JP4001489B2 - 印刷方法及び印刷システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード等の記録媒体に画像・文字などの各種情報を印刷するための印刷方法及び印刷システムであって、特に、印刷方式を切り換えて上記各種情報を記録媒体の表面に全面印刷することができる印刷方法及び印刷システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、クレジットカード、キャッシュカード、ライセンスカード、IDカード等のカード状記録媒体を作成する場合には、記録媒体に熱転写フィルムを介してサーマルヘッドで熱転写して所期の画像・文字などを記録する熱転写方式の印刷装置が用いられている。一例として特開平9−131930号公報には、画像・文字等を、熱転写フィルムを介して記録媒体に直接転写する直接転写方式の印刷装置が開示されている。この方式では、熱昇華性インクを用いることでインク特性による階調表現性に優れることから高画質の画像が得られるという利点を有するものの、画像等が転写される記録媒体の表面にこのインクを受容する受容層が必須となるので、記録媒体が限定されたり、又は、記録媒体の表面に受容層を形成する必要がある。
【0003】
一般に、熱昇華性インクを受容可能な記録媒体としてポリ塩化ビニル製カード(所謂PVCカード)が多用されているが、不要となったPVCカードを焼却すると公害物質が生成される等の理由により、最近ではポリエチレンテレフタレート製カード(所謂PETカード)等への切り換えが検討されている。更に、近年その利用範囲が拡大しつつあるICカードのように、ICチップやアンテナを埋め込むタイプのカード状記録媒体では、内部に埋め込まれたこれらの素子により表面に凹凸が生じるので、上記凹凸面への画像転写に支障をきたすなどの欠点も指摘されている。
【0004】
上述した不具合を解消する熱転写方式の印刷装置として、特許第2870574号公報には、一旦画像を中間転写フィルムに転写した後に、この画像を受像体である記録用紙に再転写する、所謂間接転写方式の印刷装置の技術が開示されている。この方式によると、直接転写方式で欠点とされた、受容層に関連した記録媒体の限定や記録媒体表面の凹凸面への画像転写時の不具合等の問題点を改善することができ、更には、カード状記録媒体への全面印刷が直接転写方式のものと比べて容易に行うことができる等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、間接転写方式では中間転写媒体を使用する必要があるので、直接転写方式のものよりランニングコストが高く、印刷に要する処理時間も余分に掛かる、という不利な点があると共に、カードデザイン上、表面は全面印刷が必要でも、裏面はカードの使用上の注意等を印刷して表示することが多いので、全面印刷を必要とするケースは少ないなど、両方式には一長一短がある。
【0006】
従って、PVCやPET等の記録媒体の材質の他、IC素子などの有無等を含めた記録媒体の特性や印刷目的に応じて、直接転写方式と間接転写方式とでその印刷方式を切り換えて記録媒体に画像等を印刷できる印刷装置が得られれば、記録媒体に最適な印刷方式で印刷することが可能となると共に、印刷に伴うランニングコストの低減を図ることできるので、将来このような印刷装置が普及するものと考えられる。
【0007】
また、現在のカード市場においては、見た目の美しさからカード状記録媒体の表面の全領域に印刷を施す、所謂全面印刷に対する需要が多くなり、一般的になりつつある。
【0008】
しかし、カード状記録媒体に全面印刷を行う場合、上記直接転写方式では通常カード状記録媒体と同一サイズで画像などの印画データを生成乃至作成して、これをカード状記録媒体に直接印刷し、また、上記間接転写方式においては、上述した特許第2870574号公報にも記載されているように、中間転写フィルムの熱伸縮に起因して中間転写フィルムに形成した印画データの領域とカード状記録媒体との位置合わせが困難となるため、中間転写フィルムに形成する印画データをカード状記録媒体より大きなサイズとして生成乃至作成する必要が生ずる。
【0009】
つまり、両方式を印刷装置内に共存させた構成で全面印刷処理(画像形成)を行う場合に、対象とする印画データ内容は同じであっても夫々の印刷方式に対応させて、夫々サイズの異なる2種類の印画データが必要となり手間がかかる上に、結果としてカード発行に際してはコスト高につながる、という問題点がある。
【0010】
本発明は上記事案に鑑み、直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて全面印刷が可能でランニングコストが低く汎用性の高い印刷方法及び印刷システムを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、供給部から供給される第1のカード状記録媒体を画像形成位置に搬送し、前記画像形成位置においてサーマルヘッドによりインク層を有する熱転写フィルムを介して前記第1のカード状記録媒体の少なくとも方の面の全領域に直接、正像画像を形成する第1の画像印刷モードと、一時的に画像を保持する中間転写媒体を前記画像形成位置に搬送し、前記画像形成位置において前記サーマルヘッドにより前記熱転写フィルムを介して前記中間転写媒体に鏡像画像を形成した後、前記中間転写媒体を画像転写位置に搬送するとともに、前記供給部から供給される第2のカード状記録媒体または前記第1のカード状記録媒体を前記画像転写位置に搬送して前記中間転写媒体に形成された鏡像画像を前記画像転写位置において前記第2のカード状記録媒体の少なくとも方の面または前記第1の画像印刷モードで一面側の全領域に正像画像が形成された前記第1のカード状記録媒体の他面の全領域に転写して正像画像を形成する第2の画像印刷モードと、を含み、前記第1の画像印刷モード若しくは前記第2の画像印刷モードに応じて、メモリに格納された単一の画像データのサイズを変倍し前記正像画像ないし前記鏡像画像を形成して前記第1のカード状記録媒体若しくは前記第2のカード状記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に画像を印刷する。
【0012】
本態様では、第1の画像印刷モードにおいて、第1の画像印刷モードに応じてメモリに格納された画像データのサイズを変倍して正像画像が形成され、次いで、供給部から供給される第1のカード状記録媒体が画像形成位置に搬送され、画像形成位置において、第1の画像印刷モードに応じて形成された正像画像が、インク層を有する熱転写フィルムを介してサーマルヘッドにより、第1のカード状記録媒体の少なくとも方の面の全領域に直接形成される。また、第2の画像印刷モードにおいて、第2の画像印刷モードに応じてメモリに格納された画像データのサイズを変倍して(第1の画像印刷モードでの画像データのサイズとは異なるサイズで)鏡像画像が形成され、次いで、一時的に画像を保持する中間転写媒体が画像形成位置に搬送され、画像形成位置において、第2の画像印刷モードに応じて形成された鏡像画像が、熱転写フィルムを介してサーマルヘッドにより、中間転写媒体に形成された後、中間転写媒体が画像転写位置に搬送されるとともに、供給部から供給される第2のカード状記録媒体または第1のカード状記録媒体が画像転写位置に搬送されて中間転写媒体に形成された鏡像画像が画像転写位置において第2のカード状記録媒体の少なくとも方の面または第1の画像印刷モードで一面側の全領域に正像画像が形成された第1のカード状記録媒体の他面の全領域に転写され正像画像が形成される。本態様によれば、第1若しくは第2の画像印刷モードに応じて、メモリに格納された単一の画像データのサイズを変倍し正像画像ないし鏡像画像を形成して第1のカード状記録媒体若しくは第2のカード状記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に画像が印刷されるので、直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて記録媒体に全面印刷が可能であると共に、第1の画像印刷モードと第2の画像印刷モードとで異なる画像データを必要としないことから、ランニングコストが低く汎用性の高い印刷方法を提供することができる。
【0013】
本態様において、中間転写媒体の検出情報、および/または画像印刷モードを指示する指示情報に従って画像データのサイズを変倍するようにしてもよい。画像印刷モードを指示する指示情報には、オペレータによる操作部からの手入力にる指示情報やコンピュータからの指示情報が含まれる。また、画像データのサイズを変倍して画像を形成するときに、第1のカード状記録媒体若しくは第2のカード状記録媒体の縦横サイズ比率の範囲内において、画像データの縦横サイズに対する変倍比率を可変に設定して画像を形成するようにしてもよい。
【0014】
また、本態様において、第1の画像印刷モードが選択されたときに、画像データのサイズと同一または画像データのサイズを縮小して第1のカード状記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に画像を印刷するようにしてもよい。画像データを縮小して画像を形成するときに、縮小された画像データの各画素において、所定周囲の複数画素の平均階調値を算出して、この算出された平均階調値を当該画素の階調値に設定することができる。一方、第2の画像印刷モードが選択されたときに、画像データのサイズと同一または前記画像データのサイズを拡大して中間転写媒体に画像を形成した後、該形成した画像を第2のカード状記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に転写するようにしてもよい。画像データを拡大して画像を形成するときに、拡大された画像データの各画素において、隣接する画素間の階調値の変化量から所定の変化点を求め、この変化点における当該画素の階調値を増減させて、隣接する画素に対する階調値の変化量を異ならせたり、所定周囲の複数画素の平均階調値を算出して、この算出された平均階調値と当該画素の階調値との差分を求め、該求めた差分を当該画素の平均階調値に加算または減算して当該画素に対する階調値を設定すれば、輪郭(エッジ)を強調することができ、画像データのサイズの変倍がなされても、第1、第2のカード状記録媒体に画像データによる高画質の画像が確保される。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、画像を生成する画像生成装置と、前記画像生成装置で生成された画像を印刷する画像印刷装置とを備えた印刷システムにおいて、前記画像印刷装置は、カード状記録媒体を供給する供給部と、インク層を有する熱転写フィルムを介して前記供給部から供給された記録媒体及び一時的に画像を保持する中間転写媒体に選択的に画像を形成する単一の印刷手段と、前記中間転写媒体に形成された画像を前記供給部から供給された第1の記録媒体又前記供給部から供給された第2の記録媒体に転写する転写手段と、前記第1ないし第2の記録媒体を挟持したまま回転させて前記印刷手段及び前記転写手段との間で前記第1ないし第2の記録媒体の授受を行う回転手段と有し、前記印刷手段により前記第1の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に正像画像を形成する第1の画像印刷モード、若しくは前記印刷手段により前記中間転写媒体に鏡像画像を形成した後、前記転写手段により前記中間転写媒体に形成された鏡像画像を前記第1の画像印刷モードで一面側の全領域に正像画像が形成された前記第1の記録媒体の他面側又は前記第2の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に転写して正像画像を形成する第2の画像印刷モードに応じて、前記画像生成装置で生成された単一の画像データのサイズを変倍する画像変倍手段を備える。
【0016】
本態様では、印刷システムが画像を生成する画像生成装置と、画像生成装置で生成された画像を印刷する画像印刷装置とを備えおり、画像印刷装置は、カード状記録媒体を供給する供給部と、インク層を有する熱転写フィルムを介して供給部から供給された記録媒体及び一時的に画像を保持する中間転写媒体に選択的に画像を形成する単一の印刷手段と、中間転写媒体に形成された画像を供給部から供給された第1の記録媒体又供給部から供給された第2の記録媒体に転写する転写手段と、第1ないし第2の記録媒体を挟持したまま回転させて印刷手段及び転写手段との間で第1ないし第2の記録媒体の授受を行う回転手段とを有している。そして、画像生成装置及び画像印刷装置のいずれかは、印刷手段で第1の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に正像画像を形成する第1の画像印刷モード、若しくは印刷手段で中間転写媒体に鏡像画像を形成した後、転写手段により中間転写媒体に形成された鏡像画像を前記第1の画像印刷モードで一面側の全領域に正像画像が形成された第1の記録媒体の他面側又は第2の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に転写して正像画像を形成する第2の画像印刷モードに応じて、画像生成装置で生成された単一の画像データのサイズを変倍する画像変倍手段を備えている。本態様では、画像変倍手段により、印刷手段で第1の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に正像画像を形成する第1の画像印刷モード、若しくは印刷手段で中間転写媒体に鏡像画像を形成した後、転写手段により中間転写媒体に形成された鏡像画像を第1の画像印刷モードで一面側の全領域に正像画像が形成された第1の記録媒体の他面側又は第2の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に転写して正像画像を形成する第2の画像印刷モードに応じて、画像生成装置で生成された単一の画像データのサイズが変倍され、第1の画像印刷モードでは、単一の印刷手段により、インク層を有する熱転写フィルムを介して第1の記録媒体に正像画像が形成され、第2の画像印刷モードでは、単一の印刷手段により、熱転写フィルムを介して中間転写媒体に鏡像画像が形成され、転写手段により、中間転写媒体に形成された鏡像画像が第1又は第2の記録媒体に転写される。第1ないし第2の記録媒体は、回転手段により印刷手段及び転写手段との間での授受が行行われる。本態様によれば、画像変倍手段で画像データのサイズを変倍した画像が第1、第2の画像印刷モードに応じて第1、第2の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に画像が印刷されるので、直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて記録媒体に全面印刷が可能であると共に、第1の画像印刷モードと第2の画像印刷モードとで異なる画像データを必要としないことから、ランニングコストが低く汎用性の高い印刷システムを提供することができる。
【0017】
本態様において、画像縮小に伴う画質劣化を防止するために、画像変倍手段は、画像データのサイズを縮小して画像を形成するとき、縮小された画像データの各画素において、所定周囲の複数画素の平均階調値を算出して、この算出された平均階調値を当該画素の階調値に設定したり、拡大された画像データの各画素において、隣接する画素間の階調値の変化量から所定の変化点を求め、この変化点における当該画素の階調値を増減させて、隣接する画素に対する階調値の変化量を異ならせることが好ましい。また、第1の画像印刷モード、若しくは第2の画像印刷モードのいずれか一方を選択する画像印刷モード選択手段を更に備え、この画像印刷モード選択手段が、中間転写媒体の検出情報、および/または手動設定による画像印刷モード設定信号、および/または画像生成装置からの指示情報に従って、第1の画像印刷モード及び第2の画像印刷モードのいずれかを判断して選択するようにしてもよい。更に、画像変倍手段は、画像印刷モード選択手段によって第2の画像印刷モードが選択されたときに、記録媒体の縦横サイズ比率の範囲内において、画像データの縦横サイズに対する拡大比率を可変に設定するように変倍処理を行うようにしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明が適用可能な印刷システムの第1の実施の形態について説明する。
【0019】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の印刷システムは、IDカード等の記録媒体に画像を印刷する、画像印刷装置としての印刷装置1と、生成乃至作成した画像データを印刷装置1に送出する、画像生成装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)PCと、がSCSI等の接続ケーブルCBにより接続されて構成されている。
【0020】
図2に示すように、印刷装置1は、ハウジングとなる筐体2内に、記録媒体としてのカードCに直接転写方式により画像を形成する(印刷する)ためのカード搬送路となる第1カード搬送路P、及び、中間転写媒体としての中間転写シートF上に一時的に保持された画像を間接転写方式によりカードCに転写するためのカード搬送路となる第2カード搬送路Pを有している。第2カード搬送路Pは略水平方向に配されており、第1カード搬送路Pは略垂直方向に配されている。第1カード搬送路Pと第2カード搬送路Pとは交点Xで直交状に交差している。
【0021】
第2カード搬送路P上には、カードCを1枚ずつ分離して第2カード搬送路Pに送り出すカード供給部3、カード供給部3の下流側でカードCの両面を清浄するクリーナ4、クリーナ4の下流側で交点Xを回転中心としてカードCを挟持したまま回転乃至反転させ第1カード搬送路P方向にカードCの搬送路を直交状に切り換え可能な反転部5がそれぞれ配設されている。
【0022】
カード供給部3は、複数のカードCを積層状に収容するカードスタッカを有している。カードスタッカの第2カード搬送路Pに臨む位置には、1枚のみのカードCの通過を許容する開口スロットを有したスタッカ側板32が配置されており、カードスタッカの底部には、回転することでカードスタッカに積層収容された複数のカードCのうち最底部に位置するカードCを第2カード搬送路Pに送り出すキックローラ31が圧接配置されている。
【0023】
クリーナ4は、第2カード搬送路Pを挟んで対をなして対峙し表面に粘着性物質を塗着したゴム材料等のクリーニングローラ34とこのクリーニングローラ34に圧接する圧接ローラ35を有している。
【0024】
反転部5は、カードCを挟持可能に対をなすピンチローラ38、39、これらのピンチローラを回転可能に支持して交点Xを中心として回転乃至反転する回転枠40を有している。これらのピンチローラ38、39は、一方が正逆転可能な駆動ローラであり、他方が従動ローラである。ピンチローラ38、39は、回転枠40が水平状態においては第2カード搬送路Pを挟んで圧接し合い(図2の実線の状態)、垂直状態においては第1カード搬送路Pを挟んで圧接し合う(図2の二点鎖線の状態)。ピンチローラ38、39の間にカードCを挟持した状態で回転枠40を回転乃至反転させると、ピンチローラ38、39も共回りしてカードCを変位させてしまうので、反転部5での回転乃至反転動作は、回転枠40の回転乃至反転とピンチローラ38、39との回転とは独立して駆動される。
【0025】
なお、反転部5の近傍には、回転枠40の回転角度を検出する図示しない一体型透過センサ(スリット板との組合せ)が配置されている。また、ピンチローラ38、39の回転方向を判断するために、ピンチローラ38、39のいずれか一方の位置を検出するための図示しない一体型透過センサ(半月板との組合せ)が配設されており、回転枠40の回転角度を任意に設定することができると共に、ピンチローラ38、39によるカードCの搬送方向が制御される。
【0026】
また、印刷装置1には、第1カード搬送路P上で反転部5の下流側(図2の矢印U側)に、後述する画像形成制御部19C(図5参照)から送出される印刷データ(正像データ、鏡像データ)に従って熱転写インクを用いてカードC又は中間転写シートFに画像を形成する印刷手段としての画像形成部9が配置されている。画像形成部9は、熱転写プリンタの構成が採用されており、カードCへの印刷時にカードCを支持するプラテンローラ21及びプラテンローラ21に対して進退可能に配設されたサーマルヘッド20を有している。プラテンローラ21とサーマルヘッド20との間には熱転写シートRが介在している。
【0027】
図13(A)〜(C)に示すように、プラテンローラ21に対するサーマルヘッド20の進退運動は、サーマルヘッド20を着脱可能に保持する図示しないホルダと、このホルダに固定された従動ローラ22と、従動ローラ22に周接しながらカム軸24を中心にいずれかの方向(矢印A方向、またはその反対方向)に回転する非円形のサーマルヘッド進退カム23と、ホルダをサーマルヘッド進退カム23に圧接させる図示しないバネとを有する進退駆動ユニットにより実行される。
【0028】
図4(A)に示すように、熱転写シートRは、例えばフィルム上にカードCの長手方向の長さより若干大きい幅で、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、及びBk(ブラック)の熱昇華性インクが順に塗着されており、Bk(ブラック)の次には画像が形成されたカードCの表面を保護する保護層領域Tを面順次に繰り返した帯状の形状を有している。
【0029】
図13(B)、(C)に示すように、熱転写シートRは、熱転写シートRをロール状に捲回した熱転写シート供給部14から供給され、複数のガイドコロ53及び上述した図示しないホルダに固着されたガイド板25により案内されサーマルヘッド20の先端部に略全面を当接させながら、巻取ローラ対57の回転駆動と共に駆動し熱転写シートRをロール状に巻き取る熱転写シート巻取部15に巻き取られる。熱転写シート供給部14及び熱転写シート巻取部15は、サーマルヘッド20の両側の位置に配設されており、中心部はそれぞれスプール軸に装填されている。また、画像形成部9には、熱転写シートRの位置出し用マーク又は熱転写シートRのBkの位置を検出するための発光素子S及び受光素子S(以下、受光センサSという。)が、熱転写シート供給部14及びサーマルヘッド20間に配設された2つのガイドコロ53の間に、熱転写シートRに対して離間状態で直交するように配置されている。
【0030】
なお、巻取ローラ対57の駆動側ローラ軸には同軸上に図示しないギヤが嵌着されており、このギヤは同軸上に図示しないクロック板を有するギヤに噛合している。また、図示しないクロック板の近傍には、熱転写シートRの巻き取り量を管理するために図示しないクロック板の回転を検出する図示しない一体型透過センサが配設されている。
【0031】
図13(A)に示すように、カードC(又は後述する中間転写シートF)に対する熱転写シートRを介してのサーマルヘッド20の印刷位置(加熱位置)Srは、プラテンローラ21の周部であって第1カード搬送路Pに接する部分に対応している。図13(B)に示すように、画像形成部9の両側には、印刷位置Srに対してカードCを上下方向に搬送するように同期して回転し、一定の回転速度を有するキャプスタンローラ74とキャプスタンローラ74に圧接するピンチローラ75とで構成される上部ローラ対、及び、キャプスタンローラ78とピンチローラ79とで構成される下部ローラ対が第1カード搬送路Pを挟むように配設されている。
【0032】
図2及び図13(A)〜(C)に示すように、プラテンローラ21には中間転写シートFがサーマルヘッド20側の周面に掛け渡されている。図4(B)に示すように、中間転写シートFは、ベースフィルムFa、ベースフィルムFaの背面側に形成された背面コート層Fb、インクを受容する受容層Fe及び受容層Feの表面を保護するオーバーコート層Fd、ベースフィルムFaの表面側に形成され加熱によりオーバーコート層Fd及び受容層Feを一体としてベースフィルムFaからの剥離を促進する剥離層Fcが、下側から背面コート層Fb、ベースフィルムFa、剥離層Fc、オーバーコート層Fd及び受容層Feの順で積層されて形成されている。中間転写シートFは、受容層Fe側が熱転写シートRと対向し、背面コート層Fb側がプラテンローラ21に当接するように掛け渡されている。印刷位置Srにおいて、カードCに直接転写方式で印刷される際(図13(B)参照)及び中間転写シートに画像が形成される際(図13(C)参照)の中間転写シートFの搬送速度は、熱転写シートRの搬送速度と同一搬送速度に設定されている。更に、カードCに直接転写方式で印刷される際には、中間転写シートFの搬送速度とカードCの搬送速度とが同一搬送速度に設定されている。なお、画像形成部9には、図13(A)〜(C)に示すように、中間転写シートFの位置出し用マークを検出するための発光素子S及び受光素子S(以下、受光センサSという。)が、プラテンローラ21とガイドコロ91との間に中間転写シートFに対して離間状態で直交するように配置されている。
【0033】
また、図2に示すように、印刷装置1には、第2カード搬送路P上で反転部5の下流側(矢印L側)に、カードCを水平方向に搬送する水平搬送ローラ対11、画像形成部9で中間転写シートFに形成された画像をカードCに転写する転写手段としての転写部10、カードCを筐体2の外部に排出する排出ローラ対142を含むと共に、複数の搬送ローラ対を有しカードCを水平方向に搬送する水平搬送部12が順に配設されている。
【0034】
転写部10は、カードCへの中間転写シートFの転写時にカードCを支持するプラテンローラ50及びプラテンローラ50に対して進退可能に配設されたヒートローラ45を有している。ヒートローラ45には、中間転写シートFを加熱するための発熱ランプ46が内蔵されている。プラテンローラ50とヒートローラ45との間には中間転写シートFが介在している。
【0035】
図14(A)、(B)に示すように、プラテンローラ50に対するヒートローラ45の進退運動は、ヒートローラ45を着脱可能に保持するホルダ49と、ホルダ49に固定された従動ローラ43と、従動ローラ43に周接しながらカム軸52を中心に一方向(矢印B方向)に回転する非円形のヒートローラ昇降カム51と、ホルダ49に内蔵されホルダ49の上面をヒートローラ昇降カム51に圧接させる図示しないバネとを有する昇降駆動ユニットにより実行される。
【0036】
図2に示すように、中間転写シートFは、中間転写シートFをロール状に捲回した中間転写シート供給部16から供給され、従動ローラ59を伴う搬送ローラ58、ガイドコロ60及びプラテンローラ21、ガイドコロ91、ピンチローラ89と共に中間転写シートFに逆張力を加えるバックテンションローラ88、ガイドコロ92、ガイドコロ44、ヒートローラ45の両側に配置され転写部10を構成するフレームに固着されたガイド板47等で案内され、転写時にはカードCを介して第2カード搬送路P上でプラテンローラ50とヒートローラ45とに挟まれて、中間転写シートFをロール状に巻き取る中間転写シート巻取部17に巻き取られる。
【0037】
また、転写部10には、第2カード搬送路Pを挟んで圧接し合い、水平搬送部12の転写部10側に配置されたキャプスタンローラ対141と共にカードCを矢印L方向又は矢印R方向に搬送可能で、キャプスタンローラを駆動ローラとする搬送ローラ対48が、水平搬送ローラ対11の下流側かつプラテンローラ50の上流側に配設されている。第2カード搬送路P上で反転部5より下流側の水平搬送ローラ対11、搬送ローラ対48、プラテンローラ50、及び水平搬送部12の各ローラ対は、複数のギヤを介して正逆転可能な図示しないパルスモータM3により回転駆動される。なお、転写部10には、中間転写シートFの位置出し用マークを検出するための発光素子及び受光素子が、ガイドコロ44とガイド板47と間に中間転写シートFを跨ぐように配設されている。
【0038】
図3に示すように、図2に示した筐体2、第1カード搬送路P及び第2カード搬送路Pで画定される領域には、正逆転可能なパルスモータM1と、同じく正逆転可能なパルスモータM2とを駆動動力源とする駆動機構が配設されている。パルスモータM1のモータ軸には、タイミングプーリ(以下、単にプーリという。)61が嵌着されており、プーリ63との間に無端タイミングベルト(以下、単にベルトという。)62が巻き掛けられている。プーリ63の軸にはプーリ63より小径のプーリ64が嵌着されている。
【0039】
プーリ64にはベルト65がプーリ66との間で巻き掛けられている。プーリ66の軸には電磁クラッチ67が嵌着されている。電磁クラッチ67は、直接転写におけるカードCの搬送時、サーマルヘッド20のカードCへの直接転写時、及び、サーマルヘッド20の中間転写シートFへの画像形成時に、電磁クラッチ67の軸に嵌着されたプーリ68にプーリ66の回転駆動力を連結する。プラテンローラ21には同軸上にプーリ70が嵌着されており、プーリ68とプーリ70とにはベルト69が巻き掛けられている。また、プラテンローラ21の同軸上にはプラテンローラ21より大径のギヤ71が嵌着されている。ギヤ71にはギヤ72、76が噛合している。ギヤ72は同軸上にピンチローラ75に圧接するキャプスタンローラ74を有するギヤ73に噛合しており、ギヤ76は同軸上にピンチローラ79に圧接するキャプスタンローラ78を有するギヤ77に噛合している。
【0040】
また、プーリ64には別のベルト81が捲き掛けられており、プーリ82に回転駆動力を伝達する。プーリ82の軸にはギヤ84に噛合するギヤ83が嵌着されている。ギヤ84の軸にはギヤ84より小径のギヤ85が嵌着されており、ギヤ85はギヤ86と噛合している。ギヤ86の軸にはトルクリミッタ87が嵌着されており、トルクリミッタ87を介して回転駆動力がバックテンションローラ88に伝達される。バックテンションローラ88にはピンチローラ89が圧接されている。バックテンションローラ88と同軸にはクロック板90が嵌着されている。中間転写シートFが正逆方向に送られるときに、バックテンションローラ88は中間転写シートFと同期して回転する。クロック板90の近傍には、中間転写フィルムFの搬送量(送り量、戻し量)を管理するためにクロック板90の回転量を検出する一体型透過センサSが配設されている。
【0041】
一方、パルスモータM2のモータ軸には、プーリ93が嵌着されており、プーリ95との間にベルト94が巻き掛けられている。プーリ95の軸にギヤ96が嵌着されている。
【0042】
ギヤ96は、反時計回りでギヤ96からの駆動が伝達され時計回りでフリーとなる(空回りする)軸に嵌着されたワンウェイギヤ97に噛合している。ワンウェイギヤ97の軸にはギヤ98及びプーリ99が嵌着されており、ギヤ98は時計回りでフリーとなり反時計回りでロックされるワンウェイギヤ101に噛合している。プーリ99にはプーリ103との間でベルト102が捲き掛けられている。プーリ103の軸にはギヤ104が嵌着されており、ギヤ104はギヤ105と噛合している。ギヤ105の軸にはトルクリミッタ106が嵌着されており、トルクリミッタ106を介して回転駆動力がギヤ107に伝達される。ギヤ107の同軸上にはクロック板108が嵌着されている。ギヤ107は、中間転写シートFを巻き取るための巻取スプール軸110に嵌着されたギヤ109と噛合している。クロック板108の近傍には、クロック板108の回転を介して巻取スプール軸110の回転量を検出すると共に、巻取スプール軸110の回転を検出して中間転写シートFの破断不良を検出する一体型透過センサSが配設されている。
【0043】
また、ギヤ96は、ワンウェイギヤ97の反対側で、時計回りでギヤ96からの駆動が伝達され反時計回りでフリーとなる軸に嵌着されたワンウェイギヤ111に噛合している。ワンウェイギヤ111の軸にはギヤ112及びプーリ113が嵌着されており、ギヤ112は反時計回りでフリーとなり時計回りでロックされるワンウェイギヤ114に噛合している。プーリ113にはプーリ116及びプーリ125との間でベルト115が捲き掛けられている。なお、このベルト115が一定張力を保つように、ベルト115で連なるプーリ116とプーリ125の間にはテンションローラ126が配設されている。プーリ116の軸にはギヤ117が嵌着されており、ギヤ117はギヤ118と噛合している。ギヤ118の軸にはトルクリミッタ119が嵌着されており、トルクリミッタ119を介して回転駆動力がギヤ123に伝達される。ギヤ123と同軸にはクロック板121が嵌着されている。ギヤ123は、中間転写シートFを供給するための供給スプール軸120に嵌着されたギヤ124と噛合している。クロック板121の近傍には、クロック板121の回転を介して供給スプール軸120の回転を検出すると共に、供給スプール軸120の回転を検出して中間転写シートFの破断不良を検出する一体型透過センサSが配設されている。なお、供給スプール軸120には中間転写シート供給部16が装填され、巻取スプール軸110には中間転写シート巻取部17が装填されている。
【0044】
一方、プーリ113からの駆動はベルト115を介してプーリ125にも伝達される。プーリ125の軸にはギヤ127が嵌着されており、ギヤ127はギヤ128に噛合している。更に、ギヤ128と同軸に配設されたギヤ129を介して駆動がギヤ130へと伝達されていく。ギヤ130の軸には電磁クラッチ131が嵌着されている。電磁クラッチ131は、中間転写シートFの巻き戻し(Rv)時のみ電磁クラッチ131の軸に嵌着されたギヤ132を介してギヤ130の回転駆動力をギヤ133に連結する。ギヤ133の軸にはトルクリミッタ134が嵌着されており、トルクリミッタ134を介して回転駆動力が中間転写シートFを搬送する搬送ローラ58に伝達される。なお、上記電磁クラッチ131の駆動連結時における供給スプール軸120、プラテンローラ21及び搬送ローラ58による中間転写シートFの搬送速度は、供給スプール軸120>搬送ローラ58>プラテン21の関係にあり、トルク管理については、プラテン21>搬送ローラ58>供給スプール軸120となるように設定されている。
【0045】
中間転写シートFの送り(Fw)と巻き戻し(Rv)は主にパルスモータM2の回転方向を切り換えることにより行われ、中間転写シートFの巻き戻し(Rv)動作において行われる中間転写シートFへの画像形成時では、供給スプール軸120、プラテンローラ21及びバックテンションローラ88による中間転写シートFの搬送速度は、供給スプール軸120>プラテンローラ21>バックテンションローラ88の関係にある。このため、サーマルヘッド20を離間して中間転写シートFを送る際には、中間転写シートFの弛みを防止するために、電磁クラッチ67により駆動が切り離される。
【0046】
図2に示すように、筐体2には、第2カード搬送路Pの矢印L方向への延長線上に、印刷処理が終了したカードCを筐体2の外部へ排出する排出口27が形成されている。排出口27の下側には、カードCを積層してストックするスタッカ13が筐体2に着脱可能に装着されている。なお、クリーナ4と反転部5との間に一体型透過センサSが、反転部5の近傍でキャプスタンローラ78側に一体型透過センサSが、キャプスタンローラ78とサーマルヘッド20との間に一体型透過センサSが、搬送ローラ対48の近傍で水平搬送ローラ対11側に一体型透過センサSが、キャプスタンローラ対141と排出ローラ対142との間に配設された駆動を持たないローラ対の近傍で排出ローラ対142側に一体型透過センサSが、水平搬送部12と排出口27との間に一体型透過センサS10が、水平搬送ローラ対11側の反転部5の近傍に一体型透過センサS11が、それぞれ配設されており(図示省略)、第1カード搬送路P又は第2カード搬送路Pに沿って搬送されるカードCの先端又は後端が検出される。なお、以下の説明においては、一律にカードCの搬送方向を基準として、カードCの搬送方向先端を先端、搬送方向後端を後端という。
【0047】
更に、図2に示すように、印刷装置1は、筐体2内に、商用交流電源から各機構部及び制御部等を駆動/作動可能な直流電源に変換する電源部18、印刷装置1全体の動作制御を行う制御部19、並びに、筐体2の上部に制御部19からの情報に従って印刷装置1の状態等を表示すると共に、オペレータによる手動操作で制御部19に操作命令が指示可能なタッチパネル8を備えている。
【0048】
図5に示すように、制御部19は、印刷装置1の制御処理を行う、画像変倍手段及び画像印刷モード選択手段としてのマイコン19Aを有している。マイコン19Aは、中央演算処理装置として高速クロックで作動するCPU、印刷装置1の制御動作が記憶されたROM、CPUのワークエリアとして働くRAM及びこれらを接続する内部バスで構成されている。
【0049】
マイコン19Aには外部バス19Jが接続されている。外部バス19Jには、タッチパネル8の表示や操作命令を制御するタッチパネル表示操作制御部19H、各種センサからの信号を制御するセンサ制御部19F、各モータに駆動パルスを送出するモータドライバを制御すると共に電磁クラッチのオン・オフを制御するアクチュエータ制御部19D、パソコンPCとの通信を行うための外部入出力インターフェース19G、カードCに印刷すべき画像データ等を一時的に格納するバッファメモリ19E、画像形成部9のサーマルヘッド20の熱エネルギーや転写部10の発熱ランプ46等を制御する画像形成制御部19C、及び、パソコンPCから受信した画像データ及び後述する階調補正後の画像データを格納するSDRAM(画像メモリ)19Bが接続されている。タッチパネル表示操作制御部19H、センサ制御部19F、画像形成制御部19C並びにアクチュエータ制御部19Dは、タッチパネル8、センサSa〜Sc、S〜S11を含むセンサ、パルスモータM1〜M3等を駆動させるドライバ及び電磁クラッチ67、131、並びにサーマルヘッド20及び発熱ランプ46にそれぞれ接続されている。
【0050】
(動作)
次に、フローチャートを参照して、本印刷システムの印刷装置1の動作について制御部19のマイコン19AのCPUを主体として説明する。
【0051】
図6に示すように、印刷装置1に電源が投入されると、CPUは、直接転写方式又は間接転写方式でカードC上に画像を形成するための画像形成ルーチンを実行する。画像形成ルーチンでは、まず、ステップ202でパソコンPCから画像データを受信するまで待機し、画像データを受信すると、次のステップ204において、画像データの変倍(拡大・縮小)及び変倍後の画像データの階調補正を行うための変倍・階調補正処理サブルーチンを実行する。
【0052】
図7に示すように、この変倍・階調補正処理サブルーチンでは、ステップ302において、画像データの主走査方向(短手方向)及び副走査方向(長手方向)の画像サイズ(画像データによる画像サイズ)を取得する。このような取得方法としては、例えば、画像データのヘッダ部情報から画像サイズを得るようにしてもよい。次のステップ304では、パソコンPCから受信した画像データを、外部入出力インターフェース19G、バッファメモリ19Eを介して、SDRAM19Bに格納する。
【0053】
次いでステップ306では、カードCへの画像データによる画像を間接転写で実行するか否かを判断する。このような判断は、パソコンPCから第1の画像印刷モードとしての直接転写モード又は第2の画像印刷モードとしての間接転写モードを指定するモード指定信号を受信して該受信したモード指定信号により行っても、オペレータがタッチパネル8から手動入力した直接転写モード又は間接転写モードの指示に従って行ってもよい。更には、パソコンPCやタッチパネル8から入力された情報によらず、CPUが独自に判断するようにしてもよい。すなわち、ガイドコロ44とガイド板47との間に配設された発光素子及び受光素子が中間転写シートFを検出しないときに直接転写、検出したときに間接転写と判断するようにしてもよい。
【0054】
ステップ306での判断が判断が肯定(間接転写)のときは、次のステップ308において、画像サイズが予め入力されているカードサイズ(カードCの所定寸法)より大きいか否かを判断し、肯定判断のときは、画像サイズを拡大することなく等倍(同一)のままとしてステップ326へ進み、否定判断のときは、ステップ312へ進む。
【0055】
ステップ312では、SDRAM19Bに格納した画像データの拡大処理を実行する。図10(A)に示すように、IDカード等に使用されるカードとして最も一般的なカードサイズは、サーマルヘッド20に対する主走査方向となるカードCの縦方向(短手方向)は54mmであり、サーマルヘッド20に対する副走査方向(ライン方向)となるカードCの横方向(長手方向)は85.6mmである。従って、一般的なIDカードの縦横比は、1(縦):1.585(横)となる。また、図10(B)は、例えばIDカードとして印刷発行される際の各種データのレイアウト構成を概略的に示している。IDカードを社員証として使用する場合、例えば、社員本人の顔写真とともに、会社のロゴ、□や○で表される社員の個人情報(会社名、所属部署名、社員番号、個人氏名など)が印刷され、必要に応じて線などの紋様とともに、縁部分には背景画が配置されることもある。上述したように、最近では、これらの各種情報がパソコンPC側で任意にレイアウトされてカードの全面に対して印刷されたIDカードとして各種用途に応じて用いられている。
【0056】
図11(A)、(B)は、ステップ312での、SDRAM19Bに格納された画像データを拡大処理する概念を模式的に示したものである。破線で示すエリアが元の(拡大処理前の)画像データの大きさであり、カードCと同一サイズである。図11(A)は、元の画像データのカードCの縦・横方向に対応した夫々の方向を同じ寸法(図面上は寸法a)で拡大した画像データを示しているが、この場合、上述したように、カードには54mm:85.6mm=1:1.585という比率が存在する以上、その縦・横方向において等倍の拡大率にはならず、拡大した画像は少し縦長の画像となってしまう(例えば、円が縦長の楕円となる。)ので、正確な画像データとして表れないことになり、見た目の不自然さが問題となる。
【0057】
一方、図11(B)は、元の画像データのカードの縦・横方向に対応した夫々の方向を、カードの縦・横寸法比に対応させて拡大した画像データを示している。これは、カードの縦方向に対応した画像の縦方向である、サーマルヘッド20に対して主走査方向を夫々寸法bの拡大とし、また、カードの横方向に対応した画像の横方向である、サーマルヘッド20に対して副走査方向を夫々寸法aの拡大としており、この場合は、寸法a:寸法b=1:1.585の関係を以って拡大しているため、元の画像データに対して縦・横方向で等倍の拡大率となり、元画像の円が上述したような楕円になることはなく、見た目の不自然さは存在しないものの、中間転写媒体から最終的にカードに転写された画像は副走査方向である横方向においてカットされる(カードCに転写されない)領域が主走査方向である縦方向の領域より大きいので、例えば、カードの縁部に配置した線などの紋様の一部が形成できないといった不具合が生じる。これも見た目には違和感を生じさせものである。
【0058】
そこで、本実施形態では、画像データの縦横サイズに対する拡大比率を、カードCの縦横サイズ比率の範囲内において可変に設定できるように構成した。すなわち、ステップ312では、例えば、図11(A)又は図11(B)のいずれか一方に示す画像データの拡大を行い、拡大された画像データをパソコンPCに送出して、パソコンPCのディスプレイ(又は、タッチパネル8)を介してユーザに拡大後の画像を確認させ、画像データの拡大比率の変更を希望する場合にパソコンPCからその比率を取り込んで、再度パソコンPCのディスプレイ(又は、タッチパネル8)を介してユーザに拡大後の画像を確認させることを繰り返すことによって、ユーザが希望する画像データの拡大比率となったときに、例えば、パソコンPCのキーボードのリターンキーの押下信号を受信して、ユーザが所望の画像データのサイズ拡大を行う。
【0059】
次いで、ステップ314及びステップ316では、ステップ312のように解像度一定の条件下で拡大処理を行うと、階調変化の傾きがゆるやかなものとなり、所謂エッジ(輪郭/境界)がぼやけ、画質がぼけた感じで表れてしまうので、これを補正するために、所謂、輪郭強調処理を拡大した画像データの各画素に対して行う。
【0060】
ステップ314では、拡大された画像データを構成する各画素について、注目画素の階調値と周囲の複数画素の平均値との比較を行う。すなわち、図12に示すように、例えば、注目(着目)画素をX、その主走査及び副走査方向の両隣に隣接する画素をA、C及びB、Dとすると、注目画素Xの階調値と周囲の画素A〜Dの平均階調値とを比較して、両者の階調値の差分Yを算出する。更に詳述すると、注目画素Xの階調値と周囲の画素の平均階調値との差分Yは、(周囲の画素の平均階調値)−(注目画素の階調値)=(差分Y)に対応させて、〔(A+B+C+D)/4〕−X=Yで求めることができる。
【0061】
次にステップ316において、周囲の画素の平均階調値が注目画素Xの階調値より小さい(差分Y<0)か否かを判断し、肯定判断のときは、差分Yを注目画素Xに加算した値(X+Y)を注目画素Xの補正階調値として設定し、否定判断のときは、差分Yを注目画素Xから減算した値(X−Y)を注目画素Xの補正階調値として設定して、画像データの全画素について同様の処理を行う。これにより、着目画素Xについて、差分Y<0のときは、周囲の平均階調値より更に大きな値を持つことで輪郭が更に強調され、カードCに画像が印刷された際の見た目の(画質の)ぼけた感じが解消され、差分Y>0のときは、周囲の平均階調値より更に小さな値を持つことで輪郭が更に強調されて、この場合も見た目の(画質の)ぼけた感じが解消される。従って、ステップ316で、拡大された画像データの全画素について階調値の補正を行うことで、カードCに画像を形成したときに画質のぼけた感じの解消を図ることができる。なお、Y=0のときは、階調補正が不要なため、当該着目画素Xについての補正階調値の設定は行われない。更に、本実施の形態においては上述したように、拡大された画像データの階調補正として、注目画素の階調値と周囲の複数画素の平均値との比較による手法を用いたが、これに限らず、図16(A)〜(C)に示すように、従来周知の2回差分(または2回微分、以下同じ。)による手法を用いるようにしてもよい。つまり、隣接する画素間における階調値の変化点を2回差分により求めて、この2回差分によって求められた値、または所定の値を補正値として上記変化点に存在する画素へ加味することで、同様に階調変化の傾きを際立たせる(傾きをより立てる)補正処理を採用することで、同じように輪郭強調処理を行うことができるものである(図16(D)参照)。なお、図16(D)では、元の画像データの階調変化を一点差線で示し、輪郭強調処理を行った階調補正後の階調変化を二点差線で示している。
【0062】
ステップ326では、転写方式(間接転写)を表すデフォルト値をRAMに格納し、ステップ316で階調補正を行った画像データをSDRAM19Bに格納して、変倍・階調補正処理サブルーチンを終了し図6のステップ206へ進む。
【0063】
一方、ステップ306での判断が否定(直接転写)のときは、ステップ318において、画像サイズがカードサイズと同じか否かを判断する。肯定判定のときは、画像データのサイズの変更は必要ないので、ステップ326へ進み、転写方式(直接転写)を表すデフォルト値をRAMに格納し、ステップ302でSDRAM19Bに格納した画像データをそのままの状態として、変倍・階調補正処理サブルーチンを終了し図6のステップ206へ進む。一方、否定判定のときは、ステップ320において、SDRAM19Bに格納した画像データの縮小処理を実行する。この縮小処理では、ステップ312と同様に、ユーザが所望の画像データのサイズ縮小を行う。
【0064】
次のステップ322及びステップ324では、ステップ320で縮小した画像データの全画素についてスムージング処理を行う。すなわち、例えば、上述した特許2736803号公報のアルゴリズムに基づいて画像データの縮小処理を行うと、解像度一定の条件下では、階調変化の傾きが急激なものとなり、所謂エッジ(輪郭/境界)がきつくなることで画質はシャープになりすぎて、見た目にはざらつき感が生じてしまう。このため、カードCに画像が印刷された際に見た目のざらつき感を排除するスムージング処理が行われる。
【0065】
ステップ322では、縮小された画像データを構成する各画素について、注目画素の周囲の複数画素の平均階調値の算出を行う。すなわち、図12の例に則して説明すると、注目画素Xについて〔(A+B+C+D)/4〕を求める。次にステップ324において、縮小された画像データを構成する各画素について、注目画素Xの補正階調値を周囲の平均階調値である〔(A+B+C+D)/4〕に設定し、ステップ326で、転写方式(直接転写)を表すデフォルト値をRAMに格納し、ステップ324で階調補正を行った画像データをSDRAM19Bに格納して、変倍・階調補正処理サブルーチンを終了し図6のステップ206へ進む。
【0066】
図6のステップ206では、パソコンPC又はタッチパネル8から印刷開始の指示があるまで待機し、印刷開始の指示があると、次のステップ208において、ステップ320でRAMに格納した転写方式が間接転写か否かを判断し、肯定判断のときは、ステップ210において、カードCに間接転写方式により画像形成を行うための間接転写処理サブルーチンを実行する。
【0067】
図8に示すように、この間接転写処理サブルーチンでは、ステップ402において、パルスモータM1、M2を送り(Fw)方向に回転させ、次のステップ404において、受光センサSを監視することで中間転写シートFに形成されている位置出し用マークを認識し、中間転写シートFの送りや戻しと常に一体で正逆転するバックテンションローラ88に接続されているクロック板90の回転量を一体型透過センサSで検出することにより、印刷開始位置まで中間転写シートFが搬送されたか否かを判断し、否定判断のときは、ステップ402へ戻り中間転写シートFの搬送を続行し、肯定判断のときは、次のステップ406において、パルスモータM1、M2の駆動を停止させる。この間、サーマルヘッド20はプラテンローラ21に対して離間した位置にあり、熱転写シートRは、例えば、Y(イエロー)の開始端が印刷位置Srの位置となるまで所定距離送られる。このような制御は、例えば、受光センサSにより熱転写シートRのBk(ブラック)の後端を検出し、熱転写シートR上に予め等間隔の幅が定められているBk(ブラック)の後端からY(イエロー)の開始端までの距離を、巻取ローラ対57の近傍に配設した図示しないクロック板の回転を図示しない一体型透過センサで検出することで実行することができる。
【0068】
次いでステップ408では、サーマルヘッド進退カム23を矢印A方向へ回転させてサーマルヘッド20を熱転写シートRを介してプラテンローラ21に押し当てさせ、次のステップ410において、パルスモータM1及びパルスモータM2を巻き戻し(Rv)方向へ回転させると共に、電磁クラッチ67、131の連結によりプラテンローラ21を反時計回りに回転させ、搬送ローラ58も反時計回りに回転させる。これにより、中間転写シートFにはY(イエロー)の画像形成が開始される。すなわち、熱転写シートRのY(イエロー)インク層をサーマルヘッド20で加熱することで、中間転写シートFの受容層Feへの画像形成が開始され、パルスモータM1の駆動力によりプラテンローラ21は反時計回りに回転し、パルスモータM2の駆動力により中間転写シートFは中間転写シート供給部16に巻き取られ、同期して熱転写シートRは熱転写シート巻取部15に巻き取られる。
【0069】
次のステップ412では、中間転写シートFに形成される画像の長手方向の大きさに対応する所定パルス数パルスモータM1(又はパルスモータM2)が回転駆動したか否かを判断することにより、中間転写シートFへの画像形成が終了したか否かを判定する。否定判定のときは、ステップ410へ戻り中間転写シートFへの画像形成を続行し、肯定判定のときは、ステップ414において、パルスモータM1、M2の駆動を停止させると共に、電磁クラッチ67、131に、プラテンローラ21、搬送ローラ58への連結を解除させる。なお、CPUは、ステップ326でSDRAM19B内に格納され拡大された画像データを格納方向とは逆方向に(格納開始端を読み出し終了端とし、格納終了端を読み出し開始端として)読み出し、1ライン(又は数ライン)毎に、画像形成制御部19Cを介して、熱エネルギーに変換させ中間転写シートFの種類による所定の係数を熱エネルギーに加味した鏡像の印刷データをサーマルヘッド20に送出させている。サーマルヘッド20の各印画素子はこの印刷データに従って加熱される。
【0070】
次いでステップ416では、サーマルヘッド進退カム23を回転させて、サーマルヘッド20をプラテンローラ21に対して退避させ、次のステップ418において、所定色(YMC)分の画像形成が終了したか否かを判断する。否定判断のときには、次の色(例えば、M)を中間転写シートFの受容層Feに既に形成された色(例えば、Y)に重ねて画像形成を行うためにステップ402へ戻り、肯定判断のとき、すなわち、YMCによる画像形成が終了したときは、次のステップ420へ進む。これにより、中間転写シートF上にはカードCのサイズより大きなサイズの画像が鏡像で形成される。
【0071】
ステップ420では、パルスモータM2を駆動させて、予めプラテンローラ50から離間されているヒートローラ45の位置まで、バックテンションローラ88に接続されているクロック板の回転量に従って中間転写シートFを搬送する。この搬送時に転写部10内にガイドコロ44とガイド板47との間に配置された受光素子からの出力を監視することで中間転写シートFの位置出し用マークが検出され、この時点で搬送量を再度設定することが可能となり、搬送精度が向上する。また、ステップ420では、中間転写シートFの転写部10への搬送に並行させて、カード供給部3からカードCを送り出し、カードCの先端をヒートローラ45に当接する位置まで第2カード搬送路Pに沿って搬送する。すなわち、カード供給部3、クリーナ4、反転部5のピンチローラ38、39を回転駆動させると共に、図示しないパルスモータM3を駆動することで、水平搬送ローラ対11、搬送ローラ対48及び水平搬送部12の各ローラ対を回転させ、カード供給部3からカードCを1枚第2カード搬送路P上に送出し、クリーナ4で両面を清浄し、カードCの先端が図示しない一体型透過センサSで検出されると、キックローラ31の回転を停止させる。続いて、カードCを反転部5を通過させて第2カード搬送路Pに沿って更に矢印L方向へ搬送させる。搬送ローラ対48の近傍で水平搬送ローラ対11側に配置された図示しない一体型透過センサSがカードCの先端を検出すると、更に所定パルス数カードCを矢印L方向に搬送する。これにより、カードCの先端はヒートローラ45に当接する位置まで搬送される。なお、図示しない一体型透過センサSがカードCの先端を検出した時点でピンチローラ38、39の回転駆動は停止される。
【0072】
次にステップ422において、ヒートローラ昇降カム51を矢印B方向へ回転させて、ヒートローラ45をプラテンローラ50から離間していた状態(図11(A)の状態)からプラテンローラ50に当接する状態(図11(B)の状態)へ移行させて、ヒートローラ昇降カム51の回転動作を停止させる。この時点で、カードCの先端は、一方面がプラテンローラ50に支持され、他方面が中間転写シートFを介してヒートローラ45に押し当てられる。
【0073】
次のステップ424では、カードCの一方面に、画像形成部9で中間転写シートFの受容層Feに形成された画像をヒートローラ45で加熱・加圧して熱転写する間接転写を実行する。このステップ424における動作について詳述すれば、カードCは、他方面が反時計回りに回転するプラテンローラ50に支持され、一方面が中間転写シートFを介してヒートローラ45に押し当てられ、矢印L方向に搬送される。中間転写シートFの剥離層Fcは発熱ランプ46の熱によりベースフィルムFaから剥離され、ヒートローラ45の加圧により、カードCの他方面に、画像が形成された受容層Feとオーバーコート層Fdとが一体で転写される。この転写に同期して中間転写シートFは中間転写シート巻取部17に巻き取られる。この間、ステップ426において、カードCの先端が、キャプスタンローラ対141と排出ローラ対142との間に配設された駆動を持たないローラ対の近傍で排出ローラ対142側に配設された一体型透過センサSの位置に位置したかを監視することで中間転写が終了したか否かを判断しており、間接転写が未了のときはステップ424へ戻り間接転写を続行し、間接転写が完了すると、次のステップ428に進む。この転写部10での転写により、カードCの全面(全領域)には、正像の画像が形成される。なお、間接転写時のカードC及び中間転写シートFの搬送速度は同一速度に設定されている。
【0074】
ステップ428では、パルスモータM2、M3の駆動停止により中間転写シートFの送り搬送(中間転写シート巻取部17への巻き取り)及びカードCの矢印L方向への搬送を停止させ、ヒートローラ昇降カム51を再度回転させてプラテンローラ50に対してヒートローラ45を退避させ、次のステップ430において、カードCを第2カード搬送路P2上を搬送して印刷装置1の外に排出する搬送・排出処理を実行する。
【0075】
ステップ430での搬送・排出処理では、図示しないパルスモータM3を駆動させてカードCを第2カード搬送路Pに沿って更に矢印L方向へ搬送させ、水平搬送部12と排出口27との間に配置された図示しない一体型透過センサS10がカードCの先端を検出したか否かを判断し、否定判断のときは、カードCを更に搬送し、肯定判断のときは、カードCを完全に筐体2の外に排出するために所定時間搬送を続行する。これにより、カードCは排出口27を経てスタッカ13へ排出される。次に、図示しないパルスモータM3の回転駆動を停止させ、パルスモータM1、M2を逆転駆動させ、中間転写シートFを所定距離搬送したか否かを上述した一体型透過センサSで検出することで判断し、否定判断のときは中間転写シートFの搬送を続行し、肯定判断のときはパルスモータM1、M2の駆動を停止させて、間接転写処理サブルーチンを終了しステップ202へ戻る。
【0076】
一方、図6のステップ208で肯定判断(直接転写)のときは、ステップ212において、カードCに直接転写方式により画像形成を行うための直接転写処理サブルーチンを実行する。
【0077】
図9に示すように、この直接転写処理サブルーチンでは、ステップ502において、第2カード搬送路P上に配されたカード供給部3、クリーナ4、反転部5の各ローラを作動させて、カード供給部3のカードCを矢印L方向に搬送させ反転部5のピンチローラ38、39にカードCを挟持させる。すなわち、カード供給部3のキックローラ31が回転することでカードスタッカの最底部のカードCは第2カード搬送路P上に送出され、クリーナ4のクリーニングローラ34でカードCの両面が清浄される。カードCの先端がクリーナ4と反転部5との間に配置された図示しない一体型透過センサSで検出されると、カード供給部3のキックローラ31の回転を停止させる。カードCは一体型透過センサSで検出された位置から反転部5までの所定パルス数搬送された後停止し(ピンチローラ38、39の回転駆動も停止し)、水平状態の反転部5はカードCの両端を挟持した状態となる。
【0078】
次にステップ504では、第1カード搬送路P上を矢印U方向にカードCを搬送するために反転部5を90°回転させて垂直状態(図1の二点鎖線参照)の姿勢とし、次のステップ506において、ピンチローラ38、39を回転駆動させ、パルスモータM1のモータドライバへパルスモータM1の回転駆動を開始させると共に、電磁クラッチ67をパルスモータM1からの駆動力をプラテンローラ21へ伝達させる状態とする。これにより、ピンチローラ38、39、プラテンローラ21、キャプスタンローラ74、78の回転駆動が開始され、カードCは第1カード搬送路Pに沿って画像形成部9方向への搬送が開始される。また、中間転写シートFは中間転写シート供給部16への搬送(巻き戻し)が開始される。
【0079】
次のステップ508では、キャプスタンローラ78とサーマルヘッド20との間に配置された図示しない一体型透過センサSがカードCの先端を検出したか否かを判断し、否定判断のときは、ステップ506へ戻り画像形成部9へのカードCの搬送を続行し、肯定判断のときは、次のステップ510において、カードCの先端が印刷位置Srに至るまでの所定パルス数カードCを矢印U方向に搬送する。なお、反転部5のピンチローラ38、39は、反転部5と画像形成部9の間に配置された図示しない一体型透過センサSでカードCの後端が検出された時点で回転動作を停止する。この間、サーマルヘッド20はプラテンローラ21に対して離間した位置にあり(図13(A)参照)、熱転写シートRは、Bk(ブラック)の開始端が印刷位置Srの位置となるまで所定距離送られる。また、ステップ510では、サーマルヘッド進退カム23の矢印A方向への回転動作を開始させる。これにより、カードCは、他方面が中間転写シートFを介してプラテンローラ21に支持され、一方面が熱転写シートRを介してサーマルヘッド20に押し当てられる。
【0080】
続いてステップ512ではカードCの一方面への直接転写方式による画像形成が実行される。CPUは、CPUは、ステップ326でSDRAM19B内に格納され縮小された又は等倍の画像データを格納方向と副走査方向において同一方向に読み出し、1ライン(又は数ライン)毎に、画像形成制御部19Cを介して、熱エネルギーに変換させカードCの種類による所定の係数を熱エネルギーに加味した正像の印刷データをサーマルヘッド20に送出させている。サーマルヘッド20の各印画素子はこの印刷データに従って加熱される。パルスモータM1の駆動によりプラテンローラ21は反時計回りに回転し、同期して熱転写シートRは熱転写シート巻取部15に巻き取られ、カードCの一方面には直接転写方式でBk(ブラック)による注意書き等の画像形成(印刷)が行われる。これにより、カードCの全面(全領域)には、正像の画像が形成される。なお、中間転写シートFは熱転写シートR及びカードCと同一速度で搬送される。
【0081】
次にステップ514において、サーマルヘッド進退カム23を矢印Aの逆方向へ回転させて、カードCからサーマルヘッド20を退避させ、ステップ516において、ピンチローラ38、39を逆転駆動させてからパルスモータM1の逆転駆動を開始させてプラテンローラ21、キャプスタンローラ74、78の逆転によりカードCを矢印D方向に搬送させる。
【0082】
次のステップ518では、カードCの後端が図示しない一体型透過センサSの位置まで搬送されたか否かを判断する。否定判断のときはステップ516へ戻り矢印D方向へのカードCの搬送を続行し、肯定判断のときは次のステップ520において、所定パルス数カードCを更に矢印D方向へ搬送する。次いで、ステップ522において、パルスモータM1の駆動を停止させると共に電磁クラッチ67にプラテンローラ21への連結を停止させ、更に、ピンチローラ38、39の逆転を停止させて垂直状態の反転部5のピンチローラ38、39にカードCを挟持させ、次のステップ524において、カードCを第2カード搬送路P2上を搬送して印刷装置1の外に排出する搬送・排出処理を実行する。
【0083】
ステップ524での搬送・排出処理では、第1カード搬送路P上に位置しているカードCを第2カード搬送路Pの矢印L方向に搬送可能なように、垂直状態の反転部5を90°回転させる。これにより、カードCは他方面を上側にして第2カード搬送路P上に位置することになる。次いで、図示しないパルスモータM3を駆動させてカードCを第2カード搬送路Pに沿って更に矢印L方向へ搬送させ、水平搬送部12と排出口27との間に配置された図示しない一体型透過センサS10がカードCの先端を検出したか否かを判断し、否定判断のときは、カードCを更に搬送し、肯定判断のときは、カードCを完全に筐体2の外に排出するために所定時間搬送を続行し、図示しないパルスモータM3の回転駆動を停止させて、直接転写処理サブルーチンを終了しステップ202へ戻る。これにより、カードCは排出口27を経てスタッカ13へ排出される。なお、図示しない一体型透過センサSがカードCの先端を検出した時点でピンチローラ38、39の回転駆動は停止される。また、直接転写では、図14(A)に示すように、転写部10のヒートローラ45はプラテンローラ50から離間した状態に保持されている。
【0084】
(作用等)
本実施形態の印刷システムを構成する印刷装置1は、熱転写シートRの熱昇華性インクを直接熱転写することでカードC上に正像を全面印刷している。すなわち、画像データを等倍(同一)のまま又は縮小して(ステップ318、320)、図15(A)に示すように、カードCのサイズと同一サイズの画像データAによる画像を熱転写してカードC上の全面に正像の画像形成(印刷)を行っている(ステップ512)。一方、間接転写でカードCに全面印刷をする場合には、画像形成部9での中間転写シートFの熱収縮の他にも、中間転写シートFという中間媒体を余分に介すことで、最終的に画像を形成するカードCとの位置合わせ(搬送精度)が非常に難しくなるので、画像データを等倍(同一)のまま又は拡大して(ステップ308での肯定判断、312)、図15(B)に示すように、カードCより一回り大きなサイズ(又はカードCと等倍のサイズ)で生成された画像データBを中間転写シートF上に鏡像として形成した後(ステップ402〜418)、この画像データBをカードCに(再)転写することで(ステップ424)、画像データBの四辺縁部がカットされた画像をカードC上の全面に正像として形成(印刷)している。従って、両方式に対応させてカードCへの全面印刷を行おうとすれば、印刷対象とする画像データ内容は同じであっても、サイズの異なる2種類の画像データを事前に用意する必要がある。
【0085】
本実施形態の印刷装置1では、パソコンPCから受信した画像データを同一のまま又は変倍することで(ステップ308の肯定判断、ステップ312、ステップ320)、単一の画像データにより直接転写方式、間接転写方式を問わずカードC上へ全面印刷を行うことを可能とした(ステップ210、212)。従って、本実施形態の印刷装置1によれば、直接転写方式、間接転写方式とで異なる画像データを別々に準備する必要はないので、低ランニングコストと高い汎用性とを確保することができる。付言すれば、市場的には直接転写方式プリンタが先行しており、後発である間接転写方式プリンタで用いる画像データとして直接転写方式プリンタで用いられた画像データとの共有化(互換性)を図ることができるので、新たに間接転写用画像データとして作り直すコストや労力を排除することができる。
【0086】
また、本実施形態では、ステップ312、ステップ320において、画像データの変倍を行う際に、カードCの縦横サイズ比の範囲内で画像データの縦横サイズに対する拡大比率の変更を許容することで、図11(A)、(B)に示したように、あるユーザは画像の円が楕円になってもよいから、副走査方向の画像をできるだけ残して原画データの領域をできるだけ確保することを希望し、また、あるユーザは多少の領域を犠牲にしても、画像の形状等の同一化を希望する、というユーザの双方の要望に応えることが可能である。
【0087】
更に、本実施形態では、ステップ314、316、ステップ322、324において、画像データを変倍により生じるカードCの画像のぼやけた感じ、ざらつき感を、輪郭強調処理、スムージング処理で排除するようにしたので、画像データを変倍してもカードCには高品質の画像を形成する(印刷する)ことができる。
【0088】
なお、本実施形態では、ステップ314、322において、図12に示したように、注目画素Xの周囲4画素を対象として階調値の平均値を算出した例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、斜め方向の4画素を追加して計8画素の階調値の平均値を算出して、注目画素Xの階調値を上記8画素の諧調平均値に設定するようにしてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、カードCの片面に直接転写方式又は間接転写方式で画像を形成する例を示したが、カードCの一面に直接転写方式で画像を形成し、カードCの他面に間接転写方式で画像を形成するようにしてもよい。このような両面印刷を行うには、反転部5の機能に着目して、図8のステップ430を除く間接転写処理サブルーチンを実行した後、カードCを反転部5に搬送して90°回転させて間接転写がなされた面とは反対の面に直接転写方式による画像形成を行うために、図9のステップ506以降の直接転写処理サブルーチンを実行するようにしても、図9のステップ524を除く直接転写処理サブルーチンを実行した後、カードCを反転部5に挟持させたまま、図8の間接転写処理サブルーチンを実行し、間接転写処理サブルーチンのステップ420で反転部5に挟持させたままのカードCを90°回転させて転写部10へ搬送するようにしてもよい。なお、この場合に、水平搬送ローラ対11側の反転部5の近傍に配設された一体型透過センサS11は、図1の矢印R方向に搬送されるカードCの先端を検出して、CPUは、その検出後、所定ステップカードCを矢印R方向に搬送させて反転部5に挟持させる。
【0090】
また、本実施形態では、供給スプール軸120に中間転写シート供給部16が装填され、巻取スプール軸110に中間転写シート巻取部17が装填された中間転写シートFについて例示したが、供給スプール軸120にホログラムシート供給部を装填し、巻取スプール軸110にホログラムシート巻取部17を装填して、カードCに、セキュリティのために所定の模様等が連続印刷されたホログラムシートを転写するようにしてもよい。この場合に、供給スプール軸120を共有して巻取スプール軸110とは別のホログラムシート用の巻取スプール軸を設けるようにしてもよい。このような態様では、転写部10に配設された受光素子からの信号により中間転写シートF(又はホログラムシート)の有無を判断(本例に即して説明すれば、ステップ310で中間転写シートFを検出したときに間接転写と判断)することで、間接転写方式による画像の形成か否かを判断することができる。
【0091】
更に、本実施形態では、画像形成部9を1つとして例示したが、本発明はこれに限らず、画像形成部9を複数(例えば、2つ)有するようにしてもよい。このようにすれば、一方の画像形成部でカードCに対して画像を形成し、他方の画像形成部で中間転写シートFに対して画像を形成することができるので、中間転写シートの絡み等のエラーを低減させることができると共に、印刷速度の向上を図ることができる。
【0092】
また、上記実施形態では、パソコンPCから画像データを受信してSDRAM19Bに格納する例を示したが、画像データは、例えば、FD、MO、ZIP等の情報記録媒体を介してSDRAM19Bに格納してもよいことは論を待たない。
【0093】
(第2実施形態)
次に、本発明が適用可能な印刷システムの第2の実施の形態について説明する。本実施形態は、パソコンPC側で画像データの変倍・階調補正処理を行い、変倍・階調補正後の画像データを印刷装置側に送出するものである。なお、本実施形態において第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる箇所のみ説明する。
【0094】
(構成)
図17に示すように、本実施形態では、印刷システム1の全体作動がパソコンPCの中央処理部で実行される。なお、図17は、パソコンPCを構成するCPU、ROM、RAM等のハードウエアを機能的に表したものであり、印刷装置1側については特許請求の範囲に対応した用語を一部用いて表している。画像生成装置としてのパソコンPCは、スキャナなど、画像を取り込む際に用いる画像入力装置にインターフェース部を介して接続されている。パソコンPCと画像入力装置とは、各種動作コマンド信号および画像入力装置側からの画像データ乃至動作エラーを含めた動作状態を示すステータス信号などがインターフェース部を介して通信される。これらの装置間の接続ポートとなり画像データを始めとして各種データの授受を行うインターフェースとしては、例えば、SCSI、RS−232Cに代表されるシリアルポート、USBなどが適宜用いられ、両者間はインターフェースに適合した市販のケーブルにより接続されている。画像データは、画像入力装置から新規に入力されてパソコンPC内のインターフェース部を介して画像データ記憶部に記憶される。また、FDドライブやMOドライブ等でFDやMO等の情報記録媒体に記録された画像データを画像データ記憶部に記憶するようにしてもよい。
【0095】
中央処理部は、所定のOSに従って作動するが、当該OSの下で作動するアプリケーション・ソフトウエアにより、画像データの変倍・階調補正処理が実行される。アプリケーション・ソフトウェアは、画像データ処理部、画像データ変換部及び後述するプリンタドライバ部として機能する。画像データ処理部は、画像データ記憶部から画像データを読み出して所定の処理を行う。すなわち、読み出した画像データ及び文字データなどによる印刷レイアウトを決定したり、各種データの合成処理を行う。また、画像データ変換部は、画像データ処理部で処理された画像データを表示用のフォーマットに変換(例えば、アナログデータに変換するなどの内容を含む)してモニタ等の画像表示装置に画像データによる画像を表示させたり、印刷装置1に印刷させるためにRGB(光)データをCMY(色)データに変換する機能を有する。
【0096】
プリンタドライバ部は、画像データ変換部から引き渡されたデータに対してコマンドの解析などを行うドライバセクションと、データを一時保管するスプーラセクションと、印刷装置1の状態を監視するモニタセクションとして機能する他に、画像印刷モードに応じて画像データ記憶部に記憶された画像データのサイズを変換する画像変倍手段としても機能する。
【0097】
なお、パソコンPCの中央処理部は、インターフェース部を介して画像入力装置又は画像印刷装置側へ各種指令を与える他に、画像データ処理部に対し画像データ及びキーボードなどで入力される文字データを印刷のためにレイアウトを構成したり合成処理して一つの画像データにするように指令を与え、また、画像データ変換部に対して上述の各種データ変換を実行するように指令を与える。また、図17において印刷装置1側の一部を表したが、第1実施形態と同一の構成である。
【0098】
(動作)
次に、印刷システムの動作について、第1実施形態の説明に用いた図7及び図6と比較しつつ説明する。
【0099】
図7に示した変倍・階調補正サブルーチンは、第1実施形態では、印刷装置1側で画像形成ルーチンの一部として実行されたが、本実施形態では、パソコンPC側で実行される。すなわち、ステップ302では、画像入力装置から又は情報記録媒体を介して入力された画像データを画像データ記憶部に格納し、ステップ304〜326では、次の2つの点を除いて、パソコンPC側で第1実施形態と同様に実行される。すなわち、最初の相違点は、ステップ310での間接転写か否かの判断が印刷装置1との通信によって行われる点である。オペレータがタッチパネル8から手動入力で直接転写モード又は間接転写モードを入力した場合には、この指示情報がパソコンPC側に伝えられ、中央処理部はこの指示情報に従って間接転写か否かを判断をするようにしてもよく、印刷装置1のガイドコロ44とガイド板47との間に配設された受光素子の中間転写シートFの検出(図17のリボン(検出))情報を制御部19から受信し、検出しないときに直接転写、検出したときに間接転写と判断するようにしてもよく、又は、ステップ308でのフラグ及び受信した上記受光素子の中間転写シートFの検出情報との双方からフラグが立っており、かつ、中間転写シートFを検出しないときに直接転写、フラグが立っておらず、かつ、中間転写シートFを検出したときに間接転写と判断するようにしてもよい。2つ目の相違点は、ステップ326で転写方式及び補正後の画像データを印刷装置1の制御部19に送信することである。このとき、パソコンPCの画像データ記憶部にこれらを記憶するようにしてもよい。これにより、印刷装置1側のSDRAM19Bには、変倍や階調補正がなされた画像データが格納される。
【0100】
一方、印刷装置1側では、制御部19のマイコン10AのCPUが、図6に示した画像形成ルーチンを実行する。この場合に、ステップ204では、既に変倍や階調補正はパソコンPC側でなされているので、変倍・階調補正処理に代えて単にパソコンPC側からの変倍・階調補正後の画像データを受信し、SDRAM19Bに格納する。
【0101】
本実施形態の印刷システムのように、変倍・階調補正処理をパソコンPC側で行っても上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。従って、以上2つの実施形態を参酌すると、変倍処理、階調補正処理は印刷システム内で行われればよく、印刷装置1側、パソコンPC側のいずれでも実行可能である。
【0102】
なお、本実施形態では、画像印刷モード(直接転写、間接転写)に応じて画像データのサイズを変換する構成を画像変倍手段として、図17に示したパソコンPC(画像生成装置)内のプリンタドライバ部にその機能を持たせた例を示したが、パソコンPC内にインストールされたアプリケーション・ソフトウェアの中で機能化してもよい。この場合には、図17に示す画像データ処理部がその機能を担当する。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1若しくは第2の画像印刷モードに応じて、単一の画像データのサイズを変倍し正像画像ないし鏡像画像を形成して第1のカード状記録媒体若しくは第2のカード状記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に画像が印刷されるので、直接転写方式と間接転写方式とを切り換えて記録媒体に全面印刷が可能であると共に、第1の画像印刷モードと第2の画像印刷モードとで異なる画像データを必要としないことから、ランニングコストが低く汎用性の高い印刷方法を提供することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の印刷システムの外観を示す斜視図である。
【図2】印刷システムの印刷装置の概略構成を示す側面図である。
【図3】印刷装置の中間転写シートの搬送機構及び画像形成部近傍のカード搬送機構を示す側面図である。
【図4】熱転写シート及び中間転写シートの説明図であり、(A)は熱転写シートを模式的に示す正面図、(B)は中間転写シートを模式的に示す断面図である。
【図5】印刷装置の制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】印刷装置の制御部のCPUが実行する画像形成ルーチンのフローチャートである。
【図7】画像形成ルーチンのステップ204の詳細を示す変倍・階調補正処理サブルーチンのフローチャートである。
【図8】画像形成ルーチンのステップ210の詳細を示す間接転写処理サブルーチンのフローチャートである。
【図9】画像形成ルーチンのステップ212の詳細を示す直接転写処理サブルーチンのフローチャートである。
【図10】カードに画像が印刷された状態を示す説明図であり、(A)は印刷前のカード、(B)は印刷後のカードを模式的に示す。
【図11】画像データを縦横寸法比で異ならせて印刷した状態を示す説明図であり、(A)は画像データの縦横を同じ寸法で拡大した場合、(B)は画像データをカードの縦横寸法に応じて拡大した場合を模式的に示す。
【図12】階調補正を行う場合の注目画素と周辺画素との関係を示す説明図である。
【図13】印刷装置の画像形成部の側面図であり、(A)はサーマルヘッドが退避した状態、(B)は直接転写によりカードに画像を形成している状態、(C)は中間転写シートに画像を形成している状態を示す。
【図14】印刷装置の転写部の側面図であり、(A)はヒートローラが退避した状態、(B)は間接転写によりカードに画像を転写している状態を示す。
【図15】全面印刷を行うときの画像データとカードとの関係を示す説明図であり、(A)は直接転写方式のとき、(B)は間接転写方式のときを示す。
【図16】輪郭強調処理を示す説明図であり、(A)は輪郭強調前の走査方向の画素位置と階調値との関係を模式的に示し、(B)は階調値を1回差分したときの概念を示すグラフであり、(C)は階調値を2回差分したときの概念を示すグラフであり、(D)は輪郭強調前の階調値と輪郭強調後の階調値との関係を示す。
【図17】印刷システムのパソコン側を機能的に表したブロック図である。
【符号の説明】
1 印刷装置(画像印刷装置)
3 カード供給部(供給部)
5 反転部(回転手段)
8 タッチパネル
9 画像形成部(印刷手段)
10 転写部(転写手段)
19 制御部(メモリ、画像変倍手段及び画像印刷モード選択手段)
19A マイコン(画像変倍手段、画像印刷モード選択手段)
19B SDRAM
19C 画像形成制御部
C カード(第1のカード状記録媒体、第2のカード状記録媒体、第1の記録媒体、第2の記録媒体)
F 中間転写シート(中間転写媒体)
PC パーソナルコンピュータ(画像生成装置、画像変倍手段、画像印刷モード選択手段)

Claims (13)

  1. 供給部から供給される第1のカード状記録媒体を画像形成位置に搬送し、前記画像形成位置においてサーマルヘッドによりインク層を有する熱転写フィルムを介して前記第1のカード状記録媒体の少なくとも方の面の全領域に直接、正像画像を形成する第1の画像印刷モードと、
    一時的に画像を保持する中間転写媒体を前記画像形成位置に搬送し、前記画像形成位置において前記サーマルヘッドにより前記熱転写フィルムを介して前記中間転写媒体に鏡像画像を形成した後、前記中間転写媒体を画像転写位置に搬送するとともに、前記供給部から供給される第2のカード状記録媒体または前記第1のカード状記録媒体を前記画像転写位置に搬送して前記中間転写媒体に形成された鏡像画像を前記画像転写位置において前記第2のカード状記録媒体の少なくとも方の面または前記第1の画像印刷モードで一面側の全領域に正像画像が形成された前記第1のカード状記録媒体の他面の全領域に転写して正像画像を形成する第2の画像印刷モードと、
    を含み、
    前記第1の画像印刷モード若しくは前記第2の画像印刷モードに応じて、メモリに格納された単一の画像データのサイズを変倍し前記正像画像ないし前記鏡像画像を形成して前記第1のカード状記録媒体若しくは前記第2のカード状記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に画像を印刷することを特徴とする印刷方法。
  2. 前記中間転写媒体の検出情報、および/または前記画像印刷モードを指示する指示情報に従って前記画像データのサイズを変倍することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記第1の画像印刷モードが選択されたとき、前記画像データのサイズと同一または前記画像データのサイズを縮小して前記第1のカード状記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に画像を印刷することを特徴とする請求項2に記載の印刷方法。
  4. 前記画像データを縮小して画像を形成するとき、縮小された画像データの各画素において、所定周囲の複数画素の平均階調値を算出して、この算出された平均階調値を当該画素の階調値に設定することを特徴とする請求項3に記載の印刷方法。
  5. 前記第2の画像印刷モードが選択されたとき、前記画像データのサイズと同一または前記画像データのサイズを拡大して前記中間転写媒体に画像を形成した後、該形成した画像を前記第2のカード状記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に転写することを特徴とする請求項2に記載の印刷方法。
  6. 前記画像データを拡大して画像を形成するとき、拡大された画像データの各画素において、隣接する画素間の階調値の変化量から所定の変化点を求め、この変化点における当該画素の階調値を増減させて、隣接する画素に対する階調値の変化量を異ならせることを特徴とする請求項5に記載の印刷方法。
  7. 前記画像データを拡大して画像を形成するとき、拡大された画像データの各画素において、所定周囲の複数画素の平均階調値を算出して、この算出された平均階調値と当該画素の階調値との差分を求め、該求めた差分を当該画素の前記階調値に加算または減算して当該画素に対する階調値を設定することを特徴とする請求項5に記載の印刷方法。
  8. 前記画像データのサイズを変倍して画像を形成するとき、前記第1のカード状記録媒体若しくは前記第2のカード状記録媒体の縦横サイズ比率の範囲内において、前記画像データの縦横サイズに対する変倍比率を可変に設定して画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
  9. 画像を生成する画像生成装置と、前記画像生成装置で生成された画像を印刷する画像印刷装置とを備えた印刷システムにおいて、
    前記画像印刷装置は、カード状記録媒体を供給する供給部と、インク層を有する熱転写フィルムを介して前記供給部から供給された記録媒体及び一時的に画像を保持する中間転写媒体に選択的に画像を形成する単一の印刷手段と、前記中間転写媒体に形成された画像を前記供給部から供給された第1の記録媒体又前記供給部から供給された第2の記録媒体に転写する転写手段と、前記第1ないし第2の記録媒体を挟持したまま回転させて前記印刷手段及び前記転写手段との間で前記第1ないし第2の記録媒体の授受を行う回転手段と有し、
    前記印刷手段により前記第1の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に正像画像を形成する第1の画像印刷モード、若しくは前記印刷手段により前記中間転写媒体に鏡像画像を形成した後、前記転写手段により前記中間転写媒体に形成された鏡像画像を前記第1の画像印刷モードで一面側の全領域に正像画像が形成された前記第1の記録媒体の他面側又は前記第2の記録媒体の少なくとも一方の面の全領域に転写して正像画像を形成する第2の画像印刷モードに応じて、前記画像生成装置で生成された単一の画像データのサイズを変倍する画像変倍手段を備えたことを特徴とする印刷システム。
  10. 前記画像変倍手段は、前記画像データのサイズを縮小して画像を形成するとき、縮小された画像データの各画素において、所定周囲の複数画素の平均階調値を算出して、この算出された平均階調値を当該画素の階調値に設定することを特徴とする請求項9に記載の印刷システム。
  11. 前記画像変倍手段は、前記画像データのサイズを拡大して画像を形成するとき、拡大された画像データの各画素において、隣接する画素間の階調値の変化量から所定の変化点を求め、この変化点における当該画素の階調値を増減させて、隣接する画素に対する階調値の変化量を異ならせることを特徴とする請求項9に記載の印刷システム。
  12. 更に、前記第1の画像印刷モード、若しくは第2の画像印刷モードのいずれか一方を選択する画像印刷モード選択手段を備え、この画像印刷モード選択手段が、前記中間転写媒体の検出情報、および/または手動設定による画像印刷モード設定信号、および/または前記画像生成装置からの指示情報に従って、前記第1の画像印刷モード及び前記第2の画像印刷モードのいずれかを判断して選択することを特徴とする請求項9に記載の印刷システム。
  13. 前記画像変倍手段は、前記画像印刷モード選択手段によって前記第2の画像印刷モードが選択されたときに、前記記録媒体の縦横サイズ比率の範囲内において、前記画像データの縦横サイズに対する拡大比率を可変に設定するように変倍処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の印刷システム。
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