JP2004239469A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機1の吐出ガスが流入する吐出ガス入口部3を気液分離器2のタンク本体4に組み付け、吐出ガス入口部3から吐出ガスを凝縮器15の第1熱交換部18a側に流入させる凝縮用吐出ガス通路11および吐出ガス入口部3から吐出ガス冷媒の一部をタンク本体4の気液分離空間5に直接流入させる吐出ガスバイパス通路8をタンク本体4に構成する。第1熱交換部18aを通過した液冷媒の全量を気液分離器2内に流入させ、気液分離器2内の液冷媒量を圧縮機吐出ガスの過熱度に応じて調整する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両空調用等に好適な冷凍サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、特許文献1にて従来のレシーバサイクルおよびアキュムレータサイクルとは異なる新規な方式により蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を調整する冷凍サイクル装置を提案している。
【0003】
この従来技術は、具体的には、図6に示す冷凍サイクル基本構成を有するものであり、凝縮器15に第1、第2熱交換部18a、18bを設定するとともに、この第1、第2熱交換部18a、18bの間に気液分離器2を配置している。そして、圧縮機1の吐出ガス冷媒の主流を凝縮器15の入口ジョイント40から吐出ガス主通路46を経て第1熱交換部18aに流入させる。
【0004】
この第1熱交換部18aで凝縮した液冷媒の一部を液冷媒バイパス通路41により気液分離器2内に流入させるとともに、圧縮機1の吐出ガス冷媒の一部を入口ジョイント40の下流側から吐出ガスバイパス通路42に分岐し、この吐出ガスバイパス通路42を通過して吐出ガス冷媒の一部を気液分離器2内に流入させる。
【0005】
気液分離器2内にて凝縮後の液冷媒と吐出ガス冷媒とが混合、熱交換するとともに、その混合冷媒の気液がガス冷媒と液冷媒の密度差により分離され、液冷媒は気液分離器2内の下部に溜まり、ガス冷媒は気液分離器2内の上部に溜まる。
【0006】
第2熱交換部18bは第1熱交換部18aの冷媒流れ下流側に接続されるものであって、第2熱交換部18bの入口側には、第1熱交換部18aで凝縮した液冷媒の主流が流れる液冷媒導入通路43が接続される。更に、気液分離器2のガス冷媒戻し通路44および液冷媒戻し通路45が第2熱交換部18bの入口側に接続される。
【0007】
従って、第1熱交換部18aで凝縮した液冷媒の主流、気液分離器2内上部のガス冷媒および気液分離器2内下部の液冷媒の三者が第2熱交換部18bに流入し、これらの冷媒が第2熱交換部18bで再度冷却され、過冷却状態となる。この過冷却液冷媒が減圧装置35により減圧されて低圧の気液2相状態となり、この低圧冷媒が蒸発器36にて蒸発した後に、圧縮機1に吸入される。
【0008】
上記従来技術では、気液分離器2内にて凝縮後の液冷媒と吐出ガス冷媒とが混合、熱交換するので、この混合冷媒の乾き度が圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて変化して、気液分離器2内に溜まる液冷媒量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて調整することができる。従って、この気液分離器2内の液冷媒量の調整によりサイクル内循環冷媒流量を調整し、その結果、圧縮機の吐出ガス冷媒の過熱度、ひいては蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を調整できる。
【0009】
このように、上記従来技術によると、サイクル高圧側に設けた気液分離器2内の液冷媒量の調整により蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を調整できるので、減圧装置35として固定絞り、あるいは高圧冷媒の状態に応動する可変絞り等を使用できる。そのため、減圧装置35として、構造が複雑で高価な温度式膨張弁を使用せずにすむという利点がある。また、気液分離器2を冷媒比体積の小さいサイクル高圧側に設けるから、気液分離器2を低圧側気液分離器(アキュムレータ)に比較して小型化できる等の利点も得られる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−323274号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術においては、凝縮器15に圧縮機1の吐出ガス冷媒が流入する冷媒入口ジョイント40を配置し、この冷媒入口ジョイント40から吐出ガス冷媒の主流を第1熱交換部18aに流入させる吐出ガス冷媒主通路46、および冷媒入口ジョイント40から吐出ガス冷媒の一部を気液分離器2内に直接流入させる吐出ガスバイパス通路42を凝縮器15に形成している。
【0012】
従って、従来技術では、吐出ガス冷媒を第1熱交換部18a側と気液分離器2側とに分配する冷媒通路構成を凝縮器15側に設ける必要があるので、凝縮器15の冷媒通路構成が複雑となり、製造コストが上昇するという問題がある。
【0013】
また、サイクル内循環冷媒流量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて所期の目標通りに調整するためには気液分離器2内へ流入する吐出ガス流入量を精度良く規定する必要があり、そのため、吐出ガスバイパス通路42の通路面積を高精度に仕上げる必要がある。
【0014】
しかし、実際には、凝縮器ろう付け時のろう材の回り込み等の影響で、吐出ガスバイパス通路42の通路面積が所期の設計値からある程度変化することは不可避である。この吐出ガスバイパス通路42の通路面積の変化により気液分離器2内への吐出ガス流入量が変化するので、サイクル内循環冷媒流量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて適切に調整できない原因となる。
【0015】
例えば、吐出ガスバイパス通路10の通路面積がろう材の回り込み等により所期の設計値から減少すると、液冷媒流入量に対する吐出ガス流入量の割合が所期の設定割合から減少し、吐出ガス冷媒の過熱度変化を気液分離器2内に適切にフィードバックできない。その結果、吐出ガス冷媒の過熱度に対して気液分離器2内に溜まる液冷媒量が過度に増加し、サイクル内循環冷媒流量が吐出ガス冷媒の過熱度に対して過小となり、冷房性能の低下を起こす。
【0016】
本発明は上記点に鑑みて、サイクル高圧側に設けられる気液分離器内に溜まる液冷媒量を調整して、サイクル内循環冷媒流量を調整する冷凍サイクル装置において、凝縮器の冷媒通路構成の簡素化を図ることを目的とする。
【0017】
また、本発明は、サイクル高圧側に設けられる気液分離器内に溜まる液冷媒量を調整して、サイクル内循環冷媒流量を調整する冷凍サイクル装置において、吐出ガスバイパス通路の通路面積が凝縮器ろう付け時のろう材の回り込みにより変化することを防止することを他の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、圧縮機(1)の吐出ガス冷媒が放熱して凝縮する第1熱交換部(18a)と、第1熱交換部(18a)の冷媒流れ下流側に設けられる第2熱交換部(18b)と、圧縮機(1)の吐出ガス冷媒の一部および第1熱交換部(18a)を通過した冷媒の少なくとも一部が流入し、流入冷媒の気液を分離して液冷媒を溜める気液分離器(2)と、気液分離器(2)内部のガス冷媒を第2熱交換部(18b)に導入するガス冷媒戻し通路(23、24、25、27、28)とを備え、気液分離器(2)内に溜まる液冷媒量を圧縮機(1)の吐出ガス冷媒の過熱度に応じて調整する冷凍サイクル装置において、
圧縮機(1)の吐出ガス冷媒が流入する吐出ガス入口部(3)、吐出ガス入口部(3)から吐出ガス冷媒を第1熱交換部(18a)に流入させる凝縮用吐出ガス通路(11、11a)、および吐出ガス入口部(3)から吐出ガス冷媒の一部を気液分離器(2)に直接流入させる吐出ガスバイパス通路(8)を、第1熱交換部(18a)の外部に構成することを特徴とする。
【0019】
これによると、吐出ガス入口部(3)を第1熱交換部(18a)の外部に構成し、この吐出ガス入口部(3)から吐出ガス冷媒を第1熱交換部18a側と気液分離器2側に分配する通路部(8、11、11a)を第1熱交換部(18a)の外部に構成するから、このような吐出ガス分配通路部を、第1熱交換部(18a)を含む凝縮器側に設ける必要がない。これにより、凝縮器の冷媒通路構成を簡素化して凝縮器の製造コストを低減できる。
【0020】
しかも、凝縮用吐出ガス通路(11、11a)および吐出ガスバイパス通路(8)は、凝縮器の外部において凝縮器のろう付けと無関係に構成できるから、凝縮器のろう付け工程のろう材回り込みの影響を受けない。従って、吐出ガスバイパス通路(8)の通路面積として加工当初の寸法精度を維持できるので、吐出ガスバイパス通路(8)の通路面積の変化を抑えて、サイクル内循環冷媒流量を圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じて適切に調整できる。
【0021】
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、具体的には、気液分離器(2)に流入冷媒の気液分離空間(5)を形成するタンク本体(4)を備え、このタンク本体(4)に凝縮用吐出ガス通路(11)および吐出ガスバイパス通路(8)を形成するようにしてよい。
【0022】
これによると、凝縮用吐出ガス通路(11)および吐出ガスバイパス通路(8)をタンク本体(4)に一体形成することができる。従って、下記の請求項3に比較して吐出ガス入口部(3)の形状を通常の汎用性のある簡単な形状にすることができる。
【0023】
請求項3に記載の発明のように、請求項1において、吐出ガス入口部(3)を具体的には、気液分離器(2)と別体部品で構成して気液分離器(2)に組み付けるようにし、吐出ガス入口部(3)に凝縮用吐出ガス通路(11a)および吐出ガスバイパス通路(8)を形成してもよい。
【0024】
これによると、吐出ガス入口部(3)を変更するのみで、凝縮用吐出ガス通路(11a)および吐出ガスバイパス通路(8)の仕様を変更することができる。従って、冷凍サイクルの仕様変更への対応を極めて簡単に行うことができる。
【0025】
請求項4に記載の発明では、第1熱交換部(18a)を通過した冷媒の全量を気液分離器(2)に流入させることを特徴とする。
【0026】
これによると、第1熱交換部(18a)を通過して凝縮した液冷媒の全量が気液分離器(2)内に流入するので、気液分離器(2)内への液冷媒導入量が前述の従来技術に比較して大幅に増加する。このため、気液分離器(2)内への吐出ガス冷媒分配量を前述の従来技術に比較して大幅に増加でき、これに伴って、、吐出ガスバイパス通路(8)の通路面積(通路径)を前述の従来技術における吐出ガスバイパス通路(42)よりも大幅に大きくすることができる。
【0027】
そのため、請求項4では、吐出ガスバイパス通路(8)の加工上の寸法バラツキの影響により上記通路面積が所期の設計値からある程度変化しても、この通路面積の所期の設計値に対する変化割合を十分小さくできる。
【0028】
これにより、上記通路面積の変化に基づく吐出ガス冷媒分配量の変化割合を前述の従来技術よりも大幅に低減でき、この結果、気液分離器(2)内への吐出ガス流入量の変化割合を小さくして、サイクル内循環冷媒流量の調整作用に対する製造上の寸法バラツキの影響度合いを低減できる。
【0029】
換言すると、吐出ガスバイパス通路(8)の寸法を高精度に仕上げる必要性が低下するので、吐出ガスバイパス通路(8)の加工コストを低減できる。
【0030】
請求項5に記載の発明のように、請求項1ないし3のいずれか1つにおいて、第1熱交換部(18a)を通過した冷媒の一部のみを気液分離器(2)に流入させ、第1熱交換部(18a)を通過した冷媒の残部を第2熱交換部(18b)に流入させるようにしてもよい。
【0031】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つにおいて、気液分離器(2)内に溜まる液冷媒の一部を取り出す液冷媒戻し通路(29)を有し、液冷媒戻し通路(29)をガス冷媒戻し通路(23、24、25、27、28)に合流し、気液分離器(2)内のガス冷媒と液冷媒を合流した状態で、第2熱交換部(18b)に導入することを特徴とする。
【0032】
これにより、気液分離器(2)内に溜まる液冷媒に含まれる潤滑オイルを常にサイクル循環冷媒中に還流できるので、圧縮機(1)の潤滑性を確実に確保できる。しかも、気液分離器(2)内のガス冷媒と液冷媒を合流して第2熱交換部(18b)に導入するから、液冷媒戻し通路(29)を簡単に構成できる。
【0033】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態による高圧側気液分離器と凝縮器の具体的構成および冷凍サイクル装置の基本構成を示す図であり、車両空調用冷凍サイクルに適用した場合を示している。図2は図1の要部拡大図である。
【0035】
冷凍サイクル装置の圧縮機1は電磁クラッチ1aを介して車両エンジン(図示せず)によりベルト駆動される。圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒はまず最初に高圧側の気液分離器2の冷媒入口ジョイント3に流入するようになっている。
【0036】
ここで、気液分離器2はタンク本体4を有し、このタンク本体4はアルミニュウム等の金属により上下方向に延びる縦長の概略円筒状に形成され、冷媒の気液分離および液冷媒の貯留のための気液分離空間5を形成する。このタンク本体4の上面壁部には円形の上部開口部6が形成され、この上部開口部6内に冷媒入口ジョイント3の円筒状突出部3aが嵌合される。円筒状突出部3aに円周方向の外周溝部3bを形成して、この外周溝部3bに弾性シール材としてOリング3cを装着し、このOリング3cにより円筒状突出部3aと上部開口部6の内周壁面との間のシールを保持する。
【0037】
冷媒入口ジョイント3は図示しないボルトによりタンク本体4の上面壁部に締め付け固定される。冷媒入口ジョイント3は円筒状突出部3aの軸方向(上下方向)に貫通する通路穴3dを有し、この通路穴3dを通過して圧縮機1の吐出ガス冷媒が上部開口部6の内側空間に流入する。
【0038】
上部開口部6の上端面から所定寸法だけ下方の部位にリング状板部7が上部開口部6の内側空間の内方へ突き出すように形成され、このリング状板部7の中心部に微小穴を開けて吐出ガスバイパス通路8が形成されている。ここで、リング状板部7はダイキャスト加工等によりタンク本体4に一体成形できる。そして、リング状板部7の中心部に切削加工により微小穴を高精度で開けて、吐出ガスバイパス通路8を形成する。
【0039】
この吐出ガスバイパス通路8は上部開口部6の内側空間に流入した吐出ガス冷媒の一部を分岐して気液分離空間5側へ直接流入(バイパス)させるものであって、吐出ガスバイパス通路8の通路面積(穴開口面積)により気液分離空間5側への吐出ガス冷媒流入量(バイパス量)を規定できる。
【0040】
タンク本体4の上部側面壁部4aのうち、吐出ガスバイパス通路8の上方側(上流側)部位および下方側(下流側)部位に、それぞれ後述する凝縮器15の一方のヘッダタンク19側へ突き出す円筒状突出部9、10が一体に形成されている。この両円筒状突出部9、10のうち上方側の円筒状突出部9の中心部に貫通穴を開けて凝縮用吐出ガス通路11を形成する。
【0041】
この凝縮用吐出ガス通路11の通路面積と吐出ガスバイパス通路8の通路面積との比率により両通路8、11への吐出ガスの分配割合を規定するようになっている。本実施形態では、凝縮用吐出ガス通路11への吐出ガスの分配量よりも吐出ガスバイパス通路8の吐出ガスの分配量の方が多くなるようにしてある。
【0042】
また、両円筒状突出部9、10のうち下方側の円筒状突出部10の中心部にも貫通穴を開けて液冷媒通路12を形成する。この液冷媒通路12は凝縮器15の第1熱交換部18aにて凝縮した液冷媒の全量をタンク本体4内の空間5のうち吐出ガスバイパス通路8の直下の気液混合部13に導入するものである。
【0043】
両円筒状突出部9、10にはそれぞれ円周方向の外周溝部9a、10aが形成され、この外周溝部9a、10aにそれぞれ弾性シール材としてOリング9b、10bを装着している。
【0044】
接続ジョイント14はアルミニウムニュウム等の金属にて形成され、凝縮器15の一方のヘッダタンク19にろう付けにより接合される。この接続ジョイント14にはタンク本体4の両円筒状突出部9、10を嵌合するための円形の通路穴14a、14bが開けてある。この通路穴14a、14bの通路面積は凝縮用吐出ガス通路11および液冷媒通路12の通路面積より所定量大きくしてある。
【0045】
接続ジョイント14の通路穴14a、14bの内周壁面と両円筒状突出部9、10との間をOリング9b、10bによりシールするようになっている。タンク本体4は図示しないボルトにより接続ジョイント14に締め付け固定されるようになっている。
【0046】
接続ジョイント14のうちヘッダタンク19側の端面に通路穴14a、14bにそれぞれ対応して円形の嵌合突部14c、14dが形成され、この嵌合突部14c、14dをヘッダタンク19の嵌合穴部(図示せず)に嵌合した状態で接続ジョイント14はヘッダタンク19にろう付けにより接合される。
【0047】
次に、凝縮器15の具体的構成を説明すると、凝縮器15は多数の冷媒流路を並列に形成する一般にマルチフロータイプと称されるタイプの熱交換器構成であって、凝縮器15は水平方向に延びて冷媒流路を構成する多数本の偏平チューブ16とこれに接合されるコルゲートフィン17とにより熱交換部18を構成している。
【0048】
この熱交換部18の左右両側にヘッダタンク(サイドタンク)19、20を上下方向に配置している。偏平チューブ16の左右両端部をヘッダタンク19、20に接合するとともに、偏平チューブ16内の冷媒流路の左右の端部をそれぞれヘッダタンク19、20の内部に連通する。
【0049】
一方のヘッダタンク19の内部空間は2枚の仕切り板21a、21bにより上中下3つの空間19a、19b、19cに仕切られている。ここで、上部空間19aには接続ジョイント14の上部通路穴14aが連通しているので、吐出冷媒ガスの一部が凝縮用吐出ガス通路11から上部通路穴14aを通過して上部空間19aへ流入する。
【0050】
また、他方のヘッダタンク20の内部空間は1枚の仕切り板22により上下2つの空間20a、20bに仕切られている。一方のヘッダタンク19内の下側仕切り板21bと他方のヘッダタンク20内の仕切り板22は、タンク上下方向において同一高さに配置され、この両仕切り板21b、22の上側、すなわち、熱交換部18の上側領域に第1熱交換部18aを構成し、両仕切り板21b、22の下側、すなわち、熱交換部18の下側領域に第2熱交換部18bを構成している。
【0051】
第1熱交換部18aでは、一方のヘッダタンク19の上部空間19aに流入した吐出冷媒ガスが矢印aのように偏平チューブ16および他方のヘッダタンク20の上部空間20aを通過してUターン状に流れるようになっている。吐出冷媒ガスはこの間に冷却空気中に放熱して凝縮され、液冷媒が一方のヘッダタンク19の中間部空間19bに流入する。
【0052】
この中間部空間19bは接続ジョイント14の下部通路穴14bおよび液冷媒通路12を通して気液分離器2の気液混合部13に連通しているので、第1熱交換部18aで凝縮した液冷媒の全量が気液混合部13に流入する。
【0053】
一方のヘッダタンク19のうち下部空間19cに対応する部位に、気液分離器2からの戻し冷媒の入口部をなす戻し冷媒入口ジョイント23が接合され、この戻し冷媒入口ジョイント23は連結パイプト24を介して気液分離器2底部の接続ジョイント25に接続されている。
【0054】
気液分離器2の底部にはタンク本体4と別部品として構成された底面蓋部材26が、図示しないOリング等の弾性シール材を用いて気密にシール固定されている。接続ジョイント25は、通路穴25aを有し、Oリング等の弾性シール材を介在して底面蓋部材26の中心穴部26aにシール固定される。
【0055】
一方、気液分離器2の略円形の内部空間5の中心部には、丸パイプ状の管状部材27が上下方向に延びるように配置され、この管状部材27の下端部が底面蓋部材26の中心穴部26aに支持固定される。これにより、管状部材27の内部通路の下端部が接続ジョイント25の通路穴25aに連通する。この管状部材27の上端部は気液分離器2内部の貯留液冷媒の液面Aよりも十分上方の部位に位置し、閉塞端面を構成している。管状部材27の上端部より僅かに下方の外周面にガス冷媒戻し口28が形成され、このガス冷媒戻し口28は液面Aより上方のガス冷媒域に開口してガス冷媒(飽和ガス)を管状部材27内に吸入する。
【0056】
また、管状部材27の外周面のうち、液冷媒の液面Aよりも十分下方の部位に液冷媒を吸入する液冷媒戻し口29が開口しており、液冷媒(飽和液)はこの液冷媒戻し口29から管状部材27内に吸入され、上記ガス冷媒と混合する。従って、気液分離器2内からのガス冷媒と液冷媒が混合した状態で管状部材27→接続ジョイント25→連結パイプト24→戻し冷媒入口ジョイント23を経てヘッダタンク19の下部空間19c内に流入する。
【0057】
気液分離器2のタンク本体4の内部空間5において気液混合部13の下方部に、気液混合部13から下方へ向かう冷媒流れに旋回流Bを与える旋回通路30が形成してある。この旋回通路30は、気液混合部13からの冷媒流れをタンク本体4の円形内周壁面の接線方向に向けて流すことにより旋回流Bを形成する。ガイド板31は気液混合部13からの冷媒がタンク本体4の円形内周壁面に沿って直接下方へ向かう流れを阻止して旋回流Bの形成効果を高める。
【0058】
この旋回流Bにより遠心力が冷媒流れに作用して、密度の大きい液冷媒(飽和液)はタンク本体4の内周壁面に押し付けられ、タンク本体4の内周壁面に沿って下方へ落下し、タンク本体4の内部空間5の下部に溜まり、前述の液面Aを形成する。これに対し、密度の小さいガス冷媒(飽和ガス)はタンク本体4の中心部寄りに集まって、タンク本体4の内部空間5の上部、すなわち、液冷媒の液面Aの上方部にガス冷媒の領域を形成する。
【0059】
このように、気液混合部13からの流入冷媒の気液を旋回流Bの遠心力を利用して強制的に分離するので、気液分離器2のタンク容積が小さくても流入冷媒の気液を確実に分離できる。以上により、気液混合部13の下方領域に遠心分離器32が構成される。
【0060】
タンク本体4の内部空間のうち、液冷媒の貯留領域に冷媒中に含まれる水分を吸着するための乾燥剤33が配置されている。なお、管状部材27、乾燥剤33等の部品は、底面蓋部材26を取り外すことによりタンク本体4内部へ脱着できる。
【0061】
一方、戻し冷媒入口ジョイント23からヘッダタンク19の下部空間19c内に流入した、気液分離器2内からの戻し冷媒は、第2熱交換部18bの偏平チューブ16を矢印bのように他方のヘッダタンク20の下部空間20bへ向かって流れる。他方のヘッダタンク20のうち下部空間20bに対応する部分には出口ジョイント34が接合され、この出口ジョイント34から冷媒が凝縮器15外部へ出て減圧装置35側へ向かう。
【0062】
なお、凝縮器15において、熱交換部18(第1、第2熱交換部18a、18b)のチューブ16、コルゲートフィン17、ヘッダタンク19、20、接続ジョイント14、戻し冷媒入口ジョイント23、出口ジョイント34等はすべてアルミニュウム材で構成され、ろう付けにより一体構造に組み付けられる。
【0063】
一方、減圧装置35は凝縮器15を通過した冷媒を低圧の気液2相状態に減圧するためのものであり、本例ではオリフィス、ノズル、キャピラリーチューブ等の固定絞りで構成してある。なお、減圧装置35を高圧冷媒の状態(圧力、温度)に応じて開度が調整される可変絞りで構成してもよい。
【0064】
蒸発器36は減圧装置35を通過した低圧冷媒を図示しない空調用送風機の送風空気から吸熱して蒸発させるものである。蒸発器36は図示しない空調室内ユニットのケース内に配置され、蒸発器36で冷却された冷風は周知のごとく図示しないヒータコア部で温度調整された後に車室内へ吹き出す。蒸発器36で蒸発したガス冷媒は圧縮機1に吸入される。
【0065】
なお、凝縮器15は車両走行による走行風を受けて冷却される部位、具体的には車両エンジンルーム内の最前部等に配置され、走行風および凝縮器用冷却ファン(図示せず)の送風空気により冷却される。
【0066】
次に、上記構成において第1実施形態の作動を説明する。圧縮機1の吐出ガス冷媒はまず最初に高圧側の気液分離器2の冷媒入口ジョイント3からタンク本体4の上部開口部6の内側空間に流入する。
【0067】
そして、この上部開口部6の内側空間から吐出ガス冷媒の一部は凝縮用吐出ガス通路11および接続ジョイント14の通路穴14aを通過して凝縮器15の一方のヘッダタンク19の上部空間19a内に流入する。この上部空間19aの吐出冷媒ガスは矢印aのように第1熱交換部18aの冷媒流路(偏平チューブ16および他方のヘッダタンク20の上部空間20a)をUターン状に通過して、冷却空気(外気)中に放熱する。
【0068】
通常のサイクル運転条件であれば、吐出ガス冷媒は第1熱交換部18aのUターン状の冷媒流路を流れる間に冷却空気中に放熱して凝縮されるので、この凝縮後の液冷媒がヘッダタンク19の中間部空間19b内に流入する。この凝縮後の液冷媒の全量が中間部空間19bから接続ジョイント14の通路穴14bおよび液冷媒通路12を通過して気液分離器2の気液混合部13に流入する。
【0069】
一方、気液分離器2の上部開口部6の内側空間に流入した吐出ガス冷媒の残部は吐出ガスバイパス通路8を通過して気液分離器2の気液混合部13に直接流入する。従って、この吐出ガス冷媒と、第1熱交換部18aを通過した凝縮後の液冷媒の全量が気液混合部13にて混合される。
【0070】
次に、この混合冷媒が遠心分離器32の旋回通路30を通過することにより、混合冷媒の気液が前述した遠心分離により液冷媒(飽和液)とガス冷媒(飽和ガス)とに分離され、液冷媒は気液分離器2内下部に溜まる。この液冷媒の一部が管状部材27下端部付近の液冷媒戻し口29から管状部材27内に流入する。また、液冷媒の液面Aの上方に溜まるガス冷媒がガス冷媒戻し口28から管状部材27内に流入する。
【0071】
管状部材27内に流入したガス冷媒と液冷媒は、接続ジョイント25、連結パイプ24、および戻し冷媒入口ジョイント23を通過してヘッダタンク19の下部空間19c内に流入する。
【0072】
上記のガス冷媒(飽和ガス)と液冷媒(飽和液)は上記経路にて混合され、その後、第2熱交換部18bの偏平チューブ16を矢印bのように通過し、ここで再度大気中に放熱して過冷却状態になる。この過冷却液冷媒はヘッダタンク20の下部空間20bに流入した後、出口ジョイント34から凝縮器15の外部へ出て、減圧装置35側へ向かう。
【0073】
気液分離器2内に溜まる液冷媒の一部を液冷媒戻し口29から第2熱交換部18bに導入し、液冷媒の一部を常にサイクル循環冷媒の流れ中に戻すことにより、液冷媒に含まれる潤滑オイルを圧縮機1へ確実に戻して、圧縮機1の潤滑性を確保できる。
【0074】
ところで、以上のような冷媒流れを形成するため、第1熱交換部18aを通過して凝縮した液冷媒の全量および吐出ガスバイパス通路8からの吐出ガス冷媒の一部が気液分離器2内の気液混合部13で混合し、熱交換する。これにより、気液混合部13で混合した冷媒は、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じた乾き度を持った気液2相状態となる。
【0075】
この結果、気液分離器2内に溜まる液冷媒量が圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じた量となる。換言すると、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度の変化に応答して気液分離器2内の液冷媒量を調整できる。この液冷媒量の調整により、気液分離器2内から第2熱交換部18bへ導入されるガス冷媒量が変化してサイクル内循環冷媒流量を調整でき、これにより、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度を調整できる。そして、圧縮機1での圧縮過程は基本的に等エントロピ変化であるから、圧縮機1吐出ガス冷媒の過熱度を制御できれば、蒸発器出口ガス冷媒の過熱度を制御できることになる。
【0076】
このように、サイクル高圧側に設けられる気液分離器2内に溜まる液冷媒量を調整して、サイクル内循環冷媒流量を調整する冷凍サイクル装置において、本実施形態によると、圧縮機1の吐出ガス冷媒が流入する冷媒入口ジョイント3を気液分離器2に配置し、そして、吐出ガス冷媒を第1熱交換部18a側と気液分離器2側とに分配する冷媒通路構成、すなわち、凝縮用吐出ガス通路11および吐出ガスバイパス通路8をともに気液分離器2のタンク本体4に構成している。
【0077】
このため、凝縮器15側に吐出ガス冷媒の分配通路構成を設定する必要がなくなり、凝縮器15の冷媒通路構成を簡素化して製造コストを低減できる。また、吐出ガスバイパス通路8の通路断面積を凝縮器15側の構成の変更を必要とせずに、気液分離器2のタンク本体4にて簡単に変更できる。
【0078】
しかも、吐出ガスバイパス通路8を気液分離器2のタンク本体4に構成しているので、吐出ガスバイパス通路8が凝縮器15のろう付け時のろう材の回り込みの影響を受けることが全くない。
【0079】
従って、吐出ガスバイパス通路8の通路面積を凝縮器ろう付け工程の影響を受けずに切削加工当初の本来の設計値のまま維持でき、気液分離器2内へ流入する吐出ガスバイパス量を精度良く規定できる。
【0080】
また、吐出ガスバイパス通路8は冷媒入口ジョイント3側から直接目視検査することが可能であるから、吐出ガスバイパス通路8の目詰まり異常を簡単に発見でき、不良品の出荷を防止できる。
【0081】
更に、本実施形態では、吐出ガスバイパス通路8の製造上の寸法バラツキの影響度合いをも低減できるという利点がある。
【0082】
この利点について具体的に説明すると、気液分離器2内に導入する凝縮後の液冷媒と吐出ガス冷媒の流入割合は、吐出ガス冷媒の過熱度変化を気液分離器2内に適切にフィードバックするために、各冷凍サイクルごとに決まる所定割合に設定する。例えば、液冷媒と吐出ガス冷媒の流入割合は、液冷媒:吐出ガス冷媒=1:2(重量流量の割合)程度に設定する。
【0083】
本実施形態では第1熱交換部18aを通過して凝縮した液冷媒の全量を気液分離器2内に導入しているため、気液分離器2内への吐出ガスバイパス量を第1熱交換部18a側への吐出ガス分配量より大きな値に設定できる。これに伴って、吐出ガスバイパス量を規定する吐出ガスバイパス通路8の通路径を比較的大きな値例えば、φ5.5mm程度に増大できる。
【0084】
ところで、吐出ガスバイパス通路8の通路径の加工に際しては、加工上の寸法バラツキが発生することは不可避である。しかし、本実施形態によると、吐出ガスバイパス通路8の通路径を上記のように比較的大きな値に増大できるので、吐出ガスバイパス通路8の通路径が加工上のバラツキで多少変化してもその変化割合を減少できる。そのため、吐出ガスバイパス通路8の通路径の変化に基づく吐出ガス冷媒バイパス量の変化割合も小さな値に抑制できる。
【0085】
これにより、圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度に応じてサイクル内循環冷媒流量をより一層適切に調整できる。
【0086】
(第2実施形態)
第1実施形態では第1熱交換部18aを通過して凝縮した液冷媒の全量を気液分離器2内に導入しているが、第2実施形態では、第1熱交換部18aを通過して凝縮した液冷媒の一部のみを気液分離器2内に導入し、液冷媒の残部は第2熱交換部18に直接導入する。
【0087】
図3は第2実施形態を示すもので、第1実施形態と同等部分には同一符号を付して説明を省略する。凝縮器15のヘッダタンク20における仕切り板22の位置を第1実施形態の位置、すなわち、ヘッダタンク19の下側仕切り板21bの位置より所定寸法だけ下方位置に変更している。
【0088】
この結果、第2実施形態では、第1熱交換部18aの上半部の偏平チューブ16を通過してヘッダタンク20の上部空間20a内に流入した冷媒が2つの流れに分岐される。すなわち、上部空間20a内の冷媒の半分程度は第1熱交換部18aの下半部の偏平チューブ16を通過して凝縮し、この凝縮後の液冷媒はヘッダタンク19の中間部空間19bおよび接続ジョイント14を通過して気液分離器2側へ流れる。
【0089】
また、ヘッダタンク20の上部空間20a内の残部の冷媒は、矢印cのように第2熱交換部18bの上半部の偏平チューブ16を通過してヘッダタンク19の下部空間19c内に流入し、ここで、戻し冷媒入口ジョイント23からの戻し冷媒と混合する。ヘッダタンク19の下部空間19c内の冷媒は第2熱交換部18bの下半部の偏平チューブ16を矢印bのように通過して再度冷却され過冷却状態となる。
【0090】
第2実施形態では、第1熱交換部18aで凝縮した液冷媒の一部のみを気液分離器2側に導入するので、凝縮用吐出ガス通路11から第1熱交換部18a側へ分配する吐出ガス量の方を吐出ガスバイパス通路8から気液分離器2側へ分配する吐出ガス量よりも多くする。
【0091】
第2実施形態によると、第1実施形態における「第1熱交換部18a通過後の液冷媒の全量を気液分離器2内に導入する」ことによる利点は発揮できないが、これ以外の点では第1実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0092】
なお、第2実施形態では、第1実施形態におけるガイド板31の代わりに笠状のガイド板310を管状部材27の上端部に配置し、この笠状のガイド板310により冷媒の気液分離を促進し、液冷媒はガイド板310の外周部から下方へ落下させ、空間5内の上部に溜まるガス冷媒のみを管状部材27のガス冷媒戻し口28に吸入させるようにしている。
【0093】
(第3実施形態)
第1、第2実施形態では、圧縮機1の吐出ガス冷媒が流入する冷媒入口ジョイント3を気液分離器2に配置し、そして、吐出ガス冷媒の一部を第1熱交換部18a側に分配する凝縮用吐出ガス通路11および吐出ガス冷媒の残部を気液分離器2側に分配する吐出ガスバイパス通路8をともに気液分離器2のタンク本体4に構成しているが、第3実施形態では、図4、図5に示すように冷媒入口ジョイント3自体に凝縮用吐出ガス通路11aおよび吐出ガスバイパス通路8を構成している。
【0094】
このため、冷媒入口ジョイント3の円筒状突出部3aの軸方向(上下方向)寸法を第1、第2実施形態より長くして、円筒状突出部3aの先端部(下端部)が液冷媒通路12の開口位置付近、換言すると、気液混合部13の直ぐ上方の部位に位置するようにしてある。
【0095】
そして、冷媒入口ジョイント3の通路穴3dの先端部(下端部)付近に、通路穴3dよりも通路面積(通路径)を所定量だけ小さくした吐出ガスバイパス通路8を形成している。また、円筒状突出部3aの外周面のうち、タンク本体4の上側円筒状突出部9に対向する部位に貫通穴を開けて凝縮用吐出ガス通路11aを形成している。この冷媒入口ジョイント3の凝縮用吐出ガス通路11aは、タンク本体4の凝縮用吐出ガス通路11および接続ジョイント14の通路穴14aを介してヘッダタンク19の上部空間19a内に連通する。
【0096】
ここで、冷媒入口ジョイント3の凝縮用吐出ガス通路11aおよびタンク本体4の凝縮用吐出ガス通路11の通路面積(通路径)を、接続ジョイント14の通路穴14aの通路面積(通路径)より小さくしてあるので、ろう材回り込みの影響を受けない凝縮用吐出ガス通路11、11aの通路面積(通路径)により第1熱交換部18a側への吐出ガス分配量を規定できる。
【0097】
また、円筒状突出部3aの外周面のうち、凝縮用吐出ガス通路11aよりも先端側(下方側)部位に円周方向の外周溝部3eを形成して、この外周溝部3eに弾性シール材としてOリング3fを装着している。このOリング3fにより凝縮用吐出ガス通路11a側の吐出ガスが円筒状突出部3aの外周面の微小隙間から気液混合部13側へ流入することを阻止できる。
【0098】
なお、第3実施形態は第1実施形態と同様に第1熱交換部18aにて凝縮した液冷媒の全量をタンク本体4内の気液混合部13に導入する構成としているが、第3実施形態を第2実施形態のように第1熱交換部18aにて凝縮した液冷媒の一部をタンク本体4内の気液混合部13に導入する例に適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による気液分離器一体型凝縮器の模式的な縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】第2実施形態による気液分離器一体型凝縮器の模式的な縦断面図で、気液分離器の分解状態を示す。
【図4】第3実施形態による気液分離器一体型凝縮器の模式的な縦断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】従来技術による冷凍サイクルの基本構成図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…気液分離器、
3…吐出ガス入口ジョイント(吐出ガス入口部)、4…タンク本体、
8…吐出ガスバイパス通路、11、11a…凝縮用吐出ガス通路、
15…凝縮器、18a…第1熱交換部、18b…第2熱交換部、
23、24、25、27、28…ガス冷媒戻し通路、29…液冷媒戻し通路、
35…減圧装置、36…蒸発器。
Claims (6)
- 圧縮機(1)の吐出ガス冷媒が放熱して凝縮する第1熱交換部(18a)と、
前記第1熱交換部(18a)の冷媒流れ下流側に設けられる第2熱交換部(18b)と、
前記圧縮機(1)の吐出ガス冷媒の一部および前記第1熱交換部(18a)を通過した冷媒の少なくとも一部が流入し、流入冷媒の気液を分離して液冷媒を溜める気液分離器(2)と、
前記気液分離器(2)内部のガス冷媒を前記第2熱交換部(18b)に導入するガス冷媒戻し通路(23、24、25、27、28)とを備え、
前記気液分離器(2)内に溜まる液冷媒量を前記圧縮機(1)の吐出ガス冷媒の過熱度に応じて調整する冷凍サイクル装置において、
前記圧縮機(1)の吐出ガス冷媒が流入する吐出ガス入口部(3)、前記吐出ガス入口部(3)から吐出ガス冷媒を前記第1熱交換部(18a)に流入させる凝縮用吐出ガス通路(11、11a)、および前記吐出ガス入口部(3)から吐出ガス冷媒の一部を前記気液分離器(2)に直接流入させる吐出ガスバイパス通路(8)を、前記第1熱交換部(18a)の外部に構成することを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 前記気液分離器(2)は前記流入冷媒の気液分離空間(5)を形成するタンク本体(4)を有し、
前記タンク本体(4)に前記凝縮用吐出ガス通路(11)および前記吐出ガスバイパス通路(8)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記吐出ガス入口部(3)は前記気液分離器(2)と別体部品で構成されて前記気液分離器(2)に組み付けられるようになっており、
前記吐出ガス入口部(3)に前記凝縮用吐出ガス通路(11a)および前記吐出ガスバイパス通路(8)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記第1熱交換部(18a)を通過した冷媒の全量を前記気液分離器(2)に流入させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
- 前記第1熱交換部(18a)を通過した冷媒の一部のみを前記気液分離器(2)に流入させ、前記第1熱交換部(18a)を通過した冷媒の残部を前記第2熱交換部(18b)に流入させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
- 前記気液分離器(2)内に溜まる液冷媒の一部を取り出す液冷媒戻し通路(29)を有し、前記液冷媒戻し通路(29)を前記ガス冷媒戻し通路(23、24、25、27、28)に合流し、
前記気液分離器(2)内のガス冷媒と液冷媒を合流した状態で、前記第2熱交換部(18b)に導入することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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