JP4002263B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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また、特許文献3には、ウエストバンドタイプのおむつではないが、一対のサイドパネルを有する使い捨ておむつにおけるサイドパネルに、異なる延伸性の2つの領域を設けたものが記載されている。
本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、図1及び図2に示されるように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在する液保持性の吸収コア4を有し、おむつ長手方向の一端部Aの両側にウエストバンド部10,10が設けられ、左右のウエストバンド部の一方にバンド止着部11が設けられていると共に、おむつ長手方向の他端部Bにおむつ止着部21が設けられている。
おむつ1における一端部A及び他端部Bは、概ね、おむつ長手方向の両端縁それぞれからおむつ全長の1/3位迄の領域である。おむつ1における一端部Aは、着用者の背中側に配される部位であり、他端部Bは、着用者の腹側に配される部位であるため、以下においては、一端部Aを後方部、他端部Bを前方部ともいう。本発明のおむつ及びおむつカバーは、一端部Aを、着用者の背中側及び腹側の何れにも配することができるものであっても良い。
例えば、各領域を、おむつ幅方向に、その長さが1.1倍になるまで伸長させた時点の引張荷重で比較する。
ここで、標準着用状態とは、ウエストバンド部の各先端部(図1のウエストバンド部10、10の各端部)を把持して、両ウエストバンド部を含めたおむつ幅方向の全幅T(図2参照)を、荷重50cNとなる迄引っ張った時の該全幅Tを製品幅T1とし、その使い捨ておむつを、所定の周長を有する円筒(乳幼児用Lサイズのおむつを想定した場合は、周長500mmの円筒を用いる。また、乳幼児用Sサイズのおむつを想定した場合は周長380mmの円筒を用いる。本発明を大人用おむつに適用する場合は測定周長を大人用の寸法に合わせて変更する。)に、一方のウエストバンド部の先端部から、背側部中央を通って他方のウエストバンド部の先端部に至るまでの長さ(ウエストバンド部の上縁部の高さ位置において円筒の周方向に沿って測定)が、前記製品幅T1となるように伸長させた状態で装着した状態である。この時、各ウエストバンド部の先端部同士は互いに重なりあい、ウエストバンドの基端部間(製品幅方向中央部分)も、ウエストバンド先端部にかかる荷重の影響を受けて幅が変化する。すなわち、上記ウエストバンド部先端部にかかる荷重の影響が、ウエストバンド部の伸縮領域で緩和・吸収されない場合において、製品中央部分に幅方向の伸縮性がない場合は、自然状態から構成部材の弾性変形領域内で変形するにとどまり、また、中央部分に幅方向の伸縮性を持たせた場合は(例えばウエストギャザーや胴回りのギャザーなど)、中央部分の伸縮物性によっては自然状態(伸縮した状態)から引き伸ばされた状態になる。
また、前方部は、ウエストバンド部に止着しない状態(重ねない状態)で前記圧力を測定する。
Z=f1−P=Fsinθ−νFcosθ=F(sinθ−νcosθ)
この式から、ウエストバンド部がずれ落ちの生じる状態にある場合、締め付け力(F)が大きい程ずれ落ち力が大きくなることが理解できる。
φ=15mmのエアパックを用い、ウエスト先端部に前記エアパックの中心が位置するようにセットし、装着圧(P1)を測定する。その際、おむつ幅方向の位置は図3に図示する通り、おむつの左右両側縁と前記吸収体の左右両側縁とのほぼ中心とする。続いておむつ長さ方向に5mmエアパックの中心を移動させ装着圧(P2)を測定する。同様に5mm間隔で測定を行い、P3、P4、P5…Pnを得る。P1ないしPnの測定は外包材におけるウエスト開口部からレッグ開口部までの左右両側部どうしが互いに接合されている範囲にわたって行う。P1ないしPnは腹側部において、左右2点ずつ計4点測定を行い、平均値より腹側部の装着圧とする。同様に背側部においても、計4点測定を行い、平均値より背側部の装着圧とする。P1からPnの値において1.2〜2.5kPaに連続的に該当する部位間の距離を領域の幅とする。例えば、P3からP6までが該当する場合、領域の幅=(6−3)×5=15mmとする。またその時の領域の中心は測定点3と測定点6の中点とする。
尚、ここで言うお腹まわりの長さは、姿勢変化時のお腹まわりの周長の変化を考慮し、立位および座位で測定したお腹まわりの平均値である。また、図6に示す後述する他の実施形態のおむつ1Aは寝た状態のSサイズの幼児のお腹周りを想定しているので、円筒の周長を380mm(臥位)として同様に測定をおこなう。また、本発明を大人用おむつに適用する場合は測定周長を大人用の寸法に合わせて変更する。
高弾性領域と低弾性領域の境界線が曲線の場合は、ウエストバンド先端より1cm間隔で点を取り、各点データを下に最小二乗法を用いて仮想直線を引く。
例えば、図3に示すように、着用者の背側に、後方部Aのおむつ幅方向中央部分を位置させ、両ウエストバンド部10を着用者の腹側に持ってくる。そして、バンド止着部11を有するウエストバンド部10を、他方のウエストバンド部10に重ね、バンド止着部11を介して両ウエストバンド部を、着用者の腹側において互いに連結する。
次いで、着用者の股間を通して着用者の前方に引き出した前方部Bを、ウエストバンド部10の高さまで引き上げ、各おむつ止着部21を、連結された状態のウエストバンド部10に係合止着させる。
本発明者らは、装着感の悪化を防止しつつ、ずれ落ちを効果的に防止するためには、着用者の腸骨領域に対応する部位の弾性を高めると共に、それ以外の部位に弾性を低く抑えることが有効であることを見出した。
また、高弾性領域12の幅(おむつ長手方向の長さ)W1は、ウエストバンド部の基端部の幅Wに対する比(W1/W)が、ズレ落ち防止及び脚周りや腹部廻りの圧迫感の低減の観点並びに臀部の露出を防止する観点から1.5〜4であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。
バンド部形成部材10Aは、シート材に複数本の弾性部材を伸長状態で固定して形成されており、より具体的には、内層シート14と外層シート15との間に複数本の細幅の弾性部材(糸ゴム、平ゴム等)を、それぞれおむつ幅方向と平行に延びるように伸長状態で固定して形成されている。バンド部形成部材10Aにおける、前記高弾性領域12を形成する部分12aには、相対的に太さの太い弾性部材16の一群(3〜15本程度)が配されており、バンド部形成部材10Aにおける、前記低弾性領域13を形成する部分13aには、相対的に太さの細い弾性部材17の一群(2〜10本程度)が配されている。尚、本おむつ1においては、弾性部材の配置間隔が、高弾性領域12と低弾性領域13とで同じか、又は高弾性領域12よりも低弾性領域13において広くなっている。
高弾性領域12と低弾性領域13とで弾性を異ならせる方法は、特に制限されるものではなく、例えば、両領域に配設する弾性部材の太さを異ならせる一方、配置間隔を同じにする方法、弾性部材の太さを同じにする一方、配置間隔を異ならせる方法、弾性部材の太さ及び配置間隔を異ならせる方法、これらの各方法において、弾性部材の太さを変えるのに代えて弾性部材の素材等を異ならせる方法等が挙げられる。
高弾性又は低弾性の伸縮性シートとしては、各種公知の伸縮性シートを用いることができ、例えば、エラストマー材料からなるシートの片面又は両面に、おむつ幅方向に伸張可能な繊維集合体を積層して一体化してなる積層シートを用いることができる。
エラストマー材料としては、天然ゴム、ブタジエン、イソプレン等の合成ゴム等が好ましく用いられる。エラストマー材料からなるシートとしては、エラストマー材料をフィルム化して得られる弾性フィルム、エラストマー材料からなる弾性繊維を、ネット状に成形したり不織布化したシート等が好ましく用いられる。
おむつ幅方向に伸張可能な繊維集合体としては、スリットの形成等の2次的な加工を施さなくてもそれ自体伸張性を有する不織布、例えばスパンデックスからなる不織布等や、それ自体は伸張性を有しないものにスリットの形成等の2次的な加工により伸張性を付与したもの等を用いることができる。高弾性領域12と低弾性領域13を形成する伸縮性シートとしては、特許文献1,2、特開平9−290002号公報、特開平9−299404号の各公報記載のもの等を用いることもできる。
バンド止着部11及びおむつ止着部21,21は、その表面に多数の錨形や鉤形のオス型係合部材が配された、機械的ファスナーの凸部材等を用いることができる。機械的ファスナーの凸部材としては、例えば「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等の市販品等を用いることができる。
尚、表面シート2、裏面シート3、吸収コア4及び立体ガード7等の構成材料としては、使い捨ておむつに従来用いられている各種公知のものを特に制限なく用いることができる。
本おむつ1Aは、寝た状態で使用することの多い着用者に適したおむつである。本おむつ1Aは、おむつ止着部21を、高弾性領域12部分の外面に止着して用いられる。
本おむつ1Aにおいては、吸収コア4の後端(吸収コア4の、おむつ長手方向一端部A側の端部)41が、高弾性領域12の上端12bより下方に位置している(図6参照)。
本おむつ1Aによれば、高弾性領域12を有する部分が、着用者の腸骨領域において着用者の肌に良好にフィットして、その位置において、排泄物が着用者の背中側にそれ以上拡散されることを防止することができる。また、その位置より排泄物が背中側に移動した場合であっても、低弾性領域13により、後方部Aの端縁の近傍に位置する部分が、比較的広い幅で着用者に良好にフィットしているため、その液が漏れ出しが生じにくい。また、後方部Aの端縁の近傍に位置する部分が、着用者を締め付けることがないので、装着感も良好である。このように、第2実施形態も、位置ズレが生じにくく、装着感も良好である。
例えば、図7に示すように、上述したおむつ1における低弾性領域13の下端部に、第2の高弾性領域18を設けて該低弾性領域13のめくれ等を防止することもできる。また、おむつ1における、ウエスト部弾性伸縮部材51、レッグ弾性伸縮部材61及び立体ガード7は、それぞれ一部又は全部を省略することができる。また、フラップ部20にも弾性伸縮部を設けても良い。
本発明の使い捨ておむつは、幼児用及び成人用の何れのおむつであっても良い。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収コア
10 ウエストバンド部
11 バンド止着部
12 高弾性領域
13 低弾性領域
A 後方部(一端部)
B 前方部(他端部)
C 股下部
Claims (7)
- 吸収コアを有し、おむつ長手方向の一端部の両側にウエストバンド部が設けられ、左右のウエストバンド部の少なくとも何れか一方にバンド止着部が設けられていると共に、おむつ長手方向の他端部におむつ止着部が設けられており、前記バンド止着部により、左右のウエストバンド部を連結した後、前記おむつ止着部により、前記他端部を、前記ウエストバンド部上に固定して着用することができるようになしてある使い捨ておむつにおいて、
前記各ウエストバンド部に、高弾性領域と、弾性を示すが前記高弾性領域より低弾性の低弾性領域とが形成されており、
前記高弾性領域は、おむつを着用したときに着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接する部位に形成されている使い捨ておむつ。 - 前記高弾性領域及び前記低弾性領域は、おむつ長手方向における異なる位置に形成されている請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 前記高弾性領域は、ウエストバンド部の上縁と略平行な方向に延びるように形成されている請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に介在する前記吸収コアを備えた本体部分と、前記ウエストバンド部とを有しており、
前記ウエストバンド部は、前記一端部における前記本体部分の両側縁部それぞれにバンド部形成部材を接合して形成されており、該バンド部形成部材は、シート材に複数本の弾性部材を伸長状態で固定して形成されている請求項1〜3の何れか記載の使い捨ておむつ - 前記高弾性領域が、前記ウエストバンド部の上縁側に形成されている請求項1〜4の何れか記載の使い捨ておむつ。
- 前記高弾性領域が、前記ウエストバンド部の下縁側に形成されており、前記吸収コアの、前記一端部側の端部が、該高弾性領域の上端より下方に位置している請求項1〜5の何れか記載の使い捨ておむつ。
- 長手方向の一端部の両側にウエストバンド部が設けられ、左右のウエストバンド部の少なくとも何れか一方にバンド止着部が設けられていると共に、長手方向の他端部に本体止着部が設けられており、前記バンド止着部により、左右のウエストバンド部を連結した後、前記本体止着部により、前記他端部を、前記ウエストバンド部上に固定して着用することができるようになしてあるおむつカバーにおいて、
前記各ウエストバンド部に、高弾性領域と、弾性を示すが前記高弾性領域より低弾性の低弾性領域とが形成されており、
前記高弾性領域は、おむつカバーを着用したときに着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接する部位に形成されているおむつカバー。
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