JP2008075904A - 蒸発器ユニットおよびエジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

蒸発器ユニットおよびエジェクタ式冷凍サイクル Download PDF

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義昭 高野
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    • F25B2500/18Optimization, e.g. high integration of refrigeration components

Abstract

【課題】エジェクタ式冷凍サイクル用の蒸発器ユニットから吹き出される送風空気の温度分布の不均一を抑制する
【解決手段】エジェクタ式冷凍サイクルに適用される蒸発器ユニットにおいて、ノズル部の通路断面積および絞り機構の通路断面積のうち、少なくとも一方の通路断面積を調整して、分岐部Zからエジェクタのノズル部側へ供給される第1冷媒流量Gnと分岐部から絞り機構側へ供給される第2冷媒流量Geとの合計値Gn+Geに対する前記第2冷媒流量Geの流量割合Ge/(Gn+Ge)が、0.43≦Ge/(Gn+Ge)≦0.74となるようにする。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数の蒸発部を有する蒸発器ユニット、および、この蒸発器ユニットを適用したエジェクタ式冷凍サイクルに関する。
従来、特許文献1に、エジェクタのディフューザ部に接続された第1蒸発器およびエジェクタの冷媒吸引口に接続された第2蒸発器を一体に構成し、冷却対象空間に送風される送風空気を、第1蒸発器→第2蒸発器の順で冷却するエジェクタ式冷凍サイクルが開示されている。
この特許文献1のエジェクタ式冷凍サイクルでは、ディフューザ部の昇圧作用によって第1蒸発器の冷媒蒸発温度を第2蒸発器の冷媒蒸発温度よりも上昇させることができるので、双方の蒸発器における冷媒蒸発温度と送風空気との温度差を確保して、効率的に送風空気を冷却している。
特開2005−308384号公報
さらに、本出願人は、エジェクタ式冷凍サイクルの各構成機器の搭載性を向上させるため、先に、特願2006−12461号(以下、先願例という。)において、上述した2つの蒸発器に、さらに、冷媒の流れを分岐する分岐部およびエジェクタ等を一体化した蒸発器ユニットを提案している。なお、以下の説明では、蒸発器ユニットとして一体化された各蒸発器を蒸発部とよぶ。
ところが、実際に先願例の蒸発器ユニットが適用されたエジェクタ式冷凍サイクルを作動させると、蒸発器ユニット(具体的には、第2蒸発部)から冷却対象空間に向かって吹き出される空気の温度分布が不均一になってしまうことがあった。すなわち、送風空気流れ方向から見た際の蒸発器ユニット吹出空気温度が不均一になってしまうことがあった。
このような温度分布が発生すると、例えば、冷却対象空間に吹き出される送風空気の温度が吹出口毎に変わってしまい、冷却対象空間を適切に冷却できなくなるという点で問題となる。そこで、本発明者らが、その原因について調査したところ、先願例の蒸発器ユニットの分岐部において冷媒が適切に分岐されていないことが原因であると判明した。
その理由は、先願例の蒸発器ユニットでは、分岐部で分岐された一方の冷媒を、エジェクタを介して第1蒸発部へ供給し、さらに、分岐された他方の冷媒を、絞り機構を介して第2蒸発部へ供給するようになっているので、分岐部において適切に冷媒が分岐されないと、いずれかの蒸発部において過熱度領域が発生して、この領域で送風空気を冷却できなくなるからである。
本発明は上記点に鑑み、蒸発器ユニットから吹き出される送風空気の温度分布の不均一を抑制することを目的とする。
本発明は、以下の実験的知見に基づいて案出されたものである。本発明者らは、後述する実施形態に示す蒸発器ユニット(20)における流量割合(Ge/(Gn+Ge))と温度分布との関係を調査した。
なお、流量割合(Ge/(Gn+Ge))とは、分岐部(Z)からエジェクタ(14)のノズル部(14a)側へ供給される第1冷媒流量(Gn)と分岐部(Z)から絞り機構(17)側へ供給される第2冷媒流量(Ge)との合計値(Gn+Ge)に対する第2冷媒流量(Ge)の割合である。
すなわち、流量割合(Ge/(Gn+Ge))は、分岐部(Z)から流出する総冷媒流量に対する第2冷媒流量(Ge)の割合なので、必ず1以下になる。さらに、この調査では、エジェクタ(14)のノズル部(14a)の圧力損失および絞り機構(17)の圧力損失のうち、少なくとも一方の圧力損失を調整することで流量割合(Ge/(Gn+Ge))を変化させている。
また、温度分布とは、蒸発器ユニットから吹き出される送風空気の最高温度と最低温度の差である。
図5は、調査結果を示すもので、図5の下段は、流量割合(Ge/(Gn+Ge))の変化に伴う、温度分布の変化をプロットしたものである。また、図5の上段は、流量割合(Ge/(Gn+Ge))の変化に伴う、サイクル効率向上率(COP向上率)の変化をプロットしたものである。
なお、COP向上率とは、流量割合(Ge/(Gn+Ge))が0になる条件、すなわち、第1蒸発部(15)のみに冷媒が供給される条件を基準として、COPが向上した割合を示している。
さらに、図5は、高負荷運転条件における調査結果を示している。ここで、高負荷運転条件とは、エジェクタ式冷凍サイクルの冷房負荷が高くなり、サイクル内を循環する循環冷媒流量が通常運転時に対して多くなる運転条件である。
図5の下段のグラフによれば、流量割合(Ge/(Gn+Ge))の増加に伴って、温度分布も少なくなることが判る。このことは、送風空気流れ方向の下流側に位置する第2蒸発部(18)の過熱度領域の発生を抑制することで、蒸発器ユニット(20)全体としての温度分布も抑制できることを意味する。
さらに、一般的に、温度分布が3℃以下であれば、冷却対象空間を適切に冷却できることが判っているので、図5の下段のグラフより、流量割合(Ge/(Gn+Ge))を、
0.43≦Ge/(Gn+Ge)とすることが望ましいと判明した。
そこで、本発明では、冷媒の流れを分岐する分岐部(Z)と、分岐部(Z)で分岐された一方の冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)から噴射する高速度の冷媒流により冷媒を冷媒吸引口(14b)から吸引するエジェクタ(14)と、エジェクタ(14)から流出した冷媒を、空気と熱交換させて蒸発させる第1蒸発部(15)と、分岐部(Z)で分岐された他方の冷媒を減圧膨張させる絞り機構(17)と、絞り機構(17)から流出した冷媒を、第1蒸発部(15)で熱交換した後の空気と熱交換させて蒸発させ、冷媒吸引口(14b)上流側に流出する第2蒸発部(18)とを備え、分岐部(Z)からノズル部(14a)側へ供給される第1冷媒流量(Gn)と分岐部(Z)から絞り機構(17)側へ供給される第2冷媒流量(Ge)との合計値(Gn+Ge)に対する第2冷媒流量(Ge)の流量割合(Ge/(Gn+Ge))が、
0.43≦Ge/(Gn+Ge)
になっている蒸発器ユニットを第1の特徴とする。
これによれば、図5に示すように、蒸発器ユニットから吹き出される送風空気の温度分布の不均一を抑制できる。具体的には、温度分布を3℃以下にすることができる。
また、図5の上段のグラフによれば、流量割合(Ge/(Gn+Ge))の増加に伴って、COP向上率が山なりに変化することが判る。これは、第2冷媒流量(Ge)が増加すると、第1冷媒流量(Gn)が低下して、第1蒸発部(15)の冷凍能力が低下してしまうからである。
さらに、COP向上率が35%以上であれば充分なサイクル効率向上効果を得ることができるので、図5の上段のグラフより、流量割合(Ge/(Gn+Ge))を、
0.34≦Ge/(Gn+Ge)≦0.74とすることが望ましいと判明した。
そこで、第1の特徴の蒸発器ユニットにおいて、流量割合(Ge/(Gn+Ge))が、
Ge/(Gn+Ge)≦0.74になっていてもよい。これによれば、温度分布の不均一が抑制できるとともに、高いサイクル効率を発揮させながらサイクルを運転できる。
ところで、図5に示す調査結果は、前述の如く、循環冷媒流量が通常運転時に対して多くなる高負荷運転条件におけるものである。これに対して、循環冷媒流量が通常運転時に対して少なくなる低負荷運転条件では、高負荷運転条件に対して、第2蒸発部18に過熱度領域が発生しやすい。
そこで、本発明者らは、低負荷条件における流量割合(Ge/(Gn+Ge))と温度分布との関係についても調査した。図6は調査結果を示すもので、図5と同様に、下段は温度分布の変化を示し、上段にCOP向上率の変化を示している。
図6の下段のグラフによれば、流量割合(Ge/(Gn+Ge))を、
0.52≦Ge/(Gn+Ge)とすることで温度分布を3℃以下にできることが判明した。
そこで、第1の特徴の蒸発器ユニットにおいて、流量割合(Ge/(Gn+Ge))が、
0.52≦Ge/(Gn+Ge)になっていてもよい。これによれば、低負荷運転条件においても温度分布の不均一が抑制できる。
さらに、図6の上段のグラフによれば、流量割合(Ge/(Gn+Ge))を、
0.41≦Ge/(Gn+Ge)≦0.63とすることでCOP向上率が35%以上にできることが判明した。
そこで、上記の特徴の蒸発器ユニットにおいて、流量割合(Ge/(Gn+Ge))が、
Ge/(Gn+Ge)≦0.63になっていてもよい。これによれば、低負荷運転条件においても高いサイクル効率を発揮させながらサイクルを運転できる。
また、本発明では、上述の特徴の蒸発器ユニット(20)を備えるエジェクタ式冷凍サイクルを第2の特徴とする。これによれば、上記の如く、蒸発器ユニット(20)から吹き出される送風空気の温度分布の不均一が抑制されたエジェクタ式冷凍サイクルを提供できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の蒸発器ユニット、および、この蒸発器ユニットを適用したエジェクタ式冷凍サイクルの第1実施形態を説明する。なお、この蒸発器ユニットは、エジェクタ式冷凍サイクル用ユニット、あるいは、エジェクタ付き蒸発器ユニットとも呼ばれ得るものである。
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示すもので、図1は本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用空調装置に適用した例の全体構成図を示す。まず、エジェクタ式冷凍サイクル10において、冷媒を吸入して圧縮する圧縮機11は、電磁クラッチ11a、ベルト等を介して図示しない車両走行用エンジンにより回転駆動される。
この圧縮機11としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチ11aの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機のいずれを採用してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮機を使用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
圧縮機11の冷媒吐出側には放熱器12が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と図示しない冷却ファンにより送風される外気(車室外空気)とを熱交換させて、高圧冷媒を冷却するものである。
なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルでは、冷媒として、フロン系、HC系等の冷媒を採用しており、高圧側冷媒圧力が臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成している。従って、放熱器12は冷媒を凝縮する凝縮器として作用する。
放熱器12の出口側には受液器12aが設けられており、この受液器12aは縦長のタンク形状のもので、冷媒の気液を分離してサイクル内の余剰液相冷媒を溜める気液分離器である。また、受液器12aの底部側には液相冷媒を流出させる冷媒出口が設けられている。なお、本実施形態では受液器12aは放熱器12と一体的に設けられている。
また、放熱器12として、冷媒流れ上流側に位置する凝縮用熱交換部と、この凝縮用熱交換部からの冷媒を導入して冷媒の気液を分離する受液器と、この受液器からの飽和液相冷媒を過冷却する過冷却用熱交換部とを有する、いわゆるサブクールタイプの凝縮器を採用してもよい。
受液器12aの冷媒出口側には温度式膨張弁13が接続されている。この温度式膨張弁13は受液器12aから流出した高圧液相冷媒を中間圧に減圧するとともに、温度式膨張弁13から流出する冷媒の流量を調整するものである。
具体的には、本実施形態の温度式膨張弁13は、圧縮機11の吸入側通路に配置された感温部13aを有しており、圧縮機11の吸入側冷媒の温度と圧力とに基づいて圧縮機吸入側冷媒の過熱度を検出し、圧縮機吸入側冷媒の過熱度が予め設定された所定値となるように弁開度(冷媒流量)を調整している。
温度式膨張弁13の下流側は、蒸発器ユニット20の冷媒流入口25へ接続される。蒸発器ユニット20は、エジェクタ14、第1蒸発部15、第2蒸発部18および絞り機構17を一体に構成(ユニット化)したもので、図1の破線内部に示すような内部構成になっている。
蒸発器ユニット20の内部には、温度式膨張弁13から蒸発器ユニット20へ流入した冷媒の流れを分岐する分岐部Zが配置されており、分岐部Zにおいて冷媒の流れが分流される。そして、分流された一方の冷媒は冷媒通路16aへ流入し、他方の冷媒は分岐通路16bへ流入する。
冷媒通路16aの下流側は、蒸発器ユニット20の内部において、エジェクタ14(具体的には、ノズル部14a入口側)に接続される。従って、本実施形態では、分岐部Zから冷媒通路16aへ流入する冷媒流量が第1冷媒流量Gnとなる。エジェクタ14は冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴射する冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段でもある。
このエジェクタ14は、冷媒通路16aから流入した中間圧の冷媒の通路面積を小さく絞って冷媒をさらに減圧膨張させるノズル部14aと、ノズル部14aの冷媒噴射口14eと連通するように配置されて、後述する第2蒸発部18から流出した冷媒を吸引する冷媒吸引口14bを有して構成される。
さらに、エジェクタ14は、ノズル部14aおよび冷媒吸引口14bの下流側にノズル部14aの冷媒噴射口14eから噴射された高速度の冷媒流と冷媒吸引口14bから吸引された吸引冷媒とを混合する混合部14cを有し、混合部14cの下流側に昇圧部をなすディフューザ部14dを有している。
ディフューザ部14dは冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。また、ディフューザ部14dの出口側は、蒸発器ユニット20の内部において、第1蒸発部15に接続される。
第1蒸発部15は、エジェクタ14のディフューザ部14dから流出した冷媒と送風ファン19によって送風された空気との間で熱交換を行って、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器で構成されている。送風ファン19はモータ19aによって駆動される電動ファンであり、モータ19aは空調制御装置(図示せず)から出力される制御電圧によって回転駆動される。
さらに、第1蒸発部15の出口側は、蒸発器ユニット20の冷媒流出口26に接続されており、冷媒流出口26は圧縮機11の冷媒吸引側に接続される。
次に、分岐通路16bの下流側は、蒸発器ユニット20の内部において、絞り機構17を介して第2蒸発部18に接続される。従って、本実施形態では、分岐部Zから分岐通路16bへ流入する冷媒流量が第2冷媒流量Geとなる。
絞り機構17は第2蒸発部18に流入する冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、第2蒸発部18に流入する冷媒の流量調整を行う流量調整手段でもある。なお、本実施形態では、後述するように絞り機構17をキャピラリチューブで構成しているが、オリフィス等の固定絞りで構成することもできる。
なお、本実施形態では、上述の第1冷媒流量Gnと第2冷媒流量Geとの合計値に対する第2冷媒流量Geの流量割合Ge/(Gn+Ge)が、以下の数式F1の範囲になるように調整されている。
0.43≦Ge/(Gn+Ge)≦0.74…(F1)
このような調整は、例えば、エジェクタ14のノズル部14aの圧力損失および絞り機構17の圧力損失のうち、少なくとも一方の圧力損失を調整することで容易に行うことができる。具体的には、本実施形態では、ノズル部14aの通路断面積および絞り機構の通路断面積のうち、少なくとも一方の通路断面積を調整している。
なお、流量割合Ge/(Gn+Ge)は、分岐部Zから流出する総冷媒流量に対する第2冷媒流量(Ge)の割合を意味するので、必ず1以下になる。
第2蒸発部18は、絞り機構17から流出した冷媒と送風ファン19送風空気との間で熱交換を行って、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器で構成されている。ここで、第1蒸発部15は送風ファン19によって送風された空気の流れ方向の上流側(風上側)に配置され、第2蒸発部18は空気の流れ方向の下流側(風下側)に配置されている。
従って、送風ファン19より送風された空気は、矢印Y方向に流れ、まず、第1蒸発部15でディフューザ部14dから流出した冷媒と熱交換して冷却され、次に第2蒸発部18で絞り手段17から流出した冷媒と熱交換して冷却されるようになっている。これにより、第1蒸発部15と第2蒸発部18にて同一の冷却対象空間(図示せず)を冷却することができるようになっている。
また、第1、2蒸発部15、18は上記の如く配置されているので、第1蒸発部15は風上側蒸発部、第2蒸発部18は風下側蒸発部とも呼ばれ得る。そして、第2蒸発部18の出口側は、蒸発器ユニット20の内部において、エジェクタ14の冷媒吸引口14bに接続される。
次に、上述の蒸発器ユニット20の内部構成を実現する、蒸発器ユニット20の具体的構造を図2により説明する。図2は、蒸発器ユニット20の分解斜視図である。図2の上下左右の各矢印の方向は、蒸発器ユニット20を車両に搭載した状態の方向であり、矢印Yに示す送風ファン19送風空気の流れ方向風上側が前方、風下側が後方となる。
まず、本実施形態では、第1蒸発部15および第2蒸発部18が完全に1つの蒸発器ユニット20として一体化されている。そのため、第1蒸発部15および第2蒸発部18は、送風ファン19送風空気の流れ方向(矢印Y方向)から見ると重なるように配置されている。
また、第1蒸発部15および第2蒸発部18の基本的構成は同一であり、それぞれ内部を通過する冷媒と送風ファン19送風空気とを熱交換させる熱交換コア部15a、18aを備えている。熱交換コア部15a、18aは上下方向に延びる複数のチューブ21と、この複数のチューブ21相互間に配置されるフィン22とを有している。
チューブ21は、内部を冷媒が通過する管であり、断面形状が空気流れ方向Yに沿って扁平な扁平チューブである。フィン22は、空気側伝熱面積を拡大して空気と冷媒との熱交換を促進するもので、薄板材を波状に曲げ成形したコルゲートフィンである。
チューブ21は左右方向に複数本配置されており、隣り合うチューブ21間にフィン22が配置される。具体的には、フィン22は、隣接するチューブ21の平坦な外側面(扁平面)に接合されている。従って、熱交換コア部15a、18aは、チューブ21およびフィン22が左右方向に積層された積層構造によって構成される。
なお、図2では、チューブ21とフィン22の積層構造の一部のみ図示しているが、第1蒸発部15および第2蒸発部18の全域にチューブ21とフィン22の積層構造が構成される。また、この積層構造の空隙部を送風ファン19送風空気が矢印Y方向に通過するようになっている。
第1蒸発部15および第2蒸発部18の上側にはそれぞれヘッダタンク15b、18bが配置され、下側にはそれぞれヘッダタンク15c、18cが配置されている。これらのヘッダダンク15b…18cはチューブ21の長手方向(図2の上下方向)両端部に接続されて冷媒の集合・分配を行うものである。
ヘッダタンク15b…18cは、いわゆる分割タイプのヘッダタンクになっており、チューブ21が接続されるプレート部材と、このプレート部材に組み合わされるタンク部材とを有して筒状に構成される。例えば、上側の2つのヘッダタンク15b、18bは、図2に示すように、それぞれプレート部材15d、18dおよびタンク部材15e、18eを組み合わせて構成される。
各プレート部材には、チューブ21の上側または下側端部が挿入されて接合されるチューブ嵌合穴部(図示せず)が形成されており、このチューブ嵌合穴を介してチューブ21と、それぞれのヘッダタンク15b…18cの内部空間とが連通する。また、第1、2蒸発部15、18のチューブ21は互いに独立した冷媒通路を構成しており、それぞれのヘッダタンク15b…18cの内部空間も互いに独立した空間を構成する。
なお、本実施形態では、上側の2つのヘッダタンク15b、18bが隣接しているので、プレート部材15d、18d同士、および、タンク部材15e、18e同士を一体に形成して、これらを組み合わせることで、ヘッダタンク15b、18bを一体に形成している。下側の2つのヘッダタンク15c、18cも同様である。
さらに、上側の2つのヘッダタンク15b、18bの内部には、それぞれ、セパレータ15f、18fが配置されている。セパレータ15f、18fは、ヘッダタンク15b、18bの内壁面に接合されて、ヘッダタンク15b、18bの内部空間を仕切る仕切板である。
具体的には、ヘッダタンク15bには、セパレータ15fが配置されて、左側の内部空間Kの容積と右側の内部空間Lの容積が略同等になるようにヘッダタンク15bの内部空間を仕切っている。また、ヘッダタンク18bには、セパレータ18fが配置されて、左側の内部空間Mの容積と右側の内部空間Nの容積が略同等になるようにヘッダタンク18bの内部空間を仕切っている。
ヘッダタンク18bの左側の内部空間Mには、前述のエジェクタ14がヘッダタンク18bの長手方向(左右方向)に沿って延びるように配置されている。このエジェクタ14は、ノズル部14aの入口側が後述する接続ブロック23と連通するように配置される。
さらに、エジェクタ14の流出側(具体的にはディフューザ部14d出口側)は、セパレータ18fに設けられた貫通穴18gを貫通するように配置されて、ヘッダタンク18bの右側の内部空間Nと連通している。その他の蒸発器ユニット20内部におけるエジェクタ14の具体的配置およびエジェクタ14の具体的形状の詳細は後述する。
次に、内部空間Nには、内部空間Nを上下に分割する上下仕切板27が配置されており、エジェクタ14の流出側は内部空間Nの上側空間N1と連通している。また、この上側空間N1は図示しない連通路を介してヘッダタンク15bの右側の内部空間Lと連通している。さらに、内部空間Nの下側空間N2は、ヘッダタンク18bの右側端部の固定絞り接続穴18hを介して、固定絞り17の出口側端部と接続されている。
なお、本実施形態において絞り機構17を構成するキャピラリチューブは、ヘッダダンク15b、18bの長手方向に沿って延びる形状になっており、ヘッダタンク15bの外側面とヘッダタンク18bの外側面との間に形成される谷部に接合されている。従って、絞り機構17の入口側端部は、ヘッダタンク15b、18bの左側端部に配置されることになる。
また、上側の2つのヘッダタンク15b、18bの左側端部(内部空間K、Mの左側端部)には、蒸発器ユニット20の冷媒吸入口25および冷媒流出口26を構成する接続ブロック23が接合されている。
この接続ブロック23は、ブロック部23aとプレート部23bとを有して構成されており、ブロック部23aおよびプレート部23bのそれぞれの対向面には溝部が構成されている。従って、ブロック部23aおよびプレート部23bを一体に固定すると、溝部によって接続ブロック23内部に冷媒通路が形成される。
この冷媒通路は、冷媒流入口25へ流入した冷媒を、ヘッダタンク18bの内部空間Mに配置されたエジェクタ14のノズル部14a入口側およびヘッダタンク15b、18bの外側面に接合された絞り機構17入口側へ導く通路を構成する。従って、前述の分岐部Z、冷媒通路16aおよび分岐通路16bが、接続ブロック23内部に形成された冷媒通路によって構成される。
また、接続ブロック23に形成された冷媒流出口26は、接続ブロック23の厚み方向(図2では、左右方向)に貫通する貫通穴によって内部空間Kと連通している。
なお、上側の2つのヘッダタンク15b、18bの右側端部(内部空間L、Nの左側端部)および下側の2つのヘッダタンク15c、18cの両端部には、各ヘッダタンク15b…18cを閉塞するタンクキャップが接合されている。
次に、蒸発器ユニット20内部におけるエジェクタ14の具体的配置およびエジェクタ14の具体的形状の詳細を図3により説明する。なお、図3は、第1、2蒸発部15、18の上側のヘッダタンク15b、18bの水平方向断面図である。
まず、主に内部空間Mに配置されるエジェクタ14は、ヘッダタンク18bの長手方向(図3では、左右方向)に沿って延びるボデー部140を有している。ボデー部140はアルミニウム材にて形成されており、中央に細軸部141が設けられた円筒状の形状になっている。
ボデー部140の内部空間のうち、細軸部141の左側(接続ブロック23側)にはノズル部14aが収容されるノズル部収容空間が形成され、細軸部141には混合部14cが形成され、細軸部141の右側(内部空間N側)にはディフューザ部14dが形成されている。
また、ボデー部140の外側面のうち、ノズル部収容空間側(接続ブロック23側)端部は、接続ブロック23のプレート部23bにOリング30aを介してシール固定され、さらに、ディフューザ部14d側(内部空間N側)端部は、セパレータ18fに設けられた貫通穴18gにOリング30bを介してシール固定されている。
ここで、Oリング30a、30bは、ボデー部140とヘッダタンク18bとの間に配置され、流体の漏れを阻止するシール部材であって、ボデー部140とヘッダタンク18bとの軸方向への位置ずれを許容するシール部材である。この構成は、ボデー部140をヘッダタンクとは別部品として構成し、組み付ける構成を可能とする。
ノズル部収容空間に収容されるノズル部14aは、ステンレスにて形成されており、接続ブロック23側(左側)に太軸部14fを有し、混合部14c側(右側)に細軸部14gを有する略円筒状の形状になっている。太軸部14fはボデー部140の内側面に固定される固定部を形成するとともに、太軸部14fの左側端面には冷媒入口部が形成されている。
なお、本実施形態では、ノズル部14aの太軸部14fをボデー部140のノズル部収容空間の内部に圧入で固定されており、固定部から冷媒が漏れないようになっている。もちろん、固定部から冷媒が漏れないようになっていれば、接着、溶接、圧接、はんだ付け等の接合手段で接合・固定してもよい。また、ノズル部14aの細軸部14gの先端には、冷媒が噴射される冷媒噴射孔14eが形成されている。
冷媒吸引口14bは、ボデー部140の外側空間(本実施形態では、ヘッダタンク18bの内部空間M)とボデー部140の内部空間とを連通させるように、ボデー部140に設けられている。つまり、冷媒吸引口14bは内部空間Mに直接開口しており、内部空間Mから直接冷媒を吸引することができる。
蒸発器ユニット20の具体的構成は上記のようになっており、エジェクタ14を除く蒸発器ユニット20構成部品(第1蒸発部15、第2蒸発部18、絞り機構17および接続ブロック23等)の材質として、熱伝導性やろう付け性に優れた金属であるアルミニウム材を採用している。そして、これらの各構成部品をろう付け接合により一体に接合している。
ところで、エジェクタ14をろう付け接合すると、ろう付け時の高温度(アルミニウムのろう付け温度:600℃付近)にてノズル部14aが熱変形するおそれや、ろう付け工程における不純物の付着のおそれがあるため、ノズル部14aの通路形状、寸法等を所期の設計通りに維持できないという不具合が生じる。
そこで、エジェクタ14については、第1蒸発部15、第2蒸発部18、絞り機構17および接続ブロック23等の一体ろう付け接合を行った後に、第2蒸発部18のヘッダタンク18bの内部に組み付けている。
具体的には、第1蒸発部15、第2蒸発部18等をろう付け接合するろう付け工程の終了後に、接続ブロック23に設けたエジェクタ挿入穴28からエジェクタ14を挿入する。このエジェクタ挿入穴28は、図2、3に示すように、第2蒸発部18の上側のヘッダタンク18bの左側端部と連通するように開口しており、ヘッダタンク18bの長手方向から見るとヘッダタンク18bと完全に重なる位置に配置されている。
そして、ボデー部140のディフューザ部14d外側面がセパレータ18fを貫通するまで挿入して、さらに、エジェクタ14挿入後のエジェクタ挿入穴28にスペーサ28aを挿入した状態で、エジェクタ挿入穴28にプラグ29をネジ止めすることによってエジェクタ14を固定する。
このようにスペーサ28aを挿入することで、接続ブロック23内部に構成された冷媒通路16aを閉塞することなく、エジェクタ14を固定することができる。さらに、プラグ29はOリング30cによってエジェクタ挿入穴28にシール固定されるので、プラグ29とエジェクタ挿入穴28との間から冷媒が漏れることもない。
なお、本実施形態では、エジェクタ14のノズル部14aをステンレスで形成しているが、黄銅等の材質で形成してもよい。また、ボデー部140をアルミニウム材で形成しているが、ステンレス、銅、樹脂等の材質で形成してもよい。
次に、上記構成の蒸発器ユニット20内の冷媒流路を図4により説明する。図4は、蒸発器ユニット20内の模式的な全体斜視図である。まず、接続ブロック23の冷媒流入口25から蒸発器ユニット20内部へ流入した冷媒流れは、分岐部Zで分岐されて一方の冷媒流れは矢印a方向に流れてエジェクタ14のノズル部14aに流入する。つまり、この矢印a方向に流れる冷媒流量が、第1冷媒流量Gnに相当する。
そして、ノズル部14aに流入した冷媒は、エジェクタ14内(ノズル部14a→混合部14c→ディフューザ部14d)を通過して減圧され、この減圧後の低圧冷媒は第2蒸発部18の上側のヘッダタンク18bのうち、右側に形成された内部空間Nの上側空間N1へ流入する。
上側空間N1へ流入した冷媒は、連通路を介して第2蒸発部18のヘッダタンク15bの右側の内部空間Lへ流入して、第1蒸発部15の右側部の複数のチューブ21に分配される。そしてチューブ21を矢印bのように下降して第1蒸発部15の下側のヘッダタンク15cの内部空間に集合する。
ヘッダタンク15cの内部空間に集合した冷媒は矢印cのように左側に移動して、第1蒸発部15の左側部の複数のチューブ21に分配され、矢印dのように上昇して第1蒸発部15の上側のヘッダタンク15bの内部空間Kに流入する。内部空間Kに流入した冷媒は接続ブロック23の冷媒流出口26を介して矢印eのように蒸発器ユニット20から流出する。
分岐部Zで分岐された他方の冷媒流れは、接続ブロック23内部に構成された分岐通路16bを矢印f方向に流れて絞り機構17を構成するキャピラリチューブに流入する。つまり、この矢印f方向に流れる冷媒流量が、第2冷媒流量Geに相当する。
そして、キャピラリチューブ内部を右側に移動しながら減圧され、この減圧後の低圧冷媒は第2蒸発部18の上側のヘッダタンク18bのうち、右側に形成された内部空間Nの下側空間N2へ流入する。
下側空間N2へ流入した冷媒は、第2蒸発部18の右側部の複数のチューブ21に分配される。そしてチューブ21を矢印gのように下降して第2蒸発部18の下側のヘッダタンク18cの内部空間に集合する。
ヘッダタンク18cの内部空間に集合した冷媒は矢印hのように左側に移動して、第2蒸発部18の左側部の複数のチューブ21に分配され、矢印iのように上昇して第2蒸発部18の上側のヘッダタンク15bの内部空間Mに流入する。内部空間Mに流入した冷媒は内部空間Mに直接開口している複数の冷媒吸引口14bからエジェクタ14内部へ吸引される。
次に、上記の構成において本実施形態の作動を説明する。圧縮機11を車両エンジンにより駆動すると、圧縮機11で圧縮され吐出された高温高圧状態の冷媒は放熱器12に流入する。放熱器12では高温の冷媒が外気により冷却されて凝縮する。放熱器12から流出した高圧冷媒は受液器12a内に流入し、この受液器12a内にて冷媒の気液が分離され、液相冷媒が受液器12aから導出され温度式膨張弁13を通過する。
この温度式膨張弁13では、第1蒸発部15の出口冷媒(圧縮機吸入冷媒)の過熱度が所定値となるように弁開度(冷媒流量)が調整され、高圧冷媒が減圧される。この温度式膨張弁13通過後の冷媒(中間圧冷媒)は分岐部Zで分岐されて冷媒通路16aと分岐通路16bに分流される。
冷媒通路16aを介してエジェクタ14に流入した冷媒流れはノズル部14aで減圧され膨張する。従って、ノズル部14aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、冷媒はノズル部14aの冷媒噴射口14eから高速度となって噴射する。この際の冷媒の圧力低下により、冷媒吸引口14bから第2蒸発部18流出冷媒(気相冷媒)が吸引される。
冷媒噴射口14eから噴射した冷媒と冷媒吸引口14bに吸引された冷媒は、ノズル部14a下流側の混合部14cで混合してディフューザ部14dに流入する。このディフューザ部14dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。
そして、エジェクタ14のディフューザ部14dから流出した流出冷媒は図4の矢印b→c→d→eの順に第1蒸発部15を通過する。この間に、冷媒は送風ファン19より送風された送風空気(矢印Y)から吸熱して蒸発する。この蒸発後の気相冷媒は、圧縮機11に吸入され、再び圧縮される。
一方、冷媒分岐通路16bに流入し、絞り機構17で低圧冷媒となった冷媒は図4に示す矢印g→h→iの順に第2蒸発部18を通過する。この間に、冷媒は送風ファン19より送風されて第1蒸発部15を通過した送風空気(矢印Y)から吸熱して蒸発する。蒸発後の気相冷媒は冷媒吸引口14bからエジェクタ14内に吸引される。
以上の如く、本実施形態のサイクルでは、送風ファン19から送風された送風空気を第1蒸発部15→第2蒸発部18の順に通過させて同一の冷却対象空間を冷却できる。
その際に、ディフューザ部14dの昇圧作用によって第1蒸発部15の冷媒蒸発温度を第2蒸発部18の冷媒蒸発温度よりも上昇させることができるので、第1蒸発部15および第2蒸発部18の冷媒蒸発温度と送風空気との温度差を確保して、効率的に送風空気を冷却できる。
さらに、第1蒸発部15下流側を圧縮機11吸入側に接続しているので、ディフューザ部14dで昇圧された冷媒を圧縮機11に吸入させることができる。その結果、圧縮機11の吸入圧を上昇させることができるので、圧縮機11の駆動動力を低減することもできる。
ところで、本発明者らによる前述の調査結果より、蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の温度分布を抑制するためには、送風空気流れ方向Yの風下側に位置付けられる第2蒸発部18の過熱度領域の発生を抑制することが有効であることが判っている。
そこで、本実施形態では、数式F1に示すように、流量割合Ge/(Gn+Ge)が0.43以上となるように調整されているので、前述の図5で説明したように、蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の温度分布の不均一を抑制できる。さらに、流量割合Ge/(Gn+Ge)が0.74以下のなるように調整されているので、高いサイクル効率(COP)を発揮させながらサイクルを運転できる。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、流量割合Ge/(Gn+Ge)を、数式F1に示す範囲に設定したされた蒸発器ユニット20について説明したが、本実施形態では、さらに、流量割合Ge/(Gn+Ge)が、以下の数式F2の範囲になるように調整されている。
0.52≦Ge/(Gn+Ge)≦0.63…(F2)
その他の構成は、第1実施形態と全く同様である。
本実施形態では、前述の図6で説明したように、低負荷運転条件においても蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の温度分布の不均一を抑制できるとともに、高いサイクル効率(COP)を発揮させながらサイクルを運転できる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、流量割合Ge/(Gn+Ge)の調整を、ノズル部14aの通路断面積および絞り機構の通路断面積のうち、少なくとも一方の通路断面積を調整することで行っているが、流量割合Ge/(Gn+Ge)の調整は、上記の手段に限定されない。
例えば、絞り手段17を構成するキャリピラリチューブの長さを調整してもよい。また、接続ブロック23のブロック部23aおよびプレート部23bによって形成される分岐部Z、冷媒通路16aおよび分岐通路16bの形状を変更することで調整してもよい。
(2)上述の各実施形態では、絞り機構17として固定絞り機構であるキャピラリチューブを採用し、エジェクタ14として通路面積が一定のノズル部14aを有する固定エジェクタを採用した例を説明しているが、絞り機構17およびエジェクタ14はこれに限定されない。
例えば、絞り機構17として電動アクチュエータにより弁開度(通路絞り開度)が調整可能になっている電気制御弁を採用し、エジェクタ14として通路面積を調整可能な可変ノズル部を有する可変エジェクタを採用してもよい。そして、電気制御弁および可変エジェクタの作動を制御して、流量割合Ge/(Gn+Ge)が上記数式F1、F2になるように調整すれば、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(3)上述の各実施形態では、蒸発器ユニット20の各部材を一体に組み付けるに際して、エジェクタ14を除く他の部材、すなわち、第1蒸発部15、第2蒸発部18等をアルミニウム材で形成して、ろう付け接合しているが、これらの部材の接合手段として、ねじ止め、かしめ、溶接、接着等の種々な固定手段を用いて行うことができる。
また、上述の実施形態では、エジェクタ14の固定手段としてねじ止めを例示しているが、熱変形の恐れのない固定手段であれば、ねじ止め以外の手段を用いることができる。具体的には、かしめ、接着等の固定手段を用いてエジェクタ14の固定を行ってもよい。
さらに、蒸発器ユニット20に他のエジェクタ式冷凍サイクル構成部品を一体化してもよい。例えば、蒸発器ユニット20に温度式膨張弁13を一体的に組みつけてもよい。
(4)上述の各実施形態では、第1蒸発部15および第2蒸発部18を近接配置して一体化することで、蒸発器ユニット20を構成しているが、蒸発器ユニット20は上述の実施形態の構成に限定されない。
例えば、所定ヘッダタンクの内部空間同士が連通するような配管を設け、さらに、空気流れYの上流側に第1蒸発部15が配置され、空気流れYの下流側に第2蒸発部18が配置され、第1蒸発部15を通過した空気が第2蒸発部18で冷却されるようになっていれば、第1蒸発部15と第2蒸発部18が間隔を開けて配置される構成であってもよい。
(5)上述の各実施形態では、冷媒として高圧圧力が臨界圧力を超えないフロン系、炭化水素系等の冷媒を用いる蒸気圧縮式の亜臨界サイクルについて説明したが、冷媒として二酸化炭素のように高圧圧力が臨界圧力を超える冷媒を採用してもよい。
但し、超臨界サイクルでは、放熱器12において圧縮機吐出冷媒が超臨界状態のまま放熱し、凝縮しないので受液器12aでは冷媒の気液を分離できない。そこで、受液器12aを廃止して、第1蒸発部15下流側かつ圧縮機11吸入側に低圧側気液分離器であるアキュムレータを配置するサイクル構成とすればよい。
(6)上述の各実施形態では、蒸発器ユニット20を室内側熱交換器として構成し、放熱器12を大気側へ放熱する室外熱交換器として構成しているが、逆に、蒸発器ユニット20を大気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器として構成し、放熱器12を空気あるいは水等の被加熱流体を加熱する室内側熱交換器として構成するヒートポンプサイクルに本発明を適用してもよい。
(7)上述の各実施形態では、車両用の冷凍サイクルについて説明したが、車両用に限らず、定置用等の冷凍サイクルに対しても本発明を同様に適用できることはもちろんである。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル構成図である。 第1実施形態の蒸発器ユニットの分解斜視図である。 第1実施形態の蒸発器ユニットの上側のヘッダタンクの断面図である。 第1実施形態の蒸発器ユニットの模式的な全体斜視図である。 高負荷運転条件時の流量割合と温度分布との関係を示すグラフである。 低負荷運転条件時の流量割合と温度分布との関係を示すグラフである。
符号の説明
11…圧縮機、12…放熱器、14…エジェクタ、14a…ノズル部、
14b…冷媒吸引口、15…第1蒸発部、17…絞り機構、18…第2蒸発部、
20…蒸発器ユニット、
Z…分岐部、Gn…第1冷媒流量、Ge…第2冷媒流量。

Claims (5)

  1. 冷媒の流れを分岐する分岐部(Z)と、
    前記分岐部(Z)で分岐された一方の冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)から噴射する高速度の冷媒流により冷媒を冷媒吸引口(14b)から吸引するエジェクタ(14)と、
    前記エジェクタ(14)から流出した冷媒を、空気と熱交換させて蒸発させる第1蒸発部(15)と、
    前記分岐部(Z)で分岐された他方の冷媒を減圧膨張させる絞り機構(17)と、
    前記絞り機構(17)から流出した冷媒を、前記第1蒸発部(15)で熱交換した後の空気と熱交換させて蒸発させ、前記冷媒吸引口(14b)上流側に流出する第2蒸発部(18)とを備え、
    前記分岐部(Z)から前記ノズル部(14a)側へ供給される第1冷媒流量(Gn)と前記分岐部(Z)から前記絞り機構(17)側へ供給される第2冷媒流量(Ge)との合計値(Gn+Ge)に対する前記第2冷媒流量(Ge)の流量割合(Ge/(Gn+Ge))が、
    0.43≦Ge/(Gn+Ge)
    になっていることを特徴とする蒸発器ユニット。
  2. 前記流量割合(Ge/(Gn+Ge))が、
    Ge/(Gn+Ge)≦0.74
    になっていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発器ユニット。
  3. 前記流量割合(Ge/(Gn+Ge))が、
    0.52≦Ge/(Gn+Ge)
    になっていることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸発器ユニット。
  4. 前記流量割合(Ge/(Gn+Ge))が、
    Ge/(Gn+Ge)≦0.63
    になっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蒸発器ユニット。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の蒸発器ユニット(20)を備えることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
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