JP4003025B2 - 電子楽器に用いられる効果付加装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ギター等の電子楽器より得られるディジタルの楽音信号に対して、特殊な効果を付加する効果付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子ギターをライブ演奏で使用する場合には、弦操作により発生する楽音信号に特殊な効果を付加して発音させることにより、迫力や臨場感を増大させるということが行われる。このような用途として用いられる効果付加装置の従来例としては、例えば、図4に示す構成のものが知られており、実用に共されている。図示のように、この効果付加装置は、電子楽器等から得られるディジタルの入力信号に対して係数を乗じる乗算器22と、この乗算器22の出力側に複数段(ここでは、4段)直列接続された移相器24a〜24dと、この移相器24a〜24dの帰還回路上に設けられた遅延要素25及び乗算器26と、低周波発振器28及び加算器21,23から構成されている。
【0003】
移相器24a〜24dは、オールパスフィルタで構成することができ、オールパスフィルタは図2に示すように、係数fの乗算器11,12と、遅延要素13,14、加算器15から構成され、図4に示した低周波発振器28の出力を調節することにより、乗算器11、12の係数fを変化させることができる。そして、このような構成を有する効果付加装置では、図5に示すように低域「A1」、中域「A2」、及び高域「A3」にそれぞれピークを有する櫛歯形状の周波数特性曲線を得ることができ、更に、低周波発振器28の出力値を調節して係数fを変更することにより、この櫛歯特性曲線を周波数軸上にて左右にシフトさせることができるので、周波数特性曲線が入力信号と干渉し、該入力信号に対して特殊な効果を付加することができる。つまり、図6の模式図に示すように、櫛歯特性曲線S1が周波数軸方向にシフトすると(実線で示す曲線と点線で示す曲線との間でシフトすると)入力信号のスペクトルS2に対して干渉するので、音色が変化し、特殊な効果を付加することができる。
【0004】
ここで、実際に入力される楽音信号の周波数帯域は、図5に示す中域「A2」の近傍であり、この領域の特性を利用することにより入力される楽音信号にに対し特殊な効果を付加することができる。しかし、図5に示すように、従来における周波数特性曲線は、低域A1、中域A2及び高域A3にそれぞれピークをもっているので、回路内においてオーバーフローが発生しやすくなり、また、オーバーフローの発生を防止するためにはダイナミックレンジを大きく設定する必要があるので回路規模が大きくなってしまう。また、楽音信号の音色上の要となる中域のピークが、低域、高域のピークにマスクされてしまい、楽音信号に付加する効果が低減されてしまうという問題が発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来における効果付加装置においては、周波数特性が低域、中域、及び高域それぞれにピークを有するので、オーバーフローが発生しやすく、また、入力される楽音信号に対して大きな効果を付加することができないという欠点があった。
【0006】
この発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、楽音信号の音色上の要となる中域にのみ周波数特性のピーク値を有するようにした効果付加装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、2n段(nは自然数)の直列接続された移相器と、この移相器に対する帰還回路と、前記移相器に設定される係数fを適宜調整する係数変更手段と、を具備し、ディジタル入力信号に対して櫛歯形状の周波数応答特性を有し、且つ、前記係数変更手段で前記係数fの値を適宜調節して、該櫛歯形状特性を周波数軸上でシフトさせることにより、ディジタル入力信号に効果を付加する効果付加装置において、前記帰還回路は、前記2n段の移相器のうち、n段目の移相器出力を最前段の移相器の入力側へ帰還させることが特徴である。また、請求項2に記載の発明は、前記2n段目の移相器の後段側に、遅延要素(7)を設置したことを特徴とする。
【0008】
上述の如く構成された本発明によれば、偶数段直列に接続された2n段の移相器の、最終段ではなく中間部(即ち、2n段の移相器のうち、n段目の移相器の出力側)から入力側へ帰還させる構成としているので、低域、中域、高域から成る出力特性のうち、中域にのみピーク値を有する櫛歯形状の周波数特性を得ることができるようになる。従って、低周波発振器の出力値を適宜変化させて櫛歯形状特性曲線を周波数軸上にてシフトさせることにより、入力される楽音信号の音色を決定する上で極めて重要となる中域の周波数帯域にて大きな効果を付加することができる。これにより、ダイナミックレンジを大きくすることなくオーバーフローを防止することができ、また、中域のピークが低域、高域にマスクされることなく、楽音信号に対して大きな効果を付加することができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る効果付加装置の構成を示すブロック図であり、同図に示すように、この効果付加装置は、入力側に設置される第1の加算器1と、この加算器1の出力側に設置される乗算器2を有し、乗算器2の出力側は2系統に分岐され、一方の系統は第2の加算器3に接続され、他方の系統は、4段直列に接続された移相器4a〜4dの、最前段の移相器4aに接続されている。また、移相器4bと4cとの接続点は、遅延要素5及び乗算器6で構成される帰還回路に接続され、乗算器6の出力側は第1の加算器1に接続されている。また、移相器4dの出力側は、遅延要素7を介して第2の加算器3に接続されており、更に、各移相器4a〜4dは、低周波発振器8(係数変更手段)と接続されている。
【0010】
図2は、移相器4a〜4dとして使用されるオールパスフィルタの構成を示す説明図であり、図示のように、係数fを有する乗算器11,12、遅延要素13,14、及び加算器15から構成されている。
【0011】
そして、このような構成によれば、図3に示す如くの周波数特性を得ることができ、同図から明らかなように、周波数特性曲線は、中域A2でピークを有し、低域A1及び高域A3では、ピーク値が低く押さえられていることが理解できる。これにより、楽音信号の音色上の要となる中域のピークが、低域、高域のピークにマスクされてしまうという問題を解消することができ、また、ダイナミックレンジを大きく設定することなく、楽音信号に大きな効果を付加することができるようになる。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の効果付加装置によれば、中域にのみピーク値を有する櫛歯形状の周波数特性を得ることができるので、低周波発振器の出力値を変化させて櫛歯形状特性曲線を周波数軸上にてシフトさせることにより、楽音信号の音色を決定する上で極めて重要になる中域でより多くの効果を付加させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る効果付加装置の、一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】移相器として使用されるオールパスフィルタの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した効果付加装置で得られる周波数特性図である。
【図4】従来における効果付加装置の構成を示すブロック図である。
【図5】従来における効果付加装置で得られる周波数特性図である。
【図6】櫛歯形状の周波数特性曲線と入力信号のスペクトルとが干渉することにより、入力信号に効果が付加される様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 第1の加算器
2 乗算器
3 第2の加算器
4a〜4d 移相器
5 遅延要素
6 乗算器
7 遅延要素
8 低周波発振器(係数変更手段)
11,12 乗算器
13,14 遅延要素
15 加算器
Claims (2)
- 2n段(nは自然数)の直列接続された移相器と、この移相器に対する帰還回路と、前記移相器に設定される係数fを適宜調整する係数変更手段と、を具備し、ディジタル入力信号に対して櫛歯形状の周波数応答特性を有し、且つ、前記係数変更手段で前記係数fの値を適宜調節して、該櫛歯形状特性を周波数軸上でシフトさせることにより、ディジタル入力信号に効果を付加する効果付加装置において、
前記帰還回路は、前記2n段の移相器のうち、n段目の移相器出力を最前段の移相器の入力側へ帰還させることを特徴とする電子楽器に用いられる効果付加装置。 - 前記2n段目の移相器の後段側に、遅延要素(7)を設置したことを特徴とする請求項1記載の電子楽器に用いられる効果付加装置。
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