JP2004287671A - 手書き文字認識装置、情報入出力システム、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

手書き文字認識装置、情報入出力システム、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】手書き文字認識の効率を向上させることができるとともに、ユーザの使い勝手を向上させることができる手書き文字認識装置を提供する。
【解決手段】情報入力装置3を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、手書き文字を認識する手書き文字認識装置5において、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して修正を施す文字行編集処理手段504を備える。これにより、手書き文字の文字行が本来は二行に渡って記載すべきところを一行で入力してしまった文字行であるような場合において、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して文字行を二つに分割する等の修正を施すことができるので、手書き文字認識の効率を向上させることができるとともに、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【選択図】 図23

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で手書き文字を認識する手書き文字認識装置、情報入出力システム、プログラム及び記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、手書き文字認識のためのユーザインタフェースとしては、大きく分けて2種類のユーザインタフェースが存在する。
【0003】
一つは、特許文献1及び特許文献2に記載されたユーザインタフェースのように、ある固定の枠を設け、ユーザに一文字単位でその枠内に文字を記入させるユーザインタフェース(固定枠手書き文字認識)である。このようなユーザインタフェースは、現在最も一般的なユーザインタフェースとなっている。より具体的には、特許文献1のユーザインタフェースは、固定型の手書き入力枠をもつユーザインタフェースであり、誤認識の修正が簡単に行なえる点が特徴である。また、特許文献2のユーザインタフェースは、特許文献1のユーザインタフェースと同様に、固定入力枠をもつユーザインタフェースであり、入力方法の切替を効率的に行なえる点が特徴である。このような特許文献1及び特許文献2に記載されたユーザインタフェースによれば、一文字単位の切り出し処理が不要であり、切り出しミスによる誤認識がない点で優れている。
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されたユーザインタフェースによれば、ユーザ負担が多く、使いづらいインタフェースになっている。
【0005】
そこで、入力枠を設けずに、手書き領域内に自由に書かれた文字に対して一文字切り出し処理を行なった後に文字認識をするようにしたユーザインタフェース(自由手書き文字認識)が、特許文献3及び特許文献4に記載されている。より具体的には、特許文献3のユーザインタフェースは、タッチパネル上に手書きで文字入力する際に、入力枠等や文書書式の設定を意識することなく、任意の入力方向で手書き文字を自由に入力することを可能にするものである。また、特許文献4のユーザインタフェースは、筆記文字列入力方式と認識文字列入力方式とを併用または混用した文書入力や文書編集を簡単な操作で自由に行なうものである。
【0006】
このような特許文献3及び特許文献4に記載されたユーザインタフェースによれば、一文字単位の切り出し処理による誤認識はあるものの、ユーザにとっては普通に鉛筆を走らせる動作と同じ操作で文字入力ができるメリットがある。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−099223公報
【特許文献2】
特開2001−014103公報
【特許文献3】
特開2000−076380公報
【特許文献4】
特開平09−319503号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年においては、大型の表示装置に情報入力装置を配設した情報入出力システムが開発されている。このような情報入出力システムによれば、ユーザは、指や指示部材により任意のストロークを連続で描くことで、複数行、あるいは、複数ページの手書き文字を入力することができる。また、このようにして入力された手書き文字に対しては、一括で手書き文字認識処理が施される。
【0009】
ところが、上述したような情報入出力システムの情報入力装置の情報入力領域は非常に大きくなっていることから、ユーザは、本来は二行に渡って記載すべきところを一行で手書き文字を入力することがある。逆に、本来は一行で記載すべきところを二行で手書き文字を入力することもある。
【0010】
そのため、上述したような情報入出力システムの情報入力装置の情報入力領域に入力された手書き文字に対する手書き文字認識処理の際には、一行に記載された文字を二行に分割し、あるいは、二行に記載された文字を一行に集約する等の編集処理が望まれている。
【0011】
本発明の目的は、手書き文字認識の効率を向上させることができるとともに、ユーザの使い勝手を向上させることができる手書き文字認識装置、情報入出力システム、プログラム及び記憶媒体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の手書き文字認識装置は、情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で手書き文字を認識する手書き文字認識装置において、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して修正を施す文字行編集処理手段を備える。
【0013】
したがって、手書き文字の文字行が本来は二行に渡って記載すべきところを一行で入力してしまった文字行であるような場合において、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して文字行を二つに分割する等の修正を施すことが可能になる。これにより、手書き文字認識の効率を向上させることが可能になるとともに、ユーザの使い勝手を向上させることが可能になる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の手書き文字認識装置において、前記文字行編集処理手段は、二つの文字行を接続して一行の文字行にする行接続手段と、一行の文字行を二つの文字行に分割する行分割手段と、の少なくとも一方を有する。
【0015】
したがって、本来は二行に渡って記載すべきところを一行で手書き文字を入力してしまった場合に、一行に記載された文字を二行に分割するような修正処理と、本来は一行で記載すべきところを二行で手書き文字を入力してしまった場合に、二行に記載された文字を一行に集約するような修正処理と、の少なくとも一方が実現できることにより、ユーザの使い勝手を向上させることが可能になる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の手書き文字認識装置において、前記行接続手段は、接続すべき文字行がドラッグされ、接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域にドロップされたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、接続すべき文字行をドロップされた接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域に接続する。
【0017】
したがって、文字行と文字行とを接続する際の指示を簡単な動作で実現することが可能になる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の手書き文字認識装置において、前記行接続手段は、接続すべき文字行がドラッグされていることを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識し、接続すべき文字行と接続先の文字行との距離が所定値以下になった場合に、両文字行を接続する。
【0019】
したがって、文字行と文字行とを接続する際に、接続後の状態を仮表示することが可能になることにより、接続の良否の判断が容易になる。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の手書き文字認識装置において、前記行接続手段は、二つの文字行間の距離が所定値以下の場合に、両文字行を接続する。
【0021】
したがって、近接する文字行と文字行とについては、自動的に接続することが可能になる。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項2記載の手書き文字認識装置において、前記行分割手段は、文字行に対して略直交する線分が描画されたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、一行の文字行を二つの文字行に分割する。
【0023】
したがって、文字行と文字行とを分割する際の指示を簡単な動作で実現することが可能になる。また、文字行に対して略直交する線分を描画するという簡単なジェスチャを用いることで、直感的に分割作業が行なえる。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の手書き文字認識装置において、分割された二つの文字行について、所定の間隔を空けて表示装置に表示する。
【0025】
したがって、分割後の手書き文字の表示において、分割した二つの文字行を所定の間隔を空けて表示装置に表示することにより、分割状態をより見易くすることが可能になる。
【0026】
請求項8記載の発明の情報入出力システムは、表示装置と、この表示装置の表示面に情報入力領域を一致させて配設される情報入力装置と、この情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する請求項1ないし7のいずれか一記載の手書き文字認識装置と、を備える。
【0027】
したがって、請求項1ないし7のいずれか一記載の発明と同様の作用効果を奏する情報入出力システムを得ることが可能になる。
【0028】
請求項9記載の発明のコンピュータに読み取り可能なプログラムは、情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する手書き文字認識装置が有するコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して修正を施す文字行編集処理機能を実行させる。
【0029】
したがって、手書き文字の文字行が本来は二行に渡って記載すべきところを一行で入力してしまった文字行であるような場合において、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して文字行を二つに分割する等の修正を施すことが可能になる。これにより、手書き文字認識の効率を向上させることが可能になるとともに、使い勝手を向上させることが可能になる。
【0030】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記文字行編集処理機能は、二つの文字行を接続して一行の文字行にする行接続機能と、一行の文字行を二つの文字行に分割する行分割機能と、の少なくとも一方を前記コンピュータに実行させる。
【0031】
したがって、本来は二行に渡って記載すべきところを一行で手書き文字を入力してしまった場合に、一行に記載された文字を二行に分割するような修正処理と、本来は一行で記載すべきところを二行で手書き文字を入力してしまった場合に、二行に記載された文字を一行に集約するような修正処理と、の少なくとも一方が実現できることにより、ユーザの使い勝手を向上させることが可能になる。
【0032】
請求項11記載の発明は、請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記行接続機能は、接続すべき文字行がドラッグされ、接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域にドロップされたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、接続すべき文字行をドロップされた接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域に接続する。
【0033】
したがって、文字行と文字行とを接続する際の指示を簡単な動作で実現することが可能になる。
【0034】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記行接続機能は、接続すべき文字行がドラッグされていることを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識し、接続すべき文字行と接続先の文字行との距離が所定値以下になった場合に、両文字行を接続する。
【0035】
したがって、文字行と文字行とを接続する際に、接続後の状態を仮表示することが可能になることにより、接続の良否の判断が容易になる。
【0036】
請求項13記載の発明は、請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記行接続機能は、二つの文字行間の距離が所定値以下の場合に、両文字行を接続する。
【0037】
したがって、近接する文字行と文字行とについては、自動的に接続することが可能になる。
【0038】
請求項14記載の発明は、請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記行分割機能は、文字行に対して略直交する線分が描画されたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、一行の文字行を二つの文字行に分割する。
【0039】
したがって、文字行と文字行とを分割する際の指示を簡単な動作で実現することが可能になる。また、文字行に対して略直交する線分を描画するという簡単なジェスチャを用いることで、直感的に分割作業が行なえる。
【0040】
請求項15記載の発明は、請求項14記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、分割された二つの文字行について、所定の間隔を空けて表示装置に表示する。
【0041】
したがって、分割後の手書き文字の表示において、分割した二つの文字行を所定の間隔を空けて表示装置に表示することにより、分割状態をより見易くすることが可能になる。
【0042】
請求項16記載の発明のコンピュータに読取り可能な記憶媒体は、請求項9ないし15のいずれか一記載のプログラムを記憶している。
【0043】
したがって、この記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータに読み取らせることにより、請求項9ないし15のいずれか一記載の発明と同様の作用を得ることが可能になる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図41に基づいて説明する。本実施の形態は、情報入出力システムとして、大型の表示装置を装備したいわゆる電子黒板システムを適用した例である。
【0045】
ここで、図1は情報入出力システム1を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、情報入出力システム1は、表示装置であるプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)2及び情報入力装置3で構成されるパネル部4と、手書き文字認識装置として機能するパーソナルコンピュータ等のコンピュータ5,原稿の画像を読み取るためのスキャナ6,画像データを記録紙に出力するプリンタ7,ビデオプレイヤー8(いずれも図2参照)を収納する機器収納部9とを主体に構成されている。
【0046】
PDP2及び情報入力装置3は、PDP2の表示面2a側に情報入力装置3が位置するようにして一体化され、PDP2の表示面2aに情報入力装置3の情報入力領域3aが位置するようにしてパネル部4に収納されている。このように、パネル部4はPDP2及び情報入力装置3を収納して、情報入出力システム1の表示面(PDP2の表示面2a)及び書き込み面(情報入力領域3a)を構成している。なお、PDP2としては、電子黒板として利用可能な40インチや50インチ等の大画面タイプのものが用いられている。また、図示することは省略するが、PDP2にはビデオ入力端子やスピーカーが設けられており、ビデオプレイヤー8をはじめ、その他レーザディスクプレイヤー、DVDプレイヤー、ビデオカメラ等の各種情報機器やAV機器を接続し、PDP2を大画面モニタとして利用することが可能な構成になっている。
【0047】
次に、情報入出力システム1に内蔵される各部の電気的接続について図2を参照して説明する。図2に示すように、情報入出力システム1は、コンピュータ5にPDP2、スキャナ6、プリンタ7、ビデオプレイヤー8をそれぞれ接続し、コンピュータ5によってシステム全体を制御するようにしている。また、コンピュータ5には、指先やペンである指示手段等の所定物体で指示された情報入力領域3a内の位置座標の演算等を行なう情報入力装置3用のコントローラ10が接続されており、このコントローラ10を介して情報入力装置3もコンピュータ5に接続されている。また、コンピュータ5を介して情報入出力システム1をネットワーク11に接続することができ、ネットワーク11上に接続された他のコンピュータで作成したデータをPDP2に表示したり、情報入出力システム1で作成したデータを他のコンピュータに転送することも可能になっている。
【0048】
次に、コンピュータ5について説明する。ここで、図3はコンピュータ5に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。図3に示すように、コンピュータ5は、システム全体を制御するCPU(Central Processing Unit)12と、起動プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)13と、CPU12のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)14と、文字・数値・各種指示等の入力を行なうためのキーボード15と、カーソルの移動や範囲選択等を行なうためのマウス16と、ハードディスク17と、PDP2に接続されておりそのPDP2に対する画像の表示を制御するグラフィックス・ボード18と、ネットワーク11に接続するためのネットワーク・カード(またはモデムでも良い。)19と、コントローラ10、スキャナ6、プリンタ7等を接続するためのインタフェース(I/F)20と、上記各部を接続するためのバス21とを備えている。
【0049】
RAM14は、後述する座標値メモリm1、行単位メモリm2、結果メモリm3(いずれも、図23参照)として機能する。
【0050】
また、ハードディスク17には、例えば、Windows(登録商標)等のオペレーティング・システム(OS:Operating System)22、コントローラ10を介してコンピュータ5上で情報入力装置3を動作させるためのデバイスドライバ23、描画ソフト,ワードプロセッサソフト,表計算ソフト,プレゼンテーションソフト等の各種アプリケーションプログラム24等が格納されている。
【0051】
デバイスドライバ23は、情報入力装置3から出力された座標値を検知すると、オペレーティング・システム22のマウスイベントに対応付けを行なっている。つまり、ユーザが指先やペンである指示手段等の所定物体で情報入力装置3の情報入力領域3a内を指示することにより、マウス16の左ボタン操作による「DOWNイベント」に対応付け、ユーザが指先やペンである指示手段等の所定物体で情報入力装置3の情報入力領域3a内を指示した状態のまま移動することにより、マウス16の左ボタン操作による「MOVEイベント」に対応付け、ユーザが指先やペンである指示手段等の所定物体を情報入力装置3の情報入力領域3a内から離すことにより、マウス16の左ボタン操作による「UPイベント」に対応付ける。デバイスドライバ23は、このようにして得られた座標値とマウスイベントの情報とを、後述する座標入力処理手段501(図23参照)に対して出力することになる。
【0052】
また、コンピュータ5には、OS22、デバイスドライバ23や各種アプリケーションプログラム24等の各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体26、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置であるフレキシブルディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等のプログラム読取装置25が搭載されている。
【0053】
各種アプリケーションプログラム24は、コンピュータ5への電源の投入に応じて起動するOS22による制御の下、CPU12によって実行される。例えば、キーボード15やマウス16の所定の操作によって描画ソフトを起動した場合には、PDP2にグラフィックス・ボード18を介して描画ソフトに基づく所定の画像が表示される。また、デバイスドライバ23もOS22とともに起動され、コントローラ10を介した情報入力装置3からのデータ入力が可能な状態になる。このように描画ソフトを起動した状態で情報入力装置3の情報入力領域3aにユーザが指示手段で文字や図形を描いた場合、座標値の集合(ストローク)が指示手段の記述に基づく画像データとしてコンピュータ5に入力され、例えばPDP2に表示されている画面上の画像に対して上書き画像として重ねて表示される。より詳細には、コンピュータ5のCPU12は、入力された画像データに基づいて線や文字を描画するための描画情報を生成し、入力された座標情報に基づく位置座標に合わせてグラフィックス・ボード18に設けられるビデオメモリ(図示せず)に書き込んでいく。その後、グラフィックス・ボード18が、ビデオメモリに書き込まれた描画情報を画像信号としてPDP2に送信することにより、ユーザが書いた文字と同一の文字が、PDP2に表示されることになる。つまり、コンピュータ5は情報入力装置3をマウス16のようなポインティングデバイスとして認識しているため、コンピュータ5では、描画ソフト上でマウス16を用いて文字を書いた場合と同様な処理が行なわれることになる。
【0054】
次に、情報入力装置3について詳細に説明する。なお、本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3としては、検出方式の異なる種々の方式のものが考えられる。そこで、以下においては、情報入力装置3として、検出方式の異なる情報入力装置を数例挙げ、その構成及び原理について説明する。
【0055】
A.第1の情報入力装置
まず、第1の情報入力装置3Aについて図4ないし図8に基づいて説明する。この第1の情報入力装置3Aは、いわゆる光薄膜遮断検知方式の情報入力装置である。
【0056】
ここで、図4は第1の情報入力装置3Aの構成を概略的に示す説明図である。図4に示すように、情報入力装置3Aは、PDP2の表示面2aのサイズに対応したサイズで横長の四角形状の情報入力領域3aを備えている。この情報入力領域3aは、手書きにより文字や図形等の入力を可能にする領域である。この情報入力領域3aの下方両端部に位置する角部の近傍には、発光と受光とを行なう光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)が所定の取付角度で設けられている。これらの光学ユニット27からは、平面若しくはほぼ平面をなし、例えばL,L,L,・・・,L(R,R,R,・・・,R)といった光(プローブ光)の束で構成される扇形状で薄膜状の光束膜が、情報入力領域3aの全域に行き渡るようにPDP2の表示面2aの表面に沿って平行に投光される。
【0057】
また、情報入力装置3の情報入力領域3aの下部を除く周辺部には、再帰性反射部材28が設けられている。この再帰性反射部材28は、例えば円錐形状のコーナーキューブを多数配列して形成されており、入射した光をその入射角度によらずに所定の位置に向けて反射する特性を有している。例えば、左側光学ユニット27Lから投光されたプローブ光Lは、再帰性反射部材28によって反射され、再び同一光路を辿る再帰反射光L´として左側光学ユニット27Lにより受光されることになる。つまり、再帰性反射部材28によっても情報入力領域3aが形成されている。
【0058】
次に、光学ユニット27について説明する。ここで、図5は光学ユニット27の構造を概略的に示す構成図である。なお、図5はx−z方向を主体に示しているが、二点鎖線で示す部分については同一の構成要素を別方向(x−y方向、又はy−z方向)から見た図である。
【0059】
図5に示すように、光学ユニット27は、投光手段29と受光手段30とを備えている。投光手段29は、スポットをある程度絞ることの可能なLD(Laser Diode:半導体レーザ),ピンポイントLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光源31を備えている。この光源31からPDP2の表示面2aに対して垂直に照射された光は、一方向の倍率のみを変更可能なシリンドリカルレンズ32によってx方向にコリメートされる。シリンドリカルレンズ32によってx方向にコリメートされた光は、シリンドリカルレンズ32とは曲率の分布が直交する2枚のシリンドリカルレンズ33,34によりy方向に対して集光される。つまり、これらのシリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)の作用により、光源31からの光を線状に集光した領域がシリンドリカルレンズ34の後方に形成されることになる。ここに、y方向に狭くx方向に細長いスリットを有するスリット板35を配置する。したがって、シリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)を通過した光は、スリット板35のスリット位置において、線状の二次光源36を形成する。二次光源36から発した光は、ハーフミラー37で折り返され、PDP2の表示面2aの垂直方向には広がらずに表示面2aの表面に沿った平行光で、表示面2aと平行方向には二次光源36を中心にした扇形状の光束膜となって情報入力領域3aを進行する。換言すれば、扇形状の光が情報入力領域3aを形成する。これらのシリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)とスリット板35とによって、集光光学系が形成されている。
【0060】
前述したように、扇形状となって情報入力領域3aを進行した光束膜は、再帰性反射部材28で再帰的に反射され、再び同一光路を辿ってハーフミラー37に戻ることになる。したがって、再帰性反射部材28で再帰的に反射された光束膜も情報入力領域3aを形成する。
【0061】
再帰性反射部材28で反射されてハーフミラー37に戻った再帰反射光は、ハーフミラー37を透過して受光手段30に入射する。受光手段30に入射した再帰反射光は、集光レンズであるシリンドリカルレンズ38を通って線状にされた後、このシリンドリカルレンズ38から距離f(fはシリンドリカルレンズ38の焦点距離)の間隔で設けられたCCD(Charge Coupled Device:受光素子)39において、プローブ光毎に異なる位置で受光される。なお、本実施の形態のCCD(受光素子)39は、1次元CCDであって、その画素数は2,048画素とされている。
【0062】
詳細には、再帰性反射部材28で反射された再帰反射光は、z軸方向ではシリンドリカルレンズ38の作用を受けず、コリメートされたままCCD(受光素子)39に到達する。また、再帰反射光は、PDP2の表示面2aと平行方向では、シリンドリカルレンズ38の中心に集光するように伝搬し、その結果、シリンドリカルレンズ38の作用を受けてシリンドリカルレンズ38の焦点面に設置されたCCD(受光素子)39上に結像する。これにより、CCD(受光素子)39上に再帰反射光の有無に応じて光強度の分布が形成される。すなわち、再帰反射光を指示手段Pで遮った場合、CCD(受光素子)39上の遮られた再帰反射光に相当する位置に光強度が弱い点(後述するピーク点)が生じることになる。再帰反射光を受光したCCD(受光素子)39は、再帰反射光(プローブ光)の光強度分布に基づいた電気信号を生成し、前述したコントローラ10に対して出力する。なお、図5に示すように、二次光源36とシリンドリカルレンズ38とは、ハーフミラー37に対して共に距離dの位置に配設されて共役な位置関係にある。
【0063】
ここで、図6は受光素子39から再帰反射光の光強度分布に基づいた電気信号が入力され、情報入力領域3aを進行する光が遮られた位置の座標を特定する処理を実行するコントローラ10のブロック構成図である。このコントローラ10は、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)の光源(LD)31の発光制御と、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)のCCD(受光素子)39からの出力の演算を行なうものである。図6に示すように、コントローラ10には、各部を集中的に制御するCPU40が設けられており、このCPU40には、プログラム及びデータを記憶するROM41、各種データを書き換え自在に格納してワークエリアとして機能するRAM42、コンピュータ5に接続するためのインタフェース43、A/D(Analog/Digital)コンバータ44及びLDドライバ45がバス接続されている。また、CPU40には、各種のプログラムコード(制御プログラム)を格納するハードディスク46や不揮発性のメモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)47がバス接続されている。ここに、CPU40、ROM41及びRAM42によりマイクロコンピュータが構成されている。このようなマイクロコンピュータには、各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体49、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどに記憶されているプログラムコードを読み取る装置であるフレキシブルディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等のプログラム読取装置48が接続されている。
【0064】
CCD(受光素子)39からの出力を演算する回路として、CCD(受光素子)39の出力端子に、アナログ処理回路51が図のように接続される。CCD(受光素子)39に入射した反射光は、CCD(受光素子)39内で光の強度に応じた電圧値を持つアナログの画像データに変換され、アナログ信号として出力される。このアナログ信号は、アナログ処理回路51で処理された後、A/D(Analog/Digital)コンバータ44によってデジタル信号に変換されてCPU40に渡される。この後、CPU40によって指示手段Pの二次元座標の演算が行なわれる。
【0065】
ハードディスク46に格納された各種のプログラムコード(制御プログラム)または記憶媒体49に記憶された各種のプログラムコード(制御プログラム)は、コントローラ10への電源の投入に応じてRAM42に書き込まれ、各種のプログラムコード(制御プログラム)が実行されることになる。
【0066】
続いて、制御プログラムに基づいてCPU40によって実行される機能について説明する。ここでは、本実施の形態の情報入力装置3の備える特長的な機能である座標検出処理について以下において具体的に説明する。
【0067】
ここで、図7は情報入力装置3の情報入力領域3a内の一点を指示手段Pで指し示した一例を示す正面図である。図7に示すように、例えば、左側光学ユニット27Lから照射されたL,L,L,・・・,Lといったプローブ光で構成される扇形状の光の中でn番目のプローブ光Lが指示手段Pによって遮られた場合、そのプローブ光Lは再帰性反射部材28に到達することはない。
【0068】
このときCCD(受光素子)39上の光強度分布を考える。ここで、図8はCCD(受光素子)39の検出動作を模式的に示す説明図である。指示手段Pが情報入力領域3a内に挿入されていなければ、CCD(受光素子)39上の光強度分布はほぼ一定であるが、図8に示すように指示手段Pが情報入力領域3a内に挿入されてプローブ光Lが指示手段Pによって遮られた場合、そのプローブ光Lは光学ユニット27のCCD(受光素子)39によって受光されることはないため、プローブ光Lに対応する光学ユニット27のCCD(受光素子)39上の所定の位置Xが光強度の弱い領域(暗点)となる。この光強度の弱い領域(暗点)である位置Xは、CCD(受光素子)39から出力される光強度の波形にピーク点として出現することになるので、CPU40は、このような光強度の波形におけるピーク点の出現を電圧の変化により認識し、この光強度の波形のピーク点となった暗点の位置Xを検出する。
【0069】
また、光強度の波形のピーク点となった暗点位置Xが検出されると、暗点位置XからCCD(受光素子)39の中心画素までの距離が、例えばCCD(受光素子)39の画素番号(例えば、図8においては、画素番号m)に基づいて検出される。
【0070】
光強度の弱い領域(暗点)である位置X(左側光学ユニット27LのCCD(受光素子)39上ではXL,右側光学ユニット27RのCCD(受光素子)39上ではXR)は、遮られたプローブ光の出射/入射角θと対応しており、Xを検出することによりθを知ることができる。即ち、暗点位置XからCCD(受光素子)39の中心画素までの距離をaとすると、θはaの関数として、
θ=tan−1(a/f) ………………………………(1)
と表すことができる。ただし、fはシリンドリカルレンズ38の焦点距離である。ここで、左側光学ユニット27LにおけるθをθL、aをXLと置き換える。
【0071】
さらに、図7において、左側光学ユニット27Lと情報入力領域3aとの幾何学的な相対位置関係の変換係数gにより、指示手段Pと左側光学ユニット27Lとのなす角度θLは、(1)式で求められるXLの関数として、
θL=g(θL) ………………………………(2)
ただし、θL=tan−1(XL/f)
と表すことができる。
【0072】
同様に、右側光学ユニット27Rについても、上述の(1)(2)式中の記号Lを記号Rに置き換えて、右側光学ユニット27Rと情報入力領域3aとの幾何学的な相対位置関係の変換係数hにより、
θR=h(θR) ………………………………(3)
ただし、θR=tan−1(XR/f)
と表すことができる。
【0073】
ここで、左側光学ユニット27LのCCD(受光素子)39の中心位置と右側光学ユニット27RのCCD(受光素子)39の中心位置との距離を図7に示すwとすると、情報入力領域3a内の指示手段Pで指示した点の2次元座標(x,y)は、三角測量の原理により、
x=w・tanθR/(tanθL+tanθR) ………………(4)
y=w・tanθL・tanθR/(tanθL+tanθR) ……(5)
として算出することができる。
【0074】
これらの(1)(2)(3)(4)(5)式は制御プログラムの一部として予めハードディスク46や記憶媒体49に格納されており、(1)(2)(3)(4)(5)式により、指示手段Pの位置座標(x,y)は、XL,XRの関数として算出される。すなわち、左側光学ユニット27LのCCD(受光素子)39上の暗点の位置と右側光学ユニット27RのCCD(受光素子)39上の暗点の位置とを検出することで、指示手段Pの位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0075】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0076】
そして、このような情報入力装置3Aによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0077】
B.第2の情報入力装置
次に、第2の情報入力装置3Bについて図9ないし図11に基づいて説明する。なお、第1の情報入力装置3Aで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0078】
この第2の情報入力装置3Bは、いわゆる光薄膜反射検知方式の情報入力装置である。
【0079】
ここで、図9は情報入力装置3Bに用いられる指示手段61を示す斜視図である。また、図10は情報入力装置3Bの情報入力領域3a内の一点を指示手段61で指し示した一例を示す正面図である。図9に示すように、情報入力装置3Bの情報入力領域3a内の一点を指し示すために用いられる指示手段61の先端近傍には、再帰性反射部材62が設けられている。この再帰性反射部材62は、例えば円錐形状のコーナーキューブを多数配列して形成されており、入射した光をその入射角度によらずに所定の位置に向けて反射する特性を有している。例えば、左側光学ユニット27Lから投光されたプローブ光Lは、図10に示すように、再帰性反射部材62によって反射され、再び同一光路を辿る再帰反射光L´として左側光学ユニット27Lにより受光されることになる。そのため、図10に示すように、情報入力装置3Bにおいては、前述した情報入力装置3Aのように情報入力領域3aに再帰性反射部材28を設ける必要はない。なお、指示手段61はペン状の形状をしており、光沢のある金属製よりゴムやプラスチックなどの材質が望ましい。
【0080】
したがって、このような指示手段61の再帰性反射部材62を備えた先端近傍を情報入力装置3Bの情報入力領域3aの適当な位置(x,y)に挿入し、例えば左側光学ユニット27Lから投光された扇形状の光束膜の中のプローブ光Lが指示手段61の再帰性反射部材62によって反射された場合、その再帰反射光L´は左側光学ユニット27LのCCD(受光素子)39によって受光される。このようにしてCCD(受光素子)39が再帰反射光L´を受光した場合には、再帰反射光L´に対応するCCD(受光素子)39上の所定の位置Dnが光強度の強い領域(明点)となる。つまり、図11に示すように、CCD(受光素子)39上では位置Dnの位置に光強度が強い領域が生じ、CCD(受光素子)39からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。このピークが出現する位置Dnは反射されたプローブ光の出射/入射角θnと対応しており、Dnを検出することによりθnを知ることができる。つまり、このような光薄膜反射検知方式の情報入力装置3Bの場合も、前述した光薄膜遮断検知方式の情報入力装置3Aと同様に、光強度の波形に出現するピークに基づく三角測量の手法により指示手段61の位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0081】
このようにして算出された指示手段61の位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0082】
そして、このような情報入力装置3Bによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0083】
C.第3の情報入力装置
次に、第3の情報入力装置3Cについて図12ないし図14に基づいて説明する。なお、第1の情報入力装置3Aで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0084】
この第3の情報入力装置3Cは、第1の情報入力装置3Aにおける光学ユニットの変形例である。詳細には、第1の情報入力装置3Aで用いた光学ユニット27においては扇形状の光束膜を投光して情報入力領域を形成したが、情報入力装置3Cにおいては、ポリゴンミラー等の回転走査系を有しており、その回転走査系によって光源から出射された光ビームを放射状に投光して情報入力領域を形成する光学ユニット70を用いるものである。
【0085】
ここで、図12は光学ユニット70を概略的に示す平面図である。図12に示すように、光学ユニット70は、駆動回路(図示せず)を有してレーザ光を出射する光源であるLD(Laser Diode:半導体レーザ)71とハーフミラー72とポリゴンミラー73と集光レンズ74とで構成される投光手段70aと、受光素子75とが備えられている。受光素子75は、集光レンズ74から距離f(fは集光レンズ74の焦点距離)の間隔で設けられたPD(Photo Diode)で構成されている。このような光学ユニット70は、LD71から出射したレーザ光をハーフミラー72で折り返した後、パルスモータ(図示せず)により所定の角速度ωtで回転駆動されるポリゴンミラー73によって放射状に順次反射する。したがって、光学ユニット70は、ビーム光を放射状に繰り返し投光することになる。つまり、2つの光学ユニット70から放射状に投光されるビーム光によって情報入力領域3aが形成されることになる。一方、反射されて光学ユニット70に入射したビーム光は、ポリゴンミラー73によって反射され、ハーフミラー72に到達する。ハーフミラー72に到達した反射ビーム光は、ハーフミラー72を透過して受光素子75に到達し、電気信号に変換される。
【0086】
次に、このような光学ユニット70を第1の情報入力装置3Aで用いた光学ユニット27に代えて適用した情報入力装置3Cについて説明する。図13に示すように、情報入力領域3a中の或る位置に指示手段Pが挿入されてあるビーム光が遮蔽されると、そのビーム光は再帰性反射部材28で反射されることはないことから、受光素子75に到達することはない。このように情報入力領域3a中の或る位置に指示手段Pが挿入されてあるビーム光が遮蔽された場合、受光素子75からの光の強度分布の形状にはディップが出現する。
【0087】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図14に示すように、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されていない場合には光強度は“I=I”を示すが、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されて受光素子75に再帰光が戻らない場合には光強度は“I=I”を示すことになる。このように光強度が“I=I”である部分が、ディップである。なお、図14中、時間t=tは、ポリゴンミラー73の回転の基準位置であって、回転走査されるビーム光が所定の角度に達した時点である。
【0088】
したがって、光強度が“I=I”となった時間tをtであるとすれば、情報入力領域3aに挿入された指示手段Pにより遮蔽されたビーム光の出射角度θは、
θ=ω(t−t)=ω△t
として算出される。つまり、左右それぞれに設けられた光学ユニット70(70L、70R)において情報入力領域3aに挿入された指示手段Pにより遮蔽されたビーム光の出射角度θ(θnL,θnR)が算出され、それらの出射角度θ(θnL,θnR)に基づく三角測量の手法によって指示手段Pを挿入した位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0089】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0090】
そして、このような情報入力装置3Cによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0091】
D.第4の情報入力装置
次に、第4の情報入力装置3Dについて図15ないし図16に基づいて説明する。なお、第2の情報入力装置3B及び第3の情報入力装置3Cで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0092】
この第4の情報入力装置3Dは、第2の情報入力装置3Bにおける光学ユニットの変形例である。詳細には、第2の情報入力装置3Bで用いた光学ユニット27においては扇形状の光束膜を投光して情報入力領域を形成したが、第4の情報入力装置3Dにおいては、ポリゴンミラー等の回転走査系を有しており、その回転走査系によって光源から出射された光ビームを放射状に投光して情報入力領域を形成する光学ユニット70を用いるものである。なお、光学ユニット70についての説明は、第3の情報入力装置3Cで説明したのでここでは省略する。
【0093】
このような光学ユニット70を第2の情報入力装置3Bで用いた光学ユニット27に代えて適用した情報入力装置3Dについて説明する。図15に示すように、情報入力領域3a中の或る位置に指示手段61が挿入された場合、所定のビーム光が指示手段61の再帰性反射部材62において再帰反射され、そのビーム光は受光素子75に到達する。このように情報入力領域3a中の或る位置に指示手段61が挿入されてあるビーム光が再帰反射された場合、受光素子75からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。
【0094】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図16に示すように、情報入力領域3aに指示手段61が挿入されていない場合には光強度は“I=I”を示すが、情報入力領域3aに指示手段61が挿入されて受光素子75に再帰光が到達した場合には光強度は“I=I”を示すことになる。このように光強度が“I=I”である部分が、ピークである。なお、図16中、時間t=tは、ポリゴンミラー73の回転の基準位置であって、回転走査されるビーム光が所定の角度に達した時点である。
【0095】
したがって、光強度が“I=I”となった時間tをtであるとすれば、情報入力領域63に挿入された指示手段61により再帰反射されたビーム光の出射角度θは、
θ=ω(t−t)=ω△t
として算出される。つまり、左右それぞれに設けられた光学ユニット70(70L、70R)において情報入力領域3aに挿入された指示手段61により再帰反射されたビーム光の出射角度θ(θnL,θnR)が算出され、それらの出射角度θ(θnL,θnR)に基づく三角測量の手法によって指示手段61を挿入した位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0096】
このようにして算出された指示手段61の位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0097】
そして、このような情報入力装置3Dによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0098】
E.第5の情報入力装置
次に、第5の情報入力装置3Eについて図17ないし図18に基づいて説明する。この第5の情報入力装置3Eは、情報入力領域内の画像情報を撮像カメラにより取り込んで、その取り込まれた画像情報の内の一部に基づいて位置座標を検出するいわゆるカメラ撮像方式の情報入力装置である。
【0099】
ここで、図17は情報入力装置3Eの構成を概略的に示す正面図である。情報入力装置3Eの情報入力領域3aの上方両端部には、撮像手段である撮像カメラ82が距離wを隔てて設けられている。撮像カメラ82には、CCD(Charge Coupled Device)である受光素子83と結像光学レンズ84とが、距離fを隔てて設けられている。これらの撮像カメラ82の撮像画角は約90度であり、情報入力領域3aを撮影範囲とするようにそれぞれ設置されている。また、撮像カメラ82は座標入力面を形成するPDP2の表示面2aから所定の距離となるように設置されており、その光軸はPDP2の表示面2aに平行である。
【0100】
加えて、情報入力領域3aの上部を除く周縁部であって撮像カメラ82の撮像画角を妨げずに撮影視野全体を覆う位置には、背景板85が設けられている。この背景板85は、情報入力領域3aの中央にその面を向け、PDP2の表示面2aに対して略垂直に設けられる。この背景板85は、例えば一様な黒色とされている。
【0101】
撮像カメラ82の信号と指示手段Pとの関係を図18に示す。図18に示すように、指示手段Pが情報入力領域3aに挿入された場合、その指示手段Pは撮像カメラ82に撮影され、指示手段Pの像が撮像カメラ82の受光素子83上に形成される。情報入力装置3Eのように背景板85が黒色であって、指を指示手段Pとして用いるような場合には、指示手段Pは背景板85に比べて高い反射率を有することになるので、受光素子83の指示手段Pに相当する部分は、光強度の強い領域(明点)となる。
【0102】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図18に示すように、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入された場合には、受光素子83からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。このピークが出現する位置Dnは、結像光学レンズ84の主点からの指示手段Pの見かけの角度θnに対応しており、θnはDnの関数として、
θn=arctan (Dn/f)
と表すことができる。つまり、このようなカメラ撮像方式の情報入力装置3Eの場合も、前述した情報入力装置3A等と同様に、光強度の波形に出現するピークに基づく三角測量の手法により指示手段Pの位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0103】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0104】
なお、指示手段Pとしては、自身が発光する発光素子付きの専用ペン等も適用することができる。
【0105】
そして、このような情報入力装置3Eによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0106】
F.第6の情報入力装置
次に、第6の情報入力装置3Fについて図19ないし図20に基づいて説明する。この第6の情報入力装置3Fは、三角測量によって座標を検出するものではなく、直交する2軸の座標を直接検出するいわゆるLEDアレイ方式の情報入力装置である。
【0107】
ここで、図19は情報入力装置3Fの構成を概略的に示す正面図である。図19に示すように、情報入力装置3Fは、Xm個の発光手段である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)91を水平方向に一定間隔で配置した発光素子列92と、これに1対1に対応したXm個の受光手段であるフォトトランジスタ93を一定間隔で対向配置した受光素子列94と、Yn個のLED91を垂直方向に一定間隔で配置した発光素子列95と、これに1対1に対応したYn個のフォトトランジスタ93を一定間隔で対向配置した受光素子列96とを備えている。そして、これらの発光素子列92と、受光素子列94と、発光素子列95と、受光素子列96とにより囲まれた空間部分が、情報入力領域3aとされている。つまり、情報入力領域3a内には、水平方向に形成されるm個の光路と垂直方向に形成されるn個の光路とがマトリクス状に交差可能となっている。なお、情報入力領域3aは、PDP2の表示面2aのサイズに対応したサイズであって横長の四角形状に形成されており、手書きにより文字や図形等の入力を可能にする領域である。
【0108】
そして、この情報入力領域3aの或る位置に指等の指示手段Pが挿入された場合には、指示手段Pにより所定の光路が遮られるため、その遮蔽光路にある受光素子列94のフォトトランジスタ93及び受光素子列96のフォトトランジスタ93の受光光量がそれぞれ低下することになる。
【0109】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図20に示すように、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されていない場合には各フォトトランジスタ93の光強度は“I=i”を示すが、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されて光路が遮られた場合には、その遮蔽光路にあるフォトトランジスタ93の光強度は“I=i”を示すことになる。このように光強度が“I=i”である部分をディップという。なお、図20中、横軸はフォトトランジスタ93の位置に相当し、実際にはフォトトランジスタ93の光出力を逐次読みとる走査時間である。
【0110】
そして、受光光量が低下した受光光量が低下した受光素子列94のフォトトランジスタ93及び受光素子列96のフォトトランジスタ93の位置に相当するディップ位置を検出し、指示手段Pにより指示された位置座標(x,y)を算出する。実際には、基準位置t=tからのディップ位置が検出されるまでの時間tや、図20で示した波形をメモリに取り込み、メモリ内のデータに対してディップ位置に相当するメモリ番地としてディップの位置を検出することになる。
【0111】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0112】
そして、このような情報入力装置3Fによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0113】
G.第7の情報入力装置
次に、第7の情報入力装置3Gについて図21ないし図22に基づいて説明する。この第7の情報入力装置3Gは、いわゆる超音波弾性波方式の情報入力装置である。
【0114】
ここで、図21は情報入力装置3Gの構成を概略的に示す正面図である。図21に示すように、情報入力装置3Gは、透明な基板100を有すると共に、指先やペン等の指示手段P(図22参照)で文字や図形等を書き込むための書き込み面(情報入力領域)3aとなる基板100の一つの面に、表面弾性波を発信する発信手段である発信用トランスデューサ102と、発信用トランスデューサ102から発信された表面弾性波を受信する受信手段である受信用トランスデューサ103と、発信用トランスデューサ102から発信された表面弾性波をそれぞれ反射し、受信用トランスデューサ103に表面弾性波を導く反射手段である反射アレイ104,105と、同様に、表面弾性波を発信する発信用トランスデューサ106と、発信用トランスデューサ106から発信された表面弾性波を受信する受信用トランスデューサ107と、発信用トランスデューサ106から発信された表面弾性波をそれぞれ反射し、受信用トランスデューサ107に表面弾性波を導く反射アレイ108,109とを有している。なお、情報入力領域3aはPDP2の画面サイズに対応したサイズを有している。
【0115】
図21において、発信用トランスデューサ102,106及び受信用トランスデューサ103,107は、それぞれケーブル110及びコネクタ111を介してコントローラ10に接続されている。ケーブル110は、基板100の端部に沿って発信用トランスデューサ102,106及び受信用トランスデューサ103,107まで最短距離を通るように配線することが好ましいが、ここでは図示を省略する。
【0116】
基板100としては、透明で表面弾性波を伝播することが可能なものであれば、ガラス、プラスチック等、いかなる種類の材料を用いることにしても良い。また、例えば、基板100をガラス基板とした場合、反射アレイ104,105,108,109は、ガラスペーストをスクリーン印刷した後、ガラス基板100を所定の温度で焼成して形成される。
【0117】
続いて、ユーザが指先またはペン等の指示手段Pで情報入力領域3aをタッチした場合に、そのタッチ位置の座標を特定する方法の概略を説明する。図22は、タッチ位置の座標を特定する処理を説明するための説明図である。図22において、発信用トランスデューサ102及び受信用トランスデューサ103はタッチ位置のX軸方向の位置を検出するために用いられ、発信用トランスデューサ106及び受信用トランスデューサ107はタッチ位置のY軸方向の位置を検出するために用いられる。ここでは、説明の便宜上、X軸方向の位置を検出する処理を中心に説明する。
【0118】
タッチ位置の座標を特定する処理は、情報入力装置3G及びコントローラ10によって実行される。発信用トランスデューサ102は、コントローラ10から電気信号を入力し、入力した電気信号を機械振動に変換する。その結果、基板100の情報入力領域3aの表面または界面に沿って伝播する表面弾性波が発生する。
【0119】
発信用トランスデューサ102によって発生された表面弾性波は、反射アレイ104を構成する各反射素子により、発信用トランスデューサ102に近い方から順次90度反射され、情報入力領域3aを伝播していくことになる。すなわち、反射アレイ104を構成する各反射素子により、表面弾性波の一部が反射され、一部が透過するという現象が繰り返され、情報入力領域3aの全面にわたって表面弾性波が伝播していく。反射アレイ104の構成する各反射素子によって反射された表面弾性波は、情報入力領域3aの縦方向に平行に、かつ反射させられた反射素子の位置に基づく時間差を持って情報入力領域3aを伝播していく。そして、反射アレイ105は、情報入力領域3aを伝播してきた表面弾性波を90度反射し、反射した表面弾性波を受信用トランスデューサ103に導く。
【0120】
受信用トランスデューサ103は、表面弾性波を受信して電気信号に変換し、コントローラ10に入力する。コントローラ10は、入力した電気信号を増幅した後、整流及びA/D変換処理を行なう。そして、コントローラ10は、A/D変換した信号を時間軸に沿って信号処理することにより、情報入力領域3aにおけるX軸方向の位置を時間に対応させる。
【0121】
例えば、図22に示すように、ユーザが情報入力領域3aの任意の位置を指先(指示手段P)でタッチしたものとする。この場合、タッチ位置を伝播している表面弾性波は指先によって吸収または散乱され、大きな減衰を受けることになる。このような減衰を受けた時点を上述した信号処理の結果に基づいて特定することにより、タッチ位置のX軸方向における位置を特定することができる。具体的には、図22に示すように、情報入力領域3aを横切る実線がタッチ位置のX軸方向における位置として特定される。
【0122】
タッチ位置のY軸方向の位置についても、発信用トランスデューサ106、受信用トランスデューサ107及び反射アレイ108,109を用いてX軸方向の位置を特定する処理と同様の処理を行なうことによって特定することができる。具体的には、図22に示すように、情報入力領域3aを横切る点線がタッチ位置のY軸方向における位置として特定される。
【0123】
このようにして特定された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータ5へと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0124】
そして、このような情報入力装置3Gによれば、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0125】
以上、本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3として、光薄膜遮断検知方式の情報入力装置3A、光薄膜反射検知方式の情報入力装置3B、回転走査系を有する光ビーム遮断検知方式の情報入力装置3C、回転走査系を有する光ビーム反射検知方式の情報入力装置3D、カメラ撮像方式の情報入力装置3E、LEDアレイ方式の情報入力装置3F、超音波弾性波方式の情報入力装置3Gについて、その構成及び原理を説明したが、これらは本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3の一例であって、本発明はこれらの方式に限定されるものではなく、本発明は、例えばアナログ容量結合方式、感圧方式等を含む情報入力装置全般について適用されることは言うまでもない。
【0126】
続いて、本実施の形態の情報入出力システム1において実行される各種アプリケーションプログラム24の1つであるワードプロセッサソフトにおける情報入力装置3を介して描画した所定の画像をPDP2に表示する表示処理の内、従来の情報入出力システムによって行なわれている処理と同様の処理についてはその説明を省略し、情報入出力システム1が備える特長的な機能についてのみ説明する。
【0127】
ここで、図23はCPU12がワードプロセッサソフトに従うことにより実現される機能を示すブロック図である。図23中、太線で示した矢印は処理の流れであり、細線で示した矢印はメモリ(座標値メモリm1、行単位メモリm2、結果メモリm3)へのデータアクセスを意味する。
【0128】
図23に示すように、コンピュータ5においては、座標入力処理手段501、コマンド処理手段502、手書き文字一括認識処理手段503、文字行編集処理手段504、表示処理手段505の各機能が、CPU12がワードプロセッサソフトに従って動作することにより実現される。
【0129】
概略的な処理の流れとしては、情報入力装置3から出力される座標値を、座標入力処理手段501によって座標値メモリm1に順次記憶する。座標値メモリm1に記憶処理があった場合は、表示処理手段505に処理を渡し、前後の座標値を線分で結び、表示装置であるPDP2に出力する。また、座標入力処理手段501は、得られたストロークが同じ行なのか、異なる行なのかを判別し、行単位メモリm2に結果を記憶する。座標入力処理手段501は、1ストローク分の座標値を得ると、コマンド処理手段502へ処理を渡す。
【0130】
コマンド処理手段502では、ユーザが文字認識開始の命令を行なったか、文字行編集の命令を行なったかを判別し、それぞれ手書き文字一括認識処理手段503及び文字行編集処理手段504へ処理を渡す。いずれにも該当しない場合は座標入力処理手段501へ処理を渡す。
【0131】
手書き文字一括認識処理手段503では、行単位の手書き文字を認識し、結果を結果メモリm3へ記憶するとともに表示処理手段505へ処理を渡す。
【0132】
文字行編集処理手段504では、ユーザの手書き文字へのアクションを判別し、行の接続処理あるいは行の分割処理を行ない、表示処理手段505へ処理を渡す。
【0133】
最後に、表示処理手段505では、各処理で得られた結果を各メモリから取得し、表示装置であるPDP2へ表示を行なう。また、表示処理手段505は、同時に、座標入力処理手段501へ処理を返し、新たな入力を待つ。
【0134】
以上が、概略的な処理の流れである。次に、各部における処理について詳述する。
【0135】
まず、座標入力処理手段501における処理について図24を参照しつつ説明する。図24に示すように、座標入力処理手段501においては、情報入力装置3におけるマウスイベントを常に監視している。情報入力装置3におけるマウスイベントが無い場合は、マウスイベントの監視でループし続ける。
【0136】
座標入力処理手段501は、情報入力装置3の情報入力領域3a内でマウスイベントがあった場合には、座標値を座標値メモリm1に記憶するとともに、マウスイベントが「UPイベント」か否かを判定し、マウスイベントが「UPイベント」でなければ、マウスイベントの監視へ処理を返す。
【0137】
一方、マウスイベントが「UPイベント」であれば、座標値メモリm1のページを捲る(ページを“1”インクリメントする)。これは、「DOWNイベント」から「MOVEイベント」を経て「UPイベント」までのイベントで得られた座標値群をストロークとして記憶するためである。
【0138】
ここで、図25は座標値メモリm1の構造を模式的に示す説明図である。図25に示すように、座標値メモリm1は複数のページを有しており、1ページが1ストロークに対応する。ページ内には「DOWNイベント」から「UPイベント」までに得られた座標値がすべて記憶されている。上述したように、ページを捲ると、次のイベントは新しいストロークとして記憶できる。
【0139】
座標入力処理手段501は、このようにして座標値メモリm1に記憶された座標値を表示処理手段505へ処理を渡し、表示装置であるPDP2に線分を表示する。ここで、図26は各イベントで得られた座標値群を表示した様子を示す説明図である。図26に示すように、各イベントで得られた座標値群は、各座標点間を直線で結んで表示されることで、ストローク単位でユーザに明示される。
【0140】
次に、座標入力処理手段501は、行の判別を行なう。ここで、行は、行単位で高さ情報を持っているものとする。すなわち、座標入力処理手段501は、行の高さ情報に所定の余白を設けた垂直方向の範囲内に新たなストロークが一部でも入った場合には、同じ行と判別し、行単位メモリm2に座標値メモリm1のページ番号を追加する。同時に、新たなストロークを含めた一行分のストローク群の外接矩形(行の左上座標と右下座標)を求め、行単位メモリm2へ記憶する。一方、座標入力処理手段501は、行の高さ情報に所定の余白を設けた垂直方向の範囲内に新たなストロークが一部も入っていない場合には、新たな行と判別し、行単位メモリm2のページを捲る(ページを“1”インクリメントする)。
【0141】
ここで、図27は行単位メモリm2の構造を模式的に示す説明図である。図27に示すように、行単位メモリm2は、1ページが一行に対応し、各ページには座標値メモリm1の開始ページ及び終了ページ、行の左上座標及び右下座標が記憶されている。また、後述する結果メモリm3の開始ページ及び終了ページも記憶されている。
【0142】
座標入力処理手段501は、行判別が終了すると、コマンド処理手段502へ処理を渡す。
【0143】
次に、座標入力処理手段501から処理を受け取るコマンド処理手段502における処理について図28を参照しつつ説明する。図28に示すように、座標入力処理手段501から処理を受け取ったコマンド処理手段502は、まず、認識開始の命令があったかどうかを調査する。なお、本実施の形態においては、認識開始の命令が2種類存在する。1つは、PDP2の任意の場所に認識開始用のボタンを表示し、ユーザが情報入力装置3を介してこのボタンを操作した場合に、認識開始の命令を発行するものである。もう1つは、マウスイベントが「UPイベント」となった後、所定の時間内にさらなる入力があるかどうかを調査し、入力が無ければ認識開始の命令を発行するものである。
【0144】
コマンド処理手段502は、認識開始の命令があった場合には、手書き文字一括認識処理手段503へ処理を渡し、手書き文字一括認識処理を開始する。
【0145】
一方、コマンド処理手段502は、認識開始の命令がなかった場合には、編集の命令があったかどうかを調査する。本実施の形態においては、PDP2の任意の場所に編集用のON/OFFボタンを表示し、ユーザが情報入力装置3を介してこのボタンを操作してON/OFFを切り替えるものとする。そして、コマンド処理手段502は、このボタンの状態がONの場合に、文字行編集処理手段504へ処理を渡す。なお、ボタンの状態がOFFの場合には、座標入力処理手段501へ処理を戻す。
【0146】
以上述べたように、コマンド処理手段502からの処理の渡し先は、手書き文字一括認識処理手段503及び文字行編集処理手段504の2つである。
【0147】
次に、コマンド処理手段502から処理を受け取る手書き文字一括認識処理手段503における処理について図29を参照しつつ説明する。図29に示すように、手書き文字一括認識処理手段503は、まず、座標値メモリm1及び行単位メモリm2を参照し、一行分のストローク群(座標値)を呼び出した後、一文字切り出しによって一文字単位のストロークに分ける。以上の処理により、座標値メモリm1の何ページから何ページまでが一文字かが分かるので、手書き文字一括認識処理手段503は、この情報を結果メモリm3に記憶する。
【0148】
続いて、手書き文字一括認識処理手段503は、分けた一文字単位のストローク群それぞれについて、文字認識エンジンを用いて文字認識を行ない、結果メモリm3へ文字認識結果及び文字認識候補を記憶する。同時に、行単位メモリm2の結果メモリページに結果メモリm3のページ番号を追加する。
【0149】
なお、一文字切り出し及び文字認識エンジンについては、すでに様々な手法が提案されており、そのいずれを使用しても構わない。
【0150】
ここで、図30は結果メモリm3の構造を模式的に示す説明図である。図30に示すように、結果メモリm3は、座標値メモリm1と同様に複数のページを有しており、1ページは一文字に対応している。1ページ内には、認識文字、認識候補及び座標値メモリページの3つのパラメータが存在する。
【0151】
手書き文字一括認識処理手段503は、一行分のストローク群の全文字について文字認識が終了した場合には、次の行があるかどうかを調べる。次の行がある場合には、再度、座標値メモリm1及び行単位メモリm2を参照し、一行分のストローク群(座標値)を呼び出した後、一文字切り出しによって一文字単位のストロークに分ける。一方、次の行がない場合には、表示処理手段505へと処理を渡す。
【0152】
次に、コマンド処理手段502から処理を受け取る文字行編集処理手段504における処理について図31を参照しつつ説明する。図31に示すように、文字行編集処理手段504は、まず、実行する処理内容を判別する。例えば、図32に示すように、ある行2の内部で始まり、異なる行1の内部で終了する線分をユーザが描画した場合には、文字行編集処理手段504は、ユーザが行の手動接続を指示したものと判別し、行手動接続処理を実行する。また、図33に示すように、ある行1の行探索領域内(図33中、網掛けで示す)に異なる行2の行領域が一部でも重なっている場合には、ユーザが行の自動接続を指示したものと判別し、行自動接続処理を実行する。さらに、図34に示すように、ある行1を横切る線分をユーザが描画した場合には、ユーザが行の分割処理を指示したものと判別し、行ジェスチャ分割処理を実行する。
【0153】
以下において、行手動接続処理、行自動接続処理、行ジェスチャ分割処理の各々の流れについて詳細に説明する。
【0154】
まず、行手動接続処理について説明する。行手動接続処理においては、図35に示すように、手書き文字(例として、“あいう”)と、当該手書き文字を囲む破線で示す行領域とがPDP2に表示されている状態で、網掛けで示す領域である先端領域及び後端領域が設定される。先端領域は、行領域の幅の0.3倍の幅を持ち、行領域の左端に位置する領域である。後端領域は、同じく行領域の幅の0.3倍の幅を持ち、行領域の右端に位置する領域である。
【0155】
行手動接続処理は、例えば、図36(a)に示すように、行2の内部で始まり、行1の後端領域内で終了する線分をユーザが描画した場合には、行は行1のみとなり、手書き文字“あいう”と手書き文字“えお”とを接続した手書き文字“あいうえお”を表示する。また、行手動接続処理は、図36(b)に示すように、行2の内部で始まり、行1の先端領域で終了する線分をユーザが描画した場合には、行は行1のみとなるが、この場合、手書き文字“あいう”の前に手書き文字“えお”を接続し、手書き文字“えおあいう”を表示する。このように、先端領域あるいは後端領域にドロップすることで、手書き文字の接続先を設定することができる。行を接続した場合は、行単位メモリm2の対応するページのうち、番号の小さいページにすべてのデータを記憶し、番号の大きいページのデータを削除し、欠番を埋める処理を行なう。したがって、文字行と文字行とを接続する際の指示を簡単な動作で実現することが可能になる。ここに、行接続手段の機能が実行される。
【0156】
また、行手動接続処理は、図37に示すように、行2の内部で始まり、行1の後端領域へ進入する線分をユーザが描画した瞬間に、行2を行1の後方に接続した状態でPDP2に表示し、ユーザが情報入力装置3の情報入力領域3a内で指先やペンである指示手段等の所定物体を離さずに行1の先端領域へ進入すれば、行2を行1の前方に接続した状態でPDP2に表示することもできる。したがって、文字行と文字行とを接続する際に、接続後の状態を仮表示することが可能になることにより、接続の良否の判断が容易になる。なお、上述したような処理動作は、情報入力装置3の情報入力領域3aから指先やペンである指示手段等の所定物体が離れた際に決定される。ここに、行接続手段の機能が実行される。
【0157】
続いて、行自動接続処理について説明する。行自動接続処理においては、図38に示すように、行1の行探索領域内(図38中、網掛けで示す)に行2の行領域が一部でも重なっている場合には、行1の手書き文字“あいう”と行2の手書き文字“えお”とを接続し、手書き文字“あいうえお”とする。なお、図39に示すように、行1の行探索領域内(図39中、網掛けで示す)に行2の行領域が一部も重なっていない場合には、行1と行2を接続せず、そのままとする。したがって、近接する文字行と文字行とについては、自動的に接続することが可能になる。このような行自動接続処理は、ユーザがPDP2に表示された所望の行を情報入力装置3を介してクリックすることによって実行される。ここに、行接続手段の機能が実行される。
【0158】
また、別の方法として、座標入力処理手段501で行自動接続処理を行なう方法もある。つまり、入力されたストロークに対し、近傍の行を調べ、得られた行の行探索領域に同ストロークが一部でも重なっていた場合は得られた行にストロークを追加するようにするものである。
【0159】
続いて、行ジェスチャ分割処理について説明する。行ジェスチャ分割処理においては、図40に示すように、行1の手書き文字“い”と手書き文字“う”の間を通過する線分(文字行に対して略直交する線分)をユーザが描画した場合に、行単位メモリm2の座標値メモリ開始ページ及び終了ページを読み出し、対応するページを座標値メモリm1から読み出して、どのストロークとどのストロークの間に線分があるかを調べる。手書き文字“あ”の最初のストロークをページ1とすると、ページ5とページ6の間に線分が描画されたことが分かる。次に、ページ5とページ6とが同じ手書き文字を構成するストロークでないかどうかを結果メモリm3の座標値メモリページを参照して調査する。同じ手書き文字を構成しない場合は、図40に示すように、行1を行1と行2に分割する。分割方法は、行単位メモリm2に新たなページを作成し、分割した後方の手書き文字に関するデータを記憶する。行1のページからは、後方の手書き文字に関するデータを削除する。また、同じ手書き文字を構成する場合は、分割位置の不適当とみなし、何も処理しない。したがって、文字行と文字行とを分割する際の指示を簡単な動作で実現することが可能になる。また、文字行に対して略直交する線分を描画するという簡単なジェスチャを用いることで、直感的に分割作業が行なえる。ここに、行分割手段の機能が実行される。
【0160】
なお、分割された二つの文字行について、所定の間隔を空けて表示装置であるPDP2に表示するようにしても良い。これにより、分割状態をより見易くすることが可能になる。
【0161】
最後に、表示処理手段505における処理について図41を参照しつつ説明する。表示処理手段505は、前述したように、座標入力処理手段501、手書き文字一括認識処理手段503及び文字行編集処理手段504から処理を受け取る。表示処理手段505は、図41に示すように、座標入力処理手段501から処理を受け取った場合には、座標値メモリm1内の座標点を線分で結び、表示装置であるPDP2に表示する。また、表示処理手段505は、手書き文字一括認識処理手段503及び文字行編集処理手段504から処理を受け取った場合には、座標値メモリm1内の座標点を線分で結んで表示し、結果メモリm3内の認識文字を文字列にして表示装置であるPDP2にテキスト表示するとともに、行単位メモリm2から行左上座標及び行右下座標を読み出し、行領域を表示する。以上の処理は全ストローク、全認識文字及び全行に対して行なう。テキスト表示の方法は、VisualBasic(商標)に代表されるようなTextBoxにて行なう。その後、表示処理手段505は、座標入力処理手段501へ処理を返す。
【0162】
ここに、手書き文字の文字行が本来は二行に渡って記載すべきところを一行で入力してしまった文字行であるような場合において、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して文字行を二つに分割する等の修正を施すことが可能になる。これにより、手書き文字認識の効率を向上させることが可能になるとともに、ユーザの使い勝手を向上させることが可能になる。
【0163】
なお、本実施の形態においては、コントローラ10をコンピュータ5とは別体で設けたが、これに限るものではなく、コントローラ10をコンピュータ5に組み込んで、コンピュータ5をコントローラ10として機能させるようにしても良い。
【0164】
また、本実施の形態においては、各種のプログラムコード(制御プログラム)を記憶した記憶媒体26や記憶媒体49としてフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカード等を適用したが、これに限るものではなく、記憶媒体には、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0165】
さらに、本実施の形態においては、情報入力装置3を表示装置であるプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)2に備えたが、これに限るものではなく、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、前面投影型プロジェクタ、背面投影型プロジェクタ等を表示装置として適用しても良い。
【0166】
さらにまた、本実施の形態においては、情報入出力システムとして、大型の表示装置を装備したいわゆる電子黒板システムに適用した例について説明したが、これに限るものではなく、例えばPDA(Personal Digital Assistants)と称される携帯用情報端末等に適用することも可能である。
【0167】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の手書き文字認識装置によれば、情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する手書き文字認識装置において、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して修正を施す文字行編集処理手段を備えることにより、手書き文字の文字行が本来は二行に渡って記載すべきところを一行で入力してしまった文字行であるような場合において、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して文字行を二つに分割する等の修正を施すことができるので、手書き文字認識の効率を向上させることができるとともに、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0168】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の手書き文字認識装置において、前記文字行編集処理手段は、二つの文字行を接続して一行の文字行にする行接続手段と、一行の文字行を二つの文字行に分割する行分割手段と、の少なくとも一方を有することにより、本来は二行に渡って記載すべきところを一行で手書き文字を入力してしまった場合に、一行に記載された文字を二行に分割するような修正処理と、本来は一行で記載すべきところを二行で手書き文字を入力してしまった場合に、二行に記載された文字を一行に集約するような修正処理と、の少なくとも一方を実現することができるので、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0169】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の手書き文字認識装置において、前記行接続手段は、接続すべき文字行がドラッグされ、接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域にドロップされたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、接続すべき文字行をドロップされた接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域に接続することにより、文字行と文字行とを接続する際の指示を簡単な動作で実現することができる。
【0170】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の手書き文字認識装置において、前記行接続手段は、接続すべき文字行がドラッグされていることを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識し、接続すべき文字行と接続先の文字行との距離が所定値以下になった場合に、両文字行を接続することにより、文字行と文字行とを接続する際に、接続後の状態を仮表示することができるので、接続の良否の判断を容易にすることができる。
【0171】
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載の手書き文字認識装置において、前記行接続手段は、二つの文字行間の距離が所定値以下の場合に、両文字行を接続することにより、近接する文字行と文字行とについては、自動的に接続することができる。
【0172】
請求項6記載の発明によれば、請求項2記載の手書き文字認識装置において、前記行分割手段は、文字行に対して略直交する線分が描画されたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、一行の文字行を二つの文字行に分割することにより、文字行と文字行とを分割する際の指示を簡単な動作で実現することができる。また、文字行に対して略直交する線分を描画するという簡単なジェスチャを用いることで、直感的に分割作業を行なうことができる。
【0173】
請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の手書き文字認識装置において、分割された二つの文字行について、所定の間隔を空けて表示装置に表示することにより、分割後の手書き文字の表示において、分割した二つの文字行を所定の間隔を空けて表示装置に表示することで、分割状態をより見易くすることができる。
【0174】
請求項8記載の発明の情報入出力システムによれば、表示装置と、この表示装置の表示面に情報入力領域を一致させて配設される情報入力装置と、この情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する請求項1ないし7のいずれか一記載の手書き文字認識装置と、を備えることにより、請求項1ないし7のいずれか一記載の発明と同様の作用効果を奏する情報入出力システムを得ることができる。
【0175】
請求項9記載の発明のコンピュータに読み取り可能なプログラムによれば、情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する手書き文字認識装置が有するコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して修正を施す文字行編集処理機能を実行させることにより、手書き文字の文字行が本来は二行に渡って記載すべきところを一行で入力してしまった文字行であるような場合において、行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して文字行を二つに分割する等の修正を施すことができるので、手書き文字認識の効率を向上させることができるとともに、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0176】
請求項10記載の発明によれば、請求項9記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記文字行編集処理機能は、二つの文字行を接続して一行の文字行にする行接続機能と、一行の文字行を二つの文字行に分割する行分割機能と、の少なくとも一方を前記コンピュータに実行させることにより、本来は二行に渡って記載すべきところを一行で手書き文字を入力してしまった場合に、一行に記載された文字を二行に分割するような修正処理と、本来は一行で記載すべきところを二行で手書き文字を入力してしまった場合に、二行に記載された文字を一行に集約するような修正処理と、の少なくとも一方を実現することができるので、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0177】
請求項11記載の発明によれば、請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記行接続機能は、接続すべき文字行がドラッグされ、接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域にドロップされたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、接続すべき文字行をドロップされた接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域に接続することにより、文字行と文字行とを接続する際の指示を簡単な動作で実現することができる。
【0178】
請求項12記載の発明によれば、請求項11記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記行接続機能は、接続すべき文字行がドラッグされていることを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識し、接続すべき文字行と接続先の文字行との距離が所定値以下になった場合に、両文字行を接続することにより、文字行と文字行とを接続する際に、接続後の状態を仮表示することができるので、接続の良否の判断を容易にすることができる。
【0179】
請求項13記載の発明によれば、請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記行接続機能は、二つの文字行間の距離が所定値以下の場合に、両文字行を接続することにより、近接する文字行と文字行とについては、自動的に接続することができる。
【0180】
請求項14記載の発明によれば、請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、前記行分割機能は、文字行に対して略直交する線分が描画されたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、一行の文字行を二つの文字行に分割することにより、文字行と文字行とを分割する際の指示を簡単な動作で実現することができる。また、文字行に対して略直交する線分を描画するという簡単なジェスチャを用いることで、直感的に分割作業を行なうことができる。
【0181】
請求項15記載の発明によれば、請求項14記載のコンピュータに読み取り可能なプログラムにおいて、分割された二つの文字行について、所定の間隔を空けて表示装置に表示することにより、分割後の手書き文字の表示において、分割した二つの文字行を所定の間隔を空けて表示装置に表示することで、分割状態をより見易くすることができる。
【0182】
請求項16記載の発明のコンピュータに読取り可能な記憶媒体によれば、請求項9ないし15のいずれか一記載のプログラムを記憶していることにより、この記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータに読み取らせることで、請求項9ないし15のいずれか一記載の発明と同様の作用を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の情報入出力システムを概略的に示す外観斜視図である。
【図2】情報入出力システムに内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】コンピュータに内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】第1の情報入力装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図5】光学ユニットの構造を概略的に示す構成図である。
【図6】コントローラのブロック構成図である。
【図7】第1の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図8】CCDの検出動作を模式的に示す説明図である。
【図9】第2の情報入力装置に用いられる指示手段を示す斜視図である。
【図10】第2の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図11】CCDの検出動作を模式的に示す説明図である。
【図12】第3の情報入力装置に用いられる光学ユニットを概略的に示す平面図である。
【図13】第3の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図14】光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図15】第4の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図16】光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図17】第5の情報入力装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図18】その検出動作を説明するための概略正面図である。
【図19】第6の情報入力装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図20】光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図21】第7の情報入力装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図22】タッチ位置の座標を特定する処理を説明するための説明図である。
【図23】CPUがワードプロセッサソフトに従うことにより実現される機能を示すブロック図である。
【図24】座標入力処理手段における処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】座標値メモリの構造を模式的に示す説明図である。
【図26】各イベントで得られた座標値群を表示した様子を示す説明図である。
【図27】行単位メモリの構造を模式的に示す説明図である。
【図28】コマンド処理手段における処理の流れを示すフローチャートである。
【図29】手書き文字一括認識処理手段における処理の流れを示すフローチャートである。
【図30】結果メモリの構造を模式的に示す説明図である。
【図31】文字行編集処理手段における処理の流れを示すフローチャートである。
【図32】文字行編集処理手段が実行する処理内容の判別手法を例示的に示す説明図である。
【図33】文字行編集処理手段が実行する処理内容の判別手法を例示的に示す説明図である。
【図34】文字行編集処理手段が実行する処理内容の判別手法を例示的に示す説明図である。
【図35】行手動接続処理において設定される先端領域及び後端領域を示す説明図である。
【図36】行手動接続処理の処理内容を例示的に示す説明図である。
【図37】行手動接続処理の処理内容を例示的に示す説明図である。
【図38】行自動接続処理の処理内容を例示的に示す説明図である。
【図39】行自動接続処理の処理内容を例示的に示す説明図である。
【図40】行ジェスチャ分割処理の処理内容を例示的に示す説明図である。
【図41】表示処理手段における処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 情報入出力システム
2 表示装置
2a 表示面
3 情報入力装置
3a 情報入力領域
5 手書き文字認識装置
26 記憶媒体
504 文字行編集処理手段

Claims (16)

  1. 情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する手書き文字認識装置において、
    行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して修正を施す文字行編集処理手段を備えることを特徴とする手書き文字認識装置。
  2. 前記文字行編集処理手段は、
    二つの文字行を接続して一行の文字行にする行接続手段と、
    一行の文字行を二つの文字行に分割する行分割手段と、
    の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1記載の手書き文字認識装置。
  3. 前記行接続手段は、
    接続すべき文字行がドラッグされ、接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域にドロップされたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、接続すべき文字行をドロップされた接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域に接続することを特徴とする請求項2記載の手書き文字認識装置。
  4. 前記行接続手段は、
    接続すべき文字行がドラッグされていることを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識し、接続すべき文字行と接続先の文字行との距離が所定値以下になった場合に、両文字行を接続することを特徴とする請求項3記載の手書き文字認識装置。
  5. 前記行接続手段は、
    二つの文字行間の距離が所定値以下の場合に、両文字行を接続することを特徴とする請求項2記載の手書き文字認識装置。
  6. 前記行分割手段は、
    文字行に対して略直交する線分が描画されたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、一行の文字行を二つの文字行に分割することを特徴とする請求項2記載の手書き文字認識装置。
  7. 分割された二つの文字行について、所定の間隔を空けて表示装置に表示することを特徴とする請求項6記載の手書き文字認識装置。
  8. 表示装置と、
    この表示装置の表示面に情報入力領域を一致させて配設される情報入力装置と、
    この情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する請求項1ないし7のいずれか一記載の手書き文字認識装置と、
    を備えることを特徴とする情報入出力システム。
  9. 情報入力装置を介して入力された座標値を線分単位としたストローク群を行単位で記憶し、行単位で記憶されたストローク群に基づいて手書き文字を認識する手書き文字認識装置が有するコンピュータにインストールされるか、あるいは解釈されて実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、
    行単位で手書き文字を認識する前段階で、手書き文字の文字行に対して修正を施す文字行編集処理機能を実行させることを特徴とするコンピュータに読み取り可能なプログラム。
  10. 前記文字行編集処理機能は、
    二つの文字行を接続して一行の文字行にする行接続機能と、
    一行の文字行を二つの文字行に分割する行分割機能と、
    の少なくとも一方を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項9記載のコンピュータに読み取り可能なプログラム。
  11. 前記行接続機能は、
    接続すべき文字行がドラッグされ、接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域にドロップされたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、接続すべき文字行をドロップされた接続先の文字行の先端領域あるいは後端領域に接続することを特徴とする請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラム。
  12. 前記行接続機能は、
    接続すべき文字行がドラッグされていることを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識し、接続すべき文字行と接続先の文字行との距離が所定値以下になった場合に、両文字行を接続することを特徴とする請求項11記載のコンピュータに読み取り可能なプログラム。
  13. 前記行接続機能は、
    二つの文字行間の距離が所定値以下の場合に、両文字行を接続することを特徴とする請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラム。
  14. 前記行分割機能は、
    文字行に対して略直交する線分が描画されたことを前記情報入力装置から入力される座標値に応じて認識した場合に、一行の文字行を二つの文字行に分割することを特徴とする請求項10記載のコンピュータに読み取り可能なプログラム。
  15. 分割された二つの文字行について、所定の間隔を空けて表示装置に表示することを特徴とする請求項14記載のコンピュータに読み取り可能なプログラム。
  16. 請求項9ないし15のいずれか一記載のプログラムを記憶していることを特徴とするコンピュータに読取り可能な記憶媒体。
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