JP3999636B2 - 複合装置管理装置、複合装置管理システム、複合装置管理方法及び複合装置管理プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,コピー,ファックス,スキャナ等の各種機能を一又は二以上備えて一体型とした複合装置を管理・制御する複合装置管理装置、複合装置管理システム、複合装置管理方法及び複合装置管理プログラムに関し、特に、各複合装置や各部門ごとに課金管理を行う複合装置管理装置、複合装置管理システム、複合装置管理方法及び複合装置管理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、OA機器のシステム化が進む中、複数の複写機と端末装置とをネットワークで接続し、さらに、そのネットワークに接続された複写機管理装置の制御により、各複写機に印刷処理を実行させる複写機管理システムが実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
これら構成機器のうち、複写機管理装置は、複写機本体のROMバージョン等の状態情報の収集を行い、さらに、複写機からの課金情報(カウンタ情報)にもとづいて料金の計算や請求書の発行などの業務処理を実行する。
【0003】
また、複写機管理装置においては、複数ある複写機を複数の部門に区分けし、各部門ごとに情報を集計管理している。
この部門ごとの情報管理の例としては、たとえば、料金管理サービスにおける情報管理がある。料金管理サービスとは、各部門ごとのコピーカウンタを集計管理するとともに、部門ごとに料金の上限金額を設定しておき、その上限金額に達した部門については、その部門に属する複写機の利用を禁止するサービスをいう。
【0004】
ところで、OA機器の多機能化、高性能化が進む中、プリンタ,コピー,ファックス,スキャナ等の各種機能を一又は二以上備えて一体型とした複合装置が市販されている。
この複合装置に対しても、ネットワークを介して、複合装置管理装置の制御により、各種機能を実行させる複合装置管理システムが実用化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−123140号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、複合装置を動作制御する複合装置管理システムにおいても、複合装置ごとあるいは部門ごとの課金管理が必要となる。
しかしながら、従来の複合装置管理システムに、上記複写機管理システムで行われていた料金管理サービスを単に採用しても、複合装置と複写機との機能の相違や複写機単体の管理と部門ごとの管理との相違などにより、さまざまな問題や不具合等が生じていた。
【0007】
たとえば、複写機が有する機能はコピー機能のみであるのに対し、複合装置が有する機能は、通常、コピー機能に限らず、ファックス機能やプリンタ機能、スキャナ機能等、複数の機能である。そして、従来の複写機管理システムで課金管理の対象としていた機能は、複写機のコピー機能のみであった。
このため、複合装置管理システムに従来の複写機管理システムで行われていた料金管理サービスを単に採用しても、課金対象が複合装置のコピー機能のみにしか及ばず、コピー機能以外の機能(ファックス機能やプリンタ機能、スキャナ機能等)については、課金金額の算出等が行われないといった不具合が生じていた。
これにより、複合装置管理システムの利用者は、複合装置におけるコピー機能以外の機能に関する課金金額が得られないため、上記システムにおける課金管理を十分かつ正確に行うことができないという問題があった。
【0008】
また、従来の複写機管理システムで課金対象とされていた要素は、複写機のコピー機能における印刷枚数のみであった。
ところが、複写機や複合装置においては、それらが提供するサービスや消耗品についても費用がかかる。
このため、印刷枚数のみを課金対象としたのでは、総合的な課金管理を実現できなかった。
【0009】
さらに、従来の複写機管理システムにおいては、見積金額と積算金額との和が課金金額の上限金額に達する前の値(閾値)を超えると、使用料金を節約できるモードが複写機の表示部に表示されるが、この節約モードの設定表示は、実際にコピーしようとしている複写機(使用複写機)の表示部に対してのみ表示させるようにしていた。
ところが、複数の複写機で課金金額が決まっている場合や複数の複写機を各部門で共有している場合には、それら複数の複写機のすべてが節約モードに設定される。つまり、使用複写機以外のそれら複写機においては、節約モードが設定されているにもかかわらず表示部にはその節約モードの設定が表示されていなかった。
このため、利用者は、使用複写機以外の複写機を新たに使用する場合は、その複写機が、果たして節約モードが設定されているものか否かを把握することができず、印刷して初めてその設定がなされていたことを知るといった事態も起こり得た。
【0010】
加えて、従来の複写機管理システムにおいて、見積金額と積算金額との和が上限金額を超える可能性がある場合は、その和が上限金額を超えないように使用料金の節約モードを設定していたが、この設定はコピー機能しか対象としていなかった。
このため、複数の機能を有する複合装置を備えた複合装置管理システムに従来の複写機管理システムの料金管理サービスを採用したとしても、コピー機能に対してだけ節約モードが設定されることとなり、他の機能の設定を変更することができなかった。このことから、総合的かつ効率的な課金管理を行うことができなかった。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、一又は二以上の機能を有する複合装置を備えた複合装置管理システムで実行されるジョブ処理について、より正確かつ十分な課金金額の見積もりを算出可能とするとともに、見積金額と積算金額との和が課金金額の上限金額を超える可能性がある場合に、その上限金額を超えないようなジョブ処理方法を複数の機能等を総合的かつ効率的に考慮して選択でき、かつ、複数の複合装置を複数の部門で共有して使用している場合にも、その上限金額を超えないようなジョブ処理方法を部門単位で管理者や利用者へ通知可能とする複合装置管理装置、複合装置管理システム、複合装置管理方法及び複合装置管理プログラムの提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の請求項1記載の複合装置管理装置は、ネットワークを介して一又は二以上の複合装置を動作制御する複合装置管理装置であって、入力要求のジョブを解析してジョブ解析内容を割り出すジョブ情報管理手段と、このジョブ情報管理手段からのジョブ解析内容と、複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに定められた課金単価情報とにもとづいて、ジョブに対する課金金額の見積もりを行う課金見積算定手段と、すでに実行されたジョブの課金金額を積算する積算金額算定手段と、この積算金額算定手段からの積算金額と課金見積算定手段からの見積金額との一方又は双方を、複合装置のみ、又は、ネットワークに接続された端末装置及び複合装置へ通知する見積金額通知手段と、見積金額と積算金額との和を求め、この和と課金金額の上限金額とを比較する課金金額比較手段と、課金単価の異なる複数のジョブ処理方法を複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに用意しておき、見積金額と積算金額との和が上限金額を超える可能性のある場合に、上限金額を超えないような一又は二以上のジョブ処理方法を選択して、複合装置のみ、又は、端末装置及び複合装置へ通知するジョブ処理通知手段とを有し、このジョブ処理通知手段が、選択したジョブ処理方法を、ジョブ解析内容に示された複合装置と同一の部門に属する他の複合装置、及び/又は、ジョブ解析内容に示された複合装置に設定されている課金金額がさらに設定対象としている他の複合装置に対しても通知する構成としてある。
【0013】
複合装置管理装置をこのような構成とすると、課金金額の見積もりに用いられる課金金額情報が複合装置における機能や設定ごとに定められているため、コピー機能だけでなく、ファックス機能,プリンタ機能,スキャナ機能についても課金金額情報を定めることができる。
このため、従来の複写機管理システムにおける料金管理サービスでコピー機能についてのみ課金管理を行っていたことに比べて、正確かつ十分に行うことができる。
【0014】
さらに、従来の複写機管理システムにおける料金管理サービスにおいては、コピー機能の印刷枚数のみを課金対象としていたが、本発明においては、複合装置における設定ごとに課金単価情報を定めることができる。
このため、より正確な課金金額を見積もることができる。
なお、複合装置における設定には、ステープルの設定(ステープルを使用するか否かの設定),パンチの設定,消耗品の設定,通信回線の設定などがある。
【0015】
また、複合装置管理装置をこのような構成とすれば、課金金額比較手段で比較の対象とされる見積金額が、複合装置の機能ごとあるいは設定ごとに詳細に定められた課金単価情報にもとづいて算出されているため、その課金金額比較手段においては、より正確な比較結果を得ることができる。
【0016】
さらに、端末装置や複合装置へ通知されるジョブ処理方法が、複合装置の機能ごとや設定ごとに用意された複数のジョブ処理方法の中から選択されるため、課金金額を低減するためのより多くジョブ処理方法を利用者へ提案できる。
【0017】
また、複合装置管理装置をこのような構成とすると、ジョブ処理通知手段は、複数の複合装置で課金金額が決まっている場合や複数の複合装置を各部門で共有している場合には、それら複数の複合装置のすべてに対して、選択したジョブ処理方法を通知することができる。
【0018】
これにより、利用者は、複合装置を新たに使用する場合に、その複合装置で節約モードが設定されているか否かを容易に把握できる。このため、印刷して初めてその設定がなされていたことを知るといった事態を解消できる。
【0019】
また、請求項2記載の複合装置管理装置は、複合装置管理装置が、ジョブ情報管理手段からのジョブ解析内容が、ジョブ処理通知手段によりすでに通知されたジョブ処理方法と同一の内容であるときに、ジョブ実行要求を送出するジョブ処理実行判断手段と、ジョブ実行要求に示されたジョブ処理方法にしたがって、複合装置に対し、ジョブ処理を実行させるジョブ処理実行手段とを有した構成としてある。
【0020】
複合装置管理装置をこのような構成とすると、ジョブ処理通知手段から通知されたジョブ処理方法は、見積金額と積算金額との和が上限金額を上回らないように選択されたジョブ処理方法であることから、ジョブ処理実行手段は、そのジョブ解析内容についてさらに見積もりを算出することなく、ジョブ処理を実行させることができる。
これにより、課金金額の上限金額を越さない範囲で、効率的にジョブ処理を実行することができる。
【0021】
また、請求項3記載の複合装置管理装置は、課金単価情報が、複合装置が提供するサービスの設定,各機能における各種設定,消耗品に関する設定のうち一又は二以上の設定に対してそれぞれ定められた構成としてある。
複合装置管理装置をこのような構成とすれば、課金単価情報が、コピー機能の印刷枚数だけでなく、複合装置における様々な設定に対してもそれぞれ定められるため、より正確な見積金額の算出を実現できる。
これにより、複合装置管理システムにおいては、十分かつ的確な課金管理を行うことができ、さらに、正確な各種情報を利用者へ提供できる。
【0022】
また、請求項4記載の複合装置管理システムは、ネットワークに接続された一又は二以上の複合装置と、ネットワークを介して複合装置を動作制御する管理装置とを有した複合装置管理システムであって、管理装置が、請求項1〜3のいずれかに記載の複合装置管理装置からなる構成としてある。
【0023】
複合装置管理システムをこのような構成とすると、課金金額の見積もりを、複合装置における機能ごとあるいは設定ごとに定められた課金単価情報にもとづいて算出できるため、コピー機能の印刷枚数だけを課金対象としていたことに比べ、飛躍的に課金管理の精度や正確さを向上できる。
さらに、複合装置管理システムの複合装置管理装置においては、複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに課金単価の異なる複数のジョブ処理方法が用意されているため、見積金額と前記積算金額との和が上限金額を超えないようなより多くのジョブ処理方法を選択して端末装置や複合装置へ通知することができる。
【0024】
そして、その選択されたジョブ処理方法が、ジョブ解析内容に示された複合装置と同一の部門に属する他の複合装置や、ジョブ解析内容に示された複合装置に設定されている課金金額がさらに設定対象としている他の複合装置に対しても通知されるため、他の複合装置が節約モードに設定されているか否かを利用者は容易に知ることができる。
加えて、ジョブ解析内容がジョブ処理通知手段によりすでに通知されたジョブ処理方法と同一の内容であるときには、そのジョブ解析内容の見積もりは行われずに、複合装置でジョブ処理が実行されるため、ジョブ処理の実行時間の短縮化・効率化を図ることができる。
【0025】
また、請求項5記載の複合装置管理方法は、一又は二以上の複合装置の動作制御を、ネットワークを介して、複合装置管理装置により実行する複合装置管理方法であって、複合装置管理装置が、入力要求のジョブを解析してジョブ解析内容を割り出すジョブ解析処理と、複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに定められた課金単価情報とジョブ解析内容とにもとづいて、ジョブに対する課金金額の見積もりを行う課金見積算定処理と、すでに実行されたジョブの課金金額を積算する積算金額算定処理と、積算金額と見積金額との一方又は双方を、複合装置のみ、又は、ネットワークに接続された端末装置及び複合装置へ通知する見積金額通知処理と、複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに課金金額の異なる複数のジョブ処理方法を予め用意しておくジョブ処理方法格納処理と、見積金額と積算金額との和が上限金額を超える可能性があるか否かを判断する比較処理と、この比較処理において、見積金額と積算金額との和が上限金額を超える可能性のある場合に、上限金額を超えないような一又は二以上のジョブ処理方法を選択して、複合装置のみ、又は、ネットワークに接続された端末装置及び複合装置へ通知するジョブ処理通知処理とを有し、このジョブ処理通知処理において、選択したジョブ処理方法を、ジョブ解析内容に示された複合装置と同一の部門に属する複合装置、及び/又は、ジョブ解析内容に示された複合装置に設定されている課金金額がさらに設定対象としている他の複合装置に対しても通知する方法としてある。
【0026】
複合装置管理方法をこのような方法とすると、課金単価情報が複合装置における機能ごと及び/又は設定ごとにきめ細かく定められているため、より正確に見積金額を算出できる。
【0027】
これにより、見積金額と積算金額との和と課金金額の上限金額との比較判断について、その精度を高めることができる。
【0028】
また、複合装置管理方法をこのような方法とすれば、ジョブ処理方法格納処理において、複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに課金金額の異なる複数のジョブ処理方法が予め用意されるため、コピー機能以外の機能についても課金金額の低減が可能なジョブ処理方法を選択できる。
【0029】
また、複合装置管理方法をこのような方法とすると、一の複合装置で設定された節約モードが、その一の複合装置と同一の部門に属する他の複合装置にも設定された場合に、利用者は、他の複合装置を使用する際に節約モードが設定されているかどうかを容易に判断できる。
このため、複合装置の無駄な使用を減らすことができる。
【0030】
また、請求項6記載の複合装置管理方法は、ジョブ解析内容が、ジョブ処理通知手段によりすでに通知されたジョブ処理方法と同一の内容であるときに、ジョブ実行要求を送出するジョブ処理実行判断処理と、ジョブ実行要求に示されたジョブ処理方法にしたがって、複合装置に対し、ジョブ処理を実行させるジョブ処理実行処理とを有した方法としてある。
【0031】
複合装置管理方法をこのような方法とすると、そのジョブ解析内容は上限金額を超えないことがわかっているため、見積金額を算出して上限金額と比較することなく、複合装置にジョブを実行させることができる。
これにより、効率的なジョブ処理を実現できる。
【0032】
また、請求項7記載の複合装置管理方法は、課金単価情報が、複合装置が提供するサービスの設定,各機能における各種設定,消耗品に関する設定のうち一又は二以上の設定に対してそれぞれ定められた方法としてある。
【0033】
複合装置管理方法をこのような方法とすれば、従来の複写機管理システムで用いられていたコピー機能の印刷枚数に限らず、各機能の各種設定を課金対象とすることができる。このため、複合装置管理システムにおいては、複数の複合装置における各課金情報の管理をより正確に行うことができる。
【0034】
また、請求項8記載の複合装置管理プログラムは、ネットワークを介して一又は二以上の複合装置を動作制御する処理を複合装置管理装置に実行させる複合装置管理プログラムであって、入力要求のジョブを解析してジョブ解析内容を割り出すジョブ解析処理と、複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに定められた課金単価情報とジョブ解析内容とにもとづいて、ジョブに対する課金金額の見積もりを行う課金見積算定処理と、すでに実行されたジョブの課金金額を積算する積算金額算定処理と、積算金額と見積金額との一方又は双方を、複合装置のみ、又は、ネットワークに接続された端末装置及び複合装置へ通知する見積金額通知処理と、複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに課金金額の異なる複数のジョブ処理方法を予め用意しておくジョブ処理方法格納処理と、見積金額と積算金額との和が上限金額を超える可能性があるか否かを判断する比較処理と、この比較処理において、見積金額と積算金額との和が上限金額を超える可能性のある場合に、上限金額を超えないような一又は二以上のジョブ処理方法を選択して、複合装置のみ、又は、ネットワークに接続された端末装置及び複合装置へ通知するジョブ処理通知処理と、このジョブ処理通知処理において、選択したジョブ処理方法を、ジョブ解析内容に示された複合装置と同一の部門に属する複合装置、及び/又は、ジョブ解析内容に示された複合装置に設定されている課金金額がさらに設定対象としている他の複合装置に対しても通知する処理とを複合装置管理装置に実行させる構成としてある。
【0035】
このような構成を有する複合装置管理プログラムを複合装置管理装置に実行させることにより、課金単価情報が複合装置における機能ごとあるいは設定ごとに定められるため、コピー機能だけでなく、ファックス機能や消耗品等への課金を考慮して課金金額を管理できる。これにより、複合装置管理装置においては、より正確な課金管理を実現できる。
【0036】
また、このような構成を有する複合装置管理プログラムを複合装置管理装置に実行させることにより、ジョブ処理方法が複合装置における機能ごとあるいは設定ごとに複数容易されるため、コピー機能だけでなく、ファックス機能やスキャナ機能等についても課金金額を低減できるジョブ処理方法を利用者に提案できる。
【0037】
これにより、複合装置管理装置においては、課金金額の低減可能なジョブ処理方法の提供サービスについて、質的向上を図ることができる。
【0038】
また、このような構成を有する複合装置管理プログラムを複合装置管理装置に実行させることにより、一の複合装置で節約モードが設定されたことで、この一の複合装置が属する部門に属した他の複合装置にも節約モードが設定された場合に、利用者は、他の複合装置に節約モードが設定されていることを容易に確認できる。
これにより、利用者は、節約モードが設定されているか否かの判断操作を自ら行う必要がなくなり、操作の効率化を図ることができる。
【0039】
また、請求項9記載の複合装置管理プログラムは、ジョブ解析内容が、ジョブ処理通知手段によりすでに通知されたジョブ処理方法と同一の内容であるときに、ジョブ実行要求を送出するジョブ処理実行判断処理と、ジョブ実行要求に示されたジョブ処理方法にしたがって、複合装置に対し、ジョブ処理を実行させるジョブ処理実行処理とを複合装置管理装置に実行させる構成としてある。
【0040】
このような構成を有する複合装置管理プログラムを複合装置管理装置に実行させることにより、そのジョブ解析内容については見積金額の算出や上限金額との比較が実行されないため、ジョブ処理を実行するまでの時間短縮を図ることができる。
【0041】
また、請求項10記載の複合装置管理プログラムは、課金単価情報が、複合装置が提供するサービスの設定,各機能における各種設定,消耗品に関する設定のうち一又は二以上の設定に対してそれぞれ定められた構成としてある。
【0042】
このような構成を有する複合装置管理プログラムを複合装置管理装置に実行させることにより、コピー機能の印刷枚数に限らず、あらゆる機能や設定についても課金対象として管理できる。このため、複合装置管理装置においては、複合装置の有する各機能や各種設定について、総合的な課金管理を実現できる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の複合装置管理装置及び複合装置管理システムの実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の複合装置管理システムの構成を示すブロック図である。
なお、図中のブロック構成は、本発明を説明する上で最小限の構成である。
【0044】
同図に示すように、複合装置管理システム1は、端末装置10a〜10n(以下、略して「端末装置10」という)と、複合装置管理装置20と、複合装置30a〜30n(以下、略して「複合装置30」という)と、ネットワーク40とを有している。
【0045】
端末装置10は、プログラムにより動作するコンピュータであって、プリンタドライバを搭載しており、ジョブの入力,作成,処理及び表示等を実行する機能を備えている。そして、入力されたジョブを、ネットワーク40を介して複合装置管理装置20へ送信する。
なお、同図においては、端末装置10を複数台設けてあるが、複数台に限るものではなく、一台であってもよい。また、複合装置管理装置20がジョブの入力等の機能を有するものであれば、この端末装置10を省略することもできる。
【0046】
複合装置管理装置20は、図2に示すように、ジョブ情報管理手段21と、複合装置情報管理手段22と、課金見積算定手段23と、課金金額比較手段24と、見積金額通知手段25と、ジョブ処理通知手段26と、ジョブ処理実行判断手段27と、ジョブ処理実行手段28と、積算金額算定手段29とを有している。
【0047】
ジョブ情報管理手段21は、複数のクライアント(端末装置10)から印刷等の要求(ジョブ入力要求)を受け取り、このジョブを保持する。そして、このジョブの解析を行って、ジョブ解析内容を割り出す。
ジョブ解析内容とは、ジョブ処理に必要な機能,消耗品等に関する情報であって、具体的には、出力部数,出力枚数,ステープル使用の有無,パンチの有無,消耗品使用量,通信回線の使用,どの機能を使用するかなどの情報を含む。
そして、ジョブ情報管理手段21は、割り出したジョブ解析内容を、課金見積算定手段23とジョブ処理実行判断手段27へ送る。
このジョブ情報管理手段21において、ジョブの内容を解析することにより、ジョブ実行前に、ジョブ実行に要する見積金額を知ることができる。
【0048】
複合装置情報管理手段22は、ネットワーク40に接続された複数の複合装置30の各機能や設定、消耗品等の状態を監視し、それらの情報を複合装置管理情報として保持する。
そして、この保持している複合装置管理情報について、変更・削除・追加等の命令が発生した場合は、リアルタイムにそれら変更・削除・追加等を実行する。これにより、複合装置管理装置20は、常に、各複合装置30の最新の状態を把握できる。
このように、ネットワークに接続されているすべての複合装置の状態をリアルタイムに監視しているため、ジョブ処理の見積金額及び上限金額に達しているか否かの確認を正確に行うことができる。
【0049】
さらに、複合装置情報管理手段22は、複合装置管理情報の示す複合装置30の各機能や設定、消耗品等に対してそれぞれ定められた単価を課金単価情報として保持する。
この課金単価情報の具体例としては、たとえば、コピー機能における印刷処理の単位枚数あたりの単価,ステープル設定(ステープル使用の有無の設定)における使用時の単位回数あたりの単価,パンチ設定(パンチの有無の設定)における使用時の単位回数あたりの単価,消耗品についての単位使用量あたりの単価,通信回線の使用時における単位パケット数量あたりの単価,ファックス機能,スキャナ機能,プリンタ機能等における各種設定の単価などがある。
【0050】
課金見積算定手段23は、ジョブ情報管理手段21からのジョブ解析内容と、複合装置情報管理手段22から取り出した課金単価情報とにもとづいて、ジョブ処理に要する課金金額の見積もり(見積金額の算出)を行う。
そして、課金見積算定手段23は、算出した見積金額を課金金額比較手段24と見積金額通知手段25へ送る。
このように、ジョブを複合装置に送信することなく見積金額を算出することにより、ジョブ実行前に上限金額との比較を行うことができる。
なお、課金見積算定手段23は、ジョブ処理実行判断手段27から見積停止命令(後述)を受けると見積金額の算出を停止する。
【0051】
課金金額比較手段24は、課金見積算定手段23からの見積金額と積算金額算定手段29からの積算金額(すでにジョブ処理が実行されたジョブの課金金額の合計)との和が、各部門ごと又は各複合装置ごとに予め設定された課金金額の上限金額を超える可能性があるか否かの判断を行う。
そして、この判断結果をジョブ処理通知手段26とジョブ処理実行手段28へ送る。
このように、利用者が実行しようとしているジョブを処理する前に、見積金額と積算金額との和が複合装置30又は部門で決められている上限金額を超えているか否かを把握でき、また、上限金額を超えないジョブ処理をも把握できるため、利用者は迅速にジョブ処理の結果を知ることができ、かつ、ジョブ処理を実行できない事態を防止できる。
【0052】
なお、課金金額比較手段24は、見積金額と積算金額との和が上限金額を超えたか否かにかかわらず、見積金額及び積算金額を見積金額通知手段25へ送ることもできる。
また、課金金額の上限金額は、課金金額比較手段24が保持してもよく、また、他の記憶手段などに保持させてもよい。
【0053】
見積金額通知手段25は、課金金額算定手段23からの見積金額と積算金額算定手段29からの積算金額(あるいは課金金額比較手段24からの見積金額や積算金額)との一方又は双方を、端末装置10や複合装置30へ送る。
これにより、端末装置10や複合装置30において、それら見積金額等が画面表示されるため、利用者はその表示された見積金額等を視認して、複合装置30の利用状況を把握できる。
【0054】
さらに、見積金額通知手段25は、同じ部門に属する複数の複合装置30のすべて、あるいは、複数の複合装置30に対して課金金額が定められている場合のそれら複数の複合装置30のすべてに対して、見積金額等を通知することができる。
このため、たとえば、一の複合装置で設定された節約モードが、その一の複合装置と同一の部門に属する他の複合装置にも設定された場合に、利用者は、他の複合装置を使用する際に節約モードが設定されているかどうかを容易に判断できる。
【0055】
ジョブ処理通知手段26は、複合装置30の各機能ごとあるいは各設定ごとに定められた複数のジョブ処理方法を保持する。なお、一つの機能あるいは一つの設定においては、課金金額の異なる複数のジョブ処理方法が定められている。
このジョブ処理方法の具体例としては、たとえば、コピー機能における印刷色モード(カラーモードあるいは白黒モード),コピー濃度のレベル,倍率のレベル,両面・片面,多重(2枚以上の原稿を1枚の用紙に重ねてコピーすること)の設定の有無,自動ステープルの設定の有無などがある。そして、これらを組み合わせて一つのジョブ処理方法とすることもできる。
なお、ジョブ処理方法を保持する手段は、本実施形態においてはジョブ処理通知手段26としているが、ジョブ処理通知手段26に限るものではなく、たとえば、複合装置情報管理手段22など、他の手段や他の記憶手段であってもよい。
【0056】
さらに、ジョブ処理通知手段26は、課金金額比較手段24からの判断結果が、上限金額を超える可能性がある旨を示す場合に、上限金額を超えないような一又は二以上のジョブ処理方法を選んで、端末装置10あるいは複合装置30へ送る。
ただし、上限金額を超えないようなジョブ処理方法を一つも選択できない場合、(つまり、ジョブ入力要求により指定された複合装置30では、上限金額を絶対に超えてしまう場合)や、利用者指定の複合装置30がその選択されたジョブ処理方法を実行するための機能を備えていない場合には、上限金額を超えないでジョブ処理を行うことができる他の複合装置30へジョブを転送する。
【0057】
このジョブ処理通知手段26におけるジョブ処理方法の選択は、具体的には、次のように行われる。
たとえば、利用者が各部10ページもの10部をステープル印刷の設定にした場合に、見積金額と積算金額との和が上限金額を超えてしまう可能性があるときは、「両面印刷」,「2ページモード印刷」,「4ページモード印刷」,「ステープルを行わない」等のジョブ処理方法が選択される。
【0058】
このジョブ処理通知手段26が、選択した一又は二以上のジョブ処理方法を端末装置10や複合装置30へ送ることにより、端末装置10や複合装置30でジョブ処理方法が表示可能となるため、利用者はその表示されたジョブ処理方法の中から一つの方法を選択して、このジョブ実行要求を複合装置管理装置20へ送ることができる。このため、その複合装置30においては、上限金額を超えないジョブ処理を実行できるようになる。
【0059】
さらに、ジョブ処理通知手段26は、選択したジョブ処理方法を、同じ部門に属する複数の複合装置30のすべてに対して通知することができる。また、複数の複合装置30で課金金額が設定されている場合には、それら複数の複合装置30のすべてに対して通知することもできる。
そして、ジョブ処理通知手段26は、選択したジョブ処理方法を、ジョブ処理実行判断手段27へ送る。
なお、課金金額比較手段24からの判断結果が上限金額を越えない旨を示す場合は、ジョブ処理通知手段26は、端末装置10等への通知は行わない。この場合は、ジョブ処理実行手段28により、利用者が指定した複合装置30で、そのジョブ処理が実行される。
【0060】
ジョブ処理実行判断手段27は、ジョブ処理通知手段26からジョブ処理方法を受け取ると、その後、ジョブ情報管理手段21から受け取ったジョブ解析内容が、そのジョブ処理方法と同一内容のものか否かを判断する。
判断の結果、それらジョブ解析内容とジョブ処理方法との内容が同一である場合には、ジョブ処理実行手段28へジョブ実行命令を送る。これにより、ジョブ処理実行手段28は、複合装置30に対してジョブ処理を実行させる。
なお、この場合は、ジョブ処理実行判断手段27から課金見積算定手段23へ見積停止命令が送られる。これにより、課金見積算定手段23は、そのジョブ解析内容についての見積金額の算定は行わない。このため、無駄な処理が削減されて、ジョブ処理の効率化や処理時間の短縮を図ることができる。
一方、それらジョブ解析内容とジョブ処理方法との内容が同一でない場合には、ジョブ処理実行手段28へのジョブ実行命令の送出や課金見積算定手段23への見積停止命令の送出は行わない。この場合は、課金見積算定手段23でジョブの見積金額の算定が行われて、課金金額比較手段24で見積金額と積算金額との和が上限金額を超えているか否かの判断が行われる。
【0061】
ジョブ処理実行手段28は、課金見積算定手段23からの判断結果が、見積金額と積算金額との和が上限金額を超えない旨を示す場合には、利用者指定の複合装置30へジョブを送って、ジョブ処理を実行させる。また、ジョブ処理実行判断手段27からジョブ実行命令が送られてきたときにも、利用者指定の複合装置30へジョブを送って、ジョブ処理を実行させる。
また、ジョブ処理実行手段28は、ジョブの転送先を課金見積算定手段23から指定されると、その転送先へジョブを送ってジョブ処理を実行させる。
【0062】
積算金額算定手段29は、すでに実行されたジョブ処理の課金金額を、順次積算金額に加算していき、その都度保持する(積算金額算定処理)。
この積算金額は、複合装置30からのジョブ処理に関する情報と複合装置情報管理手段22から取り出した複合装置管理情報とにもとづいて算出できる。
そして、この積算金額は、料金の精算によって0にリセットすることができる。
また、積算金額は、上限金額と同様に、利用者が利用者用カード又は利用者用暗証番号を用いて任意にクリアすることもできる。
【0063】
なお、各手段21〜29は、図2においては、複合装置管理装置20に設けてあるが、複合装置管理装置20に限るものではなく、それら各手段21〜29の一部あるいは全部を端末装置10や複合装置30に設けることもできる。
【0064】
ところで、複合装置管理装置20には、カードリーダ(図示せず)を接続することができる。
カードリーダには、一つの部門として登録する複合装置を識別するための情報等を格納した部門別カードを挿入することができる。これにより、部門別の複合装置情報管理が可能となる。
また、カードリーダには、保守カードを挿入することもできる。これにより、各部門や各複合装置に設定されている上限金額、さらには見積金額や積算金額等について、設定・変更・消去等をすることができる。
なお、これらの処理は、保守カードに予め格納しておいても良いし、保守カードを挿入することで設定可能となるようにしても良い。
【0065】
複合装置30は、プリンタ,コピー,ファックス,スキャナ等の各機能のうち、少なくとも一つ以上の機能を有した装置であって、一つのジョブで複数の機能を動作することができる。そして、この複合装置30には、ソータや両面印刷装置等のオプション装置を装着できる。
ソータは、複合装置30の本体から排紙される記録媒体にソート処理等後処理を施す。両面印刷装置は、両面印刷が設定されているときに、用紙の印刷面を一方の面から他方の面へ返すためのフィーダである。
【0066】
この複合装置30は、図3に示すように、制御部31と、プリンタ部32と、記憶部33と、FAXI/F(ファックスインタフェイス)34と、ネットワークI/F35と、スキャナ部36と、操作部37とを有している。
ここで、制御部31は、CPU31−1と、ROM31−2と、RAM31−3とを有している。
【0067】
CPU31−1は、ネットワークI/F35及びネットワーク40を介して複合装置管理装置20へ、各種信号を送信する。
各種信号には、たとえば、各種機能の動作が行われたことを示す信号や、この場合のモード(例えば、コピー機能におけるカラーモードや白黒モード等)を示す信号などがある。モードを示す信号を送るのは、課金計算の際の単価が異なるためである。
【0068】
操作部37は、LCDやLED等による表示部分と複数の設定キーとを有しており、複合装置30の各種操作や設定を行う。
また、操作部37においては、テンキーなどにより暗証番号を入力することで、各部門ごとのコピー出力を可能とすることができ、さらに、部門別のコピー出力枚数管理も可能とすることができる。そして、この管理方法の場合においても、管理者が管理者用の暗証番号を入力することにより、各部門や各複合装置ごとの上限金額の設定や解除を行うことができる。
なお、図1においては、ネットワーク40に接続されている複合装置30が複数台あるが、複数台に限るものではなく、一台であってもよい。
【0069】
次に、本実施形態の複合装置管理システムの動作について、図4を参照して説明する。
同図は、端末装置10からのジョブ入力要求が複合装置30における一つの機能を使用する場合についての複合装置管理装置の動作を示すフローチャートである。
なお、ジョブ処理通知手段26においては、複合装置30の機能ごとあるいは設定ごとに課金金額の異なる複数のジョブ処理方法が予め用意されている(ジョブ処理方法格納処理)。
【0070】
同図に示すように、端末装置10からのジョブ入力要求が、ネットワーク40を介して送信され、複合装置管理装置20で受信される(ステップ10)。
複合装置管理装置20のジョブ情報管理手段21において、その受信されたジョブ入力要求についてジョブの解析が行われ(ジョブ解析処理、ステップ11)、この解析により割り出されたジョブ解析内容が課金見積算定手段23へ送られる。
【0071】
課金見積算定手段23において、受け取ったジョブ解析内容と、複合装置情報管理手段22から取り出した課金単価情報とにもとづき、ジョブ処理に要する課金金額の見積もりが行われる(ジョブ課金見積、課金見積算定処理、ステップ12)。
続いて、課金金額比較手段24において、積算金額算定手段29からの積算金額と課金見積算定手段23からの見積金額との和が求められ、この和と、予め利用者指定の複合装置30又は各部門ごとに決められている上限金額とが比較判断される(比較処理、ステップ13)。
【0072】
判断の結果、積算金額と見積金額との和が上限金額を超える可能性がある場合は、ジョブ処理通知手段26において、上限金額を超えずにジョブを処理する方法(ジョブ処理方法)が選択され、端末装置10あるいは複合装置30へ通知される(ジョブ処理通知処理、ステップ14)。さらに、見積金額通知手段25において,積算金額又は見積金額の一方又は双方が、端末装置10あるいは複合装置30へ通知される(見積金額通知処理、ステップ15)。
一方、積算金額と見積金額との和が上限金額を超える可能性が無い場合は、利用者指定の複合装置30へジョブ処理要求が送られて実行される(ステップ18)。
なお、ジョブ処理要求とジョブ実行要求とは、ジョブが既に入力されている状態のときに行う要求である点で共通する。
【0073】
端末装置10において、通知されてきたジョブ処理方法が利用者により参照される。このとき、端末装置10からは、ジョブ実行要求を複合装置管理装置20へ送信することもでき、また、送信せずに放置することもできる。
端末装置10へ通知されてきたジョブ処理方法に応じた実行要求が複合装置管理装置20へ送信されると、複合装置管理装置20のジョブ情報管理手段21において、その実行要求が受信され、ジョブ解析内容がジョブ処理実行判断手段27へ送られる。
【0074】
このジョブ処理実行判断手段27において、そのジョブ解析内容が、すでにジョブ処理通知手段26から端末装置10へ通知されたジョブ処理方法と同一の内容か否か(すなわち、ジョブ情報管理手段21で受信された実行要求のジョブ解析内容が、すでにジョブ処理通知手段26から端末装置10へ通知されたジョブ処理方法に応じたものか否か)が判断される(ステップ16)。
判断の結果、ジョブ解析内容とすでに通知されたジョブ処理方法とが同一内容であるときは、ジョブ処理実行判断手段27からジョブ処理実行手段28へジョブ実行要求が送られる。
一方、ジョブ解析内容とすでに通知されたジョブ処理方法とが同一内容でないものと判断されたときは、このジョブ解析内容について、ステップ12からステップ19までの処理が実行される(ジョブ処理実行判断処理)。
【0075】
ジョブ処理実行手段28において、受け取った実行要求が利用者指定の複合装置30で上限金額を超えないジョブ処理として実行可能か否かが判断される(ステップ17)。
判断の結果、上限金額を超えないジョブ処理として実行可能な場合は、ジョブ処理実行手段28から利用者指定の複合装置30へジョブ実行要求が送られる(ステップ18)。
一方、上限金額を超えないジョブ処理としては実行不可能な場合は、ジョブ処理実行手段28において、実行可能な複合装置30へジョブ実行要求が転送される(ステップ19)。
なお、ステップ18及びステップ19を、ジョブ処理実行処理という。
【0076】
次に、本実施形態の複合装置管理システムにおける他の動作について、図5を参照して説明する。
同図は、PCから要求されてきたジョブが複合装置における二以上の機能を使用する場合についての複合装置管理装置の動作を示すフローチャートである。
なお、ジョブ処理通知手段26には、複合装置30の機能ごとあるいは設定ごとに課金金額の異なる複数のジョブ処理方法が予め用意されている(ジョブ処理方法格納処理)。
【0077】
同図に示すように、端末装置10からのジョブ入力要求が、ネットワーク40を介して送信され、複合装置管理装置20で受信される(ステップ30)。
複合装置管理装置20のジョブ情報管理手段21において、その受信されたジョブ入力要求についてジョブの解析が行われ(ジョブ解析処理、ステップ31)、この解析で割り出されたジョブの内容(ジョブ解析内容)が課金見積算定手段23へ送られる。
【0078】
課金見積算定手段23において、受け取ったジョブ解析内容と、複合装置情報管理手段22から取り出した課金単価情報とにもとづいて、ジョブ処理に要する課金金額の見積もりが、機能ごとに実行される(機能課金見積、課金見積算定処理、ステップ32)。
続いて、課金金額比較手段24において、積算金額算定手段29からの積算金額と課金金額算定手段23からの見積金額との和が求められ、この和と、予め利用者指定の複合装置30又は各部門ごとに設定されている上限金額とが比較判断される(ステップ33)。
【0079】
判断の結果、一つの機能の見積金額と積算金額との和が上限金額に達していない場合は、ジョブ入力要求の二以上の機能のうち、見積もりを行っていない機能が存在しているか否かが判断され(ステップ34)、この判断の結果、見積もりを行っていない機能があるときは、この機能についての課金金額の見積もりが実行されて(ステップ32)、(積算金額+見積金額)と上限金額との比較判断が行われる(比較処理、ステップ33)。
そして、これら「一つの機能についての課金金額の見積もり(ステップ32)」の処理と「積算金額+見積金額と上限金額との比較判断(ステップ33)」の処理とが、ステップ33で「(積算金額+見積金額)が上限金額を超える可能性がある」と判断されるまで、すべての機能に対して繰り返し行われる。
これらすべての機能の見積もりについて、(積算金額+見積金額)が上限金額に達しなかった場合は、見積金額や積算金額が、見積金額通知手段25から端末装置10あるいは複合装置30へ通知される(見積金額通知処理、ステップ35)。
【0080】
なお、ステップ33ですべての機能についての(積算金額+見積金額)>上限金額が成立せず、かつ、ステップ34で見積していない機能が存在しないと判断された場合は、見積金額の通知(ステップ35とは別の新たなステップ(図示せず))を行って、利用者指定の複合装置へジョブ実行要求の送信(ステップ39)を行うようにすることもできる。
【0081】
一方、一の機能の見積もりについて、(積算金額+見積金額)が上限金額を超える可能性がある場合は、上限金額を超えずにジョブを処理する方法(ジョブ処理方法)がジョブ処理通知手段26で選択され、端末装置10あるいは複合装置30へ通知される(ジョブ処理通知処理、ステップ36)。
なお、この(積算金額+見積金額)が上限金額に達した場合においても、見積金額や積算金額が、端末装置10あるいは複合装置30へ通知される(ステップ35)。
【0082】
端末装置10において、通知されてきたジョブ処理方法が利用者により参照される。このとき、利用者は、その通知されてきたジョブ処理方法に応じたジョブ実行要求を複合装置管理装置20へ通知することができる。
端末装置10へ通知されてきたジョブ処理方法に応じた実行要求が複合装置管理装置20へ送信されると、複合装置管理装置20のジョブ情報管理手段21において、その実行要求が受信され、ジョブ解析内容がジョブ処理実行判断手段27へ送られる。
【0083】
このジョブ処理実行判断手段27において、そのジョブ解析内容が、すでにジョブ処理通知手段26から端末装置10へ通知されたジョブ処理方法と同一の内容か否か(すなわち、ジョブ情報管理手段21で受信された実行要求のジョブ解析内容が、すでにジョブ処理通知手段26から端末装置10へ通知されたジョブ処理方法に応じたものか否か)が判断される(ステップ37)。
判断の結果、ジョブ解析内容とすでに通知されたジョブ処理方法とが同一内容であるときは、ジョブ処理実行判断手段27からジョブ処理実行手段28へジョブ実行要求が送られる(ジョブ処理実行判断処理)。
一方、ジョブ解析内容とすでに通知されたジョブ処理方法とが同一内容でないものと判断されたときは、このジョブ解析内容について、ステップ12からステップ19までの処理が実行される。
【0084】
ジョブ処理実行手段28において、受け取った実行要求が利用者指定の複合装置30で上限金額を超えないジョブ処理として実行可能か否かが判断される(ステップ38)。
判断の結果、上限金額を超えないジョブ処理として実行可能な場合は、ジョブ処理実行手段28から利用者指定の複合装置30へジョブ実行要求が送られる(ステップ39)。
一方、上限金額を超えないジョブ処理としては実行不可能な場合は、続いて、ジョブが使用するすべての機能に対して上限金額を超えずに利用者指定の複合装置30でジョブ処理が可能か否かが判断される(ステップ40)。
【0085】
判断の結果、ジョブが使用するすべての機能に対して上限金額を超えずに利用者指定の複合装置30でジョブ処理が可能な場合は、利用者指定の複合装置30へジョブ実行要求が送られてジョブ処理が実行される(ステップ39)。
一方、ジョブ処理が不可能な場合は、さらに、利用者指定以外の複合装置30でジョブ処理が可能か否かが判断される(ステップ41)
【0086】
判断の結果、利用者指定以外の複合装置30で可能な場合は、その複合装置30へジョブ実行要求が転送されてジョブ処理が実行される(ステップ42)。
一方、すべての機能に対して利用者指定の複合装置30でジョブ処理することができない場合は、利用者指定の複合装置30で処理可能な機能と利用者指定以外の複合装置30で処理可能な機能を分け、それぞれに対しジョブ実行要求を送ってジョブ処理を行わせる(ステップ43)。
これらステップ39,ステップ42及びステップ43を、ジョブ処理実行処理という。
【0087】
なお、ジョブが複合装置30の複数機能を使用する場合の課金見積の順番は、たとえば、優先したい機能についての課金見積処理を先に行う等の変更が可能である。
たとえば、各部10ページもの10部をステープル出力し、かつ、1部をFAX送信しようとしたとき、FAX送信のみで上限金額を超えてしまう可能性があり、さらに、両面印刷又は2ページモードに変更することで上限金額を超えないような場合は、複合装置管理装置20は端末装置10に対して、両面印刷又は2ページモードに変更できるような設定を通知する。
さらに、両面印刷装置が装着されていない等の理由により上限金額を超えないような印刷ができない場合は、両面印刷装置が装着されている別の複合装置にジョブを転送することも可能である。
【0088】
また、上記実施形態における複合装置管理システムは、複合装置管理プログラムに制御されたコンピュータにより実行することができる。複合装置管理プログラムは、例えば、記録媒体により提供される。記録媒体としては、たとえば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他コンピュータで読み取り可能な任意の手段を使用することができる。
また、記録媒体に記録された複合装置管理プログラムは、記録媒体を直接コンピュータに装着して当該コンピュータに読み込ませることができ、また、通信回線を介してコンピュータに読み込ませるようにしても良い。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、課金金額の見積もりに用いられる課金金額情報が複合装置の機能ごとや設定ごとに定められているため、コピー機能だけでなく、ファックス機能,プリンタ機能,スキャナ機能、さらには各機能における各種設定についても課金金額情報を定めることができる。
このため、総合的かつ高精度な課金管理を実現できる。
【0090】
また、複数の複合装置で課金金額が決まっている場合や複数の複合装置を各部門で共有している場合には、それら複数の複合装置のすべてに対して、選択したジョブ処理方法を通知することができる。
このため、利用者は、複合装置を新たに使用する場合に、その複合装置で節約モードが設定されているか否かを容易に把握できる。これにより、印刷して初めてその設定がなされていたことを知るといった事態を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合装置管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】複合装置管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】複合装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の複合装置管理システムにおける複合装置管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の複合装置管理システムにおける複合装置管理装置の他の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 複合装置管理システム
10a〜10n 端末装置
20 複合装置管理装置
21 ジョブ情報管理手段
22 複合装置情報管理手段
23 課金見積算定手段
24 課金金額比較手段
25 見積金額通知手段
26 ジョブ処理通知手段
27 ジョブ処理実行判断手段
28 ジョブ処理実行手段
29 積算金額算定手段
30a〜30n 複合装置
31 制御部
31−1 CPU
31−2 ROM
31−3 RAM
32 プリンタ部
33 記憶部
34 FAXI/F
35 ネットワークI/F
36 スキャナ部
37 操作部
40 ネットワーク
Claims (10)
- ネットワークを介して一又は二以上の複合装置を動作制御する複合装置管理装置であって、
入力要求のジョブを解析してジョブ解析内容を割り出すジョブ情報管理手段と、
このジョブ情報管理手段からの前記ジョブ解析内容と、前記複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに定められた課金単価情報とにもとづいて、前記ジョブに対する課金金額の見積もりを行う課金見積算定手段と、
すでに実行されたジョブの課金金額を積算する積算金額算定手段と、
この積算金額算定手段からの積算金額と前記課金見積算定手段からの見積金額との一方又は双方を、前記複合装置のみ、又は、前記ネットワークに接続された端末装置及び前記複合装置へ通知する見積金額通知手段と、
前記見積金額と前記積算金額との和を求め、この和と前記課金金額の上限金額とを比較する課金金額比較手段と、
課金単価の異なる複数のジョブ処理方法を前記複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに用意しておき、前記見積金額と前記積算金額との和が前記上限金額を超える可能性のある場合に、前記上限金額を超えないような一又は二以上の前記ジョブ処理方法を選択して、前記複合装置のみ、又は、前記端末装置及び前記複合装置へ通知するジョブ処理通知手段とを有し、
このジョブ処理通知手段が、前記選択したジョブ処理方法を、前記ジョブ解析内容に示された複合装置と同一の部門に属する他の複合装置、及び/又は、前記ジョブ解析内容に示された複合装置に設定されている課金金額がさらに設定対象としている他の複合装置に対しても通知する
ことを特徴とする複合装置管理装置。 - 前記複合装置管理装置が、
前記ジョブ情報管理手段からの前記ジョブ解析内容が、前記ジョブ処理通知手段によりすでに通知されたジョブ処理方法と同一の内容であるときに、ジョブ実行要求を送出するジョブ処理実行判断手段と、
前記ジョブ実行要求に示された前記ジョブ処理方法にしたがって、前記複合装置に対し、前記ジョブ処理を実行させるジョブ処理実行手段とを有した
ことを特徴とする請求項1記載の複合装置管理装置。 - 前記課金単価情報が、前記複合装置が提供するサービスの設定,各前記機能における各種設定,消耗品に関する設定のうち一又は二以上の設定に対してそれぞれ定められた
ことを特徴とする請求項1又は2記載の複合装置管理装置。 - ネットワークに接続された一又は二以上の複合装置と、前記ネットワークを介して前記複合装置を動作制御する管理装置とを有した複合装置管理システムであって、
前記管理装置が、前記請求項1〜3のいずれかに記載の複合装置管理装置からなる
ことを特徴とする複合装置管理システム。 - 一又は二以上の複合装置の動作制御を、ネットワークを介して、複合装置管理装置により実行する複合装置管理方法であって、
前記複合装置管理装置が、入力要求のジョブを解析してジョブ解析内容を割り出すジョブ解析処理と、
前記複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに定められた課金単価情報と前記ジョブ解析内容とにもとづいて、前記ジョブに対する課金金額の見積もりを行う課金見積算定処理と、
すでに実行されたジョブの課金金額を積算する積算金額算定処理と、
前記積算金額と前記見積金額との一方又は双方を、前記複合装置のみ、又は、前記ネットワークに接続された端末装置及び前記複合装置へ通知する見積金額通知処理と、
前記複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに前記課金金額の異なる複数のジョブ処理 方法を予め用意しておくジョブ処理方法格納処理と、
前記見積金額と前記積算金額との和が上限金額を超える可能性があるか否かを判断する比較処理と、
この比較処理において、前記見積金額と前記積算金額との和が上限金額を超える可能性のある場合に、前記上限金額を超えないような一又は二以上の前記ジョブ処理方法を選択して、前記複合装置のみ、又は、前記ネットワークに接続された端末装置及び前記複合装置へ通知するジョブ処理通知処理とを有し、
このジョブ処理通知処理において、前記選択したジョブ処理方法を、前記ジョブ解析内容に示された複合装置と同一の部門に属する複合装置、及び/又は、前記ジョブ解析内容に示された複合装置に設定されている課金金額がさらに設定対象としている他の複合装置に対しても通知する
ことを特徴とする複合装置管理方法。 - 前記ジョブ解析内容が、前記ジョブ処理通知手段によりすでに通知されたジョブ処理方法と同一の内容であるときに、ジョブ実行要求を送出するジョブ処理実行判断処理と、
前記ジョブ実行要求に示された前記ジョブ処理方法にしたがって、前記複合装置に対し、前記ジョブ処理を実行させるジョブ処理実行処理とを有した
ことを特徴とする請求項5記載の複合装置管理方法。 - 前記課金単価情報が、前記複合装置が提供するサービスの設定,各前記機能における各種設定,消耗品に関する設定のうち一又は二以上の設定に対してそれぞれ定められた
ことを特徴とする請求項5又は6記載の複合装置管理方法。 - ネットワークを介して一又は二以上の複合装置を動作制御する処理を複合装置管理装置に実行させる複合装置管理プログラムであって、
入力要求のジョブを解析してジョブ解析内容を割り出すジョブ解析処理と、
前記複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに定められた課金単価情報と前記ジョブ解析内容とにもとづいて、前記ジョブに対する課金金額の見積もりを行う課金見積算定処理と、
すでに実行されたジョブの課金金額を積算する積算金額算定処理と、
前記積算金額と前記見積金額との一方又は双方を、前記複合装置のみ、又は、前記ネットワークに接続された端末装置及び前記複合装置へ通知する見積金額通知処理と、
前記複合装置の機能ごと及び/又は設定ごとに前記課金金額の異なる複数のジョブ処理方法を予め用意しておくジョブ処理方法格納処理と、
前記見積金額と前記積算金額との和が上限金額を超える可能性があるか否かを判断する比較処理と、
この比較処理において、前記見積金額と前記積算金額との和が上限金額を超える可能性のある場合に、前記上限金額を超えないような一又は二以上の前記ジョブ処理方法を選択して、前記複合装置のみ、又は、前記ネットワークに接続された端末装置及び前記複合装置へ通知するジョブ処理通知処理と、
このジョブ処理通知処理において、前記選択したジョブ処理方法を、前記ジョブ解析内容に示された複合装置と同一の部門に属する複合装置、及び/又は、前記ジョブ解析内容に示された複合装置に設定されている課金金額がさらに設定対象としている他の複合装置に対しても通知する処理と
を前記複合装置管理装置に実行させる
ことを特徴とする複合装置管理プログラム。 - 前記ジョブ解析内容が、ジョブ処理通知手段によりすでに通知されたジョブ処理方法と同一の内容であるときに、ジョブ実行要求を送出するジョブ処理実行判断処理と、
前記ジョブ実行要求に示された前記ジョブ処理方法にしたがって、前記複合装置に対し、前記ジョブ処理を実行させるジョブ処理実行処理とを前記複合装置管理装置に実行させ る
ことを特徴とする請求項8記載の複合装置管理プログラム。 - 前記課金単価情報が、前記複合装置が提供するサービスの設定,各前記機能における各種設定,消耗品に関する設定のうち一又は二以上の設定に対してそれぞれ定められた
ことを特徴とする請求項8又は9記載の複合装置管理プログラム。
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