〔第1実施形態〕
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
〔システムの概要説明〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す画像処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図に示すように、本実施形態は、ユーザ環境100とプロバイダ環境110に別れており、それぞれの環境はネットワーク101(図1では101aまたは101b)により画像形成システムを構成する各装置が接続されており、それぞれの環境間はインターネットINTで結ばれている。また、それぞれのネットワークは一系統であっても、複数系統持っていても構わない。
図1におけるユーザ環境100においては、ネットワーク101aに接続された少なくとも1台のMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)102と、必要に応じてクライアントコンピュータ103を有している。なお、クライアントコンピュータ103は、所定のOSにより種々のプログラムの実行が制御されるとともに、MFP102に対してプリントジョブを発行するためのプリンタドライバが図示しないハードディスクにインストールされており、MFP102と所定のプロトコルで通信可能に構成されている。
図1に示すように、ユーザはユーザ環境100に居ながらにして、MFP102及び/又は、クライアントコンピュータ103を利用して、プロバイダ環境110にジョブを発注する仕組みを表している。もちろん、クライアントコンピュータ103からMFP102に対してジョブを発行することも可能である。
一方、プロバイダ環境110においては、いくつかの工程から成り立っており、それを統合的に管理するのが工程管理マネージャ(マネージャ)111であり、コンピュータやデバイス、或いは、プロバイダ環境を流れる全てのジョブの工程を管理している。
112は受注・入稿マネージャ(マネージャ)であり、インターネットINT経由で入稿されるジョブの受付を行う。113は原稿編集・スキャンマネージャ(マネージャ)であり、入稿されたジョブ及び/又はスキャナ126による画像読み取りと読み取られた画像データに基づくジョブをユーザの要求通りのページ順や配置に加工するためのものである。
114はカンプ・プルーフマネージャ(マネージャ)であり、インターネットと通信可能に接続され、原稿編集されたジョブまたはその出力サンプルがユーザの意図通りであるかどうかインターネット等を介して確認させる。すなわち、カンプ(プリンタ出力によるプレゼンテーション)または、プルーフ処理(校正処理)するためのものである。
115はプリントマネージャ(マネージャ)であり、印刷前処理(原稿編集・スキャン処理,カンプ・プルーフ処理)されたジョブに対して、ラスタライズ処理を施し、そこに接続されたMFPにプリント出力(印刷処理)させる。プリントマネージャ115は、複数台のカラーMFP124や白黒MFP125(図では125a及び125b)に接続されており、ジョブが要求する納期や品質に応じてそれぞれのMFPを使い分けている。
116は後処理マネージャ(マネージャ)であり、ユーザの要求通りの後処理(仕上げ処理)工程(断裁処理工程,中綴じ製本処理工程,くるみ製本処理工程,紙折処理工程,封入処理工程,帳合処理工程等)を施すように、断裁機131,中綴じ製本機132,くるみ製本機133,紙折機134,封入機135,帳合機136などを制御する。
117はファイル保管マネージャ(マネージャ)であり、大容量ディスク127に、ユーザのジョブを保管したり、再プリント依頼に応えたりするファイルサーバとして機能する。
118は納品・発送マネージャ(マネージャ)であり、インターネットと通信可能に接続され、作業者に対して出来上がった書類を納品するよう指示したり、納品伝票や発送履歴などを管理したりする(納品処理する)役割を果たす。
なお、マネージャ111〜118は、それぞれ別個の情報処理装置で構成されていてもよいし、マネージャ111〜118のいずれか複数又は全ての機能を1つの情報処理装置で実現するように構成してもよい。
また、各マネージャは、CPU,ROM,RAM,HDD等を有するコンピュータ装置で構成され、CPUがROM,HDD又はその他の記憶媒体に格納されているプログラムにおいて各機能を実行するものである。
次に、納品・発送マネージャ118から発送された書類109は、トラックなどの輸送機関141を用いて、再びユーザ環境に配送される。
[サーバの構成]
図2は、図1に示したクライアントコンピュータ103の構成を説明するブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
図において、103−1はCPUで、ROM103−2に保持された制御プログラムコードに基づいて、CPUバス103−9に接続されたデバイスを総括的に制御する。103−3はRAMで、CPU103−1が使用する一時記憶用メモリとして機能し、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張できるように構成されている。
また、RAM103−3は、印刷用データとして作成された描画オブジェクト格納や、ROM103−2に保持された制御プログラムによって一時的に使用されるワークメモリ等に用いられる。
103−4はメディアドライブであり、フレキシブルディスク、CD、DVDといった各種メディアとのアクセスインタフェースとなる。103−5はハードディスク(HDD)であり、各種プログラム、データ等の格納が行われる。103−6はキーボード・マウスでユーザからの入力を受け付けるインタフェース部であり、103−7はディスプレイであり、ユーザに情報を伝えるアウトプット部となる。103−8は、ネットワークを介してプリンタ等の周辺機器と双方向に通信接続するための周辺機器インタフェース部である。
103−9はCPUバスで、アドレス、データ、コントロールバスを含み、ROM103−2、RAM103−3、メディアドライブ103−4、HDD103−5、キーボード・マウス103−6、ディプレイ103−7および周辺機器インタフェース部103−8は、それぞれCPUバス103−9に接続されたすべてのデバイスにアクセス可能である。
なお、周辺機器I/F部103−8は、ネットワーク101aを介してMFP102と通信可能であるとともに、図示しないルータ等を介して、図1に示したプロバイダ環境110の各マネージャ等も通信可能に構成されている。なお、通信形態としては、プロバイダ環境110にダイレクトに通信する形態と、MFP102にプロバイダ環境110への通信を代行させる形態とがあり、操作指示状態や、ユーザによる試し印刷要求,プロバイダに対する発注要求が発生するタイミングに応じて適宜選択されるものとする。
[デバイスの構成]
図3は、図1に示したMFP102の構成を説明するブロック図であり、MFP102は、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)101aにてホストコンピュータに接続されている例である。
図3において、MFP102は、画像データの読取処理を行うリーダ部102−2と、画像データの出力処理を行うプリンタ部102−5と、画像データの入出力操作を行うキーボード、及び画像データや各種機能の表示/設定などを行う液晶パネルを備えた操作部102−1と、リーダ装置102−2を制御して読み込んだ画像データや、LAN101aを介してクライアントコンピュータ103より受信したコードデータから生成される画像データを格納/保存できる画像記憶部102−3、さらには印刷用紙を排紙するフィニッシング部102−9を装着可能であり、これら各構成要素に接続されて該構成要素を制御するコントローラ部102−4で構成されている。
リーダ部102−2は、原稿用紙を搬送する原稿給紙ユニット102−2−1と、原稿画像を光学的に読み取って電気信号としての画像データに変換するスキャナユニット102−2−2とを有し、プリンタ部102−5は、記録用紙を収容する複数段の給紙カセットを備えた給紙ユニット102−7と、画像データを記録用紙に転写/定着するマーキングユニット102−6と、印字された記録用紙の反転処理などを行い、フィニッシング部へ用紙を搬送する排紙ユニット102−8とを有している。
フィニッシング部102−9は、ジョブや用紙の束毎に用紙を一時的に蓄積する中間ユニット102−9−2と、ステイプルやジョブオフセットなどのフィニッシング加工を行ったり、最終的に印刷物を蓄積したりするオプション排紙ユニット102−9−1とを有している。
コントローラ部102−4は、リーダ部102−2を制御して原稿の画像データを読込み、プリンタ部102−5を制御して画像データを記録用紙に出力するコピー機能を提供する。また、リーダ部102−2から読み取った画像データをコードデータに変換し、ネットワーク101aを介してクライアントコンピュータ103へ送信するネットワークスキャナ機能や、クライアントコンピュータ103からネットワーク101aを介して受信したPDLなどの描画命令やコードデータを画像データに変換し、プリンタ部102−5に出力するネットワークプリンタ機能などの機能ブロックを有している。
さらにコピー機能、ネットワークプリンタ機能等で印刷された用紙を蓄積、ステイプル、製本、ジョブオフセットするフィニッシング機能ブロックを有し、あるまとまった単位毎に仕分けを行ったり、加工したりすることも可能となっている。
なお、コントローラ部102−4には、図2に示した周辺機器I/F部103−8等と同等の通信I/Fを備え、クライアントコンピュータ103と通信可能であるとともに、図示しないルータ等を介して、図1に示したプロバイダ環境110の各マネージャ等も通信可能に構成されている。なお、通信形態としては、プロバイダ環境110にダイレクトに通信する形態と、クライアントコンピュータ103からのプロバイダ環境110への通信を代行させる形態とがあり、操作指示状態や、ユーザによる試し印刷要求,プロバイダに対する発注要求が発生するタイミングに応じて適宜選択されるものとする。
なお、MFP102−2には、画像記憶部102−3および図示しないNVRAMを備えており、プリンタ装置102−5とスキャナユニット102−2−2を利用するジョブ処理実行状態をカウントして課金処理に必要な情報を記憶管理する領域が確保されている。本実施形態では、ソフトカウンタとしてカウンタ手段を構成する場合を示すが、機械的なカウンタであっても、サービスマンの点検等により、カウント情報を取得できれば上記課金処理を実行可能であることはいうまでもない。
特に、本実施形態では、プロバイダ環境110に発注されたジョブ処理に伴う課金に換算可能な情報を該プロバイダ環境からインターネットINTを介して取得し、上記カウント情報を更新可能にコントローラ部102−4が管理している。
したがって、本実施形態におけるカウンタは、単純なプリント回数を計数するカウント処理に留まることなく、外部のプロバイダに発注されて処理されるジョブ処理コストを発注依頼者に請求することが可能となるように換算するために、機能毎(例えばサイズ、両面、製本処理等)のカウンタを保持し、各カウンタの集計処理結果を操作部102−1の液晶表示部上に後述する形態で表示して、もしくは図2に示したクライアントコンピュータ103側のブラウザを介してディスプレイ103−7に表示してその内容をユーザに確認させ、通常の利用代金に該ジョブ処理に伴って納品されるジョブ出力にかかる代金を上乗せした合算金として課金処理することが可能となり、従来換算処理できないような受注に対しても、正当な対価をユーザから回収できるようにカウンタ管理処理が制御装置102−4が制御するように構成されている。
これにより、ユーザに対しては、リモートで当該MFP102が備えていない高度なジョブ処理を外部のプロバイダに対して簡単な操作で発注指示できるともに、悪意な発注処理に対してプロバイダ側が代金回収不能となる事態を解消して、その発注要求等の確証をMFP102側で管理して、ジョブ処理サービスを円滑にビジネス展開できる環境を整備することができる。
また、課金に伴うカウンタ情報に従い依頼元のMFP102のカウンタを更新する処理形態としては、プロバイダ環境110側のマネージャがダイレクトに行う場合と、図5に示すようにプロバイダ110a〜100z等に発注されたジョブ処理を統括管理するサービスセンター150が間接的に代行する場合とがある。なお、具体的な発注処理に伴うカウンタ処理の詳細については後述する。
図4は、図1に示したMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)102,124,125の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、MFP102,124,125は、画像読み取りを行うスキャナ部2201とその画像データを画像処理するスキャナIP部2202と、ファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部2203と、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりするNIC(Network Interface Card)部2204と、フルカラーMFP124との情報交換を行う専用I/F部2205とを備えている。そして、MFP102,124,125の使い方に応じて、コア部2206は、メモリ部2211と連携して画像信号を一時格納したり、経路を決定したりする制御を行う。
次に、コア部2206から出力された画像データは、プリンタIP部2207及び、スクリーニング部2208を経由して画像形成を行うプリンタ部2209に送られる。プリンタ部2209でプリントアウトされたシートはオンラインフィニッシャ部2210へ送り込まれ、シートの仕分け処理やシートの仕上げ処理が行われる。
コア部2206はバスの交通整理(各種データのやり取りに関する制御)等を行っており、MFPの使い方に応じて、以下の(A)〜(I)のようにパス切り替えが行われている。また、データがネットワークを経由する際には、JPEG,JBIG,ZIPなど圧縮データを使用することも一般に知られており、データがMFPに入った後、このコア部にて解凍(伸長)される。
例えば複写機能時のパス(A)は、スキャナ部2201→コア部2206→プリンタ部2209となり、ネットワークスキャナ機能時のパス(B)は、スキャナ部2201→コア部2206→NIC部2204となり、ネットワークプリンタ機能時のパス(C)はNIC部2204→コア部2206→プリンタ部2209となり、ファクシミリ送信機能時のパス(D)は、スキャナ部2201→コア部2206→FAX部2203となり、ファクシミリ受信機能時のパス(E)は、FAX部2203→コア部2206→プリンタ部2209となり、ボックス受信機能時のパス(F)は、NIC部2204→コア部2206→メモリ部2211となり、ボックス受信機能時のパス(G)は、スキャナ部2201→コア部2206→メモリ部2211となり、ボックス送信機能時のパス(H)は、メモリ部2211→コア部2206→NIC部2204となり、ボックス送信機能時のパス(I)は、メモリ部2211→コア部2206→プリンタ部2209となる。
このように、コア部2206は、本画像処理装置が具備する各ユニット(スキャナ部、メモリ部、プリンタ部、操作部、外部通信部等の各種ユニット)を全体的に統括制御する、所謂、コントローラ(制御部)として機能しており、画像データ等のジョブデータの入出力処理に関る制御や、外部装置(例えばプロバイダ)との機能情報の授受に関する制御、操作部に対する画面表示制御等、各種の制御を執り行っている。
ここで、ボックス受信/ボックス送信とは、メモリ部2211を利用した、データの入力や格納、格納されたデータの出力を意味しており、ジョブ毎やユーザ毎にメモリを分割して一次的にデータを保存して、ユーザIDやパスワードを組み合わせてデータの送受信を行う機能である。
例えば、操作部を介してユーザ操作によりボックス機能を選択することで、これに応答し、スキャナ或いは外部装置(コンピュータ)からのジョブデータを自装置のハードディスク内のボックス領域に格納保持させ、別途、操作部からのユーザ指示により、そのジョブを該ボックスから取り出して、プリンタ部でプリントさせたり、外部装置へ送信させたりすることができるよう構成、制御している。
また、プリンタIP部2207は、信号を画像形成装置のトナー色であるY,M,C,K信号にマトリクス演算する出力マスキング/UCR部、トナーの色味諸特性を考慮したルックアップテーブル(LUT)RAMを使って画像出力のためのC,M,Y,Kデータに変換するガンマ補正部、シャープネスまたはスムージングを施す空間フィルタ等から構成される。
スクリーニング部2208は、誤差拡散、ディザ、あるいはPWM(Pulse Width Modulation)などの処理を行う部分である。
尚、本実施形態では、上述のように、本画像処理装置の一例として、コピーモードや、プリントモードやファクシミリモードやボックスモードやスキャナ機能等の複数のモード(機能とも呼ぶ)を具備しており、自装置のスキャナ部2201で読取ったジョブデータや、クライアントコンピュータから出力されたジョブデータや、他のデジタル複合機が具備するスキャナから出力されたジョブデータや、ファクシミリ装置から出力されたジョブデータ等を、自装置が具備するハードディスク等を含む記憶ユニット(例えば、メモリ部2211)を介して、自装置が具備するプリンタ部2209でプリント処理させたり、自装置が具備する通信手段(例えば、FAX部2203、NIC部2204、I/F部2205等の各種外部通信ユニット)を介して他装置(他の画像処理装置やプロバイダやクライアントコンピュータ等)へ転送処理させたりできるようにしており、各種の入出力処理を実行可能に構成している。
このように、所謂、複合機能装置としての画像処理装置を用いて主に説明するが、本実施形態はこれに限らず、上述のような複数の機能のうちのいずれか1つの機能のみを有する(例えば、プリンタ機能のみ等)単一機能装置としての画像処理装置を用いても適用可能である。
又、本実施形態は通信媒体の一例としてネットワークを用いて主に説明するが、これ以外の通信媒体等を使っても適用可能である。
2213は操作パネル部で、後述するように図1に示したMFP102においては、コア部2206がネットワークおよびインターネットを介してプロバイダ環境110に設定される高機能なMFP,製本機,裁断機,折り機,帳合機,封入機等に関する資源情報を所定のタイミングで取得して、常に選択して実行可能な項目を表示画面上に択一的(自機の操作画面とプロバイダ側の操作画面とのいずれか一方)あるいは同時に表示して、あたかもユーザ環境100のMFPを操作する感覚で設定操作を行えるようにコア部2206等の制御部により制御している。
また、上記操作画面上には、メモリ部2211に記憶された画像データに対する画像処理,画像編集処理,シート後処理等をプロバイダ側に発注するためのキー(詳細は後述する)が配置されており、そのキー操作に基づいて、プロバイダ環境110側の資源を利用したサービスをユーザ環境100側のユーザが自在に利用可能に構成されている。
コア部2206は、操作部の表示部に、どのような表示構成要素(ガイダンス表示部や、警告表示部やステータス表示部や発注キーを含む各種のタッチパネルキー等の操作指示部)を具備した操作画面を、どのようなタイミングで、どのように表示させるか等を決定し、それに従ったユーザインタフェースを提供するよう操作部2213を制御している。
なお、プロバイダ環境110に対する操作画面は、MFP102に限定されることはなく、ユーザ環境100のクライアントコンピュータ103のブラウザ機能を利用して、Webブラウザ(詳細は後述する)を介して行えるように構成されている。
さらに、メモリ部2211に記憶される画像データに限らず、クライアントコンピュータ103側の、例えばハードディスク等に確保される特定記憶領域(フォルダ)に記憶されている画像データに対しても、同様にプロバイダ環境110の画像処理資源を利用した種々のサービスの依頼を発注可能に構成されている。
〔インターネット環境〕
図5は、本発明に係る画像処理システムを適用するネットワーク環境の一例を示す図であり、図1に示したユーザ環境100やプロバイダ環境110が多数存在した場合のインターネット環境の想定例であり、ユーザA、B、・・・、Zのそれぞれの要望に対して、適したプロバイダA、B、・・・、Zが応えるのが理想的である。
この時、それぞれのユーザが1つ1つのプロバイダに対して、それぞれの可能なサービス情報を問い合わせてもよいが、データの流れが複雑になるため、サービスセンター150を用意し、ユーザ側が持っているアクセス情報と、プロバイダ側が持っているサービス情報を結びつける役割を果たしている。
例えば、ユーザAは、プロバイダAとプロバイダBとは予め契約しているが、プロバイダCとは契約していないため、プロバイダCの情報を開示しない。ユーザBの欲している出力が可能なのはプロバイダBであるため、プロバイダBのみの情報を紹介する。あるいは、予めプロバイダA、B、・・・、Zにて可能な機能を登録しておいて、ユーザ側から求められた情報を速やかに公開するといった仲介役を行うのがサービスセンター150の機能である。
〔コピーにおける発注操作〕
ここで実際の発注操作に関して説明する。
図6,図7は、図1に示したMFP102の操作部の一例を示す平面図であり、図6はコピー動作を行う際に表示される操作部に対応し、図7はインターネットINTを介してプロバイダにジョブ発注を行う際に表示される操作部に対応する。上述したように、コア部2206は、該操作部2213を制御しており、操作部2213が具備する後述の各種の操作画面を表示するLCD表示部300に対する各種の表示制御を実行している。
図6において、300はLCD表示部であり、このLCDはタッチパネル形式で逐次現れる画面の操作表示に従って、キー操作も可能となっている。該表示部300には、所謂タッチパネルキーを具備した操作画面を表示可能に構成しており、ユーザによりタッチパネルキーが押下されたことに応答し、そのタッチパネルキーが示す指示に基づいて、他の画面に切り替えたり、その指示に従った各種のパラメータ(数値データや、両面モード、ステイプルモード、製本モード、編集モード、変倍モード等の各種の処理条件パラメータ等)をセットして、それに応じた各種の処理を実行可能に、コア部2206により制御可能に構成している。
又、勿論、上述の操作画面は、ユーザ操作によりセットした指示をユーザに確認可能にする為の確認情報を表示する機能や、トナーや記録紙等の消耗品の情報やエラー情報や、プリント中等の動作状況等を、ユーザに通知可能にする為のカレントステータス情報を表示する機能や、ユーザに対して如何なる行動を取ればよいか等を通知可能にするガイダンス情報を表示する機能も兼ね備えている。
コア部2206による表示制御のもとLCD表示部300に表示させる操作画面内は、タブ構成を具備するようになっており、コピー動作を司るコピータブ(Copy)301、発注動作を行う発注タブ(Order)302、スキャンしたデータの送信動作を行う送信タブ(Send)303、MFPに入力されるデータを一時格納するボックスタブ(MailBox)304、そして、MFP102の状況表示を行うシステムモニタタブ305等からなっている。
コア部2206は、例えば、操作画面を介して、コピータブ301がユーザにより押下されたことに応答しコピーモードを選択し、発注タブ302が押下されたことに応答し発注モードを選択し、送信タブ303が押下されたことに応答し送信モードを選択し、ボックスタブ304が押下されたことに応答しボックスモードを選択するよう制御する。
LCD表示部300に表示させる操作画面が具備する表示構成要素として、例えば、311は設定状況を表示する設定表示部、312は倍率設定部、313は紙サイズ設定部、314は濃度設定部、315は後処理設定部、316は両面設定部、317は画像モード設定部、318は割り込み設定部、319はその他の機能設定部等のソフトキーを有し、各種設定項目がLCD画面上に現れ、必要に応じて階層構造で詳細設定が可能になっている。
一方、330はメカ的なハードキー構成群としてのキー入力部であり、331はスタートキー、332はストップキー、333はリセットキー、334は各種設定の置数を行うテンキー、及びそのクリアキー、336は出力済み枚数を記憶するカウンタチェックキー、337はガイダンスやヘルプのためのヘルプキー、338はユーザごとのシステム設定を行うユーザモードキー等のハードキーから構成されている。
尚、操作部2213上の、LCD表示部300の操作画面に表示されるタッチパネルキーを含む各種のソフトキー、キー入力部330の各種のハードキーは、不図示のタッチセンサに連動しており、ユーザによりキーが押下されたことを該センサにより検知可能に構成し、その検知情報をコア部2206に通知し、コア部2206にてユーザがどのキーを押下したのか確認可能にしており、且つ、コア部2206は、該キー操作に応答した制御を実現し、例えば、タッチパネルキーが押下されたことを検知したら、そのタッチパネルキーを反転表示状態にして選択状態にしたり、他の操作画面に切り替えたり、テンキーが押下されたことを検知すれば、そのテンキーが示す数値データを表示部に表示させたりできるように構成している。
図7において、発注動作を行う発注タブ(Order)302は、スキャン注文キー351,コピー注文キー352,ボックス注文キー353により構成される。
例えば、コア部2206は、図4に示す操作画面上にて発注タブ302がユーザにより押下されたことに応答して、LCD表示部300に、各種の注文キー(キー351〜353等)を有する操作画面を表示させるよう制御する。
図8は、本発明に係る画像処理装置における操作部における各種のモードに対応した操作画面表示の遷移制御手順を説明するフローチャートであり、図6に示した各タブを選択することで、それぞれコピーモードS410、発注モードS420、送信モードS430、ボックスモードS440、オプションモードS450、システムモニタモードS460に遷移し、画面表示、設定、動作を行うところを表している。尚、上述したように、当該制御も、不図示のCPUを具備するコア2206が中心となって執り行っている。
ここで、ステップS400で、操作部におけるコピータブ301のユーザ押下を検知し、コピーモードが選択されたと判断した場合は、コア部2206は、ステップS410のコピーモードに遷移し、ステップS411で、操作部のLCD表示部300にコピー画面を表示するよう制御し、ステップS412でユーザからのコピーモードの為の処理条件の設定を受け付け可能に制御する。コピーモード用の操作画面を介してユーザによりコピー条件(印刷部数や両面、片面印刷、編集、ステイプル等の後処理、変倍等の各種の処理条件)が設定され、スタートキー331が押下されたことを検知すると、それに応答するよう、ステップS413で、設定されたコピー条件に基づいてMFP102のスキャナ部とプリンタ部とを制御してコピー処理を行うように制御し、処理を終了する。
一方、ステップS400で、操作部における発注タブ302のユーザ押下を検知し、発注モードが選択されたと判断した場合、コア部2206は、ステップS420の発注モードに遷移し、ステップS421で、操作部のLCD表示部300に発注モード用の操作画面(図7参照)を表示するように制御し、ステップS422でユーザからのモードの為の処理条件の設定を受け付け可能に制御する。発注モード用の操作画面を介してユーザにより発注条件が設定されスタートキー331が押下されたことを検知すると、それに応答するよう、ステップS423で、設定された発注条件に基づいて通信制御部,インターネットINTを介して、選択されたプロバイダに対して発注処理を行うように制御し、処理を終了する。
一方、ステップS400で、操作部における送信タブ303のユーザ押下を検知し、送信モードが選択されたと判断した場合、コア部2206は、ステップS430の送信モードに遷移し、ステップS431で、操作部のLCD表示部300に送信モードの為の操作画面を表示するよう制御し、ステップS432でユーザからの送信モードの為の処理条件の設定を受け付け可能に制御する。送信モード用の操作画面を介してユーザにより送信条件(原稿サイズ、解像度、送信形態、送信方法等の各種の送信設定パラメータ)が設定され、スタートキー331が押下されたことを検知すると、それに応答するよう、ステップS433で、設定された送信条件に基づいて通信制御部,インターネットINTを介して、読み取られる画像データの送信を行うよう制御し、処理を終了する。
一方、ステップS400で、操作部におけるボックスタブ304のユーザ押下を検知し、ボックスモードが選択されたと判断した場合、コア部2206は、ステップS440のボックスモードに遷移し、ステップS441で、操作部のLCD表示部300にボックスモードの為の操作画面を表示するよう制御し、ステップS442でユーザからのボックスモードの為の処理条件の設定を受け付け可能に制御する。ボックスモード用の操作画面を介してユーザによりボックスモードの設定条件(原稿読取サイズ、解像度、格納先のボックスの指定等)が設定され、スタートキー331が押下されたことを検知すると、それに応答するよう、ステップS443で、設定されたボックス設定に基づいてMFP102内のハードディスク等の不揮発性記憶装置に対するデータ(画像データ等)の格納あるいは読み出しを行うよう制御し、処理を終了する。
一方、ステップS400で、操作部におけるオプションタブ305のユーザ押下を検知し、オプションモードが選択されたと判断した場合、コア部2206は、ステップS450のオプションモードに遷移し、ステップS451で、操作部のLCD表示部300にオプション画面を表示させ、ステップS452でユーザからのオプション設定を受け付け、ステップS453で、設定されたオプション設定に基づいてMFP102内に対するオプション処理を確認して、処理を終了する。
一方、ステップS400で、操作部におけるタブ305のユーザ押下を検知し、システムモニタが選択されたと判断した場合、コア部2206は、ステップS460のシステムモニタに遷移し、ステップS461で、操作部のLCD表示部300にシステム状況を画面表示するように制御し、ステップS462でユーザからのシステム設定を受け付け、ステップS463で、設定されたシステム設定状況を確認して、処理を終了する。
上述したように、操作部の発注タブ302を介してユーザにより発注モードが選択された場合、コア部2206は、LCD表示部300の表示内容をコピー画面(図6参照)から発注画面(図7参照)に遷移させ、ユーザによる発注設定を可能に制御する。
このとき、大まかなフローとしては、図9の(d)に示すように、コア部2206は、発注モードの中で発注画面をLCD表示部300に表示させ、ユーザにより所望の設定を実行可能とし、外部のプロバイダに発注をかけるように制御するわけでありが、その詳細に関して、図10にて説明する。
プロバイダ協働実行シーケンスに切り替えると、ユーザが望んだ場合にも対応可能とする為のモード途中切替表示制御方法の両方を採用するよう構成する。
後者の場合、例えば、図9の(a)に示す、本画像処理装置にて実行可能な後処理をユーザにより選択可能にする為の操作画面をLCD表示部300に表示した状態で、ユーザにより、該図9の(a)の操作画面上の発注タブ302が押下されたことに応答し、コア部2206は、発注モードに変更し、LCD表示部300の表示内容を、本画像処理装置とデータ通信可能なプロバイダとしての外部装置が実行可能な後処理をユーザにより選択可能にする為の操作画面である図9の(b)にLCD表示部300の表示内容を切り替えるよう制御する。このように、発注モードを最初に選択した状態で、図9の(b)〜(d)の操作画面を表示部300に表示可能に制御していると共に、最初はコピーモード等の非発注モードが選択されて、そのモードに対応した操作画面を表示している状態で途中から発注モードに切り替えることで、図9(b)〜(d)の操作画面を表示可能に制御しており、更なる操作性の向上を図っている。
以上のように、本実施形態の画像処理装置は、コア部2206の制御のもと、自装置で実行可能な処理を本画像処理装置を利用するユーザにより選択可能にする為の操作指示部(例えばタッチパネルキー)を具備した操作画面と、本画像処理装置とデータ通信可能な外部装置にて実行可能な処理を本画像処理装置を利用するユーザにより選択可能にする為の操作指示部を具備した操作画面とを、LCD表示部300に表示可能とし、該表示部300に表示させる操作画面上の発注タブキー302の押下により、これらの操作画面を切り替え可能に制御している。これにより、ユーザの所望の処理を、本画像処理装置自身に対して実行させたり、本画像処理装置とデータ通信可能なプロバイダとしての外部装置に対して実行させたりすることができ、様々なユーザからのニーズに幅広く対応できるようにしている。このように使い勝手の優れたユーザインタフェースを本画像処理装置にて搭載させている。
図10は、本発明に係る画像処理装置(MFP102)における発注処理手順の一例を示すフローチャートであり、図8に示した発注モードが選択された場合の詳細手順に対応する。なお、S5101〜S5133は各ステップを示す。また、上述したように、当該シーケンスも、不図示のCPUを具備するコア2206が中心となって執り行っている。
ユーザにより、発注モードがMFP102の操作部のタブ指示(発注タブ302)により選択されると(S5101)、オーダ種別確認するフロー選択処理が実行され(S5102)、ユーザの望むオーダ種別がスキャン要求であると判別した場合(例えば、スキャナ部2201を介して入力されるジョブデータを他装置へ転送させるスキャンシーケンスを行う場合に複数の処理工程からなる一連の処理工程を経てジョブが処理されるが、そのスキャナ処理における一連の処理工程にてプロバイダ側にて実行してもらいたい処理がある場合)は、スキャン画像の発注処理を開始し(S5103)、ユーザの望むオーダ種別がコピー要求であると判別した場合(例えば、スキャナ部2201を介して入力されるジョブデータをプリンタ部2209にてプリントさせるコピーシーケンスを行う場合に複数の処理工程からなる一連の処理工程を経てジョブが処理されるが、そのコピー処理における一連の処理工程にてプロバイダ側にて実行してもらいたい処理がある場合)は、コピーしながら発注処理を開始し(S5108)、オーダ種別がボックス要求であると判別した場合(例えば、スキャナ部2201或いは外部機器から入力されるジョブデータをメモリ部2211のハードディスク内に仮想的に設けられた複数個のボックスのうちの所望のボックスを用いて処理させるボックスシーケンスを行う場合に複数の処理工程からなる一連の処理工程を経てジョブが処理されるが、そのボックス処理における一連の処理工程にてプロバイダ側にて実行してもらいたい処理がある場合)は、ボックスに入っている画像(或いはボックスに格納させる画像)に対する発注処理を開始し(S5113)、あるいは、オーダ種別が、ネットワーク上のフォルダ要求であると判別した場合(ネットワーク上の装置が具備するメモリに格納されているフォルダに対するアクセスを行う上でプロバイダ側にて実行してもらい処理がある場合)は、ネットワーク上のフォルダ(例えばMFP102に確保される特定の記憶領域であって、いわゆるフォルダを含む)に入っているデータの為の発注処理を開始(S5118)するなどのフローが用意されており、ユーザは所望のフローを選択する。
なお、コア部2206は、例えば、操作部2213における各種のユーザ操作を基に(例えば、どの操作画面で、どのキーが押下されたか等に関する操作情報を基に)、操作部2213を操作するユーザの望むオーダ種別がどの種別であるかを判断する。
そして、スキャン画像の発注処理が選択された場合は、ユーザは、まず原稿をADFや原稿台などにセットし(S5104)、ユーザが望むならば必要に応じて、ページ編集機能を設定する(S5105)。ここで、ページ編集機能とは、スキャンされる画像イメージの編集加工処理を意味しており、例えば、2in1でページレイアウトしたり(1ページ分のシートの同一面に2ページ分の複数の画像データを配列形成させる為のレイアウト処理)、スキャンされた画像の傾き補正(Deskew)やスキャンされた画像の黒点除去(Despeckle)をしたりといった設定である。
そして、ユーザの所望の設定が完了し、スタートキー331が押下されたことに応答し(S5106)、コア部2206は、スキャナ部2201にスキャン処理を開始させる。そして、読み取られた画像データをMFP102内の画像メモリ2211に一時保管する(S5107)。
一方、コピーしながら発注処理が開始された場合は(S5108)、概ねスキャン画像の発注と同様の動作であるが、まず原稿をADFや原稿台などにセットし(S5109)、必要に応じてページ編集機能を設定する(S5110)。そして、ユーザの所望の設定が完了し、スタートキー331が押下されたことに応答し(S5111)、コア部2206は、スキャナ部2201にスキャン処理を実行させ、スキャンした画像をメモリ2211に一時保管させると共に(ユーザが選択的に)プリンタ部2209でプリント(コピー出力)させるよう制御するする(S5112)。これにより、出力をプリント画像で確認できる(つまり、出力結果を一部プリントさせ、それをユーザに確認してもらう)。
一方、ボックスに入っている画像を発注処理する場合は(S5113)、予めユーザは、所定のボックスにプリンタドライバやe−Mail、FAX、スキャンなどを利用してMFP内のボックスにデータを入力しておき、そのボックス内のデータを選択する(S5114)。その後、ユーザは、まず原稿をADFや原稿台などにセットし、ページ編集機能を設定する(S5115)。そして、所望の設定が完了し、スタートキー331が押下されたことに応答し(S5116)、コア部2206はスキャン処理を開始させる。そして、読み取られた画像データはMFP102内の画像メモリ2211内の所望のボックスに保管される(S5117)。
一方、フォルダに入っているデータを発注処理する場合は(S5118)、ネットワーク上のあるフォルダに入っているデータファイルをSMBやFTPなどを利用して、MFP102側から検索し、そのフォルダ内のデータファイルを選択し(S5119)、その後、ユーザは、まず原稿をADFや原稿台などにセットし、ページ編集機能を設定する(S5120)。そして、所望の設定が済むと、スタートキー331を押して(S5121)、スキャンを開始する。読み取られた画像データはMFP102内の画像メモリに保管される(S5122)。
そして、コア部2206は、操作部2213におけるユーザが設定した処理条件をチェックすることで、データ確認と編集、またはデータ確認または編集等の要求が発生しているかどうかを判断して(S5123)、NOと判定された場合は、ステップS5125へ進み、YESと判定された場合は、格納されたデータは必要に応じて画像のプレビューによる確認、その編集あるいは、そのプリント出力(再出力)を実行可能に制御し(S5124)、編集及び確認後、再度発注データとしてMFP102内に格納させる(S5125)。
そして、データ格納後、コア部2206は、操作部のLCD表示部300の表示内容、プロバイダ選択画面に移行させ(S5127)、予め用意されたファンクションテーブルFTBを参照して、機能を呼び出し、操作部のLCD表示部300に表示させる(S5128)。
図11は、図1に示したMFP102上でコア部2206により管理更新されるファンクションテーブル(FTB)の一例を示す図である。
図11において、ファンクションテーブルFTBは、項目別の機能表になっており、MFP102内で実現できる機能のほかに、各プロバイダに発注した場合に、各プロバイダにて実現可能機能を、少なくとも、コア部2206が、確認把握出来るように定義されている。なお、この情報(MFP102が実行できる処理内容、プロバイダに依頼した場合にプロバイダ側で実行できる処理内容を、夫々、識別可能にする情報)はコア部2206自身が把握可能にすることは勿論のこと、MFP102の操作者等の各ユーザが、例えばLCD表示部300等のユーザインタフェースを介して確認可能に制御・構成しても良い。
MFP102内の情報は、装備されているフィニッシャやペーパーデッキなどの接続アクセサリ類との通信でファンクションテーブルに書き込まれている。
図12は、本発明に係る画像処理システムにおけるファンクションテーブルの構成とその更新処理例を説明する図である。
一方、プロバイダ側は、図12に示すようにサービスセンター150にて各プロバイダ110aから110c側から集められた機能情報やサービス情報SB5171〜SB5173が記憶部150A上にデータベース化されており、その情報をMFP102側からポーリングにて定期的に情報収集したり、アップデートがあった場合にサービスセンター150側からイベントドリブンでMFP102側へアップデートをかけたりして、必要に応じて常にファンクションテーブルFTBが最新情報を反映できるようにしてある。
また、MFP102、サービスセンター150、及び、プロバイダ環境110間の通信においては、予め決められたスキーマが定義されており、XML(eXtensible Markup Language)形式を利用し、アップデートされる情報には、サポートされる機能やサービスのデータのほかに、新たに追加される機能の名称やアイコン情報などのデータを送れるように順応して対応してある。
このとき、MFP102は前述のネットワークを経由して、サービスセンター150(サービスセンターがない場合には、直接プロバイダにアクセスする)にアクセスし、図8に示したステップS460によるシステムモニタ(機能検索)にて表示可能な機能を検索に行く。
サービスセンター150では予め各プロバイダから集めておいた機能情報をデータベースから読み出し、ステップS461によるシステム状況表示(機能表示)をユーザ側のMFP102に対して行う。
また、プロバイダ側は、定期的にサービスアップデート、あるいは各プロバイダでサポートしている機能が変更されるたびにサービスセンター150のデータベース150Aに対して逐次機能登録を行っておくと、常にユーザ側では最新の機能が表示されることとなる。
再び図10に戻って、MFP102が備える操作部に機能表示される場合(S5128)、例えば、ユーザ環境100にて、ユーザがMFP102自身でコピー動作を行う際に、ユーザの持っているMFPが特別なフィニッシング機能を持っていない場合、操作部内の後処理設定キー315を押下しても、図9の(a)に示すように、コレート機能501とグループ機能502しか表示されない。
しかし、発注タブ302の中の後処理設定キー315に相当するキーを押下すると、プロバイダ110a〜110c等がサポートしている種々の機能が表示されるため、図9の(b)、及び図9の(c)に示すように、コレート機能501とグループ機能502はもちろんのこと、ステイプル機能503、中綴じ製本(ブックレット)504、テープバインド505、くるみ製本506、スパイラルバインド507、ツインリングバインド508、バインダ綴じ509といった具合にたくさんの製本形態の中からユーザのニーズに合致した後処理機能をリモートから選ぶことが可能になる。
また、例えば、プロバイダ110bで新たに封入機を導入し、新たに封筒への折り込み処理のサービスが加わった場合、サービスセンター150のデータベースに新たに封入機能510を追加することで、利用ユーザは、図9の(d)に示すように新規に封入機能510がサポートされた形で後処理の選択画面が現れ、新しい機能の1つとしてサービスを受けることができる。
また、プロバイダ110bはスパイラルバインドがサポートされていないため、図9の(c)に比べて、この機能が空欄になっているのがわかる。
再び、図10に戻って、ユーザは発注機能を、図9の(b)〜(d)のような機能群から所望の設定を選択する(S5129)。そして、該機能選択後、スタートキー331を押下すると(S5130)、発注確認画面が現れて、ユーザは内容を確認した上でOKならば(S5131)、発注データ(画像データ)と発注機能(ジョブチケット)がサービスセンター150に送信される(S5132)。
一方、ステップS5131で、確認後がNGである場合は、ジョブの保留やジョブのキャンセルを行って(S5133)、本処理を終了する。
〔プリントにおける発注操作〕
次に、ユーザ環境100にあるクライアントコンピュータ103からMFP102にプリントする場合と、プリント発注をかける場合に関して説明する。
まず、MFP102内にあるウエブサーバ部が常駐可能に構成され、ウエブサーバ部は、例えばMicrosoft(登録商標)社のIIS(Internet Information Server)に代表されるウェブサーバプログラムであり、httpプロトコルにより、ユーザがウエブブラウザを介してURL(Uniform Resource Locator)アドレスを入力すると、ウエブブラウザにサービス画面(ウェブページ)を提供するものである。
通常のプリンタドライバがポート設定として、ネットワーク上のプリンタのアドレスまたは名称などを設定したり、パラレルポートを設定したりするのに対して、本実施形態では、MFP102内にあるウエブサーバを利用して、プリンタドライバから、そのウエブサーバのジョブサブミット画面を呼び出してジョブをプリントしたり、発注したりすることが可能に構成されている。
なお、図12に示すWS1〜WS5は、それぞれウエブサーバであり、所定のプロトコルで通信可能に構成されており、特に、ウエブサーバWS2は、プロバイダ110a〜110c側のウエブサーバWS3〜5から取得している画像処理機能情報をデータベース150Aに随時更新可能に構成されている。
そして、MFP102内のウエブサーバWS1からの画像処理機能取得要求に応じて、データベース150Aに登録されている最新の各プロバイダ側の画像処理機能情報を提供可能に構成されている。
図13は、図1に示したクライアントコンピュータ103のプリンタドライバで表示可能な印刷設定画面の一例を示す図であり、(a)はMFP102のプリンタのプロパティ画面であり、クライアントコンピュータ103上で、プリンタドライバを設定した直後にポートの設定を行う際のGUIを表している。
プロパティ画面は、機能ごとにタブ601〜607等を含む構成になっており、例えば、詳細(Details)タブ602内にポートの設定がある場合を示している。但し、このプロパティ内のタブや各機能はそれぞれのドライバで異なっているため、必ずしも一意ではない。
このとき、印刷先のポート選択欄610に関して、初めてプリンタドライバをクライアントコンピュータ103にインストールする場合には、ポートは用意されていない。そのため、ポートの追加キー612をクリックし、図13の(b)に示すウインドウを表示させる。なお、613は削除ポートキー、614は新規ドライバキー、615はCaptureプリンタポートキー、616はEndCaptureキーである。
ポート名称631(ここでは、MFP102)とMFP102内のウエブサーバのURL632を入力する。ここでは、ジョブサブミット画面が最初に現れるようにそのURLを記述して、OKボタン633をクリックして、図13の(a)の画面に戻る。
そして、印刷に使用するドライバ611でMFP102が選択されていることを確認して、必要に応じてタイムアウトなどを設定し、OKボタン621でプロパティ画面を閉じる。なお、622は取消ボタン、623はApplyボタンである。
ここでは、クライアントからアプリケーションを立ち上げて、プリントする例から説明する。
〔プリンタドライバ〕
ユーザより入稿されるデータは、PDLデータ,PDFデータ,アプリケーションデータ,紙原稿など様々である。ユーザにより入稿されるデータが、PDL(PS,PCLデータ等)やPDFデータ等の場合は、プリント工程に移行された時点で、そのままプリントマネージャ115に送り込まれてもRIP可能である。一方、ユーザにより入稿されるデータがアプリケーションデータの場合は、プリント工程に移行された時点で、作業者がクライアントコンピュータ103からプリントドライバを用いてアプリケーションデータをプリント用のデータに変換する作業を行って、プリントマネージャ115に送信する必要がある。
以下、プリンタドライバについて説明する。
図14〜図16は、図1に示したクライアントコンピュータ103上のプリンタドライバ画面の一例を示す模式図であり、図14はプリンタドライバのウインドウW1を示し、図15は前記ウインドウW1でプロパティキー812が押下指示された場合に、表示されるプロパティウインドウW2を示し、図16は前記ウインドウW2で、デバイスオプションタブが選択された場合に、表示されるプロパティウインドウW3を示す。
クライアントコンピュータ103のプリンタドライバは、プリント動作を指示するためのGUI(アプリケーション等から印刷指示したときに表示される印刷設定用のGUI上において、「プリンタ」に関するプロパティの表示指示を行った場合に表示されるGUI)で指示されることにより、ユーザは所望の設定パラメータを指示して、所望の画像イメージをプリンタなどの送信先に送る事が可能となる。
図14に示すプリンタドライバのウインドウW1内の設定項目において、811はターゲットとなる出力先を選択する送信先の選択カラムである。本実施形態では、MFP102(あるいは、MFP124、MFP125)が選択対象となる。
813はジョブの中から出力ページを選択するページ設定カラムであり、クライアントコンピュータ103上で動作するアプリケーションソフトで作成された画像イメージのどのページを出力するかを決定する。
814は部数を指定する部数設定カラムであり、カーソルをこの位置に移動させ、図示の矢印(スクロールバーの矢印)をクリックすることで、部数の増減が設定できる。また、812は、送信先選択カラム811にて選択された送信先デバイスに関する詳細設定を行うためのプロパティキーであり、このキーを指示することにより、図15,図16に示す画面が表示される。
そして、所望の設定が済めば、OKキー801により印刷を開始する。取り消す場合には、キャンセルキー802により印刷を取り止める。
図15,図16は、図14に示したプロパティキー812をクリックした際の表示画面(GUI)であり、これらの画面には、例えば「Paper」,「Graphics」,「Device Options」,「PDL」等のタブが設けられており、それらをクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)することにより、「Paper」,「Graphics」,「Device Options」,「PDL」等の異なる設定内容の設定を行うことができる。
図15では、「Paper」タブが例としてあげられており。ここでは用紙サイズ、面つけレイアウト、紙の向きなどの設定を行うことができる。また、「Device Options」タブが選ばれると、そのデバイス固有の設定情報、例えばステイプルなどのフィニッシングの設定や、プリンタによる色味などのパラメータを変更する画像処理関連のより細かい調整を行うことが可能となる。図16に示すように、選択には機能831とその設定値832をそれぞれ所望の値に設定することとなる。833は各設定値を初期値も戻すデフォルトキーである。
また、図示しないが、同様にして「Graphics」タブでは、解像度やハーフトーン設定、「PDL」タブではPDLの出力形式などの選択を行うことができる。
さらに、841はOKキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を有効にして、図14の画面に戻る。また、842はキャンセルキーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ設定を無効にして、図14に示す画面に戻る。さらに、843は適用キーで、このキーを押下(指示)すると、プロパティ画面のままで、プロパティ設定を有効にする。
通常、プリンタドライバは、「Device Options」タブに登場したデバイス固有の設定値などを入力することができ、デバイス固有の設定値に関しては、一般にPPD(PostScript(登録商標) Printer Description)ファイルなどを用意して、プリンタドライバを設定しておく必要がある。
PPDファイルは、そのプリンタを制御するための設定項目とその初期値、あるいは設定の組み合わせの可否などが記述されており、そのプリンタ毎に固有のファイルとして提供されることになる。そして、オペレータは、プリンタやクラスタ毎に自分自身のコンピュータ内にそのPPDとドライバをリンクさせて予め用意しておかなければいけないことになる。
ここで注意しなければいけないことは、PPDファイルは予め機能のわかっているプリンタと一対一対応であるということである。すなわち、プロバイダ側が提供可能な機能をクライアントコンピュータ103は予め知ることができないため、一般的にはPPDファイルを用意しておくことができない。さらに、PPDならばプロバイダ側の機能追加に伴う柔軟な変更作業ができないことも問題となる。もし、プロバイダ側がPPDのダウンロードサービスなどを行っていれば、逐次ダウンロードしてプリンタドライバを準備しておけば可能であるが、プロバイダが複数個ある場合には、準備に手間がかかる。
次に、図17に示すフローチャートを参照して、上記問題を解消する例について説明する。
図17は、図1に示したユーザ環境100におけるプリント発注処理例を説明するフローチャートであり、図1に示したクライアントコンピュータ103とMFP102間でのデータのやり取り手順に対応する。なお、S701〜S705はクライアントコンピュータ103のドライバ部のステップに対応し、S711〜S715,S721〜S725はクライアントコンピュータ103のウエブブラウザ部のステップに対応し、S761〜S765はMFP102側のステップを示す。
先ず、ステップS701〜S705は、アプリケーションを開き(S701)、ドライバを開いて(S702)、所望の機能を設定した後(S703)、OKボタンをクリックすると(S704)、アプリケーション上のデータをPDLデータ(例えばPSデータ)に書き換える作業を示しており、プリントドライバはPDLデータの作成と予め設定したポート(ここでは、前述のURL)にデータを送信する役割を持っており、クライアントコンピュータ103で予め登録されていた所定のポートとしてMFP102内のジョブサブミットページのURLに起動がかかる(S705)。
すなわち、クライアントコンピュータ103側で動作しているプリンタドライバは、アプリケーションから渡された印刷対象のデータをPDL化処理した後、MFP102が用意しているジョブサブミットにかかるHTMLページ(URLとそれに続くジョブサブミットのHTMLファイル名)を、クライアントコンピュータ103が有するブラウザに引き数として与えて起動する。
この結果、クライアントコンピュータ103ではブラウザが起動し、指定されたHTMLファイルをMFP102内のウエブサーバ部751に要求する。ここで、プリンタドライバのOKボタンをクリックして現れるジョブサブミット画面を示しているのが、図18の表示画面例である。
アウトプット先として左側のMFPキー921を選択すれば、MFP102へのプリントとなり、プロバイダキー912〜プロバイダキー914(必要に応じて更に表示されていてもよい)を選択すれば、各プロバイダに発注をかけることとなる。
図18は、図1に示したクライアントコンピュータ103の表示装置に表示されるWebBrowserの一例を示す図であり、図19は、図18に示したWebBrowser上で設定可能なジョブチケットの一例を示す図である。
再び図17に戻って、ステップS712で、そのMFPキー911が押下指示されたか否かを判断して、MFPキー911を選択したと判断した場合は、ウエブサーバ部751より、MFP102にて設定可能な機能とその設定値が、例えば図18に示すように表示される(S713)。
そして、図18に示す設定値932中より、ユーザは所望の値を選択できる。また、一般設定(General)922、ジョブ管理(Job Mgmt)923、後処理(Finishing)924、画像処理(Image Quality)925、色設定(Color)926などジャンルごとに分かれていて、ユーザはそれぞれの値を変更設定できる(S714)。
また、931はセーブキーで、ファイル名を設定したり、前に設定した値を記憶させたり、再帰呼び出しをかけたりする部分である。ファイル名の設定は必ずしもアプリケーションからのプリントでなくてもネットワーク上にあるプリント可能なファイルを選択して呼び出せることを意味している。
そして、MFP102へのプリントの場合には、各種設定を行った後に、プリントキー927をクリックすると、PDLファイルと設定されたジョブチケットは、ホットフォルダ部752に送られる(S715)。
MFP102内では、常にホットフォルダ部752は定期的に監視して(S761),ジョブがあるかどうかを判断し(S762)、ジョブがあると判定された場合は、プリント可能なジョブならば、ジョブの出力をスケジューリングし(S763)、該スケジューリングされたジョブをラスタイメージデータに展開して(S764)、逐次MFP102にてプリントして(S765)、処理を終了する。
次に発注をかける場合には、以下の3つの送信方法が考えられる。
クライアント→プロバイダ:送信方法1
プロバイダ側がジョブ受注用のウェブページを用意してあり、図18において、プロバイダキー912〜914を選択すると、MFP102内のウエブブラウザのURLからそれぞれのプロバイダ側が提供するURLに遷移して、そこで所定の設定を行って発注をかける。このとき、PDLデータと設定済みのジョブチケットはクライアントコンピュータ103からプロバイダ側へPDLデータをピアトゥピア(Peer to Peer)で直接送られる。
クライアント→MFP→プロバイダ(RIP):送信方法2
クライアントコンピュータ103から、一旦MFP102にPDLデータを送信し、MFP102からプロバイダ側にPDLデータを送信する。この場合、データ送信は常にMFPとプロバイダの間で行われるため、送受信の相手が特定しやすいのでセキュリティ的にも比較的保たれやすい。また、MFPにて一度試し刷りを行ったうえで、発注がかけられるため、発注ミスも軽減される。
また、この場合は、プロバイダ側で有する機能は、常にMFP102にだけ予め知らせておけばいいため、MFP102はサービスセンターを経由して、定期的または、新しい機能がアップデートされる度にMFP102側へ新しい機能を前述のXML形式で送信して、発注画面とリンクさせておけば、すぐに発注画面の表示が可能となる。
クライアント→MFP(RIP)→プロバイダ:送信方法3
更に、MFP102側でラスタライズ処理したデータを圧縮して、MFP102からプロバイダ側に送付する方法もある。この場合、面付けなどのプリプレス処理を行いにくい反面、圧縮データを作る際にパスワードを埋め込むなどセキュリティ面で強化できるという強みもある。
あるいは、上述の送信方法1〜3を状況に応じて使い分けたり、時として組み合わせたりしてもよい。
なお、図17におけるジョブサブミットのHTMLファイルの転送要求するタイミングであるが、通常のプリンタドライバでは、上記のようにシーケンシャルに処理が進められていたが、本実施形態では、必ず再度ジョブサブミットのブラウザ画面が呼び出され、再度プリント起動をかけることから、図14のドライバのOKボタン801をクリックした直後にクライアントコンピュータ103はMFP102のウエブサーバ751に起動をかけると同時に、クライアントコンピュータ103内でPDL化処理も同時に進めておいて、クライアントコンピュータ103にてブラウザ起動によりユーザがジョブチケットを設定している時間を有効利用して、ジョブサブミット画面のプリントボタンのクリック時までに処理を済ませて、このタイミングでPDLデータと所望のジョブチケットを一緒にMFP102に送り込むという方法も可能である。
あるいは、図17にて予めPDLデータをホットフォルダ部752に登録し、印刷データがサーバに登録されたことを確認してから(サーバから登録完了が通知されるようにする)、そのHTMLファイルを要求するようにしても良い。この場合、既にPDLデータがサーバに登録されていることになるので、送信するのはジョブチケットを送信するだけになる。
これを受けて、MFP102内のウエブサーバ部751は、ジョブサブミット画面(HTMLファイル)をクライアントに送信することで、クライアントにそのジョブサブミット画面を表示させ(S711)、オペレータは所望のジョブチケットに再度変更することができる。そして、ステップS705のPDLファイルが作成されたら、そのPDLファイルと変更後のジョブチケットをホットフォルダ部752に送信する。
再び、図18に戻って、ジョブ設定情報(ジョブチケット)932に関してであるが、例えばMFP102に出力する場合には、図18に示すように機能が少ないが、プロバイダキー912あるいは、プロバイダキー913をクリックすると、それぞれ図19がジョブ設定情報(ジョブチケット)932の部分に表示され、それぞれの機能を選択できるようになる。
以下、図1に示したプロバイダ側の各マネージャの役割に関して説明する。
〔工程管理マネージャ111〕
一般に、管理情報システム(MIS=Management Information System)と呼ばれる集中管理システムでは、生産関連データの収集、加工、報告を通して経営計画と管理業務を支援し、情報を蓄積して、必要なとき、必要な部署に提供することができる。
工程管理マネージャ111は、この管理情報システムの中心となるコンピュータであり、従来は、人の能力上の制約によって集中管理しきれなかった部分を、コンピュータによる情報のデータベース化により、情報を集中管理する役割を果たすものである。
この工程管理マネージャ111に蓄えられたデータは、意思決定のアプリケーション、特に生産物のスケジューリングを行って作業者が効率よく作業できるように作業工程を指示したり管理したりして、生産能力計画を高めることに利用される。
〔受注・入稿マネージャ112〕
図1に示した受注・入稿マネージャ112は、いわゆる電子商取引(EC=Electronic Commerce)の仲介役で、インターネット経由で受発注を行うためのコンピュータである。
また、受注・入稿マネージャ112は、ユーザ側から見ると、インターネットを利用した電子店舗があり、ここでユーザ認証を行った後に、所望のファイルを所望の設定と一緒に電子データとして送付し、ジョブの発注を行うものである。
前述の送信方法1の場合、一般のウエブブラウザを利用した電子入稿の場合が想定される。
その例を、図20〜図27に示す表示画面例を参照して説明する。
図20〜図27は、図1に示したクライアントコンピュータ103の表示装置に表示されるWebBrowserによる電子入稿処理画面の遷移状態を示す図である。
ユーザ側では、ウエブブラウザがプロバイダ側より提供されたサービス画面(図20)を開き、登録済みのユーザはユーザID(例えばE−mail Address),パスワード等を入力する。
なお、新規でこのウェブサイトを訪れたユーザの場合は、「New」を選択し、次へキー1009を指示することで、図21に示すような入力画面に移行し、この入力画面でユーザは必要事項(氏名,会社名,住所,電話番号,ファクシミリ番号,電子メールアドレス等)を記入して登録を行う。
図21等において、1010はキャンセルキーで、このサイトを終了するときに指示する。ここでは、単に必要事項を記入する例を用いたが、セキュリティを高めるため、本人確認手続きや口座開設の手続きを踏むなど二重三重のチェックを行うことは広く知られている。1009はNextキーである。
次に、図22に示す画面において、ユーザはプリントしたい電子データをドラッグ&ドロップ等で添付し、必要に応じてコメント欄に要望事項を記入し、次へキー1009を指示する(後述する図28に示すステップS1054)ことにより、図23に示す画面に移行する。図23に示す画面において、ジョブチケットと呼ばれるジョブの設定情報を入力し(後述する図28に示すステップS1055)、次へキー1009を指示することにより、図24に示す画面に移行する。
図24に示す画面において、所望するフィニッシング処理を選択し(後述する図28に示すステップS1056)、次へキー1009を指示することにより、図25に示す画面に移行する。
また、図25に示す画面において、プルーフプリントの有無1020の選択,必要なプルーフモード(校正表現方法1021をいずれか1又は複数選択)とアーカイブ情報等を入力して(後述する図28に示すステップS1057)、次へキー1009を指示することにより、図26に示す画面に移行する。さらに、図26に示す画面において、希望納期の情報を入力し(後述する図28に示すステップS1058)、次へキー1009を指示することにより、図27に示す画面に移行する。
図27に示す画面において、概略コストが示されて、ユーザはその料金に納得すれば仮発注をかけることができる。ここで、算出されるコストは、新規ユーザとお得意先、ジョブの大きさ、コピー部数などのジョブチケットの内容、フィニッシング処理方法、プルーフの方法や個数、アーカイブやリプリント情報、あるいは、納期の長短などに応じて算出されるものであり、ユーザは仮発注前に概算をおおよそのコストを見ることができるため、コストによるトラブルを避けることができる。もし、ユーザがコスト的に気に入らなければ、各情報タブ(カスタマ情報タブ1001,ドキュメント情報タブ1002,ジョブ情報タブ1003,後処理情報タブ1004,プルーフ&アーカイブ情報タブ1005,デリバリ情報タブ1006)や戻るキー1008,次へキー1009等を用いて、設定を入れ替えたりし、再度概略コストを算出させることも可能である。
そして、OKキー1011を押下(指示)することにより、仮発注処理を行うことができる(後述する図28に示すステップS1060でYes)。なお、仮発注処理のため、後述するプルーフ時にもジョブチケットの設定変更を行うことが可能である。
このように、受注・入稿マネージャ112で受け付けられたジョブは、工程管理マネージャ111にその情報が伝えられ、それを受けて、工程管理マネージャ111は、そのジョブの管理を開始し、そのジョブに対してJDFデータを発行する。
なお、このプロバイダ側には、図20〜図27に示す各サービス画面、及び上記入力項目のチェックプログラム等が予めアップロードされているものとする。
これら一連の作業を示したものが、図28に示すフローチャートに示す手順である。
図28は、本発明に係る画像処理システムにおけるジョブ発注処理手順の一例を示すフローチャートであり、図20〜図27に示すブラウザ画面に基づく処理手順に対応する。なお、S1051〜S1062はクライアントコンピュータ103側のブラウザ側のステップに対応し、S1073〜S1078は受注・入稿マネージャ112側のステップに対応する。
プロバイダ側のウエブサーバ部1071から順次表示されるジョブ仮発注画面上で、ユーザが仮発注を承認するまで上記入力作業(WebBrowser起動(S1051),受発注画面を開く(S1052),カスタマ情報入力(S1053),ファイルの選択(S1054),ジョブチケットの入力(S1055),フィニッシング処理の入力(S1056),プルーフ・アーカイブ情報の入力(S1057),デリバリ情報の入力(S1058),コストの確認(S1058))をユーザが仮発注を承認するまで繰り返し(S1060)、仮発注の承認が得られたと判定した場合は、ジョブ仮発注画面上で、ウエブブラウザは、ユーザが選択したファイル(画像データ)及び各印刷指示を含むジョブを、ユーザ側から受注・入稿マネージャ112のホットフォルダ部1072に送信する。このホットフォルダ部はユーザ毎に設けられていてもよい。
そして、受注・入稿マネージャ112側では、常にホットフォルダ内のジョブの有無をポーリングにて監視して(S1073)、ジョブがあると判断した場合は(S1074)、そのジョブを受け付けられるかを確認し(S1075)、許可されれば(受け付け可能であれば)、ジョブの受け付けを行い(S1076)、該受け付けたジョブを工程管理マネージャ111に対して送信するとともに、「受諾」のメッセージをユーザに対してウェブ画面で送信する(S1078)。
一方、ステップS1075で、ジョブの受け付けが許可されなければ(受け付け可能でなければ)「拒絶」のメッセージをユーザに対してウェブ画面で送信する(S1077)。
また、ユーザ側では、ウエブブラウザ上にウエブサーバ部1071より提供される「受諾」又は「拒絶」のメッセージ画面を表示し(S1061,S1062)、本処理を終了する。
次に、送信方法2)または、3)の場合には、MFP102の設置時またはメンテナンス時にMFP自体がサービスセンターやプロバイダに登録し、必要な契約を予め行っておけば、発注時には、サービスセンターやプロバイダ側でMFP102の登録確認のみを行えば、発注者が特定できるため、上記のような面倒な作業を行わなくてもよいし、図20に示すような統一されたフォーマットでユーザ環境内のMFP102に出力する場合も、プロバイダ側に発注を行う場合も同じような画面から行えるため、発注作業におけるミスも軽減される。
〔原稿編集・スキャンマネージャ〕
図1に示した原稿編集・スキャンマネージャ113は、工程管理マネージャ111により原稿編集工程と原稿読み取り(スキャン)工程を担当している。
まず、原稿編集工程は、ジョブに関して、ユーザから送付された複数個のファイルをマージしたり、ページの挿入や削除、ユーザの指示通りにレイアウトしたり、あるいは要求の後工程処理を予めビジュアル的に確認可能視覚化することを目的としたものである。
図29〜図31は、図1に示したユーザ環境100よりプロバイダ環境110に対してユーザから送信されたファイルA〜F、及びその出来上がり(編集後の)イメージの一例を表した模式図である。
図29に示した例では、入稿されたユーザからのジョブは、ファイルA(File−A)〜ファイルC(File−C)からなっている。そして、ファイルAはユーザによりそのままのサイズの出力を希望しており、ファイルB,ファイルCはユーザにより2in1の出力を希望している。このような場合、原稿編集時には出力サイズ等が必要となるため、ユーザはそれらのサイズを指示する必要がある。また、出力の順序を考慮しなければいけない場合等も、ユーザはそれらの順序を原稿入稿時等に指示する必要がある。
また、図30に示した例では、入稿されたユーザからのジョブは、ファイルD(File−D)という1つのファイルとなっている。そして、ファイルDは、ユーザによりタブ紙等の特定のメディアへの出力及びパンチ,ステイプル等の後処理を希望している。このように、1つのファイルにより入稿された場合であっても、タブ紙等の特定のメディアへの出力及びパンチ,ステイプル等の後処理を希望する場合には、原稿編集時に、タブ自身の情報やタブ紙等のメディア情報が必要であったり、パンチ等の後処理情報も必要となったりするため、ユーザはそれらの情報を原稿入稿時等に指示する必要がある。
さらに、図31に示した例では、入稿されたユーザからのジョブは、ファイルE(File−E),ファイルF(File−F)からなっている。そして、ファイルE,ファイルFは、ユーザによりくるみ製本を希望しており、紙サイズが異なっている。このように、出力したい紙サイズが異なっている場合も、原稿編集時に、紙サイズ等の情報が必要となるため、ユーザはそれらの情報を原稿入稿時等に指示する必要がある。
なお、上述したようなユーザからの各種情報の指示は、上述した図28に示したステップS1055,S1056等において、後述する受発注画面から行われる。
このように、ユーザの入稿ファイルそのものが、ユーザの出来上がりイメージと一致しているとは限らないため、画像処理システム側で、ユーザの指示に従って編集する必要があり、この編集処理を担当するのが原稿編集・スキャンマネージャ113である。
また、ユーザから送られてくる複数のファイルが同じアプリケーションや同じタイプのファイルとは限らないため、1つのファイルにする必要があるが、この1つのファイルに作り上げる処理もこの原稿編集・スキャンマネージャ113が行うものとする。
以上の原稿編集・スキャンマネージャ113における編集処理は、原稿入稿時等にユーザから指示された編集情報等に基づいて原稿編集・スキャンマネージャ113内のプログラムにより(作業者による編集作業無しに)、及び/又はクライアントコンピュータ103からの作業者による各種アプリケーションを用いた編集作業により行われる。
一方、原稿編集・スキャンマネージャ113は、原稿読み取り動作(スキャン)に関しては、スキャナ126やMFP124,125のスキャナを制御するためのもので、スキャナドライバを呼び出して、プレビューを行ったり、画像の読み込み、あるいはMFPのプリンタ部と連携してクイックコピーを行ったりするためのコンピュータとして機能するものであり、ユーザからの入稿が紙原稿であった場合に作業者が紙原稿を電子化する際にも使用する。具体的には、まず、原稿編集・スキャンマネージャ113からスキャナドライバを起動する。
図32は、図1に示したMFP102のスキャン動作を指示するためのスキャナドライバのGUI(Graphic User Interface)の一例を示す模式図である。
図32に示すスキャナドライバのGUIにおいて、ターゲットとなるスキャナをソースデバイス名1222で選択し、所望のパラメータ設定1224〜1233を行い、プレビューキー1236あるいはスキャンキー1237をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると画像の読み込みを開始する。なお、キャンセルキー1238をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると画像の読み込みを中止する。さらに、プロパティキー1223をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)するとソースデバイス名1222で選択されたスキャナのプロパティ設定画面が表示される。
〔カンプ・プルーフマネージャ〕
図1に示したカンプ・プルーフマネージャ114は、一般にレイアウトの確認と色味の確認という2つの目的で利用されることが多く、白黒原稿の場合は前者の確認のみとなるが、カラー原稿では両者の確認が必要となる。
印刷業界では、カラーカンプ(Color Comprehensive Layout)と呼ばれる製版・印刷工程に入る前に広告主にプレゼンテーションすることを目的とした、色づけされた出力があるが、最近ではDTPやCEPSで処理したデジタルカラー画像をカラープリンタやカラープロッタで出力したカラーのハードコピーが上述のカラーカンプに用いられている。
また、プリンタを利用したオンディマンドプリントでは、カンプに相当するレイアウト確認と簡易的な色味確認も、プルーフに相当する詳細な色味確認も、同じカラープリンタ(あるいは白黒プリンタ)にて行うことが可能であるため、これらの確認作業をこのカンプ・プルーフマネージャ114で一括して処理する。
図33は、図1に示したカンプ・プルーフマネージャ114とユーザ側のコンピュータとの通信及びカンプ・プルーフマネージャ114によるプルーフ作成処理を示すフローチャートであり、S1501〜S1510はユーザ側の作業ステップを示し、S1521〜S1532はカンプ・プルーフマネージャ114側の制御処理ステップを示す。
カンプ・プルーフマネージャ114も、受注・入稿マネージャ112と同様にウエブサーバ部1541を有しており(図28に示した受注・入稿マネージャ112のウエブサーバ1071と共有でも構わない)、まず、工程管理マネージャ111によりプルーフ工程に管理されるジョブに関して、ステップS1521において、ユーザがプルーフを要求した(即ち、図28に示すステップS1057のプルーフ設定で要求した)か否かを判断し、プルーフが要求されていないと判断した場合には、そのまま処理を終了する。
一方、ステップS1521で、プルーフが要求されていると判断した場合には、ステップS1522以降に進み、要求されたプルーフ方法(校正表現方法)によってユーザ側にサービスを提供する(校正表現を行う)。
即ち、ステップS1522で、校正表現方法としてサムネールのウェブ表示が求められているか否かを判断し、要求されていると判断した場合には、ステップS1523において、原稿編集・スキャンマネージャ113よりサムネール画面を作成させ、該作成されたサムネール画像をウエブサーバ部1541にアップロードし、許可されたユーザのみ表示可能に設定する。これにより、ユーザは出来上がりイメージをウェブ上で確認することができる。
図34〜図38は、図1に示したカンプ・プルーフマネージャ114による確認画面の一例を示す図である。
これらの確認画面には、ページ順とプリント順の切り替えボタン1601,ページ単位のプロパティ(属性設定)キー1602,ドキュメント単位のプロパティキー1603,ジョブ単位でのプロパティキー1604が用意されており、ページ単位、ドキュメント単位、ジョブ単位で、紙サイズ、メディアタイプを切り替えたり、N−up(縮小レイアウト)の配置数、配置順等を決められたり、フィニッシングの有無や種類等を設定することができる。
また、ユーザから入稿された原稿が複数個、しかも異なるタイプのアプリケーションやファイルであった場合でも、それらをドラッグ&ドロップしてドキュメント単位で確認画面上にサムネール表示することができる。
例えば、図34,図35はページ順で表示した例に対応し、1章(Document−001)目と14章は、2in1で配置されているが、それ以外は4in1で配置されており、章(ドキュメント)単位で配置数を変えている例である。
また、図36はページ順とプリント順の切り替えボタン1601を切り替えてプリント順で表示した例に対応し、中綴じ(ブックレット)された場合のプリント配置を見ることができる。次に、図37はタブ紙を利用してページ単位でメディアを切り替えた場合の例に対応し、同時にパンチ(穴あけ)処理の指示をした場合でも、サムネール上で穴の位置などが確認できる。また、図38はくるみ製本される場合の例に対応し、表紙が背表紙分大きな用紙が用いられている点が確認できる。
なお、図34〜図38に示した確認画面の表示ウインドウは、ファイル構造を示すフォルダ画面とサムネール画面から成り立っているが、サムネール画面の1つのページをダブルクリックすると、ページ単位でのプレビュー画像でページ単位の拡大表示も可能である。
以上示した図34〜図38の確認画面、または図示しないPDFファイル(ウエブサーバ部1541よりダウンロードしたPDFファイル)の表示画面において、ユーザは、プルーフを確認し、プルーフの確認がOKであるとユーザが判断する。
そして、プルーフがOKである場合には、プルールがOKである(印刷工程への移行を指示する)旨を示す電子メールを(カンプ・プルーフマネージャ114に割り当てられた所定のアドレス,担当者のアドレス等)に送信する。
一方、プルーフの確認がOKでない(NG)と判断した場合には、ユーザは、プルールがNGである(印刷工程へは移行せず、再校正を指示する)旨とプルーフのNG箇所とコメントを入力した電子メールを送信する。
この電子メールを受けたカンプ・プルーフマネージャ114は、プルーフの確認結果がOKである(印刷工程への移行を指示する)場合には、処理を終了し、印刷(プリント)工程に進む。一方、プルーフの確認結果がNGである(印刷工程へは移行せず、再校正を指示する)場合には、画像処理システム側の作業者が、ユーザからのNG箇所のコメントに従って、再度、原稿編集処理,ドキュメント処理や校正刷り(プルーフプリント)の処理をやり直す。
以上のように、プルーフ手段として、図34〜図38に示したサムネール確認画面やPDFファイル(不図示)をユーザに提供することにより、実際の印刷を行うことなしに、オンラインにて、容易かつ確実に出力予測でき、入稿後のプルーフ時の各種変更も容易にし、従来ユーザの負担となっていた入稿時の入念なチェック負担を軽減して、顧客に対してより安価な出力提供を短期間に行うことができる。
一方、図33に示したステップS1522で、サムネールのウェブ表示が求められていないと判断した場合又はステップS1523の後、ステップS1524に進み、校正表現方法としてPDFファイルが要求されているか否かを判断し、PDFファイルが要求されていると判断した場合には、ステップS1525において、例えばAdobe社のAcrobat Distillerなどを利用して、PDFファイルを作成し、ユーザの要求した方法でユーザに提示する(例えば、ウェブ上での閲覧や、ftpサイトにアップロード、あるいはファイルサイズが小さければユーザへのE−mailに添付するように設定することも可能である)。
一方、ステップS1524で、PDFファイルが要求されていないと判断した場合又はステップS1525の後、ステップS1526に進み、サムネール画像,PDFファイルをアップロードしたウェブサイトのURLの記載やPDFファイルの添付等を行った電子メール(E−mail)をユーザに対して送信する(S1529)。
一方、ステップS1501において、この電子メールを受信したユーザ環境100は、ステップS1502において、ユーザがサムネール表示を行いたいかどうかを判断して、サムネール表示を行いたいと判断した場合には、ステップS1503において、ウエブブラウザを起動し、URLを入力するとともに、ウエブサーバ部1541より提供される画面にユーザIDとパスワードを入力して、ウエブサーバ部1541よりサムネール画面を取得する。
一方、ステップS1526で、プルーフ出力であると判断した場合は、ステップS1527で、プルーフ出力を行い、発送指示が郵送指示かどうかを判断して(S1528)、YESならば郵送処理に進み、NOならば、他の受け渡し処理に進む。
そして、ステップS1504において、ウエブサーバ部1541より取得したサムネール画面(図34〜図38)を表示閲覧し、ステップS1505に進む。
一方、ステップS1502で、サムネール表示を行わないと判断した場合は、そのままステップS1505に進む。
次に、ステップS1505において、ユーザがPDFファイルの入手を行う場合には、ステップS1506に進み、ウエブサーバ部1541よりPdfファイルをダウンロードし、ステップS1508に進む。
一方、ステップS1505で、Pdfファイルの入手を行わない場合は、そのままステップS1508に進む。
次に、ステップS1508において、ユーザは、プルーフを確認し、プルーフの確認がOKである(印刷工程への移行を指示する)とユーザが判断した場合には、そのままステップS1510に進む。
一方、ステップS1508で、プルーフの確認がOKでない(NG)(印刷工程へは移行せず再校正を指示する)と判断した場合には、ステップS1509において、ユーザは、プルーフのNG箇所とコメントを入力し、ステップS1510に進む。
次に、ステップS1510において、プルーフの確認結果(印刷工程への移行指示、又は、印刷工程へは移行せず再校正指示)を示す電子メールを作成し、カンプ・プルーフマネージャ114に対して送信する。
なお、プルーフがNGの場合には、ユーザは、ステップS1509で入力したプルーフのNG箇所とコメントのデータを電子メールに添付するか、電子メールの本文に記載するものとする。また、プルーフのOK/NGを示す情報は、電子メールの本文に記載するように構成してもよいし、電子メールの題名にOK/NGを示す文字列を記載するように構成してもよい。
一方、カンプ・プルーフマネージャ114は、この電子メールを受信すると(S1530)、ステップS1531において、プルーフの確認結果がOKであるか否かを判断し、プルーフの確認結果がOKである(印刷工程への移行を指示する)と判断した場合には、処理を終了し、印刷(プリント)工程に進むように、後述するJDFデータを書き換える。
なお、ステップS1531の判断は、受信した電子メールの題名等からプログラムにより判断させるように構成してもよいし、電子メールを受信したことを担当者に通知し、該受信電子メールの内容から担当者に判断させ担当者に確認の有無を入力させるように構成してもよい。
一方、ステップS1531で、プルーフの確認結果がOKでない(NG)(印刷工程へは移行せず再校正を指示する)と判断した場合には、ステップS1532に進み、画像形成システム側の作業者が、ユーザからのNG箇所のコメントに従って、再度、原稿編集処理,ドキュメント処理や校正刷り(プルーフプリント)の処理をやり直し、ステップS1521に戻る。
なお、図33では、ユーザからのプルーフの確認結果をステップS1510で電子メールによって行っているが、電話やFAX等で、画像処理システム側の担当者に連絡するようにし、この連絡を受けた担当者がプルーフのOK/NGを判断し、OK/NGを入力するように構成してもよい。
〔納品・発送マネージャ〕
図1に示した納品・発送マネージャ118は、宅配便,クーリエ便,郵送等のサービスとリンクしたもので、配送のトラッキングナンバやエアウェイビルナンバ等から、現在の配送の状況や到着予定等を管理するコンピュータである。
〔ジョブフロー〕
ここで、再び図1に戻って、本実施形態のプロバイダ側の画像処理システムにおける実際のデータの流れを考える。それぞれのコンピュータ,デバイス間で、データの受け渡しが行われており、それら全てを管理しているのが工程管理マネージャ111である。
そして、受け渡されているデータは、CIP3(International Cooperation For Integration of Prepress Press and Postpress:製版、印刷、後加工の印刷ワークフロー統合のための共同組織)におけるPPF(Print Production Format)と呼ばれるフォーマット、あるいはCIP4(International Cooperation For Integration of Processes in Prepress、 Press and Postpress:製版、印刷、後加工の工程・処理統合のための共同組織)におけるJDF(Job Definition Format)と呼ばれる新たなフォーマットにより実現されている。
PPFは、プリプレス,プレス,ポストプレスという印刷の全ワークフローを統合し、その各工程間で処理や管理のデータをやりとりするためのフォーマットであり、PostScript(登録商標)をベースにしており、管理情報やインキの調整、断裁位置の指定などさまざまな情報を扱い、品質の安定化,ミスの低減,処理の高速化,生産設備の効率的運用を目的にしたポストスクリプトをベースにした標準フォーマットである。
一方、JDFは、PPFのコントール性に加え、Adobe社が提案したPJTF(Portable Job Ticket Format)と呼ばれるプリプレスの作業情報やコントロール属性などが付加されたフォーマットであり、プリプレス,プレス,ポストプレスの情報統合性,プロダクションと工程管理マネージャとの連携,及び現存するシステムとの互換性を掲げている。
またJDFでは、PJTFが得意とするJob Ticketと呼ばれる作業指示書の受け渡しを行うというアーキテクチャを踏襲しており、履歴や作業指示,管理情報等に対して、それぞれの工程で必要な処理を順次実行し、次工程に伝えていくという仕組みである。
さらに、JDFでは、Job Ticket(作業指示書)を構築する言語として、XML(eXtensible Markup Language:拡張可能なマーク付き言語)が利用されている。JDFでは、スキーマと呼ばれるXMLの要素や属性の配列を記述したテンプレートを定義しており、定義されたスキーマに従って、それぞれの工程でXMLデータの書き換えを行っている。この様子を示したのが、図39である。
図39は、図1に示した工程管理マネージャ111による工程管理処理を説明する図であり、各工程においてJDFデータの書き換えを行っている様子を示している。
図39に示すように、受注・入稿マネージャ112に入稿されたジョブ2901に対して、工程管理マネージャ111内にあるJDFアプリケーション2902がJDFデータを作成する。
作成されたJDFデータは、工程管理マネージャ111,受注・入稿マネージャ112,原稿編集・スキャンマネージャ113,カンプ・プルーフマネージャ114,プリントマネージャ115,後処理マネージャ116,ファイル保管マネージャ117,納品・発送マネージャ118にて書き換えが行われる。
図39の例では、プリントマネージャ115と後処理マネージャ116との間が図示されており、JDFデータのやりとりは、JDFパーサ2904(またはJDFパーサ2907)で翻訳されて、それぞれのマネージャ内で情報の追加,削除,修正がなされる。なお、2903a〜2903eはJDEデータである。2905はPDLコントローラ、2906はプリンタI/F、2908,2909はフィニッシャI/Fである。
この情報のやり取りは、実際のプリント出力(紙出力)をオフライン処理(作業者が手作業で運ぶ)したとしても、JDFパーサ経由でそれぞれのデバイスからそれぞれのジョブ処理状況がJDFデータに書き込まれて、バケツリレー式に伝達され、そのそれぞれのJDFデータを、工程管理マネージャ111にて逐次管理することで、それぞれのジョブの状況を一覧で見ることができる。
〔工程管理マネージャにおけるプリントジョブの管理〕
図40〜図43は、図1に示したプリントマネージャ114より提供されるプリント工程の管理画面を示す模式図であり、図40はプリント工程におけるジョブステータス画面であり、図41はプリント工程におけるデバイスステータス画面であり、図42,図43はプリント工程におけるジョブサブミット画面である。
なお、オペレータはプロバイダ環境におけるクライアントコンピュータ上のウエブブラウザのURLアドレス部に工程管理マネージャ111側のウエブサーバのIPアドレス(ここでは例えば、192.168.100.11とする。DNSがサポートされている環境ならばサーバ名称でも構わない)を入力するとサービス画面が読み込まれるように予め設定されている。
このサービスツール(サービス画面)には、各マネージャ間のスケジューリングを行うスケジューリングタブ3001,受注・入稿マネージャによる受注状況を確認するオーダリングタブ3002,原稿編集を担当するエディティングタブ3003,プルーフマネージャによる顧客のプルーフの承認状況を管理するプルーフィングタブ3004,プリントジョブの管理やプリントジョブの投入を行うプリンティングタブ3005,後処理マネージャにより後処理工程の管理を行うフィニッシングタブ3006,ファイル保管マネージャによりジョブのアーカイブ状況を管理するアーカイビングタブ3007,納品発送マネージャにより納品伝票や配達状況の管理を行うデリバリィタブ3008,そしてスキャンマネージャによりスキャンジョブを管理するスキャンタブ3009等が用意されており、プリンティングタブ3005を選択すると、プリントマネージャ115側のウエブサーバ(工程管理マネージャ111側のウエブサーバと同一であってもよい)にアクセスして、図40に示すプリント工程におけるジョブステータス画面が読み込まれるようになっている。
図40〜図42に示すプリント工程管理画面(プリンティングタブ3005が選択されたサービス画面)には、ジョブ管理を行うジョブステータスキー3011,プリントデバイスMFP124や125の管理を行うデバイスステータスキー3012,プリントジョブの投入を司るジョブサブミットキー3013,そしてプリンタやクラスタプリンタの登録など各種設定を行うコンフィギュレーションキー3014等が設けられており、図40はジョブステータスキー3011が選択された場合に対応し、図41はデバイスステータスキー3012が選択された場合に対応し、図42,図43はジョブサブミットキー3013が選択された場合に対応する。
まず、図40に示すジョブステータス画面において、3021はデバイス表示で、ネットワーク上のMFP等のデバイス名称3021−1、デバイスアイコン(ステータスに応じてアイコンが変化する)3021−2、さらに、それらのステータスを示す文字(Ready,PaperJam,Printing等)3021−3を表示している。
次に、3022はジョブステータス表示で、サーバ内部にあるそれぞれのジョブの状態をモニタ出来、Spooling(RIP前のデータを受信中)、Ripping(RIP中)、Wait to Print (Print待機中)あるいは、Printing(Print中)等で表現される。また、予めジョブ投入時にサーバ内部で待機を指示されているジョブに関しては、RIPされる前の状態でHoldとして保持されている。エラーやジャムが生じた場合には、その旨表示されユーザに知らせるプリント後は、次のジョブ履歴(フィニッシュドジョブ)に渡される。各ネットワークデバイスのステータスは、所定期間毎にサーバが問い合わせる、及び/又は各ネットワークデバイスが自身のステータスに変化があったときにサーバに通知することで対処している。
また、3023はジョブ履歴表示で、ジョブの履歴を見ることができ、正常終了の場合にはPrinted、途中キャンセル時にはCanceledが示される。
さらに、ジョブステータス表示3022,ジョブ履歴表示3023において、3024は詳細キーで、このキーをクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると、実行中のジョブや終了後のジョブの詳細状況をつかむことができ、ジョブ名,ターゲットプリンタ,ジョブステータス,ジョブプライオリティ,ジョブID,クライアント名の他,ジョブのページ数,部数,紙サイズ,出力予測時刻,あるいはクライアントからのオペレータへの要望事項などを記述しておくコメント等が表示される。但し、上記出力予測時刻はあくまでも予測時刻であり、現在のスプール順、RIP予測時間、あるいは、プリンタのスピードなどにより計算される。
さらに、ジョブステータス表示3022において、3025はコントロールキーで、これらのジョブ一つずつに対して、ある特権を与えられた者(たとえば、管理者)のみが制御可能なものであり、左から順に、ジョブのキャンセル3025−1,ジョブの一時停止(ジョブのポーズまたは、ホールド)3025−2,ジョブの再開(ポーズジョブまたは、ホールドジョブのリリース)3025−3等を指示するためのものである。
また、ジョブ履歴表示3023において、2761はコントロールキーで、ジョブ履歴表示3023内のジョブに対して制御可能なものであり、左から順に、ジョブのアーカイブ(ジョブをネットワーク上の別の場所に保管しておく機能)2761−1,ジョブの削除(ジョブのデリート)2761−2,ジョブの再プリント(リプリントジョブ)2761−3等を指示するためのものである。これらの指示に基づいて、オペレータはサーバを扱うことができる。
また、MFP124,125あるいはプリンタ107内のネットワークインターフェース部分にはMIB(Management Information Base)と呼ばれる標準化されたデータベースが構築されており、SNMP(Simple Network Management Protocol)というネットワーク管理プロトコルを介してネットワーク上のコンピュータと通信し、MFP124,125をはじめとして、ネットワーク上につながれたデバイスの状態をコンピュータと必要な情報の交換が可能である。
例えば、MFP124,125の装備情報としてどんな機能を有するフィニッシャが接続されているかを検知したり、ステータス情報として現在エラーやジャムが起きていないか、プリント中かアイドル中かなど検知したり、MFP124,125の装備情報、装置の状態、ネットワークの設定、ジョブの経緯、使用状況の管理、制御などあらゆる静的情報を入手することが可能となる。プリントマネージャは、このMIBを利用して、MFP等のステータスを随時取り込み、それをHTMLファイルとして更新することで、クライアントからは常にその状態を閲覧することができる。
デバイスステータスキー3012をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると、図41に示すデバイスステータス画面が表示され、デバイスステータス表示3031によりデバイス内の装備された紙サイズやその補充状況(各用紙スタッカもしくはカセットの用紙残量)を確認したり、各デバイスに装備されたフィニッシャなどのアクセサリ状況を予め確認したりすることが可能となる。ただし、用紙残量については、そのためのセンサで検出するものであり、記録紙1枚の精度で検出することは難しいので例えば最小単位は10枚程度である(ただし、用紙無しは確実に検出できる)。3033は詳細キーで、このキーをクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると、デバイスの詳細状況(例えば、カラー/モノクロ,解像度,印刷速度等)が表示される。
また、ジョブサブミットキー3013をクリック(図示しないポインティングデバイス等で指示)すると、図42に示すジョブサブミット画面が表示される。
ジョブサブミット画面の利用方法は前述のプリンタドライバと同様であるが、これはクライアントコンピュータ上のファイルをアプリケーションで開かずに(アプリケーション上で印刷指示しないで)、直接プリントマネージャ115に投げ込む(印刷対象の文書ファイルに以下の付加情報を付随させて転送又はコピーする)ためのものである。
通常、プリンタドライバは、2つの役割を持っており、その一つは、クライアントコンピュータ上のアプリケーションでデータを立ち上げて、そのデータをPostScript(登録商標)(或いはPCL)などのPDLデータに変換する役割と、もう一つは、プリントマネージャ115(あるいは、プリンタ)にその変換されたデータを投げ込む役割である。これは、従来型のRIP処理が1種類のRIP処理にしか対応できていなかったためであった。
しかし、これに対して、ジョブサブミットは、役割的には、GUIを用いてジョブチケットと共にジョブを投げ込む処理だけであるが、近年、PSだけでなく様々なフォーマット(たとえば、pdfやtif,jpgなど)のデータを同一のソフトウエアRIPモジュールでRIP処理可能なものが登場したり、プリントマネージャ115内に複数種類のソフトウエアRIPモジュール(例えば、PSとPCL)を有していて、データに応じてそのRIPモジュールを切り替えて使用できたりと、1種類のPDLだけでなく様々なフォーマット(例えば、pdfやtiff,jpgなど)や様々なPDLデータを直接プリントマネージャ115に送付しても、従来の単一のPDLデータ同様にRIP処理を行い、ビットマップデータに展開することが可能となった。
また、仮にMFP124(またはMFP125)のインタフェースの都合で、ビットマップデータでなく、PSデータのみを扱うタイプのRIP処理機能付きのプリンタである場合には、プリントマネージャ115は上記RIP処理にてビットマップデータに展開後、そのデータをJBIGやG4(CCITT)にて画像圧縮したあと、それにPS等のヘッダ(PSデータであることを示すヘッダ)をつけて、そのMFPに出力することにより、様々なプリンタに対してもこれらの各種フォーマットデータのプリントを実現することができる。
ジョブサブミットで付加する設定項目として、3041はターゲットとなる出力先を選択する送信先選択カラムである。一般的には前述のMFP124,125あるいは、それらを組み合わせたクラスタプリンタを設定することも可能である。なお、送信先選択カラム3041でクラスタプリンタと呼ばれる複数台のプリンタを仮想的に組み合わせたプリンタが選択された際には、図43に示すようにそれぞれのプリンタに対して設定を行うことができるように、設定項目切り替えキー3042のGUIが変更される。
3044はファイルを選択するカラムで直接ファイル名をディレクトリィと一緒に指示しても良いが、一般的にはその右のブラウズボタンによりサーバ自身のコンピュータ(あるいは、ネットワーク内)にあるジョブファイルを選ぶことになる。
かかる設定を行い、プリントキー3043をクリックすると、設定された内容と指定されたファイルがプリントマネージャ115に転送され、印刷ジョブとして追加(キューイング)されることになる。
また、選択したファイルと一緒に送られる設定項目をジョブチケットと呼んでおり、3045に示すような設定項目である。なお、図42,図43では、一般設定(General)における設定項目が表示されているが、設定項目切り替えキー3042により設定項目の分類(一般設定,ジョブ制御,フィニッシング,画像処理設定,カラー設定)を切り替えると、図44〜図47に示すように異なる分類の設定項目(ジョブ制御,フィニッシング,画像処理設定,カラー設定等の設定項目)が表示され、それぞれ設定を行って、ジョブチケットとして画像データと共にプリントマネージャ115に送信され、RIP処理やプリント、後処理等に利用される。
それぞれ分類のジョブチケットの詳細設定項目としては、例えば本実施形態では、以下のようにいくつかに分類されて、様々な設定が可能となっている。
1.一般設定(General):部数,紙サイズ,給紙段,メディアタイプ,両面の有無等(図42,図43に示す3045)
2.ジョブ制御(Job):ジョブの優先順位,ジョブセーブの有無等(図44参照)
3.フィニッシング(Finishing):ステイプル,パンチ,ブックレット等(図45参照)
4.画像処理設定(ImageQuality=IQ):シャープネス,ブライトネス,トナーリダクション設定等(図46参照)
5.カラー設定(Color):ガンマ変換テーブルの設定,ICCプロファイルの設定等(図47参照)
また、この1〜5に示したジョブチケットの詳細設定項目は、図43に示すように複数台のプリンタを組み合わせてクラスタプリントする場合には、それぞれのプリンタに対して設定可能である。
さらに、このジョブチケットは、それぞれのデバイスに固有の設定項目があるばかりでなく、予め用意しておけば、操作がスムーズに運ぶという利点があるため、ジョブチケットの呼び出しキーや、任意に設定したジョブチケットを保存しておくセーブキー(ジョブチケットを再使用するため)、及び新しく名前を付けて保存できるセーブアズキー、そしてジョブチケットを削除するデリートキー(不図示)を備えたキー群3044が用意されている。なお、キー群3044は、プリントファイルを自分のコンピュータ或いは自分がアクセス可能なネットワーク上から選択するためのファイル名入力エリア,ブラウズキー等も備えている。
また、ジョブチケットの設定をデフォルトの状態に戻せるように、ジョブチケットのリセットキー3046が用意されている。
以上説明したように、印刷業界およびPOD市場における工程を分類化してジョブに対して、受注・入稿、原稿編集、プルーフ、プリント、後処理、ファイル保管、納品・発送、あるいは、スキャン等の工程に分類化して、各工程を効率的な作業手順、順序、及び、他のジョブとの順序等を考慮して最適なスケジューリングを行うことで、効率的な工程管理を行うことができる。
また、各工程に分類されたスケジュールを一覧表示することで、効率的な工程管理を行うことができる。
さらに、それぞれのジョブに対して、受注順、納期優先、コスト優先、品質優先などのモードを設け、他のジョブと調整を行って全体をスケジューリングすることで顧客のニーズに合った出力を行うことが可能となる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、自分のMFP102に出力するか、発注をかけるかはユーザの意思に任されており、発注機能(発注ボタンや発注アイコン)を意識的にアクティブにするという方法であった。
第2実施形態では、MFP内部で処理できる機能と外部に発注することで可能となる機能の全てをMFPの操作部やプリンタドライバあるいは、ブラウザなどを利用したジョブサブミット画面で表示し、ユーザに好みの機能を選択させ、その設定された機能に応じて自分の環境内のMFPで出力させるか、外部のプロバイダに発注を行うかをMFP自身が判断するものである。
図48は、本発明に係る画像処理システムにおける第2のジョブ発注処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、S3401〜S3406,S3411,S3412,S3421〜S3425,S3431〜S3435,S3441〜S3445は各ステップを示す。
なお、サービスセンター150で予め各プロバイダからの機能情報を吸い上げて登録しておき(S3421,S3431,S3441)、機能画面を表示する際に、その登録された機能の表示を行う。
MFP102からサービスセンター150への問い合わせ方法は、図7のように、操作部画面を開くたびに問い合わせてもいいし、開くたびにアクセスすると時間がかかる場合には、図48のようにMFP102の電源投入時や定期的なポーリングなどで(S3401)、サービスセンター150に予めサポート機能を問い合わせておいて(3411)、ユーザが機能選択画面を表示する際、すぐに表示されるように構成されている。
このとき、MFP102では、自分自身でサポートされている機能以外に、サービスセンターで仲介している全てのプロバイダ(図48ではプロバイダA〜プロバイダZ)がそれぞれサポートしている機能の論理和で表示したり、プロバイダ毎に全部の機能を表示したりして、ユーザに操作部やUI上で、MFP102での出力と外部に発注をかけることの区別をなくして表示する(S3402)。
ユーザは表示された機能に対して、所望の機能を選択して設定する(S3403)。このときMFP102は、その設定された機能が自分自身で処理可能か否かを判断して(S3404)、可能であればMFP102に設定機能を反映させて(S3405)、プリント出力を行い(S3406)、処理を終了する。
一方、ステップS3404で、サポート範囲外の機能を入力されていた場合には、サービスセンター150にて適切なプロバイダを選定して(S3412)、該サービスセンター経由で機能がサポート可能なプロバイダに発注依頼(S3422,S3432,S3442)を行ったり、または、MFP102から機能がサポート可能なプロバイダに直接発注依頼を行ったりする。なお、ステップS3423〜S3425,S3433〜S3435,S3443〜S3445は、所望の機能設定処理,プリント製本サービス処理,納品処理に対応する。
一方、依頼されたプロバイダ側は、希望納期、希望品質あるいは、希望コストなどを加味して工程管理を行い、それがユーザの希望に合えばジョブの受注が成立し、所望の設定機能を反映させて、プリントサービスを開始する。出力が出来上がり次第、プロバイダはジョブをユーザに向けて発送、納品し、ユーザは出力を受け取ることができる。
図49は、図1に示したMFP102の操作部に表示されるジョブ設定操作画面の一例を示す図であり、タブ上に、COPYとオーダが自動判定される操作画面例であり、ユーザにMFP102での出力設定と、発注設定との差異を意識させずに行えるように構成されている。
図50は、図1に示したクライアントコンピュータ103上で表示されるジョブ発注操作画面の一例を示す図であり、プリント時のジョブサブミット画面例である。
図50に示すように、本実施形態では、MFP102でサポートされていない機能も同時に表示されており、自動的に自分自身でプリントするか、外部に発注をかけるかをユーザの設定に応じて決めることが可能に構成されている。
〔第3実施形態〕
第1実施形態では、MFPの動作のうち、複写動作とネットワークプリンタ動作を中心に説明したが、MFPには既に説明したように、下記のような機能(A)〜(I)を持っている。
本実施形態に示すMFPは、(A)複写機能,(B)ネットワークスキャナ,(C)ネットワークプリンタ,(D)ファクシミリ送信機能,(E)ファクシミリ受信機能,(F)ボックス受信機能1,(G)ボックス受信機能2,(H)ボックス送信機能1,(I)ボックス送信機能2を備えている。
読み取り系に関しては、第4実施形態で説明するとして、ここではボックス送信機能について説明する。
ユーザがスキャンやプリントジョブの一次格納として、既にMFP102のメモリボックスにジョブを登録している場合にも、第1実施形態同様に自分のMFP102に出力したり、サービスプロバイダに発注依頼したりすることが可能である。
メモリボックスは、大きく分けて2つの使い方がある。1つ目は、ユーザ自身が1つまたは複数個のジョブを格納しておいて、後で一斉に出力する場合。もう一つは、あるユーザがジョブを格納し、別のユーザが予め伝えられたユーザIDとパスワードを入力して格納されたジョブを取り出す(プリント出力)場合である。
前者の場合、格納するジョブとして、スキャンされたデータ、あるいは、クライアントコンピュータ103からMFP102のメモリ2211にプリントせずにメモリボックスに格納することを目的に入れられたデータがあり、いくつか溜め込んだ後に、後で一斉に出力する場合で、時としてスキャンデータとコンピュータからのデータを混在して溜めておいて一度に出力するという使い方もできる。そのため、複数個のジョブからなるような発注依頼や、スキャンと電子データとの混在データの場合などにこの機能を用いれば、まとめてサービスプロバイダに発注をかけることができる。
次に後者の場合、ジョブを格納する人と、発注をかける人を別にすることができる。通常、発注をかけるには出金を必要とするため、作業者が誰でも発注できると混乱を招く場合もあるため、実際にジョブを作成してメモリに格納する人と、その内容を試し刷りやプレビューを利用して確認し、発注行為を承認する人を別に設定した方がいいという環境では、このボックス機能が有効であると考えられる。
〔第4実施形態〕
第1実施形態では、プリントサービスに特化して実施形態の例について説明したが、ASPにおけるプロバイダのサービス内容は、プリントサービスだけではない。
その例として、図51に示すようにプロバイダ環境110において、OCR(Optical Character Recognitionまたは、Optical Character Reader)サービス181や翻訳サービス182を提供することも本実施形態に含まれる。
図51は、本発明の第4実施形態を示す画像処理システムの一例を示す図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
図52は、図51に示した画像処理システムにおけるスキャナドライバの設定画面の一例を示す図である。
図51に示すように、ユーザ環境100にある、MFP102のスキャナとクライアントコンピュータ103を利用して、紙原稿に対してOCRをかけるサービスや、あるいは、電子ドキュメントやOCRをかけられたデータに対しての翻訳サービスを行う。
例えば、図32に示したスキャナドライバの中に、図52に示すようにOCR機能1281や翻訳機能1282のメニューを設けて、ユーザがこれらを選択した場合に、第1実施形態と同様にサービスセンターかプロバイダに対して,そのサービスの発注をかけるのである。
発注をかけられたプロバイダは、設定された機能に応じて、OCRサービスや翻訳サービスを行い、その出力が物理的なものであれば、トラック便などを利用して配送され、データであればインターネットを経由して、ユーザ環境のMFP102または、クライアントコンピュータ103に知らせることとなる。
また、翻訳サービスを終えたデータがMFP102に届くと、サービス終了が告知され、そのMFP102にてプリント出力できる。
〔第5実施形態〕
上記実施形態では、自分自身のMFP102とサービスプロバイダへの発注に関して、二者択一で行う例を説明してきたが、いずれか一方だけでなく、両方同時にMFP102へのプリント(または、コピー)とサービスプロバイダへの発注を行うような機能を設けてもよい。
あるいは、サービスプロバイダに関しても、択一的に一社だけに発注する場合を考えていたが、二社、あるいは、三社に対して一斉に発注をかけて大量部数の負荷分散を行ってもよい。
〔第6実施形態〕
第1実施形態では、ウエブブラウザを利用して、1つのプリンタドライバから自分自身のMFPへの出力と、いくつかのプロバイダ環境へのプリント発注を行った例を示したが、ここでは、プリンタドライバを利用して実現する方法を考える。
図53,図54は、本発明の第6実施形態を示す画像処理システムにおけるプリンタドライバのプロパティ画面の一例を示す図であり、図13および図14と同一のものには同一の符号を付してある。
本実施形態では、図53の(a)におけるMFP102のプロパティ画面で新たなポートを選ぶ際に、図53の(b)に示すように、サーバURLとして、例えば、プロバイダAのURLを選択する。このURLは、プロバイダA環境にある受注・入稿マネージャ112が持つウェブ受発注画面のURLでもいいし、あるいは、プリントマネージャ115や実際のMFP124または、MFP125が持つウエブサーバのURLであっても構わない。これによりインターネットを経由してウェブサブミッション画面が開かれたり、IPP(Internet Printing Protocol)対応のMFP124または、MFP125に出力したりすることができる。
また、ユーザ環境のプリンタドライバ側には自分の環境内のMFP102に出力するか、上記のサービスプロバイダに発注をかけるかが不明確であるため、プリンタドライバの送付先が2つまたはそれ以上リンクできるようなプリンタドライバにしておき、図54のように試し刷りキー800と発注キー801の2つを設けて、試し刷りキー800がクリックされた場合には、自分の環境内のMFP102を送信先に設定し、発注キー801がクリックされると、上述のサービスプロバイダに発注をかけるようにしておく。
上記各実施形態によれば、ユーザが自己のMFPで搭載されていない機能/性能であっても、利用することができる。例えば、面付けサービスやバリアブルデータプリントサービス、製本サービス、カラープリントサービス、あるいは、短期間での大量部数サービスといった廉価版のMFPでは実現不可能な機能/性能もプロバイダ側との連携でサポートするサービスを提供できる。
〔第7実施形態〕
〔カウンタによる発注管理〕
図56〜図58は、本発明に係る画像処理システムにおける操作部の表示画面の一例を示す図であり、図3に示した操作部102−1におけるカウンタ情報表示画面例に対応する。
ここで、ユーザ環境のMFP102に戻って、図55に示す操作部102−1のカウンタチェックキー336を押すと、MFP102がどのくらい利用されているかLCD表示部300上に、例えばリスト形式で表示される。実際には、1枚の紙の通紙(給紙されてから完全に排紙されるまで)が完了するとカウンタが1ずつアップする。
一方、ジョブ処理途中で、何らかの要因によりジャムやエラーが発生した場合は当該カウンタはアップしない。また、両面プリントの場合でも、両面そろって排紙されると、トータルカウンタは2枚分に相当する「2」ずつ、両面カウンタは「1」ずつアップすることとなる。
なお、カウンタ値は、図55〜58に示すカウンタ表示画面において、表示されている項目毎にそれぞれ独立しているカウンタが、図3に示すコントローラ部102−4内のNVRAMあるいは、ハードディスク等に確保されるカウンタ領域に確保され、それぞれの機能処理実行状態に応じてコントローラ部102−4が所定ステップ単位にカウントアップ処理する。
一般にカウンタの種類は、保守サービスを行う国や地域、あるいは、サービス会社などによって異なるが、トータルカウンタを初め、スモールサイズ(A4やLetterなど)の通紙枚数、ラージサイズ(A3や11×17など)の通紙枚数、カラー/白黒の通紙枚数、あるいは、片面/両面の通紙枚数などのカウンタを独立して持つことが知られている。
これらはもともとその通紙枚数に応じて設定された料金体系が異なり、これらの月々のカウンタアップ分に応じて、サービス保守料金(MG料金)などが異なっているからである。
そこで、上記に示した外部に発注するサービスもその利用回数に応じて、カウンタ管理を行う。例えば、LCD内にタブ形式でサービスタブを用意し、これが選択されると、図58に示すように画面が切り替わる表示制御が実行される。
なお、カウンタは、プリント工程や後処理工程(フィニッシング)などのサービス毎にカウントしてもよいし、図57に示すようにプロバイダ毎のタブを用意して、プロバイダ毎にカウントしてもよいし、あるいは、図58に示すように後処理工程でもそれぞれ単価が異なるため同じ後処理工程でも中綴じ製本(ブックレット)やくるみ製本(ケースバインディング)などそれぞれ別々にカウントするように構成してもよい。
更に、1つのジョブであってもそれぞれ機能毎にカウントする。例えば、100ページのくるみ製本冊子10部の場合、面付け2in1(カウンタA=50)、プリント(カウンタB=1000)、くるみ製本(カウンタC=10)といった具合に1ジョブでも、それぞれカウンタの機能により対応する単位でカウントアップする仕組みに構成されている。
図59,図60は、図2に示したクライアントコンピュータ103側のブラウザにより表示されるカウンタ管理モニタ画面の一例を示す図であり、例えばMFP102内のウエブサーバを利用して、クライアントコンピュータ103からMFP102のカウンタの内容をモニタする例である。本例において、図59は、図55に示した画面と同じ内容を、図60は、図56に示した画面と同じ内容を示した例であり、ウエブブラウザを利用してカウンタ値を確認できる。
また、カウンタだけでなく、サービス単価や概略見積もりコストなども同時に表示してもよい。さらに、カウンタだけでなく、発注の日付、時間、発注プロバイダ名、納期なども併記してサービス明細(ログ)として記録したり、表示したりしてもよい。
なお、本実施形態のカウンタ情報の一例として、本画像処理装置、及び本画像処理装置にて実行不能な処理・機能を実行可能で且つ本画像処理装置と通信ユニットを介してデータ通信可能で且つ本画像処理装置から所望の処理を実行させる依頼を該通信ユニットを介して実行可能な、サービスセンターとしてのプロバイダ、即ち、外部装置(情報処理装置とも呼ぶ)、において、取扱った記録用紙の処理枚数(消費枚数)を、取り扱う場合の例について、本実施形態(その他の実施形態も含む)では主に説明するが、本実施形態のカウンタ情報とは、このような、処理枚数だけに留まらず、例えば、電子メールやファクシミリ送信したデータのデータ量等をも、カウンタ情報として管理可能に構成しており、このような情報をカウンタ情報として適用できる。つまり、本実施形態は、本画像処理装置、及び上記外部装置にて、ジョブデータの処理量(ジョブを印刷した記録紙の印刷枚数の総和に関する情報や、ジョブを送受信する場合における処理したジョブのデータ量の総和に関する情報等のうちの少なくとも何れかの情報を含む)に関する情報を、カウンタ情報として管理記憶し、これを本実施形態の表示制御等の各種の制御に利用可能にしている。
そして、このような本実施形態でいうところのカウンタ情報に関し、本画像処理装置のカウンタ情報を、第1タイプのカウンタ情報として、本画像処理装置の報知ユニット(例えば、操作部)を介してユーザに報知(本実施形態の報知処理は、例えば、表示部にカウンタ情報を表示させることでユーザに報知する処理や、不図示の音声ユニットに音声情報出力させることによりユーザに報知する処理などの各種の報知処理を含む)を可能に制御するとともに、本画像処理装置からネットワーク等の所定の通信媒体や通信ユニット等を介してユーザの所望の処理を依頼可能な依頼先である外部装置(プロバイダ、サービスセンターなど)におけるカウンタ情報を、第2タイプのカウンタ情報として、上記通信ユニット等を介して本画像処理装置が取得可能に構成し、本画像処理装置の上記報知ユニットを介して、報知可能に、本実施形態のコア部により制御可能に構成している。
そして、これら本画像処理装置のカウンタ情報、及び外部装置のカウンタ情報を、本画像処理装置のユーザが、それぞれ、区別可能にした状態の報知処理(例えば、ユーザに報知したカウンタ情報は本画像処理装置のカウンタ情報であるのか否か、プロバイダとしての依頼先となる外部装置のカウンタ情報であるのか否かを、ユーザにより識別可能にする報知処理や、画像処理装置にて実行可能な複数の処理の各処理毎に、どれだけジョブを本画像処理装置にて処理したか、処理枚数にそれぞれ換算して、それを本画像処理装置にてユーザに報知可能に制御するとともに、該プロバイダとしての外部装置にて実行可能な複数の処理の各処理毎に、どれだけジョブを該プロバイダにて処理したか、処理枚数にそれぞれ換算して、それを本画像処理装置にてユーザに報知可能に制御する処理等)を、報知ユニット(例えば、操作部の表示部や、不図示の音声ユニット等の各種の報知ユニット)に、実行させるようコア部により制御可能に構成している。
〔第8実施形態〕
上記各実施形態等では、自分のMFP102に出力するか、外部のプロバイダ環境110に対して発注をかけるかはユーザの意思に任されており、発注機能(発注ボタンや発注アイコン)を意識的にアクティブにするという方法について説明したが、MFP内部で処理できる機能と外部に発注することで可能となる機能の全てをMFPの操作部やプリンタドライバあるいは、ブラウザなどを利用したジョブサブミット画面で表示し、ユーザに好みの機能を選択させ、その設定された機能に応じて自分の環境内のMFPで出力させるか、外部のプロバイダに発注を行うかをMFP自身が自動的に判断するように構成してもよい。以下、その実施形態について説明する。
図61は、本発明に係る画像処理システムにおける第3のジョブ発注処理手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示したMFP102によるジョブ発注とカウント処理手順に対応する。なお、S4301〜S4306,S4311〜4313,S4321〜S4326,S4331〜S4336,S4341〜S4346は各ステップを示す。
サービスセンター150で、予め各プロバイダ110a等からの機能情報を吸い上げて、記憶装置に登録しておき(S4321)〜(S4341)、機能画面を表示する際に、MFP102からサービスセンター150への問い合わせ(S4311),その登録された機能の表示を行う(S4302)。なお、MFP102からサービスセンター150への問い合わせ方法は、操作部画面を開くたびに問い合わせてもいいし、開くたびにアクセスすると時間がかかる場合には、図61のようにMFP102の電源投入時や定期的なポーリングなどでサービスセンター150に予めサポート機能を問い合わせておいて、ユーザが機能選択画面を表示する際、すぐに表示されるようにしておいてもよい。
このとき、MFP102では、自分自身でサポートされている機能以外に、サービスセンター150で仲介している全てのプロバイダ(図61ではプロバイダA〜プロバイダZ)がそれぞれサポートしている機能の論理和で表示したり、プロバイダ毎に全部の機能を表示したりして、ユーザに操作部やUI上で、MFP102での出力と外部に発注をかけることの区別をなくして表示するとともに、ユーザは表示された機能に対して、所望の機能を選択して設定する。
このときMFP102は、その設定された機能が自分自身で処理可能か否かを判断して(S4303)、可能であると判断した場合は、MFP102に設定機能を反映させて(S4304)、プリント出力を行う(S4305)。
一方、ステップS4303で、サポート範囲外の機能を入力されていたと判断した場合には、サービスセンター150経由で機能がサポート可能なプロバイダを選定して(S4312)、いずれかのプロバイダに発注依頼を行ったり(S4322,S4332,S4342)、または、MFP102から機能がサポート可能なプロバイダに直接発注依頼を行ったりする。
一方、依頼されたプロバイダ側は、希望納期、希望品質あるいは、希望コストなどを加味して工程管理を行い、それがユーザの希望に合えばジョブの受注が成立し、所望の設定機能を反映させて(S4323,S4333,S4343)、プリントサービスを開始する(S4324,S4334,S4344)。出力が出来上がり次第、プロバイダはジョブをユーザに向けて発送、納品し(S4325,S4335,S4345)、ユーザは出力を受け取ることができる。
そして、実行された機能毎にカウンタを設定されている単位でカウントアップさせるための情報を発注元を管理するサービスセンター150に通知する(S4326,S4336,S4346)。
そして、各プロバイダから通知されるカウント情報と通知先情報とから、発注元にMFP102内で管理される各カウンタの値を更新すべき更新情報を通知する(S4313)。
そして、MFP102側で、サービスセンター150からの通知情報を監視して、それがカウンタの更新情報であると判断した場合は、そのカウンタIDを判定して、対応するカウンタの値を更新(カウントアップ)して(S4306)、処理を終了する。
なお、上記実施形態では、カウンタのカウント値は、正価として請求する場合に対応するものであるが、プロバイダの新規参入やマシン入れ換え等により、割引キャンペーンを期間限定で行う場合等によっては、通常のカウント値よりも減算されたカウントアップをMFP102の各カウンタに対してそれぞれ行い、受注者のリピータ意欲を促進できるように制御してもよい。
〔第9実施形態〕
なお、プロバイダ110a等やサービスセンター150の仲介を行う会社にとって、サービス機能のカウンタを持つ意味は、サービス料金の徴収だけではない。
例えばユーザがどのような機能を多く使うか、どのような時期や時間に多く利用するか、あるいは、一回の発注時にどのくらいの分量の発注を行うかなど、アンケート的や統計的に情報を収集することが可能となる。
そのとき、ユーザのカウンタ情報をネットワーク経由で吸い上げ制御を定期的あるいは大量ジョブ実行開始前等に行うことにより、貴重なサービス情報源として利用できるばかりでなく、今後のサービスの拡大化に利用できる可能性を秘めている。
その際に、図5に示すような形態でサービスセンター150に情報を集結させることを考えたとき、例えば、図61に示したフローでMFP102のカウンタをアップさせる。
すなわち、予め各プロバイダから機能ごとの単価をサービスセンター150に登録させておき、ユーザの持つMFP102にて、機能と単価を表示させる(S4302)。次に、MFP102にてプリントするか、プロバイダに発注をかけるかを選択し(S4303)、MFP102自身でプリントならば、自分自身でプリントし(S4305)、その分のトータルカウンタをアップさせる。
一方、サービスセンター経由で発注をかける場合には、サービスセンターで適切なプロバイダを選択し(S4312)、プロバイダAに発注をかけるならば(S4322)、そこでプリント製本サービスを行い(S4324)、出力書類が実際にユーザの元に届き(S4325)、伝票処理がなされたなら、プロバイダAはサービスセンター150に対して、利用された機能ごとのカウンタアップ分の通知を行い(S4326)、それをサービスセンターにて管理し(S4313)、MFP102に対して、機能ごとのサービスカウンタのアップを行う(S4306)。
更に、サービスセンター150では、時期や時間帯、発注の数量、発注回数や頻度など時間単位やプロバイダ単位での集計を行い、統計化すると、それぞれのカウンタ情報は利用度合いのアンケートとしてデータを有効利用することができる。
以下、図62に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像処理システムで読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
図62は、本発明に係る画像処理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
本実施形態における図8,図10,図17,図33,図48,図61に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
また、本実施形態では、プロバイダ側におけるMFP資源の構成、例えばプリンタエンジン(モノクロ,カラー),オプション装置(フィニッシャ,製本処理),スキャナ等についてのハード構成や、画像データ処理,印刷データ処理について割愛しているが、当該処理は、公知のスキャナ技術,プリンタ技術,シート後処理技術であり、必要ならば、特開2003−162393号公報等(出願人:キヤノン株式会社)に開示の通りであり、これらの開示技術を適用して、プロバイダ側で発注されたジョブを処理するものである。
上記実施形態によれば、ユーザが自己のMFPで搭載されていない機能/性能であっても、利用することができる。
例えば、面付けサービスやバリアブルデータプリントサービス、製本サービス、カラープリントサービス、あるいは、短期間での大量部数サービスといった廉価版のMFPでは実現不可能な機能/性能もプロバイダ側との連携でサポートするサービスを自在、かつタイムリに提供することができる。
また、本発明は、ユーザ環境とプロバイダ環境をインターネット経由で結び、ユーザがMFPを保持し、プロバイダに発注可能(予め契約したり、発注可能条件を満たしたりしているなど)である場合に、MFPに発注機能(発注キーや発注アイコンなど)を設けて、これにより紙原稿またはボックス内の画像データをインターネット経由にてオンディマンドでプリント製本サービスなどが受けられるようにするものである。
また、クライアントコンピュータからプリントを行う際にも、ユーザ環境内にあるMFPに出力したり、外部のプロバイダ環境にプリントサービスの発注依頼を行ったり、使い分けることができる。
発注機能や発注依頼に関しては、ユーザが自分のオフィスに居ながらにして、オフィス環境とプロバイダへの発注とを意識させないほど簡単にでき、かつ、複雑な設定や契約手続きも必要とせず、手軽に大量プリントの出力を入手できる。
また、予めユーザが入力したジョブチケットに応じて自分自身のMFPで処理可能な場合は処理し、処理できない場合は自動的に発注をかける仕組みも提供することができる。
また、発注という行為は、原稿と出来上がりとの差異を途中で確認できないという不安があるのに対して、ユーザは、自分の環境にあるMFPにて一度、試し刷りをすることで出来上がり出力を安心して受け入れやすくなる。
更に、通常のプリントドライバでは出力先が1つのプリンタであり、試し刷りと発注行為を分けて行わなければいけないのに対して、プリンタドライバでOKボタンをクリックするとウェブ画面が開き、ユーザ環境のプリンタに試し刷りプリントするか、いくつかのプロバイダから選んでプリントサービスを受けるかを容易に選択できる。
次に、データの流れとしては、下記のような方式が考えられる。
クライアントコンピュータからPDLデータで、ユーザ環境のMFPに試し刷り、かつ/または、プロバイダ環境に発注行為を順次または、同時に行う。
クライアントコンピュータからプリントジョブを必ず一旦MFPに投げて試し刷りを行い、MFPから信頼のあるプロバイダにジョブを転送する。
ユーザ環境のMFPにてRIPし試し刷りを行い、RIPされたデータを圧縮または、暗号化して、プロバイダ環境に転送し、プロバイダ環境にて設定を変えて再度プリントする等それぞれ場合によってジョブの投げ方を変えることが自在に行える。
一方、プロバイダ側は、ユーザからのジョブを受注し、原稿編集、プリントイメージの確認(カンプ/プルーフ)、プリント、フィニッシング処理、再発注のためのファイル保管、そして納品配送までを行って、ユーザの手元に出力を届けるサービスを行うことが可能となる。また、プロバイダは複数あってユーザがサービス内容に応じて逐次選択することができる。
また、複数の工程からなる画像形成処理を実行可能な画像処理装置システムにおいて、複数の工程を管理するとともに、印刷業界及びPOD市場における画像形成処理の工程を分類化し、各工程(原稿編集、プルーフ、プリント、後処理、ファイル保管、納品・発送、スキャン等の各工程)に対してのスケジューリングを行うなど効率的な工程管理を行うことができる。