、その組成物を乾燥膜厚0.5〜50μmの未感光被膜とした場合の吸光度が、安全光の最大波長589nmの±30nmの範囲において0.5以下であることを特徴とする可視光硬化性樹脂組成物、
【0009】
【化2】
〔式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アリールアミノカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルアルコキシカルボニル基、モノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、ジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基、モノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基、ジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基またはアルケニル基を表し、R4は水素原子、シアノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアルケニル基を表し、R8は、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、R9は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアラルキルオキシ基を示す。〕
【0010】
2.上記の可視光硬化性樹脂組成物と溶剤とを含有してなる可視光硬化材料用組成物、
3.ナトリウムを主成分とする放電ランプ(光波長が589nmのD線を主体とするもの)を安全光とし、該安全光の照射環境下で使用する可視光硬化材料であって、基材上に、光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分(A)、光反応開始剤(B)及び上記一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物を少なくとも1種含む光増感剤(C)とを含有した可視光硬化性樹脂組成物の乾燥膜厚0.5〜50μmの未感光被膜を形成して成り、該未感光被膜の吸光度が、安全光の最大波長589nmの±30nmの範囲において0.5以下であることを特徴とする可視光硬化材料
に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は可視光に対して硬化性に優れた硬化性樹脂組成物であり、本発明で使用する安全光が、本発明の可視光硬化性樹脂組成物に対して硬化反応を起こさない安全光であるとともに、使用する安全光が人の比視感度の高い領域であることから従来のものと比較して同一照明光強度において非常に明るく感じることにより安全作業性、作業効率、製品の品質安定性等に優れた効果を発揮する。
【0012】
なお、本発明で言う「可視光硬化性材料用組成物」とは、例えば、塗料、インキ、接着剤、刷版材、レジスト材及びこれらのものから形成される未感光被膜等を意味するものである。
【0013】
従来の安全光は蛍光灯を赤色に着色したものが使用されているが、蛍光灯の発光スペクトルは紫外光〜可視光の広い範囲に及ぶ波長領域(図5)を持つため、硬化を必要としな可視光硬化性樹脂被膜部までも硬化させ、現像処理により鮮明なレジストパターンが形成できなくなる、このために照明光の強度を小さくして対応しているので更に作業環境が暗くなるといった問題点がある。これに対して、本発明で使用する安全光は、例えば、ナトリウムランプのようにシャープな波長を有することから上の様な問題は解消される。
【0014】
つまり、本発明で使用する安全光は、500〜620nm、好ましくは510〜600nmの範囲から選ばれた最大波長を有する比視感度の大きい可視光線である。この安全光は、例えばナトリウム等のガス中で放電させることにより上記した範囲に最大波長を有する光線を発する放電ランプを使用して得ることができる。これらの中でもナトリウムランプはランプから放射される光が波長589nmの黄色のD線を主体としており、単色光であるため色収差が少なく、物体をシャープに見せることができるので安全性、作業環境性等に優れる。図1に低圧ナトリウムランプの分光分布図を示す。該ナトリウムランプ分光分布図に示すように、ナトリウムランプの最大波長であるD線以外に、可視光硬化性樹脂組成物に悪影響を及ぼさない程度に高エネルギー波長成分(低波長領域)を有していても構わない。
【0015】
また、ナトリウムランプにフィルターを施すことによりD線以外の高エネルギー波長成分をカットしたものも安全光として使用することができる。このように高エネルギー波長成分をカットしたナトリウムランプの分光分布を図2に示す。該フィルターとしては、例えば、「ファンタックFD−1081 スカーレット」、「ファンタックFC−1431 サンフラワー イエロー」(以上、関西ペイント(株)社製、商標名)、「リンテック ルミクールフィルムNO.1905」(リンテック(株)社製、商標名)等が挙げられる。
【0016】
また、本発明で使用する安全光は、ナトリウムランプのように光線が589nmのシャープな単光色を使用することが好ましいが、最大波長が上記した範囲内にある以外に、紫外光領域、前記範囲以外の可視光領域、赤外光領域の波長範囲に分布した波長成分を持つ安全光を使用しても構わない。但し、この様な分布した波長成分を持つ安全光を使用する場合には該分布した波長成分が可視光硬化性樹脂組成物に対して悪影響(感光)を及ぼさない安全な光の領域であることが必要である。
【0017】
このような安全な高エネルギー光波長領域(低波長領域)は、分布した光線のエネルギー強度とその領域における可視光硬化性樹脂組成物の吸光度に関係し、光線のエネルギー強度が大きい場合はその組成物の吸光度の小さいもの、光線のエネルギー強度が小さい場合はその組成物の吸光度が前者のものよりも比較的大きなものまで使用することができるので、これらを考慮して該組成物に対して悪影響を及ぼさない程度に高エネルギー光波長領域を持つことができる。しかしながら、安全光として最大波長を500〜620nmの範囲に持つ通常の蛍光灯を使用したとしても、このものは500nm未満、特に400〜499nmに大きな光エネルギー強度を持つため、特に488nm又は532nm等に発振線を有する可視光レーザーで感光させる可視光硬化性樹脂組成物の安全光として使用することができない。
【0018】
本発明で定義する吸光度は、−log(I/I0)の式で表される。但しIは透明基材の表面に可視光硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥(溶剤を除去)を行った被膜の透過光の強度、I0はブランク[試料(可視光硬化性樹脂組成物)を塗布するための透明基材(例えば、ポリエチレンテレフタレートシート)]の透過光の強度を表す。
【0019】
光が人間の目でどの程度明るく感じられるかは、比視感度で表すことができる。比視感度は、JIS Z8113の2005に定義されているように、特定の観測条件において、ある波長λの単色放射が比較の基準とする放射と等しい明るさであると判断された時の、波長λの単色放射の放射輝度の相対値の逆数、通常、λを変化させた時の最大値が1になるように規準化したものと定義される。図3に可視光の波長領域である380〜780nmの比視感度曲線を示す。図3において縦軸は比視感度の最大値を100としてその比率を示した。この曲線から従来の赤の波長領域である640〜780nmでは比視感度が低く、人間の目には暗く感じられ、例えば、波長589nmと同じ明るさを感じさせるためには更に放射強度を強くしなければならないことが分かる。また、視感度の最大値は約555nm(JIS−Z8113 2008)である。
【0020】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分(A)、光反応開始剤(B)(例えば光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤等)及び特異な構造を有する有機ホウ素化合物の光増感剤(C)とを含有した可視光硬化性樹脂組成物であって、その組成物から形成される未露光被膜の吸光度が安全光の最大波長589nmの±30nmの範囲(−30nm〜+30nm)、好ましくは±20nmの範囲(−20nm〜+20nm)、更には±10nmの範囲(−10nm〜+10nm)に対して0.5以下、好ましくは0.2以下、更には0.1以下のものであれば、何れのものも使用することができる。
【0021】
本発明で使用する光硬化性樹脂成分(A)は、一般的に使用されている光照射により架橋しうる感光性基を有する光硬化性樹脂成分であれば特に限定されるものではない。該樹脂成分としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物で、モノマー、プレポリマー、2量体、3量体等のオリゴマー、それらの混合物、ならびにそれらの共重合体が挙げられる。また、これ以外に、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ノボラック系樹脂及びこれらの二種以上の変性樹脂に光重合性不飽和基が結合したものが挙げられる。光重合性不飽和基としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、アジド基等が挙げられる。
【0022】
上記した光硬化性樹脂成分(A)において、単官能及び多官能(メタ)アクリレートが一般的であり、例えば、特開平3−223759号公報の第2頁右下欄第6行〜第6頁左下欄第16行に記載の感光性基として(メタ)アクリロイル基を含むアニオン性光硬化性樹脂、感光性基としてシンナモイル基を含む光硬化性樹脂、感光性基としてアリル基を含む光硬化性樹脂などが挙げられる。これらの光硬化性樹脂成分(A)は下記光ラジカル重合開始剤と組み合わせて使用することが好ましい。これらの光硬化性樹脂成分(A)は、単独で使用してもよく、混合してもよい。該公報において、光硬化性樹脂成分(a2)のエチレン性不飽和化合物に記載の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル化物の具体例として、分子量300〜1000のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等も使用することができる。
【0023】
また、上記した光硬化性樹脂成分(A)以外に、光酸発生剤から発生する酸を触媒として、重合反応、エーテル化反応、ピナコール転移、シラノール脱水反応、分子内脱水縮合反応、加水分解縮合反応等の反応により硬化(不溶化)する化合物を使用することができる。該化合物としては、例えば、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物類、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロペンタジエンジオキサイド、エポキシシクロヘキセンカルボン酸エチレングリコールジエステル、1,3−ビス[2−{3−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプチル)}エチル]−テトラメチルジシロキサン( J. Polym. Sci. :Part A: Polym.Chem. 28, 479, 1990 参照)等の脂環型エポキシ化合物類、ブチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジ(1−プロペニル)メチルエーテル、トリメチロールプロパンジ(1−プロペニル)ブチルエーテル、トリメチロールプロパンジ(1−プロペニル)オクチルエーテル、トリメチロールプロパンジ(1−プロペニル)フェニルエーテル、トリメチロールプロパンジ(1−プロペニル)エーテルアセテート、トリメチロールプロパンジ(1−プロペニル)エーテルアクリレート、トリメチロールプロパンジ(1−プロペニル)−N−ブチルカーボネート等のビニルエーテル化合物類( J. Polym. Sci. :Part A:Polym. Chem. 34, 2051, 1996参照)、ドデシルアレン(DA)、ジエチレングリコールジアレン(DEGA)、トリエチレングリコールジアレン(TEGA)、1−テトラヒドロフルフリルアレンエーテル(THFA)、n−ヘキシロキシ−1,2−プロパジエン(HA)、1,4−ジ−n−ブトキシ−1,2−ブタジエン(DBB)、1,4−ジエトキシ−1,2−ブタジエン、n−ヘキシルプロパジルエーテル(HPE)等のアルコキシアレン化合物類( J. Polym. Sci. :Part A:Polym. Chem. 33, 2493, 1995参照)、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、フェノキシメチルオキセタン、メトキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン等のオキセタン化合物類(J. Polym. Sci. :Part A: Polym.Chem. 33, 1807, 1995参照)、2−プロピリデン−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−プロピリデン−4−メチル−1,3−ジオキソラン、3,9−ジブチリデン−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のケテンアセタール化合物類( J. Polym. Sci. :Part A: Polym.Chem. 34, 3091, 1996参照)、1−フェニル−4−メチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン等のビシクロオルソエステル化合物類( J. Polym. Sci. :Polym. Lett. Ed. 23, 359,1985参照)、プロピオラクトン、ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウリロラクトン、クマリン等のラクトン化合物類、メトキシ−α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類、ビニルカルバゾール等の複素環ビニル化合物類、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメラミン等のメラミン化合物類、p−ビニルフェノールとp−ビニルベンジルアセテートとの共重合体、トリメチロールベンゼン、トリ(アセトキシカルボニルメチル)ベンゼン等のその他の芳香族化合物類等をあげることができる。これらの化合物は酸のプロトンにより硬化するものであれば、ポリマー構造を有しても構わない。
【0024】
また、光塩基発生剤から発生する塩基を触媒として重合反応、縮合反応により硬化(不溶化)する化合物、例えばエポキシ基やシラノール基等の官能基を含有する化合物を使用することができる。
【0025】
更に、光酸又は塩基発生剤から発生する触媒により硬化する上記した化合物以外に、必要に応じて、従来から公知のアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ゴム、ウレタン樹脂等の不飽和基を含有しない樹脂を配合することができる。
【0026】
本発明で用いられる光反応開始剤(B)としては、光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤を使用することができる。
【0027】
光ラジカル重合開始剤としては、未硬化被膜の吸光度が上記範囲から選ばれた最大波長を有する安全光の最大波長の±30nmの範囲内で0.5以下の範囲に調整できる従来から公知のものを使用することができる。このものとしては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、キサントン、チオキサントン、アントラキノンなどの芳香族カルボニル化合物;アセトフェノン、プロピオフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α,α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、ジアセチルアセトフェノン、アセトフェノンなどのアセトフェノン類;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどの有機過酸化物;ジフェニルヨードブロマイド、ジフェニルヨードニウムクロライドなどのジフェニルハロニウム塩;四臭化炭素、クロロホルム、ヨードホルムなどの有機ハロゲン化物;3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンベンズアントロンなどの複素環式及び多環式化合物;2,2’−アゾ(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物;鉄−アレン錯体(ヨーロッパ特許152377号公報参照);チタノセン化合物(特開昭63−221110号公報参照)ビスイミダゾール系化合物;N−アリールグリシジル系化合物;アクリジン系化合物;芳香族ケトン/芳香族アミンの組み合わせ;ペルオキシケタール(特開平6−321895号公報参照)等が挙げられる。上記した光ラジカル重合開始剤の中でも、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、鉄−アレン錯体及びチタノセン化合物は架橋もしくは重合に対して活性が高いのでこのものを使用することが好ましい。
【0028】
また、光酸発生剤は、露光により酸を発生する化合物であり、この発生した酸を触媒として、上記した化合物を硬化させるものであり、未硬化被膜の吸光度が上記範囲から選ばれた最大波長を有する安全光の最大波長の±30nmの範囲内で0.5以下の範囲に調整できる従来から公知のものを使用することができる。このものとしては、上記した条件を満たすものであれば、一般に使用されている光酸発生剤を使用することができる。具体的には、例えば、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、セレニウム塩等のオニウム塩類、鉄−アレン錯体類、シラノール−金属キレート錯体類、トリアジン化合物類、ジアジドナフトキノン化合物類、スルホン酸エステル類、スルホン酸イミドエステル類等を使用することができる。また、上記した以外に特開平7−146552号公報、特願平9−289218号に記載の光酸発生剤も使用することができる。
【0029】
また、光塩基発生剤は、露光により塩基を発生する化合物であり、この発生した塩基を触媒として、上記した化合物を硬化させるものであり、未硬化被膜の吸光度が上記範囲から選ばれた最大波長を有する安全光の最大波長の±30nmの範囲内で0.5以下の範囲に調整できる従来から公知のものを使用することができる。このものとしては、上記した条件を満たすものであれば、一般に使用されている光酸発生剤を使用することができる。具体的には、例えば、[(o−ニトロベンジル)オキシ)カルボニルシクロヘキシルアミン等のニトロベンジルカルバメート化合物類(J. Am. Chem. Soc., Vol. 113, No.11, 4305, 1991参照)、N−[[1−3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−エトキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、N−[[1−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−メチル−エトキシ]カルボニル]ピリジン等の光官能性ウレタン化合物類(J. Org. Chem., Vol.55, No.23, 5919, 1990参照)等を使用することができる。
【0030】
光反応開始剤の配合割合は、臨界的なものではなく、その種類に応じて広い範囲で変えることができるが、一般には光硬化性樹脂成分(A)100重量部(固形分)に対して0.1〜25重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。25重量部を超えて多量に用いると、得られる組成物の安定性が低下する傾向がみられる。
【0031】
光増感剤(C)としての一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物は、400〜700nmの可視光領域の光に、特に、400〜600nmの光を吸収することにより励起され、光硬化性樹脂成分(A)や、光反応開始剤(B)と相互作用を有する化合物である。ここで言う「相互作用」には、励起された本発明で使用する光増感剤(C)から光硬化性樹脂成分(A)または光反応開始剤(B)へのエネルギー移動や電子移動が包含される。このことから、特異な構造を有する一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物は、光増感剤として極めて有用な化合物である。
【0032】
本発明の一般式(1)で表される化合物において、R1、R2、R3、R5、R6、R7の具体例としては、水素原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシル基;スルホン酸基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、sec−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1−n−プロピルブチル基、1−イソプロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、2−イソプロピルペンチル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,3−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1,2,2−トリメチルペンチル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、1,3,4−トリメチルペンチル基、2,2,3−トリメチルペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンチル基、1,3,3−トリメチルペンチル基、2,3,3−トリメチルペンチル基、3,3,4−トリメチルペンチル基、1,4,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、3,4,4−トリメチルペンチル基、1−n−ブチルブチル基、1−イソブチルブチル基、1−sec−ブチルブチル基、1−tert−ブチルブチル基、2−tert−ブチルブチル基、1−n−プロピル−1−メチルブチル基、1−n−プロピル−2−メチルブチル基、1−n−プロピル−3−メチルブチル基、1−イソプロピル−1−メチルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基、1−エチル−1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2,3−ジメチルブチル基、2−エチル−1,1−ジメチルブチル基、2−エチル−1,2−ジメチルブチル基、2−エチル−1,3−ジメチルブチル基、2−エチル−2,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデカニル基、デカリル基、イコサニル基等の炭素数1〜20の直鎖アルキル基、または炭素数1〜10の分岐又は環状のアルキル基;
【0033】
クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、ノナフルオロブチル基等のハロゲノアルキル基;
メトキシエチル基、エトキシエチル基、イソプロピルオキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2ーメトキシブチル基等のアルコキシアルキル基;
ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、ベンジルカルボニル基等のアシル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基,シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;
【0034】
アミノカルボニル基;
メチルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、n−ヘキシルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、4−メチルシクロヘキシルアミノカルボニル基等のアルキルアミノカルボニル基;
ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、ジ−n−ブチルアミノカルボニル基、ジ−n−ヘキシルアミノカルボニル基、ジ−n−オクチルアミノカルボニル基、N−イソアミル−N−メチルアミノカルボニル基等のジアルキルアミノカルボニル基;
アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、イソブチルカルボニルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基;
フェニルアミノカルボニル基、4−メチルフェニルアミノカルボニル基、2−メトキシフェニルアミノカルボニル基、4−n−プロピルフェニルアミノカルボニル基等のアリールアミノカルボニル基;
フェニルカルボニルアミノ基、4−エチルフェニルカルボニルアミノ基、3−イソプロピルフェニルカルボニルアミノ基、2−メトキシフェニルカルボニルアミノ基等のアリールカルボニルアミノ基;
フェノキシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基、3−メチルフェノキシカルボニル基、2−メチルフェノキシカルボニル基、2,4−ジメチルフェノキシカルボニル基、2,6−ジメチルフェノキシカルボニル基、2,4、6−トリメチルフェノキシカルボニル基、4−フェニルフェノキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;
ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基、ビフェニルメチル基、2−アントラキノイルメチル基、4−エチルフェニルメチル基、4−p−イソプロピルフェニルメチル基、4−t−ブチルフェニルメチル基、p−イソプロピルフェニルエチル基、t−ブチルフェニルエチル基、4−t−ブチルフェニルエチル基、トリルメチル基、トリルエチル基、2,3−ジメチルフェニルメチル基、2,4−ジメチルフェニルメチル基、2,5−ジメチルフェニルメチル基、2,6−ジメチルフェニルメチル基、2,4、6−トリメチルフェニルメチル基、2−クロロフェニルメチル基、3−クロロフェニルメチル基、4−クロロフェニルメチル基、2−ブロモフェニルメチル基、3−ブロモフェニルメチル基、4−ブロモフェニルメチル基、2−フルオロフェニルメチル基、3−フルオロフェニルメチル基、4−フルオロフェニルメチル基、2−メトキシフェニルメチル基、3−メトキシフェニルメチル基、4−メトキシフェニルメチル基、2−エトキシフェニルメチル基、3−エトキシフェニルメチル基、4−エトキシフェニルメチル基、2−n−プロポキシフェニルメチル基、3−n−プロポキシフェニルメチル基、4−n−プロポキシフェニルメチル基、2−イソプロポキシフェニルメチル基、3−イソプロポキシフェニルメチル基、4−イソプロポキシフェニルメチル基、2−n−ブトキシフェニルメチル基、3−n−ブトキシフェニルメチル基、4−n−ブトキシフェニルメチル基、2−イソブトキシフェニルメチル基、3−イソブトキシフェニルメチル基、4−イソブトキシフェニルメチル基、2−t−ブトキシフェニルメチル基、3−t−ブトキシフェニルメチル基、4−t−ブトキシフェニルメチル基、2,3−ジメチルフェニルエチル基、2,4−ジメチルフェニルエチル基、2,5−ジメチルフェニルエチル基、2,6−ジメチルフェニルエチル基、2,4、6−トリメチルフェニルエチル基、2−クロロフェニルエチル基、3−クロロフェニルエチル基、4−クロロフェニルエチル基、2−ブロモフェニルエチル基、3−ブロモフェニルエチル基、4−ブロモフェニルエチル基、2−フルオロフェニルエチル基、3−フルオロフェニルエチル基、4−フルオロフェニルエチル基、2−メトキシフェニルエチル基、3−メトキシフェニルエチル基、4−メトキシフェニルエチル基、2−エトキシフェニルエチル基、3−エトキシフェニルエチル基、4−エトキシフェニルエチル基、2−n−プロポキシフェニルエチル基、3−n−プロポキシフェニルエチル基、4−n−プロポキシフェニルエチル基、2−イソプロポキシフェニルエチル基、3−イソプロポキシフェニルエチル基、4−イソプロポキシフェニルエチル基、2−n−ブトキシフェニルエチル基、3−n−ブトキシフェニルエチル基、4−n−ブトキシフェニルエチル基、2−イソブトキシフェニルエチル基、3−イソブトキシフェニルエチル基、4−イソブトキシフェニルエチル基、2−t−ブトキシフェニルエチル基、3−t−ブトキシフェニルエチル基、4−t−ブトキシフェニルエチル基、フルオレン−9−イル基、9−メチルフルオレン−9−イル基、9−エチルフルオレン−9−イル基、9−プロピルフルオレン−9−イル基、9−ブチル−フルオレン−9−イル基等のアラルキル基;
【0035】
フェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基、2−エチル−1−ナフチル基等の炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が置換したアリール基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、2,3,5−トリメトキシフェニル基、2,3,6−トリメトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、3−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、5−メトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−1−ナフチル基、7−メトキシ−1−ナフチル基、8−メトキシ−1−ナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、4−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、8−メトキシ−2−ナフチル基、2−エトキシ−1−ナフチル基等の炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が置換したアリール基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換したアリール基、トリフルオロメチルフェニル基等のハロゲン化アルキル基が置換したアリール基、N−メチルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N−フェニル−N−メチルアミノフェニル基、N−トリル−N−エチルアミノフェニル基、N−クロロフェニル−N−シクロヘキシルアミノフェニル基、N,N−ジトリルアミノフェニル基等のN−モノ置換アミノアリール基、N,N−ジ置換アミノアリール基、メチルチオフェニル基、エチルチオフェニル基、メチルチオナフチル基、フェニルチオフェニル基等のアルキルチオアリール基、アリールチオアリール基、等の置換又は無置換のアリール基;
【0036】
ピロリル基、チエニル基、フラニル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、チアジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフラニル基、インド−3−イル基等のヘテロアリール基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基等のアルキルチオ基;
フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基;
アリルオキシカルボニル基、2−ブテノキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル基;
ベンジルオキシカルボニル基、4−メチルベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;
メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、エトキシカルボニルメトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニルメトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルメトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニルアルコキシカルボニル基;
メチルカルボニルメトキシカルボニル基、エチルカルボニルメトキシカルボニル基等のアルキルカルボニルアルコキシカルボニル基;
【0037】
ヒドロキシエチルアミノカルボニル基、2−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基、3−ヒドロキシプロピルアミノカルボニル基等のモノ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基;
ジ(ヒドロキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基、ジ(3−ヒドロキシプロピル)アミノカルボニル基等のジ(ヒドロキシアルキル)アミノカルボニル基;
メトキシメチルアミノカルボニル基、メトキシエチルアミノカルボニル基、エトキシメチルアミノカルボニル基、エトキシエチルアミノカルボニル基、プロポキシエチルアミノカルボニル基等のモノ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基;
ジ(メトキシメチル)アミノカルボニル基、ジ(メトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシメチル)アミノカルボニル基、ジ(エトキシエチル)アミノカルボニル基、ジ(プロポキシエチル)アミノカルボニル基等のジ(アルコキシアルキル)アミノカルボニル基;
ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、1,2,2−トリシアノビニル基、2−フェニルビニル基、2−フェニル−2−シアノビニル基、2−シアノ−2−エトキシカルボニルビニル基、2−シアノ−2−メトキシカルボニルビニル基、2−シアノ−2−フェナシルビニル基、2−(ベンゾチアゾール−2’−イル)ビニル基、2−(ベンゾオキサゾール−2’−イル)ビニル基、2−[5’−メチル−4’−(ジシアノメチリデン)ピラン−2’−イル]ビニル基等のアルケニル基等を挙げることができる。
【0038】
R4の具体例としては、水素原子;シアノ基;前記のアルキル基、アラルキル基、アリール基、
ピロリル基、N−メチルピロリル基、N−エチルピロリル基、N−プロピルピロリル基、N−ブチルピロリル基、N−イソブチルピロリル基、N−イソペンチルピロリル基、N−オクチルピロリル基、N−メトキシメチルピロリル基、N−メトキシエチルピロリル基、N−エトキシメチルピロリル基、N−エトキシエチルピロリル基、N−メトキシカルボニルメチルピロリル基、N−メトキシカルボニルエチルピロリル基、N−エトキシカルボニルメチルピロリル基、N−エトキシカルボニルエチルピロリル基、N−ベンジルピロリル基、N−フェニルピロリル基、N−トリルピロリル基、N−アリルピロリル基、N−ブテニルピロリル基、N−ペンテニルピロリル基、チエニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、オキサゾイル基、イソオキサゾイル基、オキサジアゾイル基、チアジアゾイル基、イミダゾイル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾイミダゾイル基、ベンゾフリル基、インド−3−イル基等のヘテロアリール基;
ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、1,2,2−トリシアノビニル基等のアルケニル基等を挙げることができる。
【0039】
R8のアルキル基、アラルキル基、アリール基の例としては、前記のアルキル基、アラルキル基、アリール基が挙げられる。
【0040】
R9のハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子が挙げられる。
【0041】
R9のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メチルシクロペンチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、2−メチルヘキシルオキシ基、3−メチルヘキシルオキシ基、4−メチルヘキシルオキシ基、5−メチルヘキシルオキシ基、1,1−ジメチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルペンチルオキシ基、1,3−ジメチルペンチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、2,2−ジメチルペンチルオキシ基、2,3−ジメチルペンチルオキシ基、2,4−ジメチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルペンチルオキシ基、3,4−ジメチルペンチルオキシ基、1−エチルペンチルオキシ基、2−エチルペンチルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルブトキシ基、1,1,3−トリメチルブトキシ基、1,2,3−トリメチルブトキシ基、1,2,2−トリメチルブトキシ基、1,3,3−トリメチルブトキシ基、2,3,3−トリメチルブトキシ基、1−エチル−1−メチルブトキシ基、1−エチル−2−メチルブトキシ基、1−エチル−3−メチルブトキシ基、2−エチル−1−メチルブトキシ基、2−エチル−3−メチルブトキシ基、1−n−プロピルブトキシ基、1−イソプロピルブトキシ基、1−イソプロピル−2−メチルプロポキシ基、メチルシクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2−メチルヘプチルオキシ基、3−メチルヘプチルオキシ基、4−メチルヘプチルオキシ基、5−メチルヘプチルオキシ基、6−メチルヘプチルオキシ基、1,1−ジメチルヘキシルオキシ基、1,2−ジメチルヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルヘキシルオキシ基、1,5−ジメチルヘキシルオキシ基、2,2−ジメチルヘキシルオキシ基、2,3−ジメチルヘキシルオキシ基、2,4−ジメチルヘキシルオキシ基、2,5−ジメチルヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルヘキシルオキシ基、3,4−ジメチルヘキシルオキシ基、3,5−ジメチルヘキシルオキシ基、4,4−ジメチルヘキシルオキシ基、4,5−ジメチルヘキシルオキシ基、1−エチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルヘキシルオキシ基、4−エチルヘキシルオキシ基、1−n−プロピルペンチルオキシ基、2−n−プロピルペンチルオキシ基、1−イソプロピルペンチルオキシ基、2−イソプロピルペンチルオキシ基、1−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、2−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−2−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−3−メチルペンチルオキシ基、3−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、1,1,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,1,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,2−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、1,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,2,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、2,3,3−トリメチルペンチルオキシ基、3,3,4−トリメチルペンチルオキシ基、1,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、3,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、1−n−ブチルブトキシ基、1−イソブチルブトキシ基、1−sec−ブチルブトキシ基、1−tert−ブチルブトキシ基、2−tert−ブチルブトキシ基、1−n−プロピル−1−メチルブトキシ基、1−n−プロピル−2−メチルブトキシ基、1−n−プロピル−3−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−1−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−2−メチルブトキシ基、1−イソプロピル−3−メチルブトキシ基、1,1−ジエチルブトキシ基、1,2−ジエチルブトキシ基、1−エチル−1,2−ジメチルブトキシ基、1−エチル−1,3−ジメチルブトキシ基、1−エチル−2,3−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,1−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,2−ジメチルブトキシ基、2−エチル−1,3−ジメチルブトキシ基、2−エチル−2,3−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルシクロヘキシルオキシ基、エチルシクロヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデカニルオキシ基、2−デカリノキシ基、4−(t−ブチル)シクロヘキシルオキシ基、イコサニルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖アルコキシ基、または炭素数1〜10の分岐又は環状のアルコキシ基等が挙げられる。
【0042】
R9のアラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、3−フェニルプロポキシ基、1−ナフチルメトキシ基、2−ナフチルメトキシ基、1−ナフチルエトキシ基、2−ナフチルエトキシ基、ビフェニルメトキシ基、2−アントラキノイルメトキシ基、4−エチルフェニルメトキシ基、4−p−イソプロピルフェニルメトキシ基、4−t−ブチルフェニルメトキシ基、p−イソプロピルフェニルエトキシ基、t−ブチルフェニルエトキシ基、4−t−ブチルフェニルエトキシ基、トリルメトキシ基、トリルエトキシ基、2,3−ジメチルフェニルメトキシ基、2,4−ジメチルフェニルメトキシ基、2,5−ジメチルフェニルメトキシ基、2,6−ジメチルフェニルメトキシ基、2,4、6−トリメチルフェニルメトキシ基、2−クロロフェニルメトキシ基、3−クロロフェニルメトキシ基、4−クロロフェニルメトキシ基、2−ブロモフェニルメトキシ基、3−ブロモフェニルメトキシ基、4−ブロモフェニルメトキシ基、2−フルオロフェニルメトキシ基、3−フルオロフェニルメトキシ基、4−フルオロフェニルメトキシ基、2−メトキシフェニルメトキシ基、3−メトキシフェニルメトキシ基、4−メトキシフェニルメトキシ基、2−エトキシフェニルメトキシ基、3−エトキシフェニルメトキシ基、4−エトキシフェニルメトキシ基、2−n−プロポキシフェニルメトキシ基、3−n−プロポキシフェニルメトキシ基、4−n−プロポキシフェニルメトキシ基、2−イソプロポキシフェニルメトキシ基、3−イソプロポキシフェニルメトキシ基、4−イソプロポキシフェニルメトキシ基、2−n−ブトキシフェニルメトキシ基、3−n−ブトキシフェニルメトキシ基、4−n−ブトキシフェニルメトキシ基、2−イソブトキシフェニルメトキシ基、3−イソブトキシフェニルメトキシ基、4−イソブトキシフェニルメトキシ基、2−t−ブトキシフェニルメトキシ基、3−t−ブトキシフェニルメトキシ基、4−t−ブトキシフェニルメトキシ基、2,3−ジメチルフェニルエトキシ基、2,4−ジメチルフェニルエトキシ基、2,5−ジメチルフェニルエトキシ基、2,6−ジメチルフェニルエトキシ基、2,4、6−トリメチルフェニルエトキシ基、2−クロロフェニルエトキシ基、3−クロロフェニルエトキシ基、4−クロロフェニルエトキシ基、2−ブロモフェニルエトキシ基、3−ブロモフェニルエトキシ基、4−ブロモフェニルエトキシ基、2−フルオロフェニルエトキシ基、3−フルオロフェニルエトキシ基、4−フルオロフェニルエトキシ基、2−メトキシフェニルエトキシ基、3−メトキシフェニルエトキシ基、4−メトキシフェニルエトキシ基、2−エトキシフェニルエトキシ基、3−エトキシフェニルエトキシ基、4−エトキシフェニルエトキシ基、2−n−プロポキシフェニルエトキシ基、3−n−プロポキシフェニルエトキシ基、4−n−プロポキシフェニルエトキシ基、2−イソプロポキシフェニルエトキシ基、3−イソプロポキシフェニルエトキシ基、4−イソプロポキシフェニルエトキシ基、2−n−ブトキシフェニルエトキシ基、3−n−ブトキシフェニルエトキシ基、4−n−ブトキシフェニルエトキシ基、2−イソブトキシフェニルエトキシ基、3−イソブトキシフェニルエトキシ基、4−イソブトキシフェニルエトキシ基、2−t−ブトキシフェニルエトキシ基、3−t−ブトキシフェニルエトキシ基、4−t−ブトキシフェニルエトキシ基、フルオレン−9−イルオキシ基、9−メチルフルオレン−9−イルオキシ基、9−エチルフルオレン−9−イルオキシ基、9−プロピルフルオレン−9−イルオキシ基、9−ブチル−フルオレン−9−イルオキシ基等のアラルキルオキシ基等が挙げられる。
【0043】
R9のアリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アンスラニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、3−メチルフェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、2,3−ジメチルフェニルオキシ基、2,4−ジメチルフェニルオキシ基、2,5−ジメチルフェニルオキシ基、2,6−ジメチルフェニルオキシ基、3,4−ジメチルフェニルオキシ基、3,5−ジメチルフェニルオキシ基、3,6−ジメチルフェニルオキシ基、2,3,4−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,3,6−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ基、3,4,5−トリメチルフェニルオキシ基、2−エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ヘキシルフェニルオキシ基、シクロヘキシルフェニルオキシ基、オクチルフェニルオキシ基、2−メチル−1−ナフチルオキシ基、3−メチル−1−ナフチルオキシ基、4−メチル−1−ナフチルオキシ基、5−メチル−1−ナフチルオキシ基、6−メチル−1−ナフチルオキシ基、7−メチル−1−ナフチルオキシ基、8−メチル−1−ナフチルオキシ基、1−メチル−2−ナフチルオキシ基、3−メチル−2−ナフチルオキシ基、4−メチル−2−ナフチルオキシ基、5−メチル−2−ナフチルオキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基、7−メチル−2−ナフチルオキシ基、8−メチル−2−ナフチルオキシ基、2−エチル−1−ナフチルオキシ基等の炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が置換したアリールオキシ基、3−メトキシフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、2,3−ジメトキシフェニルオキシ基、2,4−ジメトキシフェニルオキシ基、2,5−ジメトキシフェニルオキシ基、2,6−ジメトキシフェニルオキシ基、3,4−ジメトキシフェニルオキシ基、3,5−ジメトキシフェニルオキシ基、3,6−ジメトキシフェニルオキシ基、2,3,4−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,3,6−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2,4,6−トリメトキシフェニルオキシ基、3,4,5−トリメトキシフェニルオキシ基、2−エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、ブトキシフェニルオキシ基、ヘキシルオキシフェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシフェニルオキシ基、オクチルオキシフェニルオキシ基、2−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−1−ナフチルオキシ基、1−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、3−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、4−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、5−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、6−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、7−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、8−メトキシ−2−ナフチルオキシ基、2−エトキシ−1−ナフチルオキシ基等の炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が置換したアリールオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ジクロロフェニルオキシ基、トリクロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、ジブロモフェニルオキシ基、ヨードフェニルオキシ基、フルオロフェニルオキシ基、ジフルオロフェニルオキシ基、トリフルオロフェニルオキシ基、テトラフルオロフェニルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等のハロゲン原子が置換したアリールオキシ基、トリフルオロメチルフェニルオキシ基等のハロゲン化アルキル基が置換したアリールオキシ基、N−メチルアミノフェニルオキシ基、N,N−ジメチルアミノフェニルオキシ基、N,N−ジエチルアミノフェニルオキシ基、N−フェニル−N−メチルアミノフェニルオキシ基、N−トリル−N−エチルアミノフェニルオキシ基、N−クロロフェニル−N−シクロヘキシルアミノフェニルオキシ基、N,N−ジトリルアミノフェニルオキシ基等のN−モノ置換アミノアリールオキシ基、N,N−ジ置換アミノアリールオキシ基、メチルチオフェニルオキシ基、エチルチオフェニルオキシ基、メチルチオナフチルオキシ基、フェニルチオフェニルオキシ基等のアルキルチオアリールオキシ基、アリールチオアリールオキシ基、等の置換又は無置換のアリールオキシ基が挙げられる。
【0044】
以下の表−1に一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
本発明の一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物は、代表的には、例えば、臭化水素酸やトリフルオロ酢酸等の酸の存在下、一般式(2)
R4−CHO (2)
(式中、R4は前記に同じ。)
で表される化合物と一般式(3)および/または一般式(4)
【0051】
【化3】
(式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7は前記に同じ。)
で表される化合物とを反応させた後、空気酸化、あるいはクロラニル等の酸化剤等で酸化し、続いて三ハロゲン化ホウ素と反応することにより、一般式(5)
【0052】
【化4】
(式中、R1〜R7は前記に同じであり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を表す。)
で表される化合物を得た後、最後にXで表されるハロゲン原子の一方又は両方を置換して一般式(1)で示されるジピロメテンホウ素錯化合物を容易に製造できる。
【0053】
また、本発明記載の一般式(1)のR4が水素原子のジピロメテンホウ素錯化合物については、別法として例えば、臭化水素酸等の酸の存在下、前記一般式(3)と、一般式(6)
【0054】
【化5】
(式中、R1、R2、R3は前記に同じ。)
で表される化合物とを反応させた後、続いて三ハロゲン化ホウ素と反応することにより、一般式(7)
【0055】
【化6】
(式中、R1、R2、R3、R5、R6、R7は前記に同じであり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を表す。)
で表される化合物を得た後、最後に前記同様にハロゲン原子を置換して容易に製造できる。
【0056】
ハロゲン置換の方法は、例えば、アルコール系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系あるいはアミド系等の溶媒中で、一般式(8)
M−OR8 (8)
(式中、R8は前記と同じであり、Mはナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子などのアルカリ金属原子を示す。)で示される化合物および/または一般式(9)
M’−Z (9)
(式中、Zはアルコキシ基、アリールオキシ基、またはアラルキルオキシ基であり、M’はナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子などのアルカリ金属原子を示す。)で示される化合物等を使用し、容易に置換することができる。
【0057】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、光増感剤(C)として一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物を、少なくとも1種含有するものであり、さらに、その他の公知の光増感剤を含有していてもよい。
【0058】
その他の公知の光増感剤としては、一般に使用されている光増感剤であれば特に限定はされないが、ケトクマリン、クマリン−6および特開平4−18088号公報に記載されたクマリン化合物等が挙げられる。
【0059】
この場合、光増感剤(C)中の一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の含有量としては、特に制限はないが、本発明で所望の効果を得るためには、光増感剤(C)中の一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物の含有量は、10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20重量%以上であり、さらに好ましくは30重量%以上であり、50重量%以上含有する光増感剤は特に好ましい。
【0060】
光増感剤の使用量は、光増感剤(C)の種類や量、相互作用すべき光硬化性樹脂成分(A)の種類により異なるが、通常、光硬化性樹脂成分(A)100重量部当たり、光増感剤(C)の使用量が0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部の範囲内が適当である。本化合物の使用量が0.1重量部より少なすぎると、形成される被膜の感光性が低下する傾向があり、10重量部より多くなると、溶解性の点から、組成物を均一な状態に保つことが困難になる傾向が見られる。
【0061】
本発明で使用する可視光硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外に必要に応じて上記以外の光重合性不飽和化合物(樹脂)を配合することができる。このものとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0062】
上記したその他の光重合性不飽和化合物は組成物の総合計量(固形分)で約0〜80重量%、特に約5〜50重量%の範囲が好ましい。
【0063】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、密着促進剤類、ハイドロキノン、2、6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等の重合禁止剤類、ゴム、ビニル重合体、不飽和基含有ビニル重合体等の有機樹脂微粒子、着色顔料、体質顔料等の各種顔料類、酸化コバルト等の金属酸化物類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、トリクレジルホスフェート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の可塑剤、ハジキ防止剤、流動性調整剤等を含有することができる。
【0064】
上記した密着促進剤類としては、基板に対する被膜の密着性を向上させるために配合するものであって、例えば、テトラゾール、1−フェニルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−アミノ−1−メチルテトラゾール、5−アミノ−2−フェニルテトラゾール、5−メルカプト−1−フェニルテトラゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、5−メチルチオテトラゾール、5−クロロ−1−フェニル−1H−テトラゾール等のトラゾール類を挙げることができる。
【0065】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、一般に用いられている公知の感光性材料、例えば、塗料、インキ、接着剤、レジスト材、刷板材(平板や凸版用製版材、オフセット印刷用PS板)情報記録材料、レリーフ像作製材料等幅広い用途への使用が可能である。
【0066】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物から形成される乾燥膜厚(溶剤を含まない)は、その組成物から形成される未感光被膜の吸光度が上記範囲から選ばれた最大波長を有する安全光の最大波長の±30nmの範囲内で0.5以下になるように設定すればよいが、実用性の面から、通常、0.5〜50μm、好ましくは1〜30μmの範囲である。また、該吸光度は該組成物に含まれる光重合開始剤、光増感剤等の種類や配合量によって異なるが、同一組成であっても膜厚の厚みによって異なる。即ち、同一組成物において、膜厚が厚くなると被膜中に含まれる光重合開始剤、光増感剤等の濃度が高くなるために吸光度が大きくなり、一方、膜厚が薄くなると被膜中に含まれる上記成分の濃度が低くなるために吸光度が小さくなる。これらのことから、形成される膜厚を調整することにより、吸光度を上記した範囲に入るように調整することができる。
【0067】
次に、本発明の可視光硬化性樹脂組成物の代表的なレジスト材(例えば、一般的なネガ型硬化性レジスト材料及び電着塗装用ネガ型レジスト材料)について説明する。
【0068】
一般的なネガ型硬化性レジスト材料としては、例えば、本発明の可視光硬化性樹脂組成物を溶剤(水も含む)に分散もしくは溶解(着色剤に顔料を用いた場合は顔料を微分散)させて、感光液を調製し、これを支持体上に、例えば、ローラー、ロールコーター、スピンコーター等のごとき塗布装置を用いて塗布し、乾燥する方法により、これをネガ型レジスト材料として用いることができる。
【0069】
また、可視光で露光し硬化させる前の被膜表面に予めカバーコート層を設けておくことができる。このカバーコート層は空気中の酸素を遮断して露光によって発生したラジカルが酸素によって失活するのを防止し、露光による被膜の硬化を円滑に進めるために形成されるものである。
【0070】
このカバーコート層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂フィルム(膜厚約1〜70μm)を塗装被膜表面に被せることにより、またポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ポリビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、プルラン等の水溶性多糖類ポリマー類、塩基性基、酸性基又は塩基を含有する、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂等の水性樹脂類を水に溶解もしくは分散した水性液を塗装被膜表面に塗装(乾燥膜厚約0.5〜5μm)、乾燥することによりカバーコート層を形成することができる。このカバーコート層は塗装被膜を露光した後、現像処理される前に取り除くことが好ましい。この水溶性多糖類ポリマーや水性樹脂のカバーコート層は、例えばこれらの樹脂を溶解もしくは分散する水、酸性水溶液、塩基性水溶液等の溶媒により取り除くことができる。
【0071】
可視光硬化性樹脂組成物を溶解もしくは分散するために使用する溶剤としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタン等)、アルコール(エチルアルコール、ベンジルアルコール等)、その他(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、水等が挙げられる。
【0072】
また、支持体としては、例えば、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、鉄等の金属またはそれらを成分とした合金のシートまたはこれらの金属で表面を処理したプリント基板、プラスチック、ガラスまたはシリコーンウエハー、カーボン等が挙げられる。
【0073】
また、電着塗装用ネガ型レジスト材料として用いる場合は、最初に可視光硬化性樹脂組成物を水分散化物とするか、または水溶化物とする。
【0074】
可視光硬化性樹脂組成物の水分散化または水溶化は、▲1▼光硬化性樹脂中にカルボキシル基等のアニオン性基が導入されている場合にはアルカリ(中和剤)で中和するか、または▲2▼アミノ基等のカチオン性基が導入されている場合には、酸(中和剤)で中和することによって行われる。その際に使用されるアルカリ中和剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジイソブチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルアミノエタノール等のアルキルアルカノールアミン類;シクロヘキシルアミン等の脂環族アミン類;カセイソーダ、カセイカリ等のアルカリ金属水酸化物;アンモニア等が挙げられる。また、酸中和剤としては、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、酪酸等のモノカルボン酸が挙げられる。これらの中和剤は単独でまたは混合して使用できる。中和剤の使用量は感光性樹脂組成物中に含まれるイオン性基1当量当たり、一般に0.2〜1.0当量、特に0.3〜0.8当量の範囲が望ましい。
【0075】
水溶化または水分散化した樹脂成分の流動性をさらに向上させるために、必要により、上記光硬化性樹脂組成物に親水性溶剤、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等を加えることができる。かかる親水性溶剤の使用量は、一般には、樹脂固形成分100重量部当たり、300重量部まで、好ましくは100重量部までとすることができる。
【0076】
また、被塗装物への塗着量を多くするため、上記可視光硬化性樹脂組成物に対し、疎水性溶剤、例えば、トルエン、キシレン等の石油系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類等も加えることができる。これらの疎水性溶剤の配合量は、樹脂固形成分100重量部当たり、通常、200重量部まで、好ましくは、100重量部以下とすることができる。
【0077】
電着塗料として可視光硬化性樹脂組成物の調製は、従来から公知の方法で行うことができる。例えば、前記の中和により水溶化された光硬化性樹脂、光反応開始剤、特異な構造を有する光増感剤、さらに必要に応じ、溶剤およびその他の成分をよく混合し、水を加えることにより調製することができる。
【0078】
このようにして調製された組成物は、通常の方法で、さらに水で希釈し、例えば、pHが4〜9の範囲内、浴濃度(固形分濃度)3〜25重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲内の電着塗料(または電着浴)とすることができる。
【0079】
上記のようにして調製された電着塗料は、次のようにして被塗物である導体表面に塗装することができる。すなわち、まず、浴のpHおよび浴濃度を上記の範囲に調整し、浴温度を15〜40℃、好ましくは15〜30℃に管理する。次いで、このように管理された電着塗装浴に、塗装されるべき導体を電着塗料がアニオン型の場合には陽極として、また、カチオン型の場合には陰極として、浸漬、5〜200Vの直流電流を通電する。通電時間は10秒〜5分が適当である。
【0080】
また、該電着塗装方法において、被塗物にガラス転移温度の低い電着塗料を塗装し、次いで水洗又は水洗乾燥後、更にガラス転移温度20℃以上の電着塗料を塗装する方法(特開平2−20873号公報参照)、即ちダブルコート電着塗装を行うこともできる。
【0081】
得られる膜厚は乾燥膜厚で、一般に0.5〜50μm、好適には、1〜15μmである。電着塗装後、電着浴から被塗物を引き上げ水洗いした後、電着塗膜中に含まれる水分等を熱風等で乾燥、除去する。
【0082】
導体としては、金属、カーボン、酸化錫等の導電性材料またはこれらを積層、メッキ等によりプラスチック、ガラス表面に固着させたものが使用できる。
【0083】
また、可視光で露光し硬化させる前の電着塗装被膜表面に予めカバーコート層を設けておくことができる。このカバーコート層としては、上記したものを挙げることができる。このカバーコート層は電着塗装被膜が現像処理される前に取り除くことが好ましい。水溶性多糖類ポリマーや水性樹脂を使用したカバーコート層は、例えばこれらの樹脂を溶解もしくは分散する水、酸性水溶液、塩基性水溶液等の溶媒により取り除くことができる。
上記のようにして導体表面に形成される可視光レジスト材料、および、電着塗装によって得られる可視光レジスト電着塗膜は、画像に応じて、可視光で露光し、硬化させ、非露光部を現像処理によって除去することにより、画像を形成することができる。
【0084】
本発明の可視光硬化材料用組成物を硬化させるための光源は、該組成物を硬化するものであれば特に制限なしに従来から公知の可視光の光源を使用することができる。該可視光を発光する光源としては、例えば、超高圧、高圧、中圧、低圧の水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、タングステン灯等が挙げられる。また、これらの光源のうち紫外線を紫外カットフィルターでカットした可視領域に発振線を持つ各種レーザーを使用することができる。なかでも、アルゴンレーザー(488nm)又はYAG−SHGレーザー(532nm)に発振線を持つレーザーが好ましい。
【0085】
現像処理は、非露光部膜がアニオン性の場合にはアルカリ水溶液を用いて、また、カチオン性の場合にはpH5以下の酸水溶液を用いて洗い流すことにより行われる。アルカリ水溶液は通常、カセイソーダ、炭酸ソーダ、カセイカリ、アンモニア水等塗膜中に有する遊離のカルボン酸と中和して水溶性を与えることのできるものが、また、酸水溶液は酢酸、ギ酸、乳酸等が使用可能である。
【0086】
また、イオン性基を持たない感光性樹脂の場合の現像処理は、1,1,1−トリクロロエタン、トリクレン、メチルエチルケトン、塩化メチレン等の溶剤を使って未露光部を溶解することによって行う。現像した後の塗膜は、水洗後、熱風等により乾燥され、導体上に目的とする画像が形成される。また、必要に応じて、エッチングを施し、露出した導体部を除去した後、レジスト膜を除去し、プリント回路板の製造を行うこともできる。
【0087】
本発明の可視光硬化材料用組成物は、上記した以外に、例えば、カバーフィルム層となるポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂等の透明樹脂フィルム上に、本発明の組成物をロールコータ、ブレードコータ、カーテンフローコータ等を使用して塗布し、乾燥してレジスト被膜(乾燥膜厚約0.5〜5μm)を形成した後、該被膜表面に保護フィルムを貼り付けたドライフィルムレジストとして使用することができる。
【0088】
このようなドライフィルムレジストは、保護フィルムを剥離した後、レジスト被膜が面接するように支持体に熱圧着させる等の方法で接着してレジスト被膜を形成することができる。該レジスト被膜は上記した電着塗膜と同様の方法で、画像に応じて、可視光で露光し、硬化させ、現像処理することにより画像を形成することができる。また、ドライフィルムレジストにおいて、上記したと同様に必要に応じてカバーコート層を設けることができる。該カバーコート層は、レジスト被膜上に塗装して形成してもよいし、レジスト被膜上に貼り付けて形成してもよい。カバーコート層は現像処理前に除去しても、又は除去しなくてもどちらでも構わない。
【0089】
【実施例】
本発明について実施例を掲げて詳細に説明する。尚、実施例及び比較例の「部」は「重量部」を示す。
【0090】
実施例1
感光液の製造例
光硬化性樹脂(高分子バインダー)として、アクリル樹脂(樹脂酸価155mgKOH/g、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸=40/40/20重量比)にグリシジルメタクリレート24重量部を反応させてなる光硬化性樹脂(樹脂固形分55重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル有機溶媒、樹脂酸価50mgKOH/g、数平均分子量約2万)100部(固形分)に光反応開始剤(CGI−784、商品名、チバガイギー社製、チタノセン化合物)1部、表−1の1−1で表される下記式(A)の光増感剤0.5部を配合して感光液を調製した。
【0091】
この感光液を暗室内で銅メッキしたガラス繊維強化エポキシ基板にバーコーターで乾燥膜厚が5μmとなるように塗装し、60℃で10分間乾燥させてレジスト被膜を有する基板を作製した。
【0092】
次いで、上記で得られたレジスト被膜を有する基板の表面を図1のナトリウムランプで照度強度が40ルックスになるように24時間照射した。次いで、暗室内でこのものを120℃で30秒間加熱した後、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として30℃で1分間浸漬した結果、レジスト被膜は炭酸ナトリウム水溶液に完全に溶解して、ナトリウムランプの照射による光硬化は全くなく良好であった。
【0093】
また、上記のレジスト被膜を有する基板に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0094】
また、未感光の基板を室温で6ヶ月間放置した後に、前記同様に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0095】
上記感光液を透明なポリエチレンテレフタレートシートに膜厚が5μmになるようにバーコーターで塗装し、60℃で10分間乾燥させた被膜の吸光度を測定した。その結果を図4に示す。縦軸は吸光度を横軸は波長nmを示す。
【0096】
図1の安全光の波長と図4の吸光度曲線から安全光は感光液に対して悪影響を及ぼさないことおよびこの安全光が図3の比視感度曲線から明るい光であることが確認できる。
【0097】
【化7】
【0098】
実施例2〜45
実施例1において光増感剤として表−1の1−2〜1−45の化合物を使用した以外は実施例1と同様の組成の感光液を得た。これらを用いて、実施例1と同様にレジスト被膜を有する基板を作製した。
【0099】
次いで、上記で得られたレジスト被膜(乾燥膜厚5μm)を有する基板の表面を図1のナトリウムランプで照度強度が40ルックスになるように24時間照射した。次いで、暗室内でこのものを120℃で30秒間加熱した後、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として30℃で1分間浸漬した結果、レジスト被膜は炭酸ナトリウム水溶液に完全に溶解して、ナトリウムランプの照射による光硬化は全くなく良好であった。
【0100】
また、上記のレジスト被膜を有する基板に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0101】
また、未感光の基板を室温で6ヶ月間放置した後に、前記同様に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0102】
実施例46
実施例1において、光硬化性樹脂100部に代えて、実施例1で使用した光硬化性樹脂50部とアクリル樹脂a(メチルアクリレート/スチレン/アクリル酸=60/30/10のラジカル共重合体、酸価約80、数平均分子量2万)50部の混合物を使用し、実施例1と同様の組成の感光液を調製した。これを用いて、実施例1と同様にレジスト被膜を有する基板を作製した。
【0103】
次いで、上記で得られたレジスト被膜(乾燥膜厚8μm)を有する基板の表面を図1のナトリウムランプで照度強度が40ルックスになるように24時間照射した。次いで、暗室内でこのものを120℃で30秒間加熱した後、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として30℃で1分間浸漬した結果、レジスト被膜は炭酸ナトリウム水溶液に完全に溶解して、ナトリウムランプの照射による光硬化は全くなく良好であった。
【0104】
また、上記のレジスト被膜を有する基板に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0105】
また、未感光の基板を室温で6ヶ月間放置した後に、前記同様に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0106】
実施例47
実施例46において、アクリル樹脂a50部および光重合性開始剤1部に代えて、下記式(a)のオキセタン化合物50部および光酸発生剤として下記式(b)の化合物を10部使用し、実施例46と同様の組成の感光液を調製した。これを用いて、実施例1と同様にレジスト被膜を有する基板を作製した。
【0107】
【化8】
【0108】
【化9】
【0109】
次いで、上記で得られたレジスト被膜(乾燥膜厚5μm)を有する基板の表面を図1のナトリウムランプで照度強度が40ルックスになるように24時間照射した。次いで、暗室内でこのものを120℃で30秒間加熱した後、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として30℃で1分間浸漬した結果、レジスト被膜は炭酸ナトリウム水溶液に完全に溶解して、ナトリウムランプの照射による光硬化は全くなく良好であった。
【0110】
また、上記のレジスト被膜を有する基板に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0111】
また、未感光の基板を室温で6ヶ月間放置した後に、前記同様に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0112】
実施例48
実施例46で得られた感光液100部(固形分)にトリエチルアミン7部を混合攪拌した後、脱イオン水中に分散して水分散樹脂溶液(固形分15%)を得た。得られた水分散樹脂溶液を電着塗装浴として、積層銅板を陽極とし、乾燥膜厚が10μmとなるようにアニオン電着塗装を行った後、水洗し、80℃で5分間乾燥を行い電着塗膜感光層を得た。
【0113】
次いで、上記で得られた電着塗膜感光層の表面を図1のナトリウムランプで照度強度が40ルックスになるように24時間照射した。次いで、暗室内でこのものを120℃で30秒間加熱した後、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として30℃で1分間浸漬した結果、感光層は炭酸ナトリウム水溶液に完全に溶解して、ナトリウムランプの照射による光硬化は全くなく良好であった。
【0114】
また、上記の電着塗膜感光層に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0115】
また、未感光の電着塗膜感光層を室温で6ヶ月間放置した後に、前記同様に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0116】
実施例49
メチルアクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート=20/10/22/30/18のラジカル共重合体にアクリル酸15部を付加反応させて得られる光硬化性樹脂(アミン価約56、不飽和度1.83モル/kg)100部、実施例1で使用した光増感剤0.5部、トリメチロールプロパントリアクリレート55部、実施例1で使用したチタノセン化合物20部を混合して得られる感光液100部(固形分)に酢酸3部を配合した後、脱イオン水中に分散して水分散樹脂溶液(固形分15%)を得た。得られた水分散樹脂溶液を電着塗装浴として、積層銅板を陰極とし、乾燥膜厚が10μmとなるようにカチオン電着塗装を行った後、水洗し、80℃で5分間乾燥を行い電着塗膜感光層を得た。
【0117】
次いで、上記で得られた電着塗膜感光層の表面を図1のナトリウムランプで照度強度が40ルックスになるように24時間照射した。次いで、暗室内でこのものを120℃で30秒間加熱した後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を現像液として30℃で1分間浸漬した結果、感光層はテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液に完全に溶解して、ナトリウムランプの照射による光硬化は全くなく良好であった。
【0118】
また、上記の電着塗膜感光層に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0119】
また、未感光の電着塗膜感光層を室温で6ヶ月間放置した後に、前記同様に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0120】
実施例50
実施例1において、図1の分光分布を有するナトリウムランプに代えて図2の分光分布を有するナトリウムランプを使用した以外は実施例1と同様の方法でレジスト被膜を有する基板を作成した。更に得られた基板を実施例1と同様にして1%炭酸ナトリウム水溶液に浸漬した結果、レジスト被膜は炭酸ナトリウム水溶液に溶解し良好であった。
【0121】
また、未感光の基板を室温で6ヶ月間放置した後に、同様に1mJ/m2強度のアルゴンレーザーを照射したところ、速やかに樹脂が硬化することが確認された。キセノンランプ(紫外線波長領域をカット)及びYAGレーザーの第二高調波(532nm)の照射によっても同等の結果を得た。
【0122】
比較例1〜48
実施例1〜48において、ナトリウムランプに代えて蛍光灯を使用した以外は実施例1〜48と同様の方法でレジスト被膜を有する基板を作成した。更に得られた基板を実施例1と同様にして1%炭酸ナトリウム水溶液に浸漬した結果、レジスト被膜は炭酸ナトリウム水溶液に溶解せずに悪かった。
【0123】
比較例49
実施例49において、ナトリウムランプに代えて蛍光灯を使用した以外は実施例49と同様の方法で電着塗膜感光層を作成した。更に得られた基板を実施例49と同様にして2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液に浸漬した結果、電着塗膜感光層はテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液に溶解せずに悪かった。
【0124】
比較例1〜49で使用した蛍光灯の分光分布を図5に示す。
【0125】
【発明の効果】
本発明において、特定の化合物を光増感剤として含有する可視光硬化性樹脂組成物は実用上極めて有用性の高い組成物である。従来、光分解反応を用いた情報記録の分野で、コンピューターによって電子編集された原稿を、そのまま直接レーザーを用いて出力し記録する方式では、感光層の経時安定性が低く、また、感度が低く、溶解性、保存安定性等の問題があった。
【0126】
しかし、本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、光硬化性樹脂(A)と光増感剤(C)の相溶性が極めてよく、かつ、汎用の塗布溶液に溶解し、支持体上で均一、かつ、経時保存安定性に優れた塗面を得ることができる。
【0127】
また、本発明で使用する特異な構造を有するジピロメテン系ホウ素化合物の光増感剤(C)は、488nmおよび514.5nmに安定な発振線を持つアルゴンレーザーや第二高調波として532nmに輝線を持つYAGレーザー等の汎用可視レーザーに対して、非常に高い感度を有するため、本発明の可視光硬化性樹脂組成物を用いて得られた感光材料は、このようなレーザーにより高速走査露光が可能である。また、高速走査露光により画像を形成した場合、極めて微細な高解像度の画像が得られる。
【0128】
本発明の可視光硬化性樹脂組成物は、安全光の照射環境条件下で該組成物が増粘することなしに明るい環境条件下で塗装、印刷を行うことができるので、安全作業性、作業効率、製品の品質安定性等に優れた顕著な効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用することができる安全光のナトリウムを主成分とする放電ランプの分光分布の一例を示すグラフである。
【図2】図1に示すナトリウム放電ランプにフィルターを施した場合の分光分布を示すグラフである。
【図3】可視光の波長領域である380〜780nmの比視感度曲線を示す図である。
【図4】実施例1で使用したレジスト被膜の吸光度曲線を示す図である。
【図5】蛍光灯(昼光色(D))の分光分布を示す図である。
Claims (3)
- ナトリウムを主成分とする放電ランプ(光波長が589nmのD線を主体とするもの)を安全光とし、該安全光の照射環境下で使用する可視光硬化性樹脂組成物であり、該組成物が光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分(A)、光反応開始剤(B)及び下記一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物を少なくとも1種含む光増感剤(C)とを含有した可視光硬化性樹脂組成物であって、その組成物を乾燥膜厚0.5〜50μmの未感光被膜とした場合の吸光度が、安全光の最大波長589nmの±30nmの範囲において0.5以下であることを特徴とする可視光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1記載の可視光硬化性樹脂組成物と溶剤とを含有してなる可視光硬化材料用組成物。
- ナトリウムを主成分とする放電ランプ(光波長が589nmのD線を主体とするもの)を安全光とし、該安全光の照射環境下で使用する可視光硬化材料であって、基材上に、光照射により架橋しうる感光基を有する光硬化性樹脂成分(A)、光反応開始剤(B)及び下記一般式(1)で表されるジピロメテンホウ素錯化合物を少なくとも1種含む光増感剤(C)とを含有した可視光硬化性樹脂組成物の乾燥膜厚0.5〜50μmの未感光被膜を形成して成り、該未感光被膜の吸光度が、安全光の最大波長589nmの±30nmの範囲において0.5以下であることを特徴とする可視光硬化材料。
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