JP2003161538A - 冷凍サイクル装置および凝縮器 - Google Patents

冷凍サイクル装置および凝縮器

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JP2003161538A
JP2003161538A JP2001357450A JP2001357450A JP2003161538A JP 2003161538 A JP2003161538 A JP 2003161538A JP 2001357450 A JP2001357450 A JP 2001357450A JP 2001357450 A JP2001357450 A JP 2001357450A JP 2003161538 A JP2003161538 A JP 2003161538A
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gas
liquid separator
liquid
mixing chamber
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Atsushi Inaba
淳 稲葉
Shigeki Ito
繁樹 伊藤
Teruyuki Hotta
照之 堀田
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Denso Corp
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    • F25B2339/0445Condensers with an integrated receiver with throttle portions

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイクル内循環冷媒流量が極端に減少する運
転条件においても、サイクル内の循環冷媒流量をより一
層適正に調整できるようにする。 【解決手段】 圧縮機の吐出冷媒の一部、および凝縮器
2の第1熱交換部5で凝縮した後の冷媒が流入する気液
分離器7を有し、気液分離器7内部にて流入冷媒の気液
を分離して液冷媒を溜め、ガス冷媒を凝縮器2のうち第
1熱交換部5下流の第2熱交換部6に向けて導出する冷
凍サイクル装置であって、第1入口部33からの吐出冷
媒と第2入口部34からの冷媒とを混合して気液分離器
7内に流入させる混合室31を備え、混合室31内の冷
媒流路を、吐出冷媒により第2入口部34からの冷媒を
押し出して気液分離器7内に流入させるように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両空調用等に好
適な冷凍サイクル装置およびその凝縮器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍サイクル装置の基本構成は、
蒸発器出口冷媒の過熱度(スーパーヒート)制御と凝縮
器出口冷媒の過冷却度(サブクール)制御との違いから
レシーバサイクルとアキュムレータサイクルとに大別さ
れる。
【0003】レシーバサイクルは凝縮器出口に設けたレ
シーバにより凝縮器出口冷媒の気液を分離して、レシー
バからの液冷媒を温度式膨張弁により減圧、膨張させ、
次に、この減圧後の低圧冷媒を蒸発器で吸熱して蒸発さ
せる。ここで、温度式膨張弁は蒸発器の出口冷媒の過熱
度SHをフィードバックして弁開度を自動調整し、それ
により、蒸発器出口冷媒の過熱度SHを所定範囲(例え
ば、3〜15℃)に維持している。
【0004】これに対し、アキュムレータサイクルは凝
縮器出口にキャピラリーチューブのような固定絞りを直
接接続し、凝縮器の出口冷媒を固定絞りで直接減圧、膨
張させる。そして、この減圧後の低圧冷媒を蒸発器で吸
熱して蒸発させ、この蒸発器を通過した冷媒をアキュム
レータに流入させ、このアキュムレータで蒸発器出口冷
媒の気液を分離し、アキュムレータ内のガス冷媒を圧縮
機に吸入させる。
【0005】アキュムレータサイクルによると、アキュ
ムレータ内に冷媒の気液界面を形成してアキュムレータ
内の冷媒をモリエル線図の飽和ガス線上に維持するの
で、圧縮機への吸入冷媒の過熱度SHは0℃に維持され
る。
【0006】一方、減圧手段として固定絞りを用いてい
るので、凝縮器出口冷媒の過冷却度SCは固定絞りの流
量特性とサイクル高圧圧力とサイクル冷媒流量とにより
成り行きで決定され、通常は、サイクル運転条件の変動
により過冷却度SCは0〜20℃程度の範囲で変動す
る。
【0007】ところで、前者のレシーバサイクルでは、
温度式膨張弁が蒸発器出口冷媒の過熱度SHをフィード
バックして弁開度を自動調整するものであるため、必然
的に複雑で精密な弁機構が必要となり、コスト高とな
る。
【0008】また、温度式膨張弁は蒸発器出口冷媒の過
熱度SHを感知するため、温度式膨張弁の設置場所を蒸
発器近傍、換言すると、室内側に設定する必要が生じ
る。その結果、温度式膨張弁の絞り通路部で発生する冷
媒通過音が室内の空調使用者(乗員)に伝播しやすくな
り、冷媒通過音の問題が顕在化する。
【0009】これに対して、アキュムレータサイクルで
は、減圧手段として固定絞りを用いているので、温度式
膨張弁に比してはるかに低コストで製造できる。また、
固定絞りは蒸発器近傍に設置する必要がなく、そのた
め、室外側(車両のエンジンルーム側)に固定絞りを設
置できるので、室内へ伝播される冷媒通過音を大幅に低
減できる利点がある。
【0010】しかし、アキュムレータは蒸発器の出口
側、すなわち低圧通路部に設けられ、比容積の大きい低
圧冷媒の気液分離を行うため、高圧側に設置されるレシ
ーバに比較してタンク容積を大きくする必要がある。そ
のため、車両エンジンルーム内のような狭隘なスペース
内に冷凍サイクル機器を搭載する際に、アキュムレータ
の搭載性がレシーバより大幅に悪化する。
【0011】また、車両空調用冷凍サイクル装置では、
車両エンジンにより圧縮機を駆動するので、車両エンジ
ンの回転数変動に伴って圧縮機回転数も大幅に変動す
る。そのため、減圧手段が固定絞りであると、圧縮機の
大幅な回転数変動に対して冷媒流量調整作用が十分対応
できず、凝縮器出口冷媒の過冷却度SCが大きく変動
し、その変動幅が過大となる。
【0012】例えば、圧縮機の高回転時には圧縮機吐出
能力の増大により高圧圧力が上昇して凝縮器出口冷媒の
過冷却度SCが大きくなりすぎる。この過大な過冷却度
SCの発生は、高圧圧力の上昇による圧縮機駆動動力の
増加を招き、サイクル効率を悪化させる。
【0013】そこで、本発明者らは、先に、特願200
1−117278号の特許出願にて、従来のレシーバサ
イクルおよびアキュムレータサイクルとは異なる新規な
方式により蒸発器出口冷媒の過熱度を調整する冷凍サイ
クル装置を提案している。
【0014】この先願のものは、具体的には、図1の冷
凍サイクル基本構成において、図6に示す凝縮器構成を
設定するものであり、凝縮器2の第1、第2熱交換部
5、6のチューブ15の端部が連通するヘッダタンク1
7、18を第1、第2熱交換部5、6の左右両側に配置
し、この両ヘッダタンク17、18のうち、いずれか一
方のヘッダタンク17に、圧縮機1の吐出冷媒が流入す
る入口ジョイント24を設けるとともに、この入口ジョ
イント24を設けたヘッダタンク17側に気液分離器7
を配置している。そして、入口ジョイント24から吐出
冷媒が流入するヘッダタンク17内の上部空間17a
と、気液分離器7内の混合室31とを連通する第1バイ
パス通路33を設け、この第1バイパス通路33により
入口ジョイント24からの吐出冷媒の一部を分岐して混
合室31内に直接導入するようにしている。
【0015】また、第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の
一部をヘッダタンク17内の中間部空間17bから第2
バイパス通路34により分岐して気液分離器7内の混合
室31に導入している。
【0016】更に、気液分離器7内のガス冷媒および液
冷媒をヘッダタンク17内の下部空間17cに戻すガス
戻し用連通路35および液戻し用連通路36を設け、第
2バイパス通路34の分岐点(ヘッダタンク17内の中
間部空間17b)と、ガス戻し用連通路35および液戻
し用連通路36の合流点(ヘッダタンク17内の下部空
間17c)との間に絞り8を設けている。
【0017】この絞り8前後に発生する圧力差によっ
て、凝縮器冷媒流路途中(中間部空間17b)の液冷媒
を第2バイパス通路34から気液分離器7内に導入する
とともに、気液分離器7内のガス冷媒及び液冷媒を下部
空間17cに向けて導出するようにしている。
【0018】上記先願では、圧縮機1の吐出冷媒の一部
を気液分離器7内に直接導入して、圧縮機1の吐出冷媒
と第2バイパス通路34からの液冷媒とを混合して、気
液分離器7内で冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜めるよ
うにしている。これにより、気液分離器7内への流入冷
媒の乾き度が圧縮機吐出冷媒の過熱度に応じて変化し
て、気液分離器7内に溜まる液冷媒量を圧縮機吐出冷媒
の過熱度に応じて調整することができる。そして、この
液冷媒量の調整によりサイクル内循環冷媒流量を調整
し、その結果、圧縮機の吐出冷媒の過熱度、ひいては蒸
発器出口冷媒の過熱度を調整するようにしている。
【0019】従って、上記先願によると、サイクル高圧
側に設けた気液分離器7内の液冷媒量の調整により蒸発
器出口冷媒の過熱度を調整できるので、図1の減圧装置
3として固定絞り、あるいは高圧冷媒の状態に応動する
可変絞り等を使用でき、従来のレシーバサイクルにおけ
る温度式膨張弁を廃止できる。また、従来のアキュムレ
ータサイクルに比較すると、気液分離器7をサイクル高
圧側に設けるから、気液分離器7を小型化できる。ま
た、圧縮機吐出冷媒の過熱度に直接応答してサイクル内
循環冷媒流量を調整できるから、従来のアキュムレータ
サイクルに比較して、サイクル内循環冷媒流量を適正に
制御でき、サイクル効率を向上できる等の利点を有して
いる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先願の
冷凍サイクル装置を実際に実験検討してみると、次のご
とき問題が生じることが判明した。すなわち、第2バイ
パス通路34の分岐点と、ガス戻し用連通路35および
液戻し用連通路36の合流点との間に配置される圧力差
発生用の絞り8前後の圧力差は、サイクル内の循環冷媒
流量の変化に応じて変化する。
【0021】そのため、冷房熱負荷が小さい時とか、圧
縮機回転数の低回転時のように循環冷媒流量が極端に少
ない時には、固定絞り8前後の圧力差が大幅に減少す
る。これにより、第2バイパス通路34から気液分離器
7内に液冷媒が流れにくくなり、図7の拡大図に示すよ
うに混合室31内の下側領域に第2バイパス通路34か
らの液冷媒(図7斜線部)が溜まるようになる。
【0022】そのため、気液分離器7内への液冷媒の導
入量が過度に減少して、気液分離器7内に溜まる液冷媒
量が過度に減少する。その結果、サイクル内の循環冷媒
流量が冷房熱負荷に対して過多の状態でバランスする。
この冷媒流量過多の状態が生じると蒸発器出口冷媒の過
熱度が低下して、圧縮機での液圧縮の原因となる。
【0023】本発明は上記点に鑑みて、サイクル循環冷
媒流量が極端に減少する運転条件においても、サイクル
内の循環冷媒流量をより一層適正に調整できるようにす
ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、圧縮機(1)の吐出冷
媒の一部、および凝縮器(2)の第1熱交換部(5)で
凝縮した後の冷媒が流入する気液分離器(7)を有し、
気液分離器(7)内部にて流入冷媒の気液を分離して液
冷媒を溜め、ガス冷媒を凝縮器(2)のうち第1熱交換
部(5)下流の第2熱交換部(6)に向けて導出する冷
凍サイクル装置であって、吐出冷媒が流入する第1入口
部(33)と、第1熱交換部(5)で凝縮した後の冷媒
が流入する第2入口部(34)と、第1入口部(33)
からの吐出冷媒と第2入口部(34)からの冷媒とを混
合して気液分離器(7)内に流入させる混合室(31)
とを備え、混合室(31)内の冷媒流路を、吐出冷媒に
より第2入口部(34)からの冷媒を押し出して気液分
離器(7)内に流入させるように構成したことを特徴と
する。
【0025】これによると、サイクル内の循環冷媒流量
が極端に少なくなる運転条件(低流量時)においても、
混合室(31)内で吐出冷媒により第2入口部(34)
からの冷媒(凝縮後の液冷媒)必ず押し出して気液分離
器(7)内に流入させることができる。
【0026】その結果、低流量時においても、気液分離
器(7)内に適正な液冷媒量を溜めることができ、サイ
クル内の循環冷媒流量を冷房熱負荷に対応した適正量に
調整できる。これにより、低流量時に、サイクル内冷媒
流量が過多となる状態を抑制して、蒸発器出口冷媒の過
熱度の過度な低下を抑制でき、ひいてはこれに起因する
圧縮機での液圧縮を抑制できる。
【0027】請求項2に記載の発明のように、請求項1
において、具体的には、混合室(31)の上下方向にお
いて、第1入口部(33)を第2入口部(34)より上
側に配置し、混合室(31)内の冷媒流路として、第1
入口部(33)からの吐出冷媒および第2入口部(3
4)からの冷媒をともに下方へ向かって流す第1流路
(31b)と、第1流路(31b)の下端部近傍に連通
し、第1流路(31b)の下端部近傍に到達した冷媒を
上方へ向かって流す第2流路(31c)とを備え、第2
流路(31c)の上方部を気液分離器(7)内に連通さ
せることを特徴とする。
【0028】これによれば、混合室(31)内の第1流
路(31b)と第2流路(31c)とによるUターン状
の冷媒流れにより請求項1の作用効果を有効に発揮でき
る。
【0029】請求項3に記載の発明のように、請求項1
または2において、混合室(31)を気液分離器(7)
内に一体に構成すれば、気液分離器(7)に混合室(3
1)を内蔵した形態となり、気液分離器(7)を通常通
り凝縮器(2)のヘッダタンク(17)に直接組み付
け、接合することができる。
【0030】請求項4に記載の発明では、請求項1また
は2において、凝縮器(2)は、第1熱交換部(5)お
よび第2熱交換部(6)の冷媒流路を構成するチューブ
(15)と、第1、第2熱交換部(5、6)の左右両側
に配置され、チューブ(15)の端部が連通するヘッダ
タンク(17、18)と、両ヘッダタンク(17、1
8)のうち、いずれか一方のヘッダタンク(17)に設
けられ、圧縮機(1)の吐出冷媒が流入する冷媒入口
(24)とを有しており、冷媒入口(24)を設けた一
方のヘッダタンク(17)と、気液分離器(7)との間
に板部材(40)を一体に接合し、板部材(40)に凹
状部(40a、40b)を形成して混合室(31)を構
成することを特徴とする。
【0031】これにより、凝縮器(2)と気液分離器
(7)との間に接合される板部材(40)により混合室
(31)を構成することができる。そのため、気液分離
器(7)の内部空間の形態に制約されることなく、混合
室(31)の形態を比較的自由に設定できる。
【0032】請求項5に記載の発明では、請求項1また
は2において、気液分離器(7)の気液分離用空間を構
成する穴部(71)および混合室(31)内の冷媒流路
を構成する穴部(72、73)を1つの筒状本体部(7
0)に設け、この筒状本体部(70)に、気液分離器
(7)および混合室(31)を一体成形したことを特徴
とする。
【0033】これにより、1つの筒状本体部(70)に
気液分離器(7)および混合室(31)を一体成形で構
成でき、気液分離器(7)および混合室(31)を効率
よく製造でき、その製造コストを低減できる。
【0034】請求項7に記載の発明では、圧縮機(1)
の吐出冷媒を凝縮させる第1熱交換部(5)と、吐出冷
媒の一部および第1熱交換部(5)で凝縮した後の冷媒
が流入する気液分離器(7)と、第1熱交換部(5)の
下流側に設けられた第2熱交換部(6)とを備え、気液
分離器(7)内部にて流入冷媒の気液を分離して液冷媒
を溜め、ガス冷媒を第2熱交換部(6)に向けて導出す
る冷凍サイクル装置の凝縮器であって、吐出冷媒が流入
する第1入口部(33)と、第1熱交換部(5)で凝縮
した後の冷媒が流入する第2入口部(34)と、第1入
口部(33)からの吐出冷媒と第2入口部(34)から
の冷媒とを混合して気液分離器(7)内に流入させる混
合室(31)とを備え、混合室(31)内の冷媒流路
を、吐出冷媒により第2入口部(34)からの冷媒を押
し出して気液分離器(7)内に流入させるように構成し
た凝縮器を特徴とする。
【0035】このように請求項7は凝縮器を対象とする
ものであって、請求項1と同様の作用効果を発揮できる
凝縮器を提供できる。
【0036】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は第1実施形態および先願に
よる冷凍サイクル装置の基本構成図であり、車両空調用
冷凍サイクルに適用した場合を示している。図2は第1
実施形態による気液分離器一体型の凝縮器を示し、図3
は気液分離器内の混合室部分の拡大断面図である。
【0038】圧縮機1は電磁クラッチ1aを介して車両
エンジンEによりベルト駆動される。圧縮機1から吐出
された高圧のガス冷媒は凝縮器2に流入し、ここで、外
気と熱交換して冷却され、凝縮される。なお、凝縮器2
は車両走行による走行風を受けて冷却される部位、具体
的には車両エンジンルーム内の最前部等に配置され、走
行風および凝縮器用冷却ファン(図示せず)の送風空気
により冷却される。
【0039】減圧装置3は凝縮器2を通過した冷媒を低
圧の気液2相状態に減圧するためのものであり、本例で
はオリフィス、ノズル、キャピラリーチューブ等の固定
絞りで構成してある。
【0040】蒸発器4は減圧装置3を通過した低圧冷媒
を図示しない空調用送風機の送風空気から吸熱して蒸発
させるものである。蒸発器4は図示しない空調室内ユニ
ットのケース内に配置され、蒸発器4で冷却された冷風
は周知のごとく図示しないヒータコア部で温度調整され
た後に車室内へ吹き出す。蒸発器4で蒸発したガス冷媒
は圧縮機1に吸入される。
【0041】凝縮器2は、冷媒流れ方向の順に設けた第
1熱交換部5と第2熱交換部6とを有しており、そし
て、第1熱交換部5と第2熱交換部6との間に冷媒の気
液分離を行う気液分離器7および中間絞り(固定絞り)
8を一体に設置する構成となっている。
【0042】次に、凝縮器2の具体的構成を図2により
説明すると、凝縮器2は水平方向に延びて冷媒流路を構
成する多数本の偏平チューブ15とこれに接合されるコ
ルゲートフィン16とから構成される熱交換部を有し、
この熱交換部の上側に第1熱交換部5を構成し、その下
側に第2熱交換部6を構成している。
【0043】この両熱交換部5、6の左右両側にヘッダ
タンク(サイドタンク)17、18を上下方向に配置
し、偏平チューブ15の左右両端部をヘッダタンク1
7、18に接合するとともに、偏平チューブ15の左右
の端部はそれぞれヘッダタンク17、18の内部に連通
する。
【0044】ここで、一方のヘッダタンク17の内部空
間は2枚の仕切り板19a、19bにより上中下3つの
空間17a、17b、17cに仕切られている。また、
他方のヘッダタンク18の内部空間は1枚の仕切り板2
0により上下2つの空間18a、18bに仕切られてい
る。
【0045】一方のヘッダタンク18の上部には冷媒入
口をなす入口ジョイント24が接合され、この入口ジョ
イント24からヘッダタンク17の上部空間17aに圧
縮機1の吐出冷媒が流入する。他方のヘッダタンク18
の下部に冷媒出口をなす出口ジョイント25が接合さ
れ、この出口ジョイント25からヘッダタンク18の下
部空間18b内の冷媒が凝縮器2の外部へ出て、図1の
減圧装置3側へ向かう。
【0046】気液分離器7は上下方向に延びる細長のタ
ンク形状からなり、左右2つのヘッダタンク17、18
のうち、入口ジョイント24が設けられた一方のヘッダ
タンク17に一体に接合されている。なお、第1、第2
熱交換部5、6、ヘッダタンク17、18、気液分離器
7等はすべてアルミニュウム材で構成され、ろう付けに
より一体構造に組み付けられる。ここで、アルミニュウ
ム材とはアルミニュウム合金を含む意味である。
【0047】次に、気液分離器7と、凝縮器2側冷媒流
路との結合関係を説明すると、気液分離器7内に金属製
のスペーサ部材30を配置して、このスペーサ部材30
の内部に上下方向に延びる混合室31を形成している。
この混合室31は第1バイパス通路33によりヘッダタ
ンク17内の上部空間17aに連通し、更に、混合室3
1は第2バイパス通路34によりヘッダタンク17内の
中間部空間17bに連通している。
【0048】ここで、混合室31の上下方向に対して第
1バイパス通路33を上側に配置し、第2バイパス通路
34を下側に配置している。更に、混合室31は出口穴
32により気液分離器7内の上部空間(ガス冷媒域)に
連通している。なお、出口穴32の上下方向位置を下げ
ると、出口穴32から気液混合冷媒流が気液分離器7内
下部に溜まる液冷媒中に噴出して、液冷媒を泡立たせ
て、気液分離器7内下部に液冷媒を溜めることができな
い。従って、出口穴32の上下方向位置は気液分離器7
内上部のガス冷媒域に位置するように設定する。
【0049】混合室31の具体的構成をより詳細に説明
すると、金属製のスペーサ部材30は気液分離器7の円
弧状内周壁面に一体にろう付けにより接合されるため、
気液分離器7および凝縮器2と同様にアルミニュウム材
で成形される。そして、スペーサ部材30の断面形状は
図示しないが、気液分離器7の円弧状内周壁面に沿った
円弧状部を有する略半円状の形状であり、そして、スペ
ーサ部材30の全体形状は図3に拡大図示するように上
下方向に延びる縦長の形状になっている。
【0050】スペーサ部材30の内部にはスペーサ部材
30の上面部から垂下する仕切り板30aが設けてあ
る。この仕切り板30aもアルミニュウム材で成形さ
れ、スペーサ部材30の上面部およびスペーサ部材30
の上下方向に延びる内壁面に一体に接合される。
【0051】この仕切り板30aの下端部と混合室31
内の底面部との間の連通部31aを残して、この連通部
31aよりも上方の空間を仕切り板30aの面と平行に
仕切る。これにより、混合室31内の冷媒流路として、
第1流路31bと連通部31aと第2流路31cとを有
するUターン流れの冷媒流路を構成する。
【0052】第1流路31bは、第1バイパス通路33
からの吐出ガス冷媒および第2バイパス通路34からの
冷媒(凝縮後の液冷媒)がともに下方へ向かって流れる
流路を構成する。そして、第2流路31cは、第1流路
31bの下端部に連通部31aにより連通し、第1流路
31bの下端部(すなわち、連通部31aの部位)に到
達した冷媒が上方へ向かって流れる流路を構成し、この
第2流路31cの上方部に上記出口穴32が配置してあ
る。
【0053】以上の冷媒流路構成により、入口ジョイン
ト24からの圧縮機吐出冷媒の一部がヘッダタンク17
内の上部空間17aにて第1バイパス通路33に分岐さ
れ、この第1バイパス通路33を通過して混合室31内
の第1流路31bの上方部へ直接導入される。また、ヘ
ッダタンク17内の中間部空間17bに流入する凝縮後
の液冷媒の一部が第2バイパス通路34に分岐され、こ
の第2バイパス通路34を通過して混合室31内の第1
流路31bのうち、圧縮機吐出冷媒の導入部位より下方
部へ導入される。
【0054】従って、混合室31内の第1流路31bに
て圧縮機吐出冷媒により第2バイパス通路34からの液
冷媒を必ず押し出して第2流路31c側へ送り込むこと
ができる。これと同時に、圧縮機吐出冷媒と液冷媒が第
1流路31bから連通部31aを経て第2流路31c側
へ流れる間に、圧縮機吐出冷媒と液冷媒が良好に混合さ
れる。
【0055】なお、第1バイパス通路33および第2バ
イパス通路34は気液分離器7、スペーサ部材30、お
よびヘッダタンク17の壁面を貫通する貫通穴にて構成
できる。第1バイパス通路33が本発明の第1入口部を
構成し、第2バイパス通路34が本発明の第2入口部を
構成する。
【0056】ヘッダタンク17内の中間部空間17bと
下部空間17cとを仕切る仕切り板19bには中間絞り
8を構成する絞り穴が設けてあるので、中間絞り8によ
る所定の圧力差を持って中間部空間17bが下部空間1
7cに連通する。
【0057】また、気液分離器7の上部には図2に示す
ようにガス戻し用の連通路35の一端部を接続し、この
連通路35の他端部をヘッダタンク17内の下部空間1
7cに接続している。これにより、気液分離器7内の上
部のガス冷媒をヘッダタンク17内の下部空間17cに
常時戻すことができる。ガス戻し用の連通路35は本例
では気液分離器7の外部に設けたパイプ部材により構成
している。
【0058】また、気液分離器7の下部には、気液分離
器7とヘッダタンク17の壁面を貫通する貫通穴からな
る液戻し用の連通路36を形成して、気液分離器7内の
下部をヘッダタンク17内の下部空間17cに連通させ
ている。この液戻し用の連通路36は中間絞り8および
ガス戻し用連通路35に比較して通路断面積が十分小さ
い(例えば、穴径:1mm程度)ものであり、気液分離
器7内の下部に溜まる液冷媒をヘッダタンク17内の下
部空間17cに常時少量ずつ戻すことができる。
【0059】ここで、気液分離器7内に溜まる液冷媒に
は圧縮機1の潤滑オイルが溶け込んでいるので、この液
冷媒戻しにより圧縮機1へのオイル戻り性を良好に維持
できる。
【0060】なお、気液分離器7内には冷媒中の水分を
吸着する乾燥剤37が配置される。この乾燥剤37は、
気液分離器7を含む凝縮器2を一体ろう付けにより組み
付けた後に、気液分離器7の底部開口部から気液分離器
7内に挿入され、この底部開口部は蓋部材38によって
密封される。この蓋部材38は気液分離器7の下端部に
ねじ止め等により弾性シール材(図示せず)を介在して
気密に固定される。
【0061】次に、上記構成において作動を説明する。
圧縮機1の吐出冷媒は入口ジョイント24からヘッダタ
ンク17の上部空間17aを経て第1熱交換部5の上半
部の偏平チューブ15を矢印aのように水平方向に通過
してヘッダタンク18の上部空間18aに流入して、こ
こで、Uターンする。そして、空間18aから第1熱交
換部5の下半部の偏平チューブ15を矢印bのように水
平方向に通過してヘッダタンク17の中間部空間17b
内に流入する。
【0062】通常のサイクル運転条件であれば、圧縮機
1の吐出冷媒は第1熱交換部5のUターン状の冷媒流路
を流れる間に外気中に放熱して凝縮され、液冷媒となっ
て中間部空間17b内に流入する。なお、サイクル運転
条件の変動により所定乾き度を持った気液2相冷媒が中
間部空間17b内に流入する場合もある。
【0063】そして、中間部空間17b内の液冷媒の主
流は、矢印cのように仕切り板19bに形成された中間
絞り8を通過して下部空間17c内に流入する。中間絞
り8の存在によりヘッダタンク17の中間部空間17b
と下部空間17c間に所定の圧力差が生じる。この圧力
差の発生によって、中間部空間17b内の液冷媒の一部
が矢印dのように第2バイパス通路34から混合室31
内へ導入される。
【0064】また、入口ジョイント24からの圧縮機吐
出冷媒がヘッダタンク17内の上部空間17aにおいて
分岐され、その分岐された一部の吐出冷媒が第1バイパ
ス通路33を経て矢印eのように混合室31内へ直接導
入される。そのため、混合室31内では圧縮機吐出冷媒
の一部と第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の一部が混合
し、熱交換するので、飽和ガス冷媒と飽和液冷媒とが混
合した状態、すなわち、所定の乾き度を持った気液2相
状態となって、混合室31の出口穴32から矢印fのよ
うに混合冷媒が気液分離器7内の上部に流入する。
【0065】ここで、圧縮機吐出冷媒と凝縮後の液冷媒
を別々に気液分離器7内に直接導入せずに、混合室31
内にて圧縮機吐出冷媒と凝縮後の液冷媒を混合した後に
気液分離器7内に導入するから、混合室31内にて圧縮
機吐出冷媒と凝縮後の液冷媒を良好に混合して、両冷媒
間の熱交換を十分行うことができる。
【0066】気液分離器7内で冷媒の気液が密度差によ
り分離され、気液分離器7内の下方側に液冷媒が溜ま
り、上方側にガス冷媒が集まる。なお、図3の矢印f1
は出口穴32から気液分離器7内に流入した密度の小さ
い飽和ガス冷媒の流れを示し、図3の矢印f2は出口穴
32から気液分離器7内に流入した密度の大きい飽和液
冷媒の流れを示す。
【0067】気液分離器7内のガス冷媒は、ガス戻し用
連通路35を通過して矢印gのようにヘッダタンク17
の下部空間17c内に流入する。また、気液分離器7内
の下方の液冷媒は、矢印hのように液戻し用連通路36
を通過して下部空間17c内に流入する。
【0068】従って、下部空間17cには、中間部空間
17bからの凝縮器主流路の液冷媒と、気液分離器7内
のガス冷媒と気液分離器7内の液冷媒の三者が流入す
る。これらの冷媒は下部空間17cで混合され第2熱交
換部6の偏平チューブ15を矢印cのように通過してこ
こで再度大気中に放熱して過冷却状態になる。この過冷
却液冷媒はヘッダタンク18の下部空間18bに流入し
た後、出口ジョイント25から凝縮器2の外部へ出て、
減圧装置3側へ向かう。
【0069】ところで、以上のような作動を行うため、
第1熱交換部5を通過して冷却され凝縮した液冷媒の一
部および入口ジョイント24からの吐出冷媒の一部が混
合室31内で混合し、熱交換することにより、混合室3
1の出口32から気液分離器7内に流入する冷媒は、圧
縮機吐出冷媒の過熱度に応じた乾き度を持った気液2相
状態となる。
【0070】この結果、気液分離器7内に溜まる液冷媒
量が圧縮機吐出冷媒の過熱度に応じた量となる。換言す
ると、圧縮機吐出冷媒の過熱度の変化に応答して気液分
離器7内に溜まる液冷媒量を調整でき、そして、この貯
留液冷媒量の調整により、サイクル循環冷媒流量を調整
して、圧縮機吐出冷媒の過熱度を調整できる。
【0071】より具体的に述べると、夏場のような冷房
高負荷時に蒸発器出口冷媒の過熱度が大きくなると、圧
縮機1吐出冷媒の過熱度も大きくなる。そのため、第1
バイパス通路33から混合室31内に過熱度の大きいガ
ス冷媒が流入する。
【0072】この過熱度の大きい高温ガス冷媒の流入に
より、混合室31内の液冷媒の蒸発が促進され、混合室
31から気液分離器7内に流入する冷媒の乾き度が大き
くなるので、気液分離器7内に溜まる液冷媒量を減少さ
せる。これにより、気液分離器7からガス戻し用連通路
35を経て凝縮器2へ戻されるガス冷媒量を増加させる
ので、サイクル内の循環冷媒流量を増加させることがで
き、蒸発器出口冷媒の過熱度を減少させることができ
る。
【0073】一方、冷房熱負荷が小さくて、蒸発器出口
冷媒の過熱度が0付近であったり、圧縮機1に液冷媒戻
りが生じるような条件下では、圧縮機1吐出冷媒の過熱
度も小さくなるので、バイパス吐出冷媒による液冷媒の
蒸発作用が低下し、混合室31から気液分離器7内に流
入する冷媒の乾き度が小さくなる。そのため、気液分離
器7では、逆に、液冷媒の貯留量が増加し、サイクル内
の循環冷媒流量を減少させる。
【0074】そして、気液分離器7内での液冷媒量の増
加により、再び、サイクル内循環冷媒流量が不足する事
態が発生すれば、圧縮機1吐出冷媒の過熱度増加が気液
分離器7内にフィードバックされ、気液分離器7内の液
冷媒量を減少させ、サイクル内の循環冷媒流量を増加さ
せる。
【0075】以上のように、バイパス吐出冷媒を気液分
離器7内に直接導入することにより、圧縮機吐出冷媒の
過熱度変化を気液分離器7内の液冷媒量の調整に応答良
くフィードバックすることができる。そして、この液冷
媒量の調整作用を通じてサイクル内の循環冷媒流量を調
整し、圧縮機1吐出冷媒の過熱度を制御していることに
なる。圧縮機1での圧縮過程は基本的に等エントロピ変
化であるから、圧縮機1吐出冷媒の過熱度を制御できれ
ば、蒸発器出口冷媒の過熱度を制御できることになる。
【0076】ところで、上記のような過熱度制御を行う
冷凍サイクルにおいて、前述したように、冷房熱負荷が
小さい時とか、圧縮機回転数の低回転時のように循環冷
媒流量が極端に少なくなると、固定絞り8前後の圧力差
が大幅に減少する。その場合、先願発明によると、この
圧力差の大幅減少が原因となって、第2バイパス通路3
4から気液分離器7内に液冷媒が流れにくくなり、図7
の拡大図に示すように混合室31内の下側領域に第2バ
イパス通路34からの液冷媒(図7斜線部)が溜まるよ
うになる。そのため、気液分離器7内に溜まる液冷媒量
が過度に減少して、サイクル内の循環冷媒流量が冷房熱
負荷に対して過多の状態でバランスするという問題が生
じる。
【0077】これに対して、本実施形態によると、圧縮
機吐出冷媒の一部が第1バイパス通路33を通過して混
合室31内の第1流路31bの上方部へ導入され、ま
た、第1熱交換部5で凝縮した液冷媒の一部が第2バイ
パス通路34を通過して混合室31内の第1流路31b
のうち、圧縮機吐出冷媒より下方部へ導入される。従っ
て、固定絞り8前後の圧力差が大幅に減少するサイクル
運転条件(低流量時)においても、混合室31内の第1
流路31bにて圧縮機吐出冷媒により第2バイパス通路
34からの液冷媒を必ず押し出して第2流路31c側へ
送り込むことができる。
【0078】その結果、凝縮後の液冷媒の一部を低流量
時でも混合室31内を通して気液分離器7内に確実に導
入することができ、気液分離器7内に適正量の冷媒を溜
めることができる。その結果、低流量時における冷媒流
量過多の状態を抑制して、蒸発器出口冷媒の過熱度の過
度な低下を防止できる。つまり、本実施形態によると、
低流量時におけるサイクル内の循環冷媒流量をより一層
適正な範囲に制御できる。
【0079】(第2実施形態)第1実施形態では、気液
分離器7内にスペーサ部材30を配置して、混合室31
を気液分離器7内に構成しているが、第2実施形態で
は、混合室31を気液分離器7とヘッダタンク17との
間に構成する。
【0080】図4は第2実施形態であり、気液分離器7
とヘッダタンク17との間に板部材40を介在し、この
板部材40により混合室31を構成する。より具体的に
説明すると、板部材40は図4(b)、(c)に示すよ
うに縦長の概略長方形の形状にアルミニュウム材により
成形され、気液分離器7とヘッダタンク17との間にて
一体にろう付けされる。
【0081】そして、板部材40のうち、上部側の部分
に、左右の両側面から縦長の凹状部40a、40bを切
削加工等により形成し、この左右の凹状部40a、40
bの間の部分を仕切り板40cとする。左右の凹状部4
0a、40bの下端部には貫通穴40dを開けて、左右
の凹状部40a、40bを連通させる。
【0082】第2実施形態では、板部材40の左右の両
側面は図4(a)に示すように気液分離器7とヘッダタ
ンク17の外表面に接合されるので、左右の凹状部40
a、40bの空間は密封された冷媒流路となる。すなわ
ち、右側の凹状部40aにより混合室31の第1流路3
1bを構成し、左側の凹状部40bにより混合室31の
第2流路31cを構成し、貫通穴40dにより第1流路
31bと第2流路31cとの連通部31aを構成する。
【0083】そして、第2実施形態では、第1バイパス
通路33および第2バイパス通路34はヘッダタンク1
7の壁面を貫通する貫通穴により構成され、第1実施形
態と同様に第1バイパス通路33が上方に配置され、第
1バイパス通路33の下方に第2バイパス通路34が配
置されている。また、混合室31の出口穴32は気液分
離器7のの壁面を貫通する貫通穴により構成され、出口
穴32も第1実施形態と同様に第2流路31cの上方部
に配置されている。
【0084】以上の構成により第2実施形態において
も、第1実施形態と同様に、混合室31内において、第
1バイパス通路33からの圧縮機吐出冷媒により第2バ
イパス通路34からの液冷媒を必ず押し出すことができ
るので、低流量時においても気液分離器7内に適正量の
液冷媒を溜めて、サイクル内冷媒循環流量を適正に調整
できる。
【0085】また、気液分離器7とヘッダタンク17と
の間に組み込んだ板部材40により混合室31を構成し
ているから、気液分離器7の内部空間の形態に制約され
ることなく、比較的自由に混合室31の形態を設定でき
る。
【0086】(第3実施形態)第3実施形態は、気液分
離器7と混合室31を押し出し加工等により一体成形す
るものである。図5は第3実施形態による気液分離器7
と混合室31の一体成形品を示しており、70は気液分
離器7のうち上下方向に延びる筒状本体部であり、この
筒状本体部70には、上下方向に延びる円形状の第1貫
通穴部71と、この第1貫通穴部71の側方において、
第1貫通穴部71よりも十分小さい断面積にて上下方向
に延びる円形状の第2、第3貫通穴部72、73が設け
てある。
【0087】この第1〜第3貫通穴部71〜73は互い
に上下方向に平行に延びる穴形状であるから、筒状本体
部70の材料としてアルミニュウム材を用い、アルミニ
ュウム材を押出成形することにより、図5に示す第1〜
第3貫通穴部71〜73を有する筒状本体部70の形状
を一体成形できる。
【0088】ところで、第1貫通穴部71は、気液分離
器7の気液分離のための空間を形成するものであり、ま
た、第1貫通穴部71内には冷媒中の水分を吸着する乾
燥剤37(図2)が配置される。
【0089】また、第2貫通穴部72は混合室31の第
1流路31bを構成し、第3貫通穴部73は混合室31
の第2流路31cを構成する。そして、第2貫通穴部7
2と第3貫通穴部73の下端部近傍に連通穴を開けて、
第1流路31bと第2流路31cとの連通部31aを形
成している。
【0090】筒状本体部70のうち、第2貫通穴部72
の上側部位に、圧縮機吐出冷媒を流入させる第1バイパ
ス通路33を形成する連通穴を開けてある。そして、筒
状本体部70のうち、第1バイパス通路33より下側の
部位に液冷媒を流入させる第2バイパス通路34を形成
する連通穴が開けてある。
【0091】なお、筒状本体部70のうち、第1バイパ
ス通路33および第2バイパス通路34を形成する部位
は上下方向に延びる平面部74になっており、この平面
部74は凝縮器2のヘッダタンク17の外表面に接合さ
れる接合面である。第1バイパス通路33はヘッダタン
ク17の壁面の連通穴を通して上部空間17aに連通
し、第2バイパス通路34はヘッダタンク17の壁面の
連通穴を通して中間部空間17bに連通する。
【0092】また、筒状本体部70のうち、第3貫通穴
部73の上側部位に、第3貫通穴部73(第2流路31
c)を第1貫通穴部72(気液分離用空間)に連通させ
る出口穴32が開けてある。また、筒状本体部70のう
ち、第2貫通穴部72と第3貫通穴部73との間の肉厚
部分の最下部近傍に、液戻し用の連通路36を形成する
連通穴が開けてある。この連通路36は第1貫通穴部7
1の底部近傍の部位をヘッダタンク17の壁面の連通穴
を通して下部空間17cに連通させる。また、筒状本体
部70のうち、第1貫通穴部71の上側部位に連通穴7
5を開けて、第1貫通穴部71の上側空間(ガス冷媒
域)をガス戻し用連通路35を通してヘッダタンク17
内の下部空間17cに連通させるようになっている。
【0093】筒状本体部70の底面部には図2の蓋部材
38に相当する図示しない蓋部材をシール固定して、第
1〜第3貫通穴部71〜73の底面部を密封するように
してある。また、筒状本体部70の上面部には図示しな
い蓋部材を一体に接合(ろう付け等)して、第1〜第3
貫通穴部71〜73の上面部を密封するようにしてあ
る。
【0094】以上の構成により第3実施形態において
も、第1、第2実施形態と同様に、混合室31内におい
て、第1バイパス通路33からの圧縮機吐出冷媒により
第2バイパス通路34からの液冷媒を押し出すことがで
きるので、低流量時においても気液分離器7内に適正量
の液冷媒を溜めて、サイクル内冷媒循環流量を適正に調
整できる。しかも、第3実施形態によると、気液分離器
7と混合室31を押出加工により効率よく一体成形で
き、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び先願発明の冷凍サイクルの基本構成
図である。
【図2】本発明の第1実施形態による気液分離器一体型
凝縮器を示す模式的断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】(a)は本発明の第2実施形態による気液分離
器一体型凝縮器の要部断面図、(b)は(a)の板部材
単体の正面図、(c)は(a)の板部材単体の右側面図
である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す要部斜視図であ
る。
【図6】先願発明による気液分離器一体型凝縮器を示す
模式的断面図である。
【図7】先願発明における低流量時の冷媒流れの挙動説
明図である。
【符号の説明】
2…凝縮器、5…第1熱交換部、6…第2熱交換部、7
…気液分離器、8…中間絞り、15…チューブ、17、
18…ヘッダタンク、24…入口ジョイント(冷媒入
口)、32…出口穴、33…第1バイパス通路(第1入
口部)、34…第2バイパス通路(第2入口部)、30
…スペーサ部材、31…混合室、31a…連通部、31
b…第1流路、31c…第2流路、40…板部材、70
…円筒状本体部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 照之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(1)の吐出冷媒の一部、および
    凝縮器(2)の第1熱交換部(5)で凝縮した後の冷媒
    が流入する気液分離器(7)を有し、 前記気液分離器(7)内部にて流入冷媒の気液を分離し
    て液冷媒を溜め、ガス冷媒を前記凝縮器(2)のうち前
    記第1熱交換部(5)下流の第2熱交換部(6)に向け
    て導出する冷凍サイクル装置であって、 前記吐出冷媒が流入する第1入口部(33)と、 前記第1熱交換部(5)で凝縮した後の冷媒が流入する
    第2入口部(34)と、 前記第1入口部(33)からの前記吐出冷媒と前記第2
    入口部(34)からの前記冷媒とを混合して前記気液分
    離器(7)内に流入させる混合室(31)とを備え、 前記混合室(31)内の冷媒流路を、前記吐出冷媒によ
    り前記第2入口部(34)からの前記冷媒を押し出して
    前記気液分離器(7)内に流入させるように構成したこ
    とを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 前記混合室(31)の上下方向におい
    て、前記第1入口部(33)を前記第2入口部(34)
    より上側に配置し、 前記混合室(31)内の冷媒流路として、 前記第1入口部(33)からの前記吐出冷媒および前記
    第2入口部(34)からの前記冷媒をともに下方へ向か
    って流す第1流路(31b)と、 前記第1流路(31b)の下端部近傍に連通し、前記第
    1流路(31b)の下端部近傍に到達した冷媒を上方へ
    向かって流す第2流路(31c)とを備え、 前記第2流路(31c)の上方部を前記気液分離器
    (7)内に連通させることを特徴とする請求項1に記載
    の冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 前記混合室(31)を前記気液分離器
    (7)内に一体に構成することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】 前記凝縮器(2)は、前記第1熱交換部
    (5)および前記第2熱交換部(6)の冷媒流路を構成
    するチューブ(15)と、 前記第1、第2熱交換部(5、6)の左右両側に配置さ
    れ、前記チューブ(15)の端部が連通するヘッダタン
    ク(17、18)と、 前記両ヘッダタンク(17、18)のうち、いずれか一
    方のヘッダタンク(17)に設けられ、前記圧縮機
    (1)の吐出冷媒が流入する冷媒入口(24)とを有し
    ており、 前記冷媒入口(24)を設けた前記一方のヘッダタンク
    (17)と、前記気液分離器(7)との間に板部材(4
    0)を一体に接合し、 前記板部材(40)に凹状部(40a、40b)を形成
    して前記混合室(31)を構成することを特徴とする請
    求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】 前記気液分離器(7)の気液分離用空間
    を構成する穴部(71)および前記混合室(31)内の
    冷媒流路を構成する穴部(72、73)を1つの筒状本
    体部(70)に設け、 前記筒状本体部(70)に、前記気液分離器(7)およ
    び前記混合室(31)を一体成形したことを特徴とする
    請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】 圧縮機(1)の吐出冷媒を凝縮させる第
    1熱交換部(5)と、前記吐出冷媒の一部および前記第
    1熱交換部(5)で凝縮した後の冷媒が流入する気液分
    離器(7)と、前記第1熱交換部(5)の下流側に設け
    られた第2熱交換部(6)とを備え、 前記気液分離器(7)内部にて流入冷媒の気液を分離し
    て液冷媒を溜め、ガス冷媒を前記第2熱交換部(6)に
    向けて導出する冷凍サイクル装置の凝縮器であって、 前記吐出冷媒が流入する第1入口部(33)と、 前記第1熱交換部(5)で凝縮した後の冷媒が流入する
    第2入口部(34)と、 前記第1入口部(33)からの前記吐出冷媒と前記第2
    入口部(34)からの前記冷媒とを混合して前記気液分
    離器(7)内に流入させる混合室(31)とを備え、 前記混合室(31)内の冷媒流路を、前記吐出冷媒によ
    り前記第2入口部(34)からの前記冷媒を押し出して
    前記気液分離器(7)内に流入させるように構成したこ
    とを特徴とする冷凍サイクル装置の凝縮器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004239469A (ja) * 2003-02-04 2004-08-26 Denso Corp 冷凍サイクル装置
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