JP4000486B2 - インクジェットプリンタのノズル板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を噴出する噴出口、特に、インクジェットプリンタのノズル板表面における撥水膜の形成技術に関する。
インクジェットヘッドの中で、圧電素子を使用するものはエネルギー効率が優れているなどの理由から近年ますます注目されてきている。この種のインクジェットヘッドは、典型的に、圧電素子と、外部からインクを供給されてこれを貯蔵する一の共通インク室と、圧電素子に接続される複数の圧力室と、各圧力室にノズルが接続するようにして圧力室に接続されるノズル板とを有する。各圧力室はインク供給路によって共通インク室に接続されて、共通インク室からインクを受け取ると共に圧電素子の変形を利用して内部圧力を高めてこれによりインクをノズルから噴出する。
(圧力室とは反対側の)ノズル板の表面にはノズルの周囲に撥水膜が典型的に形成される。撥水膜には次のような代表的効果である。第1に、撥水膜はノズルからインクが出るときの飛翔方向を安定させるという効果を有する。撥水膜がなければノズル板の表面に圧力室から飛び出たインクが付着したり、このようにしてノズル板に付着したインクに連続噴射される次のインクが引っ張られるなどしてインクの飛翔方向が屈曲し、所望の方向に真直ぐに飛ばなくなってしまうからである。第2に、撥水膜はワイピング処理を円滑にするという効果を有する。インクジェットヘッドは、印字動作が終了するとゴミをノズルから取り出すバックアップ処理が通常行われる。バックアップ処理では、ノズルに吸引ポンプが接触して内部のゴミを吸い出すのであるが、このときにノズル内にあるインクがノズル板表面に付着する。そこで、その後に、ゴムブレードなどのワイパがノズル板の表面のインクを拭きとるワイピング処理が行われる。この際、撥水膜がなければバックアップ処理後にノズル板の表面についたインクがワイパでうまく拭き取れずノズル板の表面に残ってしまう。その結果、その後のインクの飛翔方向を曲げてしまったり、残ったインクの色が次に飛翔されるインクの色と異なれば混色や薄色による印字品質の低下を招く。
このような効果を有するために撥水膜の形成はインクジェットヘッドには不可欠である。そして、従来の撥水膜は撥水性の高いフッ素重合体を主成分としていた。
しかし、フッ素重合体は柔らかく基材に対する密着性も低いためゴムブレードで拭き取るときにキズや剥離、削れが生じ易く(これを耐刷性が低いという)、この結果、所期の撥水性を継続して維持することはできない。このため、フッ素重合体を主成分として用いつつ10万回程度の継続使用が可能な撥水膜を形成することが望まれていた。
従来の技術においては、例えば、フッ素重合体をメッキしてその後の加熱処理によりメッキ表面に付着したフッ素重合体を溶融して皮膜を形成し、耐刷性を与える方法が提案されている。しかし、この方法は、皮膜を形成しても複数回の摩擦によって磨耗し撥水性は低下するという問題を有する。一方、液体吐出部近傍を凹部形状として摩擦によるノズル周囲のフッ素膜の削れを回避する方法も提案されている。しかし、段差を形成するプロセスは工数の増加とコストアップをもたらす。
そこで、このような従来の課題を解決する新規かつ有用な撥水膜の形成方法を提供することを本発明の概括的目的とする。
より特定的には、本発明は、ワイパに対して従来よりも高い耐刷性を有し、また、簡素化されたプロセスによって形成されることができる撥水膜の形成方法を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、インクジェットプリンタのノズル板の製造方法であって、インクを噴射するノズルが形成されたノズル板のノズル内部にレジストを充填する工程と、前記レジストが充填された前記ノズル板の表面をエッチングし、前記レジストに前記ノズルから突出した部分を形成する工程と、前記ノズル板の表面をエッチング工程の後に、前記ノズル板の表面に前記レジストが前記ノズルから突出した部分に沿って丸みを帯びた略だ円形状を有する硬質体およびフッ素樹脂重合体を共析させたメッキ被膜を形成する工程と、前記レジストを剥離除去する工程と、前記メッキ被膜が形成された前記ノズル板を加熱処理して前記フッ素樹脂重合体を溶融させ、前記硬質体が部分的に突出した構造を有するフッ素樹脂膜が前記メッキ被膜の表面に形成された撥水膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ノズル表面に形成される撥水膜はレジストの突出部分に沿って形成されることからノズル内にだれ込むことが防止され、正確にノズルと撥水膜の寸法精度を維持できる。また、硬質体が撥水膜の表面から突出することを可能にするので撥水膜の耐刷性高める上では好ましい。また、熱処理によりフッ素重合体が溶融して添加物である硬質体を取り込むので本来撥水性の低い硬質体の表面においても十分な撥水作用を期待することができる。
また、ノズル板表面をエッチングする工程によって加工時や粗研磨時に発生したバリが除去され、加工時の最終仕上げ研磨工程を省くことができる。
また、上記目的を達成するために、請求項2の発明は、インクジェットプリンタのノズル板の製造方法であって、インクを噴射するノズルが形成されたノズル板のノズル内部にインク噴出側と反対側からレジストを充填する工程と、前記ノズル板のインク噴出側面にレジスト被膜を形成する工程と、前記ノズル板のインク噴出側面に形成されたレジスト被膜の前記ノズルの周辺部分に開口部を形成する工程と、前記ノズル板の前記レジスト被膜の開口部をエッチングし、前記レジストに前記ノズルから突出した部分を形成する工程と、前記レジスト被膜を除去する工程と、前記レジスト被膜が除去された後の前記ノズル板の表面に前記レジストが前記ノズルから突出した部分に沿って丸みを帯びた略だ円形状を有する硬質体およびフッ素樹脂重合体を共析させたメッキ被膜を形成する工程と、前記レジストを剥離除去する工程と、前記メッキ被膜が形成された前記ノズル板を加熱処理して前記フッ素樹脂重合体を溶融させ、前記硬質体が部分的に突出した構造を有するフッ素樹脂膜が前記メッキ被膜の表面に形成された撥水膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様に正確な寸法精度を有する撥水膜を有するノズル板を提供することができる。
また、撥水膜に対してアルコール分を10%含むインクの接触角が60°以上となる撥水性を有するまで熱処理を行う工程を有する態様が好ましい
かかる熱処理によりフッ素重合体が溶融して添加物である硬質体を取り込む。
硬質体と、メッキ加工されたフッ素重合体とを有し、ノズルを有するノズル板を基材として前記ノズル近傍に形成される撥水膜は、フッ素重合体がノズルから吐き出されるインクなどの液体の撥水作用を行い、硬質体がフッ素重合体の耐刷性を高める。
前記硬質体扁平形状(丸みを帯びた略だ円形状)を有する撥水膜は、球形の硬質体よりも摩擦による抜け落ちが少ないため、耐刷性を長時間維持するのに便宜である。
前記硬質体は長軸1μm以下の粒子径を有する撥水膜は、粒子径が大きい硬質体がノズル板表面のワイピング処理の円滑性を妨げることはない。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3記載のインクジェットプリンタのノズル板の製造方法の一態様に係り、前記硬質体は、チッ化ホウ素の単結晶或いは炭化ホウ素の単結晶を含むことを特徴とする。前記硬質体は窒化ホウ素又は炭化ホウ素の単結晶を含む撥水膜は、窒化ホウ素や炭化ホウ素の単結晶が本来球形ではない扁平形状を有するために扁平形状に加工する処理を必要としない点で好ましい。
前記メッキ加工は電気メッキ法又は無電解メッキ法を使用する撥水膜は、特別のメッキ加工を必要としない点で便宜である。
前記撥水膜を有する印字ヘッドにおいて、インクを噴射するノズルを有するノズル板と前記ノズル板を基材として前記ノズル近傍に形成され、硬質体とメッキ加工されたフッ素重合体とを有する撥水膜とを有する態様によれば、フッ素重合体がノズルから吐き出されるインクなどの液体の撥水作用を行い、硬質体がフッ素重合体の耐刷性を高める。
前記印字ヘッドと、当該印字ヘッドを駆動する駆動装置とを有する記録装置であって、前記印字ヘッドは、インクを噴射するノズルを有するノズル板と、前記ノズル板を基材として前記ノズル近傍に形成され、硬質体とメッキ加工されたフッ素重合体とを有する撥水膜とを有する態様によれば、フッ素重合体がノズルから吐き出されるインクなどの液体の撥水作用を行い、硬質体がフッ素重合体の耐刷性を高める。
ノズル板のノズル周辺のみが開口する第1のレジストを前記ノズル板の上に形成する工
程と、第1のレジストを介して第1のメッキを行ってメッキ加工されたフッ素重合体の第
1の層を形成する工程と、第2のレジストを形成する工程と、第2のメッキを第1の層に
対して行って第1の層に硬質体を添加する工程と、前記第1及び第2のレジストを剥離す
る工程とを有する撥水膜形成方法によれば、ノズル板を基材としているので硬質体が撥水
膜表面から突出することが可能になる。請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のインクジェットプリンタのノズル板の製造方法の一態様に係り、前記硬質体は、長軸が1μm以下の粒子径を有し、前記フッ素樹脂膜は、2μm以下の厚みを有することを特徴とする。
本発明によれば、ノズル表面に形成される撥水膜はレジストの突出部分に沿って形成されることからノズル内にだれ込むことが防止され、正確にノズルと撥水膜の寸法精度を維持できる。また、硬質体が撥水膜の表面から突出することを可能にするので撥水膜の耐刷性高める上では好ましい。また、熱処理によりフッ素重合体が溶融して添加物である硬質体を取り込むので本来撥水性の低い硬質体の表面においても十分な撥水作用を期待することができる。
また、ノズル板表面をエッチングする工程によって加工時や粗研磨時に発生したバリが除去され、加工時の最終仕上げ研磨工程を省くことができる。
本発明の他の目的と更なる特徴は、以下、添付図面を参照して説明される実施例において明らかになるであろう。
本発明の撥水膜100を図1乃至図3を参照して説明する。ここで、図1は本発明の撥水膜100の構造を説明するための模式的断面図であり、図2は図1に示す撥水膜100の変形例又は所定期間使用した後の状態を示す撥水膜100aの模式的断面図である。また、図3は図2において実線で囲った丸部分の拡大図である。なお、各図において、同一の参照番号を付した部材は同一部材を表すものとし、重複説明は省略する。また、同一の参照番号にアルファベットを付した部材は同種の部材であるがアルファベットによって区別され、また、単なる参照番号で総括されるものとする。
撥水膜100及び100aの厚さは、例えば、1乃至2μmであり、ノズル板10の表面においてノズル12近傍に形成されている。即ち、図1は、後述する印字ヘッド300(例えば、ピエゾ型インクジェットヘッドやバブル型インクジェットヘッド)に適用可能なノズル(孔)12近傍の拡大断面図であるが、ノズル板10は、ストレート部14とテーパ部16とから構成されるノズル12を所定の解像度に対応する数だけ有している。なお、ノズル12は必ずしもストレート部14とテーパ部16を有しなければならないわけではなくどちらか一方のみ有していてもよい。ストレート部14で画定された部分がノズル12の開口部18であり、インクのメニスカス20が形成されている。ノズル板10は圧力室板30に接続されており、圧力室板30には後述するようにインク室32が設けられている。
本発明の撥水膜100及び100aは、フッ素樹脂膜102と、フッ素樹脂粒子104と、Niベース106と、扁平硬質体108とを有している。なお、図1に示す撥水膜100は図2に示す撥水膜100aと扁平硬質体108がフッ素樹脂膜102から部分的に突出しているかどうかで相違している。
本発明の撥水膜100及び100aは、特長的に、ノズル板10を基材として形成される。従って、本発明は、例えば、まず平面上に撥水膜を形成してからノズル板10を形成し、かかる平面を取り除く方法は採用していない。このような方法は、図2に示すように硬質体108がフッ素樹脂膜102から突出することを不可能にするからである。図2に示すような硬質体108の突出構造は、ワイピングブレード(ワイパ)の擦れに対してフッ素樹脂膜102の削れを防御し、長期間のインク撥水性の維持が可能になるために好ましい。
フッ素樹脂膜102やフッ素樹脂粒子104には、4弗化エチレン樹脂、4弗化エチレン−6弗化プロピレン共重合樹脂、3弗化塩化エチレン樹脂、弗化ビリニデン樹脂、弗化ビニル樹脂、PTFE、FEP、ETFE、PFA、PCTFE、PVDFなどを単独又は混合して使用することができる。この場合の平均粒子径は150μm以下、特に、0.05乃至20μmとすることが好ましい。また、必要により前記フッ素樹脂粒子に加えて他の無機又は有機高分子微粒子を共析させることができる。
メッキ(被)膜としてのニッケルベース106は密着性を高めるために加えられる。ニッケル以外にも銅、銀、亜鉛、錫、コバルト、その他、ニッケル−コバルト合金、ニッケル−リン合金、ニッケル−ホウ素合金などのニッケル合金を使用することができる。なお、メッキ被膜は、例えば、PFAを懸濁した電気メッキ液(法)又は無電解メッキ液(法)によって形成することができる。この場合、電気メッキ液としては、析出すべき金属メッキ被膜の種類に応じてワット浴、塩化物高濃度含有浴、スルファミン酸ニッケル浴、ホウ弗化ニッケル浴等の電気ニッケルメッキ液、硫酸コバルト浴、塩化コバルト浴などの電気コバルトメッキ液、硫酸銅浴、ホウ弗化銅浴等の電気銅メッキ液、硫酸鉛、錫浴やホウ弗化鉛等の電気鉛、錫メッキ液などがある。しかし、特に共析量を多くすることができ、かつ攪拌の影響を受けにくい等の点からスルファミン酸イオンを0.5モル以上、より好ましくは0.8モル以上含有するスルファミン酸浴を用いることが好ましい。また、無電解メッキ液としては、次亜リン酸塩やジメチルボラザンなどのホウ素化合物を還元剤とする無電解ニッケルメッキ液、無電解コバルトメッキ液、無電解銅メッキ液等を使用することができる。
硬質体108はフッ素重合体よりも硬度が高く、扁平形状を有している。また、硬質体108はできるだけ撥水性、耐刷性、低摩擦性を有していることが好ましい。もっとも硬質体108の撥水性が低くても後述するように熱処理を行えば、フッ素重合体が溶融して硬質体108の表面を覆うので撥水性を維持することができる。硬質体108はワイパに対するフッ素重合体の耐刷性を高めるために添加される。扁平形状としたのはメッキ膜中へのアンカー効果を向上させるためである。この向上されたアンカー効果についてもう少し詳しく説明する。例えば、図4に示すように扁平形状の代わりに(例えば、1μm以上の径を有する)球状硬質体208を内部に分散した撥水膜200(例えば、厚さ約2μm)を考えてみる。この撥水膜200の表面をワイパ5で擦ると球状硬質体208が撥水膜200に半径以上入り込んでいるもの以外は図5に示すように脱落してしまい撥水膜の耐刷性は硬質体208を有しない撥水膜と同じくらいまで低下してしまう。図5において、209は硬質体208の脱落跡である。
硬質体108の例としては、例えば、BN(窒化ホウ素)、炭化ホウ素、炭化珪素、炭化チタン、炭化タングステン、弗化黒鉛、アルミナ、ガラス、セラミックスなどを使用することができる。窒化ホウ素や炭化ホウ素は通常単結晶で取引されており、単結晶では結晶構造が球形でない(窒化ホウ素は扁平の)ために本発明の撥水膜への適用は好ましい。特に、窒化ホウ素は機械軸受け部分の摩擦低減化のために用いられているものであり、無電界ニッケル膜の摺動性向上とフッ素樹脂膜102の強度向上のためには好ましい。また、アルミナ、ガラス、セラミックスを硬質体108として用いれば扁平形に加工する必要がある。BNは、例えば、5g/l又は10g/l程度、より好ましくは20g/l程度添加される。
なお、添加物である硬質体108はフッ素重合体に比べて撥水性が劣っているため、できるだけ撥水表面はフッ素重合体で覆う必要がある。そこで、メッキ後に加熱処理を行いフッ素重合体の溶融によって添加物を取り込み液体接触表面の撥水膜部分を多くする必要がある。
以下、図6を参照して、図1又は図2に示す撥水膜付きノズル板の製造方法について説明する。ここで、図6は図1に示す撥水膜100又は図2に示す撥水膜100aの形成方法の一例を説明するための工程断面図である。まず、図6(A)に示すように、厚さ100μm乃至300μmのステンレススチール(SUS316)板のノズル板基板10をプレス加工、エッチング加工、放電加工、レーザー加工等の方法によって加工し、ノズル12を設ける。ここでは、円錐径ノズル12をプレス加工によって作成し、ストレート部14は径40μm、長さ20μm、テーパ部16はテーパ角20°に設定されている。ノズル板表面22は加工時に発生したバリを除去するために粗く研磨されているがバリが完全に除去されてはいない。
続いて、図6(B)に示すように、加工されたノズル12に対してレジスト部材である耐腐食性高分子樹脂を充填する。樹脂材としては後に剥離すること及び樹脂の加工特性を考慮して感光性液体レジストを用いることができる。ここでは、硬化性のアクリル系樹脂のドライフィルムレジスト(DFR)24を用いている。DFR24は十分な熱量を与えることによって粘性を持つ液状となり、容易にノズル12内部に充填することができる。また、剥離に際しても水溶性DFRを使用すればアルカリ性水溶液で容易に剥離できる。
図6(C)に示すように、ステンレスエッチング液に浸漬してノズル板表面22をエッチングする。ノズル板の表面22にはノズル12加工時又は粗研磨時に発生したバリが存在するが、エッチングにより容易に除去することができる。これにより、ノズル板10の加工時の最終仕上げ研磨工程を省くことができ越すとの低減を図ることができる。また、化学的研削手段を用いることにより、ノズル板基板10に与える機械的応力が小さくてすみ、加工寸法制度を向上することができる。エッチング深さは10μm、ストレート部14の長さは10μmとなる。
その後、水洗、電解脱脂、水洗い、酸洗浄、ストライクNiメッキを行い、図6(D)に示すように、ノズル板表面22にNi共析メッキにより撥水膜100を形成する。撥水膜100の厚さは突出したDFR24の高さを超えない範囲の厚さである。その後、アルカリ性水溶液の剥離液中に浸漬することにより、図6(E)に示すように、DFR24が剥離除去されて撥水膜100を有するノズル板10が完成する。なお、ノズル板10として、セラミック、ガラス等のエッチングが困難なものを使用した場合には研削工程(図6(C))でサンドブラストによる物理的研削手段を使用することができる。子の場合、DFR24は、通常の成分であるアクリル樹脂のほかにウレタン樹脂を含有した耐サンドブラスト用のもの(例えば、東京応化製BFシリーズ)が用いられる。物理的研削手段はノズル板基板10に金属部材を使用した場合でも適用することができる。
このように、ノズル板表面22に行うNi共析メッキによる撥水膜100はDFR24の突出部分にそって形成されることからノズル12内にだれ込むことが防止され、正確にノズル12と撥水膜100の寸法精度を維持することができる。例えば、図1において、撥水膜100の径φ2は開口部18の径φ1の3%の範囲内でだれ込みを許容して形成される。この3%の径の違いは撥水膜100の開口部とノズル板の開口部18をほぼ同一側面に整列させるためのものである。これにより、インクドットのずれが防止され、インク飛翔が安定化し、高品位画像を提供することができる。
続いて、図7を参照して、撥水膜100を有するノズル板10の他の製造方法について説明する。なお、図7に示す製造工程は図6(C)以降の製造工程の変形例であり、図7(A)に示す工程は図6(B)に示す工程に続くものとする。図7(A)に示すように、ノズル板表面22にアルカリ現像、剥離可能な液体レジスト又はDFR被膜26を形成し、マスクパターンを用いて露光、現像することによりノズル板表面22の開口部18周辺の被膜を除去する。次に、図7(B)に示すように、ステンレススチール製のノズル板基板10をエッチング液に浸漬して被膜26の開口部の表面を研削する。エッチング深さはエッチング条件を変更することによって調整することができる。深さ調整によりストレート部14の長さ及びDFR24の突出量が調整される。
図7(C)に示すように、強アルカリ液を用いて被膜26を剥離する。この場合、DFR24は耐アルカリ性レジストであり除去されずに残っている。その後、水洗、酸洗浄、電解脱脂、水洗、ストライクNiメッキが行われる。次に、図7(D)に示すように、ノズル板表面22にNi共析メッキを行い、撥水膜100が形成される。膜厚は、DFR24の突出量を超えない程度に行われる。その後、図7(E)に示すように、溶剤現像タイプのレジスト剥離液を用いてDFR24を剥離除去する。
このように製造しても、図6と同様に、正確な寸法精度を有する撥水膜100を有するノズル板10を提供することができる。特に、レジスト部材としてDFR24を用いることにより、加熱工程があるのみで露光工程を省くことができると共にノズル板基板10の裏面から一工程で行うことができるので製造コストを低減することができる。
図1に示す撥水膜100又は図2に示す撥水膜100aの製造について説明する。まず、ノズル板10の表面にだけ撥水メッキ膜を形成するために他の部分はカバーして膜がつかないようにマスキングを行う。この工程は、ノズル板10を基材としてこのノズルの圧力室30形成側の面をアルカリ現像型ドライフィルム(本実施例で用いたものは、東京応化製α−450)を120℃、2.5kgf/cm、0.5m/minの条件でラミネートする。これにより、ノズル12内部のテーパ部14とストレート部16にまでドライフィルムが侵入し、更に、ノズルのインク吐出口からもレジストが出て、ノズル開口部分のエッジ周囲を1μmの幅でレジストが覆い、これを両面露光してレジストを硬化させる。
一方、単結晶のBN(窒化ボロン)を添加した撥水メッキ液の形成は中心粒径が長軸で1μm以下(1μmより大きいものはこの大きさになるまで粉砕する)のBNを20g/lの割合で添加したフッ素樹脂含有のNiメッキ液(株式会社ヒキフネ製)を用意し、上記マスキングを行ったノズル板10に撥水メッキを行う。
まず、ノズル板10はステンレス製(SUS430)で、表面の酸化膜除去のため10%の塩酸に3分間含浸した後に水洗いをし、メッキの密着性向上のためにストライクNiメッキを行う。
ストライクNiメッキの構成は以下の通りである。
(1)浴組成
塩化ニッケル(NiCl2・6H2O) 220g/l
塩酸(HCl 35%) 45g/l
(2)液温 室温
(3)電極
チタンバスケット(150x30x250mm)
電解ニッケル (φ1Bx10mm)
(4)電流 2A/dm2
このストライクNiメッキを使用して1分間メッキを行った後水洗槽をくぐらせて即撥水メッキ工程に移る。撥水メッキの構成は以下の通りである。
(1)液構成
スルファミン酸ニッケル 420乃至480g/l
塩化ニッケル 40乃至50g/l
ホウ酸 30乃至40g/l
PTFE 40乃至50g/l
BN 20g/l pH 4.0乃至4.4
(2)液温 42℃
(3)電極
チタンバスケット(150x30x250mm)
電解ニッケル (φ1Bx10mm)
角膜
(4)電流 2A/dm2
この撥水メッキを使用して3分間メッキを行った。水洗後、NaOH(3wt%)の溶液に浸してレジストを剥離し、更に、水洗・乾燥工程を経た後、350℃で30分の加熱工程を行ってPTFEを膜化してメッキに固着させる。メッキ後の膜は、本出願に添付される写真に示すように、BN粒子が点在し、これによってワイパ(ゴムブレード)の摩擦・磨耗においても最表面のフッ素膜が削られても、BN粒子の凸部分からはこの削れが防御され撥水効果が維持できた。
次に、図8及び図9を参照して、本発明のインクジェットヘッド300について説明する。ここで、図8は完成したインクジェットヘッド300の分解斜視図であり、図9はインクジェットヘッド300の部分拡大側面図である。図8から分かるように、本発明のインクジェットヘッド300は、圧力室板310と、圧電素子320と、ノズル板330と、樹脂フィルム340と、保護層350とを有する。なお、ノズル板330は図1に示すノズル板10に対応し、圧力室板310は図1に示す圧力室板30に対応している。圧力室板310と樹脂フィルム340と保護層350は、ノズル板330の面330aが接合される面であるノズル接合面360において整列している。換言すれば、圧力室板310の前面310aと樹脂フィルム340の前面340aと保護層350の前面350aは、平滑なノズル接合面360を構成している。
圧力室板310は、略直方体の形状を有するガラス板に、所望の数(図8では便宜上4つ)の圧力室312とインク導入路314、並びに、共通インク室316を有する。圧力室312は、インクを供給されてこれを収納すると共に内部圧力が高まるとインクを開口312aに連通されたノズル332から噴射する。内部圧力は、後述するように、直下の圧電体ブロック321が変形に伴って変化する。圧力室312は、圧力室板310上に形成された凹状の溝と弾性変形可能な樹脂フィルム340により略直方体の空間として形成されている。共通インク室316は、各圧力室312にインク導入路314を介してインクを供給する。共通インク室316は、圧力室312の急激な内部圧力変動を吸収するように底面は樹脂フィルム340で画定されており、圧力室板310の側面310bにおいて図示しないインク供給装置に接続されている。共通インク室316は、圧力室312が収縮加圧されてインクを吐出した後、復帰する際に、インク導入路314を介して、圧力室312に必要量のインクを供給する。
樹脂フィルム340は、圧力室312、共通インク室316、インク導入路314の一面を構成し、後述の圧電体ブロック321の変形を圧力室312に伝達すると共に圧力室312内のインクが圧電素子320の溝323に侵入するのを防止する機能を果たす。樹脂フィルム340は、例えば、16μ程度の厚さを有し、GPa程度の接着強さを有している。樹脂フィルム340は圧力室312の一面を形成する部材であるが、弾性変形の可能な金属薄膜により構成されてもよい。
圧電素子320は、積層構造を有して、前面320aから後面320bに延びる平行な溝323によって分割された複数(図1では便宜上4つ)の圧電体ブロック321を有する。各圧電体ブロック321の積層内には内部電極322、324が設けられ、内部電極322は外部電極326と、内部電極324は外部電極328と接続されている。なお、図8は、作図の便宜上、一の外部電極328のみを示す。図9に示すように、内部電極322と324とがA方向に重なっている部分が活性部325であり、この活性部325において、各圧電体ブロック321は変形する。活性部325の長さは圧力室312に加えられるべき圧力に応じて調節される。活性部325はノズル接合面360から所定距離だけ離間されているために、それが変形してもノズル接合面360における圧電素子320と保護層350とが接着していることには影響を与えない。
外部電極326は、圧電素子320の前面320aの全面に蒸着された電極層であり、全ての圧電体ブロック321に共通する外部電極である。外部電極326はアースされている。これに対して、外部電極328は、圧電素子320の後面320bの上にあるが、後面320bの全面に蒸着されてはおらず、各圧電体ブロック321に対応した位置にのみ個別的に設けられた電極層である。外部電極328は、通電されなければ電位はゼロであるが、通電されれば正の電圧を内部電極324に印加することができる。
かかる構造より、圧電素子320の各圧電体ブロック321は、外部電極328に電圧が印加されないと内部電極322、324の電位が共にゼロのため変形しない。しかし、外部電極328から電圧が印可されると、各圧電体ブロック321は他の圧電体ブロック321とは独立して、図8のA方向(縦方向)に変形可能である。換言すれば、A方向が圧電体ブロック321の分極方向になる。外部電極328からの通電が停止すると、すなわち、圧電素子320に充電された電荷が放電されることにより、対応する圧電体ブロック321は元の状態に復帰する。
本実施例の圧電素子320は、まず、複数枚のグリーンシート327を用意する。各グリーンシート327はセラミックの粉末などの溶剤にまぜて混練してペースト状にし、ドクターブレードにより50ミクロン程度に薄膜形成する。グリーンシートのうち、3枚のグリーンシートの片方の表面には、それぞれ内部電極22のパターンが印刷・形成され、3枚のグリーンシートの片方の表面には、それぞれ内部電極324が印刷・形成され、残りには何も内部電極は形成されない。内部電極322と324の印刷は、銀とパラジウムの合金を粉状にしたものに溶剤をまぜてペースト状にしたものを塗布して、パターン形成することによりなされる。
次に、内部電極322が形成された3枚と内部電極324が形成された3枚を交互に張り合わせ、残りの6枚もその後張り合わせる。これにより、図9に示すような圧電素子320の積層構造を形成する。圧電素子320のうち内部電極322、324を含まない下のグリーンシートは基盤部となる。さて、これらのグリーンシートを積層した状態で焼成する。続いて、ダイヤモンドカッターによって前面320aから後面320bに少なくとも最初の6枚のグリーンシートを部分的に切断する。これによって、溝323によって分割された複数の圧電体ブロック321を形成する。最後に、前面320aと後面320bに外部電極326、328をそれぞれ蒸着により形成する。なお、焼成前に溝323を形成しておくことも可能である。完成した圧電素子320は、外部電極326、328に電圧を印可することによって特性検査がなされ、動作不良のものは排除される。
図8に示すインクジェットヘッド300は保護層350を更に有している。保護層350は後述するように有用な効果を有するが、保護層350を設けるかどうかは選択的である。
保護層350は、50ミクロン程度の厚さを有する略長方体状の熱硬化型エポキシ系接着材であり、圧電素子320(外部電極326)の前面320aと面350bで接続されている。但し、保護層350の材質はこれに限定されるものではない。例えば、エポキシ系充填剤や、アクリル樹脂、若しくは、ポリエチレン樹脂などを保護層350に使用することもできる。なお、実際のインクジェットヘッド300では、保護層350は厳密に直方体形状ではなく、保護層350と圧電素子320との接続は、図8及び図9に示すように、外部電極326と面350bにより明確になされているものではない。即ち、熱硬化前に保護層350はその一部が圧電素子320の溝323より内部に侵入している。従って、保護層350の材質は、内部電極322、324を短絡させないように絶縁物であることが望ましい。本実施例では、保護層350は圧電素子320(外部電極326)の前面320aに亘って塗布されるが、必要があれば、部分的に塗布されてもよい。
保護層350は圧電素子320をノズル接合面360から50ミクロン程度離間させている。圧力室12からインクが漏れて圧電素子320に侵入する場合、インクは、主として、ノズル接合面360を通って圧電素子320に侵入する。しかし、保護層350は、ノズル接合面に配置されていた圧電素子をノズル接合面360から離間することにより、インクが圧電素子320に侵入して内部電極322、324が短絡することを防止している。
また、保護層350は溝323を遮蔽している。インクが漏れて圧電素子320に侵入する場合、インクは、主として、圧力室312の開口312aからノズル接合面360を伝って圧電素子320の溝323よりその内部に侵入する。しかし、保護層350はノズル接合面360に対して(即ち、ノズル接合面360から見て)溝323を遮蔽することにより、インクが圧電素子320の前面320a付近から溝323に侵入して内部電極322及び324が短絡することを防止している。
その他、保護層350は、インクジェットヘッドの製造段階におけるノズル接合面320aの形成のための研磨工程において、圧電素子320を研磨による破壊から保護するという効果も有する。その結果、研磨工程を経ても圧電素子320が剥離、割れ、欠けを被ることはない。また、外部電極326が削除されることもない。更に、圧力室板310はガラスからなるので比較的強度が高く、研磨速度を高く設定できるため、従来の製造方法に比べて、研磨時間が約5分の1に短縮されている。
ノズル板330はステンレスなどの金属により形成する。各ノズル332は、図6を参照して説明したように、ピンを使用したパンチなどにより、好ましくは、ノズル板330の前面330bから後面330aに向かって広がる円錐状(断面的にテーパ状)に加工する。圧力室板310とノズル板330を一体的に構成せずに圧力室板310にノズル板330を接着する理由の一つは、かかる円錐状のノズル332を得るためである。本実施例では、後面330aにおけるノズル332の大きさは80ミクロン程度、前面330bにおけるノズル332の大きさは25〜35ミクロン程度としている。なお、インクジェットヘッド300と異なり、ノズルが例えば図8に示す圧力室板310の上部に形成されているインクジェットヘッドにも本発明は適用することができる。
ノズル板330の表面(前面)330bには撥水膜100が少なくともノズル332の周囲に形成されている。もちろん撥水膜100は前面330bの前面に亘って形成されてもよい。撥水膜100によりインクの飛翔方向と後述するワイピング処理が安定し、高品位画像を提供することができる。なお、ノズルが例えば図8に示す圧力室板310の上部に形成されているインクジェットヘッドにおいては撥水膜の位置もそれに伴って移動することは理解されるであろう。
インクジェットヘッド300においては、外部電極328は、それぞれ独立して、圧電体ブロック321の内部電極324に電圧を印加するために、各圧電体ブロック321がそれぞれ独立に図1のA方向に変位して樹脂フィルム340をA方向に撓ませ、対応する圧力室312を加圧する。かかる加圧により、インクが、圧力室312から対応するノズル332を介して射出される。外部電極328からの通電が停止すれば、樹脂フィルム340と圧電体ブロック321は放電により元の状態に復帰する。この時、圧力室312の内部圧力が下がるので、共通インク室316からインク導入路314を介して圧力室312にインクが補給される。
なお、本実施例では、圧電素子320はA方向へ縦変形するものを用いたが、横変形するものを用いてもよい。また、本発明は、圧電素子を利用するいわゆるピエゾ型インクジェットヘッドに限定されるものではなく、バブル型インクジェットヘッドにも適用することができる。
次に、図10を参照して、本発明のインクジェットヘッド300を備えたインクジェットプリンタ400について説明する。なお、各図において、同一の参照番号を付した部材は同一部材を表すものとし、重複説明は省略する。図10には、本発明のインクジェットヘッド300が適用されるカラーインクジェットプリンタ(記録装置)400の実施形態が概略的に示されている。記録装置400のハウジング410内にはプラテン412が回転自在に設けられている。
記録動作中、プラテン412は駆動モータ414によって間欠的に回転駆動させられ、これにより記録紙Pが所定の送りピッチで矢印W方向に間欠的に送られる。また、記録装置のハウジング410内にはプラテン412に対して平行にその上方側に案内ロッド416が設けられており、この案内ロッド416上にはキャリッジ418が摺動自在に取り付けられている。
キャリッジ418は無端駆動ベルト420に取り付けられており、無端駆動ベルト420は駆動モータ422によって駆動され、これによりキャリッジ418はプラテン412に沿って往復運動(走査)させられる。
キャリッジ418には黒色用の記録ヘッド424及びカラー用の記録ヘッド426が搭載されている。カラー用の記録ヘッド426は3つの部分から構成され得る。黒色用の記録ヘッド424には黒色インク用タンク428が着脱自在に装着され、カラー用の記録ヘッド426にはカラーインク用タンク430、432及び434が着脱自在に装着される。かかる記録ヘッド424及び426に本発明のインクジェットヘッド300が適用される。
黒色インク用タンク428にはもちろん黒色インクが収容され、カラーインク用タンク430、432及び434にはそれぞれイエローインク、シアンインク及びマゼンタインクが収容される。
キャリッジ418がプラテン412に沿って往復運動される間、黒色用の記録ヘッド424及びカラー用の記録ヘッド426がワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等から得られる画像データに基づいて駆動され、これにより記録紙P上に所定の文字、画像などが記録される。記録動作停止時には、キャリッジ418はホームポジションに戻され、このホームポジションにはノズル保守機構(バックアップユニット)436が設けられている。
ノズル保守機構436には可動吸引キャップ(図示せず)と、この可動吸引キャップに接続された吸引ポンプ(図示せず)が設けられている。記録ヘッド224及び226がホームポジションに位置付けされると、各記録ヘッドのノズル板に吸引キャップが吸着され、吸引ポンプを駆動することにより、ノズル板のノズルが吸引される。このようにして、ノズルの目詰まりが未然に防止される。その後、同様に図示しないワイピングユニットがノズル板330の表面330bをワイパで拭き取る。この際、撥水膜100によりノズル板表面330b上のインクはワイパにより完全に拭き取られると共に、撥水膜100内の硬質体108が撥水膜がワイパにより破壊等されることを防止する。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はその要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。
本発明の撥水膜の構造を説明するための模式的断面図である。 図1に示す撥水膜の変形例又は所定期間使用した後の状態を示す模式的断面図である。 図2において実線で囲った丸部分の拡大図である。 扁平硬質体を有する図1の撥水膜と比較される球状硬質体を有する撥水膜の構造を説明するための模式的断面図である。 図4において球状硬質体が脱落した状態を説明するための模式的断面図である。 図1に示す撥水膜の形成方法の一例を説明するための工程断面図である。 図1に示す撥水膜の形成方法の別の例を説明するための工程断面図である。 完成したインクジェットヘッド300の分解斜視図である。 インクジェットヘッド300の部分拡大側面図である。 本発明の記録装置の概観斜視図である。
符号の説明
10 ノズル板
12 ノズル(孔)
100 撥水膜
102 フッ素樹脂膜
104 フッ素樹脂粒子
106 ニッケルベース
108 扁平硬質体
300 インクジェットヘッド
330 ノズル板
332 ノズル(孔)
400 記録装置

Claims (4)

  1. インクジェットプリンタのノズル板の製造方法であって、
    インクを噴射するノズルが形成されたノズル板のノズル内部にレジストを充填する工程と、
    前記レジストが充填された前記ノズル板の表面をエッチングし、前記レジストに前記ノズルから突出した部分を形成する工程と、
    前記ノズル板の表面をエッチング工程の後に、前記ノズル板の表面に前記レジストが前記ノズルから突出した部分に沿って丸みを帯びた略だ円形状を有する硬質体およびフッ素樹脂重合体を共析させたメッキ被膜を形成する工程と、
    前記レジストを剥離除去する工程と、
    前記メッキ被膜が形成された前記ノズル板を加熱処理して前記フッ素樹脂重合体を溶融させ、前記硬質体が部分的に突出した構造を有するフッ素樹脂膜が前記メッキ被膜の表面に形成された撥水膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタのノズル板の製造方法。
  2. インクジェットプリンタのノズル板の製造方法であって、
    インクを噴射するノズルが形成されたノズル板のノズル内部にインク噴出側と反対側からレジストを充填する工程と、
    前記ノズル板のインク噴出側面にレジスト被膜を形成する工程と、
    前記ノズル板のインク噴出側面に形成されたレジスト被膜の前記ノズルの周辺部分に開口部を形成する工程と、
    前記ノズル板の前記レジスト被膜の開口部をエッチングし、前記レジストに前記ノズルから突出した部分を形成する工程と、
    前記レジスト被膜を除去する工程と、
    前記レジスト被膜が除去された後の前記ノズル板の表面に前記レジストが前記ノズルから突出した部分に沿って丸みを帯びた略だ円形状を有する硬質体およびフッ素樹脂重合体を共析させたメッキ被膜を形成する工程と、
    前記レジストを剥離除去する工程と、
    前記メッキ被膜が形成された前記ノズル板を加熱処理して前記フッ素樹脂重合体を溶融させ、前記硬質体が部分的に突出した構造を有するフッ素樹脂膜が前記メッキ被膜の表面に形成された撥水膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタのノズル板の製造方法。
  3. 前記硬質体は、チッ化ホウ素の単結晶或いは炭化ホウ素の単結晶を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリンタのノズル板の製造方法。
  4. 前記硬質体は、長軸が1μm以下の粒子径を有し、
    前記フッ素樹脂膜は、2μm以下の厚みを有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットプリンタのノズル板の製造方法。
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