JP4001705B2 - 座標入力/検出装置及び電子黒板システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の入力や選択をするためにペン等の指示部材や指等の指示手段によって指示された座標位置を光学的に検出する座標入力/検出装置、およびこの座標入力/検出装置を主体に構成される電子黒板システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ホワイトボードや書き込みシート等の書き込み面に筆記用具を用いて書き込んだ手書きの情報を、専用のスキャナで読み取り、専用のプリンタで記録紙に出力することが可能な電子黒板装置が知られている。これに対し、近年にあっては、電子黒板装置の書き込み面に座標入力/検出装置を配置して、書き込み面に手書きで書き込んだ情報をリアルタイムでパーソナルコンピュータ等のコンピュータに入力することを可能にした電子黒板システムも提供されている。
【0003】
例えば、マイクロフィールド・グラフィックス社製(Microfield Graphics,Inc.)のソフトボードは、ホワイトボード上に座標入力/検出装置を配設して構成され、ホワイトボード上に書かれた文字や絵等のビジュアルデータをコンピュータにリアルタイムで取り込むことを可能にした装置である。このソフトボードを用いて構成された電子黒板システムでは、ソフトボードで取り込んだビジュアルデータをコンピュータに入力してCRT(Cathode Ray Tube)に表示したり、液晶プロジェクターを用いて大型のスクリーンに表示したり、プリンタで記録紙に出力したりすること等が可能となっている。また、ソフトボードが接続されたコンピュータの画面を液晶プロジェクターでソフトボード上に投影し、ソフトボード上でコンピュータを操作することも可能となっている。
【0004】
また、文字および画像を表示するための表示装置と、表示装置の前面に座標入力面(タッチパネル面)を配設した座標入力/検出装置と、座標入力/検出装置からの入力に基づいて表示装置の表示制御を行う制御装置とを備え、表示装置および座標入力/検出装置を用いて電子黒板部の表示面および書き込み面を構成した電子黒板システムが提供されている。
【0005】
例えば、スマート・テクノロジィズ社製(SMART Technologies Inc.)のスマート2000では、コンピュータに接続された液晶プロジェクターを用いて文字・絵・図形・グラフィックの画像をパネルに投影した状態で、パネルの投影面(表示面)の前面に配設された座標入力/検出装置を用いて手書きの情報をコンピュータに取り込む処理を行う。そして、コンピュータ内で手書きの情報と画像情報とを合成し、再度、液晶プロジェクターを介してリアルタイムで表示できるようにしている。
【0006】
このような電子黒板システムでは、表示装置によって表示されている画面上の画像に対して、座標入力/検出装置を用いて入力した画像を上書き画像として重ねて表示できるため、会議、プレゼンテーション、教育現場等において既に広く利用されており、その使用効果が高く評価されている。また、このような電子黒板システムに音声・画像等の通信機能を組み込み、遠隔地間を通信回線で接続することにより、電子会議システムとしても利用されている。
【0007】
このような電子黒板システムに備えられる座標入力/検出装置の方式としては、表示装置の表示画面等に積層させて設けられる膜状の座標入力/検出装置であって、座標入力/検出面(タッチ面)に特殊な機能を持たせてタッチによる特性変化を検出する方式であるいわゆるタッチパネルが多く用いられており、例えば、感圧方式、静電容量方式、超音波表面弾性波方式等がある。このようなタッチパネルによれば、実際に指等がタッチしたことを検知することから検知精度の点で優れているが、特殊な材料・機構を使っているためにタッチパネルの大きさが制限されてしまい、大画面の表示装置には適用できないという問題がある。また、このようなタッチパネルの座標入力/検出面(タッチ面)においては光透過性が低くなっていることから、表示装置の表示画面の上に積層させた場合、表示画像の画質を劣化させてしまうという問題がある。さらに、このようなタッチパネルにおいては、座標入力/検出面(タッチ面)に傷がつき易いという問題もある。
【0008】
そこで、近年においては、座標入力/検出面(タッチ面)のような物理的な面を有さなくとも入力が可能になる、例えば光学式の座標入力/検出装置が有望であると考えられている。このような光学式の座標入力/検出装置としては、各種の方式が提案されている。
【0009】
光学式の座標入力/検出装置の一例としては、特開平11−110116号公報に記載された座標入力/検出装置がある。この特開平11−110116号公報に記載された座標入力/検出装置100は、図14に示すように、2つの光学ユニット101にそれぞれ設けられた光源102から出射されるレーザビーム光Bをポリゴンミラー103を用いて走査させ、そのレーザビーム光Bを再帰性反射部材104で反射させることにより形成した座標入力/検出領域105を有している。そして、この座標入力/検出領域105に指先やペン等の指示部材である指示手段Aを挿入することで座標入力/検出領域105のレーザビーム光Bを遮った場合には、2つの光学ユニット101にそれぞれ設けられた受光素子106における光の強度分布に基づいてポリゴンミラー103を回転させたパルスモータ(図示せず)のパルス数を検出し、この検出されたパルス数に応じて指示手段Aにより遮られたレーザビーム光Bの出射角度を光学ユニット101毎に求め、それらの出射角度に基づく三角測量の手法によって指示手段Aを挿入した座標位置(x、y)を検出するものである。
【0010】
以上に代表されるような座標入力/検出面(タッチ面)のような物理的な面を有さない光学式の座標入力/検出装置は、表示装置の表示画面に装着して使用した場合であっても表示画像の画質を劣化させることはなく、視認性に優れると共に、その大型化も比較的容易になっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような座標入力/検出装置は、パーソナルコンピュータ等の普及に伴い、情報の入力や選択をするための有力なツールとして位置付けられているが、まだ、完全とはいえず、本格的な実用化に向けていまだ解決されねばならない課題が多々存在する。
【0012】
第一には、前述したようなレーザビーム光を走査させるような光学式の座標入力/検出装置においては、自発光光源が必要であったために消費電力が多くなり、かつ、光源部品の寿命が有限であるという問題がある。
【0013】
第二には、前述したようなレーザビーム光を走査させるような光学式の座標入力/検出装置においては、精密な光軸合わせのために光学系に高い組み付け精度が要求されるという問題がある。
【0014】
第三には、前述したようなレーザビーム光を走査させるような光学式の座標入力/検出装置においては、高価で特殊部材である再帰性反射部材を用いているため、装置が高価になってしまうという問題がある。
【0015】
本発明の目的は、省電力化を図ることができるとともに、光源部品の寿命が長い座標入力/検出装置及び電子黒板システムを提供することである。
【0016】
本発明の目的は、精密な光軸合わせを不要とすることができる座標入力/検出装置及び電子黒板システムを提供することである。
【0017】
本発明の目的は、安価な構成の座標入力/検出装置及び電子黒板システムを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の座標入力/検出装置は、指示手段の挿入を受け付ける二次元の座標入力/検出領域と、この座標入力/検出領域の周縁部に所定の間隔で配設され、前記座標入力/検出領域内を撮像する撮像素子を有する複数の画像検出手段と、これらの画像検出手段を結ぶ一辺を除く前記座標入力/検出領域の周縁部に配設され、前記座標入力/検出領域内に光を照射する発光手段と、前記座標入力/検出領域内に前記指示手段が挿入された場合に、前記各画像検出手段の前記撮像素子上におけるその指示手段の被写体像の結像位置を光強度分布に基づいてそれぞれ検出する結像位置検出手段と、この結像位置検出手段により検出された前記各撮像素子上の結像位置に基づいて前記座標入力/検出領域内に挿入された前記指示手段の二次元座標位置を算出する座標位置算出手段と、を備え、前記発光手段は、周囲光を前記座標入力/検出領域に導く蛍光集光部材である。
【0019】
したがって、発光手段から光が照射される座標入力/検出領域内に例えばペン等の指示手段を挿入した場合、各画像検出手段の撮像素子上にはその指示手段の被写体像が結像し、この撮像素子上の結像位置が光強度分布に基づいて検出される。また、その検出された各撮像素子上の結像位置に基づいて座標入力/検出領域内に挿入された指示手段の二次元座標位置が検出される。これにより、精密な光軸合わせを不要とし、かつ、特殊な指示手段を用いなくとも座標位置の検出が容易になる。また、特別な光源が無くとも周囲光を利用して座標入力/検出領域内に光を照射することが可能になるので、省電力化が図られるとともに、寿命の長い光源部品を得ることが可能になる。更に、蛍光集光部材から照射される光のピーク光量は大きいことから、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を高めることが可能になっている。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の座標入力/検出装置において、前記蛍光集光部材は、前記座標入力/検出領域の各辺の長さに少なくとも略同一な長さを有している。
【0021】
したがって、座標入力/検出領域の全面を確実に筆記有効な範囲とすることが可能になる。
【0030】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の座標入力/検出装置において、前記蛍光集光部材はシート状に形成されており、そのシートの厚みは前記画像検出手段の前記撮像素子上での光強度分布の検出に必要な最小限の高さである。
【0031】
したがって、装置の小型化が図られる。
【0032】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の座標入力/検出装置において、前記蛍光集光部材は塑性を有している。
【0033】
したがって、例えば表示装置の表示面に導光部材を密着させて設けることが可能になるので、表示装置の表示面から一定間隔を隔てて光を照射することが無調整で容易となる。また、表面がx方向またはy方向のいずれか一方向にのみ凹形状になっている表示装置の表示面に導光部材を設けた場合にも、無調整で容易に表示装置の表示面から一定間隔を確保することが可能になる。
【0038】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置において、前記蛍光集光部材に用いられる蛍光物質は、商用電源電圧半周期以上の時間にわたって蛍光を発する。
【0039】
したがって、周囲光の短期光量変動に対応することが可能になる。
【0040】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置において、前記蛍光集光部材は、装置外装を形成する。
【0041】
したがって、蛍光集光部材の表面積を広くすることで、蛍光集光部材から照射される光の光量を増加させることが可能になり、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を向上させることが可能になる。また、装置をスケルトンデザインにすることも可能になる。
【0042】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置において、前記蛍光集光部材は、この蛍光集光部材に対面する側に反射面を有する反射手段に積層させて設置される。
【0043】
したがって、蛍光集光部材から照射される光の光量を増加させることが可能になり、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を向上させることが可能になる。
【0044】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置において、前記蛍光集光部材に対して光を入射する補助光源をさらに設ける。
【0045】
したがって、周囲光が十分でない場合であっても照射される光の光量を増加させることが可能になり、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を向上させることが可能になる。
【0046】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の座標入力/検出装置において、前記補助光源は、選択的にON/OFFが可能である。
【0047】
したがって、省電力化が図られる。
【0048】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の座標入力/検出装置において、前記補助光源は変調が可能であって、前記各画像検出手段の前記撮像素子において復調する。
【0049】
したがって、外乱ノイズ光によるノイズ信号を除去することが可能になる。
【0052】
請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置において、前記各画像検出手段の光入射方向の上流側には、前記蛍光集光部材が発する蛍光のみを透過させる光選択手段を備える。
【0053】
したがって、外乱ノイズ光を除去することが可能になり、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を向上させることが可能になる。
【0058】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。ここで、図1は電子黒板システム1を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、電子黒板システム1は、平板表示装置(フラットパネルディスプレイ)であるプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)2及び座標入力/検出装置3で構成される電子黒板部4と、機器収納部9とを主体に構成されている。機器収納部9には、制御装置であるパーソナルコンピュータ等のコンピュータ5、原稿の画像を読み取るためのスキャナ6、画像データを記録紙に出力するプリンタ7、ビデオプレイヤー8(いずれも図2参照)が収納されている。なお、PDP2としては、電子黒板として利用可能な大画面タイプのものが用いられている。また、座標入力/検出装置3には、詳細は後述するが、いわゆる撮像方式の座標入力/検出装置が適用されている。
【0059】
PDP2及び座標入力/検出装置3は、PDP2のディスプレイ面2a側に位置するようにして一体化され、PDP2のディスプレイ面2aに座標入力/検出装置3の座標入力/検出領域3aが略一致するようにして電子黒板部4を形成している。このように、電子黒板部4はPDP2及び座標入力/検出装置3を収納して、電子黒板システム1の表示面(PDP2のディスプレイ面2a)及び書き込み面(座標入力/検出領域3a)を構成している。
【0060】
さらに、図示することは省略するが、PDP2にはビデオ入力端子やスピーカーが設けられており、ビデオプレイヤー8をはじめ、その他レーザディスクプレイヤー、DVDプレイヤー、ビデオカメラ等の各種情報機器やAV機器を接続し、PDP2を大画面モニタとして利用することが可能な構成になっている。また、PDP2には、PDP2の表示位置、幅、高さ、歪等についての調整を行うための調整手段(図示せず)も設けられている。
【0061】
次に、電子黒板システム1に内蔵される各部の電気的接続について図2を参照して説明する。図2に示すように、電子黒板システム1は、コンピュータ5にPDP2、スキャナ6、プリンタ7、ビデオプレイヤー8をそれぞれ接続し、コンピュータ5によってシステム全体を制御するようにしている。また、コンピュータ5には、ペン等の指示部材や指である指示手段P(図7参照)で指示された座標入力/検出領域3a内の座標位置の演算等を行う座標入力/検出装置3に設けられるコントローラ10が接続されており、このコントローラ10を介して座標入力/検出装置3もコンピュータ5に接続されている。また、コンピュータ5を介して電子黒板システム1をネットワーク11に接続することができ、ネットワーク11上に接続された他のコンピュータで作成したデータをPDP2に表示したり、電子黒板システム1で作成したデータを他のコンピュータに転送することも可能になっている。
【0062】
次に、コンピュータ5について説明する。ここで、図3はコンピュータ5に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。図3に示すように、コンピュータ5は、システム全体を制御するCPU12(Central Processing Unit)と、起動プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)13と、CPU12のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)14と、文字・数値・各種指示等の入力を行うためのキーボード15と、カーソルの移動や範囲選択等を行うためのマウス16と、ハードディスク17と、PDP2に接続されておりそのPDP2に対する画像の表示を制御するグラフィックス・ボード18と、ネットワーク11に接続するためのネットワーク・カード(またはモデムでも良い。)19と、コントローラ10、スキャナ6、プリンタ7等を接続するためのインタフェース(I/F)20と、上記各部を接続するためのバス21とを備えている。
【0063】
ハードディスク17には、オペレーティング・システム(OS:Operating System)22と、コントローラ10を介してコンピュータ5上で座標入力/検出装置3を動作させるためのデバイスドライバ23と、描画ソフト、ワードプロセッサソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフト等の各種アプリケーションプログラム24とが格納されている。
【0064】
また、コンピュータ5には、OS22、デバイスドライバ23や各種アプリケーションプログラム24等の各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体26、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置であるフロッピーディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等のプログラム読取装置25が搭載されている。
【0065】
各種アプリケーションプログラム24は、コンピュータ5への電源の投入に応じて起動するOS22による制御の下、CPU12によって実行される。例えば、キーボード15やマウス16の所定の操作によって描画ソフトを起動した場合には、PDP2にグラフィックス・ボード18を介して描画ソフトに基づく所定の画像が表示される。また、デバイスドライバ23もOS22とともに起動され、コントローラ10を介した座標入力/検出装置3からのデータ入力が可能な状態になる。このように描画ソフトを起動した状態で座標入力/検出装置3の座標入力/検出領域3aに操作者が指示手段Pを挿入して文字や図形を描いた場合、座標情報が指示手段Pの記述に基づく画像データとしてコンピュータ5に入力され、例えばPDP2に表示されている画面上の画像に対して上書き画像として重ねて表示される。より詳細には、コンピュータ5のCPU12は、入力された画像データに基づいて線や文字を描画するための描画情報を生成し、入力された座標情報に基づく座標位置に併せてグラフィックス・ボード18に設けられるビデオメモリ(図示せず)に書き込んでいく。その後、グラフィックス・ボード18が、ビデオメモリに書き込まれた描画情報を画像信号としてPDP2に送信することにより、操作者が書いた文字と同一の文字が、PDP2に表示されることになる。つまり、コンピュータ5は座標入力/検出装置3をマウス16のようなポインティングデバイスとして認識しているため、コンピュータ5では、描画ソフト上でマウス16を用いて文字を書いた場合と同様な処理が行われることになる。
【0066】
次に、座標入力/検出装置3について詳細に説明する。ここで、図4は座標入力/検出装置3の構成を概略的に示す説明図、図5は電子黒板システム1の座標入力/検出装置3付近を部分的に示す縦断側面図である。図4および図5に示すように、座標入力/検出装置3は、PDP2のディスプレイ面2aのサイズに対応したサイズで横長の四角形状の座標入力/検出領域3aを備えている。この座標入力/検出領域3aは、手書きにより文字や図形等の入力を可能にする領域である。この座標入力/検出領域3aの下方両端部に位置する角部の近傍には、画像情報(被写体像)を電気信号として出力する多数のCCD(Charge Coupled Device )をライン状に配設した撮像素子であるラインセンサ27と結像光学レンズ28とが距離fを有して配設された画像検出手段である画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)が、距離Lを隔てて所定の角度α(図8参照)で設けられている。加えて、これらの画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)には、外部光をカットするためのマスク30が設けられている。
【0067】
また、座標入力/検出装置3の座標入力/検出領域3aの下部を除く周縁部には、発光手段として機能する光源部31が設けられている。この光源部31は、例えば蛍光灯であって、座標入力/検出領域3aの各辺の長さに少なくとも略同一な長さを有している。そして、光源部31は、図5に示すように、座標入力/検出領域3a内に拡散光Hを照射するものである。これにより、座標入力/検出領域3a(PDP2のディスプレイ面2a)の全面を筆記有効な範囲とすることができる。また、光源部31として蛍光灯を用いることにより、メンテナンスが容易になっている。
【0068】
なお、本実施の形態においては、光源部31として蛍光灯を用いたが、これに限るものではなく、各種適用することができる。蛍光灯以外には、例えば、ネオン管、面発光素子であるエレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)シート、LEDアレイ+拡散板等を適用することが考えられる。特に、長さを自由に調整できるネオン管を用いた場合には、座標入力/検出領域3aを所望の大きさにすることが可能であるとともに、その径が小さいことから省スペース化が図られる。
【0069】
次に、座標入力/検出装置3の各部の電気的接続について図6を参照して説明する。図6に示すように、コントローラ10には、各部を集中的に制御するCPU32が設けられており、このCPU32には、プログラム及びデータを記憶するROM33、各種データを書き換え自在に格納してワークエリアとして機能するRAM34、コンピュータ5に接続するためのインタフェース35、A/D(Analog/Digital)コンバータ36及び光源部31がバス接続されている。また、CPU32には、各種のプログラムコード(制御プログラム)を格納するハードディスク37や不揮発性のメモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)38がバス接続されている。ここに、CPU32、ROM33及びRAM34によりマイクロコンピュータが構成されている。このようなマイクロコンピュータには、各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体M、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置であるフロッピーディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等のプログラム読取装置39が接続されている。
【0070】
また、ラインセンサ27からの出力を演算する回路として、ラインセンサ27の出力端子に、アナログ処理回路40が図のように接続されている。ラインセンサ27に入射した光は、ラインセンサ27内で光の強度に応じた電圧値を持つアナログの画像データに変換され、アナログ信号として出力される。このアナログ信号は、アナログ処理回路40で処理された後、A/D(Analog/Digital)コンバータ36によってデジタル信号に変換されてCPU32に渡される。この後、CPU32によって指示手段Pの二次元座標の演算が行われる。
【0071】
ハードディスク37に格納された各種のプログラムコード(制御プログラム)または記憶媒体Mに記憶された各種のプログラムコード(制御プログラム)は、コントローラ10への電源の投入に応じてRAM34に書き込まれ、各種のプログラムコード(制御プログラム)が実行されることになる。
【0072】
続いて、制御プログラムに基づいてCPU32によって実行される機能について説明する。ここでは、本実施の形態の座標入力/検出装置3の備える特長的な機能である座標検出処理について以下において具体的に説明する。
【0073】
ここで、図7は座標入力/検出装置3の座標入力/検出領域3a内の一点を指示手段Pで指し示した一例を示す正面図、図8はその一部を拡大して示す正面図である。また、図9は座標検出処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図7に示すように、指示手段Pが座標入力/検出領域3a内に挿入されると、その像が画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27の上に結像光学レンズ28を介してそれぞれ結像される。
【0074】
このときラインセンサ27上の光強度分布を考える。指示手段Pが座標入力/検出領域3a内に挿入されていなければ、ラインセンサ27上の光強度分布はほぼ一定である。しかしながら、指示手段Pが座標入力/検出領域3a内に挿入されてその像がラインセンサ27上に結像するとラインセンサ27上の所定の位置が光強度の弱い領域(暗点)となり、この光強度の弱い領域(暗点)は、ラインセンサ27から出力される光強度の波形にピーク点として出現することになるので、CPU32は、このような光強度の波形におけるピーク点の出現を電圧の変化により認識し、この光強度の波形のピーク点となった暗点の位置を検出する(図9に示すステップS1のY)。ここに、結像位置検出手段の機能が実行される。本実施の形態においては、図8に示すように、このように光強度の波形におけるピーク点が出現した位置を右側画像検出装置29Rのラインセンサ27のa番目の受光セルとする。
【0075】
次に、CPU32は、この右側画像検出装置29Rのラインセンサ27のa番目の受光セルからラインセンサ27の中心までの距離sをラインセンサ27のセル番号に基づいて検出する(図9に示すステップS2)。
【0076】
そして、右側画像検出装置29Rのラインセンサ27のa番目の受光セルの位置からラインセンサ27の中心の受光セルまでの距離sは、ラインセンサ27の中心線と、指示手段Pとa番目の受光セルとを結ぶ線とで形成される角度θ1に依存しており、この角度θ1は、
θ1=tan-1(s/f) ・・・(1)
と表すことができる。ただし、fは結像光学レンズ28の焦点距離である。
【0077】
また、図8に示すように、右側画像検出装置29Rと指示手段Pとの角度β1は、右側画像検出装置29Rの取付角度αを用いることにより、
β1=α−θ1 ・・・(2)
として求められる。
【0078】
同様に、左側画像検出装置29Lと指示手段Pとの角度β2は、特に図示しないが、上述の(1)(2)式に基づき、
β2=α−θ2 ・・・(3)
として求められる。
【0079】
そして、前述したように左側画像検出装置29Lと右側画像検出装置29Rとは距離Lを隔てて設けられていることから、座標入力/検出領域3a内の指示手段Pで指示した点の2次元座標(x,y)は、三角測量の原理により、
x=L・tanβ2/(tanβ1+tanβ2) ・・・(4)
y=xtanβ1 ・・・(5)
としてCPU32により算出される(図9に示すステップS3)。つまり、ステップS2〜S3によって、座標位置算出手段の機能が実行される。
【0080】
CPU32は、以上のようにして算出された指示部材Pの指示した座標位置(x,y)をインタフェース35を介してコンピュータ5に転送し、指示部材Pによる指示位置の表示や指示位置に対応するコマンド入力などの処理に利用することになる。以上により、図9に示すステップS4の処理が実行される。つまり、描画ソフトを起動した状態で座標入力/検出装置3の座標入力/検出領域3aに操作者が指示部材Pを挿入して文字や図形を描いた場合、座標位置(x,y)が指示部材Pの記述に基づく画像データとしてコンピュータ5に入力され、例えばPDP2に表示されている画面上の画像に対して上書き画像として重ねて表示されることになる。
【0081】
ここに、光源部31から光が照射される座標入力/検出領域3a内に例えばペン等の指示手段Pを挿入した場合、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27上にはその指示手段Pの被写体像が結像することから、このラインセンサ27上の結像位置を光強度分布に基づいて検出し、その検出された各ラインセンサ27上の結像位置に基づいて座標入力/検出領域3a内に挿入された指示手段Pの二次元座標位置を検出することにより、精密な光軸合わせを不要とすることができ、かつ、特殊な指示手段を用いなくとも座標位置の検出を容易にすることができる。
【0082】
本発明の第二の実施の形態を図10および図11に基づいて説明する。なお、本発明の第一の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態の座標入力/検出装置50は、前述した座標入力/検出装置3とは発光手段が異なるものである。
【0083】
ここで、図10は座標入力/検出装置50の構成を概略的に示す説明図、図11は電子黒板システム1の座標入力/検出装置50付近を部分的に示す縦断側面図である。図10および図11に示すように、座標入力/検出装置50は、PDP2のディスプレイ面2aのサイズに対応したサイズで横長の四角形状の座標入力/検出領域50aを備えている。この座標入力/検出装置50の座標入力/検出領域50aの下部を除く周縁部には、例えば複数の光ファイバを並列させて設けた導光部材51が設けられている。この導光部材51は、太陽光や照明によって周囲が適度に明るい環境であれば特別な光源が無くとも座標入力/検出領域50a内にPDP2のディスプレイ面2aから一定の距離を隔てて拡散光Hを照射することができるものであって、図11に示すように、導光部材51の一方の端面51aに入射した周囲光を他方の端面51bから拡散光Hとして照射するものである。つまり、導光部材51が発光手段として機能することになる。また、導光部材51は、光拡散機能を有することから、周囲光の光量ムラや変動にかかわらず安定して光を照射することができる。
【0084】
また、この導光部材51は、塑性を有したシート状に形成されており、PDP2のディスプレイ面2aに沿って貼り付けられている。したがって、導光部材51をPDP2のディスプレイ面2aに密着させることができるので、PDP2のディスプレイ面2aから一定間隔を隔てて拡散光Hを照射することが無調整で容易となっている。また、このような導光部材51によれば、PDP2のような平板表示装置(フラットパネルディスプレイ)に限らず、表面がx方向またはy方向のいずれか一方向にのみ凹形状になっているプロジェクタースクリーンに導光部材51を設けた場合にも、無調整で容易にプロジェクタースクリーンから一定間隔を確保することが可能になっている。
【0085】
さらに、この導光部材51のシート厚は、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27において光強度分布を検出するのに必要な最小限の高さとされている。これにより、装置の小型化が図られている。
【0086】
加えて、座標入力/検出領域50aの上部に設けられる導光部材51の長さは平均的な人体の幅よりも長く、座標入力/検出領域50aの上部に設けられる導光部材51の設置位置は平均的な人体の高さよりも高い位置である。筆記の際においては、操作者が座標入力/検出領域50a(PDP2のディスプレイ面2a)の前に立った場合や手をかざした場合に生じる影により導光部材51における集光量が減少するおそれがあるが、このようにすることで影が導光部材51に対して部分的にしかできなくなるため、影の生じていない他の領域から光を補完することで十分な光量を得る事ができる。したがって、PDP2のディスプレイ面2aも大画面であることが必要とされる。
【0087】
したがって、このような座標入力/検出装置50を電子黒板システム1に適用した場合であっても、指示部材Pを座標入力/検出領域50a内に挿入した場合には、ラインセンサ27から出力される光強度の波形にピーク点が出現することになるので、前述した座標入力/検出装置3を用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0088】
ここに、発光手段として導光部材51を用いることにより、特別な光源が無くとも周囲光を利用して座標入力/検出領域50a内に光を照射することができるので、省電力化を図ることができるとともに、寿命の長い光源部品を得ることができる。
【0089】
なお、特に図示しないが、このような座標入力/検出装置50に補助光源を設け、周囲光が十分でない場合にのみ選択的に電源をONにして点灯することで補助光源からの光を導光部材51の端面51aに入射させるようにしても良い。このように補助光源を設けて導光部材51の端面51aに入射させることにより、周囲光が十分でない場合であっても導光部材51の端面51bから照射される拡散光Hの光量を増加させることができ、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。また、補助光源としては安価な点光源で良いが、変調が可能な半導体レーザ(LD:Laser Diode)を補助光源として用いてラインセンサ27において復調することにより、外乱ノイズ光によるノイズ信号を除去することができる。
【0090】
本発明の第三の実施の形態を図12および図13に基づいて説明する。なお、本発明の第一の実施の形態または第一の実施の形態において説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。本実施の形態の座標入力/検出装置60は、前述した座標入力/検出装置3,50とは発光手段が異なるものである。
【0091】
ここで、図12は座標入力/検出装置60の構成を概略的に示す説明図、図13は電子黒板システム1の座標入力/検出装置60付近を部分的に示す縦断側面図である。図12および図13に示すように、座標入力/検出装置60は、PDP2のディスプレイ面2aのサイズに対応したサイズで横長の四角形状の座標入力/検出領域60aを備えている。この座標入力/検出装置60の座標入力/検出領域60aの下部を除く周縁部には、蛍光集光部材61が設けられている。この蛍光集光部材61は、例えばアクリル板の中に蛍光物質が埋め込まれておりこの蛍光物質が入射光を特定の波長の単色光(蛍光)に変換するものであって、蛍光物質で発した蛍光がアクリル板内で全反射を繰り返して端面に集められることにより、その端面が明るく輝くものである。したがって、蛍光集光部材61は、太陽光や照明によって周囲が適度に明るい環境であれば特別な光源が無くとも座標入力/検出領域60a内にPDP2のディスプレイ面2aから一定の距離を隔てて拡散光Hを照射することができるものであって、図14に示すように、蛍光集光部材61に入射した周囲光を端面61aから拡散光Hとして照射するものである。つまり、蛍光集光部材61が発光手段として機能することになる。なお、蛍光集光部材61から照射される拡散光Hのピーク光量は大きいので、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27における光の強度分布の検出精度を高めることが可能になっている。
【0092】
また、本実施の形態の蛍光集光部材61に用いられる蛍光物質は、商用電源電圧半周期(10ms)以上の時間にわたって蛍光を発するものとされている。これにより、周囲光の短期光量変動に対応することが可能になっている。さらに、蛍光集光部材61に用いられる蛍光物質としては、例えば蛍光色として赤色を発する蛍光物質が用いられている。
【0093】
このような蛍光集光部材61は、塑性を有したシート状に形成されており、PDP2のディスプレイ面2aに沿って貼り付けられている。したがって、蛍光集光部材61をPDP2のディスプレイ面2aに密着させることができるので、PDP2のディスプレイ面2aから一定間隔を隔てて拡散光Hを照射することが無調整で容易となっている。また、このような蛍光集光部材61によれば、PDP2のような平板表示装置(フラットパネルディスプレイ)に限らず、表面がx方向またはy方向のいずれか一方向にのみ凹形状になっているプロジェクタースクリーンに蛍光集光部材61を設けた場合にも、無調整で容易にPDP2のディスプレイ面2aから一定間隔を確保することが可能になっている。なお、蛍光集光部材61をPDP2のディスプレイ面2aに沿って完全密着させた場合には、蛍光集光部材61における集光量が減少してしまうことから、蛍光集光部材61とPDP2との間に、蛍光集光部材61に対面する側に反射面を有する反射手段62を挟み込む。この反射手段62としては、例えば白板、ミラーシート、スペーサ等が考えられる。これにより、蛍光集光部材61の端面61aから照射される拡散光Hの光量を増加させることができ、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。
【0094】
さらに、この蛍光集光部材61のシート厚は、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27において光強度分布を検出するのに必要な最小限の高さとされている。これにより、装置の小型化を図ることができる。
【0095】
加えて、蛍光集光部材61は、図13に示すように、PDP2の上部でU字形状に折り曲げられてPDP2のディスプレイ面2aとは反対側に位置する背面側2bにまで廻り込んで設けられている。このように蛍光集光部材61の表面積を広くすることにより、蛍光集光部材61の端面61aから照射される拡散光Hの光量を増加させることができ、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。なお、蛍光集光部材61は、例えば型成形により作成することができるので、表面積を広くとった場合であっても、極めて安価である。また、蛍光集光部材61をPDP2の背面側2bにまで廻り込ませることで、その蛍光集光部材61を電子黒板システム1の外装とすることができ、電子黒板システム1をスケルトンデザインにすることができる。
【0096】
また、蛍光集光部材61をPDP2の背面側2bに沿って廻り込ませた場合にも、蛍光集光部材61における集光量が減少してしまうことから、蛍光集光部材61とPDP2の背面側2bとの間に、蛍光集光部材61に対面する側に反射面を有する反射手段63を挟み込む。この反射手段63としては、反射手段62と同様に白板、ミラー、スペーサ等が考えられる。これにより、蛍光集光部材61の端面61aから照射される拡散光Hの光量を増加させることができ、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。
【0097】
加えて、座標入力/検出領域60aの上部に設けられる蛍光集光部材61の長さは平均的な人体の幅よりも長く、座標入力/検出領域60aの上部に設けられる蛍光集光部材61の設置位置は平均的な人体の高さよりも高い位置である。筆記の際においては、操作者が座標入力/検出領域60a(PDP2のディスプレイ面2a)の前に立った場合や手をかざした場合に生じる影により蛍光集光部材61における集光量が減少するおそれがあるが、このようにすることで影が蛍光集光部材61に対して部分的にしかできなくなるため、影の生じていない他の領域から光を補完することで十分な光量を得る事ができる。したがって、PDP2のディスプレイ面2aも大画面であることが必要とされる。
【0098】
また、座標入力/検出装置60の画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)の光入射方向上流側には、赤色透過フィルタ64が設けられている。この赤色透過フィルタ64は、蛍光集光部材61の端面61aから照射される赤色の拡散光Hのみを透過させるものである。したがって、赤色透過フィルタ64により外乱ノイズ光を除去することができるので、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。
【0099】
さらに、座標入力/検出装置60の蛍光集光部材61の端面61aには、蛍光集光部材61の表面で反射された外乱ノイズ光が画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)に直接入射することを防止するため、板状の規制部材65が設けられている。さらにまた、外乱ノイズ光が画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)に直接入射することを防止するための板状の規制部材66も、座標入力/検出装置60の蛍光集光部材61の上部61bに設けられている。これにより、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。
【0100】
したがって、このような座標入力/検出装置60を電子黒板システム1に適用した場合であっても、指示部材Pを座標入力/検出領域60a内に挿入した場合には、ラインセンサ27から出力される光強度の波形にピーク点が出現することになるので、前述した座標入力/検出装置3を用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0101】
なお、特に図示しないが、このような座標入力/検出装置60に補助光源を設け、周囲光が十分でない場合にのみ選択的に電源をONにして点灯することで補助光源からの光を蛍光集光部材61に入射させるようにしても良い。このように補助光源を設けて蛍光集光部材61に入射させることにより、周囲光が十分でない場合であっても蛍光集光部材61の端面61aから照射される拡散光Hの光量を増加させることができ、画像検出装置29(左側画像検出装置29L,右側画像検出装置29R)のラインセンサ27における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。また、補助光源としては安価な点光源で良いが、変調が可能な半導体レーザ(LD:Laser Diode)を補助光源として用いてラインセンサ27において復調することにより、外乱ノイズ光によるノイズ信号を除去することができる。さらに、PDP2のディスプレイ面2aからの光を補助光源として利用するようにすれば、特別に補助光源を設ける必要がなく、装置の小型化とコストダウンが図れる。
【0102】
なお、各実施の形態においては、電子黒板システム1として座標入力/検出装置3,50,60を平板表示装置(フラットパネルディスプレイ)であるプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)2に備えたが、これに限るものではなく、LCD(Liquid Crystal Display)、液晶リアプロジェクションディスプレイ等を平板表示装置として適用しても良い。さらに、平板表示装置(フラットパネルディスプレイ)に限らず、座標入力/検出装置3,50,60をライティングボードとして機能するホワイトボードに備えても良い。
【0103】
なお、各実施の形態においては、コントローラ10をコンピュータ5とは別体で設けたが、これに限るものではなく、コントローラ10をコンピュータ5に組み込んで、コンピュータ5をコントローラ10として機能させるようにしても良い。
【0104】
また、各実施の形態においては、座標入力/検出装置を電子黒板システムに一体化させて組み込んだが、これに限るものではなく、座標入力/検出装置を表示装置やライティングボードに対して着脱自在な構成としても良い。
【0105】
さらに、各実施の形態においては、各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体26,Mとしてフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカード等を適用したが、これに限るものではなく、記憶媒体には、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0106】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の座標入力/検出装置によれば、精密な光軸合わせを不要とすることができ、かつ、特殊な指示手段を用いなくとも座標位置の検出を容易にすることができる。また、特別な光源が無くとも周囲光を利用して座標入力/検出領域内に光を照射することができるので、省電力化を図ることができるとともに、寿命の長い光源部品を得ることができる。更に、蛍光集光部材から照射される光のピーク光量は大きいことから、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を高めることができる。
【0107】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の座標入力/検出装置において、前記発光手段は、前記座標入力/検出領域の各辺の長さに少なくとも略同一な長さを有していることにより、座標入力/検出領域の全面を確実に筆記有効な範囲とすることができる。
【0112】
請求項3記載の発明によれば、そのシートの厚みは前記画像検出手段の前記撮像素子上での光強度分布の検出に必要な最小限の高さであることにより、装置の小型化を図ることができる。
【0113】
請求項4記載の発明によれば、例えば表示装置の表示面に導光部材を密着させて設けることができるので、表示装置の表示面から一定間隔を隔てて光を照射することが無調整で容易となり、また、表面がx方向またはy方向のいずれか一方向にのみ凹形状になっている表示装置の表示面に導光部材を設けた場合にも、無調整で容易に表示装置の表示面から一定間隔を確保することができる。
【0116】
請求項5記載の発明によれば、周囲光の短期光量変動に対応することができる。
【0117】
請求項6記載の発明によれば、蛍光集光部材の表面積を広くすることで、蛍光集光部材から照射される光の光量を増加させることができるので、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。また、装置をスケルトンデザインにすることもできる。
【0118】
請求項7記載の発明によれば、蛍光集光部材から照射される光の光量を増加させることができるので、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。
【0119】
請求項8記載の発明によれば、周囲光が十分でない場合であっても照射される光の光量を増加させることができるので、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。
【0120】
請求項9記載の発明によれば、省電力化を図ることができる。
【0121】
請求項10記載の発明によれば、外乱ノイズ光によるノイズ信号を除去することができる。
【0123】
請求項11記載の発明によれば、外乱ノイズ光を除去することができるので、各画像検出手段の撮像素子における光の強度分布の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の電子黒板システムを概略的に示す外観斜視図である。
【図2】電子黒板システムに内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】コンピュータに内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】座標入力/検出装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図5】電子黒板システムの座標入力/検出装置付近を部分的に示す縦断側面図である。
【図6】座標入力/検出装置の各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図7】座標入力/検出装置の座標入力/検出領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図8】その一部を拡大して示す正面図である。
【図9】座標検出処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図10】本発明の第二の実施の形態の座標入力/検出装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図11】電子黒板システムの座標入力/検出装置付近を部分的に示す縦断側面図である。
【図12】本発明の第三の実施の形態の座標入力/検出装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図13】電子黒板システムの座標入力/検出装置付近を部分的に示す縦断側面図である。
【図14】従来の光学式の座標入力/検出装置を概略的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 電子黒板システム
2 表示装置
2a 表示面
3,50,60 座標入力/検出装置
3a,50a,60a 座標入力/検出領域
4 電子黒板部
5 制御装置
27 撮像素子
29 画像検出手段
31 発光手段
51 発光手段、導光部材
61 発光手段、蛍光集光部材
62,63 反射手段
P 指示手段
Claims (11)
- 指示手段の挿入を受け付ける二次元の座標入力/検出領域と、
この座標入力/検出領域の周縁部に所定の間隔で配設され、前記座標入力/検出領域内を撮像する撮像素子を有する複数の画像検出手段と、
これらの画像検出手段を結ぶ一辺を除く前記座標入力/検出領域の周縁部に配設され、前記座標入力/検出領域内に光を照射する発光手段と、
前記座標入力/検出領域内に前記指示手段が挿入された場合に、前記各画像検出手段の前記撮像素子上におけるその指示手段の被写体像の結像位置を光強度分布に基づいてそれぞれ検出する結像位置検出手段と、
この結像位置検出手段により検出された前記各撮像素子上の結像位置に基づいて前記座標入力/検出領域内に挿入された前記指示手段の二次元座標位置を算出する座標位置算出手段と、を備え、
前記発光手段は、周囲光を前記座標入力/検出領域に導く蛍光集光部材である座標入力/検出装置。 - 前記蛍光集光部材は、前記座標入力/検出領域の各辺の長さに少なくとも略同一な長さを有している請求項1記載の座標入力/検出装置。
- 前記蛍光集光部材はシート状に形成されており、そのシートの厚みは前記画像検出手段の前記撮像素子上での光強度分布の検出に必要な最小限の高さである請求項1又は2に記載の座標入力/検出装置。
- 前記蛍光集光部材は塑性を有している請求項3記載の座標入力/検出装置。
- 前記蛍光集光部材に用いられる蛍光物質は、商用電源電圧半周期以上の時間にわたって蛍光を発する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置。
- 前記蛍光集光部材は、装置外装を形成する請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置。
- 前記蛍光集光部材は、この蛍光集光部材に対面する側に反射面を有する反射手段に積層させて設置される請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置。
- 前記蛍光集光部材に対して光を入射する補助光源をさらに設ける請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置。
- 前記補助光源は、選択的にON/OFFが可能である請求項8記載の座標入力/検出装置。
- 前記補助光源は変調が可能であって、前記各画像検出手段の前記撮像素子において復調する請求項9記載の座標入力/検出装置。
- 前記各画像検出手段の光入射方向の上流側には、前記蛍光集光部材が発する蛍光のみを透過させる光選択手段を備える請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の座標入力/検出装置。
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