JP2004005200A - 情報入出力システム - Google Patents

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JP2004005200A
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Yasushi Kashimada
鹿島田 靖
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Abstract

【課題】蛍光灯等の外光の映り込み等を防止することができ、表示装置の表示面に投影される映像の視認性を向上させることができる情報入出力システムを提供する。
【解決手段】情報入力装置3とともに情報入出力システム1を構成する表示装置2の表示面2aに、外光を拡散させる光拡散部材88を配設し、この光拡散部材88によって蛍光灯等の外光を拡散するようにした。これにより、蛍光灯等の外光の映り込み等を防止することができるので、表示装置2の表示面2aに投影される映像の視認性を向上させることができる。
【選択図】    図15

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の入力や選択をするためにペン等の指示手段や指先等の所定物体によって指示された位置座標を光学的に検出する情報入力装置を備える情報入出力システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の情報入出力システムに備えられる情報入力装置としては、ペンで情報入力面を押さえた時、或いはペンが情報入力面に接近した時に、静電又は電磁誘導によって電気的な変化を検出するものがある。
【0003】
また、他の方式として、特開昭61−239322号公報等に示されるような超音波方式のタッチパネル情報入力装置がある。これは簡単にいうと、パネル上に送出された表面弾性波をパネルに触れることにより減衰させ、その位置を検出するものである。
【0004】
しかし、静電又は電磁誘導によって座標位置を検出するものでは、座標入力面に電気的なスイッチ機能を必要とするため製造コストが高く、また、ペンと本体とをつなぐケーブルが必要であるため操作性に難点がある。
【0005】
また、超音波方式のものでは、指入力を前提としているため、パネル上で吸収を伴うような材質(柔らかく弾力性を伴う材質)でペン入力を行わせ直線を描いた場合、押した時点では安定な減衰が得られるが、ペンを移動するとき十分な接触が得られず、直線が切れてしまう。かといって、十分な接触を得るために、ペンを必要以上の力で押し付けてしまうと、ペンの移動に伴い、ペンの持つ弾力性のため応力を受け歪を生じ、移動中に復帰させる力が働く。そのため、一旦、ペン入力時に曲線を描こうとすると、ペンを押える力が弱くなり歪を元へ戻す力が優るため復帰して安定な減衰が得られず、入力が途絶えたと判断されてしまう。このためにペン入力としては信頼性が確保できないという問題を有する。
【0006】
しかしながら、このような従来技術が有する問題点については、特開平5−173699号公報や特開平9−319501号公報に開示されているもの等に代表される光学式の情報入力装置によって解消され、比較的簡単な構成により、タッチパネル型の情報入力装置が実現できる。
【0007】
そして、このような光学式の情報入力装置は、コンピュータに接続された背面投影型プロジェクタ(液晶リアプロジェクタ)等の表示装置に組み合わされて情報入出力システムとして使用される。より具体的には、文字・絵・図形・グラフィックの画像を表示装置のスクリーンに投影した状態で、スクリーンの投影面(表示面)の前面に配設された情報入力装置(書き込み面)を用いて手書きの情報をコンピュータに取り込む処理を行う。そして、コンピュータ内で手書きの情報と画像情報とを合成し、再度、表示装置を介してリアルタイムで表示できるようにしている。
【0008】
このような情報入出力システムでは、表示装置によって表示されている画面上の画像に対して、情報入力装置を用いて入力した画像を上書き画像として重ねて表示できるため、会議、プレゼンテーション、教育現場等において既に広く利用されており、その使用効果が高く評価されている。また、このような情報入出力システムに音声・画像等の通信機能を組み込み、遠隔地間を通信回線で接続することにより、電子会議システムとしても利用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、このような光学式の情報入力装置を備えた情報入出力システムは、パーソナルコンピュータ等の普及に伴い、情報の入力や選択をするための有力なツールとして位置付けられ、上述の公開公報に開示されたもの以外にもさらに検討されているが、まだ、完全とはいえず、本格的な実用化に向けていまだ解決されねばならない課題が多々存在する。
【0010】
光学式の情報入力装置が組み合わされる表示装置の一つである背面投影型プロジェクタ(液晶リアプロジェクタ)は、概略的には、液晶パネル等の光学素子を用いた光学系等からなる映像源から出射される映像光を、投射レンズを介して透過型スクリーンに拡大投影するものである。このような背面投影型プロジェクタ(液晶リアプロジェクタ)は、比較的安価に大画面を構成することができるために、情報入力装置に組み合わされて情報入出力システムを構成することが多い。
【0011】
近年、このような背面投影型プロジェクタ(液晶リアプロジェクタ)は、その輝度の向上により室内の蛍光灯等の照明を落とさなくとも使用可能な程度に改良されてきているが、そのように蛍光灯等の照明を落とさない場合には、透過型スクリーンに蛍光灯等からの外光が映り込んでしまい、映像の視認性を劣化させてしまうという問題がある。
【0012】
また、このような情報入出力システムに備えられる光学式の情報入力装置は、超音波方式等による場合と異なり検出方式が光であるため、太陽光や蛍光灯等からの外光と検出光とが入り混じってしまった場合には、検出S/N比が著しく低下し、誤動作を生じる場合がある。
【0013】
本発明の目的は、蛍光灯等の外光の映り込み等を防止することができ、表示装置の表示面に投影される映像の視認性を向上させることができる情報入出力システムを提供することである。
【0014】
本発明の目的は、検出光以外の光による情報入力装置における検出S/N比の低下や、情報入力装置の誤動作を防止することができる情報入出力システムを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の情報入出力システムは、画像を表示する表示装置と、この表示装置の表示面上に発光手段からの光によって二次元の情報入力領域を生成し、前記発光手段からの光を受光手段で受光することで前記情報入力領域に挿入された物体の二次元の位置座標を検出して入力情報として出力する情報入力装置と、を備え、前記表示装置の前記表示面に、外光を拡散させる光拡散部材を配設した。
【0016】
したがって、光拡散部材によって蛍光灯等の外光が拡散されることにより、蛍光灯等の外光の映り込み等を防止することが可能になるので、表示装置の表示面に投影される映像の視認性を向上させることが可能になる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報入出力システムにおいて、前記光拡散部材のヘーズ値を、当該光拡散部材により拡散された乱反射光の前記受光手段に対する入射を抑制可能な値に設定する。
【0018】
したがって、情報入力装置における検出S/N比の低下や、情報入力装置の誤動作を防止することが可能になる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の情報入出力システムにおいて、前記光拡散部材のヘーズ値は、10%以下に設定される。
【0020】
したがって、光拡散部材により拡散された乱反射光の拡がりが狭くなることにより、受光手段に対する乱反射光の入射を抑制することが可能になる。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の情報入出力システムにおいて、前記光拡散部材の全光線透過率は、85%以上である。
【0022】
したがって、表示装置の表示面に投影される映像を十分に透過させることが可能になるので、表示映像の視認性の劣化が防止される。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の情報入出力システムにおいて、乱反射光の反射を抑制する乱反射抑制部材を、少なくとも前記情報入力装置の前記受光手段側に位置する前記表示装置の前記表示面の周囲を覆うように配設した。
【0024】
したがって、受光手段に対する乱反射光の入射をさらに抑制することが可能になる。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の情報入出力システムにおいて、システム筐体の内部を光吸収率の高い黒色部材で構成している。
【0026】
したがって、乱反射光のシステム筐体内における再反射が抑制されることにより、さらなる受光手段に対する乱反射光の入射の抑制が可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図17に基づいて説明する。ここで、図1は情報入出力システム1を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、情報入出力システム1は、背面投影型プロジェクタ(液晶リアプロジェクタ)である表示装置2及び情報入力装置3で構成されるパネル部4と、制御装置であるパーソナルコンピュータ等のコンピュータ,原稿の画像を読み取るためのスキャナ6,画像データを記録紙に出力するプリンタ,ビデオプレイヤー(いずれも図示せず)を収納するとともにパネル部4を所定の高さで支持する機器収納部5と、を主体に構成されている。
【0028】
パネル部4を構成する表示装置2及び情報入力装置3は、表示装置2の表示面2a側に情報入力装置3が位置するようにして一体化され、表示装置2の表示面2aに情報入力装置3の情報入力領域3aが位置するようにしてパネル部4に収納されている。このように、パネル部4は表示装置2及び情報入力装置3を収納して、情報入出力システム1の表示面(表示装置2の表示面2a)及び書き込み面(情報入力領域3a)を構成している。なお、表示装置2としては、電子黒板として利用可能な50インチや70インチ等の大画面タイプのものが用いられている。
【0029】
次に、情報入力装置3について詳細に説明する。なお、本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3としては、検出方式の異なる種々の方式のものが考えられる。そこで、以下においては、情報入力装置3として、検出方式の異なる情報入力装置を数例挙げ、その基本構成及び原理について説明する。
【0030】
A.第1の情報入力装置
まず、第1の情報入力装置3Aについて図2ないし図6に基づいて説明する。この第1の情報入力装置3Aは、いわゆる再帰光遮蔽方式の情報入力装置である。
【0031】
ここで、図2は第1の情報入力装置3Aの構成を概略的に示す説明図である。図2に示すように、情報入力装置3Aは、表示装置2の表示面2aのサイズに対応したサイズで横長の四角形状の情報入力領域3aを備えている。この情報入力領域3aは、手書きにより文字や図形等の入力を可能にする領域である。この情報入力領域3aの下方両端部に位置する角部の近傍には、発光と受光とを行う光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)が所定の取付角度で設けられている。これらの光学ユニット27からは、平面若しくはほぼ平面をなし、例えばL,L,L,・・・,L(R,R,R,・・・,R)といった光(プローブ光)の束で構成される扇形状で薄膜状の光束膜が、情報入力領域3aの全域に行き渡るように表示装置2の表示面2aの表面に沿って平行に投光される。
【0032】
また、情報入力装置3の情報入力領域3aの下部を除く周辺部には、再帰性反射部材28が設けられている。この再帰性反射部材28は、例えば円錐形状のコーナーキューブを多数配列して形成されており、入射した光をその入射角度によらずに所定の位置に向けて反射する特性を有している。例えば、左側光学ユニット27Lから投光されたプローブ光Lは、再帰性反射部材28によって反射され、再び同一光路を辿る再帰反射光L´として左側光学ユニット27Lにより受光されることになる。つまり、再帰性反射部材28によっても情報入力領域3aが形成されている。
【0033】
次に、光学ユニット27について説明する。ここで、図3は光学ユニット27の構造を概略的に示す構成図である。なお、図3はx−z方向を主体に示しているが、二点鎖線で示す部分については同一の構成要素を別方向(x−y方向、又はy−z方向)から見た図である。
【0034】
図3に示すように、光学ユニット27は、投光手段29と受光手段30とを備えている。投光手段29は、スポットをある程度絞ることの可能なLD(Laser Diode:半導体レーザ),ピンポイントLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光源である発光手段31を備えている。この発光手段31から表示装置2の表示面2aに対して垂直に照射された光は、一方向の倍率のみを変更可能なシリンドリカルレンズ32によってx方向にコリメートされる。シリンドリカルレンズ32によってx方向にコリメートされた光は、シリンドリカルレンズ32とは曲率の分布が直交する2枚のシリンドリカルレンズ33,34によりy方向に対して集光される。つまり、これらのシリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)の作用により、発光手段31からの光を線状に集光した領域がシリンドリカルレンズ34の後方に形成されることになる。ここに、y方向に狭くx方向に細長いスリットを有するスリット板35を配置する。したがって、シリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)を通過した光は、スリット板35のスリット位置において、線状の二次光源36を形成する。二次光源36から発した光は、ハーフミラー37で折り返され、表示装置2の表示面2aの垂直方向には広がらずに表示面2aの表面に沿った平行光で、表示面2aと平行方向には二次光源36を中心にした扇形状の光束膜となって情報入力領域3aを進行する。換言すれば、扇形状の光が情報入力領域3aを形成する。これらのシリンドリカルレンズ群(シリンドリカルレンズ32,33,34)とスリット板35とによって、集光光学系が形成されている。
【0035】
前述したように、扇形状となって情報入力領域3aを進行した光束膜は、再帰性反射部材28で再帰的に反射され、再び同一光路を辿ってハーフミラー37に戻ることになる。したがって、再帰性反射部材28で再帰的に反射された光束膜も情報入力領域3aを形成する。
【0036】
再帰性反射部材28で反射されてハーフミラー37に戻った再帰反射光は、ハーフミラー37を透過して受光手段30に入射する。受光手段30に入射した再帰反射光は、集光レンズであるシリンドリカルレンズ38を通って線状にされた後、このシリンドリカルレンズ38から距離f(fはシリンドリカルレンズ38の焦点距離)の間隔で設けられたCCD(Charge Coupled Device)であって受光手段として機能する受光素子39において、プローブ光毎に異なる位置で受光される。なお、本実施の形態の受光素子39は、1次元CCDであって、その画素数は2,048画素とされている。
【0037】
詳細には、再帰性反射部材28で反射された再帰反射光は、z軸方向ではシリンドリカルレンズ38の作用を受けず、コリメートされたまま受光素子39に到達する。また、再帰反射光は、表示装置2の表示面2aと平行方向では、シリンドリカルレンズ38の中心に集光するように伝搬し、その結果、シリンドリカルレンズ38の作用を受けてシリンドリカルレンズ38の焦点面に設置された受光素子39上に結像する。これにより、受光素子39上に再帰反射光の有無に応じて光強度の分布が形成される。すなわち、再帰反射光を指示手段Pで遮った場合、受光素子39上の遮られた再帰反射光に相当する位置に光強度が弱い点(後述するピーク点)が生じることになる。再帰反射光を受光した受光素子39は、再帰反射光(プローブ光)の光強度分布に基づいた電気信号を生成し、前述したコントローラ10に対して出力する。なお、図3に示すように、二次光源36とシリンドリカルレンズ38とは、ハーフミラー37に対して共に距離dの位置に配設されて共役な位置関係にある。
【0038】
ここで、図4は受光素子39から再帰反射光の光強度分布に基づいた電気信号が入力され、情報入力領域3aを進行する光が遮られた位置の座標を特定する処理を実行するコントローラ10のブロック構成図である。このコントローラ10は、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)の発光手段(LD)31の発光制御と、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)の受光素子39からの出力の演算を行うものである。図4に示すように、コントローラ10には、各部を集中的に制御するCPU40が設けられており、このCPU40には、プログラム及びデータを記録するROM41、各種データを書き換え自在に格納してワークエリアとして機能するRAM42、コンピュータに接続するためのインタフェース43、A/D(Analog/Digital)コンバータ44及びLDドライバ45がバス接続されている。また、CPU40には、各種のプログラムコード(制御プログラム)を格納するハードディスク46や不揮発性のメモリであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable ReadOnly Memory)47がバス接続されている。ここに、CPU40、ROM41及びRAM42によりマイクロコンピュータが構成されている。このようなマイクロコンピュータには、各種のプログラムコード(制御プログラム)を記録した記録媒体49、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−R/W,DVD−ROM,DVD−RAMなど)、光磁気ディスク(MO)、メモリカードなどに記録されているプログラムコードを読み取る装置であるフレキシブルディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、MOドライブ装置等のプログラム読取装置48が接続されている。
【0039】
受光素子39からの出力を演算する回路として、受光素子39の出力端子に、アナログ処理回路51が図のように接続される。受光素子39に入射した反射光は、受光素子39内で光の強度に応じた電圧値を持つアナログの画像データに変換され、アナログ信号として出力される。このアナログ信号は、アナログ処理回路51で処理された後、A/D(Analog/Digital)コンバータ44によってデジタル信号に変換されてCPU40に渡される。この後、CPU40によって指示手段Pの二次元座標の演算が行われる。
【0040】
ハードディスク46に格納された各種のプログラムコード(制御プログラム)または記録媒体49に記録された各種のプログラムコード(制御プログラム)は、コントローラ10への電源の投入に応じてRAM42に書き込まれ、各種のプログラムコード(制御プログラム)が実行されることになる。
【0041】
続いて、制御プログラムに基づいてCPU40によって実行される機能について説明する。ここでは、本実施の形態の情報入力装置3の備える特長的な機能である座標検出処理について以下において具体的に説明する。
【0042】
ここで、図5は情報入力装置3の情報入力領域3a内の一点を指示手段Pで指し示した一例を示す正面図である。図5に示すように、例えば、左側光学ユニット27Lから照射されたL,L,L,・・・,Lといったプローブ光で構成される扇形状の光の中でn番目のプローブ光Lが指示手段Pによって遮られた場合、そのプローブ光Lは再帰性反射部材28に到達することはない。
【0043】
このとき受光素子39上の光強度分布を考える。ここで、図6は受光素子39の検出動作を模式的に示す説明図である。指示手段Pが情報入力領域3a内に挿入されていなければ、受光素子39上の光強度分布はほぼ一定であるが、図6に示すように指示手段Pが情報入力領域3a内に挿入されてプローブ光Lが指示手段Pによって遮られた場合、そのプローブ光Lは光学ユニット27の受光素子39によって受光されることはないため、プローブ光Lに対応する光学ユニット27の受光素子39上の所定の位置Xが光強度の弱い領域(暗点)となる。この光強度の弱い領域(暗点)である位置Xは、受光素子39から出力される光強度の波形にピーク点として出現することになるので、CPU40は、このような光強度の波形におけるピーク点の出現を電圧の変化により認識し、この光強度の波形のピーク点となった暗点の位置Xを検出する。なお、位置Xの検出は、光強度が予め定められた値以下になった場合に行われる。
【0044】
また、光強度の波形のピーク点となった暗点位置Xが検出されると、暗点位置Xから受光素子39の中心画素までの距離が、例えば受光素子39の画素番号(例えば、図6においては、画素番号m)に基づいて検出される。
【0045】
光強度の弱い領域(暗点)である位置X(左側光学ユニット27Lの受光素子39上ではXL,右側光学ユニット27Rの受光素子39上ではXR)は、遮られたプローブ光の出射/入射角θと対応しており、Xを検出することによりθを知ることができる。即ち、暗点位置Xから受光素子39の中心画素までの距離をaとすると、θはaの関数として、
θ=tan−1(a/f)   ………………………………(1)
と表すことができる。ただし、fはシリンドリカルレンズ38の焦点距離である。ここで、左側光学ユニット27LにおけるθをθL、aをXLと置き換える。
【0046】
さらに、図5において、左側光学ユニット27Lと情報入力領域3aとの幾何学的な相対位置関係の変換係数gにより、指示手段Pと左側光学ユニット27Lとのなす角度θLは、(1)式で求められるXLの関数として、
θL=g(θL)   ………………………………(2)
ただし、θL=tan−1(XL/f)
と表すことができる。
【0047】
同様に、右側光学ユニット27Rについても、上述の(1)(2)式中の記号Lを記号Rに置き換えて、右側光学ユニット27Rと情報入力領域3aとの幾何学的な相対位置関係の変換係数hにより、
θR=h(θR)   ………………………………(3)
ただし、θR=tan−1(XR/f)
と表すことができる。
【0048】
ここで、左側光学ユニット27Lの受光素子39の中心位置と右側光学ユニット27Rの受光素子39の中心位置との距離を図5に示すwとすると、情報入力領域3a内の指示手段Pで指示した点の2次元座標(x,y)は、三角測量の原理により、
x=w・tanθR/(tanθL+tanθR) ………………(4)
y=w・tanθL・tanθR/(tanθL+tanθR)……(5)
として算出することができる。
【0049】
これらの(1)(2)(3)(4)(5)式は制御プログラムの一部として予めハードディスク46や記録媒体49に格納されており、(1)(2)(3)(4)(5)式により、指示手段Pの位置座標(x,y)は、XL,XRの関数として算出される。すなわち、左側光学ユニット27Lの受光素子39上の暗点の位置と右側光学ユニット27Rの受光素子39上の暗点の位置とを検出することで、指示手段Pの位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0050】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータへと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0051】
そして、このような情報入力装置3Aによれば、タッチパネル面のような物理的な面を有さず、また、特殊な材料・機構を必要としないので、情報入力装置3を表示装置2の表示面2aに装着して使用した場合には、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0052】
B.第2の情報入力装置
次に、第2の情報入力装置3Bについて図7ないし図9に基づいて説明する。なお、第1の情報入力装置3Aで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0053】
この第2の情報入力装置3Bは、いわゆる再帰光反射方式の情報入力装置である。
【0054】
ここで、図7は情報入力装置3Bに用いられる指示手段61を示す斜視図である。また、図8は情報入力装置3Bの情報入力領域3a内の一点を指示手段61で指し示した一例を示す正面図である。図7に示すように、情報入力装置3Bの情報入力領域3a内の一点を指し示すために用いられる所定物体である指示手段61の先端近傍には、再帰性反射部材62が設けられている。この再帰性反射部材62は、例えば円錐形状のコーナーキューブを多数配列して形成されており、入射した光をその入射角度によらずに所定の位置に向けて反射する特性を有している。例えば、左側光学ユニット27Lから投光されたプローブ光Lは、図8に示すように、再帰性反射部材62によって反射され、再び同一光路を辿る再帰反射光L´として左側光学ユニット27Lにより受光されることになる。そのため、図8に示すように、情報入力装置3Bにおいては、前述した情報入力装置3Aのように情報入力領域3aに再帰性反射部材28を設ける必要はない。なお、指示手段61はペン状の形状をしており、光沢のある金属製よりゴムやプラスチックなどの材質が望ましい。
【0055】
したがって、このような指示手段61の再帰性反射部材62を備えた先端近傍を情報入力装置3Bの情報入力領域3aの適当な位置(x,y)に挿入し、例えば左側光学ユニット27Lから投光された扇形状の光束膜の中のプローブ光Lが指示手段61の再帰性反射部材62によって反射された場合、その再帰反射光L´は左側光学ユニット27Lの受光素子39によって受光される。このようにして受光素子39が再帰反射光L´を受光した場合には、再帰反射光L´に対応する受光素子39上の所定の位置Dnが光強度の強い領域(明点)となる。つまり、図9に示すように、受光素子39上では位置Dnの位置に光強度が強い領域が生じ、受光素子39からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。このピークが出現する位置Dnは反射されたプローブ光の出射/入射角θnと対応しており、Dnを検出することによりθnを知ることができる。なお、位置Dnの検出は、光強度が予め定められた値を超えた場合に行われる。つまり、このような再帰光反射方式の情報入力装置3Bの場合も、前述した再帰光遮蔽方式の情報入力装置3Aと同様に、光強度の波形に出現するピークに基づく三角測量の手法により指示手段61の位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0056】
このようにして算出された指示手段61の位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータへと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0057】
そして、このような情報入力装置3Bによれば、タッチパネル面のような物理的な面を有さず、また、特殊な材料・機構を必要としないので、情報入力装置3を表示装置2の表示面2aに装着して使用した場合には、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0058】
C.第3の情報入力装置
次に、第3の情報入力装置3Cについて図10ないし図12に基づいて説明する。なお、第1の情報入力装置3Aで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0059】
この第3の情報入力装置3Cは、第1の情報入力装置3Aにおける光学ユニットの変形例である。詳細には、第1の情報入力装置3Aで用いた光学ユニット27においては扇形状の光束膜を投光して情報入力領域を形成したが、情報入力装置3Cにおいては、ポリゴンミラー等の回転走査系を有しており、その回転走査系によって光源から出射された光ビームを放射状に投光して情報入力領域を形成する光学ユニット70を用いるものである。
【0060】
ここで、図10は光学ユニット70を模式的に示す説明図である。図10に示すように、光学ユニット70は、駆動回路(図示せず)を有してレーザ光を出射するLD(Laser Diode:半導体レーザ)である発光手段71とハーフミラー72とポリゴンミラー73と集光レンズ74とで構成される投光手段70aと、受光手段として機能する受光素子75とが備えられている。受光素子75は、集光レンズ74から距離f(fは集光レンズ74の焦点距離)の間隔で設けられたPD(Photo Diode)で構成されている。このような光学ユニット70は、発光手段71から出射したレーザ光をハーフミラー72で折り返した後、パルスモータ(図示せず)により所定の角速度ωtで回転駆動されるポリゴンミラー73によって放射状に順次反射する。したがって、光学ユニット70は、ビーム光を放射状に繰り返し投光することになる。つまり、2つの光学ユニット70から放射状に投光されるビーム光によって情報入力領域3aが形成されることになる。一方、反射されて光学ユニット70に入射したビーム光は、ポリゴンミラー73によって反射され、ハーフミラー72に到達する。ハーフミラー72に到達した反射ビーム光は、ハーフミラー72を透過して受光素子75に到達し、電気信号に変換される。
【0061】
次に、このような光学ユニット70を第1の情報入力装置3Aで用いた光学ユニット27に代えて適用した情報入力装置3Cについて説明する。図11に示すように、情報入力領域3a中の或る位置に指示手段Pが挿入されてあるビーム光が遮蔽されると、そのビーム光は再帰性反射部材28で反射されることはないことから、受光素子75に到達することはない。このように情報入力領域3a中の或る位置に指示手段Pが挿入されてあるビーム光が遮蔽された場合、受光素子75からの光の強度分布の形状にはディップが出現する。
【0062】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図12に示すように、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されていない場合には光強度は“I=I”を示すが、情報入力領域3aに指示手段Pが挿入されて受光素子75に再帰光が戻らない場合には光強度は“I=I”を示すことになる。このように光強度が“I=I”である部分が、ディップである。なお、図12中、時間t=tは、ポリゴンミラー73の回転の基準位置であって、回転走査されるビーム光が所定の角度に達した時点である。
【0063】
したがって、光強度が“I=I”となった時間tをtであるとすれば、情報入力領域3aに挿入された指示手段Pにより遮蔽されたビーム光の出射角度θは、
θ=ω(t−t)=ω△t
として算出される。つまり、左右それぞれに設けられた光学ユニット70(70L、70R)において情報入力領域3aに挿入された指示手段Pにより遮蔽されたビーム光の出射角度θ(θnL,θnR)が算出され、それらの出射角度θ(θnL,θnR)に基づく三角測量の手法によって指示手段Pを挿入した位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0064】
このようにして算出された指示手段Pの位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータへと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0065】
そして、このような情報入力装置3Cによれば、タッチパネル面のような物理的な面を有さず、また、特殊な材料・機構を必要としないので、情報入力装置3を表示装置2の表示面2aに装着して使用した場合には、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0066】
D.第4の情報入力装置
次に、第4の情報入力装置3Dについて図13ないし図14に基づいて説明する。なお、第2の情報入力装置3B及び第3の情報入力装置3Cで説明した部分と同一部分については同一符号を用い、説明も省略する。
【0067】
この第4の情報入力装置3Dは、第2の情報入力装置3Bにおける光学ユニットの変形例である。詳細には、第2の情報入力装置3Bで用いた光学ユニット27においては扇形状の光束膜を投光して情報入力領域を形成したが、第4の情報入力装置3Dにおいては、ポリゴンミラー等の回転走査系を有しており、その回転走査系によって光源から出射された光ビームを放射状に投光して情報入力領域を形成する光学ユニット70を用いるものである。なお、光学ユニット70についての説明は、第3の情報入力装置3Cで説明したのでここでは省略する。
【0068】
このような光学ユニット70を第2の情報入力装置3Bで用いた光学ユニット27に代えて適用した情報入力装置3Dについて説明する。図13に示すように、情報入力領域3a中の或る位置に指示手段61が挿入された場合、所定のビーム光が指示手段61の再帰性反射部材62において再帰反射され、そのビーム光は受光素子75に到達する。このように情報入力領域3a中の或る位置に指示手段61が挿入されてあるビーム光が再帰反射された場合、受光素子75からの光の強度分布の形状にはピークが出現する。
【0069】
各部の電気的接続等については技術的に公知であるため詳細な説明は省略するが、図14に示すように、情報入力領域3aに指示手段61が挿入されていない場合には光強度は“I=I”を示すが、情報入力領域3aに指示手段61が挿入されて受光素子75に再帰光が到達した場合には光強度は“I=I”を示すことになる。このように光強度が“I=I”である部分が、ピークである。なお、図14中、時間t=tは、ポリゴンミラー73の回転の基準位置であって、回転走査されるビーム光が所定の角度に達した時点である。
【0070】
したがって、光強度が“I=I”となった時間tをtであるとすれば、情報入力領域63に挿入された指示手段61により再帰反射されたビーム光の出射角度θは、
θ=ω(t−t)=ω△t
として算出される。つまり、左右それぞれに設けられた光学ユニット70(70L、70R)において情報入力領域3aに挿入された指示手段61により再帰反射されたビーム光の出射角度θ(θnL,θnR)が算出され、それらの出射角度θ(θnL,θnR)に基づく三角測量の手法によって指示手段61を挿入した位置座標(x,y)が算出されることになる。
【0071】
このようにして算出された指示手段61の位置座標(x,y)は、コントローラ10を介してコンピュータへと出力され、所定の処理に用いられることになる。
【0072】
そして、このような情報入力装置3Dによれば、タッチパネル面のような物理的な面を有さず、また、特殊な材料・機構を必要としないので、情報入力装置3を表示装置2の表示面2aに装着して使用した場合には、情報入力領域3aにおいて、無視差、完全透明、高い描画感を実現することが可能になっている。
【0073】
以上、本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3として、再帰光遮蔽方式の情報入力装置3A、再帰光反射方式の情報入力装置3B、回転走査系を有する再帰光遮蔽方式の情報入力装置3C、回転走査系を有する再帰光反射方式の情報入力装置3Dについて、その基本構成及び原理を説明したが、これらは本実施の形態の情報入出力システム1に適用し得る情報入力装置3の一例であって、本発明はこれらの方式に限定されるものではなく、本発明は、光学式の情報入力装置全般について適用されることは言うまでもない。
【0074】
なお、以下においては、情報入力装置3として再帰光遮蔽方式の情報入力装置3Aを適用したものを例示的に示す。
【0075】
続いて、表示装置2の構成について説明する。ここで、図15は表示装置2を主体に情報入出力システム1の内部構造を概略的に示す縦断側面図である。図15に示すように、情報入出力システム1に備えられる表示装置2は、背面投影型プロジェクタ(液晶リアプロジェクタ)であって、映像源としてRGB各色に対応した3枚の液晶パネル(図示せず)等からなる光学系81を用い、この光学系81によって形成された画像を1個の投射レンズ82で拡大投射するものである。より具体的には、筐体1a内の下方に配置されている光学系81で形成された画像は、投射レンズ82によって拡大され、図中矢印で示されているようにミラー83,84で反射されてスクリーンユニット85に到達する。
【0076】
本実施の形態のスクリーンユニット85は、映像源側に配置されるフレネルレンズシート86と、このフレネルレンズシート86の後段に配置されるレンチキュラースクリーン87と、情報入力装置3の情報入力領域3a側に配置される拡散シート88と、によって構成されている。フレネルレンズシート86は、投射レンズ82を介して光学系81から投射された映像光を集光し、レンチキュラースクリーン87に表示する。レンチキュラースクリーン87は光拡散剤を含んで構成されており、映像光がこの光拡散剤により透過散乱することでレンチキュラースクリーン87には画像が投影されることになる。
【0077】
また、情報入力装置3の情報入力領域3a側に配置される光拡散部材である拡散シート88は、太陽光や蛍光灯からの外光を拡散させ、表示装置2の表示面2aの反射や表示装置2の表示面2aへの映り込みを防止するものである。このように拡散シート88によって蛍光灯等の外光の映り込み等を防止することにより、レンチキュラースクリーン87に投影される映像の視認性を向上させることができる。
【0078】
そして、このようなスクリーンユニット85は、断面がL字形状のパネル固定部材91によりその全周囲を覆うようにして保持されることにより、筐体1a内に固定されている。
【0079】
図示することは省略するが、このような表示装置2には、ビデオ入力端子やスピーカーが設けられており、ビデオプレイヤーをはじめ、その他レーザディスクプレイヤー、DVDプレイヤー、ビデオカメラ等の各種情報機器やAV機器を接続し、表示装置2を大画面モニタとして利用することが可能な構成になっている。
【0080】
ところで、情報入力装置3は、前述したように検出方式が光であるため、情報入力装置3の光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)が外光を受光してしまった場合には、光束膜を形成するプローブ光を遮蔽したことが検知されずに情報入力装置3の情報入力領域3aにおける指示位置が検出されないという不具合を生じることがある。また、情報入力装置3の再帰性反射部材28に外光が入射してしまった場合には、検出光と外乱光とが入り混じり、検出S/N比が低下し、誤動作を生じる場合がある。そこで、本実施の形態の情報入出力システム1においては、このような不具合を解消すべく、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)への外光の入射を遮断するカバー89と、再帰性反射部材28への外光の入射を遮断するカバー90とを筐体1aに配設している。なお、特に図示しないが、カバー90は上部の再帰性反射部材28のみならず、左右方向に位置する再帰性反射部材28への外光の入射を遮断する位置にも配設されている。また、これらのカバー89及びカバー90は、スクリーンユニット85に投影された映像が隠れないような位置に位置付けられている。
【0081】
ところが、前述したように、表示装置2のスクリーンユニット85には、太陽光や蛍光灯からの外光を拡散させる拡散シート88が設けられている。図16に示すように、外光oが拡散シート88において拡散される場合には、正反射成分pとその乱反射光である拡散成分qとに分散されて反射されることから、この拡散シート88からの乱反射光により、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28が受ける影響も考慮しなければならない。
【0082】
本実施の形態のように光学式の情報入力装置3を用いた場合には、発光及び受光のための光路確保が不可欠であるため、上記拡散成分qを全て排除することは不可能である。しかしながら、実使用上(明るい室内、窓際等)では、外部照度10000LX程度の環境下での基本的な性能を確保する必要がある。ここでは、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)に入射する外光の出力電圧レベルが0.9V以下であれば上記環境下において基本的な性能を発揮する。そこで、本実施の形態の情報入出力システム1においては、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)に対する拡散成分qの入射量を抑制すべく、種々の措置が講じられている。
【0083】
拡散シート88は、ヘーズ値(ヘーズ値=(拡散光透過率/全光線透過率)×100)に応じて拡散成分qの拡がりが異なることが解かっている。ここで、図17(a)はヘーズ値が低い拡散シート88での拡散成分qの拡がりを示し、(b)はヘーズ値が高い拡散シート88での拡散成分qの拡がりを示したものである。すなわち、ヘーズ値が低いほうが拡散成分qの拡がりが狭くなる。
【0084】
すなわち、表示装置2の表示面2aへの蛍光灯等の外光の映り込み等を防止するためには、拡散シート88のヘーズ値が大きいほど有効になるが、その場合には逆に乱反射成分が多くなり、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28に対する悪影響が懸念される。このため、表示装置2の表示面2aへの蛍光灯等の外光の映り込み等の防止と、情報入力装置3の指示位置の検出精度の確保とを考慮すると、拡散シート88のヘーズ値は10%以下が望ましい。
【0085】
そこで、本実施の形態においては、拡散シート88として、ヘーズ値5%(全光線透過率90%)のものを採用し、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28に対する拡散シート88からの反射光の拡散成分qの入射を抑制している。
【0086】
なお、前述したように、ヘーズ値は“(拡散光透過率/全光線透過率)×100”で規定される。そのため、拡散シート88として全光線透過率の低いものを採用することによりヘーズ値が一定であっても拡散光成分を少なくし、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28に対する拡散シート88からの反射光の拡散成分qの入射を抑制することが可能である。しかしながら、全光線透過率が低い場合は、表示装置2の表示面2aへの蛍光灯等の映り込みを軽減することができるが映像の透過も妨げることとなり、視認性を劣化させてしまう。したがって、表示装置2の視認性の観点から、全光線透過率は85%以上のものが望ましい。
【0087】
また、反射光の拡散成分qは少なからず乱反射する。特に、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28の近傍における乱反射光は、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28に入射する可能性がある。そこで、本実施の形態においては、スクリーンユニット85を保持するパネル固定部材91がスクリーンユニット85の全周囲を覆うように配置されており、このパネル固定部材91が光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28の近傍に位置していることから、このパネル固定部材91を乱反射光を吸収するような部材(乱反射抑制部材)で構成することにより、光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28に対する拡散シート88からの反射光の拡散成分qの入射をさらに抑制することが可能である。
【0088】
加えて、本実施の形態においては、外光oの正反射成分p及び拡散成分qの筐体1a内における再反射を抑制すべく、筐体1aの内部を光吸収率の高い黒色部材で構成している。これにより、さらなる光学ユニット27(左側光学ユニット27L、右側光学ユニット27R)及び再帰性反射部材28に対する拡散シート88からの反射光の拡散成分qの入射の抑制が可能になっている。
【0089】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の情報入出力システムによれば、画像を表示する表示装置と、この表示装置の表示面上に発光手段からの光によって二次元の情報入力領域を生成し、前記発光手段からの光を受光手段で受光することで前記情報入力領域に挿入された物体の二次元の位置座標を検出して入力情報として出力する情報入力装置と、を備え、前記表示装置の前記表示面に、外光を拡散させる光拡散部材を配設し、光拡散部材によって蛍光灯等の外光を拡散するようにしたことにより、蛍光灯等の外光の映り込み等を防止することができるので、表示装置の表示面に投影される映像の視認性を向上させることができる。
【0090】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の情報入出力システムにおいて、前記光拡散部材のヘーズ値を、当該光拡散部材により拡散された乱反射光の前記受光手段に対する入射を抑制可能な値に設定することにより、情報入力装置における検出S/N比の低下や、情報入力装置の誤動作を防止することができる。
【0091】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の情報入出力システムにおいて、前記光拡散部材のヘーズ値は、10%以下に設定されることにより、光拡散部材により拡散された乱反射光の拡がりを狭くすることができるので、受光手段に対する乱反射光の入射を抑制することができる。
【0092】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の情報入出力システムにおいて、前記光拡散部材の全光線透過率は、85%以上であることにより、表示装置の表示面に投影される映像を十分に透過させることができるので、表示映像の視認性の劣化を防止することができる。
【0093】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一記載の情報入出力システムにおいて、乱反射光の反射を抑制する乱反射抑制部材を、少なくとも前記情報入力装置の前記受光手段側に位置する前記表示装置の前記表示面の周囲を覆うように配設したことにより、受光手段に対する乱反射光の入射をさらに抑制することができる。
【0094】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5の何れか一記載の情報入出力システムにおいて、システム筐体の内部を光吸収率の高い黒色部材で構成し、乱反射光のシステム筐体内における再反射を抑制することにより、さらなる受光手段に対する乱反射光の入射を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の情報入出力システムを概略的に示す外観斜視図である。
【図2】第1の情報入力装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図3】光学ユニットの構造を概略的に示す構成図である。
【図4】コントローラのブロック構成図である。
【図5】第1の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図6】CCDの検出動作を模式的に示す説明図である。
【図7】第2の情報入力装置に用いられる指示手段を示す斜視図である。
【図8】第2の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図9】CCDの検出動作を模式的に示す説明図である。
【図10】第3の情報入力装置に用いられる光学ユニットを模式的に示す説明図である。
【図11】第3の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図12】光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図13】第4の情報入力装置の情報入力領域内の一点を指示手段で指し示した一例を示す正面図である。
【図14】光強度と時間との関係を示すグラフである。
【図15】表示装置を主体に情報入出力システムの内部構造を概略的に示す縦断側面図である。
【図16】拡散シートによる外光の拡散状態を示す説明図である。
【図17】(a)はヘーズ値が低い拡散シートでの拡散成分の拡がりを示し、(b)はヘーズ値が高い拡散シートでの拡散成分の拡がりを示す説明図である。
【符号の説明】
1    情報入出力システム
1a   システム筐体
2    表示装置
2a   表示面
3    情報入力装置
3a   情報入力領域
31,71   発光手段
39,75   受光手段
88   光拡散部材
91   乱反射抑制部材

Claims (6)

  1. 画像を表示する表示装置と、
    この表示装置の表示面上に発光手段からの光によって二次元の情報入力領域を生成し、前記発光手段からの光を受光手段で受光することで前記情報入力領域に挿入された物体の二次元の位置座標を検出して入力情報として出力する情報入力装置と、
    を備え、
    前記表示装置の前記表示面に、外光を拡散させる光拡散部材を配設したことを特徴とする情報入出力システム。
  2. 前記光拡散部材のヘーズ値を、当該光拡散部材により拡散された乱反射光の前記受光手段に対する入射を抑制可能な値に設定することを特徴とする請求項1記載の情報入出力システム。
  3. 前記光拡散部材のヘーズ値は、10%以下に設定されることを特徴とする請求項2記載の情報入出力システム。
  4. 前記光拡散部材の全光線透過率は、85%以上であることを特徴とする請求項3記載の情報入出力システム。
  5. 乱反射光の反射を抑制する乱反射抑制部材を、少なくとも前記情報入力装置の前記受光手段側に位置する前記表示装置の前記表示面の周囲を覆うように配設したことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載の情報入出力システム。
  6. システム筐体の内部を光吸収率の高い黒色部材で構成していることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一記載の情報入出力システム。
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