JP4004291B2 - 展示用免震台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、展示用免震台に関し、特に、上載展示物に対応させて所望の免震状態に作動させるダンパー特性を付加させると共に、上載展示物の重量に合わせながら特別な技術を要することなく容易かつ迅速にダンパー特性を調整できる展示用免震台に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の展示台座においては、展示物を地震による災害から回避させるために、展示台座の内部に免震装置を採用している。展示台座における免震装置は、支承盤台と展示物上載台座との間に配備されて、展示台座に載置した展示物を支持するものであり、地震等で地動と共に支承盤台が水平方向に移動しても、展示物が上載された展示物上載台座は、同じような移動をせずに振動周期を長周期化させている。
【0003】
これによって、共振状態を防ぐと共に地震等の外部入力に対する展示物上載台座の応答加速度を減少させ、ダンパーによって展示物に伝達するエネルギーを軽減させるものである。
【0004】
一方、展示台座の免震機構には、地震等に対する免震機能に加えて、鑑賞者等が展示物に触ることで無意識に与える揺動から、これを回避する機能も求められている。
【0005】
これらの要求性能は、展示用免震台の水平変位と応答加速度に関係してくるものであるが、水平変位と応答加速度とをダンパーの抵抗力で解決することを考えると、ダンパーの摩擦抵抗力を大きくすると水平変位は小さくなるが、応答加速度は大きくなり、反対に、ダンパーの摩擦抵抗力を小さくすると応答加速度は小さくなるが、水平変位は大きくなると言う具合に相反する要求であり、水平変位と応答加速度とを要求される範囲に収めるためには、ダンパーの摩擦抵抗力を詳細に検討する必要があり、設計上の大きなテーマになっている。
【0006】
加えて、展示用免震台は、展示物に合わせてそれ自体も展示されるものであり、展示物と同様に衆目の的になることから、構造面からの要求として可能な限り簡素な小型軽量の機構が求められている。
【0007】
上記の要求を受けた展示用免震台40の例は、図5に示すように支承盤台2と展示物上載台座3及びその間に配置される免震機構4と展示物上載台座3に装備された重し11から構成されている。
【0008】
展示用免震台40の支承盤台2は、架台フレーム5を形成してその内側に免震機構4を取り付けるための支持枠6、6が配設されている。展示物上載台座3は、上段に配置される単一方向免震装置4Bの上に配備されており、両側の単一方向免震装置4Bを連結する形態に形成され、展示物上載台座3には、着脱自在な二枚の重し11、11が装備されている。
【0009】
そして、免震機構4は、架台フレーム5の支持枠6、6に設置される単一方向免震装置4Aと、これと直交させて設置される単一方向免震装置4Bから構成されており、単一方向免震装置4A、4Bは、上コサインレール7A、8Aと下コサインレール7B、8B及びその間に配置されるローラー9ら構成されている。又、ローラーは、両側に配置したローラー連結板10、10によって結合されており、上下コサインレールのずれに従って容易に転動と移動が一体に行われるように構成されている。
【0010】
そして、本展示用免震台40は、摩擦係数と適正摩擦抵抗力を特定することで適切に作動させるものであるから、上載する展示物が変更される場合には、その重量に応じて重し11の重量を調整する必要があり、上載する展示物の変更に見合った重し11を着脱することで、展示物上載台座の重量を調整して水平移動量を超越しない範囲に収めている。
【0011】
しかるに、上載する展示物の変更毎に重し11の重量を調整して展示物上載台座の重量を調整することは、調整を大きい単位で行わざるを得ないために上載する展示物の重量に合わせた微調整ができないことや重し11を展示物上載台座から着脱する手間が必要になることから、初期始動を抑制する機能を付加した免震機能を維持しつつ、上載している展示物の変更に際しても、その調整をさらにきめ細かくかつ容易にして構造的にも簡素にする形態が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した展示用免震台の現状に鑑みてその解決を図るために提案するものであり、上載展示物に対応させた所望の免震状態に作動するダンパー特性を付加すると共に、上載展示物の重量に合わせながら容易かつ迅速にダンパー特性を調整できる展示用免震台を提供している。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である展示用免震台は、複数のローラーから成る免震機構を、支承盤台と展示物が載置される展示物上載台座との間に配備して構成される展示用免震台であって、各ローラーの回転軸をローラー連結板の軸受部で軸支して成る免震機構、ローラーの回転軸とローラー連結板の軸受部間に装備し回転軸と軸受部との間に摩擦部材を介在させて成る摩擦ダンパー機構、該摩擦ダンパー機構の摩擦部材を押圧して摩擦抵抗力を変更する押圧機構及び展示物の重量に応じて該摩擦ダンパー機構に生じさせるべき必要量の摩擦抵抗力の上限・下限値を表示した操作指示部を備えて成る、該押圧機構の摩擦力調整装置から構成されることを特徴としており、上載展示物に対応させた所望の免震状態に作動すると共に、上載展示物の重量に合わせながら容易かつ迅速にダンパー特性を調整することができる。また、操作指示部には、展示物重量に対して必要な摩擦抵抗力の上限・下限値が表示されているので、展示物重量に応じて求められる摩擦力調整装置の必要操作が、特別の技量を持たない素人でも容易にできるものである。
【0014】
請求項2に記載の発明である展示用免震台は、請求項1に記載の展示用免震台において、免震機構を直交方向に積層して配置することを特徴としており、上記機能に加えて、全ての方向の振動に対応することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明である展示用免震台は、請求項1又は2に記載の展示用免震台において、押圧機構をローラー連結板端部の切り欠き部と該切り欠き部と間隙を保って対峙する締め付け材から構成することを特徴としており、上記機能に加えて、摩擦部材の摩擦抵抗力を容易に調整できる。
【0016】
請求項4に記載の発明である展示用免震台は、請求項3に記載の展示用免震台において、操作指示部が、締め付け材をボルトでねじ込むことで得られる摩擦抵抗力を、ボルトの回転角あるいは締め付けトルクで表示することを特徴としており、上記機能に加えて、締め付けトルク又はボルト回転角を表示しており、これによって、変更する上載展示物の重量が判った段階で、ねじ込むボルトを操作指示部の重量値の範囲内に設定(回転)するだけで所定のダンパー特性が得られるように構成されていて、上載展示物の重量に合わせたきめの細かい微調整を特別の訓練を要さずに簡易に実施出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明による展示用免震台は、基本的に、複数のローラーから成る免震機構を支承盤台と展示物が載置される展示物上載台座との間に配備して構成される展示用免震台であって、各ローラーの回転軸をローラー連結板の軸受部で軸支して成る免震機構、ローラーの回転軸とローラー連結板の軸受部間に装備し回転軸と軸受部との間に摩擦部材を介在させて成る摩擦ダンパー機構、摩擦ダンパー機構の摩擦部材を押圧して摩擦抵抗力を変更する押圧機構及び展示物の重量に応じて該摩擦ダンパー機構に生じさせるべき必要量の摩擦抵抗力の上限・下限値を表示した操作指示部を備えて成る、該押圧機構の摩擦力調整装置から構成されており、具体的には、免震機構を直交方向に積層して配置して全ての方向の振動に対応できるようにし、押圧機構をローラー連結板端部の切り欠き部と該切り欠き部と間隙を保って対峙する締め付け材から構成し、操作指示部が、締め付け材をボルトでねじ込むことで得られる摩擦抵抗力を、ボルトの回転角あるいは締め付けトルクで表示することを特徴にしている。
【0018】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、従来例と同様の部材については理解を容易にするために同様の符号で表示している。
【0019】
図1は、本発明による展示用免震台の斜視図であり、免震機構を明示するために支承盤台及び展示物上載台座の周辺に配置される外装板を一部省略した状態で表示している。
【0020】
本実施の形態における展示用免震台1は、図示のように支承盤台2と展示物上載台座3及びその間に配置される免震機構4から構成されている。
【0021】
本発明による展示用免震台は、上記の構成によって地震による水平力が加えられても、支承盤台2と展示物上載台座3との間に配置される免震機構4の作用によってこれを吸収することで、展示物上載台座3の上に載置される展示物が破壊されることを阻止すると共に、免震機構4の初期始動を抑制することによって、鑑賞者等が展示物に無意識に触ることで発生するような小さな外力によっては、展示物上載台座3が揺動しないようにすることで、展示物上載台座3の上に載置されている展示物が転倒破壊されることを回避している。
【0022】
展示物上載台座3は、単一方向免震装置4B、4Bの上に亘ってこれを連結する形態に形成すると共に、支承盤台2の周辺と展示物上載台座3の上面及び周辺には、外装板12を配置することで展示用免震台1を一体のものとして簡素な状態に纏めて美観を保っている。
【0023】
免震機構4は、架台フレーム7の支持枠6、6に設置される単一方向免震装置4Aと、これと直交させて単一方向免震装置4Aの上に設置される単一方向免震装置4Bから構成されており、ローラー連結板10には摩擦ダンパー機構15を備えている。
【0024】
本実施の形態における単一方向免震装置4A、4Bは、上コサインレール7A、8Aと、上コサインレール7A、8Aに対峙する下コサインレール7B、8B及びその間に配置されるローラー9、9から構成されている。ローラー9、9は、両側に配置したローラー連結板10、10によって結合されており、転動と移動が一体に行われるように構成されている。
【0025】
上コサインレール7A、8Aと下コサインレール7B、8Bの両端部には、コサインカーブを描く凹弧状のローラー案内面が形成されているので、上記ローラー9は上下コサインレールのずれに従って容易に転動すると同時に復元力を発生するように構成されている。
【0026】
上記構成によって、地震時に支承盤台2が、単一方向免震装置4Aもしくは4Bの方向に水平移動しても、展示物上載台座3は、その慣性力と上記ローラー9の転動とによって、支承盤台2と同じような移動をせずに、振動周期を長周期化させることを可能にして共振状態を防いでいる。さらに、摩擦ダンパー機構15を設けることによって、地震等の外部入力に対する展示物上載台座の応答加速度を減少させて、展示物に伝達するエネルギーを軽減させている。
【0027】
又、地震時の水平力が収まると、上下一対のコサインレール7A、8A、7B、8Bは、ずれによって発生していた振動を復元力によって収斂させており、展示物上載台座に上載された展示物を移動させないように免震効果を発揮している。
【0028】
本発明による展示用免震台1は、図2の実施の形態に示すように免震機構4において摩擦ダンパー機構15を備えている。摩擦ダンパー機構15は、後述するように軸受け部18を構成している押圧機構22と押圧機構22の押圧力を調整する摩擦力調整装置23から構成されている。
【0029】
しかして、摩擦ダンパー機構15は、摩擦力調整装置23の締め付けトルク(T)を調整することによって、押圧機構22の締め付け力(N)を制御して摩擦抵抗力(F)を設定している。この適正摩擦抵抗力(F)は、上載展示物の重量に合わせたダンパー特性を構成するものであるから、摩擦ダンパー機構15は、上載展示物の重量変更に従ってそのダンパー特性を容易かつ迅速に調整出来る。
【0030】
展示用免震台の設計において、免震装置に要求される性能は「免震効果(応答低減効果)」と「変位限界(δmax)を越えないこと」である。或る周期特性をもった免震装置と想定する入力地震動に対して、“変位限界を越えない状態と良好な免震効果(応答値≦目標値)”が得られる摩擦係数の適正範囲(μmin〜μmax)が設定され、振動解析や実験によって確認される。
【0031】
これによって、上載重量(W)に対する摩擦抵抗力(F)は、F=(μmin〜μmax)Wとして設定されることになり、この摩擦係数の範囲(μmin≦F/W≦μmax)に納まるように、上載重量(W)と摩擦抵抗力(F)の調整が行われることになる。
【0032】
即ち、摩擦抵抗力(F)と展示物上載台座(DL)の重量が構造設計的に決定された後は、上載重量(W)はF/μmax〜F/μminの範囲内となり、台座に上載する展示物重量(LL1)は−DLと表せることから、(F/μmax−DL)〜(F/μmin−DL)の範囲内になるように展示物重量を逆算し、設定する事ができる。
【0033】
台座上の展示物重量(LL1)が上記の範囲を超えれば、これを許容するために摩擦抵抗力(F)の調整を行い、摩擦係数を適正範囲内に納め直すことになる。
【0034】
従って、展示用免震台を適切に作用させるために摩擦係数は適正範囲内にある特定の値μに設定しておきながら、展示物重量に応じた摩擦抵抗力(F)を、F=μ(DL+LL1)として求める事ができるので、上載する展示物(重量)が変更してもその重量に見合った摩擦抵抗力に調整することで免震効果が得られ、変位限界を越えない範囲に納めることができる。
【0035】
図2は、摩擦ダンパー機構について摩擦係数を調整するための具体的な実施の形態であり、摩擦ダンパー機構の斜視図(a)と斜視図(a)の(b)−(b)矢視図(b)である。
【0036】
摩擦ダンパー機構15が装備されている単一方向免震装置は、上述のように互いに対峙している一対の上下コサインレールとその間に配置されるローラー9から構成されており、ローラー9は、両側に配置したローラー連結板16によって結合されて転動と移動が一体に行われるように構成されている。
【0037】
各ローラー9は、その回転軸17をローラー連結板16の軸受部18で軸支されており、Oリング20等によって抜け止めされている。
【0038】
回転軸17と軸受部18との間には摩擦部材21が配置されており、摩擦部材21の摩擦力を変更するために押圧機構22が形成されている。押圧機構22は、軸受部18を構成しているローラー連結板16と締め付け材27において締め付け材27をローラー連結板16側に押圧することで構成されており、この押圧機構22の摩擦抵抗力を調整するために皿ばね28とボルト29から構成される摩擦力調整装置23が配置されている。
【0039】
摩擦部材21は、摩擦力を発揮する材質のものであれば、特に限定されることなく採用可能であるが、本実施の形態では、耐摩耗性と調整の容易さからエキスパンデットメタルを採用しており、これを伸縮可能な円筒形に加工している。
【0040】
押圧機構22の摩擦力調整装置23は、ローラー連結板16の両端部に配置される円筒孔24とこの円筒孔に形成される間隙25を操作する機構で構成されている。円筒孔24は、ローラー連結板16の端部における切り欠き部26と切り欠き部26から独立して対峙している締め付け材27との間に構成されており、切り欠き部26と締め付け材27との間には、皿ばね28を配置することで間隙25を拡大するように構成しており、摩擦部材21の摩擦力を減少させる方向に機能させている。
【0041】
間隙25は、軸受部18の切り欠き部26にボルト29のねじ込みで締め付け材27を押圧することによってその幅が調整されるものであり、幅を縮小することで軸受部18の径を狭くして回転軸17を締付けて摩擦部材21の摩擦力を増大させる方向に構成されている。
【0042】
ボルト29のねじ込み機構は、図2(b)の断面図に示すように、間隙25を構成する締め付け材27にばか穴30を形成し、ローラー連結板16の切り欠き部26にタップ孔31を設けることで構成されており、ボルト29のねじ込みを操作することで上述した摩擦力調整装置23を制御している。しかして、押圧機構22を操作する摩擦力調整装置23には、操作指示部32を設けてあり、摩擦抵抗力(F)と展示物重量(LL1)との関係は、図4のグラフが示すμmin、μmaxの設定範囲において、上載する展示物が変更してもそれに見合った摩擦係数(μ)を簡単に調整して、展示用免震台を適切に作動させるように構成されている。
【0044】
即ち、操作指示部32には、展示物重量(LL1)に対して必要な摩擦抵抗力(F)の上限・下限値が表示されているので、展示物重量に応じて求められる摩擦力調整装置23の必要操作が、特別の技量を持たない素人でも容易にできるものである。
【0045】
さらに、展示物重量が変更した場合においても、任意の摩擦抵抗力(F)に対する展示物重量(LL1)の上限・下限値が表示されているので、摩擦抵抗力の変更の有無を特別の技量を持たない素人でも容易に判定できる。
【0046】
以上の設定は、上記表示の他に、ローラー上部における展示物上載台座の重量+展示物重量W(=DL+LL1)、展示用免震台のローラー1基当たりの摩擦抵抗力(f)、摩擦ダンパーの素材の摩擦係数を補正した値(μ0)、ローラー個数(n)とし、ローラー1基当たりの締め付け力(N)と締め付けトルク(T)、単位トルク当たりの締め付け力を表す係数a、ボルトねじ込み単位回転角当たりのトルクを表す係数(b)及びボルトの回転角(θ)とした場合における、以下の各計算式によって、設計されることになる。
【0047】
μ=F/W (1)
f=μ×N、 F=nf (2)
N=aT (3)
T=bθ (4)
【0048】
従って、本実施の形態における展示物上載台座3のように、単一方向免震装置4A、4Bを直交させた免震装置では、全方位の振動に対して目標範囲内に応答を低減させるためには、方位毎に免震台の摩擦係数(μ)の幅μmin≦μ≦μmaxを振動解析によって求め、上記(1)式に従い、FとW(またはDLとLL1)によって摩擦係数を調整している。
【0049】
即ち、ローラー1基当たりの摩擦抵抗力(f)の範囲は、次の計算式によって設定できる。
【0050】
【式−1】
Figure 0004004291
【0051】
ローラー1基当たりの締め付け力(N)、締め付けトルク(T)や摩擦力調整装置23の回転角(θ)の範囲も上式と同様に設定することができる。逆に、ローラー1基当たりの摩擦抵抗力(f)に対する展示物重量(LL1)の有効範囲は、次の計算式によって設定できる。
【0052】
【式−2】
Figure 0004004291
【0053】
尚、以上の設定計算においては、単一方向免震装置4A、4Bの上下関係によって、勘案する上載物重量Wが異なってくることを考慮する必要がある。
【0054】
同様に、摩擦ダンパー機構22を操作する摩擦力調整装置23では、所定の摩擦抵抗力(f)を導入するために、ローラー1基当たりの締め付け力(N)とトルク(T)が求められている。
【0055】
従って、摩擦力調整装置23の操作は、設定した適正範囲内の摩擦抵抗力(F)が得られるローラー1基当たりの締め付け力(N)を確定するために、締め付けトルク(T)を算出して操作指示部に上載展示物の重量値として表示、または、上載展示物の重量に対して操作指示部にローラー1基当たりの締め付けトルク又はボルト回転角を表示しており、これによって本実施の形態における展示用免震台は、変更する上載展示物の重量が判った段階で、ねじ込むボルト29を操作指示部32の重量値の範囲内に設定(回転)するだけで所定のダンパー特性が得られるように構成されている。
【0056】
又、摩擦力調整装置23の操作は、上述した操作指示部32に合わせてボルト29をねじ込む方法の他にも、トルクレンチやトルクドライバーのように所定のトルクで空転する方式の器具を用いて、摩擦力調整装置23に必要なトルクを導入する際に、トルク制御の操作指示部を張り付けておくことでも適用することができるものである。
【0057】
図3は、摩擦ダンパー機構における他の実施形態であり、摩擦ダンパー機構の断面図である。
【0058】
本実施の形態において、摩擦ダンパー機構15を構成している押圧機構22と摩擦力調整装置33は、多くの部分を上記実施の形態と同様である。
【0059】
即ち、摩擦力調整装置33も、ローラー連結板16の両端部に配置される円筒孔24とこの円筒孔に形成される間隙25を操作する機構で構成されており、円筒孔24は、ローラー連結板16の端部における切り欠き部26と切り欠き部26から独立して対峙している締め付け材27との間に構成されている。
【0060】
しかるに、本実施の形態では、切り欠き部と26と締め付け材27との間に皿ばね28を配置しておらず、間隙25の形成は締め付け材27の自重に依っており、摩擦部材21の摩擦力を減少させる方向に機能する間隙25の拡大力は発生しないように構成されている。
【0061】
皿ばね28は、締め付け材27とこれを押圧するボルト29との間に配置されており、ボルト29のねじ込みによる締め付け材27の押圧は、皿ばね28のばね力を活用しながら摩擦部材21の摩擦力を増大させる方向に機能させて間隙25の幅を調整している。
【0062】
従って、押圧機構22は、上記実施の形態と同様に上載する展示物が変更された場合に、摩擦力調整装置33を操作することでそれに見合った摩擦係数を簡単に調整しながら展示用免震台を適切に作動させることができる。
【0063】
以上の各実施の形態で明らかなように、本発明による展示用免震台は、回転軸と軸受部との間に摩擦材を介在することで免震機構の初期始動を抑制して、鑑賞者等が展示物に無意識に触ることによる小さな外力では展示物上載台座が揺動しないようにして、展示物上載台座の上に載置されている展示物が転倒破壊することを回避すると共に、上載する展示物が変更される場合には、回転軸と軸受部との間に介在させている摩擦ダンパー機構の摩擦抵抗力を摩擦力調整装置によってその重量に応じた操作をすることで調整して、水平移動量を超越しない範囲に収めている。
【0064】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による展示用免震台は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、ローラーを備えた免震機構の形態、摩擦ダンパー機構を構成する具体的な構造や種類及び摩擦力調整装置の形状等に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に記載の展示用免震台は、複数のローラーから成る免震機構を、支承盤台と展示物が載置される展示物上載台座との間に配備して構成される展示用免震台であって、各ローラーの回転軸をローラー連結板の軸受部で軸支して成る免震機構、ローラーの回転軸とローラー連結板の軸受部間に装備し回転軸と軸受部との間に摩擦部材を介在させて成る摩擦ダンパー機構、摩擦ダンパー機構の摩擦部材を押圧して摩擦抵抗力を変更する押圧機構及び展示物の重量に応じて該摩擦ダンパー機構に生じさせるべき必要量の摩擦抵抗力の上限・下限値を表示した操作指示部を備えて成る、該押圧機構の摩擦力調整装置から構成されることを特徴としているので、上載展示物に対応させた所望の免震状態に作動すると共に、上載展示物の重量に合わせながら容易かつ迅速にダンパー特性を調整できる効果を発揮している。また、操作指示部には、展示物重量に対して必要な摩擦抵抗力の上限・下限値が表示されているので、展示物重量に応じて求められる摩擦力調整装置の必要操作が、特別の技量を持たない素人でも容易にできるものである。
【0066】
請求項2に記載の展示用免震台は、請求項1に記載の展示用免震台において、免震機構を直交方向に積層して配置することを特徴としているので、上記効果に加えて、全ての方向の振動に対応できる効果を発揮している。
【0067】
請求項3に記載の展示用免震台は、請求項1又は2に記載の展示用免震台において、押圧機構をローラー連結板端部の切り欠き部と該切り欠き部と間隙を保って対峙する締め付け材から構成することを特徴としているので、上記効果に加えて、摩擦部材の摩擦抵抗力を容易に調整できる効果を発揮している。
【0068】
請求項4に記載の展示用免震台は、請求項3に記載の展示用免震台において、操作指示部が、締め付け材をボルトでねじ込むことで得られる摩擦抵抗力を、ボルトの回転角あるいは締め付けトルクで表示することを特徴としているので、上記効果に加えて、締め付けトルク又はボルト回転角を表示しており、これによって、変更する上載展示物の重量が判った段階で、ねじ込むボルトを操作指示部の重量値の範囲内に設定(回転)するだけで所定のダンパー特性が得られるように構成されていて、上載展示物の重量に合わせたきめの細かい微調整を特別の訓練を要さずに簡易に実施できる効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による展示用免震台における実施形態の斜視図
【図2】本発明における摩擦ダンパー機構と摩擦力調整装置の実施の形態図
【図3】本発明における摩擦ダンパー機構と摩擦力調整装置の他の実施形態図
【図4】本発明における摩擦ダンパー機構と摩擦力調整装置による摩擦抵抗力(F)と展示物重量(LL1)との関係を示すグラフ図
【図5】展示用免震台の従来例図
【符号の説明】
1 展示用免震台、2 支承盤台、3 展示物上載台座、4 免震機構、4A、B 単一方向免震装置、5 架台フレーム、6 支持枠、7A、8A 上コサインレール、7B、8B 下コサインレール、9 ローラー、10 ローラー連結板、11 重し、12 外装板、15 摩擦ダンパー機構、16 ローラー連結板、17 回転軸、18 軸受部、20 Oリング、21 摩擦部材、22 押圧機構、23、33 摩擦力調整装置、24 円筒孔、25 間隙、26 切り欠き部、27 締め付け、28 皿ばね、29 ボルト、30 ばか穴、31 タップ孔、32 操作指示部、

Claims (4)

  1. 複数のローラーから成る免震機構を、支承盤台と展示物が載置される展示物上載台座との間に配備して構成される展示用免震台であって、各ローラーの回転軸をローラー連結板の軸受部で軸支して成る免震機構、ローラーの回転軸とローラー連結板の軸受部間に装備し該回転軸と軸受部との間に摩擦部材を介在させて成る摩擦ダンパー機構、該摩擦ダンパー機構の摩擦部材を押圧して摩擦抵抗力を変更する押圧機構及び展示物の重量に応じて該摩擦ダンパー機構に生じさせるべき必要量の摩擦抵抗力の上限・下限値を表示した操作指示部を備えて成る、該押圧機構の摩擦力調整装置から構成されることを特徴とする展示用免震台。
  2. 免震機構が、直交方向に積層して配置されることを特徴とする請求項1に記載の展示用免震台。
  3. 押圧機構が、ローラー連結板端部の切り欠き部と該切り欠き部と間隙を保って対峙する締め付け材から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の展示用免震台。
  4. 操作指示部が、締め付け材をボルトでねじ込むことで得られる摩擦抵抗力を、ボルトの回転角あるいは締め付けトルクで表示することを特徴とする請求項3に記載の展示用免震台。
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