JP3141523B2 - 有限インパルス応答フィルタ装置 - Google Patents

有限インパルス応答フィルタ装置

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JP3141523B2
JP3141523B2 JP04137699A JP13769992A JP3141523B2 JP 3141523 B2 JP3141523 B2 JP 3141523B2 JP 04137699 A JP04137699 A JP 04137699A JP 13769992 A JP13769992 A JP 13769992A JP 3141523 B2 JP3141523 B2 JP 3141523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有限インパルス応答
フィルタ装置に関し、詳しくは簡単な構成で大規模ステ
ップの有限インパルス応答フィルタを実現する技術に関
する。
【0002】
【従来技術】従来より、楽音波形の合成方式として、遅
延回路やフィルタなどを閉ループ状に接続してループ回
路を構成し、励起信号(ディジタル信号)をこのループ
回路に注入してループ回路を循環させ、適当な位置から
出力楽音信号を取出す技術が知られている。
【0003】図1は、従来より知られている楽音合成装
置のブロック構成を示す。この楽音合成装置は、駆動波
形発生部1、加算器2、遅延回路3、ローパスフィルタ
(以下、「LPF」と呼ぶ)4、および乗算器5を備え
ている。加算器2、遅延回路3、ローパスフィルタ(以
下、「LPF」と呼ぶ)4、および乗算器5により、ル
ープ回路が構成される。これらの構成要素はすべてディ
ジタル回路より構成されている。
【0004】駆動波形発生部1は、所定の入力信号(例
えば、発生する楽音の音色を規定する音色制御信号や音
高を規定するキーコードなど)を受け、それに応じて励
起信号(駆動波形)を発生し、加算器2に向けて出力す
る。この駆動波形は、所定クロックの各サンプル点にお
ける振幅値を表したディジタルデータの並びであり、例
えば1周期分の波形であってよいし、ホワイトノイズの
ような周期性のない長い波形であってもよい。加算器2
に入力した駆動波形は、乗算器5からの出力と加算さ
れ、加算結果は遅延回路3に入力する。
【0005】遅延回路3は、加算器2から入力した楽音
信号を所定の遅延時間だけ遅延し、LPF4に出力す
る。遅延回路3の遅延時間により合成される楽音の音高
が定められる。逆にいえば、合成したい楽音の音高に応
じたパラメータにより遅延回路3の遅延時間を制御でき
るようになっており、これにより所望の音高の楽音信号
を合成することができる。より詳しく説明すると、後述
のLPF4による遅延時間と遅延回路3の遅延時間の合
計すなわちル−プ回路一周の遅延時間が音高周波数の逆
数となるよう遅延回路3の遅延時間が定められる。
【0006】LPF4は、所定のカットオフ周波数より
大きい周波数成分をカットし、そのカットオフ周波数以
下の成分を通すローパス特性を有するフィルタである。
そのカットオフ周波数は所定のパラメータにより制御で
きるようになっている。LPF4の出力は、乗算器5で
所定の定数と乗算され、加算器2に入力する。
【0007】以上のようにして、駆動波形がループ回路
を循環し、楽音信号が合成される。出力は、ループ回路
のどこから取ってもよいが、この図では加算器2の出力
位置から合成された楽音信号を出力している。
【0008】ところで、このようなループ回路を有する
いわゆる遅延フィードバック型音源のループ回路内に挿
入されるLPF4としては、カットオフ周波数によらず
その遅延時間が常に一定のものが望ましい。なぜなら、
ループ回路を循環する楽音波形の音高は遅延回路3の遅
延時間に応じて定められるようになっているので、ルー
プ回路内に挿入されているLPF4による遅延時間が変
動してしまうと音高が所望の通りにならないからであ
る。例えば、LPF4として一次のIIR型のLPFを
用いた場合、カットオフ周波数を変化させるとフィルタ
による遅延時間が変化してしまい、音高が所望の通りと
ならないという問題がある。
【0009】これに対し、係数を対称化させたFIR型
のLPFを用いれば、カットオフ周波数を変化させても
フィルタの遅延時間を一定とすることができる。例え
ば、特開平2−304491号公報には、FIR型のL
PFを用いた楽音合成装置が開示されている。なお、I
IR型のフィルタとは、Infinite Impul
se Response(無限インパルス応答)フィル
タの略称であり、インパルス応答の継続時間が無限とな
るディジタルフィルタをいう。FIR型のフィルタと
は、Finite Impulse Response
(有限インパルス応答)フィルタの略称であり、インパ
ルス応答の継続時間が有限となるディジタルフィルタを
いう。
【0010】図6は、従来より用いられているFIR型
のLPFの例を示す。この図において、60は遅延回路
を示す。遅延回路60は、6つのレジスタ61〜66か
らなる。入力データはまず第1段のレジスタ61に記憶
され、所定のクロック信号に応じて順次、レジスタ62
→レジスタ63→……→レジスタ66のようにシフトさ
れていく。乗算器71〜77は、遅延回路60の各段か
ら取出した出力に所定の係数を乗算する。乗算器71,
77の係数はd、乗算器72,76の係数はc、乗算器
73,75の係数はb、乗算器74の係数はaである。
すなわち、乗算器の係数は遅延回路の中央位置に対して
左右対称になっている。このように係数を左右対称に保
ったまま各係数を変化させてフィルタのカットオフ周波
数を変えても、遅延時間を一定とすることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図6のような
従来のFIR型のフィルタにより、十分な低音域までカ
ットするためにはカットオフ周波数を低くする必要があ
るが、そのためには数多く(例えば、数百段)の段数を
有する遅延回路と各段に対応する乗算器とを設けなけれ
ばならない。したがって、フィルタの構成が大規模にな
ってしまうという問題があった。また、乗算の回数も非
常に増え、演算量が多いという問題があった。さらに、
カットオフ周波数を制御するためには、例えば数百個の
フィルタ係数を同時にコントロールしなければならない
ので、ソフトウエアの複雑化も引起こしていた。
【0012】この発明は、上述の従来例における問題点
に鑑み、簡単な構成でかつ演算量をそれほど多くするこ
となくカットオフ周波数の低いFIRフィルタを実現で
き、またカットオフ周波数の制御も簡単に行なうことの
できるFIRフィルタ装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明に係るFIRフィルタ装置は、クロック信
号に応じて繰返し、入力信号をシフトしていく2N−1
段の段数を有する遅延手段と、クロック信号に応じて繰
返し累算を行なう第1の累算手段であって、入力信号と
累算結果を1段遅延して係数aを乗算した結果とを加算
することにより累算を行なう第1の累算手段と、前記遅
延手段の中央位置であるN段目から取出した信号に係数
を乗算する第1の乗算手段と、前記第1の累算手段
の累算結果から前記第1の乗算手段の乗算結果を減算す
る第1の減算手段と、クロック信号に応じて繰返し累算
を行なう第2の累算手段であって、前記遅延手段の中央
位置であるN段目から取出した信号に係数a を乗算し
た信号と累算結果を1段遅延して係数1/aを乗算した
結果とを加算することにより累算を行なう第2の累算手
段と、前記遅延手段の最終段から取出した信号に係数1
/a を乗算する第2の乗算手段と、前記第2の累算手
段の累算結果から前記第2の乗算手段の乗算結果を減算
する第2の減算手段と、前記第1の減算手段からの信号
と、前記遅延手段の中央位置から取出した信号と、前記
第2の減算手段からの信号とに基づいてフィルタ出力信
号を合成出力する合成手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0014】
【0015】
【作用】累算手段により入力信号が繰返し累算され、一
方、入力信号は遅延手段で所定時間遅延された後に累算
手段の累算データから減じられる。減算の結果がフィル
タの出力となる。したがって、遅延手段の各段に保持さ
れている入力信号の累算値をフィルタ出力として出力で
き、これにより従前のFIRフィルタとほぼ等価な作用
を実現できる。
【0016】また、累算手段により入力信号が繰返し累
算され、一方、入力信号は遅延手段で遅延して累算デー
タから減じられる。そして、遅延手段の中央位置から取
出した信号と前記減算結果とに基づいてフィルタ出力信
号が合成出力される。
【0017】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。
【0018】図2は、この発明の一実施例に係るFIR
フィルタの回路図である。このFIRフィルタ10はL
PFであり、例えば従来技術の欄で説明した図1のよう
な構成の楽音合成装置のLPF4として用いる。図2の
FIRフィルタ10は、遅延回路11、乗算器12,1
3,14,15、遅延回路16、および加算器17,1
9を備えている。
【0019】図2において、FIRフィルタ10への入
力データは遅延回路11に入力する。遅延回路11は2
N+1段のシフトレジスタであり、第1段(図の一番
左)のレジスタに入力されたデータは所定のクロック信
号に応じて順次、第2段、第3段、…へと(図の右側に
向かって)シフトされていく。遅延回路11の中央位置
(すなわち、第N+1段目)には、タップが設けられて
おり、ここから取出されたデータは乗算器12に入力す
る。遅延回路11の最終段から出力されたデータは、乗
算器15に入力する。乗算器15は、入力したデータに
定数m1を乗算し、乗算結果を加算器17に向けて出力
する。
【0020】また、FIRフィルタ10への入力データ
は乗算器14に入力する。乗算器14は、入力データに
定数m1を乗算し、乗算結果を加算器17に向けて出力
する。加算器17は、乗算器14、乗算器15および遅
延回路16からの出力を入力し、乗算器14からの出力
と遅延回路16からの出力を加算するとともに乗算器1
5からの出力を減算する。加算器17の演算結果は、遅
延回路16および乗算器13に入力する。
【0021】遅延回路16は1段の遅延回路であり、加
算器17からの入力データを1クロック分遅延した後、
加算器17に向けて出力する。したがって、加算器17
と遅延回路16とは入力データを繰返し累算する累算器
18を構成している。一方、加算器17は、上述したよ
うに、累算した値から乗算器15からの出力(遅延回路
11の最終段から出力されたデータに定数m1を乗算し
た値)を減算する。これにより、始めに乗算器14を介
して入力し累算器18で累算された値は、遅延回路11
の遅延時間の後に累算データから完全に除かれることに
なる。したがって、加算器17の出力である累算値は、
常に現在時点から遅延回路11の遅延時間だけ遡った時
点までの間に入力したデータにそれぞれ係数m1を乗算
して累算した値となる。
【0022】加算器17の累算出力は乗算器13に入力
し、係数1−cが乗算される。一方、遅延回路11の中
央位置から取出したデータは乗算器12に入力し、係数
cが乗算される。乗算器12および乗算器13からの出
力は、加算器19で加算され、加算結果はフィルタ出力
として出力される。
【0023】図2のフィルタ10にインパルスが入力し
た場合の動作を説明する。ある時点で「1」が入力し、
過去および未来はずっと「0」が入力しているとする。
「1」が入力したとき、遅延回路11の第1段に「1」
が記憶されるとともに、乗算器14で係数m1と乗算さ
れた値m1が加算器17に入力する。以後、フィルタ1
0への入力は「0」になり乗算器15からの出力も
「0」であるから、加算器17からは値m1が継続して
出力される。
【0024】遅延回路11の遅延時間の後に、遅延回路
11の最終段から「1」が乗算器15に出力され、係数
m1と乗算されて、値m1が加算器17に入力する。加
算器17は保持している値m1から乗算器15から出力
された値m1を減算する。したがって、加算器17はこ
れ以降「0」を出力する。
【0025】結果として、フィルタ10へ「1」が入力
してから遅延回路11の遅延時間が経過するまでの間
は、値m1(1−c)が、乗算器13から加算器19に
入力することとなる。
【0026】一方、乗算器12は「1」が遅延回路11
の中央位置に至ったときに、その「1」と係数cとの乗
算結果すなわち値cを出力し、その他の時点では「0」
を出力する。したがって、最終的には、フィルタへ
「1」が入力してから遅延回路11の遅延時間が経過す
るまでの間、値m1(1−c)が加算器19から出力さ
れるが、「1」が遅延回路11の中央位置に至ったとき
のみ値c+m1(1−c)が出力されることとなる。
【0027】以上の動作から、図2の回路は図7のよう
な回路と等価であることが分かる。図7の回路におい
て、81は図2の遅延回路11に相当する遅延回路であ
る。その遅延回路81の各段には乗算器82−1,82
−2,…,82−(2N+1)がそれぞれ接続されてい
る。この2N+1個の乗算器のうち中央位置の乗算器8
2−(N+1)の係数はc+m1(1−c)であり、そ
の他の乗算器の係数はm1(1−c)である。すなわ
ち、乗算器82−1,82−2,…,82−(2N+
1)の係数は、図6に示した従来のFIRフィルタと同
様に、左右対称になっている。乗算器82−1,82−
2,…,82−(2N+1)の出力は加算器83で加算
され出力される。
【0028】この図7の等価回路は、図6に示した従来
のFIRフィルタと同様に構成されており、乗算器の係
数も左右対称になっている。したがって、図2のFIR
フィルタ10は従来のFIRフィルタと等価とみなすこ
とができ、カットオフ周波数によらず遅延時間は一定と
することができる。
【0029】なお、図2の乗算器14,15の係数m1
は、加算器17における累算がオーバフローしないよう
に定めればよい。また、FIRフィルタ10の乗算器の
係数(図7の乗算器82−1,82−2,…,82−
(2N+1)の係数に相当する)は全体の和が「1」と
なるのが望ましいので、係数m1は累算回数(遅延回路
11の段数2N+1)の逆数とするのがよい。
【0030】図3は、図2のFIRフィルタ10の周波
数特性を示すグラフである。係数cが「1」のとき全帯
域通過となる。また、係数cが小さくなるに連れ高域の
減衰が増加する特性が得られている。すなわち、係数c
のみを変更制御すればFIRフィルタ10の特性を変更
制御することができる。
【0031】図6のような従来のFIRフィルタで理想
的なローパス特性を得るためには、遅延回路の各段に接
続された乗算器の係数を、遅延回路の中心位置のものが
最大で、その中心位置から離れる(中心位置から第1段
に向かってまたは最終段に向かって)にしたがって減少
するようにかつ係数のグラフは下側に凸になるように設
定するのが望ましい。図2のFIRフィルタ10の等価
回路である図7の回路ではそうなっていないので、図3
のようにローパス特性としては若干乱れたものになって
いる。しかし、図1のような楽音合成装置に適用したと
きには、聴感上は全く問題なく動作する。
【0032】図4は、この発明の第2の実施例に係るF
IRフィルタの回路図である。この図のFIRフィルタ
20は、遅延回路21、乗算器22〜33、遅延回路3
5,38、および加算器34,37,40を備えてい
る。
【0033】FIRフィルタ20への入力データは遅延
回路21に入力する。遅延回路21は2N−1段のシフ
トレジスタであり、段数は異なるが図2の遅延回路11
と同様のものである。遅延回路21の中央位置(すなわ
ち、第N段目)には、タップが設けられており、ここか
ら取出されたデータは乗算器22、乗算器26および乗
算器30に入力する。乗算器26への入力データは、乗
算器26および乗算器25により定数m2および定数a
N が乗算され、その乗算結果は加算器34に向けて出力
される。
【0034】また、FIRフィルタ20への入力データ
は乗算器27に入力する。乗算器27は、入力データに
定数m2を乗算し、乗算結果を加算器34に向けて出力
する。加算器34は、乗算器27、乗算器25および乗
算器28からの出力を入力し、乗算器27からの出力と
乗算器28からの出力を加算するとともに乗算器25か
らの出力を減算する。加算器34の演算結果は、遅延回
路35および乗算器23に入力する。
【0035】遅延回路35は1段の遅延回路であり、加
算器34からの入力データを1クロック分遅延して出力
する。遅延回路35からの出力は、乗算器28に入力し
定数aが乗算される。その乗算結果は加算器34に入力
する。したがって、加算器34、遅延回路35および乗
算器28は入力データに乗数aを乗算して繰返し累算す
る累算器36を構成している。一方、加算器34は累算
した値から乗算器25からの出力(遅延回路21の中央
位置から出力されたデータに定数m2およびaN を乗算
した値)を減算する。なお、定数aは1よりやや大きい
定数とする。
【0036】フィルタ20に入力して乗算器27を介し
て加算器34に入力した値は、累算器36で乗数aが繰
返し乗算されながら累算器36に保持されることにな
る。したがって、始めにフィルタ20へ入力し、所定の
クロック信号に応じてその入力データが遅延回路21の
第1段から順次シフトされていき第N段に至ったときに
は累算器36に始めの入力データに定数m2およびaN
を乗算した値が保持されていることになる。
【0037】一方、遅延回路21の第N段に至ったデー
タは、乗算器25,26にて定数m2およびaN が乗算
され、その乗算結果が累算器36の累算データから減算
されるから、この減算により累算器に始めに入力したデ
ータは累算データから完全に除かれることになる。した
がって、加算器34の出力である累算データは、常に現
在時点から遅延回路21のN段分の遅延時間だけ遡った
時点までの間に入力したデータ、すなわち遅延回路21
に入力するデータと遅延回路21の第1段、第2段、
…、第N−1段のデータとに、それぞれ係数m2,m2
×a,m2×a2,…,m2×aN-1 を乗算して累算し
た値となる。
【0038】以上より、遅延回路21の前半部分のN段
分と乗算器25〜28、加算器34および遅延回路35
により、N段のFIRフィルタが形成されていると見る
ことができる。
【0039】上述と同様に、遅延回路21の後半部分の
N段分と乗算器29〜33、加算器37および遅延回路
38により、N段のFIRフィルタ(後半部分のFIR
フィルタ)が形成されていると見ることができる。前半
部分のFIRフィルタと後半部分のFIRフィルタとの
各部分を対応させてみれば、乗算器25,26は乗算器
31,32に、乗算器27は乗算器30に、乗算器28
は乗算器33に、加算器34は加算器37に、遅延回路
35は遅延回路38に、累算器36は累算器39に、そ
れぞれ対応する。
【0040】ただし、異なるのは以下の点である。乗算
器27の係数はm2であるのに対し乗算器30の係数は
m3であり、なおかつ乗算器30と加算器37の間に係
数aN を乗算する乗算器29が設けられている。乗算器
25の係数はaN であるのに対し乗算器31の係数は1
/aN であり、乗算器26の係数はm2であるのに対し
乗算器32の係数はm3であり、乗算器28の係数はa
であるのに対し乗算器33の係数は1/aである。
【0041】加算器34(すなわち累算器36)からの
累算出力は乗算器23に入力し、係数(1−c)/2が
乗算される。加算器37(すなわち累算器39)からの
累算出力は乗算器24に入力し、係数(1−c)/2が
乗算される。一方、遅延回路21の中央位置から取出し
たデータは乗算器22に入力し、係数cが乗算される。
乗算器22、乗算器23および乗算器24からの出力
は、加算器40で加算され、加算結果はフィルタ出力と
して出力される。なお、乗算器23の係数(1−c)/
2と乗算器26,27の係数m2とは、適宜調整して定
めればよい。例えば、乗算器23では1/2とせず、乗
算器26,27にて1/2を掛けるようにしてもよい。
乗算器24などについても同様である。
【0042】上述の図2のフィルタで説明したのと同様
に図4のフィルタにインパルスが入力した場合の動作を
考えれば、図4のフィルタも図6や図7に示した従来の
FIRフィルタと等価であるということができる。この
場合、図7の乗算器82−1,82−2,…に対応する
乗算器の係数は、順に、m2(1−c)/2,m2(1
−c)a/2,m2(1−c)a2 /2,m2(1−
c)a3 /2,………,m2(1−c)aN-2 /2,m
2(1−c)aN-1 /2,c+m3(1−c)aN
2,m3(1−c)aN-1 /2,m3(1−c)aN-2
/2,………,m3(1−c)a3 /2,m3(1−
c)a2 /2,m3(1−c)a/2,m3(1−c)
/2となる。すなわち、係数は左側の乗算器から見てい
くと、m2(1−c)/2から徐々に増加し、中央位置
でc+m3(1−c)aN /2となり、次からはm3
(1−c)aN-1 /2から徐々に減少してm3(1−
c)/2に至っている。定数m2,m3,aを適当に選
ぶことにより、前半部分のFIRフィルタの係数m2
(1−c)/2,m2(1−c)a/2,…,m2(1
−c)aN-1 /2,c+m3(1−c)aN /2の和を
「1」となるようにできる。同様に、後半部分のFIR
フィルタの係数c+m3(1−c)aN /2,m3(1
−c)aN-1 /2,…,m3(1−c)a/2,m3
(1−c)/2の和も「1」となるようにできる。
【0043】なお、図4の乗算器26,27の係数m2
と乗算器30,32の係数m3は、等しくするのが望ま
しい。m2=m3とすれば、上記の乗算器の係数の列が
左右対称になるからである。
【0044】図5は、図4のFIRフィルタ20の周波
数特性を示すグラフである。このグラフから分かるよう
に、係数cを変更制御することによりフィルタの特性を
変更制御することができる。図4のFIRフィルタ20
は、上述したように、遅延回路の各段に接続された乗算
器の係数が遅延回路の中心位置に向かって単調増加かつ
下に凸になるような回路と等価であるので、図2の実施
例のものより理想的なFIRフィルタが形成できる。
【0045】上記の2つの実施例によれば、従来遅延回
路の各段に接続されていた乗算器が大幅に省略でき、ハ
ードウエア上簡単な構成となる。また、遅延回路の各段
に接続されていた乗算器による乗算処理も大幅に省略で
き、演算量が少なくてすむ。また、カットオフ周波数は
1つの係数cにより制御できる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、簡単な構成でかつ演算量をそれほど多くすることな
くカットオフ周波数の低いFIRフィルタを実現でき、
またカットオフ周波数の制御も簡単に行なうことのでき
るFIRフィルタ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来より知られている楽音合成装置のブロッ
ク構成図
【図2】 この発明の一実施例に係るFIRフィルタの
回路図
【図3】 図2のフィルタの周波数特性を示すグラフ
【図4】 この発明の第2の実施例に係るFIRフィル
タの回路図
【図5】 図4のフィルタの周波数特性を示すグラフ
【図6】 従来のFIR型のLPFの回路図
【図7】 図2のフィルタの等価回路図
【符号の説明】
1…駆動波形発生部、2…加算器、3…遅延回路、4…
ローパスフィルタ(LPF)、5…乗算器、10…FI
Rフィルタ、11,16…遅延回路、12〜15…乗算
器、17,19…加算器、20…FIRフィルタ、21
…遅延回路、22〜33…乗算器、35,38…遅延回
路、34,37,40…加算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 17/02 601 H03H 17/06 653 H03H 17/06 655

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロック信号に応じて繰返し、入力信号を
    シフトしていく2N−1段の段数を有する遅延手段と、 クロック信号に応じて繰返し累算を行なう第1の累算手
    段であって、入力信号と累算結果を1段遅延して係数a
    を乗算した結果とを加算することにより累算を行なう第
    1の累算手段と、 前記遅延手段の中央位置であるN段目から取出した信号
    に係数a を乗算する第1の乗算手段と、 前記第1の累算手段の累算結果から前記第1の乗算手段
    の乗算結果を減算する第1の減算手段と、 クロック信号に応じて繰返し累算を行なう第2の累算手
    段であって、前記遅延手段の中央位置であるN段目から
    取出した信号に係数a を乗算した信号と累算結果を1
    段遅延して係数1/aを乗算した結果とを加算すること
    により累算を行なう第2の累算手段と、 前記遅延手段の最終段から取出した信号に係数1/a
    を乗算する第2の乗算手段と、 前記第2の累算手段の累算結果から前記第2の乗算手段
    の乗算結果を減算する第2の減算手段と、 前記第1の減算手段からの信号と、前記遅延手段の中央
    位置から取出した信号と、前記第2の減算手段からの信
    号とに基づいてフィルタ出力信号を合成出力する合成手
    段と を備えたことを特徴とする有限インパルス応答フィ
    ルタ装置。
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