JP4007061B2 - スライドユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベースとその側方に配置したロッドレスシリンダとを、ベース両端に固着した接続プレートを介して連結しているスライドユニットに関するもので、特に、接続プレートとロッドレスシリンダの連結構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記構造のスライドユニットは、例えば特許2937877号で公知である。この従来技術では、ベースの両端に接続プレートをボルト結合してベースの一方の側面から側方に突出し、その突出している接続プレートの間にスリット式のロッドレスシリンダを配置し、そのロッドレスシリンダは、シリンダバレルの両端に端部嵌合部材をはめ込むだけの構造であってその端部嵌合部材にスリットを塞ぐシールバンドの両端を固定し、一方の接続プレートに押しねじを設けて、その接続プレートと対応するロッドレスシリンダの一方の端部嵌合部材を軸方向に押して、他方の端部嵌合部材をそれと対応する接続プレートに向けて押し付けた状態で、両側の接続プレートとシリンダバレルとが固定ボルトで結合されたものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来装置では、ロッドレスシリンダがシリンダバレルの両端に端部嵌合部材をはめ込むだけの特殊なロッドレスシリンダユニットであり、そのはめ込んだだけの端部嵌合部材にシールバンドの端部を固定していたので、端部嵌合部材に、軸線方向外向き(バレルから抜け出る方向)の力が作用すると、シールバンドを引っ張ってしまうという不都合を回避するために、接続プレートに押しねじが設けられている。
ところで、ロッドレスシリンダとして、図4のようにシリンダバレル101の両端を塞ぐ端部嵌合部材(エンドキャップ)102がシリンダバレル101と一体結合されている一般的なスリット式のロッドレスシリンダ100をベース104側方へ突出している接続プレート105,105間に配置する場合、スリットを塞ぐシールバンドは、通常シリンダバレル101と一体結合されている端部嵌合部材102に連結されているので、端部嵌合部材102に軸線外側に向く力が作用しても、その荷重はシリンダバレル101で負荷でき、上記のような押しねじは不要となる。勿論、シールバンドをもたないマグネット式のロッドレスシリンダを配置する場合においても同様である。
【0004】
このようにシリンダバレル(チューブ)101両端に端部嵌合部材102が固着されたロッドレスシリンダ100とベース104とを接続プレート105,105により結合しようとするとき、ロッドレスシリンダ100の全長とベース全長とを全く同じにすることは、製作の都合上、ほとんど不可能である。そのため、ベース104の両端部にボルト110により結合された接続プレート105,105の間に、接続プレート105,105間の寸法よりも幾分短いシリンダ100を挟み、上記のような”押しねじ”は必要ないので、この状態で、一対の接続プレート105,105とこれに対応するシリンダの端部嵌合部材102,102とを夫々固定ねじ106で直接連結していた。
このような結合構造では、一対の接続プレート105,105によりロッドレスシリンダ100端とベース104端とを堅固に結合しているため、ロッドレスシリンダ100とベース104の内、剛性の小さな部材が接続プレート105,105を介して変形を起こすことになる。一般的にはロッドレスシリンダ100のシリンダバレル101の剛性が大きいので、図4に示すようにベース104が変形し、ベース104に取り付けられるガイドレール107の真直性や、あるいは、ベース104側面等に設けられる基準取り付け面108の平面度に悪影響を与え、ガイドレール107に案内されるスライドテーブル109の円滑な移動が阻害され、あるいは、基準取り付け面108を他の部材に取り付けた際の組み付け精度が低下する。
この発明は、接続プレートでベースとロッドレスシリンダとを結合する場合、ベースに変形を生じない連結構造を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため、本願スライドユニットでは、ベースの長手両端に接続プレートを固着してベースの側面から側方に突出させ、それらの接続プレートの側方突出部間にロッドレスシリンダを配置して接続プレートを介してロッドレスシリンダをベースに連結し、ベース上のガイドレールに案内されるスライドテーブルとロッドレスシリンダの外部移動体とを連結したスライドユニットにおいて、ロッドレスシリンダの全長を接続プレート間長さよりも短く設定し、そのロッドレスシリンダの一端を一方の接続プレートに固着し、ロッドレスシリンダの他端と他方の接続プレートとの間には、両者をユニット軸線方向に一体連結することなくユニット幅方向を位置決めする幅方向位置決め構造を介在させ、その幅方向位置決め構造を位置決めピンとその位置決めピンがユニット軸線方向移動可能に嵌入する嵌入孔とで構成し、接続プレート間にロッドレスシリンダを固着してもベースが変形しないようにしたことを特徴とする。
具体的には、ロッドレスシリンダの他端とそれに対向する接続プレートとの夫々に嵌入孔を設け、それらの嵌入孔にまたがって、位置決めピンが嵌入される。
この構造では、ベースの長手両端に固着された接続プレートの一方にのみ、ロッドレスシリンダの一方側の端部嵌合部材が一体固着されるだけで、ロッドレスシリンダの他端は接続プレートに一体連結されないため、ロッドレスシリンダの剛性が大きくても、ベースは接続プレートを介して変形しない。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1に示すスライドユニットおいて、ベース1の長手一端面に接続プレート2が締め付けボルト3により一体固着され、接続プレート2は、ベース1の一方側側面1aからさらに側方に突出するように設けてある。ベース1と平行に、ロッドレスシリンダ4が配置される。ロッドレスシリンダ4は周知のように、スリット5を長手全長に形成したシリンダバレル6と、そのシリンダバレル6の長手両端を塞ぐエンドキャップ7、8と、バレル6内側のシリンダ室9内を軸線方向に移動自在に嵌装されたピストン10と、そのピストン10と一体でスリット5を通る力伝達部材11を介してバレル6外側に突出している外側移動体12と、前記スリット5を内側と外側から夫々塞ぐシールバンド13,14とを備えている。前記両端を塞ぐエンドキャップ7、8は、夫々4本ずつの締め付けボルト15によりバレル6端面に一体固着されている。締め付けボルト15のボルト頭部16には、めねじ孔17が設けてある(図3参照)。
【0007】
ロッドレスシリンダ4の一方のエンドキャップ7の長手端面を前記接続プレート2に当て付けて接続プレート2の外側から連結ボルト18を前記めねじ孔17に螺合して一方のエンドキャップ7を接続プレート2に一体固着してある。ロッドレスシリンダ4の全長L1(エンドキャップ7、8の外側端面間の長さ)は、前記接続プレート2,3間長さL2よりも少しばかり短くしてあり、そのスリット5がベース1に向くように横向きに取り付けられる。
【0008】
ロッドレスシリンダ4の他方側のエンドキャップ8には、締め付けボルト15と干渉しない位置にブッシュ嵌合孔20が設けてあり、そのブッシュ嵌合孔20には中空ブッシュ21が嵌め込まれ、ブッシュ21の中心孔が片方の位置決めのための嵌入孔21aとなっている(図2)。一方、ベース1の他端面に取り付けられる接続プレート22には、ベース1に該接続プレート22が固着された状態で前記ブッシュ21と同軸対向位置に段付きのブッシュ嵌合孔23が形成され、その嵌合孔23に中空ブッシュ24が嵌め込まれ、ブッシュ24の中心孔がもうひとつの嵌入孔24aとなっている。そして、位置決めピン25の両側軸部をブッシュ21、24の嵌入孔21a、24aに跨って軸線方向に嵌め込んた状態で接続プレート22をベース1の他端面に当て付け、その状態で接続プレート22の外側から、締め付けボルト26をベース1の端面に螺合して接続プレート22をベース1に一体固着している。このピン25、ブッシュ21、24の嵌入孔21a,24aとにより幅方向位置決め構造が構成されている。この構造では接続プレート22とロッドレスシリンダ4のエンドキャップ8とはユニット軸線方向には一体固着されず、位置決めピン25はブッシュ21、24に軸線方向移動可能に嵌まり込んで、スライドユニットの幅方向を位置決めしているに過ぎない。
【0009】
この構成では、ロッドレスシリンダ4の一方のエンドキャップ8と接続プレート22とが、他方のエンドキャップ7とこれに対応する接続プレート2との間のように結合ボルト18で堅固に一体結合されていないので、ロッドレスシリンダ4の剛性が大きくても、その剛性により接続プレート2、22を介してベース1が変形することがなく、ベース1上に設けてある直線案内用のレール30の真直度が低下することがない。従って、レール30に案内される案内子31と一体結合され、ロッドレスシリンダ4の外側移動体12と連結されているスライドテーブル32の往復運動は極めて円滑となる。また、ベース1の、ロッドレスシリンダ4と逆側の側面1bを取り付け基準面とするような場合には、その基準面1bの変形が防止され、高い精度で他の部材に取り付けできる。
【0010】
【発明の効果】
以上のように本願発明では、全長を接続プレート間長さよりも短く設定したロッドレスシリンダの一端を一方の接続プレートに固着し、ロッドレスシリンダの他端と他方の接続プレートとの間に、両者をユニット軸線方向に一体連結することなくユニット幅方向を位置決めする幅方向位置決め構造を介在させ、その幅方向位置決め構造を位置決めピンとその位置決めピンがユニット軸線方向移動可能に嵌入する嵌入孔とで構成し、接続プレート間にロッドレスシリンダを固着してもベースが変形しないようにしたので、ロッドレスシリンダの剛性が大きくても、ベースが接続プレートを介して変形するのを防止でき、ベース上のガイドレールの真直度や、ベースに設けられる基準面の精度の低下を防止でき、スライドテーブルの往復運動を円滑にできたり、ベースを他の部材に高い精度で取り付けできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願スライドユニットの平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】ロッドレスシリンダの両端部拡大図である。
【図4】従来の技術である。
【符号の説明】
1 ベース
2 接続プレート
4 ロッドレスシリンダ
12 外部移動体
21a 嵌入孔
22 接続プレート
24a 嵌入孔
25 位置決めピン
30 ガイドレール
32 スライドテーブル
Claims (2)
- ベースの長手両端に接続プレートを固着してベースの側面から側方に突出させ、それらの接続プレートの側方突出部間にロッドレスシリンダを配置して接続プレートを介してロッドレスシリンダをベースに連結し、ベース上のガイドレールに案内されるスライドテーブルとロッドレスシリンダの外部移動体とを連結したスライドユニットにおいて、ロッドレスシリンダの全長を接続プレート間長さよりも短く設定し、そのロッドレスシリンダの一端を一方の接続プレートに固着し、ロッドレスシリンダの他端と他方の接続プレートとの間には、両者をユニット軸線方向に一体連結することなくユニット幅方向を位置決めする幅方向位置決め構造を介在させ、その幅方向位置決め構造を位置決めピンとその位置決めピンがユニット軸線方向移動可能に嵌入する嵌入孔とで構成し、接続プレート間にロッドレスシリンダを固着してもベースが変形しないようにしたことを特徴とするスライドユニット。
- ロッドレスシリンダの他端とそれに対向する接続プレートとの夫々に嵌入孔を設け、それらの嵌入孔にまたがって、位置決めピンが嵌入されることを特徴とする請求項1記載のスライドユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002146998A JP4007061B2 (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | スライドユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002146998A JP4007061B2 (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | スライドユニット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003336607A JP2003336607A (ja) | 2003-11-28 |
JP4007061B2 true JP4007061B2 (ja) | 2007-11-14 |
Family
ID=29705762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002146998A Expired - Fee Related JP4007061B2 (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | スライドユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4007061B2 (ja) |
-
2002
- 2002-05-22 JP JP2002146998A patent/JP4007061B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2003336607A (ja) | 2003-11-28 |
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