JP4003613B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両空調用等に好適な冷凍サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、先に、特願2001−117278号の特許出願にて、従来のレシーバサイクルおよびアキュムレータサイクルとは異なる新規な方式により蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を調整する冷凍サイクル装置を提案している。
【0003】
この先願のものは、具体的には、図8に示す冷凍サイクル基本構成を有するものであり、凝縮器2に第1、第2熱交換部5、6を設定するとともに、この第1、第2熱交換部5、6の間に気液分離器7を配置している。そして、圧縮機1の吐出ガス冷媒の主流を第1熱交換部5に流入させて凝縮させる。
【0004】
この第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の一部を液冷媒バイパス通路9により気液分離器7内に流入させるとともに、圧縮機1の吐出ガス冷媒の一部を吐出ガス冷媒絞り10aを有するガス冷媒バイパス通路10に分岐し、このガス冷媒バイパス通路10を通過して吐出ガス冷媒の一部を気液分離器7内に流入させる。
【0005】
気液分離器7内にて凝縮後の液冷媒と吐出ガス冷媒とが混合、熱交換するとともに、その混合冷媒の気液がガス冷媒と液冷媒の密度差により分離され、液冷媒は気液分離器7内の下部に溜まり、ガス冷媒は気液分離器7内の上部に溜まる。
【0006】
第2熱交換部6は第1熱交換部5の冷媒流れ下流側に接続されるものであって、第2熱交換部6の入口側には、第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の主流が流れる液冷媒導入通路11が接続される。更に、気液分離器7のガス冷媒戻し通路12および液冷媒戻し通路13が第2熱交換部6の入口側に接続される。
【0007】
従って、第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の主流、気液分離器7内上部のガス冷媒および気液分離器7内下部の液冷媒の三者が第2熱交換部6に流入し、これらの冷媒が第2熱交換部6で再度冷却され、過冷却状態となる。この過冷却液冷媒が減圧装置3により減圧されて低圧の気液2相状態となり、この低圧冷媒が蒸発器4にて蒸発した後に、圧縮機1に吸入される。
【0008】
上記先願のものでは、気液分離器7内にて凝縮後の液冷媒と吐出ガス冷媒とが混合、熱交換するので、この混合冷媒の乾き度が圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて変化して、気液分離器7内に溜まる液冷媒量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて調整することができる。従って、この気液分離器7内の液冷媒量の調整によりサイクル内循環冷媒流量を調整し、その結果、圧縮機の吐出ガス冷媒の過熱度、ひいては蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を調整できる。
【0009】
このように、上記先願によると、サイクル高圧側に設けた気液分離器7内の液冷媒量の調整により蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を調整できるので、減圧装置3として固定絞り、あるいは高圧冷媒の状態に応動する可変絞り等を使用できる。そのため、減圧装置として、構造が複雑で高価な温度式膨張弁を使用せずにすむという利点がある。また、気液分離器7を冷媒比体積の小さいサイクル高圧側に設けるから、気液分離器7を小型化できる等の利点も得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記先願の冷凍サイクル装置を実際に試作検討してみると、サイクル内循環冷媒流量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて所期の目標通りに調整するためには、吐出ガス冷媒絞り10aを有するガス冷媒バイパス通路10等の冷媒流路を精密に設計し、凝縮器2および気液分離器7の各部寸法を高精度に仕上げる必要が生じることが判明した。
【0011】
このことをより具体的に説明すると、上記先願では、第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の一部を液冷媒バイパス通路9により気液分離器7内に流入させるとともに、圧縮機1の吐出ガス冷媒の一部をガス冷媒バイパス通路10を通して気液分離器7内に流入させる。ここで、気液分離器7への液冷媒の流入量と吐出ガス冷媒の流入量との割合については、吐出ガス冷媒の過熱度を気液分離器7内に適切にフィードバックするための所定割合を実験により求め、その所定割合に液冷媒と吐出ガス冷媒の流入割合を設定している。例えば、液冷媒:吐出ガス冷媒=1:2(重量流量の割合)に設定している。
【0012】
このように、第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の一部のみを気液分離器7内に流入させるので、液冷媒流入量が少量となる。この少量の液冷媒流入量に対して所定割合の吐出ガス冷媒を気液分離器7内に流入させるため、吐出ガス冷媒の流入量も少量となる。この結果、ガス冷媒バイパス通路10に設けられる吐出ガス冷媒絞り10aの通路径は、例えば、φ2.5mm程度の微小寸法に設定する必要が生じる。
【0013】
一方、吐出ガス冷媒絞り10aの通路径の加工上の寸法バラツキ、更には凝縮器ろう付け時のろう材の回り込み等の影響で、吐出ガス冷媒絞り10aの通路径が製品完成段階では所期の設計値からある程度変化することは不可避である。この際、吐出ガス冷媒絞り10aの通路径が上記の理由から元々微小寸法に設計されているので、上記製造上の理由により吐出ガス冷媒絞り10aの通路径が変化すると、吐出ガス冷媒流入量の変化割合が大きくなってしまう。
【0014】
このことは、液冷媒流入量に対する吐出ガス冷媒流入量の割合の変化が大きくなることを意味して、サイクル内循環冷媒流量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて所期の目標通りに調整できない原因となる。
【0015】
例えば、吐出ガス冷媒絞り10aの通路径がろう材の回り込み等により所期の設計値から減少すると、液冷媒流入量に対する吐出ガス冷媒流入量の割合が減少し、吐出ガス冷媒の過熱度情報を気液分離器7内に適切にフィードバックできないので、気液分離器7内に溜まる液冷媒量が過度に増加する。その結果、サイクル内循環冷媒流量が吐出ガス冷媒の過熱度に対して過小となり、冷房性能の低下を起こす。
【0016】
本発明は上記点に鑑みて、サイクル高圧側に設けられる気液分離器内に溜まる液冷媒量を調整して、サイクル内循環冷媒流量を調整する冷凍サイクル装置において、気液分離器内の液冷媒量の調整作用に対する製造上の寸法バラツキ等の影響度合いを低減することを目的とする。
【0017】
より具体的には、本発明は、圧縮機吐出ガス冷媒と凝縮後の液冷媒とを所定割合にて気液分離器内に流入させ、気液分離器内に溜まる液冷媒量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて調整することによりサイクル内循環冷媒流量を調整する冷凍サイクル装置において、気液分離器内の液冷媒量の調整作用に対する吐出ガス冷媒バイパス通路の製造上の寸法バラツキ等の影響度合いを低減することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、サイクル高圧側に設けられる気液分離器内に溜まる液冷媒量の加熱量を圧縮機吐出ガス冷媒もしくは蒸発器出口ガス冷媒の過熱度に応じて調整する加熱手段を備え、この加熱手段により気液分離器内の液冷媒量を調整して、サイクル内循環冷媒流量を調整する冷凍サイクル装置において、気液分離器内の液冷媒量の調整作用に対する冷媒過熱度検出のずれ等の影響度合いを低減することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的のいずれか1つを達成するために案出されたものであり、請求項1に記載の発明では、冷媒流路を構成するチューブ(15)を有する熱交換部(8)と、
チューブ(15)の端部が連通するように熱交換部(8)の両側部に配置されたヘッダタンク(17、18)とを凝縮器(2)に備え、
凝縮器(2)の熱交換部(8)に、圧縮機(1)の吐出ガス冷媒を放熱させて凝縮させる第1熱交換部(5)と、第1熱交換部(5)の冷媒流れ下流側に設けられる第2熱交換部(6)とを一体に構成し、
第2熱交換部(6)の冷媒流れ下流側に設けられる減圧装置(3)と、
減圧装置(3)の冷媒流れ下流側に設けられる蒸発器(4)と、
第1熱交換部(5)を通過した冷媒の全量および圧縮機(1)の吐出ガス冷媒の一部が流入して混合する冷媒混合部(17a)と、
冷媒混合部(17a)が入口部(75)に接続され、冷媒混合部(17a)で混合した冷媒が流入し、流入冷媒の気液を分離する気液分離器(7)と、
気液分離器(7)内部のガス冷媒を第2熱交換部(6)に導入するガス冷媒戻し通路(12)とを備え、
冷媒混合部は、ヘッダタンク(17)内の一部の空間部(17a)により構成されていることを特徴とする。
【0020】
これによると、第1熱交換部(5)を通過して凝縮した液冷媒の全量が気液分離器(7)内に導入されるので、気液分離器(7)内への液冷媒導入量が前述の先願に比較して大幅に増加する。このため、気液分離器(7)内への吐出ガス冷媒導入量を前述の先願に比較して大幅に増加できる。この結果、吐出ガス冷媒導入量を規定する通路径を前述の先願における通路径よりも大幅に大きくすることができる。
【0021】
そのため、上記通路径の加工上の寸法バラツキ、凝縮器ろう付け時のろう材の回り込み等の影響により上記通路径が製品完成段階では所期の設計値からある程度変化しても、この通路径の所期の設計値に対する変化割合を十分小さくできる。これにより、上記通路径の変化に基づく吐出ガス冷媒流入量の変化割合を前述の先願よりも大幅に低減できる。
【0022】
この結果、液冷媒流入量に対する吐出ガス冷媒流入量の変化割合を小さくして、サイクル内循環冷媒流量の調整作用に対する製造上の寸法バラツキの影響度合いを低減できる。従って、製造上の寸法バラツキが多少発生しても、サイクル内循環冷媒流量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて良好に調整できる。
【0023】
換言すると、凝縮器(2)および気液分離器(7)の各部寸法を高精度に仕上げる必要性が低下するので、凝縮器(2)および気液分離器(7)の製造コストを低減できる。
【0025】
また、請求項1に記載の発明によると、第1熱交換部(5)で凝縮した液冷媒と圧縮機吐出ガス冷媒の一部とを冷媒混合部(17a)にて混合し、その混合冷媒を入口部(75)から気液分離器(7)内に導入できる。
そのため、冷媒混合部(17a)にて液冷媒と吐出ガス冷媒とが熱交換するので、吐出ガス冷媒の過熱度を十分反映した状態の混合冷媒を気液分離器(7)内に導入できる。これにより、吐出ガス冷媒の過熱度の変化に応答して、気液分離器(7)内に溜まる液冷媒量を良好に調整できる。
【0027】
さらに、請求項1に記載の発明によると、第1、第2熱交換部(5、6)および冷媒混合部をいずれも凝縮器(2)に一体化でき、構成の簡素化を図ることができる。
【0032】
請求項に記載の発明では、請求項において、気液分離器(7)内に溜まる液冷媒の一部を減圧装置(3)よりも上流側部位に戻す液冷媒戻し通路(13)を備えることを特徴とする。
【0033】
これにより、気液分離器(7)内に溜まる液冷媒に含まれる潤滑オイルを常にサイクル循環冷媒中に還流できるので、圧縮機(1)の潤滑性を確実に確保できる。
【0034】
請求項に記載の発明のように、請求項において、液冷媒戻し通路(13)を第2熱交換部(6)の入口側に連通すれば、液冷媒戻し通路(13)からの液冷媒を第2熱交換部(6)で再度冷却できる。
【0035】
請求項に記載の発明のように、請求項において、液冷媒戻し通路(13)を第2熱交換部(6)の出口側に連通してもよい。
【0036】
これによれば、凝縮器(2)の出口部(25)を後述の図6に例示するように気液分離器(7)側のヘッダタンク(17)に配置することができ、第2熱交換部(6)の冷媒流路をUターン状の流路にすることができ、凝縮器(2)の冷媒流路のターン数を増加できる。つまり、請求項によると、凝縮器(2)の冷媒流路のターン仕様の選択範囲を拡大できる。
【0037】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0038】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態による冷凍サイクル装置の基本構成図であり、車両空調用冷凍サイクルに適用した場合を示している。図2、図3は第1実施形態による高圧側気液分離器と凝縮器を示している。
【0039】
圧縮機1は電磁クラッチ1aを介して車両エンジンEによりベルト駆動される。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は凝縮器2に流入し、ここで、外気と熱交換して冷却され、凝縮する。なお、凝縮器2は車両走行による走行風を受けて冷却される部位、具体的には車両エンジンルーム内の最前部等に配置され、走行風および凝縮器用冷却ファン(図示せず)の送風空気により冷却される。
【0040】
減圧装置3は凝縮器2を通過した冷媒を低圧の気液2相状態に減圧するためのものであり、本例ではオリフィス、ノズル、キャピラリーチューブ等の固定絞りで構成してある。なお、減圧装置3を高圧冷媒の状態(圧力、温度)に応じて開度が調整される可変絞りで構成してもよい。
【0041】
蒸発器4は減圧装置3を通過した低圧冷媒を図示しない空調用送風機の送風空気から吸熱して蒸発させるものである。蒸発器4は図示しない空調室内ユニットのケース内に配置され、蒸発器4で冷却された冷風は周知のごとく図示しないヒータコア部で温度調整された後に車室内へ吹き出す。蒸発器4で蒸発したガス冷媒は圧縮機1に吸入される。
【0042】
凝縮器2は、冷媒流れ方向の順に設けた第1熱交換部5と第2熱交換部6とを有しており、そして、第1熱交換部5と第2熱交換部6との間に冷媒の気液分離を行う高圧側の気液分離器7を設置する構成となっている。
【0043】
気液分離器7と第1熱交換部5との間には、第1熱交換部5を通過した凝縮後の液冷媒の全量を気液分離器7内に導入する液冷媒導入通路14が設けられている。また、圧縮機1の吐出ガス冷媒の一部を吐出ガス冷媒絞り10aを有するガス冷媒バイパス通路10に分岐し、このガス冷媒バイパス通路10を通過して吐出ガス冷媒の一部を気液分離器7内に導入するようになっている。
【0044】
気液分離器7内にて凝縮後の液冷媒と吐出ガス冷媒とが混合し、その混合冷媒の気液がガス冷媒と液冷媒の密度差により分離され、液冷媒は気液分離器7内の下部に溜まり、ガス冷媒は気液分離器7内の上部に溜まる。
【0045】
第2熱交換部6は第1熱交換部5の冷媒流れ下流側に接続されるものであって、第2熱交換部6の入口側には、気液分離器7内のガス冷媒を導入するためのガス冷媒戻し通路12および気液分離器7内の液冷媒を導入するための液冷媒戻し通路13が接続される。
【0046】
次に、凝縮器2および気液分離器7の具体的構成を図2、図3により説明すると、凝縮器2は水平方向に延びて冷媒流路を構成する多数本の偏平チューブ15とこれに接合されるコルゲートフィン16とにより熱交換部8を構成している。
【0047】
この熱交換部8により上記第1熱交換部5と第2熱交換部6が一体構造として構成される。この熱交換部8(第1、第2熱交換部5、6)の左右両側にヘッダタンク(サイドタンク)17、18を上下方向に配置している。偏平チューブ15の左右両端部をヘッダタンク17、18に接合するとともに、偏平チューブ15内の冷媒流路の左右の端部をそれぞれヘッダタンク17、18の内部に連通する。
【0048】
ここで、一方のヘッダタンク17の内部空間は2枚の仕切り板19a、19bにより上中下3つの空間17a、17b、17cに仕切られている。ここで、上側の仕切り板19aには絞り穴を開けて吐出ガス冷媒絞り10aを構成している。また、他方のヘッダタンク18の内部空間は1枚の仕切り板20により上下2つの空間18a、18bに仕切られている。
【0049】
一方のヘッダタンク17内の下側仕切り板19bと他方のヘッダタンク18内の仕切り板20は、タンク上下方向において同一高さに配置され、この両仕切り板19b、20の上側、すなわち、熱交換部8の上側に第1熱交換部5を構成し、両仕切り板19b、20の下側、すなわち、熱交換部8の下側に第2熱交換部6を構成している。
【0050】
一方のヘッダタンク17の中間部空間17bに対応する部位に、冷媒入口をなす入口ジョイント24が接合され、この入口ジョイント24からヘッダタンク17の中間部空間17bに圧縮機1の吐出ガス冷媒が流入する。中間部空間17b内に流入した吐出ガス冷媒の一部が上側の仕切り板19aに開口する吐出ガス冷媒絞り10aを通過して上側空間17aへ直接流入(バイパス)する。吐出ガス冷媒絞り10aの開口面積により上側空間17aへの吐出ガス冷媒流入量(バイパス量)を規定できる。
【0051】
また、一方のヘッダタンク17の上端部近傍位置および下端部近傍位置にそれぞれ接合ジョイント17d、17eが一体に接合されている。この上下の両接合ジョイント17d、17eにはそれぞれ上側空間17a、下側空間17cの内部と連通する通路穴17f、17gおよびねじ穴17h、17iが設けてある。
【0052】
他方のヘッダタンク18の下部に冷媒出口をなす出口ジョイント25が接合され、この出口ジョイント25からヘッダタンク18の下部空間18b内の冷媒が凝縮器2の外部へ出て、減圧装置3側へ向かう。
【0053】
気液分離器7は上下方向に延びる細長の円筒状のタンク部材からなり、左右2つのヘッダタンク17、18のうち、入口ジョイント24が設けられた一方のヘッダタンク17の上下の両接合ジョイント17d、17eにねじ止め固定される。すなわち、気液分離器7の上端部近傍位置および下端部近傍位置にそれぞれ水平方向に貫通する貫通穴71、72を設け、この上下の貫通穴71、72にボルト73、74のねじ部を挿入し、ボルト73、74のねじ部の先端部を接合ジョイント17d、17eのねじ穴17h、17iにねじ込む。これにより、気液分離器7を一方のヘッダタンク17に対してねじ止め固定できる。
【0054】
また、気液分離器7の上端部近傍に冷媒入口75を設けるとともに、気液分離器7の下端部近傍に冷媒出口76を設けてある。冷媒入口75は上側接合ジョイント17dの通路穴17fに、また、冷媒出口76は下側接合ジョイント17eの通路穴17gにそれぞれ対向するように配置してある。
【0055】
このため、気液分離器7のねじ止め固定と同時に、冷媒入口75を上側接合ジョイント17dの通路穴17fに、また、冷媒出口76は下側接合ジョイント17eの通路穴17gにそれぞれ接続できる。ここで、冷媒入口75および冷媒出口76の接続部には、図示しないOリング等の弾性シール材を介在してシール性を確保するようになっている。
【0056】
また、冷媒入口75は図3(a)に示すように気液分離器7の円形の内部空間の中心から偏心して配置して、冷媒入口75からの流入冷媒が気液分離器7の円形内周面の接線方向から内部空間に流入するようになっている。これにより、流入冷媒は気液分離器7の上側内部空間において旋回流Aを形成するようにしてある。
【0057】
この旋回流Aにより遠心力が冷媒流れに作用して、密度の大きい液冷媒(飽和液)は気液分離器7の内周面に押し付けられ、気液分離器7の内周面に沿って下方へ落下し、気液分離器7の内部空間の下部に溜まる。線Bは液冷媒の液面を示す。これに対し、密度の小さいガス冷媒(飽和ガス)は気液分離器7の中心部寄りに集まって、気液分離器7の内部空間の上部、すなわち、液冷媒の液面Bの上方部にガス冷媒の領域を形成する。
【0058】
このように、冷媒入口75からの流入冷媒の気液を旋回流Aの遠心力を利用して強制的に分離するので、気液分離器7のタンク容積が小さくても流入冷媒の気液を確実に分離できる。以上により、気液分離器7上部の冷媒入口75付近に遠心分離器が構成される。
【0059】
気液分離器7の円形の内部空間の中心部には、丸パイプ状の管状部材77が上下方向に延びるように配置されている。この管状部材77の外周面のうち、液冷媒の液面Bよりも十分上方の部位にガス冷媒を吸入するガス戻し口77aが開口している。ガス冷媒はこのガス戻し口77aから管状部材77の内部流路を下方へ流れる。
【0060】
また、管状部材77の外周面のうち、液冷媒の液面Bよりも十分下方の部位に液冷媒を吸入する液戻し口77bが開口しており、液冷媒はこの液戻し口77bから管状部材77の内部流路へ吸入され、上記ガス冷媒の流れに混合する。
【0061】
また、管状部材77の外周面のうち、ガス戻し口77aの開口位置よりの多少下方の部位に円板状の板部材77cの中心穴部が固定してある。この板部材77cの外周面と気液分離器7の内周面との間に所定の隙間部を形成し、気液分離器7上方の液冷媒をこの隙間部を通して気液分離器7の内周面に沿って下方へ落下させる。これにより、気液分離器7内の液面Bが液冷媒の落下により泡立つことを抑制して、液冷媒とガス冷媒との分離性能の悪化を防止する。
【0062】
気液分離器7の底面部には円柱状の壁部78が形成してあり、この壁部78の下部に前述の貫通穴72が水平方向に貫通し、この貫通穴72の上方部に上下方向の穴79を設け、この穴79の上側の大径部に管状部材77の下端部を挿入し、固定している。また、穴79の下部は前述の冷媒出口76に連通している。従って、ガス戻し口77aおよび液戻し口77bから管状部材77内に流入した冷媒は穴79を通って冷媒出口76へ流れる。
【0063】
なお、図2では、底面壁部78を気液分離器7と一体構造として図示しているが、実際には気液分離器7の底面壁部78の部分を別体の蓋部材として構成することにより、管状部材77等を気液分離器7内に挿入できるようにしてある。また、管状部材77の上端部は気液分離器7の上面壁部に当接して支持される。また、気液分離器7内には冷媒流れに含まれる水分を吸着するための乾燥剤(図示せず)が配置される。
【0064】
また、熱交換部8(第1、第2熱交換部5、6)のチューブ15、コルゲートフィン16、ヘッダタンク17、18、接合ジョイント17d、17e、入口ジョイント24、出口ジョイント25等はすべてアルミニュウム材で構成され、ろう付けにより一体構造に組み付けられる。
【0065】
次に、上記構成において第1実施形態の作動を説明する。圧縮機1の吐出ガス冷媒は入口ジョイント24からヘッダタンク17の中間部空間17b内に流入する。この流入冷媒の主流は中間部空間17bから矢印a(図2)のように第1熱交換部5の下半部の偏平チューブ15に流入し、この偏平チューブ15を水平方向に通過してヘッダタンク18の上部空間18aに流入し、ここで、矢印bのようにUターンする。
【0066】
そして、空間18a内の冷媒は、第1熱交換部5の上半部の偏平チューブ15を水平方向に通過する。通常のサイクル運転条件であれば、圧縮機1の吐出ガス冷媒は第1熱交換部5のUターン状の冷媒流路を流れる間に外気中に放熱して凝縮されるので、この凝縮後の液冷媒がヘッダタンク17の上部空間17a内に流入する。なお、サイクル運転条件の変動により所定乾き度を持った気液2相冷媒が上部空間17a内に流入する場合がある。
【0067】
一方、中間部空間17b内に流入した吐出ガス冷媒の一部は上側仕切り板19aの吐出ガス冷媒絞り10aを通過して上部空間17a内に直接流入する。従って、この吐出ガス冷媒と、第1熱交換部5を通過した凝縮後の液冷媒の全量が上部空間17a内にて混合され、この混合冷媒が矢印cのように上側接合ジョイント17dの通路穴17fを通過して気液分離器7の冷媒入口75に流入する。
【0068】
この冷媒入口75に流入した冷媒の気液が前述した遠心分離により液冷媒(飽和液)とガス冷媒(飽和ガス)とに分離れ、液冷媒は気液分離器7内下方へ落下し、気液分離器7内下部に液冷媒が溜まる。この液冷媒の一部が矢印dのように管状部材77下端部付近の液戻し口77bから管状部材77内に流入する。また、気液分離器7内上部に溜まるガス冷媒が矢印eのようにガス戻し口77aから管状部材77内に流入する。
【0069】
なお、液戻し口77bの開口面積はガス戻し口77aの開口面積よりも十分小さくして、液戻し口77bへの液冷媒流入量を微少量に制限している。
【0070】
管状部材77内に流入したガス冷媒と液冷媒が穴79→冷媒出口76→下側接合ジョイント17eの通路穴17gを通過して矢印fのようにヘッダタンク17の下部空間17c内に流入する。
【0071】
上記のガス冷媒(飽和ガス)と液冷媒(飽和液)は上記経路にて混合され、その後、第2熱交換部6の偏平チューブ15を矢印gのように通過してここで再度大気中に放熱して過冷却状態になる。この過冷却液冷媒はヘッダタンク18の下部空間18bに流入した後、出口ジョイント25から凝縮器2の外部へ出て、減圧装置3側へ向かう。
【0072】
気液分離器7内に溜まる液冷媒の一部を液戻し口77bから第2熱交換部6に導入し、液冷媒の一部を常にサイクル循環冷媒の流れ中に戻すことにより、液冷媒に含まれる潤滑オイルを圧縮機1へ確実に戻して、圧縮機1の潤滑性を確保できる。
【0073】
ところで、以上のような冷媒流れを形成するため、第1熱交換部5を通過して凝縮した液冷媒の全量および入口ジョイント24からの吐出ガス冷媒の一部がヘッダタンク17の上部空間17a内で混合し、熱交換する。これにより、上部空間17aから気液分離器7内に流入する冷媒は、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じた乾き度を持った気液2相状態となる。
【0074】
この結果、気液分離器7内に溜まる液冷媒量が圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じた量となる。換言すると、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度の変化に応答して気液分離器7内の液冷媒量を調整できる。この液冷媒量の調整により、気液分離器7内から第2熱交換部6へ導入されるガス冷媒量が変化してサイクル内循環冷媒流量を調整でき、これにより、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度を調整できる。そして、圧縮機1での圧縮過程は基本的に等エントロピ変化であるから、圧縮機1吐出ガス冷媒の過熱度を制御できれば、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を制御できることになる。
【0075】
このように、サイクル高圧側に設けられる気液分離器7内に溜まる液冷媒量を調整して、サイクル内循環冷媒流量を調整する冷凍サイクル装置において、本実施形態によると、サイクル内循環冷媒流量の調整作用に対する製造上の寸法バラツキの影響度合いを低減できるという利点がある。
【0076】
この利点について以下具体的に説明すると、気液分離器7内に導入する凝縮後の液冷媒と吐出ガス冷媒の流入割合は、吐出ガス冷媒の過熱度情報を気液分離器7内に適切にフィードバックするために、各冷凍サイクルごとに決まる所定割合となる。例えば、液冷媒と吐出ガス冷媒の流入割合は、前述のように液冷媒:吐出ガス冷媒=1:2(重量流量の割合)程度に設定する。
【0077】
本実施形態では第1熱交換部5を通過して凝縮した液冷媒の全量を気液分離器7内に導入しているため、気液分離器7内への液冷媒導入量が前述の先願に比較して大幅に増加する。このため、気液分離器7内への吐出ガス冷媒導入量を前述の先願に比較して大幅に増加できる。
【0078】
この結果、吐出ガス冷媒導入量を規定する吐出ガス冷媒絞り10aの通路径を例えば、φ5.5mm程度に増大できる。このφ5.5mmという通路径は、前述の先願における通路径(φ2.5mm程度)の2倍以上の大きさである。
【0079】
ところで、吐出ガス冷媒絞り10aの通路径の加工に際しては、加工上の寸法バラツキが発生し、更には凝縮器ろう付け時のろう材の回り込み等の影響も受けるので、吐出ガス冷媒絞り10aの通路径が製品完成段階で所期の設計値からある程度変化することは不可避である。
【0080】
しかし、本実施形態によると、吐出ガス冷媒絞り10aの通路径を前述の先願よりもはるかに大きい値に増大できるので、この絞り10aの通路径が上記の製造上の理由にて変化してもその変化割合を減少できる。そのため、絞り10aの通路径の変化に基づく吐出ガス冷媒流入量の変化割合を前述の先願よりも大幅に低減できる。
【0081】
このように、液冷媒流入量に対する吐出ガス冷媒流入量の変化割合を小さくして、サイクル内循環冷媒流量の調整作用に対する製造上の寸法バラツキの影響度合いを低減できる。従って、製造上の寸法バラツキが多少発生しても、サイクル内循環冷媒流量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて所期の目標通りに良好に調整できる。
【0082】
次に、図2、図3に示す凝縮器2および気液分離器7の具体的構成と、図1に示す冷媒流路構成との対応関係を説明すると、図1に示すガス冷媒バイパス通路10を図2、図3の構成では吐出ガス冷媒絞り10a、上部空間17aおよび上側接合ジョイント17dの通路穴17fにより構成している。
【0083】
また、図1に示す液冷媒導入通路14を図2、図3の構成では上部空間17aおよび上側接合ジョイント17dの通路穴17fにより構成している。また、図1に示すガス冷媒戻し通路12を図2、図3の構成ではガス戻し口77a、管状部材77の内側流路、穴79、冷媒出口76および下側接合ジョイント17eの通路穴17gにより構成している。
【0084】
更に、図1に示す液冷媒戻し通路13を図2、図3の構成では液戻し口77b、管状部材77の内側流路、穴79、冷媒出口76および下側接合ジョイント17eの通路穴17gにより構成している。なお、上部空間17aは請求項2における冷媒混合部を構成している。
【0085】
(第2実施形態)
第1実施形態では、気液分離器7をボルト73、74により凝縮器2のヘッダタンク17の接合ジョイント17d、17eにねじ結合する構成になっているが、第2実施形態では図4に示すように、気液分離器7を凝縮器2のヘッダタンク17に一体ろう付けにより接合する。
【0086】
すなわち、気液分離器7の外壁面のうち、ヘッダタンク17側の外壁面(冷媒入口75の開口側外壁面)に平坦面を形成し、気液分離器7の外壁面の平坦面とヘッダタンク17の外壁面の平坦面とを当接して一体ろう付けするようにしている。このため、第2実施形態によると、第1実施形態の接合ジョイント17d、17e、ボルト73、74等の部品を廃止でき、構成を簡素化できるとともに、ボルト73、74の締結作業等も廃止できる。
【0087】
なお、第2実施形態において、気液分離器7の外壁面の平坦面とヘッダタンク17の外壁面の平坦面との間に、ろう材を両面クラッドした両面クラッド材を介在して気液分離器7とヘッダタンク17とのろう付けを行うようにしてもよい。
【0088】
(第3実施形態)
第1、第2実施形態では、気液分離器7内に溜まる液冷媒の一部が流入する液冷媒戻し通路13(液戻し口77b等にて構成)を第2熱交換部6の入口側に接続しているが、第3実施形態では、図5に示すように気液分離器7内に溜まる液冷媒の一部が流入する液冷媒戻し通路13を第2熱交換部6の出口側に接続している。
【0089】
図6は第3実施形態による凝縮器2および気液分離器7の具体例を示すものであり、気液分離器7は第2実施形態と同様に凝縮器2のヘッダタンク17に一体ろう付けするようにしている。
【0090】
第3実施形態において、第1、第2実施形態との相違点を説明すると、凝縮器2のヘッダタンク17内に、上下方向に3枚の仕切り板19a、19b、19cを配置し、ヘッダタンク17の内部空間を上下方向に4つの空間17a、17b、17c−1、17c−2に仕切っている。
【0091】
仕切り板19a、19bおよび上側の2つの空間17a、17bは、第1、第2実施形態の仕切り板19a、19bおよび上部空間17a、中間部空間17bと同等のものである。
【0092】
これに対し、仕切り板19cは新規に追加したものであり、第1、第2実施形態の下部空間17cに相当する部分を2つの空間17c−1、17c−2に仕切るものである。
【0093】
これに伴って、第3実施形態では気液分離器7内の管状部材77をL状に屈曲した形状とし、この管状部材77の下部の出口部をヘッダタンク17の中間部空間17c−1に連通している。これにより、L状の管状部材77を図5のガス冷媒戻し通路12のための専用部材として構成している。
【0094】
一方、ヘッダタンク17の最下部の空間17c−2に出口ジョイント25を配置するとともに、気液分離器7内に溜まる液冷媒の一部を液冷媒戻し通路13により最下部の空間17c−2内に導入するようにしている。液冷媒戻し通路13は、気液分離器7とヘッダタンク17の壁面を貫通する貫通穴により構成できる。
【0095】
第3実施形態によると、気液分離器7内にて遠心分離され、気液分離器7内の上部側に集まるガス冷媒が管状部材77の上部側に開口するガス戻し口77aから管状部材77内に流入し、ガス冷媒はこの管状部材77の内部を矢印hのように通過してヘッダタンク17の中間部空間17c−1に流入する。
【0096】
この中間部空間17c−1は第2熱交換部6の入口部を構成しており、ガス冷媒(飽和ガス)は中間部空間17c−1から第2熱交換部6の上半部のチューブ15を通過した後に、ヘッダタンク18の下部タンク18bにて矢印iのようにUターンし、更に、第2熱交換部6の下半部のチューブ15を通過してヘッダタンク17の最下部の空間17c−2に流入する。
【0097】
すなわち、第3実施形態によると、第2熱交換部6においてもUターン状の冷媒流路を構成でき、このUターン状の冷媒流路において飽和ガス冷媒が放熱することにより冷媒は過冷却状態となり、この過冷却液冷媒が最下部の空間17c−2に流入する。この最下部の空間17c−2では、第2熱交換部6からの過冷却液冷媒と液冷媒戻し通路13からの液冷媒(飽和液)とが混合し、その混合液冷媒が出口ジョイント25から凝縮器2外部へ流出し、減圧装置3の入口側へ向かう。
【0098】
第3実施形態によると、第2熱交換部6にもUターン状の冷媒流路を構成して、凝縮器2における冷媒流路のターン数を増加でき、凝縮器2の冷媒ターン構成の選択範囲を拡大できる。
【0099】
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態では、いずれも、圧縮機吐出ガス冷媒の一部を直接、気液分離器7内に流入させて、気液分離器7内に溜まる液冷媒量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度の変化に応答して変化させるようにしているが、第4実施形態では、圧縮機吐出ガス冷媒の一部を直接、気液分離器7内に流入させることを廃止し、その代わりに、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度に応じて気液分離器7内の液冷媒の加熱量を調整する加熱手段を備え、この加熱手段の加熱量により気液分離器内に溜まる液冷媒量を調整する。この加熱手段は、具体的には電気ヒータにより構成できる。
【0100】
以下第4実施形態を図7により具体的に説明すると、凝縮器2および気液分離器7における冷媒流路は、吐出ガス冷媒絞り10aを有するガス冷媒バイパス通路10を廃止した点を除いて図1と同じである。蒸発器4の出口冷媒配管に、冷媒温度センサ30と冷媒圧力センサ31とを設け、この両センサ30、31の検出信号を電子制御装置32の過熱度判定手段33に入力し、この判定手段33にて蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を判定する。そして、過熱度判定手段33により判定された過熱度の信号を加熱量制御手段34に加える。一方、気液分離器7の下部には液冷媒を加熱する電気ヒータ35を設けておく。
【0101】
加熱量制御手段34により蒸発器出口ガス冷媒の過熱度が大きくなるにつれて電気ヒータ35の加熱量を増加するように電気ヒータ35の通電を制御する。従って、第4実施形態によると、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度の増加に応じて電気ヒータ35の加熱量を増加させて、気液分離器7内の液冷媒の蒸発量を増加できるので、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度の増加に応じてサイクル内循環冷媒流量が増加し、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度の増加を抑制する。逆に、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度が減少するときは電気ヒータ35の加熱量を減少させ、これにより、液冷媒の蒸発量が減少(貯留液冷媒量が増加)してサイクル内循環冷媒流量が減少し、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度の減少を抑制する。
【0102】
このように、第4実施形態では蒸発器出口ガス冷媒の過熱度に応じて気液分離器7内の液冷媒の加熱量を電気的手段により調整して蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を所定範囲に制御できる。
【0103】
そして、第4実施形態においても、第1熱交換部5を通過して凝縮した液冷媒の全量を液冷媒導入通路14により気液分離器7内に導入しているため、気液分離器7内への液冷媒導入量が前述の先願に比較して大幅に増加する。この液冷媒導入量の増加に伴って電気ヒータ35の加熱量を比較的大きな値に設定できる。
【0104】
その結果、両センサ30、31の検出誤差等に起因して、電気ヒータ35の加熱量が適正値からずれても、適正値に対するずれ量の割合を小さくできる。従って、電気ヒータ35の加熱量のずれに基づくサイクル内循環冷媒流量の調整作用に対する悪影響、ひいては、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度制御に対する悪影響を低減できる。
【0105】
なお、第4実施形態では蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を判定して、気液分離器7内の液冷媒を加熱する電気ヒータ35の加熱量を制御することにより、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を直接制御するようにしているが、圧縮機1の吐出側に冷媒温度センサ30と冷媒圧力センサ31とを設け、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度を判定して、気液分離器7内の液冷媒を加熱する電気ヒータ35の加熱量を制御することにより、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度を制御し、これにより、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を間接的に制御するようにしてもよい。
【0106】
また、気液分離器7内の液冷媒の加熱手段として、電気ヒータ35の代わりに、温水熱源の加熱装置を用い、温水の流量または温度を電気的な制御弁により調整して液冷媒の加熱量を調整するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による冷凍サイクルの基本構成図である。
【図2】第1実施形態による気液分離器一体型凝縮器を示す模式的な縦断面図で、気液分離器と凝縮器の分解状態を示す。
【図3】図2の気液分離器の冷媒入口部位置における模式的な横断面図である。
【図4】(a)は第2実施形態による気液分離器一体型凝縮器を示す模式的な縦断面図、(b)は(a)の気液分離器の冷媒入口部位置における模式的な横断面図である。
【図5】第3実施形態による冷凍サイクルの基本構成図である。
【図6】(a)は第3実施形態による気液分離器一体型凝縮器を示す模式的な縦断面図、(b)は(a)の気液分離器の冷媒入口部位置における模式的な横断面図である。
【図7】第4実施形態による冷凍サイクルの基本構成および電気制御構成を示すシステム図である。
【図8】先願発明による冷凍サイクルの基本構成図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…凝縮器、3…減圧装置、4…蒸発器、5…第1熱交換部、
6…第2熱交換部、7…気液分離器、10…ガス冷媒バイパス通路、
10a…吐出ガス冷媒絞り、12…ガス冷媒戻し通路、
13…液冷媒戻し通路、14…液冷媒導入通路。

Claims (4)

  1. 冷媒流路を構成するチューブ(15)を有する熱交換部(8)と、
    前記チューブ(15)の端部が連通するように前記熱交換部(8)の両側部に配置されたヘッダタンク(17、18)とを凝縮器(2)に備え、
    前記凝縮器(2)の熱交換部(8)に、圧縮機(1)の吐出ガス冷媒を放熱させて凝縮させる第1熱交換部(5)と、前記第1熱交換部(5)の冷媒流れ下流側に設けられる第2熱交換部(6)とを一体に構成し、
    前記第2熱交換部(6)の冷媒流れ下流側に設けられる減圧装置(3)と、
    前記減圧装置(3)の冷媒流れ下流側に設けられる蒸発器(4)と、
    前記第1熱交換部(5)を通過した冷媒の全量および前記圧縮機(1)の吐出ガス冷媒の一部が流入して混合する冷媒混合部(17a)と、
    前記冷媒混合部(17a)が入口部(75)に接続され、前記冷媒混合部(17a)で混合した冷媒が流入し、流入冷媒の気液を分離する気液分離器(7)と、
    前記気液分離器(7)内部のガス冷媒を前記第2熱交換部(6)に導入するガス冷媒戻し通路(12)とを備え、
    前記冷媒混合部は、前記ヘッダタンク(17)内の一部の空間部(17a)により構成されていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記気液分離器(7)内に溜まる液冷媒の一部を前記減圧装置(3)よりも上流側部位に戻す液冷媒戻し通路(13)を備えることを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記液冷媒戻し通路(13)を前記第2熱交換部(6)の入口側に連通することを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記液冷媒戻し通路(13)を前記第2熱交換部(6)の出口側に連通することを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル装置。
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