JP4006629B2 - 耐炎性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐炎性ポリエステルの製造方法に関し、特に、高重合で、優れた耐炎性を有する耐炎性ポリエステルを短時間で製造できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、人間尊重の立場から繊維をはじめ種々の成形物において難燃化の必要性が叫ばれ、種々の努力が払われている。線状ポリエステルから製造される成形品においても耐炎性を付与するために、ポリマー製造時に耐炎性付与物質を添加して共重合またはブレンドさせる方法、成形品の製造時にポリエステルに耐炎性付与物質を練り込む方法、さらにはポリエステルからの成形品を後加工することにより耐炎性を付与する方法等が提案されている。
【0003】
また、ポリエステルはその優れた機械的特性と化学的特性のため、衣料用や産業用等の繊維、磁気テープ用、写真用、コンデンサー用等のフィルム、ボトル等の成形品用;塗料用;接着剤用等に広く用いられている。
【0004】
ポリエステルに耐炎性を付与する試みは従来から種々なされているが、これらの方法の中で、工業的価値を考慮した場合、最も簡便でしかも得られる成形品の諸性能が損なわれ難いという点で、ポリエステル製造時に耐炎性付与物質を添加して共重合する方法が一般的である。
【0005】
ポリエステルに耐炎性を付与する耐炎性付与物質としては、耐炎性能、コスト、環境汚染、安全性の観点から、種々のリン化合物、例えばリン酸トリフェニル等のリン酸エステル類やベンゼンホスホン酸誘導体のようなホスホン酸類等のリン化合物が使用されてきた。
【0006】
しかし、耐炎性付与物質としてこのようなリン化合物を用いる場合には、ポリエステルの製造時に重合触媒が失活して大幅に重合時間が長くなったり、エーテル結合が生成して得られるポリエステルの融点が低下したり、またポリエステルが三次元化してゲルを生じる原因になっていた。さらに、ポリエステル製造系よりリン化合物が飛散し、ポリエステルに導入されるリン化合物量が減少してポリエステルの耐炎効果が低下したり、飛散したリン化合物によって環境汚染等の問題を生じることがあった。
【0007】
これらの諸問題を解決する方法として、特定のリン化合物を共重合させる耐炎性ポリエステルの製造方法が特公昭55−41610号公報に開示されている。しかしながら、前記公報に記載の方法で使用される特定のリン化合物は高価であり、ポリエステルに十分な耐炎性を付与し得うる程度までリン原子を導入すると、製造コストが高くなるという欠点がある。
【0008】
かかる欠点を解決できるとして、予め特定の不飽和カルボン酸を共重合したポリエステルに、特定のリン化合物を反応せしめることにより安価な耐炎性ポリエステルを製造する方法が特公平3−59087号公報に提案されている。この方法によれば、ポリエステルに共重合可能なリン化合物を別途製造する必要がないので、耐炎性ポリエステルの製造コストをかなり低減させることが可能である。しかし、該方法では、活性で不安定な不飽和カルボン酸やP−H結合を有する不安定なリン化合物を、高温下の過酷な条件で反応させるため、得られる耐炎性ポリエステルの一部に三次元架橋構造が形成されて、繊維やフィルムへの加工操業性が低下したり、また得られた繊維やフィルムの物性が低下する等の問題が生じる。また、不飽和カルボン酸を高温下で共重合させるので、不飽和結合が損傷することがあり、リン化合物との反応が定量的に進行しないおそれがある。更には、高温下で活性なリン化合物を反応系に添加するために、ポリエステルの重縮合反応が遅延し、また、製造されたポリエステルが分解する等の問題が生じる。
【0009】
さらに、特開2000−212266号公報では、エステル化反応以前にリン化合物と不飽和カルボン酸を添加する方法が記載されているが、未反応のリン化合物がポリエステルの重合触媒を失活させて、安定した重合性が得られない場合がある。即ち、重縮合反応が遅延化するために、長期間重縮合反応を行っても、高重合度のポリエステルを製造できない場合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記事情に鑑み、本発明の目的は、安定かつ安価に耐炎性ポリエステルを製造できる方法を提供することにある。特に、リン化合物と不飽和カルボン酸との反応をスムーズに進行されることができ、しかも、ポリエステルのゲル化や熱分解を生じることがなく、優れた耐炎性を有する高重合度の耐炎性ポリエステルを短時間で製造できる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、エステル化反応若しくはエステル交換反応時、不飽和カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、特定のリン化合物とを、沸点が100℃以上のアミン化合物の存在下に共存させる(即ち3者を共存させる)ことで、熱的に安定なエステル形成性のリン化合物誘導体が速やかに生成し、該熱的に安定なエステル形成性のリン化合物誘導体が、ポリエステルの重縮合反応においてポリエステルの分解や複反応を喚起せず、ポリエステルに共重合されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)1種以上のジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、1種以上のジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを含む原料から、エステル化反応若しくはエステル交換反応後、重縮合反応を経てポリエステルを製造するに際し、エステル化反応若しくはエステル交換反応の反応系中に、下記一般式(I)で示されるリン化合物(以下、リン化合物(I)ともいう)と、不飽和カルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体と、沸点が100℃以上のアミン化合物とを共存させることを特徴とする、耐炎性ポリエステルの製造方法。
【0013】
【化2】
Figure 0004006629
【0014】
〔式中、R1 、R2 は、同一または異なっていてもよく、それぞれ、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を示し(アリール基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)、またR1 、R2 は互いに環を形成していてもよい〕
(2)沸点が100℃以上のアミン化合物が三級アミン化合物である、上記(1)記載の耐炎性ポリエステルの製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するリン化合物(I)において、R1及びR2は同一又は異なっていてもよい。R1及びR2におけるアルキル基としては、直鎖または分枝鎖状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数が1〜8のアルキル基である。
【0016】
また、アルコキシ基としては、直鎖または分枝鎖状の何れでもよく、例えば、メトキシ、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられ、好ましくは炭素数が1〜6のアルコキシ基である。
【0017】
また、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ジフェニル基等が挙げられる。ここで、アリール基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数が1〜12のアルキル基、好ましくは炭素数が1〜6のアルキル基である。)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数が1〜10のアルコキシ基、好ましくは炭素数が1〜6のアルコキシ基である。)、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素等)等が挙げられる。
【0018】
1及びR2によって形成される環としては、下記構造の環が挙げられる。
【0019】
【化3】
Figure 0004006629
【0020】
【化4】
Figure 0004006629
【0021】
【化5】
Figure 0004006629
【0022】
当該リン化合物(I)の具体例としては、ジメチルホスフィンオキシド、ジエチルホスフィンオキシド、ジプロピルホスフィンオキシド、ジブチルホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィンオキシド、メチルハイドロジェンメチルホスホナイト、エチルハイドロジェンメチルホスホナイト、メチルハイドロジェンエチルホスホナイト、エチルハイドロジェンエチルホスホナイト、メチルハイドロジェンプロピルホスホナイト、エチルハイドロジェンプロピルホスホナイト、メチルハイドロジェンブチルホスホナイト、エチルハイドロジェンブチルホスホナイト、メチルハイドロジェンベンゼンホスホナイト、エチルハイドロジェンベンゼンホスホナイト、9,10−ジヒドロ−9−ホスファ−10−オキサフェナンスレン−9−オキシド(以後HCAと略す)等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジメチルホスフィンオキシド、ジエチルホスフィンオキシド、ジプロピルホスフィンオキシド、ジブチルホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィンオキシド、HCAが好ましく、特に好ましくはHCAである。
【0023】
当該リン化合物(I)はポリエステルに耐炎性を付与する作用は有するが、それ単独ではエステル形成能を持たず、エステル形成反応に対しては不活性である。このため、本発明では、ポリエステルの製造工程における、エステル化反応又はエステル交換反応時に、反応系中に、当該リン化合物(I)と、不飽和カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とを共存させて、熱的に安定なエステル形成性リン化合物誘導体を生成せしめ、該生成したエステル形成性リン化合物誘導体を、重縮合反応工程でポリエステルに共重合させることで、耐炎性ポリエステルを製造する。なお、エステル化反応を経る直接エステル化法が好ましい。
【0024】
本発明の方法では、ポリエステルの製造時間(製造時の操業性)、該方法で製造する耐炎性ポリエステルを原料にして作製される繊維、フィルム、接着剤、塗料等の製品の耐炎性能や物性等の点から、ポリエステル中のリン原子含有量が500〜50,000ppmの範囲となるように、ポリエステル中にリン化合物(I)と不飽和カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体との反応物(エステル形成性リン化合物誘導体)を導入することが好ましい。即ち、ポリエステル中のリン原子含有量が500ppmより少ない場合、ポリエステルに所望の耐炎性を付与することが困難となり、ポリエステル中のリン原子含有量が50,000ppmよりも多いと、ポリエステルを原料にして得られる繊維、フィルム、接着剤、塗料等の製品の物性(その製品に本来的に必要とされる諸物性)が低下し、またポリエステルの製造コストが上昇する等の問題を生じ、好ましくない。
【0025】
ポリエステル中のリン原子含有量の上限は40,000ppm以下がより好ましく、とりわけ好ましくは30,000ppm以下である。また、下限は1,000ppm以上がより好ましく、とりわけ好ましくは2,000ppm以上である。
【0026】
本発明で使用する不飽和カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、メタアクリル酸、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、メサコン酸、メサコン酸ジメチル、メサコン酸ジエチル、シトラコン酸、シトラコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、無水シトラコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、無水イタコン酸等のモノ又はジカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらの中でもマレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等のジカルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体が好ましい。これらの化合物はいずれか1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0027】
本発明では、リン化合物(I)と、不飽和カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体とは、実質的に当モルで使用するのが好ましいが、どちらか一方が20モル%の範囲内で過不足があっても差し支えない。しかし、例えば、リン化合物が不飽和カルボン酸に対して20モル%よりも過剰になると、重合触媒が失活して、重合に長時間を要したり、不活性化した触媒によるポリエステルの色調の悪化や濁りの原因になる。逆に、リン化合物が不飽和カルボン酸に対して20モル%よりも過少になると、不安定な不飽和カルボン酸の量が過剰となり、ポリエステルのゲル化や着色の原因になる。即ち、本発明において、リン化合物(I)及び不飽和カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の各量は、いずれか一方が、いずれか他方の80〜120モル%となる範囲が好ましく、特に好ましくは85〜115モル%となる範囲である。
【0028】
本発明では、リン化合物(I)と不飽和カルボン酸もしくはそのエステル形成誘導体とを、エステル化反応またはエステル交換反応の反応系中に共存させる際、沸点が100℃以上のアミン化合物をこれらとともに存在(即ち、3者を共存)させることが必須である。即ち、沸点が100℃以上のアミン化合物が存在することによって、リン化合物(I)と不飽和カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体との反応が速やかに進行し、エステル化反応及びエステル交換反応が高温、高真空下の過酷な条件であっても、短時間で熱的に安定なエステル形成性リン化合物誘導体を生成する。このため、エステル化反応及びエステル交換反応後の重縮合反応において、リン化合物(I)が重合触媒を失活させることなく、エステル形成性リン化合物誘導体がポリエステルに共重合されて、リン化合物(I)の飛散やポリエステルの三次元化を起こすことなく、耐炎性に優れたポリエステルが安定に製造される。なお、本発明におけるアミン化合物の「沸点」は文献値による。
【0029】
沸点が100℃未満のアミン化合物を使用した場合、アミン化合物が揮発して、エステル化反応又はエステル交換反応時に行うリン化合物と不飽和カルボン酸の反応がスムーズに進行せず、未反応リン化合物による触媒の失活や、不飽和カルボン酸の分解などにより、重合反応に悪影響を及ぼし、高重合度のポリエステルを製造するには長い重合時間を要することとなり、製造効率が著しく低下してしまう。
【0030】
本発明で使用する沸点が100℃以上のアミン化合物としては、例えば、沸点が100℃以上の三級アミン化合物や四級アンモニウム塩が挙げられる。三級アミン化合物としては、例えば、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリへキシルアミン、トリへプチルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルホリン等の三級モノアミン類;N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N´−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N´−ジメチルピペラジン、N,N´−ジエチルピぺラジン等の三級ジアミン類等が挙げられる。また、四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。これらの中でも、三級アミン化合物が好ましく、特に好ましくは沸点が115℃以上のものであり、トリブチルアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N´−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリンがとりわけ好ましい。
【0031】
なお、アミン化合物の沸点が高すぎると、重合反応時にアミン化合物が揮発せずに、ポリマー中に残留して、ポリエステルの着色の原因となるので、本発明において、アミン化合物の沸点は280℃以下が好ましく、260℃以下が特に好ましい。
【0032】
本発明において、アミン化合物の使用量はポリエステルの全酸成分に対して0.01〜1.0モル%となる量が好ましい。下限は0.03モル%がより好ましく、とりわけ好ましくは0.05モル%である。また、上限は0.5モル%がより好ましく、とりわけ好ましくは0.2モル%である。
【0033】
アミン化合物の使用量が少なすぎると、リン化合物(I)と、不飽和カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体との反応が、所定のエステル化反応またはエステル交換反応工程の時間内で十分に進行せず、リン化合物が次の重縮合反応工程において飛散したり、未反応のリン化合物がポリエステルの重合触媒を失活させて、十分に高い分子量のポリエステルを製造できなくなったり、また、ポリエステルの分子量を高めることができても、そのためにはかなりの時間を要することとなってしまう。一方、アミン化合物の使用量が多すぎると、重合反応(重縮合反応)を阻害し、十分に高い分子量のポリエステルを得ることができなくなる。
【0034】
本発明を具体的に説明するため、リン化合物(I)としてHCAを、また不飽和カルボン酸としてイタコン酸をそれぞれ選び、これらをテレフタル酸およびエチレングリコールに共存させて製造される、リン原子が導入された共重合ポリエステルの製造方法について説明する。かかる原料から本発明の耐炎性ポリエステルが生成する過程は以下に示す反応式の通りである。
【0035】
【化6】
Figure 0004006629
【0036】
この反応式からも理解できるように、本発明の製造方法では、ポリエステルの原料モノマーであるジカルボン酸(テレフタル酸)とグリコール(エチレングリコール)とのエステル化反応時、それ自体エステル形成能を持たないリン化合物(HCA)と不飽和カルボン酸(イタコン酸)とが反応してエステル形成性リン化合物誘導体を生成し、かかるエステル形成性リン化合物誘導体が重縮合反応工程において、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)に共重合される。
【0037】
ここで示した反応式は、エステル化反応を経て耐炎性ポリエステルを製造する例であるが、エステル交換反応を経て耐炎性ポリエステルを製造する場合も同様であり、即ち、ジカルボン酸のエステル形成性誘導体(ジカルボン酸ジアルキルエステル)とグリコール(エチレングリコール)とのエステル交換反応時、それ自体エステル形成能を持たないリン化合物と不飽和カルボン酸とが反応してエステル形成性リン化合物誘導体を生成し、これが重縮合反応工程において、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)に共重合される。
【0038】
本発明で製造する耐炎性ポリエステルの構成成分であるジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,5−ジブロムテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ドデカン二酸等の脂肪族、脂環族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体(例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエステル等)等が挙げられる。該ジカルボン酸成分はいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0039】
一方、ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール,1,3−プロピレングリコール,1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族グリコールが挙げられる。該ジオール成分はいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0040】
また、本発明で製造する耐炎性ポリエステルには、酸成分としてオキシカルボン酸成分を共重合してもよく、該オキシカルボン酸成分としては、4−オキシ安息香酸、4−ヒドロキシエトキシ安息香酸、オキシピバリン酸およびこれらのエステル形成誘導体(例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエステル等)等が挙げられる。該オキシカルボン酸成分はいずれか1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。該オキシカルボン酸成分はポリエステルの全酸成分に対して10モル%以下の範囲で使用される。
【0041】
また、本発明で製造する耐炎性ポリエステルには、さらに必要に応じて、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール等の三官能以上の多官能成分を共重合させてもよい。
【0042】
本発明では、エステル化反応若しくはエステル交換反応の反応系中に、式(I)のリン化合物と、不飽和カルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体と、沸点が100℃以上のアミン化合物とを共存させることが特徴であるが、これら3者はエステル化反応若しくはエステル交換反応工程の開始段階から反応系中に共存させても、該反応工程の任意の段階で反応系中に共存させてもよい。即ち、これら3者を、ジカルボン酸成分(モノマー)及びジオール成分(モノマー)とともに、エステル反応(エステル交換反応)用の反応缶に仕込んで、エステル化反応(エステル交換反応)を開始してもよいし、エステル化反応またはエステル交換反応の開始後の任意の段階で3者全てが共存するように、これらを反応系中に添加してもよい。後者の場合、例えば、エステル化反応(エステル交換反応)の開始段階からアミン化合物を存在させ、エステル化反応(エステル交換反応)が進行した任意の段階で、不飽和カルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体と、リン化合物とを反応系中に添加する等である。
【0043】
本発明において、エステル化反応またはエステル交換反応の反応条件、及び、重縮合反応の反応条件は、それぞれ、従来からのポリエステルの製造におけるそれに踏襲することができるが、下記の条件が好ましい。
【0044】
エステル化反応を経由して耐炎性ポリエステルを製造する場合、常圧(大気圧)〜1MPaの圧力下、温度100〜270℃、反応時間10〜360分でエステル化反応を行い、これに続けて、酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、タングステン酸チタニウムテトラブトキシド等の金属化合物を重縮合触媒として用い、10hPa以下の高真空下で200〜300℃(好ましくは210〜290℃)の温度で重縮合を行うのがよい。エステル化反応のより好ましい条件としては、圧力が常圧(大気圧)〜0.9MPa、温度が120〜265℃、反応時間が30〜330分である。
【0045】
上記のエステル化反応条件における圧力、温度及び時間の少なくとも一つが上記の範囲の下限を下回る場合、エステル化反応が進行しにくく、所望の重合度まで達しなかったり、重合時間の延長によって生産性を招いたり、また、リン化合物と不飽和カルボン酸との反応が十分に進行しない虞がある。一方、圧力、温度及び時間の少なくとも一つが上記の範囲の上限を超える場合、ポリエステルが必要以上に熱履歴を受けることとなり、ポリエステルの熱劣化を生じる危険性があり好ましくない。
【0046】
エステル交換反応を経由して耐炎性ポリエステルを製造する場合は、従来公知の金属化合物、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、チタニウムテトラブトキシド、シュウ酸チタニルカリウム等をエステル交換触媒として用い、100〜240℃(好ましくは120〜230℃)の温度でエステル交換反応を行った後、必要に応じてさらに酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、タングステン酸等の金属化合物を重縮合触媒として用い、10hPa以下の高真空下に、200〜300℃(好ましくは210〜290℃)の温度で重縮合を行うのがよい。
【0047】
なお、本発明の耐炎性ポリエステルの製造方法においては、従来からポリエステルの製造時に用いられる添加剤、例えば酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン等の不活性粒子、熱分解安定剤等の安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の公知の添加剤を含有させることができる。
【0048】
また、本発明で製造する耐炎性ポリエステルは、特に、繊維、フィルム、接着剤、塗料等の用途を意図しており、20℃での還元粘度(ηsp/c)(フェノールと四塩化エタンとを質量比で等量混合した混合溶媒での還元粘度)が0.50dl/g以上となる重合度(分子量)を有するのが好ましく、0.55〜1.10dl/gとなる重合度(分子量)を有するのが特に好ましい。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。なお、実施例中の特性値は以下方法による測定値である。
【0050】
(1)還元粘度(ηsp/c)
フェノールと四塩化エタンとを質量比で等量混合した混合溶媒を用い、温度20℃で測定した。
【0051】
(2)リン原子含有量
リガク社製蛍光X線分析装置システム3270を用いて蛍光X線法により求めた。
【0052】
(3)難燃性
JIS−K7201A2又はJIS−K7201B2に従い、酸素指数(LOI)法にて測定した。LOI値が26%以上であれば、合格とする。
【0053】
(4)重合時間
重縮合工程で反応缶の内圧が10hPa以下になった時からポリエステルの還元粘度(ηsp/c)が0.75(目標値)±0.03dl/gまで上がるのにかかる時間を計測した。
【0054】
(5)アミンの沸点
バイルシュタイン有機化学ハンドブック(BEILSTEINS HUNDBUCH DER ORGANISCHEN CHEMIE)に記載の値を引用した。
【0055】
実施例1
表1に示す化合物を、酸成分は表1に示す割合で、グリコール成分は表1の割合の2倍モル、イタコン酸、HCAは表1の割合で、またN,N´−ジメチルピペラジン(沸点:131〜132℃)を表1の割合でそれぞれエステル反応缶が100℃になった段階で仕込み、圧力0.25MPa 、温度240℃まで30分かけて昇温し、反応率が95%以上となるまでエステル化反応を行った。このエステル化反応物に三酸化アンチモンを全酸成分に対し、0.03モル%添加し、それを重縮合反応缶に移送し、温度を60分で275℃まで昇温し、それと同時に圧力を徐々に減じて60分後に1.3hPa以下とした。この条件で攪拌しながらポリエステルが目標の還元粘度(0.75±0.03dl/g)になるまで重縮合反応を行って、リン原子を含有するポリエステルを得た。このポリエステルの難燃性はJIS−K7201A2に従い測定した。
【0056】
比較例1
N,N´−ジメチルピペラジン(沸点:131〜132℃)を使用しない以外は、実施例1と同様にしてポリエステルを製造した。しかし、重縮合反応性が低く、350分反応を行っても目標の重合度(還元粘度:0.75±0.03dl/g)に達しなかったため、ポリエステルの製造を中断した。表1にはその時の還元粘度を示す。
【0057】
比較例2
N,N´−ジメチルピペラジン(沸点:131〜132℃)をトリエチルアミン(沸点:89〜90℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステルを製造した。しかし、重縮合反応性が低く、180分反応を行っても目標の重合度(還元粘度:0.75±0.03dl/g)に達しなかったため、ポリエステルの製造を中断した。表1にはその時の還元粘度を示す。また、このポリエステルの難燃性をJIS−K7201A2に従い測定した。
【0058】
実施例2〜5
原料化合物(有機リン化合物、不飽和カルボン酸、ジカルボン酸及びグリコール、重縮合触媒の種類、アミン化合物)を表1に示すように変更した以外、実施例1と同様にしてポリエステルを製造した。実施例2で用いたN,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミンの沸点は120〜122℃、実施例3で用いたN,N,N´,N´−テトラメチルヘキサメチレンジアミンの沸点は209〜210℃、実施例4で用いたN−メチルモルホリンの沸点は116〜117℃、実施例5で用いたトリブチルアミンの沸点は211〜215℃である。
【0059】
実施例2〜5のポリエステルの難燃性は、ポリエステルをトルエンとメチルエチルケトンの等質量混合溶媒に30質量%の濃度で溶解し、目付300g/m2のポリエチレンテレフタレート織物に100質量%付着させて、120℃で30分間乾燥した後、JIS−K7201B2に従い測定した。
【0060】
【表1】
Figure 0004006629
【0061】
表1から明らかなように、実施例1〜5では、優れた難燃性が得られる十分量のリン原子含有量を有しながら、高重合度(還元粘度が0.75dl/g)のポリエステルを、短時間で製造することができた。これに対し、比較例1は、アミン化合物を添加しなかったため、有機リン化合物と不飽和カルボン酸との反応がエステル化時間内に十分進行せず、未反応の有機リン化合物触媒を失活させるため重縮合反応に長時間要したにもかかわらず高重合度のポリエステルを得ることができなかった。また、比較例2ではアミン化合物が揮発して、エステル化反応時の有機リン化合物と不飽和カルボン酸との反応がスムーズに進行せず、未反応リン化合物による触媒の失活や、不飽和カルボン酸の分解を起こし、還元粘度が目標値(0.75dl/g)よりかなり小さいポリエステルを得るにさえ、長時間を要した。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、ポリエステルの重合反応系に、リン化合物と、不飽和カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、アミン化合物とを共存させるという簡単な方法によって、優れた耐炎性を有し、かつ、高重合度で、繊維、フィルム、ボード、接着剤、塗料等に好適に使用できる耐炎性ポリエステルを、極めて短時間に製造することができる。

Claims (2)

  1. 1種以上のジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、1種以上のジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを含む原料から、エステル化反応若しくはエステル交換反応後、重縮合反応を経てポリエステルを製造するに際し、エステル化反応若しくはエステル交換反応の反応系中に、下記一般式(I)で示されるリン化合物と、不飽和カルボン酸若しくはそのエステル形成性誘導体と、沸点が100℃以上のアミン化合物とを共存させることを特徴とする、耐炎性ポリエステルの製造方法。
    Figure 0004006629
    〔式中、R1 、R2 は、同一または異なっていてもよく、それぞれ、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を示し(アリール基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)、R1 、R2 は互いに環を形成していてもよい〕
  2. 沸点が100℃以上のアミン化合物が三級アミン化合物である、請求項1記載の耐炎性ポリエステルの製造方法。
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