JP4006043B2 - 熱可塑性粉体塗料の塗装方法 - Google Patents

熱可塑性粉体塗料の塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の熱可塑性粉体塗料を塗装する方法に関するものである。更に詳しくはビスフェノール類とエピクロルヒドリンより合成される高分子量ポリヒドロキシポリエーテルからなる粉体塗料を被塗装物表面に溶射塗装機を用いて噴射、塗布を行う熱可塑性粉体塗料を塗装する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
被塗装面の防食を目的とした塗装には数多くの樹脂が使われており、その施工方法も様々なものがある。中でもエポキシ樹脂系粉体塗装方法はエポキシ樹脂の持つ優れた密着性、機械的強度、防食性と粉体塗装方法の無公害性、省エネルギー性の双方を活かした防食塗装方法として広く利用されている。このことから従来工場内でのライン施工ができないような大型の被塗装物にも被覆できるよう要望されている。例えば長尺のものや大口径のもので特に長期防食性や高度の耐薬品性を要求されるものが挙げられる。
しかしながら、エポキシ樹脂に限らず熱硬化性樹脂系粉体塗料は、熱により主剤と硬化剤が架橋して初めて設計された性能が引き出せるのであり、予熱工程、後硬化工程での温度、時間を十分に管理しながらの塗装が必要であり、必然的に施工場所や被塗装物の大きさ等から適応できる分野が制限を受けてしまっている。
これらに対応する方法としてプラスチック溶射塗装があり、一部には熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を用いた粉体塗料での溶射例がある。
【0003】
プラスチック溶射方法では防食性や耐薬品性の性能からポリエチレン樹脂が主に利用されているが金属面との接着性が落ちるためプライマー処理が必要である。一部に見られる熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂での溶射例も、施工現場での硬化終了を確認する方法がないこと、硬化収縮が大きくクラックが発生しやすいため特に内面の塗装には向かないこと等の問題があり、作業性、性能面でより優れたものの出現が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の熱可塑性粉体塗料を用いて且つ溶射塗装方法で塗装することにより、従来現場施工の困難とされていた分野や加熱できないものへの防食粉体塗料の塗装が可能であることを見出し、本発明を完成したもので、本発明の目的は、特定の熱可塑性粉体塗料を用いて溶射塗装方法によって優れた防食塗膜の塗装を行なう方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、重量平均分子量3万〜12万(GPCにて測定:ポリスチレンによる検量線から算出)、DSCによる融点80〜120℃、還元粘度0.20〜0.60(0.2%THF溶液)で表されるビスフェノール類とエピクロルヒドリンより合成される高分子量ポリヒドロキシポリエーテルからなる熱可塑性粉体塗料を用いて塗装するに当り、被塗装面を100〜250℃に加熱し、該加熱面に対して溶射機にて前記熱可塑性粉体塗料を溶融しながら被塗装面に噴射、塗布することによって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に述べる。
本発明で使用する高分子量ポリヒドロキシポリエーテルはビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの縮合反応によって合成される特定範囲の分子量を有するもの、又は、ビスフェノール類のグリシジルエーテルとビスフェノール類との付加重合反応によって得られるものであって、その基本骨格は下記の化学式を有するエポキシ樹脂の重合体である。
【0007】
【化1】
Figure 0004006043
【0008】
即ち、エポキシ樹脂硬化塗膜の持つ被塗装物との密着性、機械特性、加工性、耐薬品性、防食性に優れる特長をすべて兼ね備える熱可塑性樹脂である。所定の分子量であれば自己造膜性を有す。即ち一旦溶融して塗膜を形成できることから、エポキシ樹脂硬化物と同等の物性を得られる。しかしながら重量平均分子量が3万以下では特長は十分には発揮出来ない。即ち自己造膜性に落ちるために満足の行く金属との密着性、機械加工性が得られないが故に防食性に欠けてしまう。また重量平均分子量が12万以上では溶射の熱では十分に溶融せず平滑な塗膜が出来ないため、塗料としての基本的機能である外観に不良を来してしまう。好ましくは重量平均分子量で4万〜8万、DSCによる融点85〜110℃、還元粘度0.30〜0.50であることが望ましく、一例を挙げると東都化成株式会社製フェノトートYP−50が挙げられ、これを平均粒径40〜200μmに粉砕したものが使用できる。
【0009】
本発明で使用する粉体塗料は、更に必要に応じて一般的に使われる着色顔料(一例を挙げると酸化チタン、カーボンブラック)、体質顔料(炭酸カルシウム、シリカ)、塗料添加剤(流れ性調整剤、消泡剤、シランカップリング剤)等の併用も可能である。これらの原料を併用した場合には一般的な粉体塗料製造方法で製造する必要があり、予備混合、溶融混合、粉砕、分級の工程を経た後、平均粒径40〜200μmに調整する。
【0010】
本発明で使用する溶射塗装装置に関しては、プラスチック溶射機であればいずれのタイプでも良い。例えば加熱方法では内炎加熱、外炎加熱どちらでも良く、また加熱源もプロパンガス、アセチレンガス何れでも良い。また酸素供給方式も酸素ガス、空気と何れのタイプの制限は無い。これらの装置を用いて被塗装面を一旦100〜250℃に加熱する。即ち溶射塗装時における粉体塗料供給ラインをとめて溶射機をバーナーとして使用して被塗装面の加熱を行えば良く、被塗装物に見合った加熱炉が不要である。被塗装面の予熱温度は好ましくは120〜200℃であるが、被塗装面の種類によっては十分な予熱が取れないもの、一例を挙げるとモルタル等の場合であり、この場合を考慮して100℃以上とした。100℃以下では溶射された粉体塗料が下地に付着した瞬間に冷却されてしまい連続した塗膜が形成できず、下地との密着性に欠けてしまい防食性も発揮できない。
以上に述べたように本発明を用いることにより、粉体塗装が困難とされていた大型の被塗装面や十分な予熱が出来ない被塗装面にも優れた防食皮膜を形成できる点で非常に有用である。
【0011】
【実施例及び比較例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
本実施例で使用した粉体塗料Aは、東都化成株式会社製フェノトートYP−50(重量平均分子量、6万、DSCによる融点95℃、還元粘度0.45)を85重量部(以下部と略す)、酸化チタン5部、硫酸バリウム14部、流れ性調整剤1部を用いて溶融混合、粉砕、分級を行ったものである。
【0012】
実施例1
粉体塗料AをオノダGXサービス(株)製サーモコーターCT300を用いてい溶射塗装を行なった。試験片は300×300×5.0mmの鋼板を用いサンドブラスト及び脱脂処理を行なった。塗装条件は鋼板の表面温度が150℃になった時点で塗装を開始し膜厚350μmの塗膜を得た。この塗装板を用いて各試験を行なった。
【0013】
実施例2
試験片以外は実施例1と同様に溶射塗装を行なった。試験片は300×300×20.0mmの鋳鉄片を用いサンドブラスト及び脱脂処理を行なった。
実施例3
試験片以外は実施例1と同様に溶射塗装を行なった。使用溶射塗装機はALAMO AUPPLY社製PG−550を使用した。試験片は300×300×60.0mmのモルタル板を用い表面のレイタンスはサンダーで削り落したものを使用し、表面温度が100℃になつた時点で塗装を開始し膜厚350μmの塗膜を得た。試験は実施例1と同項目を行なった。
【0014】
比較例1
標準硬化条件200℃×20分のエポキシ樹脂系粉体塗料を用いて実施例1の試験片に塗装を行なった。使用したエポキシ樹脂系粉体塗料はエポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYD−014)78.1部、ジシアンジアミド(日本カーバイド株式会社ヂシアンヂアミド)1.7部、イミダゾール(四国化成工業株式会社製キュアゾールC11Z)0.2部、酸化チタン5部、硫酸バリウム14部、流れ性調整剤1部を用いて溶融混合、粉砕、分級を行い粉体塗料を得た。標準硬化条件では表1で示す項目に関しては総て合格であることを確認した。塗装条件は200℃に予熱された鋼板に静電塗装にて膜厚350μmになるように塗装したが、被塗装物が後加熱出来ないことを想定して放冷した。試験は実施例1と同項目を行った。
【0015】
比較例2
標準硬化条件200℃×20分のエポキシ樹脂系粉体塗料を用いて実施例3の試験片に塗装を行なった。使用したエポキシ樹脂系粉体塗料はエポキシ樹脂(東都化成株式会社製エポトートYD−014)69.4部と酸無水物(新日本理化株式会社リカシッドTMEG−200)10.4部、硬化促進剤(四国化成工業株式会社製キュアゾールC11Z)0.2部、酸化チタン5部、硫酸バリウム14部、流れ性調整剤1部を用いて溶融混合、粉砕、分級を行い粉体塗料を得た。標準硬化条件では表1で示す項目に関しては総て合格であることを確認した。塗装条件は被塗装物が200℃に出来ない為に予熱塗装条件は100℃の予熱炉に30分放置した後に実施例3と同様に溶射塗装を行った。試験は実施例1と同項目を行った。
試験結果実施例1〜及び比較例1、2の結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0004006043
*1 モルタルの分解ガスによりスポンジ状態
*2 界面破断
*3 鋳鉄の表層のスケールを一部剥離しながらの界面破断
*4 モルタルの母材破壊
*5 塗膜凝集破壊
*6 全面剥離(下地全面錆発生)
【0017】
【発明の効果】
表1で示すように、即ち実施例1及び比較例1で示す大型の被塗装物を想定した比較は後加熱が取れないような場合であり、明らかに本発明の優位が表されている。また20mmもの厚みの被塗装物に関しても全く問題は見られていない。更に実施例3及び比較例2で示すように、モルタルのような高温加熱により分解するようなものに対しての塗装も充分な強度を保持しており、以上を一例として本発明である熱可塑性粉体塗料を用いて溶射塗装方法を利用することにより下地密着性、防食性の優れた皮膜を形成できることは明白である。

Claims (1)

  1. 重量平均分子量3万〜12万(GPCにて測定:ポリスチレンによる検量線から算出)、DSCによる融点80〜120℃、還元粘度0.20〜0.60(0.2%THF溶液)で表されるビスフェノール類とエピクロルヒドリンより合成される高分子量ポリヒドロキシポリエーテルからなる熱可塑性粉体塗料を用いて塗装するに当り、被塗装面を100〜250℃に加熱し、該加熱面に対して溶射機により前記熱可塑性粉体塗料を溶融しながら被塗装面に噴射、塗布することを特徴とする熱可塑性粉体塗料の塗装方法。
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