JP4004153B2 - 半導体フレームの供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマガジンに複数枚収納されたリードフレームや基板等をマガジン外に1枚ずつ供給する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に半導体装置はリードフレームやプリント配線板等の半導体フレームに集積回路チップや固体素子を固定し、リードやパターンとチップ上の電極とをワイヤーにて接続し、トランスファモールドやポッティングモールド等によりパッケージングを行うことにより製造される。そしてこれら一連の作業は半導体フレーム単位に行われるので、その半導体フレームを1枚ずつ作業ライン上に供給する必要がある。
【0003】
半導体フレームは通常、マガジンと呼ばれる箱形の収納容器にその内壁に刻まれた溝に嵌挿されて複数枚平行に並べて収納されている。そこから1枚ずつガイドレールと呼ばれる2本の平行なレール上に移載され、順次後段の装置に送られるのだが、その手法として以下のようなものがあった。
【0004】
まず、マガジン後方からエアシリンダ等のアクチュエーターのロッドで半導体フレームを押し出す方法や半導体フレームに設けられた送り孔に送り爪を係合させて引き出す方法である。しかしながら両者共品種変更時に取付位置の調整が必要不可欠であり作業効率の低下を招くという欠点を有していた。例えば、品種変更の折、半導体フレームの長さが若干長くなった場合等、ロッドの突き出し長さや送り爪の引き出し距離を変えなければならない。
【0005】
そこで特開平1−239944号公報に開示されているように、半導体フレームをチャックで狭持してマガジン外方に引き出し、ガイドレールに移載する方法が案出されている。これによれば半導体フレームの品種変更時、特にその長手方向での変化に対し即座に対応できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の技術であっても、品種変更等に伴う半導体フレーム長やボンディングピッチの変更の度にモーターのパスル数、ガイドレール幅等の設定変更を余儀なくされ、その設定変更に伴うオペレーターへの作業負担並びに装置停止に伴う装置稼働率の低下が生じることは止むを得ないことであった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決する為になされたもので、半導体フレームの品種変更に対し即座に対応出来るとともに、その際に設定変更等の作業負担並びに装置停止による稼働率の低下を生じさせることのない半導体フレームの供給装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、マガジンに収納された半導体フレームをチャックで狭持してマガジン外方に引き出しガイドレール上に移載する引き出し機構と、前記引き出された半導体フレームを後段の装置へ送る搬送手段とを具備する半導体フレームの供給装置において、所定位置に識別用透孔が形成された半導体フレームと、前記マガジンを固定するマガジン押さえと、該マガジン押さえを初期設定位置から前記マガジンに当接するまで移動させる第一の駆動手段と、前記マガジン押さえの移動量から前記マガジンの幅を計測する第一の計測手段と、前記マガジン幅に基づき前記ガイドレールの少なくとも一方のレールを移動し該ガイドレール幅を該マガジンの幅に対応して変更する第二の駆動手段と、前記引き出し機構によって前記マガジンから引き出される前記半導体フレームの前記透孔を検知するセンサを有し前記半導体フレーム長さを識別する第二の計測手段と、前記第一の駆動手段、前記第二の駆動手段、前記第一の計測手段、前記第二の計測手段、前記引き出し機構、前記搬送機構を連動させる制御手段とを具備し、前記搬送手段の前記半導体フレームの送り量は該半導体フレームの前記透孔の位置で定義される量に基づき決定されることを特徴とする。
【0009】
また、前記半導体フレームはリードフレームであり、前記透孔は前記リードフレームのクレードル部に所定間隔をもって2つ形成され、前記透孔の位置で定義される量は前記所定間隔であり、該所定間隔は前記リードフレームの種類に基づき決定される構成として好適である。
【0010】
【作用】
この発明によればマガジンをセットし、固定する際、マガジン押さえの移動量によってマガジン幅を自動的に認識しガイドレール幅を調節できる。なおかつマガジン内に収納された半導体フレームがチャックで狭持されてマガジン外方に引き出される際、半導体フレームの送り量が識別され、これが自動的に搬送手段の送り量として反映される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態を示す図であり、本図において1は半導体フレームを収納するマガジン、2はネジ2aを回転するモーター、2aはマガジン押さえ移動用のネジ、3はマガジン押さえ、4はマガジン感知用のセンサー、5及び6はマガジン押さえの可動範囲を決めるリミットセンサー、7はマガジン押さえの移動を案内するガイドシャフト、9はガイドレール駆動用のモーター、9aはガイドレール移動用のネジ、10は半導体フレーム送り用のガイド、11はガイドレールの移動を案内するガイドシャフト、12aは可動のガイドレール、12bは固定したガイドレール、13はリードフレーム識別用のセンサー、21は半導体フレーム送り用のモーター、2b及び9bはインサートナット、7a及び11aはリニアブシュを示している。
【0012】
これを動作するには、まず、マガジン1を図示の位置にセットしモーター2を駆動させ、マガジン押さえ3を移動させる。ネジ2aはマガジン押さえ3側面に嵌挿したインサートナット2bへ螺入されているので、ネジ2aの回転によりマガジン押さえ3が矢印▲1▼の方向に移動する。しかる後マガジン押さえ3のプレートに内蔵したセンサー4が入った所で2のモーターを停止させ、マガジンを固定する。なお、センサー4にはリミットスイッチ等の機械的なものや近接センサー等の非接触のものが採用できる。
【0013】
モーター2原点よりセンサー4が入る迄のモーター2が回転している間、その回転数を計測する。これはモーター2がサーボモーターならば、その駆動パルスをカウンターによってカウントすることで可能である。さもなければモーター2にエンコーダーを接続して回転数に応じたパルスを発生させ、これをカウンターによってカウントする方法でもよい。このようにして計測した回転数に基づき、マガジン押さえ3の初期設定位置からマガジン1へ当接するまでの移動量が計測されマガジン幅を認識できる。
【0014】
その後、マガジン幅に見合ったガイドレール幅にするべく、モーター9を駆動させ、ネジ9aを回転させる。ネジ9aはガイドレール12a側面に嵌挿したインサートナット9bへ螺入されているので、ネジ9aの回転によりガイドレール12aが矢印▲2▼の方向に移動する。モーター9の回転数は前述したマガジン幅の計測に基づいて決定され、これによりガイドレール12aの停止位置が決まる。
【0015】
次に、半導体フレームの引き出し機構によってチャック15を矢印▲3▼に示すように移動し、半導体フレームをガイドレール上に移載する。
【0016】
図2は半導体フレームの引き出し機構を示し、本図において14はリードフレーム、15は上爪16、下爪17からなるチャック、18はチャックを支持すると共にその開閉を行うチャック本体、19はこのチャック本体18をカイドレール12b長手方向に沿って移動案内するスライドレール、20はスライドレール19に沿って滑動する台座を示している。本図に示す引き出し機構は、ガイドレール12aの側面に固着しており、ガイドレール12aと共に移動する。
【0017】
前述したように既にガイドレール幅が設定されている状態において、開かれたチャック15をマガジン1内にスライドレール19に沿って案内し、リードフレーム14を狭持する。なお、チャック15の開閉をするチャック本体18は、例えば平行開閉内外径把持形エアチャックが採用でき、台座20上に固着して用いる。台座20とスライドレール19は例えばリニアアクチュエーターとして一組になって市販されているものを用いる。
【0018】
次に、チャック15がリードフレーム14を狭持した状態のまま、台座20をスライドレール19に沿って移動させ、リードフレーム14をマガジン1外方に引き出す。引き出されたリードフレーム14は、その端部に設けられた第一の識別用透孔がセンサー13にセンシングされる迄移動する。しかる後さらにチャック15を移動させ、リードフレーム14の所定の位置に設けられた第二の識別用透孔をセンシングすることにより、第一及び第二の識別用透孔間距離を認識し、それに応じたリードフレーム14の長さを識別する。
【0019】
その後チャック15は予め設定されたリードフレーム14よりも十分に長い距離を移動し、リードフレーム14をマガジンから完全に引き出したところでリードフレームを離してガイドレール12a及び12b上へ載置する。この時点でリードフレームのクレードル部がフレーム送りガイド10に係合する。
【0020】
前述の識別した長さに応じたリードフレーム14の送り量、即ちフレーム送りガイド10の送り量を回転角に換算した駆動信号をフレーム送り用モーター21に与えて回転させ、同時にモーターの回動軸に連動したボールネジ等の移動用ネジ21aを回転させ、リードフレーム14を矢印4の方向へ供給する。リードフレーム14を次工程に流した後、フレーム送り用モーター21を逆回転させてフレーム送りガイド10を元の位置に戻し、なおかつチャック15も元の位置に戻す。なお、センサー13は、光電センサーを利用することができ、フリップフロップと連動した状態保持動作をするスイッチングをさせて好適である。また、フレーム送り用モーター21は、例えばエンコーダ付きのステッピングモーター若しくはサーボモータを使用し、フレーム送りガイド10はボールネジ等の送りネジ21aに螺合する雌ねじ部と一体となり、少なくともリードフレーム14のクレードル部に形成された透孔の一つに係合する凸片等の係合部を有するものが採用できる。
【0021】
以上に述べた一連の動作は、例えばコンピュータのメモリに制御プログラムを格納し、センサーからの外部情報を基に該コンピュータによって順送り制御をすることができる。
【0022】
このような構成であるため、品種変更があってもマガジンの幅によってリードフレーム幅に見合ったガイドレール幅を設定でき、透孔の位置によってリードフレーム長さに見合った搬送手段の送り量を設定できる。しかも、複雑な機構を廃し、市販部品を多用した簡単な構成を実現している。
【0023】
以上、実施の形態について詳述したが、本発明はこれに限らず種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、2つの透孔間距離でリードフレーム長さを計測したが、透孔の位置で送り量を定義しさえすればよく、例えば1つの透孔を端面から所定の位置に形成して端面〜透孔間距離を計測する構成としてもよい。この際定義する送り量はリードフレームの長さのみでなく、例えばダイボンドピッチやワイヤボンドピッチに対応したダイアイランド間隔等のように、接続する後段の装置に対応して決定すればよい。
【0024】
また、上記実施の形態ではリードフレームについてのみ述べたが、プリント配線板その他の半導体フレームでもよいことは言うまでもない。
【0025】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば様々な外形寸法の半導体フレームを供給することができるので、半導体フレームの品種変更に対し即座に対応出来るとともに、その際に設定変更等の作業負担並びに装置停止による稼働率の低下を生じさせることがない。
【0026】
特に半導体フレームとしてリードフレームを扱う場合、識別用透孔はクレードル部のスプロケット孔と同時に通常の工程で容易に形成でき、これを2つ形成し、その間隔でリードフレームの種類を定義する構成とすれば容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の半導体フレーム供給装置の実施の形態を示す図である。
【図2】第2図は引き出し機構の詳細図である。
【符号の説明】
1 マガジン
2、9 モーター
2a、9a 移動用ネジ
3 マガジン押さえ
4、13 センサー
5、6 リミットセンサー
7、11 ガイドシャフト
10 ガイド
12a ガイドレール(可動)
12b ガイドレール(固定)
Claims (2)
- マガジンに収納された半導体フレームをチャックで狭持してマガジン外方に引き出しガイドレール上に移載する引き出し機構と、前記引き出された半導体フレームを後段の装置へ送る搬送手段とを具備する半導体フレームの供給装置において、
所定位置に透孔が形成された半導体フレームと、前記マガジンを固定するマガジン押さえと、該マガジン押さえを初期設定位置から前記マガジンに当接するまで移動させる第一の駆動手段と、前記マガジン押さえの移動量から前記マガジンの幅を計測する第一の計測手段と、前記マガジン幅に基づき前記ガイドレールの少なくとも一方のレールを移動し該ガイドレール幅を該マガジンの幅に対応して変更する第二の駆動手段と、前記引き出し機構によって前記マガジンから引き出される前記半導体フレームの前記透孔を検知するセンサを有し前記半導体フレーム長さを識別する第二の計測手段と、前記第一、第二の駆動手段、前記第一、第二の計測手段、前記引き出し機構、前記搬送手段を連動させる制御手段とを具備し、前記搬送手段の前記半導体フレームの送り量は該半導体フレームの前記透孔の位置で定義される量に基づき決定されることを特徴とする半導体フレームの供給装置。 - 前記半導体フレームはリードフレームであり、前記透孔は前記リードフレームのクレードル部に所定間隔をもって2つ形成され、前記透孔の位置で定義される量は前記所定間隔であり、該所定間隔は前記リードフレームの種類に基づき決定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体フレームの供給装置。
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