JP4003600B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内槽内に温風を送風して洗濯物を乾燥させる行程を有し、洗濯から乾燥までを一貫して実施できる洗濯乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の洗濯乾燥機は図4に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図4に示すように、筐体1は、内部に外槽2をサスペンション3により懸垂防振支持し、運転時の振動をサスペンション3によって吸収する構成としている。外槽2の内部には、回転中心軸を鉛直方向に有し洗濯物および乾燥対象物を収容する内槽4を回転自在に配設し、内槽4の内底部に衣類(洗濯物および乾燥対象物)を撹拌する回転翼5を回転自在に配設している。回転翼5は、外周が傾斜面形状の鍋型に形成している。
【0004】
内槽4の内部周壁には多数の小孔(図示せず)を設け、その上方に流体バランサー6を設けている。そして、外槽2および内槽4の底部中心付近に、中空で二軸構造をしている洗濯・脱水軸7と、洗濯または脱水時により回転力の伝達を洗濯・脱水軸7に切り換えるクラッチ8を設けている。モータ9は、外槽2に設け、クラッチ8を介して、内槽4または回転翼5を駆動するようにしている。
【0005】
熱交換器10は、循環する湿った温風を除湿するもので、一端を伸縮自在の下部蛇腹状ホース11を介して外槽2の下部に接続し、他端を循環用送風機12の一端に接続している。循環用送風機12の他端は、加熱手段であるヒータ13を有する温風供給路14に接続し、上部蛇腹状ホース15を通って内槽4へ繋がり、循環する温風循環経路16を構成している。
【0006】
外槽2には、外槽2の上面を気密的に覆う外槽カバー17を設けており、この外槽カバー17に伸縮自在の上部蛇腹状ホース15から温風を供給する温風供給口18を開口している。また、この外槽カバー17に内蓋19を開閉自在に設け、衣類を出し入れするようにしている。
【0007】
筐体カバー20は筐体1の上部を覆うもので、外蓋21を開閉自在に有し、操作表示兼入力手段22を設けるとともに、内槽4に給水する給水弁23を設けている。また、外槽2の底部に外槽2内の水を排水する排水弁24を設けている。冷却用送風機25は、筐体1の側面に取り付け、筐体1の内部に外気を導入して、筐体1の内部の外槽2、熱交換器10などを冷却するように構成している。
【0008】
制御装置26は、マイクロコンピュータを具備し、モータ9、クラッチ8、循環用送風機12、ヒータ13、給水弁23、排水弁24、冷却用送風機25などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御するように構成している。温度センサ27は、温風循環経路16に設け、循環風の温度を検知するものであり、温度センサ28は外槽2の温度を検知するものである。
【0009】
上記構成において動作を説明する。洗い行程では、外蓋21と内蓋19を開けて、内槽4に衣類(洗濯物)を投入し運転を開始すると、給水弁23を開いて所定の水位まで給水した後、モータ9を駆動する。このとき、伝達機構部のクラッチ8によりモータ9の動力を洗濯軸を介して回転翼5に伝達し、回転翼5を回転させて衣類を水中で撹拌して洗濯し、その後、排水弁24を開いて排水し、すすぎ行程で再度給水し、洗い行程と同様にして衣類をすすぐ。
【0010】
脱水行程では、すすぎ終了後、排水弁24を開いて内槽4内の水を排水した後、伝達機構部のクラッチ8を脱水側に切り換えて、モータ9の動力を脱水軸を介して内槽4に伝達して回転させ、衣類に遠心力を与えることにより、水分を衣類から分離することで行う。脱水行程が終了すると引きつづいて乾燥行程に入る。
【0011】
乾燥行程に入ると、モータ9を駆動して回転翼5に伝達し、回転翼5をゆっくり回転させることにより、脱水時の遠心力により内槽4の内壁に張り付いた衣類を引き剥がした後、運転開始時での衣類の重さ判定値に応じて、所定の時間だけ内槽4を回転させながら衣類を乾燥する槽回転乾燥行程(ただし、短時間の撹拌乾燥行程を間欠的に行う)を行った後、回転翼5を瞬間的に正逆の方向に強力に回転させて、衣類を内槽4内で上方に放り上げるようにして撹拌しながら乾燥する撹拌乾燥行程を行う(例えば、特許文献1)。
【0012】
同時に、循環用送風機12により、ヒータ13を通って加熱した温風を温風供給口18より内槽4内部に送り込む。この温風は、内槽4内にて衣類の水分を取り、外槽2、下部蛇腹状ホース11を経由して熱交換器10を通過する際に、冷却用送風機25の送風により冷却、除湿され、その後、再び循環用送風機12に戻る。
【0013】
このとき、除湿された水分は排水弁24を定期的に開いて機外に排水される。これにより乾燥が進行する。循環風の温度を温度センサ27により検知し、所定の温度に達するとヒータ12をオフにすることにより、循環風の温度設定値になるように調節する。衣類が乾いてくると、温度センサ27と温度センサ28の出力差が大きくなり、この出力差が乾燥を終了する設定値になると乾燥を終了させる。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−159775号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成では、運転開始時での衣類の重さ判定値に応じて所定の時間だけ内槽4を回転させながら衣類を乾燥する槽回転乾燥行程を行っていたため、同じ量の衣類でも、化繊が多く脱水後の水分量が少ない場合では、槽回転乾燥行程が長すぎになり、綿が多く脱水後の水分量が多い場合では、槽回転乾燥行程が短すぎになり、衣類の質による適切な乾燥行程が行えずに仕上がりが悪くなるという問題を有していた。
【0016】
また、循環風の温度設定値が適切でないと、化繊のように乾きやすく、熱に弱い衣類の場合は、循環風の温度が高すぎると仕上がりが悪くなり、綿のように乾きにくい衣類の場合は、循環風の温度が低すぎると乾燥スピードが遅くなるという問題を有していた。
【0017】
また、乾燥を終了する設定値が適切でないと、化繊のように乾きやすい衣類の場合は、乾燥しすぎると静電気が多く発生し仕上がりが悪くなり、綿のように乾きにくい衣類だと、湿った部分が残って乾きむらが発生するという問題を有していた。
【0018】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、乾燥行程にて、衣類の質に応じて適切な乾燥行程が行えずに仕上がりが悪くなるのを防ぎ、循環風の温度が高すぎて仕上がりが悪くなったり、低すぎて乾燥スピードが遅くなったりするのを防ぎ、静電気が多く発生したり、乾きむらが発生したりするのを防ぐことを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、筐体内部に弾性的に吊支した外槽内に、回転中心軸を略鉛直方向に有し洗濯物を収容する内槽を回転自在に配設し、内槽の内底部に回転翼を回転自在に設け、内槽または回転翼を駆動手段により駆動し、加熱手段により加熱された温風を温風送風手段により内槽内に送風し、制御手段により駆動手段、温風送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御するよう構成し、制御手段は、一連の行程の運転開始時に回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第1の判定行程と、脱水行程終了後に回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第2の判定行程と、乾燥行程において、内槽を回転させながら衣類を乾燥する槽回転乾燥行程と、槽回転乾燥行程の実行後回転翼を正逆方向に回転させて衣類を撹拌しながら乾燥する撹拌乾燥行程とを実行可能とし、第1の判定行程で判定した衣類の重さ判定値と第2の判定行程で判定した衣類の重さ判定値とにより脱水行程終了後の衣類の脱水率を算出するようにし、衣類の脱水率が大きい場合は、小さい場合に比べて、槽回転乾燥行程の実行時間を短く設定するようにしたものである。
【0020】
これにより、乾燥行程にて、衣類の質に応じて適切な乾燥行程が行えずに仕上がりが悪くなるのを防ぐことができる。
【0021】
また、本発明は、筐体内部に弾性的に吊支した外槽内に、回転中心軸を略鉛直方向に有し洗濯物を収容する内槽を回転自在に配設し、内槽の内底部に回転翼を回転自在に設け、内槽または回転翼を駆動手段により駆動し、加熱手段により加熱された温風を温風送風手段により内槽内に送風し、制御手段により駆動手段、温風送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御するよう構成し、制御手段は、一連の行程の運転開始時に回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第1の判定行程と 、脱水行程終了後に回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第2の判定行程とを実行可能とし、第1の判定行程で判定した衣類の重さ判定値と第2の判定行程で判定した衣類の重さ判定値とにより脱水行程終了後の衣類の脱水率を算出するようにし、衣類の脱水率が大きい場合は、小さい場合に比べて、乾燥行程中の循環風の温度設定値を低く設定するようにしたものである。
【0022】
これにより、循環風の温度が高すぎて仕上がりが悪くなったり、低すぎて乾燥スピードが遅くなったりするのを防ぐことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、筐体内部に弾性的に吊支した外槽と、回転中心軸を略鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に配設し衣類を収容する内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、加熱手段により加熱された空気を前記内槽内に送風する温風送風手段と、前記駆動手段、温風送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記一連の行程の運転開始時に前記回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第1の判定行程と、前記脱水行程終了後に前記回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第2の判定行程と、前記乾燥行程においては、前記内槽を回転させながら前記衣類を乾燥する槽回転乾燥行程と、前記槽回転乾燥行程の実行後前記回転翼を正逆方向に回転させて前記衣類を撹拌しながら乾燥する撹拌乾燥行程とを実行可能とし、前記第1の判定行程で判定した衣類の重さ判定値と前記第2の判定行程で判定した衣類の重さ判定値とにより前記脱水行程終了後の衣類の脱水率を算出するようにし、前記衣類の脱水率が大きい場合は、小さい場合に比べて、前記槽回転乾燥行程の実行時間を短く設定するようにしたものであり、第1の判定行程で判定した衣類の重さ判定値と第2の判定行程で判定した衣類の重さ判定値とにより、脱水行程終了後の衣類の脱水率を算出し、その衣類の脱水率から衣類の質を判定することができ、その判定した衣類の質に応じて槽回転乾燥行程の実行時間を変える、すなわち、脱水率が大きい(化繊が多い)場合は槽回転乾燥行程の実行時間を短くし、また、脱水率が小さい(綿が多い)場合は槽回転乾燥行程の実行時間を長くすることで、同じ量の衣類でも、化繊が多く脱水後の水分量が少ない(脱水率が大きい)場合では槽回転乾燥行程が長すぎになり、衣類が撹拌により伸ばされることなく乾燥し、しわが固着してしまい仕上がりが悪くなるといったことを防止でき、綿が多く脱水後の水分量が多い(脱水率が小さい)場合では槽回転乾燥行程が短すぎになり、水分を多く含んだ衣類どうしが絡み合ってしまうといったことを防ぐことができ、衣類の質により適切な槽回転乾燥行程の実行時間を設定することにより乾燥後の衣類の仕上がりをよくすることができる。
【0024】
請求項2に記載の発明は、筐体内部に弾性的に吊支した外槽と、回転中心軸を略鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に配設し衣類を収容する内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、加熱手段により加熱された空気を前記内槽内に送風する温風送風手段と、前記駆動手段、温風送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記一連の行程の運転開始時に前記回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第1の判定行程と、前記脱水行程終了後に前記回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第2の判定行程とを実行可能とし、第1の判定行程で判定した衣類の重さ判定値と第2の判定行程で判定した衣類の重さ判定値とにより前記脱水行程終了後の衣類の脱水率を算出するようにし、前記衣類の脱水率が大きい場合は、小さい場合に比べて、前記乾燥行程中の循環風の温度設定値を低く設定するようにしたものであり、第1の判定行程で判定した衣類の重さ判定値と第2の判定行程で判定した衣類の重さ判定値とにより、脱水行程終了後の衣類の脱水率を算出し、その衣類の脱水率から衣類の質を判定することができ、その判定した衣類の質に応じて乾燥行程中の循環風の温度設定値を変える、 すなわち、脱水率が大きい(化繊が多い)場合は循環風の温度設定値を低くし、また、脱水率が小さい(綿が多い)場合は循環風の温度設定値を高くすることで、化繊のように乾きやすく熱に弱い衣類の場合は循環風の温度が高すぎると仕上がりが悪くなるのを防ぐことができ、綿のように乾きにくい衣類の場合は循環風の温度が低すぎると乾燥スピードが遅くなるのを防ぐことができ、衣類の質により適切な循環風の温度で乾燥行程を行うことにより、化繊が多い場合は乾燥後の衣類の仕上がりをよくし、綿が多い場合は乾燥スピードをはやくすることができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
(実施例1)
図1に示すように、制御装置(制御手段)29は、マイクロコンピュータを具備し、モータ(駆動手段)9、クラッチ8、循環用送風機(温風送風手段)12、ヒータ(加熱手段)13、給水弁23、排水弁24、冷却用送風機(冷却手段)25などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御するように構成している。
【0027】
また、制御装置29は、運転開始時に回転翼5を数回反転駆動し、そのときの負荷(モータ電流値)と惰性回転数から衣類の重さを判定する(特開2000−24374号公報参照)行程と、脱水終了時に回転翼5を数回反転駆動し、同様に、衣類の重さを判定する行程とを実行するようにしている。
【0028】
また、制御装置29は、乾燥行程において、内槽4を回転させながら衣類を乾燥する槽回転乾燥行程と、回転翼5を瞬間的に正逆の方向に強力に回転させて、衣類を内槽4内で上方に放り上げるようにして撹拌しながら乾燥する撹拌乾燥行程を有し、運転開始時に衣類の重さを判定する行程と、脱水終了時に衣類の重さを判定する行程での衣類の重さ判定値の違いに応じて、槽回転乾燥行程の時間を変えて、乾燥行程のシーケンスを決めるようにしている。
【0029】
上記構成においての動作を説明する。洗濯・すすぎ行程では、内槽4内に衣類を投入し、設定表示兼入力手段22に従い、制御装置29の制御により、排水弁24を閉じた状態で、回転翼5を数回反転駆動し、そのときの負荷(モータ電流値)と惰性回転数から衣類の重さを判定する。給水弁23により衣類の量に応じた水または湯を給水し、伝達機構部のクラッチ8の切り換えにより、モータ9の動力を洗濯・脱水軸7を介して、内槽4または回転翼5に伝達し、内槽4または回転翼5が回転することで、衣類に洗剤を含む水分を通過させたり、衣類を洗剤を含む水中で撹拌されて洗濯・すすぎされる。
【0030】
脱水行程では、洗濯・すすぎ行程終了後、制御装置29により排水弁24を開いて、内槽2内の水を外部へ排水した後、伝達機構部のクラッチ8を脱水側に切り換えて、モータ9の動力を洗濯・脱水軸7を介し内槽4に伝達して徐々に回転を上げて、750r/min程度の回転数で回転させ、衣類に遠心力を与えることにより、水分を衣類から分離し、排水弁24を通過して外部へ排水する。
【0031】
乾燥行程では、制御装置29により、まず、排水弁24を閉じた上で、回転翼5をゆっくり正逆に回転させることにより、脱水行程時における内槽4の回転による遠心力で内槽4の内壁に張り付いた衣類を引き剥がした後、さらに回転翼5を数回反転させ、そのときの負荷(モータ電流値)と惰性回転数から脱水後の衣類の重さを判定する。
【0032】
その後、所定の時間Tだけ内槽4を回転させながら衣類全体に温風が当たるように槽回転乾燥行程を行う。このとき、温風は、温風供給口18より内槽4内に入り、内槽4内の衣類の表面をなぞって、回転翼5の小穴および一部は内槽4の内壁に設けた小孔(図示せず)を通過して外槽2の内部へと流れ、その後、外槽2の下部の出口30へ移る。
【0033】
この内槽4内を通過するとき、衣類の表面に当たり衣類に含まれる水分を取って温風循環経路16へと流れ込み、ここで、冷却用送風機25による外部の空気によって冷却されて除湿される。除湿された水分は、温風循環経路16の下部に集まり、排水弁24が開かれたときに排水口31から外部へ排水される。
【0034】
槽回転乾燥行程を所定時間Tだけ行った後、回転翼5を瞬間的に正逆の方向に強力に回転させて、衣類を内槽4内で上方に放り上げるようにして撹拌しながら乾燥する撹拌乾燥行程を行う。ここで、槽回転乾燥行程から、撹拌乾燥行程に移行するタイミングは衣類の乾燥率85%〜90%程度が適切であり、それより早く撹拌乾燥行程をはじめると、水分を多く含んだ衣類どうしが絡み合ってしまい、逆に、遅く撹拌乾燥行程をはじめると衣類が撹拌により伸ばされることなく乾燥し、しわが固着してしまい仕上がりが悪くなることを、発明者らは多くの実験により確認している。
【0035】
このため、槽回転乾燥行程を行う所定時間Tは、運転開始時に判定した衣類の重さと、脱水後に判定した衣類の重さにより決定する。たとえば、乾燥状態で4kgの衣類を洗濯後、7分間脱水した場合の脱水率(乾燥率)は、(表1)に示すようになることを発明者たちは多くの実験により確認している。
【0036】
【表1】
【0037】
これにより、(表2)に示すように、同じ4kgの衣類でも、綿を多く含んだ衣類では槽乾燥行程を長く120分に設定し、化繊を多く含んだ衣類では槽乾燥行程を短く80分に設定することにより、撹拌乾燥行程に移行するタイミングを乾燥率85%〜95%程度にすることができる。
【0038】
【表2】
【0039】
撹拌乾燥行程をつづけて衣類が乾いてくると、温度センサ27と温度センサ28の出力差が大きくなり、この出力差が乾燥を終了する設定値になると乾燥を終了させる。
【0040】
このように本実施例によれば、乾燥行程において、回転翼5を運転開始時に駆動して衣類の重さを判定する行程と、回転翼5を脱水終了時に駆動して衣類の重さを判定する行程とを実行し、この両行程での衣類の重さ判定値の違いに応じて、乾燥行程のシーケンスを決めるようにしたので、同じ量の衣類でも、化繊が多く脱水後の水分量が少ない場合では槽回転乾燥行程が長すぎになり、綿が多く脱水後の水分量が多い場合では槽回転乾燥行程が短すぎになるのを防ぐことができ、衣類の質により適切なタイミングで撹拌乾燥行程に移行することができるので、乾燥後の衣類の仕上がりをよくすることができる。
【0041】
(実施例2)
図1に示す制御装置(制御手段)29は、循環風の温度を温度センサ27により検知した循環風の温度が所定の温度に達すると、ヒータ12をオフにすることにより、温度設定値になるように制御し、運転開始時での衣類の重さ判定値と、脱水終了時での衣類の重さ判定値の違いに応じて、乾燥行程中の循環風の温度設定値を変えるようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0042】
上記構成において動作を説明する。なお、洗い行程から脱水行程までの動作と、乾燥行程の基本的な動作は、上記実施例1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0043】
乾燥行程において、図2に示すように、温度センサ27により検知した循環風の温度が温度設定値Tに達すると、ヒータ12をオフにすることにより、温度設定値Tになるように制御する。ここで、化繊などの耐熱温度が低い衣類が多い場合は、循環風の温度設定値Tを低くして乾燥することが望ましい。しかしながら、循環風の温度設定値Tを低くすると、乾燥のスピードが落ちて、乾燥時間が長くなってしまう。
【0044】
そこで、本実施例では、乾燥行程において、衣類の質によって循環風の設定温度を適切にするために、運転開始時での衣類の重さ判定値と、脱水終了時での衣類の重さ判定値の違いに応じて、乾燥行程中の循環風の温度設定値を決定する。
【0045】
化繊などの耐熱温度が低い衣類が多い場合は、循環風の温度設定値を90℃程度にして、衣類の温度を抑えながら乾燥を行うことにより、衣類に与える熱ストレスを抑え、仕上がりをよくすることができる。またそれ以外の場合は、循環風の温度設定値を高めの110℃程度にして乾燥を行うことにより、乾燥スピードを速くし、乾燥時間を短くすることができる。
【0046】
(実施例3)
図1に示す制御装置(制御手段)29は、乾燥行程にて、温度センサ27と温度センサ28の出力差が乾燥を終了する設定値になると乾燥を終了させるようにし、運転開始時での衣類の重さ判定値と、脱水終了時での衣類の重さ判定値の違いに応じて、乾燥を終了する設定値を決定するようにしている。他の構成は上記実施例1または2と同じである。
【0047】
上記構成において動作を説明する。ここで、洗濯行程から脱水行程までの動作と、乾燥行程の基本的な動作は、上記実施例1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0048】
乾燥行程において、図3に示すように、衣類が乾いてくると、温度センサ27の出力TH1と温度センサ28の出力TH2の出力差TH1−TH2が大きくなり、この出力差が乾燥を終了する設定値になると乾燥を終了させる。
【0049】
化繊などの乾きやすい衣類が多い場合、乾燥は比較的均一に進行し、乾燥むらは発生しにくい傾向にあり、さらに乾燥させすぎると静電気が多く発生してしまう。また、逆に、綿などの乾きにくい衣類が多い場合、全体の乾燥率は高くても、部分的に湿ったところが残り乾燥むらが発生することがある。
【0050】
そこで、本実施例では、乾燥行程において、衣類の質によって乾燥終了の設定値(TH1−TH2)を適切にするために、運転開始時での衣類の重さ判定値と、脱水終了時での衣類の重さ判定値の違いに応じて、乾燥終了の設定値(TH1−TH2)を決定する。
【0051】
これにより、化繊などの乾きやすい衣類が多い場合は、乾燥を終了する設定値を低めにして、乾燥率が低めの状態で乾燥を終了するようにしているため、乾燥時間を短くし、静電気の発生をおさえることができる。一方、綿などの乾きにくい衣類が多い場合は、乾燥を終了する設定値を高めにして、乾燥むらが残らないようにしっかりと乾燥させることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に記載の発明によれば、乾燥行程にて、衣類の質に応じて適切な乾燥行程が行えずに、乾燥の仕上がりが悪くなるのを防ぐことができる。
【0053】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、衣類の質に応じて適切な乾燥行程が行えずに、循環風の温度が高すぎて仕上がりが悪くなったり、低すぎて乾燥スピードが遅くなったりするのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の洗濯乾燥機の断面図
【図2】 本発明の第2の実施例の洗濯乾燥機の温度制御の動作を示すタイムチャート
【図3】 本発明の第2の実施例の洗濯乾燥機の温度センサの検知温度の変化を示すタイムチャート
【図4】 従来の洗濯乾燥機の断面図
【符号の説明】
1 筐体
2 外槽
4 内槽
5 回転翼
9 モータ(駆動手段)
10 熱交換器
12 循環用送風機(温風送風手段)
13 ヒータ(加熱手段)
25 冷却用送風機(冷却手段)
29 制御装置(制御手段)
Claims (2)
- 筐体内部に弾性的に吊支した外槽と、回転中心軸を略鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に配設し衣類を収容する内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、加熱手段により加熱された空気を前記内槽内に送風する温風送風手段と、前記駆動手段、温風送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記一連の行程の運転開始時に前記回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第1の判定行程と、前記脱水行程終了後に前記回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第2の判定行程と、前記乾燥行程においては、前記内槽を回転させながら前記衣類を乾燥する槽回転乾燥行程と、前記槽回転乾燥行程の実行後前記回転翼を正逆方向に回転させて前記衣類を撹拌しながら乾燥する撹拌乾燥行程とを実行可能とし、前記第1の判定行程で判定した衣類の重さ判定値と前記第2の判定行程で判定した衣類の重さ判定値とにより前記脱水行程終了後の衣類の脱水率を算出するようにし、前記衣類の脱水率が大きい場合は、小さい場合に比べて、前記槽回転乾燥行程の実行時間を短く設定するようにした洗濯乾燥機。
- 筐体内部に弾性的に吊支した外槽と、回転中心軸を略鉛直方向に有し前記外槽内に回転自在に配設し衣類を収容する内槽と、前記内槽の内底部に回転自在に設けた回転翼と、前記内槽または回転翼を駆動する駆動手段と、加熱手段により加熱された空気を前記内槽内に送風する温風送風手段と、前記駆動手段、温風送風手段、加熱手段などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の一連の行程を逐次制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記一連の行程の運転開始時に前記回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第1の判定行程と、前記脱水行程終了後に前記回転翼を駆動して衣類の重さを判定する第2の判定行程とを実行可能とし、第1の判定行程で判定した衣類の重さ判定値と第2の判定行程で判定した衣類の重さ判定値とにより前記脱水行程終了後の衣類の脱水率を算出するようにし、前記衣類の脱水率が大きい場合は、小さい場合に比べて、前記乾燥行程中の循環風の温度設定値を低く設定するようにした洗濯乾燥機。
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