JP4003139B2 - バンプ構造とバンプの製造方法 - Google Patents
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Description
図18において、半導体素子2は、その実装面,すなわち、半導体素子2が実装される回路基板等の基板電極に対向される面に、複数の電極パッド3が形成されている。
この複数の電極パッド3上に、バンプ製造用キャピラリ(図示せず)に通したワイヤの先端に金属ボールを形成して、この金属ボールを電極パッド3に熱圧着することにより、図示するようにバンプ1の基部1aを形成する。次いで、キャピラリをループ状軌跡を描いて移動させることにより、先端部1bを形成する。
図19は、フリップチップ実装構造を模式化して示したものであり、導電性樹脂や封止樹脂の図示は省略されている。
半導体素子2は、例えば、一般的なICチップであり、回路基板5は、例えばセラミック製の回路基板である。バンプ1は、通常、Au等の金属で形成されており、このAuは、ICチップである半導体素子2や回路基板5と線膨張係数が異なることから、上述したリフロー時等において、バンプ1の接合部に応力がかかり、接合部が破断してしまう。
このため、例えば、図20に示すように、バンプ1の高さh1を高くすれば、回路基板5とバンプ1の接合箇所と、バンプ1と半導体素子2との接合箇所との寸法が大きくなって、変形できる箇所が大きくなり、その分大きく変形することで、応力を吸収し、他の接合箇所に応力がかかることを防止できると考えられる。
しかしながら、キャピラリを用いた金属ボールの形成工程では、球形のボールを形成しているので、バンプ1の高さを容易に高くすることは困難である。
請求項1の構成によれば、2段のバンプがその中心線をずらして接合されることにより、バンプ高さを高くしなくても、基板側と第2のバンプの接合箇所と、第1のバンプと半導体素子の接合箇所との寸法を大きくして、バンプの長さを大きくできるので、その分、より変形できることで、他の接合箇所に応力がかからないようにすることができ、応力に強い構造とすることができる。
請求項2の構成によれば、バンプ形状をより均一な形状とすることができ、丈夫な構造とすることができる。
請求項3の構成によれば、バンプ形状を最も均一な形状とすることができる。
請求項4の構成によれば、このバンプ構造は、請求項6の構成で説明したのと同様の理由により、応力に強い構造とすることができる。
すなわち、2段のバンプがその中心線をずらして接合されることにより、バンプ高さを高くしなくても、基板側と第2のバンプの接合箇所と、第1のバンプと半導体素子の接合箇所との寸法を大きくして、バンプの長さを大きくできるので、その分、より変形できることで、他の接合箇所に応力がかからないようにすることができ、応力に強い構造とすることができる。
キャピラリ11の孔12には、ボンディングワイヤ13が挿通されている。このボンディングワイヤ13は、例えばAu/Pbボンディングワイヤである。
これに対して、半導体素子21の電極パッド22には、Al電極23が、例えば、100μmないし150μm程度のピッチで形成されている。
ここで、半導体素子21側を加熱するだけでなく、金属ボール14に超音波を印加するのは、超音波の振動により、金属ボール14自体を加熱するためである。
次いで、図1(c)に示すように、キャピラリ11を上方へ引き上げて、第1のバンプ15に先端部16を形成することで、第1のバンプ15が完成する。
この場合、第1のバンプ15を形成した際に印加した超音波と交差する第2の方向に超音波を印加しながら、荷重を加える。この超音波は、好ましくは、第1の方向に対して90度異なる方向であり、図において、紙面に垂直な方向,すなわち、Yで示す方向に、キャピラリ11を介して伝達される。この超音波は、第1のバンプ15の形成時よりも小さくてよい。
そして、キャピラリ11を上方へ引き上げることにより、図2(c)に示すように、第2のバンプ35の先端部36を形成して、第2のバンプ35を完成する。
次いで、第2のバンプ35の形成時に、図2(e)に示すように、第1の方向と交差する方向,好ましくは、第1の方向と90度異なる方向Xに超音波を印加することで、第1のバンプ15の長円形もしくは楕円形が矯正される状態となる。このため、バンプ全体37は、どちらの方向にも均一な、平面視でほぼ円形となる。
これにより、実装後に加わる応力が均一となって、部分的に応力が集中する箇所がなくなり、強靱な構造の2段構造のバンプ37となる。
フリップチップ実装においては、実際には、半導体素子21と回路基板46は、バンプ37にて電気的接続がなされ、導電性樹脂を介してリフロー炉内で加熱され接続される。この導電性樹脂を硬化させた後で、半導体素子21と回路基板46との間に封止樹脂を注入して硬化させる構造である。
図示されているように、このフリップチップ実装構造においては、バンプ37が、図1及び図2で説明した方法で製造され、上述した構造を有している。
すなわち、バンプ37は、第1のバンプ15及び第2のバンプ35の2段構造でなることから、バンプの高さを高くすることができ、応力が働いた場合に、より変形できることで、他の接合箇所に応力がかからないようにすることができる。これにより、応力に強い丈夫な構造とすることができる。これに加えて、バンプ高さを高く形成すると同時に、バンプ形状を均一にすることによって、バンプの形状の上で、応力が集中する箇所をつくらないので、この点においても、応力に強い構造とすることができる。
次いで、図4(c)に示すように、キャピラリ11を上方へ引き上げて、第1のバンプ41に先端部42を形成することで、第1のバンプ41が完成する。
次いで、図示されているように、電極パッド22のAl電極23の上の第1のバンプ41の真上にキャピラリ11を移動させる。
この時、図2(b)で説明したのと同様に超音波を印加しながら荷重を加えてもよい。
これにより、図5(c)に示されているように、第1のバンプ41の上に、この第1のバンプ41よりも径の大きい第2のバンプ43が形成された2段構造のバンプ45が形成される。
好ましくは、第2のバンプ43は、第1のバンプ41よりも150パーセントないし200パーセント程度径が大きい。
図6では、理解の便宜のため導電性樹脂や封止樹脂の図示を省略している。
図示されているように、このフリップチップ実装構造においては、バンプ45が、図1及び図2で説明した方法で製造され、上述した構造を有している。
さらにまた、第1の実施形態と同様に、バンプ高さを高く形成すると同時に、第1のバンプ41及び第2のバンプ43をそれぞれ形成する場合に、超音波の印加方向を変えることで、バンプ形状を均一にすれば、バンプの形状の上で、応力が集中する箇所をつくらないので、この点においても、一層応力に強い構造とすることができる。
次いで、図7(c)に示すように、キャピラリ11を上方へ引き上げて、第1のバンプ51に先端部52を形成することで、第1のバンプ51が完成する。
具体的には、電極パッド22のAl電極23の上の第1のバンプ41のバンプ高さ方向に沿った、仮想の中心線L2と、この方向と平行な方向の金属ボール24の中心を通る仮想の中心線L1が水平方向に距離Aだけ半導体素子21の外側に向かってずれた位置に、キャピラリ11を位置決めする。
この場合、ずれを形成する距離Aは、30μmないし50μm程度であることが好ましい。
この場合、図2(b)で説明したのと同様に超音波を印加しながら荷重を加えてもよい。
これにより、図8(c)に示されているように、第1のバンプ51の上に、この第1のバンプ51と水平方向に僅かにずれた位置に重ねられた第2のバンプ53が形成された2段構造のバンプ55が形成される。
図9では、理解の便宜のため導電性樹脂や封止樹脂の図示を省略している。
図示されているように、このフリップチップ実装構造においては、バンプ55が、図7及び図8で説明した方法で製造され、上述した構造を有している。
図10は、第1のバンプ61の上に、位置をずらさずに第2のバンプ62を重ねた構造のバンプ65を示しており、図示の状態では、製造工程と上下の位置を逆に示し、かつ図解の便宜のため第1及び第2のバンプの大きさを変えている。このバンプ65を図9の左側に示されたバンプ55と同じ位置に配置した場合に、バンプ65に加わる応力が集中する概略的位置をコンピュータシミュレーションにより求めると、おおよそ散点状に示す領域F1及びF2となる。
これに対して、図14は、第1のバンプ51と第2のバンプ53の位置を第3の実施形態のようにずらして2段構成とした場合のバンプ55によるフリップチップ実装構造を模式化して示したものであり、特に、図12の構成に対応している。
すなわち、2段のバンプ51,53がその中心線をずらして接合されることにより、バンプ高さh2を高くしなくても、基板側と第2のバンプ53の接合箇所と、第1のバンプ51と半導体素子41の接合箇所との距離寸法h3は大きくなる。これにより、バンプ55の長さを大きくできるので、その分、より変形できることで、他の接合箇所に応力がかからないようにすることができ、応力に強い構造とすることができる。
図示されているように、2段のバンプ51,53がその中心線をずらして接合されることにより、その位置ずれが内側であっても外側であっても、加わる応力が低下していることがわかる。
また、図17は、第4の実施形態の2段構造のバンプを用いて、半導体素子21を実装対象として、例えば回路基板46にフリップチップ実装した構造を示している。
半導体素子21は、例えば、一般的な形状のICチップであって、多角形状,例えば、直方体もしくは立方体である。この半導体素子21の実装面25の複数の電極パッド22に対応して金属製の複数の2段以上のバンプ65が形成されている。
ここで、大きなバンプ75が形成される実装面25は、必ずしも多角形である必要はなく、円形の場合も考えられる。つまり、大きなバンプ75が形成される箇所は、半導体素子21が実装された後で、この半導体素子21の実装面25における応力が集中しやすい位置であって、例えば、図示のような対角の角隅部である場合や、他のバンプから距離が離れて形成されるバンプ位置等である。
上述の各実施形態の手法もしくは構造は相互に組み合わせることができ、あるいは、その一部を省略したり、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
Claims (4)
- バンプ製造用キャピラリに通したワイヤの先端に金属ボールを形成することにより、バンプを製造するバンプの製造方法であって
バンプが形成される半導体素子のパッド電極部に対して、前記金属ボールを押圧しながら第1のバンプを形成し、
前記第1のバンプのバンプ厚み方向に沿った仮想の中心線と、第2のバンプのバンプ厚み方向に沿った仮想の中心線がずれた位置で、かつ第1のバンプ上に、金属ボールを押圧して、前記第2のバンプを形成する
ことを特徴とする、バンプの製造方法。 - 前記第1のバンプは、半導体素子のパッド電極部に対して、前記金属ボールを押圧しながら第1の方向に超音波を印加して形成され、前記第2のバンプは、前記第1のバンプの上に、さらに金属ボールを押圧して、前記第1の方向と交差する第2の方向に超音波を印加しながら形成することを特徴とする、請求項1に記載のバンプの製造方法。
- 前記超音波を印加する前記第1の方向と前記第2の方向とがほぼ90度異なることを特徴とする、請求項2に記載のバンプの製造方法。
- 半導体素子のパッド電極部に形成された金属製の第1のバンプと、
この金属製の第1のバンプの上に形成された金属製の第2のバンプと
を備えており、
前記第1のバンプのバンプ厚み方向に沿った仮想の中心線と、第2のバンプのバンプ厚み方向に沿った仮想の中心線がずれた位置で、かつ第1のバンプ上に、金属ボールを押圧して、前記第2のバンプが形成されている
ことを特徴とする、バンプ構造。
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