JP3999936B2 - 電話通信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話情報を伝送交換,処理するための電話通信システムに関するものであり、特に、複数の電話端末装置をネットワークにより相互接続して、各電話端末装置からの電話情報を相互に伝送するために必要な交換,制御,その他の処理を行う電話通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の電話通信システムとして、例えば、各家庭に設置され一般にボタン電話装置と称されているキーテレホンシステムが広く用いられ、また、企業内電話システムとしてPBXも広く普及して、日常の電話情報の相互伝達に貢献している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来の電話通信システムのうち、従来のキーテレホンシステムは組込型であり、インフラの成長とともに順次機能を追加して来たことによって、ソフトウェアが肥大化し、複雑なインタフェース構成になっているため、新機能の追加や変更が非常に困難である。また、端末状態や加入者データなどを主装置で一元(集中)的に管理しているため、システム規模の拡張に際してメインプロセッサの能力に基づく制限を受けるため、その実現が困難である。さらに、拠点間を相互に連結して企業内での内線ネットワークを構築しようとするとき、電話通信専用の回線を契約する必要があり、余分の設備運用コストがかかる欠点がある。
また、PBXの場合には、規模が大きくなるため、これらの困難性,欠点は増大する。
よって従来の技術では、簡易な構成で電話情報の相互伝達をするために必要な交換,制御その他の処理を効率よく行い、かつ、収容端末数の増減に対しても、高い融通性を以て対応することは困難である。
【0004】
本発明の目的は、簡易な構成で各端末相互間の電話情報の相互伝達を効率よく実行し、かつ、収容端末数の増減に対しても高い融通性を以て柔軟に対応することができる電話通信システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明による電話通信システムは、インターネット・プロトコルに準拠した通信をする複数の電話端末と、これら複数の電話端末を収容して各電話端末の通信制御を司るサーバとがそれぞれLANネットワークに接続された電話通信システムであって特に、
前記LANネットワークは、前記複数の電話端末およびサーバとからなるノードを最小構成単位として構成され、前記サーバは、RFC2543に規定されるSIPに従い発呼を行う前記電話端末(発呼端末)のSIP呼を受け付け、着呼を行う前記電話端末(着呼端末)にSIP呼制御シグナルを転送してインタラクティブ通信のセッションの開始、終了および変更を制御するSIPサーバと前記ローカルエリアネットワークの自ノードに属する上記電話端末毎の状態変化情報をそれぞれ保持する端末状態データベースと、前記ローカルエリアネットワークの自ノードに属する上記複数の電話端末からそれぞれ通知される状態変化情報または一定時間毎に自ノードに属する前記電話端末毎の状態変化をそれぞれ検出して、前記端末状態データベースに保持される上記電話端末毎の端末利用状況の更新を行うリソース管理サーバと、前記複数の電話端末、前記SIPサーバおよび前記リソース管理サーバとの情報交換、SIP呼制御の受け付け、着信呼の蓄積および着信呼の有無の問い合わせに対する応答を提供するアプリケーションサーバとを具備し、
上記リソース管理サーバは、自ノードに属する前記電話端末または他ノードに接続されたリソース管理サーバを介した前記状態変化情報および/または前記端末利用状況の問い合わせを受けて、前記端末状態データベースに保持された自ノードに属する上記電話端末の端末利用状況を送出して前記電話端末の表示部に他の電話端末の端末利用状態を表示させることを特徴としている。
また前記複数の電話端末(テレホン端末と前記制御機能として設けられた前記各サーバ間の情報伝送がパケット単位で行われるように構成されている。前記アプリケーションサーバの1例は、着信管理サーバである。
【0006】
即ち、本発明による電話通信システムでは、固定長又は可変長のデータ部分にパケットヘッダを付加したパケットの単位で情報伝送をする方式を採用する。この音声パケット通信を、例えば、IPネットワーク上で実現するために、ボイスオーバIP制御方式として、次のようなSIP(RFC2543),SDP(RFC2327)およびRTP(RFC1889)/RTCP(RFC1890)を使用する。
(イ)SIP(Session Initiation Protocol)インタラクティブ通信のセッションの開始,終了および変更を制御するために定義されたプロトコルである。
(ロ)SDP(Session Description Protocol)マルチメディア通信を実施するための通信端末が要求するメディアタイプを表示するためのプロトコルである。
(ハ)RTP(Realtime Transport Protocol)リアルタイム情報をIPネットワーク上で交換するために定義されたプロトコルである。
(ニ)RTCP(Realtime Transport Control Protocol)RTPを使用した通信における通信状況の監視を行うために定義されたプロトコルである。
IP(Internet Protocol)ネットワーク環境では、IPパケットという標準化されたフォーマットでデータ交換が実施されるという原理に基づき、音声情報,呼制御情報およびキーテレホンサービス情報をそれぞれIPパケットとして定義することにより、IPキーテレホンシステムとしてのソフトウェアインタフェースを構築することが可能となる。
好ましくは前記LANネットワークはインターネットに接続され、該LANネットワークとのエッジ部には、当該LANネットワークへの不正アクセスを防御するためのファイアウォールが設置されていることが望ましい。
また本発明の電話通信システムは、前記複数の電話端末のうちから選択されたいくつかの電話端末は、ゲートウェイを介して公衆通信網に接続されていることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
IPネットワーク上に接続された端末を使用して、従来のキーテレホンシステムと同等のサービスを提供するため、及びシステムの拡張性を高めるために、本発明では、図1に示すように、(A)IPテレホン,(B)SIPサーバ,(C)リソース管理サーバ,および(D)アプリケーションサーバという4つの機能ブロックに分散配置した。ここで、各機能(A),(B),(C),および(D)は、それぞれ次のように規定されている。
(A)IPテレホン:
IEEE802.3に準拠したLAN端末であり、SIPユーザエージェント機能を有するものである。
(B)SIPサーバ:
IEEE802.3に準拠したLAN端末であり、SIPサーバ機能を有するものである。
(C)リソース管理サーバ:
IEEE802.3に準拠したLAN端末であり、IPキーテレホンシステムに属する端末の端末状態データベースを管理,記憶および配信するサーバ機能を有するものである。
(D)アプリケーションサーバ:
IEEE802.3に準拠したLAN端末であり、IPキーテレホンシステムの着信サービス機能を提供するサーバ機能を有するものである。
【0008】
ここで、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection 、搬送波感知多重アクセス/衝突検出)方式であり、バス型の伝送路接続形態を持ち、データを送信するコンピュータは伝送路を調べて、パケットが流れていないことを確認してから送信パケットを送り出す。ほぼ同時にパケットを出すコンピュータがあり、パケットが衝突した場合には、一定時間妨害信号を送出して、乱数に基づいた待ち時間後再送を行う。極めて簡単な機構であるため、伝送路の通信容量に比べて通信量が少ない場合には、衝突も少なく効率的な伝送ができるが、通信量が増えるとパケットの衝突による再送が多発して遅延が増大する。この方式は、サービス名からEthernetと呼ばれている。
【0009】
すなわち、キーテレホンシステムの集中配置されたハードウェアを、図1に示すイーサネットの如きLANの端末に分散配置することにより、集中制御部の能力のみに依存しないシステム拡張が可能である。
これらの分散配置された機能ブロックを組み合わせることにより、表1に示すような電話システムを構成することができる。
【0010】
【表1】
Figure 0003999936
ここで、各システムは次の機能を有している。
(a)IP電話機:
IP電話同士が1対1で通信することができるサービスを提供する。
(b)単独IP電話システム:
従来の加入電話と同等のサービスを提供する。
(c)多機能IP電話システム:
システムに属する電話機の状態表示やワンタッチ操作で呼び出すようなサービスを提供する。
(d)フルIP電話システム:
着信振り分け,一斉着信あるいは識別着信などの着信管理サービスやボイスメール,IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答機能)など音声とデータを統合したサービスを提供する。
【0011】
図1に示すような機能分散は、機能ブロック間の情報通信の信号形態を一般的なIPパケットとして定義することが容易で、かつ、それぞれの機能単位の独立を容易に実現することができる。これは、機能ブロック間のデータインタフェースをIPパケットとすることがそれぞれの機能ブロックを粗結合する状況を作ることに寄与するからである。従って、機能ブロックを独立したプロセッサで処理することと、単一プロセッサで処理することを大差なく構成することができる。
【0012】
リソース管理サーバ(C)は、従来のキーテレホンシステムが提供していた端末状態ランプ表示あるいはLCD表示などのように、端末利用状況を示すために蓄積していた「端末状態情報」を管理する装置および蓄積する装置である。このリソース管理サーバ(C)は、IPネットワーク上で構成されるIPキーテレホンシステムの最小ノードにひとつ配置されるものである。
IPキーテレホンシステムのノードに属するIP電話機(A)は、自己の状態が変化したことを示す「状態変化情報」を、自ノードを管理するリソース管理サーバ(C)へ通知する。
リソース管理サーバ(C)は、自ノードに属する端末からの「状態変化情報」を受信したとき、あるいは、一定間隔を空けて自ノードに属する端末の状態変化を監視し変化があったことを検知したときに、自ノードに属する全端末、あるいは、予め「端末状態情報」の通知を要求している端末に対して端末状態を通知する。
「端末状態情報」を受け取った端末は、自端末のキー設定状態あるいは、表示器の能力に合わせて、他端末の状態を表示することができる。
リソース管理サーバ(C)が保持する「端末状態情報」は、自ノードに属する端末あるいは、他ノードを管理するリソース管理サーバ(C)から問い合わせることにより、いつでも参照することができる。
管理情報は単に端末の状態を示す情報として定義する。IPテレホン(A)は、その情報から自らのハードウェア資源で表現可能な要素だけを抽出し、適切な表示を行うことができる。
【0013】
【実施例】
本発明により、図2に示すような、IPキーテレホンシステムを構成することができる。
図2は、IPキーテレホンシステムの最小構成単位であり、この単位を組み合わせることにより、図3に示すような広域IPキーテレホンネットワークを構築することができる。
図2で利用可能のアプリケーションの1例は、着信サービスである。IPネットワーク上に「着信呼情報」を管理する着信管理サーバ(D)を置くことにより、一般着信,代理応答,群着信など、従来のキーテレホンシステムが提供していた着信機能をIPキーテレホンシステムとして実施することができる。
【0014】
図3は、会社の通信組織をIPネットワークで構築し、そのIPネットワークをインターネットに接続した例を示す系統接続図である。インターネットとのエッジ部には、会社の通信組織内の情報へのインターネット側からの不正アクセスを防御するためにファイアウォールが設置されている。また、同様にSIPを用いた呼制御シグナル情報を中継するために、会社を統括する全社SIPサーバが設置されている。社内は、部門1と部門2に大きく分かれ、各部門はさらに複数の課に分割されている。各課には、SIPサーバ,リソース管理サーバおよび着信管理サーバが設置され、基本モデルの要素はこの課単位で構成されることになる。課と課の間の通信は、SIPサーバおよびリソース管理サーバが交信することにより課内のIPテレホンの状態を知ることができ、SIP呼制御情報を交換することができる仕組みである。さらに、各課に配置されたPSTN/ISDNゲートウェイを介して、従来の電話網に接続することができる。
【0015】
図4は、IPキーテレホンシステムの構成要素におけるソフトウェア機能ブロックと情報交換インターフェースを示す図である。
【0016】
(A)IPキーテレホン端末
LANインタフェースA1により、LAN端末〔リソース管理サーバ(C),SIPサーバ(B)および着信管理サーバ(D)〕との情報交換をそれぞれの経路▲5▼,▲4▼および▲3▼を介して行う。SIP呼制御を受け付けるサーバ機能または当該端末が発呼のために実行を開始する機能は呼制御実行部(A4)で実現する。デバイス制御および入力部(A6)は、キーパッドやフック情報など一般的な電話に実装されるハードウェアの制御を行う。他端末状態監視部(A3)は、キーテレホンに実装されるランプや表示器などに他の電話機の使用状態を表示するために定期的に監視する。他端末の情報は、リソース管理サーバ(C)から得るものである。キーテレホン制御部(A5)は、端末の状態の管理,通話路の接続または切断,表示制御など端末内で完結した処理を実行する。端末操作に伴い、本端末の状態が変化する際、自端末制御部(A2)を経由してリソース管理サーバ(C)に、その変化を通知する。
【0017】
(B)SIPサーバ
LANインタフェースB1により、LAN端末〔リソース管理サーバ(C),SIPサーバ(B)およびIPキーテレホン端末(A)〕との情報交換をそれぞれの経路▲1▼,内部経路(b)(c)および経路▲4▼を介して行う。SIP呼制御を受け付けるサーバ機能を呼制御実行部(B2)で行う。SIP呼制御シグナルをどの端末へ転送するかの決定を宛先解決部(B3)でおこなう。
【0018】
(C)リソース管理サーバ
LANインタフェースC1により、LAN端末〔着信管理サーバ(D),SIPサーバ(B)およびIPキーテレホン端末(A)〕との情報交換をそれぞれの経路▲6▼,▲7▼および▲5▼を介して行う。端末状態管理部(C2)は、LAN端末から通知される状態変化情報の更新を行い、またLAN端末(A)からの情報問い合わせに対して、端末IDおよび端末状態データベース(C3)の内容を公開することも行う。
【0019】
(D)着信管理サーバ
LANインタフェースD1により、LAN端末〔リソース管理サーバ(C),SIPサーバ(B)およびIPキーテレホン端末(A)〕との情報交換をそれぞれの経路▲6▼,▲7▼および▲5▼を介して行う。SIP呼制御を受け付けるサーバ機能を呼制御実行部(D2)で行う。着信状態解析部(D3)は、着信呼の蓄積を行う。また、着信呼の有無の問い合わせに対する応答を行う。
【0020】
図2のIPキーテレホンシステムは、図4で示すソフトウェア構成により実現することができる。
以下、各動作の概略について説明する。
【0021】
(1)発呼シーケンス
図5は、本発明のIP電話システムにおける発信シーケンスを図示したものである。
発呼IP端末(A)は,受話器を上げるような発信捕捉操作を行うことにより、自動的に自己がビジー状態となったことをリソース管理サーバ(C)に伝えるために「捕捉(Notify:BUSY)メッセージを発行する。
リソース管理サーバ(C)は、これを受け付けると、通知した発呼端末(A)の状態ビジーと扱うようにデータベースを更新するとともに、「捕捉受け付け(Accept)」メッセージにより応答する。
続いて、発呼IP端末(A)は、ダイヤル入力のような宛先を指定する操作を行うことにより、RFC2543で規定された発呼メッセージINVITE)をSIPサーバ(B)へ通知する。
SIPサーバ(B)は、同様にRFC2543で規定された一時受付応答レスポンス(100 Trying )により応答するとともに、宛先解決を行うために、リソース管理サーバ(C)に対して、「ロケーション解決要求(Inquire:LOCATION)メッセージを発行する。
リソース管理サーバ(C)は、これを受け付けると、宛先情報をもとに着信可能な宛先を検索し、「ロケーション応答(Answer)」により応答する。
宛先を知ったSIPサーバ(B)は、最終的な着信端末に向けて、RFC2543で規定された発呼メッセージ(INVITE)を発行する。同時に、代理応答操作を可能とするために、着信管理サーバ(D)に対しても発呼メッセージ(INVITE)を発行する。
【0022】
着信端末(A’)は、同様にRFC2543で規定された一時受付応答レスポンス(100 Trying )により応答するとともに、自端末が着信可能か否かを判定し、着信可能と判断することができたとき、RFC2543で規定された着信鳴動開始(180 Ringing)メッセージを発行するとともにリソース管理サーバ(C)に対して、着信中であることを伝えるために「着信(Notify:INCOMING)」を通知する。
着信管理サーバ(D)は、同様にRFC2543で規定された一時受付可能レスポンス(100 Trying )により応答するとともに、着信キューイングが可能か否か判定し、着信キューイング可能と判断することができたとき、RFC2543で規定された着信キューイング(182 Queued )メッセージを発行するとともにリソース管理サーバ(C)に対して、着信中であることを伝えるために、「着信キューイング(Notify:QUEUED)」を通知する。
リソース管理サーバ(C)は、「着信(Notify:INCOMING)」または「着信キューイング(Notify:QUEUED)」を受け付けると、通知した着呼端末(A’)の状態を着信中または着信キューイングと扱うようにデータベースを更新するとともに、「着信中受付(Accept)」または「着信キューイング受け付け(Accept)」メッセージにより応答する。
【0023】
(2)着信応答シーケンス
図6は、本発明のIP電話システムにおける着信応答シーケンスを図示したものである。
着信中の着呼IP端末(A’)は、受話器を上げるような着信応答操作を行うことにより、自動的に自端末がビジー状態となったことをリソース管理サーバ(C)に伝えるために「捕捉(Notify:BUSY)メッセージを発行する。
リソース管理サーバ(C)は、これを受け付けると、通知した端末の状態をビジーと扱うようにデータベースを更新するとともに、「捕捉受け付け(Accept)」メッセージにより応答する。
続いて、着呼IP端末(A’)は、RFC2543で規定された着信応答メッセージ(200 OK)をSIPサーバ(B)へ通知する。
SIPサーバ(B)は、同様にRFC2543で規定された制御により、発呼IP端末(A)に対して、着信応答レスポンス(200 OK)を転送するとともに、着信管理サーバ(D)に対して、着信応答済みを伝えるために着信キャンセル(CANCEL)メッセージを発行する。
着信管理サーバ(D)は、RFC2543で規定された、キャンセル受付(200 OK)により応答するとともに、リソース管理サーバ(C)に対して、着信キュー情報が無くなったことを示すメッセージ(Notify:idle )を発行する。
リソース管理サーバ(C)は、これを受け付けると、着信キュー情報を削除するとともに、着信キュー削除受付(Accept)により応答する。
着信応答(200 OK)メッセージを受け付けた発呼端末(A)は、RFC2543で規定された確認応答(ACK)を発行するとともに、音声パケット通信を開始する。
【0024】
これを受け付けた着呼端末(A’)は、音声パケット通信を開始する。
発呼端末(A)および着呼端末(A’)は、それぞれリソース管理サーバ(C)に自端末が通話中になったことを伝えるために、「通話確立(Notify:Established a Call)」メッセージを発行する。
リソース管理サーバ(C)は、「通話確立(Notify:Established a Call)」を受け付けると、通知した端末の状態を通話中と扱うようにデータベースを更新するとともに、「通話確立受付(Accept)」メッセージにより応答する。
【0025】
(3)着信代理応答シーケンス
図7は、本発明のIP電話システムにおける着信代理応答シーケンスを図示したものである。
着信鳴動していない代理応答IP端末(A'')は、代理応答ボタンを押下しかつ受話器を上げるような着信代理応答操作を行うことにより、自動的に自端末がビジー状態となったことをリソース管理サーバ(C)に伝えるために「捕捉(Notify:BUSY)メッセージを発行する。
リソース管理サーバ(C)は、これを受け付けると、通知した着信代理応答IP端末(A'')の状態をビジーと扱うようにデータベースを更新するとともに、「捕捉受け付け(Accept)」メッセージにより応答する。
代理応答IP端末(A'')は、代理応答するべき着信が存在するか否かを着信管理サーバ(D)に「着信情報要求(Require:INCOMING INFORMATION) 」にて問い合わせる。
着信管理サーバD)は、着信キューイングされた着信情報があるか否かを調べ、着信情報が存在するとき,RFC2543で規定された発呼メッセージ(INVITE)を代理応答端末(A'')へ通知する。
【0026】
代理応答IP端末(A'')は、RFC2543で規定された一時受付応答レスポンス(100 Trying)により応答し、さらに続けて、着信応答メッセージ(200 OK)を着信管理サーバ(D)へ通知する。
着信管理サーバ(D)は、同様にRFC2543で規定された制御により、SIPサーバ(B)に対して、着信応答レスポンス(200 OK)を転送するとともに、リソース管理サーバ(C)に対して、着信キュー情報が無くなったことを示すメッセージ(Notify:idle )を発行する。
リソース管理サーバ(C)は、これを受け付けると、着信キュー情報を削除するとともに、着信キュー削除受付((Accept)により応答する。
SIPサーバ(B)は、同様にRFC2543で規定された制御により、発呼IP端末(A)に対して、着信応答レスポンス(200 OK)を転送する。
【0027】
着信応答(200 OK)メッセージを受け付けた発呼端末(A)は、RFC2543で規定された確認応答(ACK)を発行するとともに、音声パケット通信を開始する。
これを受け付けた代理応答端末(A'')は、音声パケット通信を開始する。
SIPサーバ(B)は、同様にRFC2543で規定された制御により、元着呼IP端末(A’)に対して、着信応答済みを伝えるために着信キャンセル(CANCEL)メッセージを発行する。
元着呼IP端末(A' )は、RFC2543で規定された、キャンセル受付(200 OK)により応答するとともに、リソース管理サーバ(C)に対して、自端末が空き状態になったことを示すメッセージ(Notify:idle )を発行する。
リソース管理サーバ(C)は、これを受け付けると、元着呼IP端末(A' )が空き状態と扱うようにデータベースを更新するとともに、空き状態受付(Accept)により応答する。
発呼端末(A)および代理応答端末(A'')は、それぞれリソース管理サーバ(C)に自端末が通話中になったことを伝えるために、「通話確立(Notify:Established a Call)」を受け付けると、通知した着信代理等々IP端末(A'')の状態を通話中と扱うようにデータベースを更新するとともに、「通話確立受付(Accept)」メッセージにより応答する。
【0028】
以上は、アプリケーションサーバ機能が、着信管理サーバ機能である場合について、主に説明したが、本発明はこのアプリケーションサーバ機能として、電話通信システムにおけるACD(Automatic Call Distribution )機能,IVR,ボイスメール, 課金装置, 複数者会議通話システム,などの機能を配置することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、電話システムのハードウェア構成をLAN端末に分散することにより、集中制御部の能力のみに依存しないシステム拡張をすることができる。また、加入端末の持つランプおよび液晶ディスプレイに他の加入端末の状態を表示することができる。本発明による電話通信システムは、キーテレホンシステムのIP化,ACD機能,IVR,ボイスメール, 課金装置, 複数者会議通話システム,などに適用して優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムの基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明システムにおける単一ノードを示すブロック図である。
【図3】本発明システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明システムにおける通信情報伝送を説明するための図である。
【図5】本発明システムにおける発信のシーケンスを説明するためのフロー図である。
【図6】本発明システムにおける着信応答のシーケンスを説明するためのフロー図である。
【図7】本発明システムにおける着信代理応答のシーケンスを説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
A IPテレホン
A1 LANインタフェース
A2 自端末制御部
A3 他端末状態監視部
A4 呼制御実行部
A5 キーテレホン制御部
A6 入力部
B SIPサーバ
B1 LANインタフェース
B2 呼制御実行部
B3 宛先解決部
C リソース管理サーバ
C1 LANインタフェース
C2 端末状態監視部
C3 端末IDおよび端末状態データベース
D アプリケーションサーバ,着信サーバ
D1 LANインタフェース
D2 呼制御実行部
D3 着信状態解析部

Claims (4)

  1. インターネット・プロトコルに準拠した通信をする複数の電話端末と、これら複数の電話端末を収容して各電話端末の通信制御を司るサーバとがそれぞれLANネットワークに接続された電話通信システムであって、
    前記LANネットワークは、前記複数の電話端末およびサーバとからなるノードを最小構成単位として構成され、
    前記サーバは、RFC2543に規定されるSIPに従い発呼を行う前記電話端末のSIP呼を受け付け、着呼を行う前記電話端末にSIP呼制御シグナルを転送してインタラクティブ通信のセッションの開始、終了および変更を制御するSIPサーバと
    前記ローカルエリアネットワークの自ノードに属する上記電話端末毎の状態変化情報をそれぞれ保持する端末状態データベースと、
    前記ローカルエリアネットワークの自ノードに属する上記複数の電話端末からそれぞれ通知される状態変化情報または一定時間毎に自ノードに属する前記電話端末毎の状態変化をそれぞれ検出して、前記端末状態データベースに保持される上記電話端末毎の端末利用状況の更新を行うリソース管理サーバと
    前記複数の電話端末、前記SIPサーバおよび前記リソース管理サーバとの情報交換、SIP呼制御の受け付け、着信呼の蓄積および着信呼の有無の問い合わせに対する応答を提供するアプリケーションサーバと
    を具備し、
    上記リソース管理サーバは、自ノードに属する前記電話端末または他ノードに接続されたリソース管理サーバを介した前記状態変化情報および/または前記端末利用状況の問い合わせを受けて、前記端末状態データベースに保持された自ノードに属する上記電話端末の端末利用状況を送出して前記電話端末の表示部に他の電話端末の端末利用状態を表示させることを特徴とする電話通信システム。
  2. 前記アプリケーションサーバが、着信呼情報を管理する着信管理サーバであることを特徴とする請求項1に記載の電話通信システム。
  3. 前記LANネットワークはインターネットに接続され、
    該LANネットワークとのエッジ部には、当該LANネットワークへの不正アクセスを防御するためのファイアウォールが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の電話通信システム。
  4. 前記複数の電話端末のうちから選択されたいくつかの電話端末は、ゲートウェイを介して公衆通信網に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電話通信システム。
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