JP2009058179A - エジェクタ式冷凍サイクル用ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】エジェクタから蒸発器への振動伝達を抑制することと、蒸発器のタンク部に対してエジェクタを良好に固定することとの両立を図る。
【解決手段】金属製のノズル部14aから噴射される冷媒流により冷媒吸引口14bから冷媒を吸引し、ノズル部14aから噴射された冷媒と冷媒吸引口14bから吸引された冷媒とを混合してディフューザ部14dから吐出するエジェクタ14と、少なくとも冷媒吸引口14bに吸引される冷媒を蒸発させる蒸発器18とを備え、蒸発器18は、冷媒が流れる複数本のチューブ21と、複数本のチューブ21から流出する冷媒を集合させる金属製のタンク部18bとを少なくとも有し、エジェクタ14は、タンク部18bの内部に圧入固定され、エジェクタ14のうちタンク部18bの内面34b、35bに接触する圧入接触部29a、29bが樹脂で形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、冷媒減圧手段の役割および冷媒循環手段の役割を果たすエジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクル用ユニットに関する。
従来、冷媒減圧手段の役割および冷媒循環手段の役割を果たすエジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルが知られている。このエジェクタ式冷凍サイクルは、例えば、車両用空調装置、あるいは車載の荷物を冷凍、冷蔵する車両用冷凍装置等に適用して有効である。また、定置型の冷凍サイクルシステム、例えば、空調装置、冷蔵庫、冷凍庫などに適用して有効である。
この種のエジェクタ式冷凍サイクルは特許文献1等にて知られている。例えば、特許文献1では、エジェクタを蒸発器のタンク部内に内蔵した一体化ユニットを構成することによって、エジェクタを含めた一体化ユニットの体格を効果的に小型化し、一体化ユニットの搭載性を向上している。
ところで、この従来技術のエジェクタは、ノズル部から噴射される冷媒流により冷媒吸引口から冷媒を吸引し、ノズル部から噴射された冷媒と冷媒吸引口から吸引された冷媒とを混合してディフューザ部から吐出するものである。
そして、このエジェクタは、ノズル部での冷媒流速が秒速100mに達するほどの高速になるので、高い加工精度と高い耐久性が要求される。このため、この従来技術では、エジェクタのうち高い加工精度と高い耐久性が要求されるノズル部をステンレス、黄銅等の材質で形成している。
一方、この従来技術では、エジェクタのうちノズル部以外の部分、すなわちノズル部を収納するとともに冷媒吸引口、混合部、ディフューザ部等を構成するボディ部を、銅、アルミニウムといった金属材にて形成しているが、ボディ部を樹脂(非金属材)で形成してもよい旨の記載がある。
また、この従来技術の蒸発器はタンク部も含めて、熱伝導性やろう付け性に優れた金属であるアルミニウムで形成されている。
また、この従来技術には、蒸発器のタンク部に対するエジェクタの固定をねじ止め固定手段によって行うことができる旨の記載がある。
特開2007−57222号公報
しかしながら、本発明者の詳細な検討によると、上記従来技術では、蒸発器のタンク部内に内蔵することに起因して、蒸発器から異音が発生するという問題があることがわかった。
すなわち、エジェクタは冷媒減圧手段の役割を果たしていることから、冷媒を減圧する際の冷媒流れの乱れによってエジェクタから振動が発生する。そのため、エジェクタのボディ部を銅、アルミニウムといった金属材にて形成し、蒸発器のタンク部に対するエジェクタの固定をねじ止め固定手段によって行うと、エジェクタとタンク部とが金属接触することから、エジェクタの振動がタンク部に伝達しやすい。
このため、エジェクタから発生する振動が蒸発器全体に伝播して、蒸発器から放射音(異音)が発生してしまう。
一方、上記従来技術に記載されているようにボディ部を樹脂で成形する場合には、エジェクタとタンク部とが金属接触することを回避できるので、エジェクタからタンク部への振動伝達が抑制されることとなる。
しかしながら、本発明者の詳細な検討によると、上記従来技術においてボディ部を樹脂で成形し、蒸発器のタンク部に対するエジェクタの固定をねじ止め固定手段によって行う場合には、樹脂製のボディ部にねじ山を設けることとなるので、エジェクタの振動によってねじ山が切れたり潰れたりしてしまうという不具合が生じることがわかった。
本発明は、上記点に鑑み、エジェクタから蒸発器への振動伝達を抑制することと、蒸発器のタンク部に対してエジェクタを良好に固定することとの両立を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、金属製のノズル部(14a)から噴射される冷媒流により冷媒吸引口(14b)から冷媒を吸引し、ノズル部(14a)から噴射された冷媒と冷媒吸引口(14b)から吸引された冷媒とを混合してディフューザ部(14d)から吐出するエジェクタ(14)と、
少なくとも冷媒吸引口(14b)に吸引される冷媒を蒸発させる蒸発器(18)とを備え、
蒸発器(18)は、冷媒が流れる複数本のチューブ(21)と、複数本のチューブ(21)から流出する冷媒を集合させる金属製のタンク部(18b)とを少なくとも有し、
エジェクタ(14)は、タンク部(18b)の内部に圧入固定され、
エジェクタ(14)のうちタンク部(18b)の内面(34b、35b)に接触する圧入接触部(36、37)が樹脂で形成されていることを特徴とする。
これによると、エジェクタ(14)をタンク部(18b)の内部に圧入固定し、エジェクタ(14)のうちタンク部(18b)の内面(34b、35b)に接触する圧入接触部(36、37)を樹脂で形成しているので、エジェクタ(14)とタンク部(18b)とが金属接触することを回避できるとともに、エジェクタ(14)をタンク部(18b)に対して良好に固定することができる。
このため、エジェクタ(14)から蒸発器(18)への振動伝達を抑制することと、蒸発器(18)のタンク部(18b)に対してエジェクタ(14)を良好に固定することとの両立を図ることができる。
本発明は、具体的には、エジェクタ(14)は、ノズル部(14a)を収納するとともに冷媒吸引口(14b)とディフューザ部(14d)とを構成する樹脂製のボディ部(14g)を有し、
圧入接触部(36、37)がボディ部(14g)と一体成形されている。
これにより、部品点数を削減してコストを低減することができる。
また、本発明は、具体的には、エジェクタ(14)は細長形状を有しており、
圧入接触部(36、37)は、エジェクタ(14)の長手方向の一端側に配置された第1圧入接触部(36)と、エジェクタ(14)の長手方向の他端側に配置された第2圧入接触部(37)とで構成されている。
これにより、細長形状のエジェクタ(14)をタンク部(18b)に対して良好に固定することができる。
本発明は、より具体的には、ディフューザ部(14d)のうち冷媒を吐出する冷媒吐出口(14f)は、エジェクタ(14)の長手方向の一端側に配置され、
ノズル部(14a)に冷媒を流入させる冷媒流入口(14e)は、エジェクタ(14)の長手方向の他端側に配置され、
冷媒吸引口(14b)は、エジェクタ(14)の長手方向において冷媒流入口(14e)と冷媒吐出口(14f)との間に配置され、
エジェクタ(14)は、冷媒吸引口(14b)がタンク部(18b)の内部空間(27)内に開口するようにタンク部(18b)の内部に配置され、
第1圧入接触部(36)は、エジェクタ(14)の長手方向において冷媒吐出口(14f)と冷媒吸引口(14b)との間に配置され、
第2圧入接触部(37)は、エジェクタ(14)の長手方向において冷媒流入口(14e)と冷媒吸引口(14b)との間に配置されているようにすることができる。
本発明は、より具体的には、エジェクタ(14)は、冷媒吐出口(14f)から吐出した冷媒の圧力が冷媒流入口(14e)に流入する冷媒の圧力よりも低くなるように構成された冷媒減圧手段をなしており、
第2圧入接触部(37)は、タンク部(18b)の内面(35b)の全周にわたって線接触するように形成されている。
これによると、冷媒流入口(14e)に流入する冷媒、換言すれば、エジェクタ(14)で減圧される前の比較的圧力の高い冷媒が低圧の内部空間(27)に漏れることを第2圧入接触部(37)によって防止することができる。
ところで、冷媒吐出口(14f)から吐出した冷媒はエジェクタ(14)で減圧された後の比較的圧力の低い冷媒であり、内部空間(27)との圧力差が小さいことから、冷媒吐出口(14f)から吐出した冷媒が内部空間(27)に漏れることを第1圧入接触部(36)によって防止する必要性は低い。
この点に鑑みて、本発明は、より具体的には、第1圧入接触部(36)を、タンク部(18b)の内面(34b)に点接触するように形成しているので、第1圧入接触部(36)とタンク部(18b)の内面(34b)との接触面積を小さくすることができる。このため、エジェクタ(14)から蒸発器(18)への振動伝達をより抑制することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明に係るエジェクタ式冷凍サイクル用ユニットおよびそれを用いたエジェクタ式冷凍サイクルの一実施形態を説明する。エジェクタ式冷凍サイクル用ユニットは、エジェクタ式冷凍サイクル用蒸発器ユニット、あるいは、エジェクタ付き蒸発器ユニットとも呼ばれうるものである。
エジェクタ式冷凍サイクル用ユニットは、エジェクタを備える冷凍サイクルを構成するために配管を介して冷凍サイクルの他の構成部品である凝縮器、および圧縮機と接続される。エジェクタ式冷凍サイクル用ユニットは、ひとつの形態では室内機として空気を冷却する用途に用いられる。また、エジェクタ式冷凍サイクル用ユニットは、他の形態では、室外機として用いることができる。
図1〜図6は本発明の第1実施形態を示すもので、図1は第1実施形態によるエジェクタ式冷凍サイクル10を車両用冷凍サイクル装置に適用した例を示す。このエジェクタ式冷凍サイクル10の基本構成は、上記特許文献1に記載されたエジェクタ式冷凍サイクルと同様である。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10において、冷媒を吸入圧縮する圧縮機11は、電磁クラッチ11a、ベルト等を介して図示しない車両走行用エンジンにより回転駆動される。
この圧縮機11としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチ11aの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機のいずれを使用してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮機を使用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
この圧縮機11の冷媒吐出側には放熱器12が配置されている。放熱器12は圧縮機11から吐出された高圧冷媒と図示しない冷却ファンにより送風される外気(車室外空気)との間で熱交換を行って高圧冷媒を冷却する。
ここで、エジェクタ式冷凍サイクル10の冷媒として、本実施形態ではフロン系、HC系等の冷媒のように高圧圧力が臨界圧力を超えない冷媒を用いて、蒸気圧縮式の亜臨界サイクルを構成している。このため、放熱器12は冷媒を凝縮する凝縮器として作用する。
放熱器12の出口側には受液器12aが設けられている。この受液器12aは周知のように縦長のタンク形状のものであり、冷媒の気液を分離してサイクル内の余剰液冷媒を溜める気液分離器を構成する。受液器12aの出口にはタンク形状内部の下部側から液冷媒を導出するようになっている。なお、受液器12aは本例では放熱器12と一体的に設けられている。
また、放熱器12として、冷媒流れ上流側に位置する凝縮用熱交換部と、この凝縮用熱交換部からの冷媒を導入して冷媒の気液を分離する受液器12aと、この受液器12aからの飽和液冷媒を過冷却する過冷却用熱交換部とを有する公知の構成を採用してもよい。
受液器12aの出口側には温度式膨張弁13が配置されている。この温度式膨張弁13は受液器12aからの液冷媒を減圧する減圧手段であって、圧縮機11の吸入側通路に配置された感温部13aを有している。
温度式膨張弁13は周知のように、圧縮機11の吸入側冷媒(後述の蒸発器出口側冷媒)の温度と圧力とに基づいて圧縮機吸入側冷媒の過熱度を検出し、圧縮機吸入側冷媒の過熱度が予め設定された所定値となるように弁開度(冷媒流量)を調整するものである。
温度式膨張弁13の出口側にエジェクタ14が配置されている。このエジェクタ14は冷媒を減圧する冷媒減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用(巻き込み作用)によって冷媒の循環を行う流体輸送を冷媒循環手段(運動量輸送式ポンプ)でもある。
エジェクタ14には、膨張弁13通過後の冷媒(中間圧冷媒)の通路面積を小さく絞って、冷媒をさらに減圧膨張させるノズル部14aと、ノズル部14aの冷媒噴出口と同一空間に配置され、後述する第2蒸発器18からの気相冷媒を吸引する冷媒吸引口14bが備えられている。
さらに、ノズル部14aおよび冷媒吸引口14bの冷媒流れ下流側部位には、ノズル部14aからの高速度の冷媒流と冷媒吸引口14bの吸引冷媒とを混合する混合部14cが設けられている。そして、混合部14cの冷媒流れ下流側に昇圧部をなすディフューザ部14dが配置されている。このディフューザ部14dは冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。
エジェクタ14は略円筒状に細長く延びる形状を有しており、エジェクタ14の長手方向の両端側(図1の左右端側)にノズル部14aの冷媒流入口14eとディフューザ部14dの冷媒吐出口14fとが配置されている。
より具体的には、エジェクタ14の長手方向の一端側(図1の右端側)に冷媒吐出口14fが配置され、エジェクタ14の長手方向の他端側(図1の左端側)に冷媒流入口14eが配置されている。また、エジェクタ14の長手方向(図1の左右方向)において、冷媒流入口14eと冷媒吐出口14fとの間に冷媒吸引口14bが配置されている。
エジェクタ14の出口側(冷媒吐出口14f側)に第1蒸発器15が接続され、この第1蒸発器15の出口側は圧縮機11の吸入側に接続される。
一方、エジェクタ14の入口側(温度式膨張弁13の出口とノズル部14aの冷媒流入口14eとの間の部位)から冷媒分岐通路16が分岐され、この冷媒分岐通路16の下流側はエジェクタ14の冷媒吸引口14bに接続される。Zは冷媒分岐通路16の分岐点を示す。
この冷媒分岐通路16には絞り機構17が配置され、この絞り機構17よりも冷媒流れ下流側には第2蒸発器18が配置されている。絞り機構17は第2蒸発器18への冷媒流量の調節作用をなす減圧手段であって、具体的にはキャピラリチューブやオリフィスのような固定絞りで構成できる。なお、第2蒸発器18は、本発明における蒸発器に該当するものである。
本実施形態では、2つの蒸発器15、18を後述の構成により一体構造に組み付けるようになっている。この2つの蒸発器15、18を図示しないケース内に収納し、そして、このケース内に構成される空気通路に共通の電動送風機19により空気(被冷却空気)を矢印Fのごとく送風し、この送風空気を2つの蒸発器15、18で冷却するようになっている。
2つの蒸発器15、18で冷却された冷風を共通の冷却対象空間(図示せず)に送り込み、これにより、2つの蒸発器15、18にて共通の冷却対象空間を冷却するようになっている。ここで、2つの蒸発器15、18のうち、エジェクタ14下流側の主流路に接続される第1蒸発器15を空気流れFの上流側(風上側)に配置し、エジェクタ14の冷媒吸引口14bに接続される第2蒸発器18を空気流れFの下流側(風下側)に配置している。
なお、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を車両空調用冷凍サイクル装置に適用する場合は車室内空間が冷却対象空間となる。また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を冷凍車用冷凍サイクル装置に適用する場合は冷凍車の冷凍冷蔵庫内空間が冷却対象空間となる。
ところで、本実施形態では、エジェクタ14、第1、第2蒸発器15、18および絞り機構17を1つの一体化ユニット20として組み付けている。次に、この一体化ユニット20の具体例を図2〜図5により説明する。
図2はこの一体化ユニット20の全体構成の概要を示す斜視図で、図3は第1、第2蒸発器15、18の上側タンク部を水平面で切断したときの断面図で、図4は第2蒸発器18の上側タンク部を鉛直面で切断したときの断面図で、図5は図3の要部拡大断面図で、図6は図5のA−A断面図である。なお、図5では、図示の都合上、後述するキャピラリチューブ17aを省略している。また、図6では、図示の都合上、上側タンク部の壁面およびキャピラリチューブ17aを省略している。
次に、2つの蒸発器15、18の一体化構造の具体例を図2により説明する。この図2の例では、2つの蒸発器15、18が完全に1つの蒸発器構造として一体化されるようになっている。そのため、第1蒸発器15は1つの蒸発器構造のうち空気流れFの上流側領域を構成し、そして、第2蒸発器18は1つの蒸発器構造のうち空気流れFの下流側領域を構成するようになっている。
第1蒸発器15および第2蒸発器18の基本構成は同一であり、それぞれ熱交換コア部15a、18aと、この熱交換コア部15a、18aの上下両側に位置するタンク部15b、15c、18b、18cとを備えている。なお、第2蒸発器18の上側タンク部18bは、本発明におけるタンク部に該当するものである。
ここで、熱交換コア部15a、18aは、それぞれ上下方向に延びる複数のチューブ21を備える。これら複数のチューブ21の間には、被熱交換媒体、この実施形態では冷却される空気が通る通路が形成される。これら複数のチューブ21相互間には、フィン22を配置し、チューブ21とフィン22とを接合させている。
熱交換コア部15a、18aは、チューブ21とフィン22との積層構造からなる。このチューブ21とフィン22は熱交換コア部15a、18aの左右方向に交互に積層配置される。なお、フィン22を廃止した構成を採用してもよい。
因みに、図2では、図示の都合上、チューブ21とフィン22の積層構造の一部のみ図示しているが、熱交換コア部15a、18aの全域にチューブ21とフィン22の積層構造が構成され、この積層構造の空隙部を電動送風機19の送風空気が通過するようになっている。
チューブ21は冷媒通路を構成するもので、断面形状が空気流れ方向Fに沿って扁平な扁平チューブよりなる。フィン22は薄板材を波状に曲げ成形したコルゲートフィンであり、チューブ21の平坦な外面側に接合され空気側伝熱面積を拡大する。
熱交換コア部15aのチューブ21と熱交換コア部18aのチューブ21は互いに独立した冷媒通路を構成し、第1蒸発器15の上下両側のタンク部15b、15cと、第2蒸発器18の上下両側のタンク部18b、18cは互いに独立した冷媒通路空間を構成する。
第1蒸発器15の上下両側のタンク部15b、15cは熱交換コア部15aのチューブ21の上下両端部が挿入され、接合されるチューブ嵌合穴部(図示せず)を有し、チューブ21の上下両端部がタンク部15b、15cの内部空間に連通するようになっている。
同様に、第2蒸発器18の上下両側のタンク部18b、18cは熱交換コア部18aのチューブ21の上下両端部が挿入され、接合されるチューブ嵌合穴部(図示せず)を有し、チューブ21の上下両端部がタンク部18b、18cの内部空間に連通するようになっている。
これにより、上下両側のタンク部15b、15c、18b、18cは、それぞれ対応する熱交換コア部15a、18aの複数のチューブ21へ冷媒流れを分配したり、複数のチューブ21からの冷媒流れを集合する役割を果たす。
2つの上側タンク部15b、18b、および2つの下側タンク部15c、18cは隣接しているので、2つの上側タンク部15b、18b同士、および2つの下側タンク部15c、18c同士を一体成形することができる。もちろん、2つの上側タンク部15b、18b、および2つの下側タンク部15c、18cをそれぞれ独立の部材として成形してもよい。
なお、チューブ21、フィン22、タンク部15b、15c、18b、18c等の蒸発器構成部品の具体的材質としては、熱伝導性やろう付け性に優れた金属であるアルミニウムが好適であり、このアルミニウム材にて各部品を成形することにより、第1、第2蒸発器15、18の全体構成を一体ろう付けにて組み付けることができる。
本実施形態では、図3に示す接続ブロック23、第1、第2保持部材34、35および絞り機構17(本例では、キャピラリチューブ17a)もろう付けにて第1、第2蒸発器15、18と一体に組み付けるようになっている。
これに対し、エジェクタ14はノズル部14aに高精度な微小通路を形成しているので、エジェクタ14をろう付けすると、ろう付け時の高温度(アルミニウムのろう付け温度:600℃付近)にてノズル部14aが熱変形して、ノズル部14aの通路形状、寸法等を所期の設計通りに維持できないという不具合が生じる。
そこで、エジェクタ14については、第1、第2蒸発器15、18、接続ブロック23、第1、第2保持部材34、35およびキャピラリチューブ17aの一体ろう付けを行った後に、蒸発器側に組み付けするようにしてある。
より具体的に、エジェクタ14、キャピラリチューブ17a、接続ブロック23および第1、第2保持部材34、35の組み付け構造を説明すると、キャピラリチューブ17a、接続ブロック23および第1、第2保持部材34、35は、蒸発器部品と同様にアルミニウム材にて成形される。接続ブロック23は、図3に示すように、第1、第2蒸発器15、18の上側タンク部15b、18bの長手方向の一方の側面部にろう付け固定される部材であって、図1に示す一体化ユニット20の1つの冷媒入口25と1つの冷媒出口26とを構成する。
冷媒入口25は、接続ブロック23の厚さ方向の途中にて、エジェクタ14の入口側(ノズル部14aの冷媒流入口14e側)に向かう第1通路をなす主通路25aと、キャピラリチューブ17aの入口側に向かう第2通路をなす分岐通路16とに分岐される。この分岐通路16は図1の分岐通路16の入口部分に相当する。従って、図1の分岐点Zは接続ブロック23の内部に構成されることになる。
これに対し、冷媒出口26は接続ブロック23の厚さ方向に貫通する1つの単純な通路穴(円形穴等)で構成される。
そして、接続ブロック23の分岐通路16はキャピラリチューブ17aの一端部(図2、図3の左端部)にろう付けによりシール接合される。
第1保持部材34は、第2蒸発器18の上側タンク部18bの内部空間の長手方向の略中央部に配置され上側タンク部18bの内壁面にろう付けされる部材である。この第1保持部材34は、エジェクタ14を保持する役割と、上側タンク部18bの内部空間をタンク長手方向の2つの空間、すなわち、左側空間27と右側空間28とに仕切る役割とを果たす。なお、左側空間27は、本発明における内部空間に該当するものである。
第2保持部材35は、左側空間27のうち接続ブロック23側の端部に配置され上側タンク部18bの内壁面にろう付けされる部材である。この第2保持部材35は、エジェクタ14を保持する役割と、上側タンク部18bのうち接続ブロック23側の端部を塞ぐ役割とを果たす。
そして、キャピラリチューブ17aの一端部(図2、図3の左端部)は第2保持部材35の支持穴35aを貫通して接続ブロック23の分岐通路16と連通し、キャピラリチューブ17aの他端部(図2、図3の右端部)は第1保持部材34の支持穴34aを貫通して上側タンク部18bの右側空間28内に開口している。
なお、キャピラリチューブ17aの外周面と支持穴34aとの間はろう付けにより密閉されるので、上記左右の両空間27と28の間は遮断されたままである。また、キャピラリチューブ17aの外周面と支持穴35aとの間もろう付けにより密閉される。
エジェクタ14のうち、高い加工精度と高い耐久性が要求されるノズル部14aはステンレス、黄銅等の材質で形成され、ノズル部14a以外のボディー部14g(冷媒吸引口14bを形成するハウジング部分、混合部14c、ディフューザ部14d等)は樹脂(例えばポリプロピレン等)で一体成形されている。
エジェクタ14は、第1、第2蒸発器15、18等を一体ろう付けする組み付け工程(ろう付け工程)の終了後に、接続ブロック23の冷媒入口25および主通路25aの穴形状を貫通して上側タンク部18bの内部に差し込む。
つまり、エジェクタ14は、上側タンク部18bと平行に設置され、その長手方向が上側タンク部18bの長手方向に一致している。
ここで、エジェクタ14の長手方向の先端部(冷媒吐出口14f側の端部)は第1保持部材34の円形凹部34b内に圧入され、第1保持部材34の連通穴部34cに連通する。なお、第1保持部材34の円形凹部34bは、後述する第2保持部材35のエジェクタ挿入穴35bとともに、本発明におけるタンク部の内面に該当するものである。
より具体的には、ボディー部14gに、略円筒状のディフューザ部14dから径方向外側に突き出す第1圧入接触部36が形成されており、この第1圧入接触部36が円形凹部34bに点接触している。なお、第1圧入接触部36は、後述する第2圧入接触部37とともに、本発明における圧入接触部に該当するものである。
本例では、第1圧入接触部36をボディー部14gと一体成形しているが、第1圧入接触部36をボディー部14gと別体に成形し、接着等の固定手段によってボディー部14gに固定するようにしてもよい。第1圧入接触部36をボディー部14gと別体に成形する場合には、ボディー部14gを樹脂以外の材質で形成してもよい。
エジェクタ先端部の外周面のうち第1圧入接触部36以外の部位と第1保持部材34の円形凹部34bの内周面との間には所定寸法の隙間が設けられ、第1圧入接触部36以外ではエジェクタ先端部の外周面が第1保持部材34の内周面と直接接触しないようになっている。
第1蒸発器15の上側タンク部15bの内部空間の長手方向の略中央部には仕切板30(図3)が配置され、この仕切板30によって上側タンク部15bの内部空間が長手方向の2つの空間、すなわち、左側空間31と右側空間32とに仕切られている。
第1保持部材34の連通穴部34cは、両上側タンク部15b、18bの中間壁面33の貫通穴33aを介して第1蒸発器15の上側タンク部15bの右側空間32に連通している。
エジェクタ14の長手方向の左端部(冷媒流入口14e側の端部)は第2保持部材35のエジェクタ挿入穴35b内に圧入されてシール固定される。
より具体的には、ボディー部14gのうち円筒状の左端部の外周面が第2圧入接触部37を構成しており、この第2圧入接触部37がエジェクタ挿入穴35bの内周面の全周にわたって線接触してシール固定される。
このようにエジェクタ14を上側タンク部18b内に圧入することにより、エジェクタ14の長手方向位置の固定が行われる。
図3に示すように、接続ブロック23は、その冷媒出口26が上側タンク部15bの左側空間31と連通し、主通路25aが上側タンク部18bの左側空間27と連通し、かつ、分岐通路16がキャピラリチューブ17aの一端部と連通した状態で上側タンク部15b、18bの側面壁にろう付けされる。また、エジェクタ14の冷媒吸引口14bは第2蒸発器18の上側タンク部18bの左側空間27に連通するようになっている。
本実施形態では、第1保持部材34により第2蒸発器18の上側タンク部18bの内部を左右の空間27、28に仕切り、左側空間27が複数のチューブ21からの冷媒を集合させる集合タンク(集合空間)としての役割を果たし、右側空間28が冷媒を複数のチューブ21へ分配する分配タンク(分配空間)としての役割を果たす。
この構成は、エジェクタ14と蒸発器18とをコンパクトに配置することができ、ひいては、ユニット全体の体格をコンパクトにまとめることができる。しかも、エジェクタ14は、集合タンクをなす左側空間27内に配置され、その冷媒吸引口14bを、集合タンクをなす左側空間27内において直接に開口させて設置されている。この構成は、冷媒配管を減らすことを可能とする。
この構成は、複数のチューブ21からの冷媒の集合と、エジェクタ14への冷媒供給(冷媒吸引)とをひとつのタンクで実現できる利点を提供する。
また、本実施形態では、第1蒸発器15が第2蒸発器18と隣接して設けられており、エジェクタ14の下流側端部は、第1蒸発器15の分配タンク(上側タンク部15の右側空間32)と隣接して設置されている。この構成は、エジェクタ14が第2蒸発器18側のタンク部に内蔵される配置形態であっても、エジェクタ14からの流出冷媒をごく短い簡単な冷媒通路(穴部34c、33a)にて第1蒸発器15側へ供給できるという利点を提供する。
以上の構成において一体化ユニット20全体の冷媒流路を図2、図3により具体的に説明すると、接続ブロック23の冷媒入口25は主通路25aと分岐通路16とに分岐される。主通路25aの冷媒はまず、エジェクタ14(ノズル部14a→混合部14c→ディフューザ部14d)を通過して減圧され、この減圧後の低圧冷媒は第1保持部材34の連通穴部34c、中間壁面33の貫通穴33aを経て矢印aのように第1蒸発器15の上側タンク部15bの右側空間32に流入する。
この右側空間32の冷媒は熱交換コア部15aの右側部の複数のチューブ21を矢印bのように下降して下側タンク部15c内の右側部に流入する。この下側タンク部15c内には仕切板が設けてないので、この下側タンク部15cの右側部から冷媒は矢印cのように左側部へと移動する。
この下側タンク部15cの左側部の冷媒は熱交換コア部15aの左側部の複数のチューブ21を矢印dのように上昇して上側タンク部15bの左側空間31に流入し、さらに、ここから冷媒は矢印eのように接続ブロック23の冷媒出口26へと流れる。
これに対し、接続ブロック23の分岐通路16の冷媒はまずキャピラリチューブ17aを通過して減圧され、この減圧後の低圧冷媒は矢印fのように第2蒸発器18の上側タンク部18bの右側空間28に流入する。
この右側空間28の冷媒は熱交換コア部18aの右側部の複数のチューブ21を矢印gのように下降して下側タンク部18c内の右側部に流入する。この下側タンク部18c内には仕切板が設けてないので、この下側タンク部18cの右側部から冷媒は矢印hのように左側部へと移動する。
この下側タンク部18cの左側部の冷媒は熱交換コア部18aの左側部の複数のチューブ21を矢印iのように上昇して上側タンク部18bの左側空間27に流入する。この左側空間27にエジェクタ14の冷媒吸引口14bが連通しているので、この左側空間27内の冷媒は冷媒吸引口14bからエジェクタ14内に吸引される。
なお、図3では冷媒吸引口14bが上側タンク部18bの壁面側(図3の下方側)を向くように配置されているが、冷媒吸引口14bがチューブ21側(図3の紙面裏面側)を向くように配置されていてもよい。
一体化ユニット20は以上のような冷媒流路構成を持つため、一体化ユニット20全体として冷媒入口25は接続ブロック23に1つ設けるだけでよく、また冷媒出口26も接続ブロック23に1つ設けるだけでよい。
次に、第1実施形態の作動を説明する。圧縮機11を車両エンジンにより駆動すると、圧縮機11で圧縮され吐出された高温高圧状態の冷媒は放熱器12に流入する。放熱器12では高温の冷媒が外気により冷却されて凝縮する。放熱器12から流出した高圧冷媒は受液器12a内に流入し、この受液器12a内にて冷媒の気液が分離され、液冷媒が受液器12aから導出され膨張弁13を通過する。
この膨張弁13では、第1蒸発器15の出口冷媒(圧縮機吸入冷媒)の過熱度が所定値となるように弁開度(冷媒流量)が調整され、高圧冷媒が減圧される。この膨張弁13通過後の冷媒(中間圧冷媒)は一体化ユニット20の接続ブロック23に設けられた1つの冷媒入口25に流入する。
ここで、冷媒流れは、接続ブロック23の主通路25aからエジェクタ14に向かう冷媒流れと、接続ブロック23の冷媒分岐通路16からキャピラリチューブ17aに向かう冷媒流れとに分流する。
そして、エジェクタ14に流入した冷媒流れはノズル部14aで減圧され膨張する。従って、ノズル部14aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、このノズル部14aの噴出口から冷媒は高速度となって噴出する。この際の冷媒圧力低下により、冷媒吸引口14bから分岐冷媒通路16の第2蒸発器18通過後の冷媒(気相冷媒)を吸引する。
ノズル部14aから噴出した冷媒と冷媒吸引口14bに吸引された冷媒は、ノズル部14a下流側の混合部14cで混合してディフューザ部14dに流入する。このディフューザ部14dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。
そして、エジェクタ14のディフューザ部14dから吐出した冷媒は第1蒸発器15における図2の矢印a〜eの冷媒流路にて冷媒が流れる。この間に、第1蒸発器15の熱交換コア部15aでは、低温の低圧冷媒が矢印F方向の送風空気から吸熱して蒸発する。この蒸発後の気相冷媒は、1つの冷媒出口26から圧縮機11に吸入され、再び圧縮される。
一方、冷媒分岐通路16に流入した冷媒流れはキャピラリチューブ17aで減圧されて低圧冷媒となり、この低圧冷媒が第2蒸発器18における図2の矢印f〜iの冷媒流路にて冷媒が流れる。この間に、第2蒸発器18の熱交換コア部18aでは、低温の低圧冷媒が、第1蒸発器15通過後の送風空気から吸熱して蒸発する。この蒸発後の気相冷媒は冷媒吸引口14bからエジェクタ14内に吸引される。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。まず、上記特許文献1と同様の作用効果について簡単に説明すると、(1)送風空気の流れ方向Fに対して冷媒蒸発温度が高い第1蒸発器15を上流側に配置し、冷媒蒸発温度が低い第2蒸発器18を下流側に配置しているから、第1蒸発器15における冷媒蒸発温度と送風空気との温度差および第2蒸発器18における冷媒蒸発温度と送風空気との温度差を両方とも確保できる。このため、共通の冷却対象空間に対する冷却性能を第1、第2蒸発器15、18の組み合わせにて効果的に向上できる。
(2)ディフューザ部14dでの昇圧作用により圧縮機11の吸入圧を上昇して、圧縮機11の駆動動力を低減できる。
(3)第2蒸発器18側の冷媒流量をエジェクタ14の機能に依存することなく、キャピラリチューブ(絞り機構)17にて独立に調整でき、第1蒸発器15への冷媒流量はエジェクタ14の絞り特性により調整できるので、第1、第2蒸発器15、18への冷媒流量をそれぞれの熱負荷に対応して容易に調整できる。
(4)冷媒分岐通路16がエジェクタ14に対して並列的な接続関係となるので、冷媒分岐通路16にエジェクタ14の冷媒吸引能力だけでなく、圧縮機11の冷媒吸入、吐出能力をも利用して冷媒を供給できる。これにより、低熱負荷条件でも、第2蒸発器18の冷却性能を確保しやすい。
(5)エジェクタ式冷凍サイクル10の車両への搭載時には、上記各種部品(14、15、18、17a)を内蔵する一体化ユニット20全体として、1つの冷媒入口25を膨張弁13の出口側に接続し、1つの冷媒出口26を圧縮機11の吸入側に接続するだけで、配管接続作業を終了できる。
(6)一体化ユニット20全体の体格を図2に示すように小型、簡潔にまとめることができ、搭載スペースを低減できるので、複数の蒸発器15、18を有するエジェクタ式冷凍サイクル10の車両への搭載性が非常に良好であるとともに、サイクル部品点数を減少してコスト低減を図ることができる。
(7)上記各種部品(14、15、18、17a)相互間の接続通路長さを微少量に短縮できるので、冷媒流路の圧損を低減できると同時に、低圧冷媒と周辺雰囲気との熱交換を効果的に縮小できる。これにより、第1、第2蒸発器15、18の冷却性能を向上できる。
さらに、本実施形態によると、エジェクタ14のボディー部14gに形成された樹脂製の第1、第2圧入接触部36、37のみが第1保持部材34の円形凹部34bおよび第2保持部材34のエジェクタ挿入穴35bに接触するように、エジェクタ14を上側タンク部18b内に圧入固定しているので、エジェクタ14と上側タンク部18bとが金属接触することを回避できるとともに、エジェクタ14を上側タンク部18bに対して良好に固定することができる。
換言すれば、エジェクタ14が上側タンク部18bと金属接触することなく、樹脂製の第1、第2圧入接触部36、37を介した弾性的な接触のみによって保持されている。このため、エジェクタ14から第2蒸発器18への振動伝達を抑制して第2蒸発器18から発生する放射音を低減することと、第2蒸発器18の上側タンク部18bに対してエジェクタ14を良好に固定することとの両立を図ることができる。
ここで、第1、第2圧入接触部36、37をエジェクタ14の長手方向両端側に配置しているので、細長形状のエジェクタ14を第2蒸発器18の上側タンク部18bに対して良好に固定することができる。
ところで、エジェクタ14の冷媒流入口14eに流入する冷媒はエジェクタ14で減圧される前の比較的圧力の高い冷媒(約1.0MPa)であり、上側タンク部18bの左側空間27内の冷媒は低圧(約0.3MPa)である。
この点に鑑みて、第2圧入接触部37を第2保持部材35のエジェクタ挿入穴35bの内周面の全周にわたって線接触させてシール固定することによって、図5の破線矢印Yのように冷媒流入口14eに流入する比較的圧力の高い冷媒が低圧の左側空間27に漏れること(リーク)を防止している。
一方、エジェクタ14の冷媒吐出口14fから吐出した冷媒はエジェクタ14で減圧された後の比較的圧力の低い冷媒であり、上側タンク部18bの左側空間27内の冷媒との圧力差がほとんどないことから、図5の破線矢印Xのように冷媒吐出口14fから吐出した冷媒が左側空間27に漏れること(リーク)を防止する必要性は低い。
この点に鑑みて、図6に示すように、第1圧入接触部36ではシールを行わず、第1圧入接触部36を第1保持部材34の円形凹部34bと点接触させている。これにより、第1圧入接触部36と円形凹部34bとの接触面積を小さくして振動伝達をより抑制させることができる。
図7は、この効果を示すグラフであり、図7中、実線は本実施形態に対する測定結果で、点線は比較例に対する測定結果である。この比較例は、本実施形態に対して第1圧入接触部36をディフューザ部14dの全周にわたって環状に形成し、第1圧入接触部36を円形凹部34bと線接触させたものである。図7からわかるように、本実施形態では比較例に比してエジェクタ14から第2蒸発器18への振動伝達量を低減できる。
また、本実施形態では、圧入によってエジェクタ14の長手方向位置の固定を行っているので、ねじ止め固定手段を用いてエジェクタ14の長手方向位置の固定を行う場合と比較して構造を簡素化できる。
さらに、本実施形態では、エジェクタ14のボディ部14gを樹脂で形成し、第1、第2圧入接触部36、37をボディ部14gと一体成形しているので、部品点数を削減してコストを低減することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下述べるごとく種々変形可能である。
(1)上述の一実施形態では、本発明によるエジェクタ式冷凍サイクル用ユニットを図1に示す冷凍サイクルに適用した例を示したが、これに限定されることなく、例えば特開2005−308384号公報に記載の冷凍サイクル等、種々の冷凍サイクルに適用が可能である。
(2)上述の一実施形態では、エジェクタ14の上側タンク部18b内での配置構成の一例に本発明を適用した例を示しているが、これに限定されることなく、例えば上記特許文献1(特開2007−57222号公報)に記載のエジェクタ14の配置構成等、種々のエジェクタ14の配置構成に適用が可能である。
(3)上述の一実施形態では、一体化ユニット20の各部材を一体に組み付けるに際して、エジェクタ14を除く他の部材、すなわち、第1蒸発器15、第2蒸発器18、接続ブロック23、第1、第2保持部材34、35、キャピラリチューブ17a等を一体ろう付けしているが、これらの部材の一体組み付けは、ろう付け以外に、ねじ止め、かしめ、溶接、接着等の種々な固定手段を用いて行うことができる。
(4)上述の一実施形態では、絞り機構17をキャピラリチューブ17aまたはオリフィスのような固定絞りで構成しているが、絞り機構17を電動アクチュエータにより弁開度(通路絞り開度)が調整可能になっている電気制御弁で構成してもよい。また、絞り機構17をキャピラリチューブ17aや固定絞りと電磁弁との組み合わせで構成してもよい。
(5)上述の一実施形態では、エジェクタ14として、通路面積が一定のノズル部14aを有する固定エジェクタを例示しているが、エジェクタ14として、通路面積を調整可能な可変ノズル部を有する可変エジェクタを用いてもよい。
なお、可変ノズル部の具体例としては、例えば、可変ノズル部の通路内にニードルを挿入し、このニードルの位置を電気的アクチュエータにより制御して通路面積を調整する機構とすればよい。
(6)上述の一実施形態では、エジェクタ14、第1、第2蒸発器15、18および絞り機構17を1つの一体化ユニット20として組み付けているが、第1蒸発器18および絞り機構17を別体化してもよい。
(7)上述の一実施形態では、第1、第2蒸発器15、18の冷却対象空間として、車室内空間である場合や、冷凍車の冷凍冷蔵庫内空間である場合について述べたが、本発明は、これらの車両用に限らず、定置用等の種々な用途の冷凍サイクルに対して広く適用可能である。
(8)上述の一実施形態では、温度式膨張弁13と感温部13aとを、エジェクタ式冷凍サイクル用ユニットとは別体として構成した。しかし、エジェクタ式冷凍サイクル用ユニットに、温度式膨張弁13と感温部13aとを一体的に組みつけてもよい。例えば、温度式膨張弁13と感温部13aとを一体化ユニット20の接続ブロック23内に収容する構成を採用することができる。この場合、冷媒入口25は受液器12aと温度式膨張弁13との間に位置し、冷媒出口26は感温部13aを設置した通路部位と圧縮機11との間に位置することとなる。
また、温度式膨張弁13は必ずしも必要ではなく、温度式膨張弁13を廃止して、エジェクタ14およびキャピラリチューブ(絞り機構)17aのみによって受液器12aからの液冷媒を減圧するようにしてもよい。
本発明の一実施形態による車両用エジェクタ式冷凍サイクルの冷媒回路図である。 一実施形態による一体化ユニットの概略構成を示す斜視図である。 図2の一体化ユニットの蒸発器タンクを水平面で切断した断面図である。 図2の一体化ユニットの蒸発器タンクの鉛直面で切断した断面図である。 図2の要部拡大断面図である。 図5のA−A断面図である。 エジェクタから第2蒸発器への振動伝達量の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
14…エジェクタ、14a…ノズル部、14b…冷媒吸引口、14e…冷媒流入口、
14f…冷媒吐出口、14g…ボディ部、18…第2蒸発器(蒸発器)、
18b…上側タンク部(タンク部)、27…左側空間(内部空間)、
34b…円形凹部(タンク部の内面)、35b…エジェクタ挿入穴(タンク部の内面)、
36…第1圧入接触部(圧入接触部)、37…第2圧入接触部(圧入接触部)。

Claims (6)

  1. 金属製のノズル部(14a)から噴射される冷媒流により冷媒吸引口(14b)から冷媒を吸引し、前記ノズル部(14a)から噴射された冷媒と前記冷媒吸引口(14b)から吸引された冷媒とを混合してディフューザ部(14d)から吐出するエジェクタ(14)と、
    少なくとも前記冷媒吸引口(14b)に吸引される冷媒を蒸発させる蒸発器(18)とを備え、
    前記蒸発器(18)は、前記冷媒が流れる複数本のチューブ(21)と、前記複数本のチューブ(21)から流出する冷媒を集合させる金属製のタンク部(18b)とを少なくとも有し、
    前記エジェクタ(14)は、前記タンク部(18b)の内部に圧入固定され、
    前記エジェクタ(14)のうち前記タンク部(18b)の内面(34b、35b)に接触する圧入接触部(36、37)が樹脂で形成されていることを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
  2. 前記エジェクタ(14)は、前記ノズル部(14a)を収納するとともに前記冷媒吸引口(14b)と前記ディフューザ部(14d)とを構成する樹脂製のボディ部(14g)を有し、
    前記圧入接触部(36、37)が前記ボディ部(14g)と一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
  3. 前記エジェクタ(14)は細長形状を有しており、
    前記圧入接触部(36、37)は、前記エジェクタ(14)の長手方向の一端側に配置された第1圧入接触部(36)と、前記長手方向の他端側に配置された第2圧入接触部(37)とで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
  4. 前記ディフューザ部(14d)のうち冷媒を吐出する冷媒吐出口(14f)は、前記長手方向の一端側に配置され、
    前記ノズル部(14a)に冷媒を流入させる冷媒流入口(14e)は、前記長手方向の他端側に配置され、
    前記冷媒吸引口(14b)は、前記長手方向において前記冷媒流入口(14e)と前記冷媒吐出口(14f)との間に配置され、
    前記エジェクタ(14)は、前記冷媒吸引口(14b)が前記タンク部(18b)の内部空間(27)内に開口するように前記タンク部(18b)の内部に配置され、
    第1圧入接触部(36)は、前記長手方向において前記冷媒吐出口(14f)と前記冷媒吸引口(14b)との間に配置され、
    第2圧入接触部(37)は、前記長手方向において前記冷媒流入口(14e)と前記冷媒吸引口(14b)との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
  5. 前記エジェクタ(14)は、前記冷媒吐出口(14f)から吐出した冷媒の圧力が前記冷媒流入口(14e)に流入する冷媒の圧力よりも低くなるように構成された冷媒減圧手段をなしており、
    前記第2圧入接触部(37)は、前記タンク部(18b)の内面(35b)の全周にわたって線接触するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
  6. 前記第1圧入接触部(36)は、前記タンク部(18b)の内面(34b)に点接触するように形成されていることを特徴とする請求項5に記載のエジェクタ式冷凍サイクル用ユニット。
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